Free - Tons of Sobs

トンズ・オブ・ソブス+8(紙ジャケット仕様)  年を跨いでスカパーで放送されていたのは10月末に奇跡の来日公演を行ったクィーン+ポール・ロジャースの日本公演完全版でした。民放で格闘技番組をハシゴした後に(…ってその合間にジョン・レノンの「ライブ・イン・ニューヨークシティ」ってのもチラチラと見ながら)、冒頭のエミネムのBGMから字幕が流されて、まるで映画のような始まり方で放送されて、来日公演を見に行った者としてはもう見事に感動しましたね。綺麗な映像で見えてしまうとさすがに年なだけあって見かけがかっこいい〜ってのはないんですけど、まあ、それはそれとして、はい。やっぱりポール・ロジャースは最高に歌が巧い。クィーンがバックバンドと楽曲提供してる、っていう風にしか見れなかったのは来日公演の時もこの放送時も同じだったけどね。まあいいじゃないですか、色々な解釈で皆さん楽しめればね。

 …ってなことで新年一発目のブログネタはそのポール・ロジャースが世に出てきた最初のバンド、「フリー」でどう?アレクシス・コーナー塾に通っていた頃はまだ16〜17歳くらいで、天才ベーシストのアンディ・フレイザーに至っては確か15歳くらいだったような気がするけど、とにかくまだ子供の頃からそんなトコロに入り浸っていた真のプロフェッショナル。ポールがプロとして歌い始めたのは14歳っていうから凄い。そんなのが集まってバンドを結成したのが18〜19歳くらいの頃なんだけど当然キャリアは積んでるわけだからマネジメントもレコード会社も速攻で決定してデビューっていう感じ。結局この若さがこのバンドを短命なものにしてしまった感もあるんだけど、活動時期が見事に68年から73年というロック過度期だったと云うのもあってブリティッシュブルースロックの象徴的面も担っている。また、全盛期の1971年に来日公演をしたことで日本のロックファンからも伝説的バンド且つ根強い人気を誇っている…、故に今回のクィーンとの合体は日本人好みの合体なワケでもあるんだね。

 で、アルバムは…、名盤がいっぱいあるんだけど、そうですね、今回はファーストアルバム「Tons Of Sobs」です。19歳前後の若者達が紡ぎ出すロックのフレーズとしてはさすがに渋すぎるという感じで(まあ、16歳のトリオバンドでクリアー・ブルー・スカイっつうのも1971年にしぶ〜いアルバム出してたりするので時代なのかなって思うけど)、今聴くとなかなか取っ付きにくいのもあるかもしれない。でもね、冒頭一曲目の不思議なアコギの旋律からフェイドインしてくる強烈なギターフレーズはもう一瞬で引き込まれちゃうくらいにかっちょいいワケさ。ポール・ロジャースの歌はレベルメーター振り切ってるし、コゾフのギタープレイも全てが生き生きと色気たっぷりに鳴っているし、リズム隊は独特の後ノリでさ、フリーのアルバムってどれだけボリューム上げてもうるさいっていう聞こえ方しないんだよね。普通なら音上げるとうるさいって感じになるじゃない?フリーはね、スカスカだからならないの。面白いんだな、これが。そんなのが全編に渡って収録されていてさ、「Hunter」なんてツェッペリンのと聞き比べるのも面白いよ、どっちも独自の解釈なので良い悪いじゃないけどね。あとさぁ「Moonshine」なんて美しい楽曲もあったりしてね…、とにかくやっぱりファーストアルバムには全てが詰まってて良い。うん。今なら更にボーナストラックが多数収録されたリマスター盤が簡単に手に入るから更にお得よ。未発表曲やBBCでのライブ音源なんかがいっぱい付いてて、正に驚喜しながら聴いてました。あ〜、「Worry」のソロとか良いんだよなぁ。

 やっぱりアメリカの土着ブルースから生まれ出てきたイギリスのブルースは色々な面で本場ブルースとは異なっているってのがここのところの流れで聴いているとよくわかるし、そんなブリティッシュブルースから派生したロックってやっぱり面白いなぁ。それでいて今でも世界を騒がせてしまうポール・ロジャースの実力ってやっぱりファンとしてはあれだけメジャーシーンに舞い戻ってきたってのは嬉しいね。もっともっとあの歌声を世界に披露して驚かせて欲しいな、って思うモンね。

