Jeff Beck - Truth

トゥルース  改めて聴くとやっぱりとんでもない音が詰め込まれている第一期ジェフ・ベック・グループの最初のアルバム「Truth」では、以降フェイセスやソロ活動でロックンローラーのセクシーさをウリに第一線で活躍することとなる名ボーカリスト、ロッド・スチュワートをメインボーカルに据え、ベースにはこのころまだまだ全く無名だったロン・ウッドが参加しているという素晴らしきメンツでのアルバム制作。プロデュースにはミッキー・モストを配して、鍵盤にはニッキー・ホプキンスというこれ以上ないくらいの面々でのアルバムは60年代末を飾るに相応しいテクニカル且つロックなバンドとして君臨する、はずだったが…。

 なかなかロックの歴史はそう簡単にいかないんだなぁと思う。アルバムの中味はベック全アルバムの中でも個人的には一番好きな作品で、バンドらしいアルバム。そしてベックがまだ初期の影響力に忠実にブルースを基調とした楽曲を揃えているところが聴きやすさを備えているんだろうな。初っ端からヤードバーズの有名作を新アレンジでカバーし、ロッドのボーカルを最大限に引き出しているところはインパクト絶大。このアルバムでは完全にロッドがベックを喰っているし、またベックがバンドのギタリストとしてのプレイに徹しているところも良い。一般的にLed Zeppelinとよく比較される「You Shook Me」だが、まあ、タイミング的にはベックの方が若干早かったんだろうけど、大体同じような年の同じような場所に住んでた若い連中が影響を受けたものといえば似たようなものだったので、同じ曲を選び、同じくパクリ的にオリジナルなセンスで勝負するのも同世代ならではのものだろうから比較論にはあんまり意味ないと思うんだけどな。バンドの目指す方向性に合わせたアレンジになってえいるってだけで、ベックの方が原曲に忠実にハードにプレイされているってトコで、Zepのはアレンジ云々もあるけどボーカリストの声質の違いだろうな。ロッドはブルースも声質的に平気で歌える人だけどプラントはどう聴いてもブルースの声じゃないもん(笑)。ま、好みの問題だからいいけど、ここでのベックのギタープレイはまだ人間らしくブルージーに弾いているしさ。年と共に宇宙人的ギタープレイを弾くようになるベックにしてはスタンダードで結構好き。そのペイジが書き上げた「Beck's Bolero」のメンツはこれまた凄くてねぇ、キース・ムーンにジョン・ポール・ジョーンズ、ベック、ペイジ、ニッキー・ホプキンスなワケで…、夢のある時代だなぁ。

 てなことでベックの作品にまつわるロック話にはキリがないんだけど、第一期ベックグループは続く「Beck Ola」で解体し、更にルックスの似たコージー・パウエルを迎えた第二期に入っていくんだがその辺はまたいずれ。しかし「Truth」に収録のラストの「Blues Deluxe」というブルースでのロッドの歌声と言ったら堪らない。聴いていて気持ち良いもん。これくらい気持ち良くさせてくれないとアカンぜよ。もちろんニッキーのピアノもベックのギターも本当にブルース好きって感じでこのアルバム中最高の出来映えでしょ、コレ。「Beck Ola」では「Jailhouse Rock」があるしね、やっぱりこの頃のロックは熱くてユニークで面白い。

Jeff Beck - Beck Ola

ベック・オラ(紙ジャケット仕様)  ロック好きを自認してからオールドタイムなホンモノのロックを漁りまくるまでは当然時間がかかっていて、後追いならではの苦労なのだが、あちこちの雑誌などでディスコグラフィやら影響を受けたアルバムやら読み漁り、またレコードのライナーノーツに書いてあるわずかな情報を頼りにありとあらゆるレコードショップを探し回るという日々。そもそもレコード屋だって一般的な新品販売のショップじゃ意味ないワケで、その筋の店ってのはどこにあるのかっつうところから探さないとレコードなんて見つからない。おかげで見つけた時の嬉しさとそのレコードに対して聴く意欲というのもハンパじゃなくって、決して悪くは聞こえないというものだ。しかし見つからない場合は見つからないので、そのうち興味が失せてしまうものもある。自分に取ってベックってのはそういう存在に近かった。

 1969年リリースのセカンドアルバム「ベック・オラ」。何かでこのアルバムを知ってそれこそレコードや屋を探し回っていた頃には全然手に入らない状態で、見かけることがなかったが故に全然聴くことなく時間が過ぎ去っていったレコードのひとつ。CD時代になってから聴いたもんな。ファーストの「トゥルース」はレコード見つけて聴いてたんだけど、イマイチ面白味に欠けるっていう印象だったからセカンドの本作にもそれほど強い欲求を感じなかったんだよね。

 ところがどっこい、この「ベック・オラ」を聴いてみるとファーストよりも全然ハードでギター弾きまくっているじゃないか。トリッキーというか、キュインキュインとヘヴィーなギターが鳴っていて面白い。しかもワイルドなサウンドと歪みまくったギターで相当に気合い入ったプレイ。しかもボーカルはロッド・スチュワートだから圧倒的にロック名歌とサウンドだし、ハードロックを歌うロッド、ってとこか。ベースはロン・ウッド、だよね。ロニーってさ、ベックの所脱退してからベックと一緒にやったのってあったっけ?あの人の良さそうなロニーがロッドとは久々の共演とかやってたけどベックとはやってないってのは相当因縁があるのかな。そしてドラムは、ミック・ウォーラーかエインズレー・ダンバー?トニー・ニューマン?ま、誰にしてもロック界では強烈なドラミングを誇る方々でして、この跡はコージー・パウエルなワケで、ベックはドラマーにうるさいってのがよくわかる。

 さて、この「ベック・オラ」という作品、トリッキーなギタープレイをハードに楽しむというのもひとつの魅力だけど、ロッドの歌はともかく、楽曲のバラエティも豊富。「監獄ロック」のカバーにしても凄いグルーブの曲に変貌しているし、とにかくグルーブとノリと言う意味では凄い迫力をカマしてくれるアルバム。アナログ時代の最後の「Rice Pudding」に至っては即席の強烈なセッションがそのまま聴けるのも迫力もの。

 今CDで聴ける「ベック・オラ」ではライブバージョンがボーナストラックで入っているのでナマナマしいアレンジでプレイされている楽曲が4曲聴けるが、プレイはライブの方が良いものの音質面ではちょっと軽い感じ。かと言ってアルバムの音質もちょっと問題あるのでなかなか難しいが、アルバムそのものの迫力と良さは文句なし。もっと早い段階で聴いておきたかったなぁ…。

Jeff Beck Group - Rough and Ready

ラフ・アンド・レディ  昔のロックは色気と活気と熱気とヤバさがあった。今は多分そういうののある程度は死んだと思う。成熟してしまったんだな、ロックってのが。そういう認識に至ったのは割と最近だけど、自分自身はその成熟の中にいるので何ら困ることも残念になることもなく、相変わらず楽しめる…と言うか楽しみ続けていくのはこの世代あたりまで、みたいなのあるな。細かい話は置いといて今でもロックは続いているしバンども出てくるからそれはそれで進化するだろうと。ただ、70年代を筆頭とするロックってのは終わってるな、と(笑)。

