John Mayall & Blues Breakers with Eric Clapton

Bluesbreakers With Eric Clapton (Dlx)  クラプトンの最初期はもちろんヤードバーズで名を広めたというのがあるが、通な人にはやはりJohn Mayall&The Bluesbreakersでのセッションが一番思い入れが深いんじゃないかな。ヤードバーズのポップ性にうんざりしたクラプトンはもっともっと深くブルースをプレイしたかったというから正にこのバンドはうってつけだったことは容易に想像できる。

 アルバム「Bluesbreakers With Eric Clapton」に収録されたプレイを聴いていると実にノビノビ生き生きと演奏している様子を聴けるのでヤードバーズ時代と比べてはいけないが圧倒的に趣味に走っている(笑)。これも時代の産物でもあるかもしれんな。今でもクラプトンがライブで演奏するナンバーがいくつか収録されているっていうのも凄いんだけど、アルバム的には滅茶苦茶ブルースっていうナンバーばっかではなくって、そこら辺はさすがイギリス人らしくかなり独自解釈を施した感じのあるブルースが基調になっていて、でもクラプトンのギターはやたらとエグい音で鳴っているんだな。

 冒頭の「All Your Love」で多分一気に目が覚めるというか惹き付けられるちゃってさ、フレーズだけじゃなくって細かいギターの弦を指が滑る音とかいやらしくって良いなぁと思うしね。「Hideaway」や「Key To Highway」、「Ramblin On My Mind」なんてのも定番で、ギターを志すものがこのアルバムを聴いたらまずコピーしたくなる一曲だと思う。もちろんどの曲も教科書的なギタープレイばかりなので一曲二曲ってワケにもいかないんだろうけどね(笑)。しかしまあ、クラプトン一人でブルースしてるって感じのアルバムだなぁ。勝手な解釈なんだけど、それでいてロックっぽくというかポップにフレーズを組み立てているところはヤードバーズで鍛えられたワザかもしれん。あぁ、メイオールのハープも味があって良いなぁ…。

 そういえば先日ジョン・メイオール生誕70周年記念コンサートが開催されて、そのメインゲストがクラプトンとミック・テイラーってのが良いよね。まだ聴いてないし見てないのでその迫力ってのを実感してないんだけど、メイオールも相当気合い入ったままだっていうし、二人のセッションもあるっていうからちょっと楽しみなんだけどね。

Eric Clapton - From The Cradle

フロム・ザ・クレイドル  ブルースメンとして個人的にはそんなに認識がないのだけれど、一般的にもマニア的にもかなりの度合いでブルースメンとして認知されている人、エリック・クラプトン。いやぁ、ブルースロックギタリスト、なんだよね、自分的には。もちろんヤードバーズからクリーム、デレドミあたりまでとかソロもいくつか…、っつうか大体持ってたし聴いたなぁと思う。でもやっぱりどうもホンモノ的香りがしないのか、あまりそういう認識はないんだよねぇ。

 …なんていう自分の認識を大きく覆してくれそうになった思い切りブルースアルバム「フロム・ザ・クレイドル」は実に楽しめた。リリース当時、ボロい車のラジオからこれが流れてきてさ。多分一曲目の「Blues Before Sunrise」だと思うんだけど、カーステなんて豪華なもんじゃなくってAMラジオレベルのオモチャみたいなラジオスピーカーだったから音悪くてさ、それでこのスライドギターからのイントロが流れてきて、「おぉ??」って思ってボリューム上げて聴いてたんだよね。そしたら凄く図太い声で歌が始まってさ、ソロももちろんブルースそのものでかなり感動したんだけど、何となく本能的にどこか違うなぁ、黒人のホンモノではないな、これは、ということはすぐに察知できて、となると白人だと誰がこんな渋いのやるかなぁ…なんて考えてたらさ、「エリック・クラプトンの新作より」なんて言うから驚いた。言われてみればクラプトンのギターなんだろうけど、この歌声が?とかこのスライドがクラプトン?やるなぁ〜と改めて見直したって感じが強かったね。それで速攻買いに行って聴きまくりました。まぁ、音そのものが90年代なのでちとノスタルジックさはなかったんだけど、このギターと歌はかなり凄いぞ、と面白かった。ここまでギター弾きまくったアルバムってそんなにないんじゃないかな。しかもオリジナルの本人に近いようなフレージングでクラプトン節もしっかり効かせてるという奥の深さ。何曲かギター二人で弾きまくれば良いのになあと思うけど、まぁ、それもよし。

 カバーの原曲ってのがもちろんあるんだけど、渋いんだよなぁ、ほんとに。主に50年代の作品が多いけど、1945年生まれのクラプトンがリアルでその頃に聴いていたワケではないので趣味的にそのヘンなんだろうね。それにしても偏ってるのは自分のスタイルに近いからなのかな。結構選曲は不思議だけど、作品は良いモノに仕上がってるから良し、か。ローウェル・フルソンとかエディ・ボイド、リロイ・カー、ジミー・ロジャースが何曲か。んで、自分も好きなんだけど、そしてクラプトンのセッションしたアルバムがあるフレディ・キング。いやぁ、話逸れるけどフレディ・キングは最高にかっこよいブルースギタリストだよ、ほんとに。ポール・ロジャースの「マディ・ウォーター・ブルーズ」が1993年にリリースされているけど、それとはかなり趣が違うカバー曲ってのもなかなか面白いよね。やっぱクラプトンの方が年上ってことか、趣味の問題か…。ストーンズもこういう作品作れば良いのにね。そしてクラプトンのこの作品、ほぼ全曲ライブレコーディング一発ってことでオーバーダブなしってのも適度な緊張感とグルーブ感があるんだよね。やっぱバンドっつうかブルースロックってのはそういうのが良い。

