Cream - Fresh Cream

Fresh Cream  クラプトンの若かりし頃の迸るギタープレイを久々に耳にしてみると、なんとも艶やかで味のある音色とトーン、更に感情の起伏がそのまま表れたプレイに驚く。そうだよな、こういうプレイがあったからこそ神と崇められ、白人ブルースギタリストの地位を確立していったんだよな、ということを思い出した。最近のクラプトンを聴いていても全然そういうのは感じないので、ほとんど耳にしないのだけどやっぱり60年代のクラプトンは見事なギタープレイヤーだ。そんなことを感じたので、一気に王道路線へと突き進むことに(笑)。

 クリームの1966年に発表したファーストアルバム「Fresh Cream」。以降クリームは1968年には暮れには解散してしまうので、スタジオアルバム数枚程度、そして本領発揮のライブ盤が何枚かしかリリースされていないのだが、2年半の活動の割には数多いリリース状況とも云えるでしょ。

 さてさてそれぞれ華麗なる経歴を持つ三人が新たな野望を持って組んだクリームで、セッションでは当然ライブとほぼ同じような構図でプレイされていたと予測されるがいざスタジオ録音によるアルバムデビューとなるとやはり無茶も出来ないよな、ってことで落ち着いたのがこのファーストアルバム「Fresh Cream」だろう。後のクリームの経歴を考えるとそれはそれは地味な音でして…なんて思ってたんだけどね。久々に聴いたら全然十二分にヘヴィーなクリームの世界だった(笑)。

 曲自体はコンパクトに纏めてあるから何となくポップなバンド聞こえてしまう感じがあったんだよなぁ…。どれもこれも2分から4分で押さえているからねぇ。「Spoonful」はスタジオテイクでも十分に長いんだけど他がそうでもないからそういう印象だった。ところが今聴いてみるとそんなことは全然なくってしっかりと全員自己主張したアルバムでしたね…。こんなに迫力あったっけ?なんて思って聴いてるんだけど…、音の問題か?いや、ジンジャー・ベイカーのドラムはドタバタとうるさいし、もちろんジャック・ブルースのベースも縦横無尽に走り回ってるし、クラプトンも気合いの入った熱いプレイをたっぷりとカマしてくれているじゃないか。どの曲もそんな感じで、決して曲の長さとは関係のない、それぞれお自己主張をガッツリと聞かせてくれている…。おかしいな、こんなに熱いアルバムだっけ…?う〜ん、甘かった(笑)。「Rollin' And Tublin'」の強烈なハープとギターとドラムの掛け合いはスタジオアルバムの域を超えてます、完全に。ベースレスでこういう曲が成り立つってことも凄いけど、それもこの三人でしかできないワザだろう。

 後のライブ盤でも出てくるような基本的なライブ楽曲がいくつか収録されていることでわかるように、「Fresh Cream」収録の曲ってのはクリームにとっても原点なんだろな。ブルースという枠組みをハズした音作りを意識しているというか、ブルースは既に血肉となっているのでそこから発展させた音を目指してという部分があるもん。それがそれぞれのバトルとなったのかもしれないけど、楽曲的にも不思議なものも多いから、やはり60年末の何でもあり状態が刺激になっているんだろう。曲だけ取ったらそんなに個性的とは云えないんだけど、あの演奏だからなぁ…。その辺が他英国B級バンドとの違い。テクニックではない発想というのか取り組みというのか…。

 この辺ってリマスター盤でデカいスピーカーで鳴らしたらもの凄く生々しく聞こえる音だろうなぁ…とちょっとやってみたくなった(笑)。そういう音こそがロックだしさ、体で感じるロックの音ってそうそうないしね。うん、ちょっと試そう(笑)。

Cream - Disraeli Gears

カラフル・クリーム  一般的にクリームのイメージはスタジオ盤で聴けるテクニカルでポップなロックバンドというものなのか、「クリームの素晴らしき世界」の後半で聴けるアドリブバリバリのバンドなのか、なかなか掴み所がないようだ。こないだの再結成クリームはかなり話題となったものの演奏内容はどちらかと言うと前者をなぞったようなもので、その歴史的意義は大きかったもののファンの期待も大きすぎたというところか。

 まぁ、なんだな、要するにスタジオアルバムの作り方とライブでは全くアプローチが異なっていて、自分的なイメージではやっぱりトリオの音のぶつかり合いってのがこのバンドの醍醐味であって決してスタジオ盤による楽曲の良さなんてのは求めてなかったんだよね。これもまた賛否両論だろうけど、クリームって良い曲とかカッコイイ曲が少ない。でもバンドの演奏力とかライブでアプローチしている姿は凄く新鮮でかっこいい。だから好きなバンドではあるけどその反面スタジオアルバムはあまり聴かなかった。ま、今でもあまり聴かないけどさ。  …とは云え、60年代後期短命ながらもロック史においては非常に重要な役割を果たしたバンドだし、革新的なステージを行っていたワケで、そのライブとスタジオアルバムとの格差をよしとする手法はザ・フーなんかに相当影響を与えたみたい。ビートルズはスタジオアルバムをライブでは再現できないとしてライブを行わなくなったしね。で、まぁ、そういうワケからいつもライブ盤を聴いていたワケで、面白いことにそういう風に感じていたのはレコードを発売する側にも同じコトが云えたようで、ライブアルバムがいっぱい出てる。「クリームの素晴らしき世界」、「Goodbye Cream」「Live Cream「Live Cream Vol. 2」などなど…。