Free - Free

Free  ブルースロックと一括りで語られることの多いクリームやフリーだが、その実ブルースエッセンスを多分に含みながらも独自の解釈により楽曲としてはかなりオリジナリティを発揮していたところがその他大勢のブルースの模倣バンドとの違いではないかと。もちろん本人達はブルース大好きだし、しっかりと吸収してしまっているのでそこから離れることも難しいのだろうが、そういう基本を押さえながらも独自のグルーブとフレーズでファンを虜にしていた。それがロックってもんだ。

Free - Free Free

 フリーの1969年のセカンドアルバム「Free」。クリームが解散する前後くらいに録音していてリリースされたアルバムなんだが、これがまたセカンドアルバムにしてかなり進化した渋めのロックになっているのだな。バンドとしてはフリーも68年から71年で一端解散してるしね。まぁ、20歳前後の若者集団だったからってのはあるだろうけど、その分残された音源には若さと気合いと熱気と才能に満ち溢れた音楽が詰め込まれている。このセカンドアルバム「Free」では既に最初期のブルースカバー的な作品から独自の解釈と新機軸となる音楽が聴ける。「I'll Be Creepin」はライブ向けのフリーらしいリズムとプレイによるもので、各人が遺憾なく才能を発揮した秀作。以降のライブでも定番的にプレイされるロックチューンだね。んで「Songs of Yesterday」はアンディ・フレイザーの軽快な、そしてユニークなノリのベースラインにメンバーが絡み、ポール・ロジャースのタメの聴いた歌が響き渡るというこれも特徴的な曲だなぁ。それで三曲目の「Lying in the Sunshine」ってのが曲者でして、うん、一般的なフリーに対する感覚からしたらこれ何?誰?ってなモンだ。美しきアコギ…多分アンディ・フレイザーが弾いているものとポール・ロジャースの哀しげな歌声で展開されるバラード…と言うか、フォークソングでもないし…、なんと言うんだろうね、こういうの。淡々とアコギと歌で迫ってくるだけで、感情的に揺れるというもんでもなくてフラットなんだよ。フリーにはこの後もいくつかこういう楽曲が出てくるんだけど、アンディ・フレイザー独特の持ち味のひとつ。この人多才だわ。んで「Trouble On Double Time」はまたノリの良い、それでもアンディ・フレイザーのベースリズムがグイグイと曲を引っ張っていく曲で、コゾフの活躍がイマイチ少ないのがちょいと物足りないけどしょうがないのかな。そんで、またまた美しいフリーの一面が聴ける「Mouthfull of Glass」。ベースとクリーンなギターとアコギの絡みにゴスペルのような鍵盤の音色が効果を演出したものでね、途中のちょっとズレていくようなコード進行が心地良い。コゾフの違った側面が聴いて取れるギタープレイも聴く価値が高くって、激しくブルージーに弾くだけのギタリストではないってことがよくわかる曲です。

 ここまでがアナログA面だったね。意外とブルースに根ざした曲はここまででほとんど出てこなくて、聴けてもコソフのフレーズくらいで、新境地に達していることもわかる。ただ、まぁ、ポール・ロジャースの歌声がアレだからどうしてもソウルフルなブルースに聞こえてしまうのはあるけど、アンディ・フレイザーがかなり才能を発揮した作品だから故にバラエティに富んだ作品になってるね。ジャケットは大胆な構図でして、いや、あまり調べてないけどどんな意味だったんだろ?そしてセカンドアルバムにしてタイトルにバンド名「Free」を持ってくるのも面白いな、と。ここで新たに自分達の音楽性を誇示できたってことかな。