 ってなことで久々に聴いたけど、やっぱり偽物のブルース作品(笑)。でも白人ブルース的にはかなり素晴らしい作品で、好きだな、こういうの。成り切れないがために成り切る、成り切りたい、っていう姿勢が良いのかもしれない。これでB.B.キングあたりがゲストで参加してチョーキング一発弾いたらクラプトン一瞬にして負けるもんな(笑)。だから英国のブルース好きな連中はいつまでたっても夢を追いかけていられるんだよ。

Derek and the Dominos - Layla and Other Assorted Love Songs

Layla & Other Assorted Love Songs  エリック・クラプトンの代表曲と云えば? …「いとしのレイラ」。多分90%の人が否定しないと思う。よく言われる話なので簡単に…。まぁ、クラプトンがブルースを愛する余り、よりアメリカ南部の香りに惹かれていったところ出会ったバンドがデラニー&ボニーだったりするわけで、そこでクラプトンはこの辺と一緒になんともレイドバックした…、ま、そういう呼び方は後から付いたんだと思うけど、要するにエネルギッシュではなく枯れまくったサウンドに入っていったってことだね。それがデレク&ザ・ドミノスというバンド形態ができあがったお話のようだ。

 今となっては実に数多くの「いとしのレイラ」アルバムが氾濫しているのでよくわからないのだが、まぁ、アウトテイクスやらなにやらをいっぱい集めたものレイラ・セッションズリミックスされたものもその中にはあるらしくって、当然デジタルリマスターされたもので良いんじゃないかと思うけど、実はこのアルバムってアナログ時代には二枚組の名盤と呼ばれた割にあまり聴いていない。何故か?多分ねぇ、かったるいブルースが実はすごくたくさん入っていて、全然ロックなテイストのアルバムじゃなかったから。もちろんどれもこれも素晴らしく聴き応えのあるフレーズが連発されているんだけど、どうしてもなぁ…。だから短命に終わったバンドなんでしょ?で、その有名な「いとしのレイラ」ってのは最後から二曲目に入ってるワケで、どうしても習性上アルバムってのは最初から聴かないといけないと思っているのでいつもいつも「いとしのレイラ」に辿り着くまでに疲れてしまったんだな(笑)。「Little Wing」あたりに来るとようやくほっとするんだけど、このカバーもなぁ…、ちょっとどうかと思います…ってなもんで、イマイチどころではないくらいの感じ。しかし改めてちょっと聴いてみたけど、ディスク2の方が良い曲揃ってるんだ(笑)。良い曲っつうと語弊があるけど、まぁ、知られた曲が多いってのかな。そう考えると今のクラプトンがライブをやるにもこのアルバムから数曲は選ばれるっていう点は凄い。

 そしてこのアルバムの目玉って云えば、やっぱりもの凄く耳を惹くデュアン・オールマンの参加だろうね。このスライドギターってのはホント度肝を抜かれるくらいのフレージングでさ、普通スライドギターって、やっぱ22フレットあたりまでの音で終わるような印象なんだけど、この人、ピックアップのところまで持っていって驚異的なサウンドを出しているんだよね。ああ、そういえば、それもともかく誰もが云うと思うんだが、「いとしのレイラ」の曲そのものが終わってから、それこそデュアン・オールマンのギターが鳴りまくった後に始まる鍵盤と流れるようなギターソロも安らいで良いよなぁ。あの鍵盤のフレーズは凄く好きだ。

 あとね、ジャケットが実は結構気に入ってる。中の写真はいかにも時代的って感じなんだけどさ、ジャケ良いよねぇ。あんまり中味についての印象は良くないんだけど、なぜかやっぱり嫌いにはなれないアルバムかな。クラプトンもこの頃良いギター弾いてるしさ。あぁ、すっかり忘れてたけど、この曲って横恋慕の歌詞だったんだよな…。うん、かっこいいかもしれない。

Eric Clapton - Rainbow Concert

Eric Clapton's Rainbow Concert  各イベント事にはことごとく参加していることの多いエリック・クラプトン今となっては不動の人気を誇るエレガントなおじさんミュージシャンなんだけど来歴を知っているロックファンからすると、どうなのかなぁ…、ま、別にファンを裏切ることしてるワケじゃないけどその人気度合いには少々困惑気味な部分はあるだろうね。でもそれでやることが変わるワケじゃないから良いか。

 さてさて、そんなエリック・クラプトンではあるが、クリームを解散してデレク&ドミノスの傑作を飛ばした後はかなり悲惨な状態に陥り、全く音楽活動をしていないに等しい時期があった。それでもこないだ書いた「The Concert for Bangladesh」ではジョージのためにライブに参加はしたものの、それ以来全く音沙汰無しという状態。部屋に籠もり10代の少女を家に囲ってヘロイン浸りというなんとまぁ堕落的な生活。カネの心配しなくて良い堕落モノは羨ましいものだ…。ん?ちと違うか(笑)。

そんな生活を見かねたピート・タウンジェンドが何とかしないといかん、ってことでエリック・クラプトン再起のためのコンサートと題して1973年1月13日14日と二日間に渡りロンドンのレインボウシアターでショウを開催することに決めて、何とかこの一流ミュージシャンをもう一度世間に出そうとしたものだ。その様子を記録したのがLP時代にはあまり評判のよくなかった「Eric Clapton's Rainbow Concert」というアルバム。うん、確かにジメっとしていて覇気もなく、音も籠もった感じであまり聴きたいようなアルバムじゃなかったという印象だったけど、どうやらCDになって、リマスタリングされて曲順もセット通りに近い形で収録されて8曲も多く入れられたものが1995年にリリースされると評価が変わったようだ。