 で、今回はなぜか彼等のセカンドアルバム「カラフル・クリーム」なのだ。いやぁ、ブログ仲間のpapini嬢が取り上げたの見て、ああ、これもあったなぁ、なんて思い出して(笑)。ジャケ見て中味が全部聞こえてくるんだからやっぱ結構聴いたんだろうな。残っている印象…全体的にモコモコで軽いアルバム。でもなんか変な空気が詰まってる。そんな感じだった。まぁ、それで久々に聴いたワケだが…、各曲ごとに書いていくのは時間の関係上割愛(笑)。でもさぁ、初っ端の「Strange Brew」なんてクラプトンがジョン・メイオールのトコでやってたのと似たような曲で、ジャック・ブルースの冗談みたいな歌がクリームらしいっていうところかな。しかしクラプトンのこのマイルドなギターは絶品だね、ほんと。そういう風に感じるのは「Swlaber」も同じかな。そして人気抜群の「Sunshine Of Your Love」…久々にスタジオ盤聴いたなぁ(笑)。昔どうやったらこのギターのトーンが出るのか一生懸命研究してたけど、結構シンプルに出るものだった…いや、機材の問題(笑)。不思議だよな、クラプトンってヤードバーズの頃に「For Your Love」がイヤでバンド辞めたのにこの曲はよかったんだ、って思うんだよ。えらくキャッチーでポップって意味では同じように聞こえるんだが…、勘違い?ま、それにしてもこの曲は名曲ってことに変わりはないし、何つってもホントにギターソロが口ずさめるくらいキャッチーでテクニカルで、なんつってもこのトーン…しつこい(笑)?これが良かった。丸ごとギターでコピーすると凄く勉強になる曲。余談だけどこれをジミヘンがやる時にはあのスピードになるってのも大変気持ち的によくわかるのだ。次の「World Of Pain」では効果的なワウペダルの使用がインパクトあって、やっぱ「White Room」に繋がる音ってことで○。曲はまぁ、60年代サイケポップかな。そういう意味では「英雄ユリシーズ」も似たようなトーンだね。それとロックらしいかっこよさを持ってるのが「Outside Woman Blues」かな。スタジオ盤だから音がえらくマイルドにまとめられてるけど、ギターもベースもドラムも好き勝手やってて、それでいて数少ないかっこいいって思える曲。あんまりライブバージョンって聴いたことないけど、なんでだろ?派手さがないのかな。

 う〜む、やっぱ今聴くと良くできてるアルバムだな、と再度痛感。各楽器の音がそれぞれ際立ってるのも聴きやすい理由かもしれんね。ちょっと前にデラックスエディション2枚組がリリースされて、ボーナストラックとかいっぱい付いてたみたいだけど割と不評(笑)。マニアからしたらボックスとかに分散されて既発ものだったからということらしいけど、そんなにマニアでなければおいしいCDだと思うけどね。クリームのスタジオアルバムか…、とは言っても3枚くらいしかないんだよな。

Cream - Wheels of Fire

クリームの素晴らしき世界  1968年最も熱いライブをアメリカ国内で繰り広げていたのは実はアメリカのバンドではなくイギリスのバンドだったりする。その名をクリームと呼ぶ。サイケデリック・ムーヴメントすらも自分たちのレコードセールスの一因として利用してしまいその実アメリカ戦略のための策略として仕組まれた感が強く、大人になればなるほどに彼等のアメリカ侵略の上手さに舌を巻くことが多い。そしてその熱狂の様子を見事に収めてリリースされたアルバムが「クリームの素晴らしき世界」である。

 AB面は3枚目のスタジオアルバムとして収録しているけど、CD面はここで陽の目を見るものが多い1968年3月頃にフィルモアイーストで行われたライブの様子を収録。前作「カラフルクリーム」がモロにサイケデリックな様相を匂わせた作品だったことに対し、今回はジャケットにそのイメージを少し残しているものの、音楽的にはほとんど脱していてある意味独自性を打ち出している、3作目にしてようやく彼等の本質がスタジオアルバムでも打ち出されてきたのかなというように、言い方を変えるとベールを脱いできたっていう感じかな。もちろん当時はそういうスタンスではなくスタジオ盤はスタジオ盤、ライブはライブ、と割り切っていたようなのでナマでライブを体験できない人種にとってみると何故にそれほどクリームというバンドが騒がれるのかイマイチピンと来なかったんじゃないだろうか?なんて邪推してしまうんだけどね。で、そのスタジオ録音盤、初っ端の「White Room」は良いねぇ〜、サイケって云えばそのままなんだけど、スタジオ盤のくせにアドリブ合戦的要素が深くてクリームらしいっつうか、良い曲だよ、これは。以降はまあ、結構聴いたんだけど…、ね。やっぱクリームはライブだよ、ってことでCD面。

 こっちもいきなりの「Crossroad」。ひぇ〜ってなくらい強烈な曲とアドリブ合戦です。これぞクリームっていうのが良く表れた代表曲で、イントロのギターリフからしてもう定番、誰とセッションしたって出来るに決まってるってくらい定番でさ、ま、曲も、というか曲のアレンジも凄いセンスだけどギターソロだよな、やっぱ。曲そのものはロバジョンのものって云うんだけど、もちろんロバジョンのを聴いても全く同じ曲とは思えないので、この辺はクラプトンのアレンジなのかな、良いセンスしてるなぁ。で、そのギターソロなんだけど、ま、これも定番で、メジャースケールとマイナースケールが入り交じって綺麗にストーリーが描かれる綺麗な音で繋がるんだよな、上手いわ。知っててやってるんだと思うけど、こういうところがセンスっつうか試せるバンドだったのがクリーム。正直ジンジャー・ベイカーのドラムは凄いけど、曲に合わせて叩きまくってるって感じなのでそんなにそういう意味でのセンスってのは必要なかったし…、あ、もちろんアドリブに強いってのは重要だけどね。だからどっちかっつうとドラマーとしてのスタンスを確立した人で、それは「Toad」でも顕著に表れてるよね。で、ジャック・ブルースはもちろんベースマンとしてアドリブをあれだけできてドラムにもギターにも合わせていけるキーマンであるけど、楽曲アレンジ面でのセンスってのはクラプトンの方があったんだろうね。でもクラプトンもその辺、妙に自信なかったのか結局マウンテンのフェリックス・パッパラルディに全てを依存することになるってのも面白い。ま、そんなことでこの「Crossroad」はこれだけで究極の一曲。ちなみにフリーでも同じアレンジで演奏していて、こちらはもっと重いフリーのノリでのバージョンがあるので面白いよ。で、クリームの方は2曲目の「Spoonful」も定番でアドリブを楽しむには良いけど、曲そのものがちょっと単調でイマイチかな。クリームってそういうパターン多いけど(笑)。