 デヴィッド・ボウイって1973年のジギー時代の解散ライブの最後の最後でジェフ・ベック呼んで2曲プレイしてたんだよ、映画リリース時にはカットされてるけどさ、この二人もあんまり接点無さそうなのにどっかであったんだろうなぁ、それがロック。んで、ちょっと強引にジェフ・ベックに話を持っていくかと(笑)。いや、ただ単にジェフ・ベックの「Rough and Ready」を聴いてたらすげぇかっこいい〜!って事にようやく気づいたからです。そもそも自分はジェフ・ベックに対して奥手で…ってか理解を示すのがかなり遅かったのでほとんど通ってなかったんです。若い頃はわからなかったしその後もそんなに聴くこともなく通ってきたから90年代末頃からの復活劇あたりから色々と聴き始めたっても過言じゃないくらい奥手ですからね。最初期だけは聴いてたけどだから?ってくらい。んでもね、それが余計に面白かったりする。まだまだ楽しめるロックあるんだよ、って。

 1971年の第二期ジェフ・ベック・グループの最初のアルバム「Rough and Ready」は、冒頭の音が鳴った瞬間からものすごい違和感(笑)。何だこの本格的な黒さは?ドラム叩いてるのコージーだろ?みたいなさ、何か本格的に黒いんだけどジェフ・ベックのギターってそこに染まってないの。でも曲やリズムにはもちろんマッチしてて浮遊してるから凄くてさ、カッコ良いんだよ。だから当時からジェフ・ベック好きなギターキッズが多かったのか…とかようやく理解するワケ。ハイレベルだったんだよなぁ、多分。そりゃさ、つまんねぇのもあるけどやっぱ凄い。性格が無茶苦茶じゃなきゃもっともっと成功してた人だろうなとか勝手に思ったり。アルバムやバンドの来歴はアレコレ語り尽くされてるようなお話だけど、それでもこの「Rough and Ready」というアルバムの濃さはギターキッズの教科書ですな。もちろん自分なんかは今から弾けやしません、多分。

 いや〜、何つうの、オリジナリティ溢れる音だよ。革新者、正に。よくこんだけ自分がやろうと思う音楽の音を出せていると思う。ギターだけが目立つわけじゃなくてバンドのアルバムとして目立つ、そしてギターはギターで更に目立つ、でもそれぞれの楽器がきちんと目立つ、そしてもちろん上手い。やっぱもっともっとベック聴かないとダメだ…聴こうっ!

Beck Bogert & Appice - Beck Bogerd & Appice

ベック・ボガート&アピス  ジェフ・ベックが熱烈に欲したリズム隊だったボガートとアピス。ちょびっと彼らの音に触れてみればそれはなるほど、ってことがよくわかる。ジェフ・ベックにとってクリームのようなサウンドの発展形ってのは簡単にできる構想もあっただろうし、Zeppelinのような音も自分にはわかっていたはずだ。ところだ、自分の周辺にはたまたまそういうリズム隊との出会いがなく、時代を築き上げられなかったというジレンマ、だったかどうかわからんが若気の至りによる悔しさってのはあったんじゃないだろうか。

 ボーカルこそロッド・スチュワートという天才と出会ってはいたが、ジェフ・ベックにとってボーカルってのはさほど重要ではなかったようで、それはもうベックの歴史を見れば一目瞭然。そこにボガードとアピスというリズム隊が舞い込むチャンス、一度はフイにしてしまったが、1973年になってようやく念願叶った…が、時代はもう先に進んでいた、という間の悪さがBB&Aというバンドをイマイチメジャーにし切れていないのだった。

 1973年にリリースされた待望の「Beck Bogerd & Appice」という作品だが、結局「Beck Bogerd & Appice」一枚でこの待望のバンドも終わってしまったということが時代性を物語っている。ジェフ・ベックが当時やりたかったことは既に時代が求めていなかったのだ。もちろん本人たちもその辺は敏感に感じ取ったことだろうが、ミュージシャン的にやってみたい一触即発の世界はやっぱりタッチしてみたかったんだろう。後追いで聴くとそんなことも考えちゃうんだが、普通に音としてアルバム「Beck Bogerd & Appice」に取り組むと、ジェフ・ベックと言うヒケを取らないギタリストがフロントにいるにもかかわらず、やはりもっさりした感じのアルバム像になっちゃってるのはそもそも曲の問題?リズム隊の問題?ジェフ・ベックがもっとギターを存分に弾きこなせなかったってことか?いや、聴いているとそれは音を抜く隙間を埋めてしまったリズム隊の技量じゃないかと。そこが凄い、っていう捉え方もあるが聴かせる音、ではない。演奏を個別に聞けばそりゃもう凄いさ。ただアルバムの音楽的作品性としては?となると聞き辛いもん。凄さはわかるが、ってヤツだ。ただ、やっぱりファン多いよね、このヘン。リアルタイムな人はこの迫力にぶっ飛んだだろうし、それはクリームを通らなかった世代がBB&Aであの衝撃を味わったから、とも言える。

 自分は…、やっぱ凄いと思いつつあんまり通り切っていないんで、Beck Bogerd & Appiceって。どこかキャッチー性が欲しかったのかもしれないな。ひたすら演奏垂れ流しだけってのは聴いててややキツかった記憶がある。今聴き直してもやりすぎだよな、って思うトコあるし、無条件に良いです、とは言い切れないのが本音。凄いけどね。


Beck, Bogert & Appice - Live In Japan

ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン ロン・ウッド、ロッド・スチュワートと来たらやっぱりジェフ・ベックかロニー・レインか…ってトコだと思うが、ロニー・レインのスリム・チャンスのレコードは果たしてどこにあるやら…、ってことでまた探すとして、ジェフ・ベックに行こう。普通のじゃ面白くないからロック界の名盤を挙げてしまえ(笑)。

 …ってなことで伝説の日本公演がそのまま歴史的名盤になってしまったベック、ボガード&アピスのライブ盤「ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン」です。何故かベックってあまりハマり込んだことがなくて、このアルバムに手を付けるのも結構遅かった気がする。聴いた時にはもっと早く聴いておくべきだったなぁ〜と後悔した記憶があるからさ。まぁ、それでも出会えたから良しと言うことにしよう。

 云わずと知れた1973年5月の大阪公演の模様が収録されたライブ盤で、初っ端のトーキングモジュレーターによる「迷信」から強烈なインパクトを放つアルバムで、ロックバリバリの頃のベックはやはり凄い。クリームよりも凄いと思うんだけど時代がちょっと遅れてしまったなぁ。やむを得ないことではあるが…、これ以降ベックはロックの世界に戻ってこないのでしょうがない。うん、しかし化高実験的な要素も多くてノイジーに楽しんでみたり、アドリブプレイを延々と楽しんでみたり、もちろんライブだからそれもまた楽しいんだろうけど、聴いていると少々退屈になるシーンもいくつかはある。が、かっこいいのだ。「Jeff's Boogie」なんて正に超人的なフレーズで何曲もの知ったフレーズが飛び出してくるし、「Going Down」というモダンなブルースですらヘヴィーなロックだ。そして「Morning Dew」におけるバンドとしてのポテンシャルの高さが素晴らしい。アメリカ人のリズム隊もさすがに相当テクニシャンで、且つワイルドさがあるところがちと違う。うるさい、って感じなんだよ(笑)。

 しかしカーマイン・アピスってドラム叩きながら歌ってるんだよね?凄いなぁ、これだけ叩いてて歌うってのはなかなか出来ないでしょ。ボガートと二人でコーラスしたりね、やっぱり凄い。ベックが歌うのはやはり頂けないからなぁ(笑)。これでちゃんとしたボーカルがいたらかなり凄いバンドになっただろうに、もったいない。しかしベックのギターフレーズは不思議だ。この頃はまだブルースに毛が生えた程度のレベルのハズなのに、最早そんなことは超えて、オリジナリティ溢れるフレーズ展開とオブリソロを展開していて、しかも音色も一曲の間でとことん変化していくし…、研究するにはかなりハードルの高いアルバム…、なので結構無視してたのだろうか?いやいや…、改めて感動の一枚だよ、これは。