 エリック・クラプトンのギタープレイはまぁ、確かに凄く良いというものでもないけど、バックを支えるピート・タウンジェンドの頑張り具合が分かるプレイとかこういう時には常に明るい性格のロン・ウッドのプレイが光るとか、はたまたスティーヴ・ウィンウッドの天才的な歌声とピアノに救われるとか聴き所は多い。この二日間で行われたショウからの抜粋版ってことでそれなりに優れたライブが入っているんだから悪くないよね。エリック・クラプトンのギターを聴くためというならばちと違うけど、こういうのって背景が重要だし、それぞれの意気込みもそういう時に変わるものだし、ピート・タウンジェンドがこんなに人のために入れ込むなんてことはそうそうないので、珍しい。

 ま、それでもエリック・クラプトンは結局一年くらいはハマっていて…、あ、これはもうパティへの横恋慕も含めてってことになるけど結局翌年1974年に活動再開、その時もピート・タウンジェンドが友情出演するライブが何回かあったらしい。う〜ん、ピート・タウンジェンドって結構ヒマだったんかな?

Eric Clapton - E.C. Was Here

Ec Was Here  なんでまたそんな事を?ってな話だが、キース・リチャーズに続いてふと思い付いたのがエリック・クラプトンでさ。古くは「Rock'n Roll Circus」での共演くらいになるのか、英国でブルース好きのギタリストって狭い世界での仲間だったワケではあるが、なかなか共演ってのはなかったこの人達、まぁ、機会あればってウチに両者とも大物になりすぎたかな(笑)。それはともかくとして、エリック・クラプトンって人は音楽的な転機が何度もあって、その都度ブルースって言葉も出てくるんだけど、その拾、本格的なブルースってのはあまり聴けないのもまた不思議なものだ。ヤードバーズはビートロックだし、クリームはブルースっつうよりも即興性のアドリブジャズバンドで、ブラインド・フェイスはやや実験的な試みと友情からのセッション、デレク&ザ・ドミノスは南部のレイドバックサウンド、そこからソロ作も同じ傾向で、その内に乾いたサウンドのブルースロックポップみたいなのになってってAORへの接近。後はまぁ、そんな感じだ。ってな大きな流れの中で、自分に一区切りもふた区切りも付けました的なアルバムが1975年にリリースされたライブアルバム「Ec Was Here」で、過去形になっているトコロでもうこういうブルースはやってました、って表明しちゃったんだよな。この「Ec Was Here」を名盤と思う人達はもうこういう音を聴けないってことでして、実際その通りだったというか…。

 クラプトンの名を聴いてアルバム何枚も聴いて全部スカしててクラプトンへの興味を失ってしまってから聴いたこの「Ec Was Here」はかなり見直すきっかけになったアルバムでした。冒頭の無茶苦茶カッコ良いギターからして「おぉ〜!」ってなるんだけどさ、冷静に聴いてみると、これ、誰のギターだ?って(笑)。クラプトンじゃないだろ?ってのが簡単にわかってしまってさ、クレジット見ればジョージ・テリーって人で、その筋では有名なギター弾き。SRVとかああいう類のギターで入ってくるからさ、明らかにクラプトンじゃないんだよ。まぁ、それくらいクラプトンの音ってのはある意味特徴的だったんだろうけど、そのジョージ・テリーのギターがかっこ良くてさ、すっかりクラプトンのライブアルバム名盤、ってことを忘れてジョージ・テリーのギターを聴いているのだった…。

 あれ?何書いてるんだっけ?あぁ、クラプトンがこの「Ec Was Here」でまた自分に区切りを付けた名盤ってことですって事だ。ネットで探してもなかなかどっちのギターがクラプトンで〜とかって疑問すら少なくて、皆あのギターがクラプトンって思ってるのかな?あんなんクラプトン弾かないだろ、ってわかってあげなよ。もっともクラプトンもヒネてるからアルバム冒頭からああいう混同させるようなギターを持ってきているってのもアリだろうけどね。アルバムはもうブルース好きにはたっぷりと楽しめる内容です♪

Eric Clapton - Eric Clapton

Eric Clapton: Deluxe Edition  クリームの他の二人と比べて音楽的幅の広さと言うのかミュージシャン的才能が異なる方向にあったエリック・クラプトン。改めてそれぞれのクリーム以降のソロ作品を聴いているとそんなことを思ってしまう。ブルースに固執するあまりのスタイル、これもまたギタリストだからそうなってもおかしくないし、それだけ深い音なワケで、それを追求していったからこそ今のクラプトンでもあるので良い悪いではないし、もちろん評価されているんだから多分クラプトンの方が支持されているってことだ。ただ、少なくともクリームの後の南部路線からこのファーストソロアルバムあたりってのはかなり熱意とはかけ離れた路線ではなかったんだろうかね?

 1970年にリリースされたエリック・クラプトンソロ名義での初アルバム「Eric Clapton」。今じゃ様々な形でCDがリリースされていてボーナストラックやらリマスターやら…、よくわかりません(笑)。そこまでするほどのアルバムなのだろうか?まぁ、売れりゃいいんだっつう路線もエリック・クラプトンの作品らしい…、決してクラプトンが悪いワケではないです。いやね、随分昔にこのアルバム…もちろんレコードで聴いたんだけどさ、そりゃエリック・クラプトンなんだから聴かなきゃってことでいくつもアルバム聞いたんですよ。でも、クリーム以降ではほとんど響くものがなくて、自分ブルースも好きだしロックも好きだけどそれでエリック・クラプトンが響かないって問題じゃね?と思ったりしたんだけどね。いや、曲としての「Layla & Other Assorted Love Songs」はすごく響いたけどアルバム全体は「??」だったし、以降のソロアルバム群も正にそのままハマれなかったし…。ライブも何回も見てるのにね。