 良い時代だなぁ、この頃は。こんなのがアメリカのあちこちでいくつも見れたんだから羨ましい。クリームのこの時期のライブビデオって存在してないんだろうか?解散ライブくらいしかないもんなぁ、どっかで発掘してDVDで出されても良いと思うけどな…。

Cream - Goodbye

グッバイ・クリーム  ロックに目覚めた頃、と言っても普通に聴いているというのじゃなくって意識的に追求心が旺盛になった頃にはやはり時代を遡るという努力をするのだろうが、そんな時に出逢うバンドってのは往年のバンドが多い。ツェッペリンやストーンズ、クリームやフーなどなど…。だから自分もクリームに出逢うのは割と早かった。もちろん凄すぎてよくわからなかった、ってのも事実だが(笑)。

 フェリックス・パッパラルディがクリームをプロデュースしていたというのは話としては有名なんだけどさ、やっぱクリームってセルフプロデュースできなかったのかな。優秀なプレイヤーであったがプロデュースは別物ってことか。まぁ、まとまらない意見を相手にプロデュースもへったくれもないのかもしれないが…。それが故にフェリックス・パッパラルディが出てくるのか、と納得。しかし今となってはクリームのスタジオ盤ってのはあんまり話題に上ることはなくってやっぱりライブ。まとまったライブボックスなんかを出してしまえば良いのに、とも思うが。

 そんなことで久々に、ほんと超久々に「グッバイ・クリーム」を聴きました。ツェッペリンと同じくアドリブの応酬合戦が凄まじいバンドなので基本的に好きなんだけど、なぜかクリームってのは深く聴いてない…いや、聴いてないっつうか聴いてるけど、深みにはまって聴いてない。多分楽曲そのものの魅力が低いからだと思うけど、ライブの白熱度は凄まじい。うん。だからこの「グッバイ・クリーム」は結構聴いたなぁ。「ライヴ・クリーム」「ライヴ・クリーム VOL.2」よりも全然良かったんだもん。

 で、冷静に考えてみると、曲数にして全6曲入り、内3曲がスタジオテイクなんだから3曲しかライブじゃなかったんだよな。でも多分それは「I'm So Glad」の迫力で全て帳消しなんだろうと思う。「Politician」だってそりゃ、凄いけどやっぱリズムの問題もあるので「I'm So Glad」の白熱度がロック。「Sitting On Top Of The World」もブルースのノリだからさ、それはそれで好きだけどやっぱ「I'm So Glad」がダントツのトラックでしょ。しかしまぁ、その音のぶつかり度と言ったら凄いわ、やっぱ。こんなの再結成でやれっても無理でしょ、普通。ファンは期待するけど。だから「グッバイ・クリーム」に入ってる奇跡のライブ録音は色褪せない、クラプトン、いいなぁ、ロックしてるじゃん、この頃。ジャック・ブルースは今でもあんまり変わらないけどやっぱり若い…、音と声が違うし。もちろん40年前だしな(笑)。ジンジャー・ベイカーもドラムという楽器を楽しんでるねぇ。やっぱライブ盤ですよ、クリームは。

 ちなみにそのおかげで有名なジョージとクラプトンで作ったという「Badge」以降、あんまり聴けてないかも(笑)。結局これが文字通り最後のアルバムになっちゃって、っつうか狙ってたんだっけ?う〜ん、やっぱ全盛期のライブを楽しめるってのは良いなぁ。久々に最後のロイヤルアルバートホールでのライブでも見ようかな。

Cream - Live Cream

Live Cream  日本のロック史を紐解いていたらどうしても王道本家を聴きたくなってきた(笑)。ってことで、さてどの辺なんだ?とアレコレと入り混じった日本のロックへの影響元を漁りつつ、パワフルなものが聴きたいな、ってことで其実あまり聴く機会の多くないクリームなんてのを…。いやね、クリームは好きなんだけど、スタジオ盤ってかったるいからあんまり聴いてなくて、どうしたってライブ盤になっちゃうんだけどさ、そうなるとひたすらアドリブの楽器の戦いを聴くことになるワケで、それって真面目に聴いていくには結構疲れるんでちゃんと聴きたい時にしか聴けないんだよな。それ以外にBGMにはならないバンドだからさ、そうすると結構聴く機会が少なくて、年と共になかなか聴かない=集中する時間を取れないのであまり聴く機会が多くないバンドになってしまっているのだ。あまりにもパワフルなアドリブ合戦すぎてやってる方も大変だけど聴く方もパワー必要なバンドです。