Jeff Beck - Blow By Blow

ブロウ・バイ・ブロウ  知的なギターとクールなプレイと言えば英国からのこの人、ジェフ・ベック。孤高のギター達人とも呼ばれるベックの場合は天才にしてなかなかセールスには結びつかない不運な人でもあるんだけど、確かにヤードバーズから始まり三大ギタリストと呼ばれる中、決して派手な活動があったワケでもなく…っつっても普通に比べりゃ全然派手なんだけど、比較対照がクラプトンとペイジだからなぁ…、そりゃしょうがないだろ(笑)。しかし今でも現役バリバリのギタープレイと相変わらず革新的なギターへの試みという点では圧倒的にベックに軍配が上がるし、その状況はここの所の来日公演でも十分にファンに知らしめていることだろう〜。

 さてさて、そんなベックがロッド・ステュワートとのソロ作品からBB&Aを経て1975年にリリースした「ギター殺人者の凱旋」という何ともよくわからん邦題が付けられていた「Blow by Blow」。フュージョンという言葉がなかった時代に正にフュージョンの走りとも云えるギターを中心としたインストアルバムをリリース、そしてギターという楽器にスポットを当てて、しかも革新的な試みでもあり且つ楽曲が実に親しみやすいメロディを持っているのでこの作品以降にはギタリストもギターで歌わせるアルバムというひとつの方向性を見つけられたとも云える。そういう意味で実に歴史的価値の高いアルバム。16ビートのカッティングや裏リズム、もちろん聴かせるギタープレイとフレージングとトリッキーな技による効果的なギター音の使い方、もちろんリズム楽器としてのギターとしても活躍するし、ワンコードでのフレーズの変化の付け方、スケールの使い方などなどギタリストにとっては好み好みでないという以前に研究して分析し、そして自身のものにするべく要素がたんまり詰まった作品であることに間違いはないのだ。大体歌がないのに名曲として語られる「哀しみの恋人達」なんてのがあったり、カバー曲とは云えベックバージョンも十分にメジャーになってしまった「スキャッターブレイン」なんてのも入ってるワケだ。

 う〜ん、自分的にはもちろんギタリストへのオマージュという意味では何度も聴いたんだけど、好きか嫌いかという基準で言えば決して好きなアルバムじゃなかったね。つい最近まで全然聴かない名盤のひとつだったし(笑)。ところがまぁ、最近ちょこっと聴く機会があって、聴いてみると結構ハマる面もあって、なかなかフュージョンとは言えども聴けるんじゃん、自分、みたいな感じでさ。爽やかすぎるのはさすがに好みじゃないんだけど…、あ、あとね、多分リズムが妙にファンキーだったりするから好みじゃないんだろうと思う。しかしまぁ、そう言うこと言ってられるアルバムでもなくって、やっぱり名盤っつうか、価値のあるアルバム、ってのは納得するし、今のベックの原型でもあるワケで、これ以来ベックってのはロック畑にいるんだけどフュージョン界の大御所なんかとも平気で渡り歩けるギタリストに進化していくし、ボーカリストを必要としないミュージシャンとして歩んで行くことになるんだな。珍しい人だよなぁ…。

Jeff Beck - Wired

Wired  ストーンズのギタリストというカネになる仕事は実に魅力的だったことだろうと当時のベックの環境からしてみたら考えられる。丁度あれこれとバンドを組んでやってみたモノのなかなかコレと言ったメンツに恵まれなかったためかBB&A解体して、浪人生活していた頃にストーンズから声が掛かったというワケだ。時期的にはそんな感じなので、自分で何かやることが明確化していなかったらストーンズ加入していたかも。まぁ、試験に落ちただけなのかもしれないけどさ(笑)。アルバム「Blow by Blow」と前後する時期だからどうにもわからないけど、売れなかったらストーンズの路線もあったか?いや、勿体ないでしょ、この人をそんなトコロに縛り付けておくのは…ってもどうせすぐに抜けてしまっただろうけど。

 さて、そんなストーンズの後釜が昔の同僚ロン・ウッドに決まり、複雑な心境でもあったのかもしれないベックだが…、いや、あまり気にしてなかったと思いたいが、前作「Blow by Blow」でギタリストの教科書とも呼ばれる革新的なサウンドを世に放ったばかりで、今でも傑作として語り継がれているのだが、約一年ぶりともなる1976年に…すなわちストーンズとかが妙〜にレゲエやソウル的なものにハマっている頃、ベックは新たなるサウンドの続きを産み出すべく果敢なる挑戦を続けていたのであった。それがこのアルバム「Wired」だ。

 路線は「Blow by Blow」と同じとも云えるけど、もっとロック依りかな。ギターが音を奏でて旋律のひとつともなっていた「Blow by Blow」に比べて更にエモーショナルにギターが歌っているとでも言うべき豊かな表現方法が広がっていて、正にエレクトリックジャズとの融合作として傑作だし、多分バックミュージシャン…と言ってもこの融合作のおかげで随分と名が売れてしまった人達だけど、彼等も相当新鮮な刺激としてベックとのセッションは楽しんだのだろうと思う。音を聴いていればわかるけど、そのぶつかり合いってのはかなり凄いし、プレイヤーが自由に音を出していて、決して楽曲ありきってのではなくってテクニックとプレイがあって曲があるという感じで、そこをベックのエモーショナルなギターが結びつけていくというような感じでさ、曲がどうのってによりもプレイヤー感覚として聴いているとスリリング。ジャズ屋にはこんなギター弾く人いないしさ。やっぱ今のプレイヤーでもそうだけど、ジャズ屋のギターはやっぱジャズ屋のギターなんだよ。ベックはやっぱロックのギターだもん。そういうのが面白いよなぁ、と。

 どの曲がどうっていうよりもアルバム全体で音のバトルを楽しめるってなもんで、流れとしてアルバムの中の曲が切れているというような感じなんだよね。ヤン・ハマーとなんて相当ウマが合ったのかライブアルバム「Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live」まで翌年にリリースしてるくらいだからかなり充実した時期だったんだろう。そう考えるとベックって割と充実した時期が多いんだ…、と改めて気付く。うん、面白いな。ちょっと前まではベックの良さってのはなかなか理解しなかった自分が勿体ない(笑)。おかげで今たっぷりと楽しめているのもよかったんだが、そういうのも珍しいよね。しっかしまぁ、よく歌ってるギター…というか泣いて叫んでっていうギターで、やっぱフュージョンではなくロックしている色が強いアルバムがこの「Wired」だ。以降も基本ロック路線でチャレンジだけど、そういうのが確立されてきたアルバムかな。

 しかしアマゾン安い…安すぎるぞ…ってか、こんなもんで買えてしまうジェフ・ベックって凄い。1000円でお釣り来るもんなぁ…。その分Blue Spec CDにカネつぎ込むのかね。

Jeff Beck - There and Back

There & Back  ギターインストでアルバム一枚聴かせてしかも作品として機能させるって結構大変なワケだが、フュージョンの波を作ってしまったジェフ・ベックには割とお手の物だったのか、それだけで生きていると言ってもおかしくないくらいにその世界観を達観してしまっている。なので今更何を書いてもナンセンスなのではあるが(笑)。他に色々なフュージョン的なのを耳にしたこともあるけど、結局ロック的アプローチから入ってくるジェフ・ベックのが一番聴きやすし、ガツンと来るんだよね。