 まぁ、そんな相性がよろしくないってのもあるんだけど、改めてですね、この「Eric Clapton」を聴いてみたんです。ところがですね、やっぱりこのレイドバック南部路線っつうのは覇気がなくて聴いていても全然集中できないんです。しかもジンジャー・ベイカーとかジャック・ブルースの白熱したソロアルバム、しかも同じ年にリリースされたのを聴いてからだったから余計に正反対に位置するアルバムとして冷めちゃって。だからクリームってもうやっていけない、ってエリック・クラプトンが感じたんだろうってのはよくわかる。そこがプレイヤー気質の強い二人とクラプトンとの違いだったんだろう。そんな余計なことばかりが脳裏をよぎってしまった「Eric Clapton」。多分アメリカ系統の好きな人はまるで逆の感じを抱くんだろうと思うけど、自分的にはちょいとねぇ~っていう感じは変わらずでした(笑)。

Eric Clapton - Slowhand

スローハンド  ギターに興味を持って自分で手に入れてから、さて、何からどうやって始めるものなのか?と考える。本来は最初ってのはチューニングからとかフォークから入るとかなんだろうけど(今時そんなこともないだろうが)、チューニングはともかく、最初に弾きたい曲を弾くってトコから始まるもんだ。しかし音は取れないし、かと言って譜面なんて読めないし、タブ譜ってこれまた結構高くてそんなに買えないし、それ買うならレコード買うし、ってな具合に雪だるま式に必要になりそうなものが増えていくのだった。ギター雑誌を買ってきて、そこにあるわずかな参考事例的タブ譜から曲全体を想像して弾き始めるとかもあったけど、なかなか音がね、わかんないんです。何せコード知らないからさ。かと言ってコード覚えるってのもロックの場合ちょっと違ってて、リフとか単音のソロとかなのでフォーク的なコードを知ってても大して意味が無い…っつうかそこまで細かい音を必要とするロックではなかったってことだが。そんなこんなで苦労したっつうか、色々やって楽しかったな。そんな時に大体ギターの神様って出てくるのがもちろんのエリック・クラプトン。当時から全然興味なかったし好んで聴かなかったけど、やっぱ神様だからなぁ…と何枚か聴いてた。その中のひとつが今回の「スローハンド」。

 今じゃ時代背景とか色々とわかってて何のためにどういう背景で書かれて録音されて…とかあるけど、最初はそんなの知らないしさ、普通にギターの神様のギターがよく聴けるアルバムってことで聴いたんだよな。それで最初の「Cocaine」からして…「お?」って感じではあった。でもさ、「コカイン」ってこんなに声を大にして歌っていいもんなのか?とか衝撃的だったし、時代は一気に飛ぶが、その後クラプトンのライブに行った時に会場全員で「コカイン!」とサビを歌い上げている時には大笑いしてしまった。だってさ、「コカイン」だよ?ヤクの曲をみんなで大合唱って面白いなぁ~と。ま、それはともかく曲だね…、「Sunshine of Your Love」ど同じ系統のリフで、何かアイディア不足なのかなっつうのもあったけど、まぁ、もっとカラッとした感じで良いんだな、なんて思いかっこ良いかもな、と聴いてた。ギターで弾いてみたら割とすんなり弾けたし、そういう意味であまり興味を持たなかったかな。次の「Wonderful Tonight」はね、結構ギターで弾いた。何となくブルース的に思えたし、途中に入ってくるオブリのギターも勉強になったから、ってのとこういうバラード的なのでクラプトンのブルースグセって本領を発揮しているからか、さすが!って部分多く感じるからだね。今回また聴いててもやっぱそう思うもん。

 さて、問題はこれ以降だ。ギター小僧的にはまるで聴かなかった。全然面白くなかったから。今聴いてもやっぱり自分はこういうのあまり聴かないな~と。スワンプっつうかレイドバックっつうかこういう音世界の情景ってのはわかるんだけど何か、ね。そういう意味で今回一緒に来日公演を行ったスティーブ・ウィンウッドとの交流ってのはわかるよな。評論家的に書けばさ、見事にアメリカのスワンプな雰囲気を英国人のクラプトンがアルバムで発揮した傑作、となるのだろうけど、なんとも味気のないアルバムだな~って感じ。これがギターの神様の名盤と言われる作品なのかな、なんて若い頃に思ったものだ。今聴いてもやっぱりそう思うんだから三つ子の魂百まで、とは言ったものだ。ただ、アルバムとして聞くとやっぱり良い作品だな、とは思う。張り切り過ぎてないし、ゆったりと落ち着いて聴ける作品だしね。

Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard

461 Ocean Boulevard  ベックが世紀の一枚を発表する頃、三大ギタリストの筆頭でもあったクラプトンはと言えば、「461 Ocean Boulevard」をリリースしていた頃=すなわちレイドバック時代だったワケで、そのあまりにも差が開きすぎてしまったこの二人の音楽性というか人生と言うか表現方法と言うのか…、ジャケットからしてどこか寂れたシーサイドホテルの様相だったりして決して明るく心地良いサウンドには思えないしロックなサウンドにも思えないという佇まいだ(笑)。いや、中味はそうでもないんだけどね。…っつうかこの頃のクラプトンって私生活では散々でドラッグまみれになっていたトコロからの復帰作だったんだな。その割に出来上がっている音はかなりまとも、いや、だからまともなのか。個人的な好みではないけれど、今聴いてみるとかなりロックしてるんだ、と思った。