 1970年「Live Cream」…クリームが解散して割と早い段階でリリースされたライブの編集盤、と言われつつもしっかりとスタジオ録音も入っているので実際には4曲のライブと1曲の新曲ってことになるようで、それもアナログ時代にはA面2曲のライブの後にスタジオ録音1曲、B面は2曲のライブってことで何とも中途半端な作品ではあったが、もちろん評価は高かったようだし、それなりに売れたのも当然か。70年ったらまだまだインプロロックが主流だったワケだし、そこに本家本元のクリームのライブ盤なんだから皆聴くわな。72年には続編「Live 2」がリリースされて、こっちの方が「White Room」や「Sunshine of Your Love」が入っていることから名盤と言われることが多いんだが、そもそもクリームのライブをアルバム一枚で判断させるのが無理ってな話で両方で初めてひとつのライブ作品として聴いていいんじゃない?って思うが、ま、レコード時代には「Live 2」の評価が高いのはやむを得ないだろうな。しかしCD時代になってリマスターとか発掘とかたくさん出てきている中でこのクリームのライブ作品は何かまとまったものは出てこないんだろうか?「Live Cream」も「Live 2」も1968年3月や10月のライブから編集されているワケで、当然ながらそれぞれのライブの日毎に完全なライブ音源が残されているだろうから、それらを出すだけで5公演くらいはライブアルバム集が出来るんじゃない?そしたら出来不出来にかかわらず結構な評価を得られる気がするけどなぁ、今更ながらってのあるのかなぁ…。

 ってなワケで、「Live Cream」。曲は地味だと言われるけどクリームの本質を聴くのに曲とか歌とかあんまり関係ないワケで、そもそもスリリングな楽器のバトルを聴きたいっていうだけなので、「Live Cream」でも全然問題ない、っつうかこっちのが曲に馴染みがない分演奏が半端ない。ここまで弾きまくるクラプトンはやっぱりかっこ良かったんだろうなぁと思うし、ジャック・ブルースもジンジャー・ベイカーもほんとにやりまくってる。でもね、妙な調和性があって、そこがこの三人のプロなところでさ、勝手に演ってるっていうアマチュアレベルのものじゃなくてそれぞれの調和性が成り立っているところが楽しかったハズなんだよな。チャレンジって意味ではもう少しコードチェンジとかもアドリブで決めていってプレイしていたら更に飛躍できたんじゃなかろうかとも思うが、その辺の世界は後にクリムゾンが実践しているってことで、その足がかりになってことでロック界にはもちろん重要なバンド。どうしてもワンコード的に聴こえてしまうのが飽きる部分なんで…。

 そしてスタジオ盤の「Lawdy Mama」はクリームで言えば「Strange Brew」の改訂版になるんだけどそもそも「Lawdy Mama」が古くから残されているスタンダードなトラディショナルのようで、ハウリン・ウルフなどが取り上げたことがあるからクラプトンが持ち込んだってもののようだけど、ちょっと驚いたのはそのプロデューサーがアーメット・アーティガンだったってこと。通常クリームと言えばフェリックス・パッパラルディで、このアルバムも大半はフェリックスなんだが、このスタジオ盤だけはアーメット・アーティガンがプロデュースしてる…アトランティックの創始者ですね。クリームってアトランティック配給のアトコレーベルだったからね、うん。

Cream - Live Cream Vol.2

Live 2  もう43年くらい前の事となってしまっているのに、今聴いてもこんなに熱い演奏をできるバンドってそんなに多くないだろ?そしてこんなにギターを弾くヤツもベースを弾くヤツもドラムを叩くヤツも、そして忘れられがちではあるが、ハートのこもった歌を歌う人達が揃ってバンドをやって世界を制するということもないだろう。2005年頃だっけ?に再結成してその歴史に終止符を打った感のあるクリームだが、ライブ盤続きってことで何か激しいロック聴きたいな~って思って何気なくネット見ててさ、クリームなんて最近全然聴いてないな~と。そんで引っ張り出してきたのが古い世代には最も評判の良い、と言うよりもライブアルバムだってそんなに出てなかったから「Live Cream」よりも「Live 2」の方が良いってことで「Goodbye」と共に人気の高かった「Live 2」です。

 アルバムリリースは1972年ってことで、1970年には「Live Cream」がリリースされているのでその続編ってことで「Live 2」。ライブそのものは1968年3月のウィンターランドと10月のオークランドからだからこちらはかなり末期に近付いているな。驚くことにアルバムの1-3曲目がこの10月のオークランドからのライブで、残りが3月のウィンターランドからのライブってことで、いやいや「Farewell Concert - Extended Edition [DVD]」見ててもそうだけどパワーが無くなってきたから解散する、という通常のバンドのあり方とはまるで逆で、そのパワーを維持するのが大変だから解散するという図式…、ま、気分的にはうんざりしてたってのはあるだろうけど、演奏すればそれはそれは解散間際だろうがプレイとしては凄いんだよな。ちなみにそんな事を思ってたのはクラプトンだけなのでベースと歌を担っているジャック・ブルースは全然そんな事で勢いを削がれることなく歌ってるしベースも弾いている。結果ジンジャー・ベイカーは付いてくるし、クラプトンも負けていられないってのはあるから弾いて弾きまくって付いてくるしかないという状態。結果、リスナーが求めているライブの図式が出来上がってしまうというものだ。冒頭からの3曲の楽器合戦と共にジャック・ブルースの歌の凄いこと凄いこと。この「Live 2」が単発で二枚出てくれていたおかげで今の時代のように長い長いCDを聴かなければいけないという苦痛に見舞われることもなく、40分強の集中力でアルバムを聴きまくるという楽しみ。これこそアナログでのアルバムの楽しみ方だ。こんなライブ、80分も聴かされたら全然集中して聴けないし疲れちゃう。そんだけのパワーを出してくれているんだからやってる方はそりゃ大変だ。