 さて、B面一発目を飾るのはこれまたフリーらしい名曲の「Woman」。これはもうポール・ロジャースが絶叫できる曲だし、コソフも割と見せ場がある方だし、楽曲的にはA面の「I'll Be Creepin」と同様にライブ受けするロックチューン。すると「Free Me」のようにどこか宗教的にワンパターンなリフで展開する曲へと続く。こういう曲が成り立つのはやはりポール・ロジャースの歌唱力によるところが大きいのだろうが、楽曲センスそのものはアンディ・フレイザーによるものだな、これも。ってか、このアルバムのクレジット見ると全部「Fraser, Rodgers」なんだから当たり前か。どこか境地に達している人だよなぁアンディ・フレイザーって。そこに頑張ってコソフがナイスなソロを入れるんだけど、どっちかっつうとミュージシャンとして優れたソロを入れているだけで、ギタリスト的に発揮しているモンでもない。だからコソフはこの頃も含めてセッション活動っていうのが割と多くて、弾きまくっている傾向が強かったんだ。そしてちょっと明るめに「Broad Daylight」も聴かせる曲で、かなりシンプルに作られたものの様子で凝ったことが何もできていないという感じだ。いや、悪くない曲だけど、ちと飽きるかな、これは。光る部分があまりないんだよね。妙なのはコーラスワークが入っているのでフリーらしく聞こえないってとこか。そして最後は「Mourning Sad Morning」というこれもまたアコギによるバラード…だな。ただしフルートなどで色を付けてくるのでフリーらしさってのはあんまり感じられないんだけど、こういうのもフリーなんだ、っていうのが伝わってくる、かな。これもやっぱりコーラスとか被ってくるんだけどさ、やっぱり起伏がなくってフラットなバラードなんだよ。何なんだろね、この不思議さは。英国のトラッド的な影響ではあると思うけど、ここまでフラットじゃないから…。通常のロックに対するフリー独特のリズムと同じようにトラッドに対するフリー独特のリズム、ってところか。

 昔からアナログで聴いていたアルバムで、全然リマスター盤とかボーナストラック付きとかリリースされなくて安心してたんだけど、5枚組のボックスセットが出た辺りからにわかに活気付いて、一気に紙ジャケ、リマスター、ボーナストラック付きという最も買い換える回数の少ないパターンでCDが出たのでよかった。そのボーナストラックもとんでもなくたっぷり詰め込まれているので楽しめたしね。このセカンドアルバム「Free」ではいくつかのシングルバージョンと、未発表だった「Sugar For Mr.Morrison」というこれもまたヘンなベースラインから始まる楽曲に感動したし、コソフもワウペダル使いまくって弾いている曲だから、確かにこのアルバムにはマッチしなかったろうな…とか。もちろんその他のバージョン違いなんてのも面白いんだけど、所詮はオマケでして、本編をきちんと聴いていないと楽しめないものだ。例えばアンディ・フレイザーによるアコギだと知った「Mouthfull of Glass」とかね。「Trouble on Double time」なんて初期バージョンはまったく別の曲みたいなアレンジでコソフが弾きまくってるというもんだけど、こういうのも過程を知ると面白い。

 まだまだ何度も楽しめるフリーの深い世界。衝撃的なファーストアルバム「Tons of Sobs」と世界的ヒットを放った「Fire and Water」の間に挟み込まれた形で残されているセカンドアルバム「Free」だが、それだけに野心と実験がいくつも詰め込まれたミュージシャン的に楽しめるアルバムに仕上がってます。アーティストの成長ってのはこういう風に進んでいくのかな、と。

Free - Fire & Water

Fire & Water (Dlx)  さて、真打ちFreeの超名盤として名高い一枚。本ブログでコイツはまだ取り上げていなかったらしいのでここでの登場です。ロック名盤ガイドなんかでも必ず取り上げているだろうし、Freeの中でも多分代表作と言われることが多いはず。アルバムジャケットもFreeの代表写真と言っても良いくらいアチコチで目にするものだし、1970年の作品…すなわち41年前の作品としちゃあ、とんでもなくリアルに著名なアルバムだろうと思う。昨今のリマスター状況や再発などでいくつもの種類がリリースされているのでよくわからんのだが、自分的には圧倒的にA面4曲、B面3曲の計7曲なんですよ「Fire & Water」ってのは。

 もちろんBBCライブや別テイクや別ミックスなんてのも面白いし、その方が楽しめるものもあるけど、それはあくまでもオリジナルの7曲があるからでして…、それだって冒頭の「Fire & Water」は英国ミックスと米国ミックスじゃ録音されて使われているチャンネルが違うんだからそもそもシングルバージョンってのも入れてったら結構なバージョンが存在しててね、ギターソロとか聴いてると顕著にわかるんで、自分が持っているものが米国バージョンなのか英国バージョンなのか知っておく方が賢明ですかね。大ヒットシングルの「Alright Now」だってシングルバージョンは全然違うし、それこそ山のようなバージョンが聴けるのだな、今じゃ。昔もそこそこあったけど、昨今の発掘状況は異常なくらいで、嬉しい悲鳴です。