 「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - Motherless Children Motherless Children」から結構勢いあるし…ただ、やっぱりレイドバックした雰囲気が漂っているので脳天気にはならないっつうのが良いのかな。曲調的にはそれほど突出したものってあんまり入ってないアルバムだけど、結構聴いたのかなぁ、高校生くらいの頃にね。「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - Let It Grow Let It Grow」とかあんまり好みじゃないけど、やっぱりこのアルバムは「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - I Shot the Sheriff I Shot The Sheriff」が一番マッチしているのかな。ご存じボブ・マーリーの曲のカバーね。緊張感というのか気負いは凄く感じる作品だってのは大きいのかもしれない。それはアルバム全体に云えることでもあるなぁ。でもなんであまり好みじゃないんだろ?ま、理由なんてないか(笑)。

 一応書いておくとクラプトンソロ史の70年代のアルバムの中では結構な名盤に入るハズで、こういうのもクラプトンなんだよっていうのは知っておくべきことかな、と。

Eric Clapton - Behind The Sun

Behind the Sun 70年代を生き抜いてきたロックミュージシャンのとってみると80年代というのは何と生きにくい時代だったのだろうかと思う。当時の本人達は実際にそんなことを思っていたのかどうかわからないけど、今となって振り返ってみると誰もが自己を主張しつつ結局はあまり大した物が見つからなかった、というか70年代の自分達が一番輝いていたということに改めて気付いたというレベルではないだろうか。それでももちろん時代の波に乗って音楽性を変えながら生き抜いてきた人もいる。デヴィッド・ボウイやストーンズなんてのはその代表でもあるだろう。そしてもう一人、この人も激しい自己変革と共に生き抜いた、とも云える。

Behind the Sun」、1985年リリース作品で、80年代になってからは「アナザー・チケット」「Money and Cigarettes」という相変わらず渋い音のアルバムをリリースしていたもののもちろんあまりパッとせず、英国は思い切り80年代ポップスの風が吹き荒れていった時代、丁度クラプトンがアルバムをリリースしなかった頃なのだが、そういう音楽シーンを尻目に色々と考えたのか、試行錯誤したのかわからんが、とにかく今までとは全く違う角度で制作したアルバムになったのが「Behind the Sun」だ。

 プロデューサーのみならず楽曲アレンジなどにも多大に貢献していたのがフィル・コリンズという話は有名。クラプトンって自分で曲とかはつくるけどアレンジなどは全部人任せらしいのは多分この辺のアルバムから始まったんだろうな。フィル・コリンズによるAOR的なアレンジは正に彼が自分でジェネシスをポップバンドに仕立て上げてソロアルバムも成功に結びつけた手法をなぞったもので、クラプトンもこれに乗ったというところか。その甲斐あってとっても聴きやすくなっているのは事実で、クラプトンのギタープレイはまるで単なるスタジオミュージシャンと同じレベルで聴けるようになっていて、歌は渋い声で歯切れ良く聴かせてくれるというもので、ロックというよりもミディアムテンポのオシャレな楽曲が並び、80年代半ばらしいゴージャスなアレンジがアルバム全編を包み込んでいる。なんつうおしゃれさだ…。

 一曲ごとにそりゃ云いたいこともあるんだけど、そうだなぁ、どれもこれもあまり得意ではない曲かな。ただ、さすがだな、って思うのは例えば「Forever Man」なんかで聴けるんだけど、一瞬だけギターソロが弾かれる小節なんてのがある時は凄くクラプトンのシャープなギターが出ているというのもある。「Same Old Blues」なんかだとちょっと頂けない感じなんだけどさ。他はまぁ、どれもこれもあれそれも…ってなトコで…。かと云って「Forever Man」という曲が良いかと云うと、決してそんなワケではないのだが。

 ファンの間でもあまり評判がよろしくないようだけど、そういったことはあまり気にしてなくって、やっぱり自分的に好みでないなぁ、と。まぁ、これで売れるアルバム作りってのがわかってきたクラプトンは次作「August」で更に洗練されてベルサーチを着こなしてダンディーになっていくのだ…。

Eric Clapton & B.B.King - Riding with the King

Riding with the King  自分の曲を昔から憧れていたミュージシャンが取り上げて弾いてくれるというのは果たしてどんな想いだろう?プレイする側はどんどん持ってこい、ってなもんだろうけど、それにはそれなりのモノじゃなきゃ取り上げないだろうし、やはり光るモノがないけりゃ相手にしないだろう。しかしブルース界のキングと神と呼ばれる男達の競演アルバムでその夢が実現してしまった若者がいる。それがドイル・ブラムホール二世だったりする。云わずと知れたクラプトンとBBキングの共演アルバムとなった記念碑的作品にプレイヤーとしてだけではなく曲の提供者になっているのだ。

 もともとはBBキングの古い楽曲に再度スポットを当てていこうという趣旨の元だったが、クラプトンの大好きな「Key To The Highway」などいくつかわがままな曲を入れ込んでいったものだが、普通それだけで満杯になろうというものだがどういうワケなのか、先のドイル・ブラムホール二世のオリジナル曲が二曲ばかり取り上げられている。しかもBBキングとクラプトンの味がたっぷりついているのでそれはそれは極上の作品になっているのだが、そもそもそれにマッチした楽曲じゃなきゃ取り上げないだろう。そして意識して聴いてみると、確かにアルバムの流れにはピッタリ当てはまっているし他の楽曲と並べられても何ら違和感がない。「Marry You」と「I Wanna Be」なのだが、後者などは見事に古き良きR&B的コーラスを据えたものでまさかこれが新曲とは思えないような曲なんだな。素晴らしい。しかし面白いのはこの二曲、ドイル・ブラムホール二世の1999年の作品「Jerrycream」に収録されている曲で、ここでは至上の二人にカバーされたという見方でもいいのかな。まぁ、いずれにしても凄いことだし、若きドイル・ブラムホール二世にしてみればさぞや嬉しいことに違いない。