 1980年にリリースされたその手のアルバム三部作ともなった「There & Back」。「Blow By Blow」「Wired」とその辺で来たのでリアルタイムな人にはもちろん聴きやすかっただろうし受け入れられたんじゃないかと。もしくは飽きられたっていうのもあるかもしれんけど、80年代になってこれだもんな。日本では80年代にこの手のフュージョンが流行った気がするけど、世界中のテクニシャンは皆こぞってフュージョンサウンドを奏でていたようだ…。ちなみに自分的にはこの手の音って苦手だったので全然聴けてません♪ジェフ・ベック然り、ですので割とここ何年かでジェフ・ベックの良さをわかりかけてきたっていう不埒者なので悪しからず。

 いやぁ~、最初から凄い展開。ただ面白いのはジェフ・ベック一人だったら絶対にフュージョンにはならないしロックにしかならないんだ、ってのが分かったこと。ヤン・ハマーとかいたからこういう音になってるんだろうな、と。もちろんギターインストのノリノリものではあるんだろうけど、モ・フォスターにサイモン・フィリップスってメンツでさ、やっぱゴツゴツしたロックの音してるんだよね。そういう骨っぽさってのがテクニックの根底にあるかないか、っていうのが大きい。もう30年前の作品だから30年間聴き続けている人もいるだろうし、そりゃもう良いところ悪いところあるだろうし…、今のジェフ・ベックの音もこういう作品から出来上がっているワケで、一世代を作ったよね。昔は全然わかんなかったアルバムだけど、今はチョコチョコ聴きます。んで、毎回凄いなぁと思うワケですが、まだギターの音にエッジが立っているのが嬉しい。ピックだよね?この頃。ただしギターの音がバリエーションに満ちていてさすがです。音の変え方とか選び方とか通り一遍じゃ行かない音色の選択。ギターの教科書とも言われる人のハズだ。

 そして何とアマゾンのCDの価格が驚くほどのものだ。更に書けば、名盤「Blow By Blow」「Wired」「There & Back」の三枚がまとめて入った3CDセットが1500円とは!?う~ん、安くなったものだ。

Jeff Beck with The Jan Hammer Group - Live

ライヴ・ワイアー   昔ジェフ・ベックって苦手だったんだよねぇ。ところが今じゃベック、カッコイイわ〜、どれが好き?とかそんな話になっちゃったりするくらいには聴いてる。んで、今回も何となくそっか、ってことでベックの「Live」を聴いてた。1977年リリースのライブ盤だけど、元来はヤン・ハマーのライブに飛び入りした…ってか一緒にツアーで回ってた時のライブ音源まとめでのセッションをその白熱ぶりに感動してライブ盤にしたという事かな。昔はこのアルバムは理解できなかったから苦手な有名アルバムだったんです(笑)。

 それをさ、普通に聴いてると、何かスゲェぞ〜、これ。音は確かに嫌いな世界もあるけど、ライブ盤として、ライブとしての白熱ぶりはものすごいし、熱気もプレイの充実ぶりも緊張感もプロフェッショナル感も見事なまでに調和していて、ベックこういうの楽しかっただろうな〜って思うくらい。ヤン・ハマーの方は普段からそんなセッションばっかりだから今更かもしれないね。マクラフリンとやってたワケだし。でも、こんだけおのロックプレイに徹しいたベックとのジャムはテンション高かったんじゃないかな。

 こんなに攻撃的でアグレッシブなギタープレイを昔からしてたっけ?って聴き直したくらいに昔はその周囲の音が嫌いだった。ベースも凄いんだけどプレイと音が好きじゃない、歌も軟弱で好きじゃないし、鍵盤の音もあまり好きな音色じゃないからほとんど好きじゃない要素が揃ってるから昔から聴いてダメだったんだろう。でも、このベックのプレイはやっぱり凄いって。メロディはキチンと、それでも個性的にプレイしてフリー部分では目一杯ギターという楽器を鳴らし倒して圧倒してくれて、バンドアンサンブルに戻す、う〜ん、上手い。他人を立てるのも上手いし自分が際立つのも上手い、ギターの巨匠と言われるハズだ。今更ながらこの人の偉大さに気づいたかも。遊び要素もふんだんに入ってて、最後の最後で「Train Kept A Rollin’」が挟み込まれるジャムって一体??(笑)。

Jeff Beck - Flash

Flash  80年代にアルバムをリリースしたロック界の大物達はこぞって最先端の音を採り入れて、自分達もその輪の中に入ろうとした作品が目立つ。まぁ、ボウイやミックのソロ、ストーンズはいつものこととしてもフィル・コリンズにしてもクラプトンにしても、だ。そこでまさかこんな人が別に媚びを売らんでも良いだろう、って思うのにやってしまったジェフ・ベック。もちろん良いこともあったのだが…。

 1985年リリースの「Flash」当時「There and Back」から5年ぶりの新作ってことで話題と期待を呼んだ作品だったんだけど、う〜ん、自分的には当時全く聴かなかったなぁ。「People Get Ready」はさすがにPVでよく見たけど、アルバムはわかんなかったな。そりゃそうか、と改めて聴くと思う。音は80年代の、というよりもナイル・ロジャースのプロデュースによるものなのであの音だし、そこにベックの革新的なギターサウンドが鳴っているってことで、決してポップなものでもないしさ。今考えると何でこのアルバムボーカルがいるんだ?って逆に思うんだけどね。

 うん、かっこいい。アルバム全体の感想としてはそう云えるアルバム。シャープでタイトに仕上がっていて、ギターがこれまた斬新なテクニックを聴かせてくれているし、面白い。もちろんベックのベックたるところを期待しているとちょっと異なるんだけど、いいよ、これ。まぁ、陳腐な曲もあるけど、それはそれとしてね。

 ダントツに光ってるのはもちろんロッドが歌う「People Get Ready」なんだけど、このPVでのベックはテレキャスを持って列車の中で弾いているっつうシーンで、ロッドとの再会っていうのを大々的にアピールしたってとこなのかな。歴史を知らないリスナーにとってみると、あのロッドが歌っているわけで、この曲ってロッドの作品じゃないの?ってなことになるようだが…。

 往年のファンにウケが良いのが「You Know We Know」っつうインスト曲で、もちろんベックらしい旋律が奏でられる曲で、バックの音が妙なデジタル系ってのがキズではあるがギターはさすがに耳を奪われるものだ。バックにはカーマイン・アピスやヤン・ハマーってのも参加しているし、ベックも歌っている。意外と盲点となっているこのアルバム、こういう流れで聴いているとなかなか、だね。

Jeff Beck - Guitar Shop

Guitar Shop  サイモン・フィリップスとトニー・ハイマスってさ…、ベックの「There & Back」でのプレイヤー達だよね?へぇ〜、やっぱりミュージシャンっつうかプレイヤーってのは奏でる音楽によってまるで異なる印象のサウンドが出せるものなんだなぁと改めてそのプレイヤーとしての力量と仕事してのプロフェッショナルさを感じた次第。じゃ、「There & Back」でも聴くか…って思ったけど、トニー・ハイマスの方は1989年に「Guitar Shop」でテリー・ボジオと一緒にベックとトリオでやってるってのもあったんで、そっちにしてみよっか、と。