 いや~、いいね、こういうロック。クラプトンのワウペダルが気持ち良いし、ジャック・ブルースの弾きまくるベースのラインもジャズとかとは違って思い切りロック。ホント個性的。ジンジャー・ベイカーのドラムはあまり好みじゃないけど、こういう形態のバンドだったらしょうがないだろうなぁ…と言う感じでどこにも属さないドラミングを叩いている。やっぱりクラプトンが一番普通っちゃぁ普通だけど…ってかさ、クラプトンのギターがリズムになってる感じするもんな(笑)。今でもこんなの聴いたら一体どうなってるんだ、クリームってのは?って気になって気になって聴きまくる。楽器をちょっと手にする人ならホントに気になるんじゃないかな。聴いてるだけでもあちこちの音を耳にしていかないとわかんないし。スタジオアルバムがどれもこれもポップにオーバープロデュース的に売るために作られてるからこういう生のライブはホントにクリームを伝説にするに相応しいバトルの演奏。それでいてキャッチーなメロディもしっかり持ってるんだからよくわかってる。この頃のクラプトンはやっぱり若い…と言うよりも今でも変わらないブルースフレーズ中心でのプレイで延々と持っていく。もうちょっと印象的なフレージングを意識したりすれば曲のソロとして機能するんだろうけど、コードと流れに合わせてひたすら弾いているのでフレージングという概念じゃなくなっているんだな。それがクリームになくてZeppelinにあるトコロの違いか。

Cream - Farewell Concert

Farewell Concert [DVD] [Import]  ギターを弾きまくれる人、弾きまくれるバンド、弾きまくった作品ってのは実はそんなに多くないと思う。インストモノじゃなくてバンド単位でアルバムとしてそれが成立するものって多くないからか、割と限られてる気がするんだよね。商業主義が目立ち始めてからは余計にそういうのは少なくなってるし、そりゃ商品なんだからある程度は聞きやすくないと…ってのはわかる。だがしかし昔はそういうの関係なしにリリースされていたんだよなぁ…、それが伝説になったバンドだってあるんだからさ。

 …ってことでその筆頭格でもあるクリーム。うちのブログでもクリームって割と取り上げてるんだけど何せアルバムが少ないからもうほとんどのアルバムはレビュー済みなおかげであまり出てくる機会が多くない…しょうがないな(笑)。でも、ちょいとハマりたかったんで「Farewell Concert」の映像を挙げておこうと…、それにしてもこんだけ完全な映像を残しておいてくれてありがたいよな。どのバンドもこの時代ってのはモノクロの断片映像だったりテレビ出演口パク映像だったりせいぜいビートクラブくらいしか残ってないってのも多い中、解説が邪魔ではあるがコンサートの模様がそのまま記録されているんだからありがたい。解散コンサートとは言え、バンドの形態からして解散コンサートの方が何でもやってやれ、みたいな雰囲気があって白熱しているんだから不思議。音でぶつけあって喧嘩してるんだからそうなるのかと。はじめの「Sunshine of Your Love」のギターソロとかさ、クラプトン普通にクールな顔して無茶苦茶ぶち壊して弾いててさ、ジャック・ブルースがフレーズに戻ってもお構い無しに弾きまくり…いち早くその暴挙ぶりに気づいたジンジャー・ベイカーが早速アドリブで合わせているってのも面白い。そういう怒り方するんだなぁ、と。

 それにしても今聴いてもこの音圧はホントに3人で出してるのか?ってくらいの迫力だし、フレーズの多彩さ、飽きの来ないぶつかり合いのアドリブフレーズの応酬、それに反した楽曲のポップさが曲のメリハリをしっかりと色付けていて聞きやすくしてるし、何とも不思議な集団の音なのだ。クラプトンのギターもこの頃が一番好きだなぁ…、エグいフレーズがあるわけじゃないけど弾きまくりで、若さ満々みたいなトコあるし、それを上回るジャック・ブルースのベースの音の凄さ…EB2独特の音だよな。うちのバンドのベースもコレ遣ってるけどホントうるさいんだ(笑)。しかし、よくコレで商業ベースに乗ったな(笑)。アルバムのポップさとライブは別物ってとこで良かったんだろうが、普通のファンがライブ来たら大変な目にあったことだろう。

 映像作品としては曲順も実際のライブとは無茶苦茶に入れ替えられているし、ドキュメンタリータッチですらあるけど、生々しいライブ演奏そのままと全盛期のクリームを疑似体験できる意味でやはり必須、更にクリームの本領発揮な楽曲ばかりが入ってるんでアルバム聴くより自分はこっちの方が全然聴きやすい…聴きやすいってかロック聴いてる気分になれる。疲れるけど。そんな楽しみの出来る熱い熱いライブ。こないだの再結成ライブなんてノスタルジック以外の何物でもなく、これぞクリーム、ってのが良いな。

Cream - BBC Sessions

BBC Sessions  ロックってオモロいな〜、と嬉しそうに言われた。なるほど、そりゃ面白いわ〜、と共感したものだが、ライブ中心のバンドの楽曲ってライブ毎に演奏が変わるから常にチャレンジチャレンジしているワケでね、毎日様々なアプローチを試しているワケよ。仕事だとしたらそんなことしないだろうけど、それよりも純粋にぶつかり合いハプニング、化学反応を楽しんで試している、そしてCreamはそれを売りにしていたから、常にそのアプローチがなけりゃ意味が無いと言い切るくらいまで追求していたバンドだ。そしてそのライブの幾つかをひたすら聴いていた時に、アプローチがあまりにも異なるものがあって、ひとつだけ完全にバンドが一体感を出しているライブ演奏があったんだな、そしたらそれがやっぱり一番カッコ良くてハマった演奏になっていて最高の出来映えだったワケだ。そういうのを発掘発見して納得したことがあったからこそロックは面白い、と。うん。