 そしてこのアルバム、深く語る必要もないくらいに素晴らしいブルース作品で、クラプトンの個性とBBキングの一発必殺の個性がぶつかりあったもので、ステレオで左右に分けられた一貫した録音も面白いものだ。もちろんフレーズも別物だし声も違うけど、一番はギターの音色一発。昔ならBBキングが一発弾いたらみな消し飛んでしまうくらいのパワーだったんだけどさすがにこの頃のクラプトンはそんなことでは消し飛ばないくらいのプレイを持っているのでスリリングに楽しめるものだ。ジャケットからして楽しそうだしさ、真っ先に飛びついて買ったもん。やっぱこういうスリリングな瞬間がブルースの面白いところですな。多分何度も録音したとは思えないしさ。その分ライブ感も良いしね。ちなみにバックはクラプトンバンドのお馴染みの面子で揃えられているし、そこにドイル・ブラムホール二世も参加している…、っつうかその前後にはもうクラプトンと仕事してるしね。

Eric Clapton - 24Nights

24ナイツ   エリック・クラプトンと言う人も自分にとってはそういう一連な流れな人と同じで、バンド辞めてソロでやり始めた人、なので大人の音で面白くないアルバムを出す人になっちゃってたんだな。まぁ、大いなる誤解があるんだが、事実面白いアルバムは多くはなかった、ように思う。ヤク漬けアルバムばかりで、抜けたかと思ったらフィル・コリンズと組んでポップス行きからバブリーへ突入、どうにもウリ方が違った方向に進んでって「Unplugged」で息を抜いてみたらそれが一番当たったという更に皮肉なミュージシャン。そのへんからはほとんど聴いてないなぁ…。でもね、その前くらいのは割と原点回帰?って感じにブルースに戻ってったからちょっと面白くて割りと聴いてた。実際聴いてたのは丸ごとライブのアングラモノだったけど、オフィシャルではコイツです。

 「24Nights 」。ご存知1990年と91年のロイヤル・アルバート・ホールの立て続け公演の記録からいくつかを抜粋してまとめたライブアルバム。攻勢はいつもの面々とブルースメンとのセッション、そしてゴージャスな編成と自身の幅の広さを魅せつけるかのようなライブセットを繰り広げていた頃で、実際それだけのエンターティンメントだったようだから大成功に終わったみたいだが、なかなか出来ないよなぁ、そんなこと、と。その意味ではやはり凄い。アーティストとして売るものは売って稼ぎ、その分経費を使ってやりたいことをどんどんやってゴージャスに仕立てあげていく、しかもそのやりたいことはきちんと自分のやってみたいことが大半だから気合も入る。そしてそれはまたポップの世界として成功するモノになり…と良い方向に転がって行き続けた結果だが、こういう人は稀だろう。代償も大きかったようだが、それでも得たものも大きいようで、しかもそれでいてストーンズとは古くから今でも交流を持ってロックの世界と繋がってる、もちろんギターは味があるレベルをキープ。こうして考えるとそうだな〜、エリック・クラプトンって凄いね。

 話戻って「24Nights 」は熱気に溢れててまだギターが色気を放ってるのが良い感じ。当時もこんだけ原点に近づいてギター弾いてくれていいねぇ、と思ったが20年経ってまた聴いてみてもやっぱりエネルギッシュなショウだと思う。音はややショボイけど、ライブアルバムの中では面白いんじゃないかなぁ。今の時代なら超拡大版とか出せそうだけど出さないんだろうか?別に出しても買わないけど、もうちょっとフルパッケージで聴いてみたい、見てみたいってのはある。

Eric Clapton - With George

Live in Japan  ロジャー・ウォーターズがピンク・フロイド離脱後の1984年に初めてリリースしたソロアルバム「ヒッチハイクの賛否両論」ではなんとエリック・クラプトンがギタリストとして参加している。後の「死滅遊戯」ではジェフ・ベックがエグいギター弾いていたのもさすがロジャーって感じなんだけど。で、この頃のクラプトンはあまりパッとしない時期だったこともあってか、なんとロジャーのこのツアーにも帯同して話題作りに事欠かなかったのだが、もう一つの思惑、即ち全く同じ時期にギルモア率いる新生ピンク・フロイドもツアーを行っており、真正面からぶつかっていったワケだ。しかし、ロジャーの方は見事に名前負けしたせいか、あまり大成功とはいえない結果に終わったので、このクラプトン参加によるツアーの中身は表沙汰になることがなく、今でもあまり語られないのだが、先日スマトラ沖地震のチャリティイベントにおいて実に久々にこの二人が同じステージで演奏をするという機会に恵まれたので見た人も多いのかな。

 で、クラプトンだが、多数のソロアルバムをリリースしているし今でも精力的に活動しているもはやバリバリのベテランアーティストで一般大衆にも知られた人になっているので細かいことは抜きで大丈夫なんだけど、ソロアルバムで凄い名作って何かあったかなぁって考えてみるとあまり思い当たらなくて、好きなのはやっぱりクリームくらいになってしまうのだった。あ、あとは黒人ブルースマンとのセッションとか、ジョージ・ハリスンとの来日公演を収録したライブアルバムでの演奏とかだったりする。ジョージ・ハリスンとの日本公演は自分でも見に行ったんだけど、たまたま一番良い演奏だった日みたいで、クラプトンが何かの曲を演奏した後に感極まってベーシストのネーザン・イーストと抱き合ってたシーンを見ていた。いいライブだったな。…と思ってて何年かしたらリリースされたのがこのジョージの「ライブ・イン・ジャパン」なのだった。