 「Guitar Shop」…リリース当時から聴いてて全然わからなかった…っつうかインストでテクニカルで全然別の世界からの音だったから理解できなかったと言っても良い。ガキだったしなぁ…。だからさっき聴いてて、コレ、とんでもなくぶっ飛んだアルバムじゃないか、ってことに一発で気付いてしまって昔聴けなかった自分が情けなくなった。もっとその時にこの衝撃に気づいていればギター人生変わっただろうなぁと。別に大した人生送ってないからさほどの変化はないんだろうけど、そんくらい後悔したアルバム…後悔ってのとは違うか。それでもきちんと出会えて良かったアルバム。自分的にジェフ・ベックってのは近年の作品の方が好みだったんで遡る形で徐々に聴いてったんだよね。その前は「Blow By Blow」とか「There & Back」あたりで一度途切れてるし、そもそもインスト系のギターってあまり好きじゃなかったから。「Blow By Blow」がダメだったんだよね。だから以降もそんなイメージを持ったままだったワケだ。今またちゃんと「Blow By Blow」聴き直したら同じような気分になるかも(笑)。

 さて、そんなジェフ・ベックとの邂逅はともかくながら「Guitar Shop」だ。シンプルなトリオでギターを聴かせるためだけにアルバム作ってるって感じだし、それはテリー・ボジオもトニー・ハイマスも皆そうだ。ボジオは見事だなぁ、こういうのやらせると。もちろん圧巻なのはジェフ・ベックの音色豊富なギターのサウンドで、重ねてるんだが、全部違う音色で重ねてるっつうかさ、どうやって音出してるんだ?みたいなのも多くて飽きないように聴けるんだもん。音楽スタイルの好みとかどうでも良くって、音の出し方とか作り方とかそういう世界。ポップスじゃないね。職人芸の域だけど、どう聴いてもスゲえロックな音でさ、カッチョ良い。BGMになるか?ってぇとちょいとうるさすぎて無理だし、そういう聞き方には向かない。即ちロック的でね、面白い。

 しかしリリースされた時は全然違う印象持ったんだよなぁ…、世論もさほど推してなかった気がするし…、ジェフ・ベックのやってた最先端のとんがったサウンドに誰も付いていけなかったのかもしれない。やっぱ凄いミュージシャンだ、この人。進化することを止められないんだもん。

Jeff Beck - Jeff

Jeff  通好みのギタリストって世界は自分的にはまだまだ全然近づくことができなくて表面上聴いていたことがある程度だ。超絶ギタリストってのはギターだけで自分を表現できてしまう方々という意味もあって、そこにはバンドもボーカルも要らない、ロックとか何とかじゃなくて音楽的にギターをチョイスして表現している人たち…何と言うのかな、ちょっと違うんだよ、普通のロックギタリスト達とはさ。もっと音楽的…ってのか、そんな感じ。何でも弾ける人達ってのかな…、別に誰がどうのってんじゃなくて、そういう方々の作品ってのは大抵ギターがフューチャーされていてテクニック的にはとんでもないんだが曲として名曲だ〜ってのはあまり多くない。プレイが重視されているからかもしれないけど、自分に聴く耳がないってのもあるか(笑)。でもギターって好きだからやっぱ聴くんだよね。

 2003年にリリースされたジェフ・ベックの「Jeff」というアルバム…これまでも既にどこまで行ってしまうんだジェフ・ベックってシリーズが何枚か出てた後なので、これが三部作の最後ですってな感じで出されるのは当然ではあるんだが、それでもジェフ・ベックのこのスタイルには本当に驚いたものだ。リアルタイムの時はそんなにジェフ・ベックに興味もなく、復活して頑張ってるな〜くらいで音もまともに聴かなかったんだけど、ちょっと後かな、たまたまライブを見ててとんでもない進化に驚いて幾つか聴き始めたという…、まさかそんな風に進化しているとは?ってのがあったから。この辺の人たちってすっかりノスタルジックなスタイルで生き延びます的な感じあったからここでこんなにぶっ飛んだスタイルになってるのはなぁ…、デヴィッド・ボウイだってここまでぶっ飛ばないだろってくらいのぶっ飛び方でさ、しかもこの「Jeff」ではその集大成とも言えるくらいに最新の進化と古くからのジェフ・ベックのスタイル、さらにマインドがしっかりと溢れているプレイってのがうまく融合していてある種名作に仕上がってる。残念ながら歌ものとかじゃないから一般的に名盤とは言われないんだろうけど、何じゃこりゃ?みたいなトコあるんじゃなかろうか。いや、凄い…。

 こんだけポジティブに時代に沿ったパンク魂を溢れさせて突き進んでくるスタイルってのは正に革新。若い世代では出来ないスタイル、しかもプロフェッショナルな挑戦状で時代に叩きつけてくれる作品、凄まじいテクニック、そしてロック。いいねぇ、これ。ジャンル無視のギタリストだけどやっぱりロックだろ、これは。

Jeff Beck - You Had It Coming

ユー・ハッド・イット・カミング  もうじき来日公演を果たすこととなるジェフ・ベック。エリック・クラプトンとのセッションライブもあるようだけど、まぁ、それはそれとして…。DVDではもうじき発売される「ライブ・ベック3~ライブ・アット・ロニー・スコッツ・クラブ」でのBBCライブ版を見ているとクラプトンとのセッションも入っていて、なるほど、二人はまだそうやってセッションするワケね、というのがあるのでこのライブはどうしたものか…。いやいや、この「ライブ・ベック3~ライブ・アット・ロニー・スコッツ・クラブ」を見てからってものジェフ・ベックというミュージシャンをようやく楽しめるようになってきてさ。この人を昔から追いかけていた人って凄く大人なリスナーなんだなと思う。自分なんかはこれからマジメに聴く人間なので楽しみがいっぱいある、っていうところかな。

 そんな再発見なので、もちろんライブ盤からが良いんだけど、その元ネタって何?みたいなところがあって、とりあえず今のところ最新のスタジオ盤でもある「ユー・ハッド・イット・カミング」を聴いてみるワケさ。続けてその後の「ジェフ」をも聴いてみるワケさ。うん、逆戻りしてベックを楽しむ魂胆でね、そうしないとどうしてこうなったんだろうか?ってのがわかんないから。今からじっくり聴いていけるのでそういう楽しみもあって良いでしょ。もちろん昔からアルバムは聴いていたんだけど、そんなにハマり込めなかったのでせいぜい「フラッシュ」くらいまでだったもん。ところが今じゃその逆が楽しい。この「ユー・ハッド・イット・カミング」での衝撃的なサウンドもそのひとつ。

 キング・クリムゾンが90年代に再結成してリリースしたアルバムに「スラック」ってのがあってさ、それを聴いた時に「これこそメタルだ」と思ったんだけど、それと同じくらいの衝撃が「ユー・ハッド・イット・カミング」にはあった。デジタルビートとノイズギターによるハードロックっつう言い方もあるんだろうけど、自分的には最初の「Earthquake」がもう完全なメタルサウンドで衝撃的。インダストリアルメタルっつうのかな。かと言ってギターの音がヘンなワケでもなくって普通にマーシャルの音なんだけど…。この後の「ジェフ」も同様の衝撃で…、いや、凄いインパクト。もちろん普通に弾いてる曲もあるけど…、ないか。どれもこれもが革新的な音と曲で占められているかな。ジェフ・ベックというミュージシャンがこういう革新的なことをやっているから許される部分もあるし、広げられている部分も大きいだろうけど、ヘンにアヴァンギャルドなもの聴くならこの辺の方がよっぽどアヴァンギャルドかも。しかも全員滅茶苦茶巧いから楽しめるし。ギター的には文句なし。

 う〜ん、ホントにこんな音やってたんだなぁ…。知らなかった。何が面白いんだろう?って思ってたもん(笑)。ベックって難しいんだよね。多分古いベックを好きな人はここ最近のアルバムの音って結構付いていくの大変なんじゃないかなと思う。でも確実に逆に新作でベックを好きになる人も増えているんじゃないかと。自分はここ最近のベックの作品が凄く興味深くて面白いしね。今更ながら楽しんでます♪