 んなことでCreamの…書いてないのは「BBC Sessions」くらいか。このセッション集で聴けるCreamの姿は正直かなり中途半端な印象を否めないもので、スタジオ盤の圧倒的にキャッチーで一般的に聴けるレベルを狙ったものとライブでの激しいプレイの応酬のギャップを埋めきれていない、と言うかその中間の演奏をしていると言うか…、そりゃ時間制限もあろうし、パワフルなライブ感は披露しておきたいし、って所での妥協点だろうが、結果的に残された音源でCreamの本当の凄さってのは出し切れていないんじゃないかな。まぁ、だからこそ後になってリリースされたことで、歴史的価値を高めたという意味合いのほうが強いのだろう。そんなこと書きながらも聴いているとやっぱり凄いバンドだなと思うシーンも数多く(笑)。

 自分がギター好きだからギターを追ってしまうし、そこで絡むベースを耳にすることはあるのだが、ドラムまではあまり耳が回らなかったんで、リズムへの挑戦と言うのかリズムじゃないな、リズムは同じなんだけど叩き方、叩くタイミングをズラしながらの変調を実験していくなんてのになかなか気づかない…、気づかないというのか何かヘンだな感はあるけど、そんなに分析までしないでリズムを追ってる…、そこに気づくと凄い事してるんだ、ってのが更に響く。やっぱりこういうバンドは隅から隅まで聴き尽くして楽しまないとね。自分的にはZeppelinは結構やってったけど他はそこまでやってないもんなぁ…、やはりマニアな人間と会話してると面白いわ(笑)。

Cream - Reunion Live

リユニオン・ライヴ -アット・ロイヤル・アルバート・ホール2005 [DVD]  気になりながらもなかなかDVDを手に入れていなかったんだけど、ようやく見たので早速書いておこうかな、ってことで懐かしのクリームの再結成ライブです。

 もちろんクリームの全盛期については今更書くこともないんだけど60年代終盤になって正にロックが多様化する時代に突入した頃にジャズとブルースをロックが包み込んだバンドとして名を馳せた時期が最高。初期はかなりポップなサウンドをプレイしており、それほどバトルが繰り広げられていたわけでもないので、ファーストアルバム「Fresh Cream」やサイケ調で有名な「Disraeli Gears」などを聴いているだけでは絶対のクリームの凄さは分からないんだな、これが。で、「Wheels of Fire」を聴いて初めて「何だこれは?」ってなるんだけど(笑)、このアルバムによってクリームのライブによる指向性とか音楽性ってのがしっかりと明示されたおかげで一般的ロックファンにもクリームってのはとにかくアドリブ合戦でそれぞれがバトルを繰り広げる凄いバンドなんだ、と認識されたようだ。スタジオ盤ばかり聴いていると決してそんな風評は広がらないハズ。

 その後その凄さを裏付けるように「Live Cream 1」「Live Cream 2」や「Goodbye Cream」なんかもライブ盤でリリースされたワケだ。  で、1966年から1968年で活動を終えてしまったクリームはメンバーの仲の悪さが手伝ってメンバーが全員生きていながらなかなか再結成には至らなかったみたいだけど、一度1993年にクリームが「ロックンロール・ホール・オブ・フェイム」でロックの殿堂入りした際に三人が集まって演奏している。この時もかなり話題になったんだけどね。それから更に10数年後の2005年になって再度結集して今度は簡単なツアーを行うと発表したワケだ。ロイヤルアルバートホールでの演奏ってことは、クリーム最後の公演と同じ場所から始めるってことで、なかなか憎い演出だよね。

 んでもって今回の再結成ライブで、まあお爺さん方々が演奏を始めるんだけどさ、やっぱり懐メロ以外の何者でもない、ってのが正直な感想。それなりにアドリブもやってるんだけど、いや、それなりどころかさすがにプロフェッショナルっていう演奏なんだけど、そしてクリームの名曲群なんだけど、そこにはロックはない。しょうがないか…。こじんまりと上手くまとめ上げられた演奏者がいるだけ、みたいな感じでね、まあ昔のような熱い演奏を求めていたワケでもないけど、ジャズの人とかって年取ってもガンガンにバトルしてるじゃない?そうはならないんだよね。最後にジンジャー・ベイカーが「Toad」を叩きまくるっていう終わり方するなら、そういう体力あるならもっとコンパクトにして熱いバトルをもっと聴かせて欲しかったなぁって贅沢な要望。見れただけでも幸せって云えばそれまでかな。

Jack Bruce - Things We Like

Things We Like  ロック界ベーシストで名が挙がる人ってそんなに多くないのでは?と思うのだが、それでもやっぱ凄い人は何人かいるもので、その中でも多分、かなり有名な人…、いや、一番はポールっつうのは知ってるので(笑)、でも、話いきなり逸れるけど、ポールのベースラインってのはやっぱ凄く斬新でセンスのある見事なものなんだよね。かっこいいもん。だからやっぱり最高のロックベーシストの一人です、はい。別に音が嫌いなワケではないのでそれくらいは知ってます〜。

 で、ジョン・エントウィッスルが全くもって素晴らしいベーシストなのだが、一瞬だけ光り輝いたバンドにいたがためにその才能が世界に知れ渡ってしまった素晴らしきロックなベーシストがジャック・ブルースですね。もちろんクリームの三年間が彼のアドリブプレイのセンスの最高峰だとは思うんだけど、もともとジャズ畑の人で、それがロックに飛び火したって感じなのでそりゃもうフレージングが天才的というのかベーシスト的というのか、バトル、だよな。クリームってさ、やっぱクラプトンが異質なプレイヤーだったんだと思うもん。ま、それはいいんだが…。