 なんか取り留めのない文章になってしまったんだけどクラプトンってやっぱりセッション活動のリラックスした単にギタリストとしての参加の方がかっこいいんだよなぁ。映像だとBBキング達との「スーパーセッション」とかベックとの「シークレットポリスマンズコンサート」とかさ、CDだとフレディ・キングとのセッションを収めた「Freddie King 1934-1976」とかスリリングな緊張感が良かったり、ストーンズのライブに飛び入りした時のジャムとかも凄く良いしね。「いとしのレイラ」ってのも結局セッションに近いものを収めたアルバムだし、何かそんなイメージだなぁ。

Eric Clapton - Clapton

クラプトン  四季で一番好きな秋がようやく訪れた気がする。秋って短いんだよねぇ…と風情たっぷりなことを書いてみるロック好きでしたが、そんな季節を狙ったかのようにリラックスしたアルバムをリリースしてくれたエリック・クラプトン。普段はほとんど全くと言って良いくらいにクラプトンは聴かない自分なのだが、秋の気配とここのところのリリースラッシュに便乗してどうせだから久々に聴いてみようかな、などと思った次第だった。

 タイトルもずばり「クラプトン」とは…、節目なのか自信なのか、今だからできるタイトルなのか、多分全部だろうな。ここのところのエリック・クラプトンと言えば人生の総決算に入っているようで、クリームやったりBlind Faithみたいなのやったりベックと一緒にやったりあとはヤードバーズの再結成くらいか?ま、冗談としてもそんな感じで自分の歴史を振り返っている傾向で、聞けば今回も5年ぶりのオリジナルアルバムだとか。どうにもブルースっつうかブルースじゃないし、ロックでもないし、歌手っつうのかな、ちょっと神々しい世界に行ってしまった感じだったしさ。やっぱ長生きしてロックをやり続けるのって難しいんだよ、見ている側からすると。

 そんな戯言はともかく、この「クラプトン」というアルバムだ。年相応にまたブルースかな、なんて思ってたら驚くことにジャジーな音やブルース、ラグタイム的なソフトに優しい歌モノアルバムでした。全く秋の夜にはぴったりな雰囲気が素晴らしい。何度も何度もじっくりと聴くという作品にはならないが(自分には)、無茶苦茶心地良いしリラックス出来るず~とどこかのBGMで生き永えていく名盤かもしれない。ロックじゃないことは間違いないんだが、まぁ、ジャズとブルースの合いの子ってトコで、その手の作品ってありそうでなかなか聴けない音なのでさすがクラプトン、と言ってしまうところだ。もちろん自身の得意のギタープレイも要所要所で味のある音色を聴かせてくれるのも素晴らしい。

 クラプトンの行き着く先のひとつはここだったのかな、なんて思ってしまった作品です。肩肘張ったところが全くなくってとにかく一人でじっくりと酒を傾けて暗いバーで飲んでるっていうのに相応しいアルバム。多様なゲスト陣も参加しているみたいだけど、そんなのよりもクラプトンのこの音…、脱帽です。だからクラプトンはあまり聴きたくないんだ、きっと…。この秋オススメのリラックスする名盤♪ ロック好きにはウケないだろうけど、大人にはコレは響くでしょう。そう、大人の音です。ヘッドフォンやiPodで聴くものじゃなくて、レコードでJBLで鳴らしたい音だね。

Eric Clapton - Slowhand at 70 Live at the Royal Albert Hall

スローハンド・アット・70 - エリック・クラプトン・ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール【初回生産限定盤DVD+2CD/BONUS DVD】  自分的には超保守派の筆頭格でもあるEric Claptonなのであまりここのトコロは聴いてないんだけど、こないだJoe Bonamassaんトコで出てきたんで、そっか…ってのもあって2015年の70歳記念のロイヤル・アルバート・ホールでのライブ映像「Slowhand at 70 Live at the Royal Albert Hall」なんてのを見てみた。70歳って…レミーと同じくらいなんだなぁ…とシミジミ。それはさておき、もちろん超安定的なお客様ご満悦なクラプトンショウそのもので、ギターのプレイももちろん堂に入ったものだからホント、観客としては予想通りに楽しめる。曲調や色々と進化変化させてるし女性コーラス陣を加えてのゴージャススタイルだから印象も異なるんで飽きないよね。ギターも同じフレーズ弾くワケじゃないから毎回アプローチの違いは楽しめるし、あれ?結構型に嵌まったなんて思ってたけど全然ハマってないじゃないかってことに気づいた(笑)。なんでそう思ってたんだろ?まぁ、基本的にポップシンガーみたいになっちゃってるからだろうな。

 んとねぇ、白熱したギターが聴けないからだと思う。70歳のライブで白熱したギターを期待するな、って話だけどB.B.Kingとかだってさセッション時とかは普通に弾いてあの迫力と白熱ぶりなワケで、そういう境地でいてほしかったんだよな。でも、もちろん時代もスタイルも違うからこういうのも有りで、そりゃ凄い事だし、やっぱり好みの問題かな。そんな事を思いながら見ていたけど、やっぱりギターは良いよ。昔に比べたら随分アレレ?になっちゃった感はあったけど…。

Eric Clapton & Steve Winwood - Live From Madison Square Garden

Live From Madison Square Garden  クラプトンが激しさと戦いのバンドでもあったクリーム解体後に選んだのは天才少年スティーブ・ウィンウッドとの融合となったブラインド・フェイスだったワケだが、アルバム一枚と何度かのライブで終わってしまったことを見ると、何となくその場での流れだったのかなと。きちんとそこまで何をしていくってのを見出せないウチにとりあえず始めたのがブラインド・フェイスで、そこはクラプトンってよりもスティーブ・ウィンウッドの力量だったんじゃないかな。そんな時代から40年経ってクラプトンが人生の総決算を行っている中にスティーブ・ウィンウッドとの共演を実現させたのが本作。