Jeff Beck - Live & Exclusive From the Grammy Museum

Live & Exclusive From the Grammy Museum   もっと話題になってもいいはずのジェフ・ベックがネット上でのみリリースした「Live & Exclusive From the Grammy Museum 」というライブ作品。っても4月のグラミー・ミュージアムでのライブをそのまま記録した8曲入りのアルバムなので手間はかかってないだろう(笑)。それでもだな、聴く側にとって見ればこれはやはり凄いんだよ。ライブ盤「ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラヴ」とも被ったりするくらいの最近の傾向がそのまま収録されてるんだが、冒頭から「あぁ、ベックの音だなぁ…」という哀愁とも郷愁とも思えるメロウな音色に加えて聴き慣れているはずのメロディーがこれもまた染み入る。

 更にワウペダルを使ったシーンなんてジミヘンを凌駕しているんじゃないか?というくらいのモノでさ、それがサラリと弾いているから余計に凄い。真の天才とはこの人の事なのかもしれないと感じるもん。新作「エモーション・アンド・コモーション」からも当然弾かれているので結構泣けてくる曲が多いんだよ。泣きのギターって言うとゲイリー・ムーアとかクラプトンとかあるけど、そういうのとは全然次元の違う泣かせるギター。ピックでは出来ない味付けなのかもしれないな、この独自なニュアンスは。こんなのを笑いながら弾いてるんだからやっぱおかしい(笑)。

 MP3バージョンが先行してリリースされていて、日本もそのうちに普通のCD盤「Live & Exclusive From the Grammy Museum」を出すみたいなのでやっぱりその方が聴きやすいんだろうとは思うけど、そういう売り方って正しいと思うもん。音の質で値段の差を付けてリスナーん選択させる方法で音楽を売れば良いって言う意見だからさ。そういうのもジェフ・ベックくらいのミュージシャンじゃないと通じないのだろうが、それは音楽家なんだからさ、当然でしょ。しかし…、良いライブアルバムだ…。落ち着いたらまた「エモーション・アンド・コモーション」聴こう…。

Jeff Beck - Performing This Week...Live at Ronnie Scott's Jazz Club

ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラヴ [DVD]  つい先日のザ・フーのライブの後の打ち上げで今度はクラプトンが来るぞ、そしてジェフ・ベックも来るぞ、更に一緒にライブやるんじゃないか?なんて話をしてオールドなロックファンは盛り上がっていたのだが…。それにしてもここの所の宣伝にあったのはその他にビリー・ジョエルとかジャクソン・ブラウン、ブライアン・セッツァーにロッド・スチュワート…、果たしていつの時代の来日公演の宣伝なのか、見事に大人になったオールドなロックファンから摂取しようとしているようにしか思えない程時代錯誤も甚だしい来日公演ラッシュ。いやぁ〜、嬉しい限り。そうやって見れないものを最後だと思って見に行くものなんだろう。そしてその打ち上げの時ですら、自分はベックってのはイマイチよくわかってなくって、見に行くべきかどうか…などと宣っていたのだが…。

 いや、何気なくこのライブ「Performing This Week: Live at Ronnie Scott's Jazz Club」のBBC放送バージョンを見てしまったのだが、かなり驚いた。革新的な人だし、先進的な人、そして変化することこそベックのギターというイメージはあったのだが、それはあくまでも音世界の話であって、今のベックのライブのギターってのはこんなに歌ってるのか!と驚いたのだ。いや、そりゃ「Blow by Blow」でもギターが歌ってたし、今更って話じゃないけれど、何故か今まではライブ映像を見ることもなかったからか、音だけでは全然ピンと来なかったものだ。しかしこの映像見たら凄く印象が変わった。これからベックを多分漁るように聴くと思う。それくらいに印象が強かったライブです。

 そもそもこのベーシストのお姉ちゃん、何者?こないだまでジェニファーっつう凄腕ギタリストのお姉ちゃん連れてきてたのは知ってるけど、今度はベースのお姉ちゃん…、しかも可愛い顔して笑顔が素晴らしい女の子なんだけど、ベースが的確な巧さなんだな。もちろんベックとやってる時点でそれは確かなんだろうけど、完璧なリズム感となんというのか的確なフレーズでさ。しかもカラダが小さいからベースがデカくて面白い。他のメンバーももちろんテクニックは抜群なんだけどさ、その中で全然浮いてないんだもん。凄い。

 で、見事にこのベックのライブなんだけど、ギターが歌ってる。明るいノリから聴かせるフレーズ、もちろん白熱したプレイや泣かせるプレイ、叫ぶようなシーンもあればすすり泣くようなシーンもある。オーソドックスな音世界を奏でることが一番少なかったかもしれない。それはもしかしたらゲストにクラプトンを迎えてプレイした「You Need Your Love」くらいだったかもしれない。もちろんDVDには未収録なんだが、別に見る必要があるほどのプレイでもセッションでもないから未収録でもいいんだけど、明らかに安定志向に落ち着いてしまったクラプトンと革新的なベックのプレイの違いと音の勢いの違いを感じてしまうところかもね。客席にいて、ちらりと映るジミー・ペイジは参加しなくて正解でしょ。ついでにロバート・プラントも映ってたので、このライブってば凄い観客がいっぱいいたのだ。「People Get Ready」もゲストのお姉ちゃんが歌ってたけど、やっぱロッド…歌ってほしいねぇ。

Jeff Beck - Emotion & Commotion

エモーション・アンド・コモーション  ここの所割と気になる音がリリースされていて、どれもこれもがギタリスト的に興味津々ってのばかりで嬉しい。別に今やそれほどギタリストというワケでもないのだが、やっぱり聴いていて心地良いんだよね。速弾き系でスッキリする音ってのもあるけど、やっぱり基本はブルースだろ、ってのもある。まぁ、オリアンティなんて凄いのを見ちゃうとどっちも境目なしで出来る人もいるんだな、と時代の変化を感じるものだが。

ジェフ・ベック - Emotion & Commotion Emotion & Commotion Jeff Beck Band - Performing This Week…Live At Ronnie Scott's Performing This Week…Live At Ronnie Scott's

 さてさて期待の、というかここのところ割と盛り上がっていたジェフ・ベックのあのメンツによる新作スタジオアルバム「エモーション・アンド・コモーション」がリリースされました。やっぱり聴きたくて速攻で聴いてみて、そのサウンドプロダクションと作品の質の高さに驚きましたね。実験色が云々ってのは超えていて、日本公演で聴かせていた、もしくは「ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラヴ」のDVDやCDで聴かせていたような音の再現…よりももっとメロウでエモーショナル。全くタイトル通りに「エモーション・アンド・コモーション」という楽曲が多いんです。話題性で言えばオーケストラと一緒にやってるとか、様々なジャンルに跨る話題の女性ボーカリスト達を迎えて歌わせているとかあるんだけど、それも余興の一つでしかなくって、圧倒的にエモーショナルな高みを極めている。バックを固めている凄腕の面々がこれまた心地良い世界を出してくれている。そしてライブではその容姿と若さで注目されたタル・ウィルケンフェルドちゃんですが、こうして音を聴くとやはりタダモノではないベーシストってのも非常によくわかる。セッションバンドでここまでできちゃうのかい、ってくらいジャズと同じような世界で、メンバーを選りすぐって作品を作っていくという形だ。今では既にライブメンバーが替わっているので「エモーション・アンド・コモーション」で聴けるメンツは実はもう揃わないのかもしれないけど、その分この「エモーション・アンド・コモーション」は凄く楽しめる。