 結構意外なキャリアがこの後に築かれていたのだけどあまり知られてないんだと思う。驚くことにジミヘンと一緒にやっていた天才ドラマー、ミッチ・ミッチェルとラリー・コリエル、それとマイク・マンデルっつう人と一緒にライブをクリーム解散後には行っていたようで、ちょうどミッチ・ミッチェルもジミを失った頃なのかな、理想的な組み合わせだったのにねぇ、しかもラリー・コリエルっつう素晴らしきギタリストと一緒だったのにやっぱスーパーバンドは上手く行かないのだろうか。ソロアルバムで面白いのはやっぱファースト「Songs for a Tailor」かセカンド「Things We Like」かなぁ。ジャズなんだけどロックでさ、クリーム時代は結構ポップ路線で頑張ってた分、ソロでは好きにやってるな。結構ねぇ、ジョン・マクラフリンとかジョン・ハイズマンっつう面子でやってて、プレイヤーには恵まれてると思うんだよな。セールス的なところがダメだったのか、音楽が大衆に合わないのか…、確かに何度も普通には聴かない作品ではある。もちろん玄人には好まれる作品だとは思うが。その後もミック・テイラーとやったりさ…、結局表舞台に立つことがあんまりなかったんじゃないかな。でも凄くアグレッシブなプレイと激しい性格は相変わらずなんだと思う。

Jack Bruce - Songs for a Tailor

Songs for a Tailor  ジャズとロックの架け橋として大きく貢献した人物の一人としてジャック・ブルースという人物は外せないだろう。ロック側から見ればあのクリームの立役者なワケで、今でも伝説のグループとして君臨しているし、ソロ作やミュージシャンの活動として見ればほとんどジャズ畑のスタイルをロックに持ち込んだワケで、音楽の境界線を虫した活動をしている天才肌のベーシスト兼実はボーカリスト兼ハーピストとかピアニスト。まぁ、音楽の才能溢れる人なんですな。

 そんなジャック・ブルースが1969年にリリースしたセカンドソロアルバム「Songs for a Tailor」、クリームを解散させてから速攻でソロ活動に入り、ロックとジャズの境目を渡るようなファーストアルバム「Things We Like」でその存在を改めてアピールしてエリック・クラプトンを単なる一ギタリストとして知らしめてしまった感もあったが、ジャック・ブルースの方はバンドメンバーにこだわること無くマイペースでの活動でさっさと出してきたセカンドアルバム「Songs for a Tailor」。しかも参加しているメンツが見事で、主軸はクリス・スペディングとジョン・ハインズマンですね。コロシアム的な意味合いもあるけどやっぱりジャック・ブルース的に歌を聞かせながらもバンドが活躍するというスタイルが多い。「Songs for a Tailor」では更に英国らしいアコースティック調の曲も増えていて、やっぱり英国人だなぁと感じる部分も見れるのが面白いし、実に充実した楽曲が満載なので個人的にはかなり気に入っている名盤の域です。英国B級ロックの世界で光り輝くこととなるハリー・ベケットの参加、そしてジョン・マーシャルの参加に加えて、こういう実力組の中では単に名前だけがメジャーすぎて才能を発揮する間もなかったジョージ・ハリソンなんてのもいたりする。それってエリック・クラプトン絡み?まだビートルズ解散前だよな?割と知られていないセッションなんじゃない?

 そして「To Isengard」なる曲では恐ろしいまでにクリームの再演かのようにグチャグチャのワウギターとベースとドラムのバトルを繰り広げた傑作が聴けるのも頼もしい。あの緊張感はクラプトンである必要もなく展開できるんだよと言わんばかりにクリームテイスト溢れた音を出している。そしてアコースティックな始まりから展開される「Rope Ladder To The Moon」ではマウンテンのフェリックス・パッパラルディの歌が響き渡る。これもまた完成度の高い一曲で、後のマウンテンの成功と共にこの時期のジャック・ブルースとパッパラルディの友好関係が顕著に出てきたケース。そのマウンテンが「Climbing」で発表して名曲と言われてロックリスナーの記憶に残っている「Theme For An Imaginary Western」は元々ジャック・ブルースの作品で、本人のソロアルバムでリリースされていたのだな。まぁ、有名になったもん勝ちだけど、聴き比べてみるのも面白いでしょ。

 そんな傑作アルバムでメンツ的にもへぇ~と英国B級からジョージ、そしてアメリカトップの面々まで参加させた自信と意欲溢れる作品で、埋もれさせておくには実に勿体無いアルバムなんだ。正直言ってエリック・クラプトンの初期作品聴いたりデラックス・エディションとかリリースするくらいならこの「Songs for a Tailor」を拡張盤でリリースしてもらいたいものだ。あの頃のブリティッシュロック好きな人なら絶対気に入る一枚だね。

Jack Bruce - Harmony Row

Harmony Row  今年はこの人の訃報も聞いたのだが、名声を手にしつつもなかなかその後が続かずに苦労していたという印象が強い。プレイヤーとしての才能もあり、また作曲家としての才能もかなりのものだったにもかかわらず、なかなか商売としての成功者にはならなかった、なれなかった人。一方の相方はもっと無茶苦茶になりつつもきっちりと名声を地位にまで上げて億万長者の仲間入りまで果たしているのに、だ。

 ジャック・ブルースのソロアルバム三枚目ながらも録音は2枚目以前になるのかな、「Harmony Row」ってな作品。これまでのベースプレイヤーぶりを思い切り発揮したソロ作品から趣を変えて作曲家アレンジャー的地位をきちんと示した作品ともなっているアルバム。元々ピート・ブラウンとの共作などで作曲家としての才能は見られていたがクリームでその才覚を更にベースプレイヤーとしても発揮していたわけだ。そっちの印象が強かろうってことでジャズ・ロック系の名手達とのセッションでクリーム的にプレイの炸裂を狙っていったのがこれまでの作風。ところが今回は名手クリス・スペディングとジョン・マーシャルという微妙な位置付けの二人を配してのプレイってことで、その他鍵盤系をもジャック・ブルースが弾いているから結構カラフルになってる。そしてジャズアドリブプレイの応酬ってんじゃなくて英国ロックを作り上げた作品ってな感じ。