 2009年の再度の迎合をニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行って、その模様をアルバムとDVDやBlu-rayでリリースしたタイトル「Live From Madison Square Garden」。正にブラインド・フェイスの再演と見て良いワケで、市場では大好評のうちに迎え入れられ、今度かな?日本にもこの二人で来るんだっけ?ブラインド・フェイスなんて一瞬の歴史でしかなかったからこんな風にライブで見れるってのも考えられなかったけど、分からないもんだ。このニュースを聞いた時には果たしてブラインド・フェイス以外のレパートリーってどうなるんだろ?ってちょっと面白そうって思った。知名度や人気で言ったらどうしたってクラプトン主導だけどさ、テクニック面や実力や音楽的な幅で言ったらスティーブ・ウィンウッドも相当なものだし、なかなか難しいんじゃね?とかさ、思うワケよ。

 そんな面白さの結果としての「Live From Madison Square Garden」ではもちろんブラインド・フェイスの再演中心ながらもオーソドックスなブルースナンバーを中心に持ってきて、どちらかと言えばクラプトンのスタイルを軸にしたセットになっていた。もっともスティーブ・ウィンウッドのソウルフルな歌声とクラプトン顔負けのストラトのギタープレイはブルースにはピタリと当てはまるものなので、この選択は双方にとって大いに実力を発揮するナンバーで、また駆け引きしながらという楽しみもあったんだろうと勝手に推測。音を聴いてみてもギタープレイなんて結構スタイル似てるからさ、掛け合いも面白いんだよな。スリリングじゃないけど、良い感じで友人同士のプレイが聴けるって言うのかね。クラプトンもさすがに何年も歌ってきているから歌の方もスティーブ・ウィンウッドほどじゃないけど味が出ていてヒケを取っていない。何となく似た者二人の共演になってるみたいで微笑ましい。クリームの再編の時もそうだけど、もうリラックスして微笑ましく演奏するという感じになっているクラプトン、見て聴いている側もそんな風に聴いている。スティーブ・ウィンウッドも紆余曲折あっただろうけど、さすがにベテランプロプレイヤーでピアノ聴いてもギター聴いても歌聞いてもさすがの味。ノスタルジックにはすごく良い作品になってます。

Eric Clapton - Fiends & Angels (Martha Velez )

Fiends and Angels   そういえば…、随分昔にその存在を知りながらもレコード探しをしていた頃にはほとんど見かけることなく、一回見かけた時にはアメリカ盤ジャケットだったがために、別のアルバムと勘違いして買わなかった…、それでも4000円くらいしかのかな。あとでアメリカ盤とイギリス盤で全然ジャケットが違うことが判明して割と悔しい思いをしながら、結局イギリス盤を見かけなかったような気がする。そんですっかり忘れ去っていたんだが、昨年かな、CDがリリースされるというのでちょっと話題になってたマーサ・ベレツ。手に入れて聴いて感動してたんだけどその内に書こう、ってすっかり失念してましたねぇ。この機会に書いておきましょう。

 1969年リリースの「悪魔と天使」という意味での「Fiends and Angels」というタイトル。「友達と天使」ではないですが、割と間違えやすい(笑)。こうして見るとアメリカ盤の方がジャケットにインパクトがあるのは事実でして、うん、英国人なんですけどね、彼女。ただ中身の声を聴いてしまうと、アメリカ盤のジャケットのインパクトの方が正解だろう、っていう感じはするが(笑)。

 もうねぇ〜、思い切り好みの音でして、そりゃまぁ、マイク・ヴァーノンのプロデュースによるものなので思い切りブルースに決まってるんだよ。しかも彼女はジャニスが脱退した後のThe Holding Companyにボーカルで加入のウワサもあったくらいの迫力絶叫系ボーカルのお転婆お姉ちゃんなワケで、聴いていて吹っ切れてて心地良い。マギー・ベルほどの凄みはないんだけど、それでもかなり面白い域に達していて正に60年代後期の英国ハードロックってなモンだ。あ、バックがね。

 そのバックなんだけど、これもマイク・ヴァーノンの力によるものだが、なんと思い切り全盛期のクリームの面々からクラプトンとジャック・ブルースを呼び込み、この二人にはジム・キャパルディのドラムと絡ませて思い切り激しく派手なブルースロックを何曲も展開してくれる。正直言ってマーサ・ベレズの歌声など全く耳に入らないくらいに二人の演奏に耳が行ってしまうんだな。やっぱりこの頃は凄いわ。それとマイク・ヴァーノン絡みなのでフリーのポール・コソフも参加しているのだが、これもまたジム・キャパルディやクリスティン・マクヴィのピアノなんてのと絡めて元々スワンプ系への参加が多いポール・コソフのこれまた全盛期のアグレッシヴであのタメが聴いたギターが聴けるという代物。それと何曲かではスタン・ウェブのブルースギターも聴けるので、当時のブルースギタリストとしてロック界に名を馳せようとしていたメンツが揃っている。なんともまぁ、豪華なアルバムになったことだろう。

 あまりにもゲスト陣が豪華なので肝心のマーサ・ベレズについて語られることは少ないんだけど、ミックスの問題も大きいよなぁ、多分。自分的にはかなり好きなタイプのボーカルで、もっとこういう弾けた音を歌って欲しいものだし、どんどん作品をリリースして欲しかったなぁ。何枚か他にもリリースされてるけど、そこまで追いかけていない…ってことはそれほど入れ込んでないってことか(笑)。

 いやいや少なくともこのアルバム「Fiends and Angels」については歌もかなり楽しめる作品です。まぁ、ゲスト陣が凄すぎるけど…。