 元来ベックってのはギターしかない人なのでどこか途中で飽きることもあったんだけど、「エモーション・アンド・コモーション」はもうそんなのないね。完全にギターが歌ってるし、泣いているし笑っている。こんな風にギターって弾けるのかい?ってのはいつもながらベックのお家芸なんだが、全く何度聴いても驚くばかり。しかしギターインストでここまで口ずさみやすくエモーショナルな曲ができるもんか…言い換えれば全曲が「哀しみの恋人達」のような旋律を持っているんだもん。そこにオーケストラだからさ、そりゃまぁ涙もののメロウな気分になろうというものだ。春先に聴くアルバムではないが、その感情の表現はもはや完全に芸術の世界。

 はて、ジョス・ストーンによる歌声に出会うのもここで初めてだが、多分才能を発揮した楽曲なのだろう、ジャズチックと言うか40年代的雰囲気を持った、というのか…それでもやっぱりベックの味のあるギターが隙間を埋めてくれて実に高尚なレベルに持ち上げられているし、イメルダ・メイとのセッションでは更にメロウでムーディなエロさ満開の雰囲気を演出して、何故にここまで?というくらいのものだ。続く「Nessun Dorma」っつうのもその余韻を引きずるような哀愁さを漂わせた曲。まったく7年ぶりの新作、その割にはライブをバシバシやって活動していたのにこんな音が出てくるなんて驚くし、それよりもなんでまたこんな凄いんだ?クラプトンの新作とかでは比にならない圧倒的音楽レベルの高みに到達してしまったジェフ・ベック。神々しいジャケットもその姿を象徴しているし、当分何かと聞いていることが多いアルバムになるだろう。うるさくないし邪魔にもならないからどこでもいつでも聴けるのも良い。

 ここの所ジェフ・ベック聴く割合が相当増えているので、また多分ある程度のアルバムを纏めて聴くのも良いな…。いや、しかし「エモーション・アンド・コモーション」は凄い。

Jeff Beck - YOSOGAI

YOSOGAI  そういえば今年も年初から来日公演ラッシュだったんだな…と。クラプトンやストーンズ、ポールなんてのも普通に来ちゃったりしてたワケで、そして続いてはボブ・ディランにジェフ・ベック、何故か新宿にはジミー・ペイジまで来てきるという始末で3大ギタリスト全てがこの2ヶ月で来日しちゃってくれてるし加えてビートルズとストーンズにディラン。一体今はどういう時代なんだ?と首を傾げたくなるってもんだ。若い連中にもこのヘンの味って伝わってるのかな…とやや懐疑的にはなるけど、まぁ、良い時代になったもんです。

 久々にこういう来日記念盤的な特別アイテムを見かけたので妙に新鮮だったからついつい…(笑)。ジェフ・ベックの来日記念盤「YOSOGAI」なんてので3曲入りのホント、おまけみたいなモンだけど気になるっしょ。案の定ライブではコイツに入ってる最初の「Loaded」という新曲から始まってるワケで、ファンも「ん??」ってなるから気になるしそれで今じゃネットで曲名とかわかるから何に入ってる?ってことになりつつも新曲?ってなってしょうがなくこの来日記念盤を買わざるを得ないという仕組み。上手いです(笑)。この曲、聴いてるとあのジェニファー・バトンがいた頃の音…メタリックノイズサウンドを出しまくっていた頃の曲なのかな、と思うようなスタイルで刺激的。ただちょいと短いか?

 2曲目はファンキーで歌もあるんだけどベックのギターフレージングが強烈過ぎて歌なんて誰も聴けないというくらいの代物で、アルバムには入れないけどここでだしとくか?なんて思うくらい。やっぱり強烈に凄い。最後の3曲目はライブモンでイメルダ・メイとのラブバラード…ってかスタンダード曲なんだが、多分ベックがガキの頃からこういうのあって、聴いてたんだろうな、ものすごく味があって哀愁があってどちらも本領発揮。こんなんもサラリとやってくれちゃうのがベックの凄いところ。

 そんな感じで3曲入りなんだけど、集中して聴けるからどの曲も味を搾り取るまで楽しめて良いね。ロックの中のジェフ・ベックっていうジャンルを築き上げてるもんなぁ…。

Jeff Beck - Live +

Live +   Jeff Beckの2014年8月のUSツアーのライブの模様から抜粋したライブアルバム「Live +」。コイツはボーカルにジム・ホールを従えてのライブで、そこがまた好き嫌いが分かれると言うか、聴きやすさ聞きにくさってのが出てくるのだが、自分的にはやっぱりバツだな。やっぱね、ベックはロックな歌手の方が合うと思うし、ソウルフルな歌のバックじゃどうもギャップがありすぎる気がする。音が尖ってるからだろうね。革新的な音を出してるところにちょいと黒い系統の歌はどうにも、ってのが自分の感想。その分ベックのギタープレイはかなり安定していると言うか、演奏に集中できてるって感じはあるので、バンドも含めて音圧とかはかなり迫力モノ。だからこそロックな歌手が良かったのだが。

 しかしこの人、ライブに目覚めてからライブ盤ばかり出してるんで、どれが何やら…と整理してないから印象だけで記憶してるんだが、曲もそれなりに入れ替わってるんだろう。あまり意識してないんだよね。ギタープレイを聴いちゃってるからか、今回はトリッキーさがさほど多くなく、割とスタンダードな範疇にあるみたい。だから個人的面白さで言えばもうちょいだな、と。ちょっと丸くなったかな(笑)。それでももちろん無茶苦茶尖ってるしさすがのプレイなのは当たり前だけどね。

Tal Wilkenfeld - Transformation

Transformation  思い切り来日公演中のジェフ・ベックが話題となっている今日この頃ではあるが、やっぱり注目はジェフ・ベックのプレイもさることながら可愛らしいテクニシャンベーシストのタル・ウィルケンフェルド嬢のベースプレイ。ベックとの共演によるインタープレイやアドリブの強さなどは目を見張るものがあったので、是非生々しく体験して目撃したいものだが、その彼女が2005年に録音したファーストソロアルバムってのが最近日本盤でリリースされたのでちょいと取り上げておきましょう〜。

 思い切りファーストアルバムの「Transformation」だけど、これ、凄い。いや、特筆すべき個性ってのはそんなに見当たらなく無難に出来ているんだけど、それでも21歳の女の子のベースプレイとだよと言われたら驚くでしょ。音はインストで、フュージョン的ではあるけど、意外とキライではないタイプフュージョンなので聴きやすかった。全くアドリブプレイもあるだろうし、変拍子もあったりで、安定したテクニックとリズム感が凄いな、と。所々ではベースが前に出てくるプレイもあってなかなか心地良く聴けます。

 ただ難しいのは自分の場合こういうインストフュージョン系聴いている時に、ギターが入ってたりするとどうしてもいつの間にかギターの音を聴いてしまっているので、いつしかベースプレイヤーが主導のリーダーアルバムということを忘れてしまうのだ(笑)。なので、どんなプレイだっけ?と全般的に後で思い起こしてみてもなかなか残ってないことが多くて困った。聴きやすいのもあって、また軽いのもあって何回もリピートで聴き直したアルバムになってしまってね、ようやくベースに耳が向くようにはなった(笑)。

 ベックとのDVD「ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラヴ」って出たんだっけ?いや、これは見所満載だ〜と。ライブも良いけど、結局遠い所から一回しか見れないならDVD買ってじっくり見た方がお得感あるもんな、などとも思う。いずれにしてもジャズ界では天才ベーシスト、ジャコパスを彷彿させる若者として取り上げられているくらいだからどんなのかなと思ったらちょっと聴いてみても間違いなく驚くし、意外と楽しめるのも間違いない作品です。YouTube見てみ〜♪