 歌にしてもクリームでのジャック・ブルースって印象じゃないなぁ…。クリームのスタジオ盤って大人しい歌だし、ライブだと叫んでるんだけど、そのどっちとも違う感じ。きちんと歌っているっつうか、それでも叫んでるんだけどさ、結構味のある歌声なのでこれはこれで英国ロックとしては面白い作品だと思う。バンド名付けずにソロ・アルバム内でのセッションメンバーだからそうでもないけど、凄いメンツだよね。作風は割と静かめなサウンドも多くて一辺倒さはなく作曲屋さんだなっていうトコロか。自分的にはどこか英国ジャズ・ロック…カンタベリーまでは行かないけどその手前くらいにいるのかも、なんていう感じがして結構好き。ただ、名曲ってのがないから魅力に欠けるってのがあるかな。そこが常にジャック・ブルースの特徴なんだけどね。でも、英国ロック好きで聴くもの無くなってきたら聴いてみるといいんじゃないかっていう作品です。

Jack Bruce - Live '75

Live '75  聞き手がエネルギーやパワーを感じるバンドって実はバンド側のエネルギーやパワーの消費が激しいとも言えるワケで、即ちエネルギー保存の法則が働いているワケだ(笑)。だから大抵そういうエネルギッシュな濃いバンドは長続きしないし、そのバンドが終わった後のメンバーのソロ作なんかを聴くと実に大人しい作品が多くて大抵盛り上がらずにつまらないアルバムとして評される。ジャック・ブルースという人ですら当てはまる構図だったようで、もちろん音楽的にベース的にハードな事はやっていたりするけどクリームほどの白熱ぶりはないワケで、まぁ、そりゃそうかと。いつまでもあの世界を求めてはいけない…。

 クリームが解散してから精力的にソロアルバムやセッションアルバムをリリースしてきたジャック・ブルースが1975年頃に面白い面々を集めてライブを行っている。ギターにストーンズを離脱したばかりのミック・テイラー、鍵盤にカーラ・ブレイという布陣。スタジオ・アルバムはリリースされなかったけどライブ盤「Live '75 」が出ていた。聴いてみるとちょっと意外な感じの音で、どっちかっつうとフュージョンに近いかもなぁという雰囲気だが、今に至るまでのジャック・ブルースの音からすると、まぁ、わからなくもないか。いつもギタリストにそれらしい人物を持ってきてセッションアルバムとかライブとかを行うんだが、それが毎回テクニカルな人ばかりなのでどうしてもフュージョンに近い音になるのだろう。自身で歌も歌うからヴォーカルはいらないし、だから故ベースだけ弾いていれば楽しめるというのもあるか。メンツに期待するほどの音が出てこないライブだったのがちょっと残念だけど、まだまだ発展途上なセッションだったのかな。簡単に言えば皆が皆個性は出してるけど目立つ方向ではないし、音楽的にここだ、というツボを見つけている感じでもない。

 結局この人、クリーム以降は細々とした活動ばかりになってしまってメジャーシーンに躍り出てくることはあまり多くなかった気がする。ゲイリー・ムーアとジンジャー・ベイカーと一緒にやったのくらいは話題になったが、それくらい。再結成クリームの時はクラプトンの威光で実力を再度示したという部分があるが…。深堀りしていくと実は相当いろいろな人とセッション活動しているので面白さはあると思うんだがそこまでハマりこめないってのもあるし、どうにも勿体無いと言うか孤高の人と言うか…。


Jack Bruce & Robin Trower - Seven Moons

Seven Moons 情報に疎くて今更知ったアルバムなんだけど、ジャック・ブルースとロビン・トロワーが再び一緒に組んで今年の初めにリリースしたアルバム「Seven Moons」を発見して聴いたワケさ。ジャック・ブルースも結構歳で体調も崩したり、大変だった時期もあったらしいけどクリームの再編以来コンスタントな活動を再開しているっぽい。あんまり追いかけてないけど、やっぱり見つけると気になるのでチェック。そんな中、ロビン・トロワーとのアルバムってので今ではどんな音になってるのかと興味持つワケだ。んでもってドラマーにはゲイリー・ハズバンドっつうその筋では圧倒的人気とテクニックを誇る人で、アラン・ホールズワースとかレベル42でやってた人。このアルバムではそんなに滅茶苦茶目立つドラミングじゃないけど、要所要所のオカズとか凄い。引きし合ったタイコだから全体的にタイトになってて良いね。

 最初から結構感動します、これ。ロビン・トロワーって一昔前にはジミヘンフォロワーと呼ばれて知られていたけど、今でも相変わらず。これジミヘン?って感じのギターから始まるわけで、そこにジャック・ブルースの得意のリフと歌。もうねぇ、ジャック・ブルースの曲なワケよ、完全に。クリームって活動期間短かったからアレだけど、こうやって聴くとジャック・ブルースのクセってよくわかる。ロビン・トロワーのギターのクセも凄くわかるし、個性が上手くミックスされてて相性いんんじゃないかな。だから作品としても聴き応えある。音は往年のブルースベースのロックで、今時では聴くことのない往年のロックを踏襲したアルバム。心地良いもん。だから2008年の作品とは思えない(笑)。

 ちなみにこの二人、80年代初頭にも傑作「B.L.T./Truce」を二枚出してるので久々に聴いてみるかな、と。  いいなぁ〜、これ。いぶし銀的な色合いで大人のロックアルバムだ。ギター的にも満足できるしレトロ的にも楽しめる。そしてゲイリー・ハズバンドを研究するのも面白い。こういうのってもっと情報入るようにしたいな。ま、でも気付いてよかった♪