Jeff Beck - The Secret Policeman's Concert

The Secret Policeman's Other Ball: The Music  ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジとは便宜上三大ギタリストと呼ばれることが多く、全員ヤードバーズに参加したこともある近所の友人同士だったということなんだけど、もちろん三者三様のギタープレイヤーとして世界を制しているワケで、70年代までの間には彼等が共演すると言うことなど夢のまた夢と云ったトコロだったが、80年代に入り、ロックの世界が壊れ始めてきたおかげかどうかはさておき、その夢のまた夢という瞬間がいくつか訪れることとなる。ちなみに60年代の編集盤で何十種類も「ペイジ、クラプトン、ベック」と題されたレコードやCDが乱発されているんだけど、彼等が共演したものというワケではなくって最初期に活動していたデモ音源に近いものを版権不明のためいくつも同じアルバムにまとめて収録しているようだ。…かく云う自分も何枚もこの関係のレコードを買って首をかしげながら聴いたものだが、まあ、特別に面白い音源はそれほど多くなかった気がする。いくつか面白いのあったけどね。「New York City Blues」とかね。コレ、Zepの「Since I've Been Loving You」のイントロと全く一緒なんだよね♪

 1981年9月に「The Secret Policeman's Concert Other Ball」ってのが開催されて、多分三回目のイベントだったみたいなんだけど、この時にようやくジェフ・ベックとエリック・クラプトンが共演したものが公にリリースされたことになるのかな。一応ビデオでもリリースされていたらしいけど未だに見たことないのが残念…。レコードでは最初はスティングのソロパフォーマンスから始まるんだけど、まだバリバリにポリスをやっている時期にもかかわらず既に一人で出てくるトコロが面白いね。んで、「哀しみの恋人達」で共演開始して、何と云ってもギタリスト的にスリリングで何度も聴いたのが「Further On Up The Road」っていうブルースの定番曲♪ 鳥肌立つほどのものでもないのかもしれないけどやっぱりゾクゾクしたなぁ。おまけに「Crossroads」までやってくれちゃってるので涙モノ。こういうイベントってのはやっぱり昔から楽しみなものなのだ。

 この序章をきっかけにしたワケではないだろうが、今度はロニー・レインの病気のために英国のロックスター達が集められた驚異のイベントが「A.R.M.Sコンサート」で、これはまた単独で書くことになるんだろうけど、なんとベック、ペイジ、クラプトンが一同に介してしかも共演してしまうという感動しまくりのライブ。まあ、演奏はそれほどでもないので見るとがっかりする部分は大きいけど、それでもやっぱり歴史的価値の高いイベントだよな。参加したメンツもモノ凄いしさ…。

 ってなことでベック聴いてたらクラプトンかぁ…と思い、やっぱり共演モノ聴いてみて新たに感動♪やっぱ名ギタリストの共演は気持ち良い!

Jeff Beck - A.R.M.S. Concert

アームズ・コンサート ~三大ギタリスト夢の競演~  ロック好きなヤツならば三大ギタリストと云えばピンと来る。それが一堂に介して行われたライブが過去に一度だけあった…。有名な「アームズ・コンサート ~三大ギタリスト夢の競演~」ってヤツ。ベック、ペイジ、クラプトンの三人で最後に「レイラ」をセッションしまくるというものだが…、そもそもはロニー・レインの筋ジストロフィーという病気の治療方法にカネがかかるってことで、その研究支援機関の資金集めを目的としたものらしく、英国で二日間、アメリカでも何日かツアーが行われていたらしい。

 英国のロイヤルアルバートホールでの演奏がDVDでリリースされているんだけど、その話題ほど演奏の出来映えは大したコトないのが現実。もちろん集まってプレイするという記念事業としての見方なので中味にはそれほど注意する必要もないんだけどさ、見ていてこのメンツの割には全然面白くないな、ってなモンだ。クラプトンのバックにはチャーリー・ワッツやビル・ワイマン、全編出ずっぱりのサイモン・フィリップスがドラムに居座ってるけど、全然曲覚えてないしさ(笑)。お馴染みのパーカッションプレイヤー、レイ・クーパーがもの凄く良い味を出しているのが救いだね。それとアンディ・フェアウェザー・ロウがコーディネイター的に参加していながら自信でも一曲披露してる。それとスティーヴ・ウィンウッドも参加してるか。まぁ、演奏的にはそれなりだけどリラックスしたセッションっつう感じで、ウィンウッドの歌声の素晴らしさが光るけど、なんつうかな、いまいち。ウィンウッドのソロもちとなぁ…。スペンサー・デイヴィス・グループの「Gimmie Some Lovin」は驚いたけど。

 んで、やっぱりジェフ・ベック。サイモン・フィリップスはもともとここから連れてきてるだろうから当然一番バンドとしてまとまってるワケで、ベックの革新的ギターの片鱗がしっかりと見れるのは美味しいね。やっぱりひと味もふた味も違うプレイを余裕でぶちかましてくれる。ある意味この人のライブって外れないよね。いつも面白いからさ。まさかの「Hi Ho Silver Lightning」で自信の歌と客との掛け合いなんて全く考えられない行動が…、珍しいっす。

 そして本命ジミー・ペイジ。やっぱりこの人はロックだ(笑)。クスリ決めまくって出てますってのがバレバレで(笑)。かっちょいいんだよ、存在だけでさ。完全に浮いてるもんなぁ…。そしてツェッペリンと云うバンドの凄さはこういうにわか仕込みのセッションでは絶対出来ないことが既に証明されてしまって…、ソロの曲はともかく、インスト版「天国への階段」だってバックは全然ボロボロで、こんなんじゃギター弾くのもノレないよなと思うくらいにバラバラで曲を知らないでプレイしすぎ。やっぱツェッペリンって特殊なバンドなんだなとつくづく。それは後にライブエイドでも十二分に証明されているけど、ここで初めて露呈した事実だな。でもジミー・ペイジのギターの音は完全に新しくなってて、The Firmサウンドに近い。それとテレキャスなんだけど腰上辺りで弾いているので長い腕が余ってる(笑)。まぁ、テクニックってのはおいといてね。歌があるのはウィンウッドが歌っているのでそれなりだけど、それもいい加減でさ、全然適当でやる気ないんだもん。この中でジミー・ペイジが満足できたミュージシャンって誰かいたんだろうか?と思うくらいボロボロ。

 ちなみにこの後のアメリカ公演ではウィンウッドが離脱して、ポール・ロジャースが参加。そこでジミー・ペイジとの共演が深くなっていってThe Firmの曲を既に実験的に演奏している。それからウィンウッドの枠はジョー・コッカーが参加して埋めていた。最後のアンコール後のセッションも「With A Little Help My Friend」が取り上げられていた。圧倒的にアメリカ公演の方が出来映えも良いんだけど、まぁ、資金集めだからしょうがない、さっさとリリースした方が良いもんな。

 そうして最後のセッションは…、いや、語れることはないっす(笑)。ベック。クラプトンはもう安定した適当なセッションなんて余裕で出来るワケだしね。ジミー・ペイジさんだけはね、こういう時いつも問題児。昔は優秀なセッションプレイヤーだったのにツェッペリンであまりにも個性的な音を出し続け過ぎたからか、セッションでギターを弾くには個性的すぎるんだよね。だからこういう時難しい…。そのまま。でも「天国への階段」を演奏後のスタンディングオベーションは他のどのシーンでも見られないので、やっぱり偉大な人なのです。