 「Fire & Water」は1970年にリリースされたFreeの三枚目のアルバムで、大ヒットを記録した一枚。ヒット曲の収録もあるけど、バンドとしてこんなに充実している時期をしっかりと記録しているってのもアルバムの良さに拍車をかけているんじゃない?何てったってPaul Kossoffのギターの艶やかなこと。ギターソロが聴ける曲全てでコソフの最高潮の泣きのギターが聴けるってなもんだ。ビブラートのキレイなこと。そしてなんともエモーショナルなフレーズの嵐で、ついつい引き込まれてしまうギターソロなんだよ。最近のギタリストにはこういう情熱がなかなか聞こえてこない気がする。比べちゃいかんけど。そしてアンディ・フレイザーの後ノリベースもここで絶頂を極める。ここまで音数少なく曲をタイトに保っていくというスタイルは間違いなくアンディ・フレイザーの仕業。サイモン・カークのドッシリドラムも後を押しているけど、このベースあってのリズム隊。その上でまだブルースをモノにしていない、だが自分のエモーションをきっちり歌い上げる技術は出来上がっているので丁度良いオリジナルなバランスでしつこくない熱唱ができるようになっているのだ。

 ヒット曲以外では結構渋い曲が多いのも特徴的で、「Heavy Load」ではピアノがフューチャーされているし、「Oh I Wept」なんかでも渋い旋律が繰り出されている。「Remember」はいわゆるFreeらしい楽曲とも言える作品かな。ギターソロ好きだねぇ、これ。「Don't Say You Love Me」も悲しい盛り上がりを見せるFreeお得意の楽曲だけどいわゆるロックなFreeじゃなくて徐々に白熱していく、それも一人で白熱していく英国的な作品。これこそFree的♪ヒット曲3曲はもう言わずもがなの作品なので様々なバージョンを楽しめるボーナストラック付きってことで良いんじゃないかね。

 ワイト島のライブが「フォーエヴァー [DVD]」に収録されているけど、これがまたとんでもないライブでさ。映像もあるからどんな雰囲気かは分かるけど、無茶苦茶Freeなんだわ、これ(笑)。音なら「Free Live」も同じ年のライブがあるから聴けるし、とにかくFreeと言うバンドの1970年ってのは充実しまくってて、この年の活動こそがFreeとも言えるくらいのアグレッシブな時期。翌1971年序盤くらいまでその勢いは続いて失墜…。ま、こんだけ魂使ってたらしょうがないかもしれないなぁなんて納得しちゃうもんね。

Free - Highway

ハイウェイ+6(紙ジャケット仕様)  ロック界で唯一「The Voice」と異名を取る男、ポール・ロジャース。本ブログにも何度か登場しているんだけどこの流れならばやっぱり登場してもらわないとね♪ やっぱり一番好きなのはフリー時代なので、今回はフリーの大ヒット作…ではなくってその次の作品となった「Highway」で行きましょう。

 いや、結構名曲が入ってる割には前作「Fire & Water」が良すぎたために地味な印象になってるアルバムなんで勿体ないなぁと云うこともあってさ、ま、ポール・ロジャースの本来の良さがどこまで出ているのかってのはちょっと問題があるんだけど(笑)、まぁ結構な自信作だったハズだけどさ、フリーらしい曲と静かな曲が交互に入ってるって感じ。ま、全体的にはちょっと鍵盤色がついてきて、本来の持ち味であるモタリまくりブルースロックバンドさが消えかかっていて、そういう意味ではちょっと方向性模索の意味合いもありそうなんだけど、そりゃこの年で世界的ヒットを飛ばしたミュージシャンともなれば次作も悩むわな。そんな悩みがモロに出た「Highway」は冒頭からあれ?ってな感じで始まるんだけど、「The Stealer」で帳消し。コソフのギターがハートをえぐります。あ、ポール・ロジャース書いてるんだっけ(笑)。もちろんポールのボーカルは凄いんだけど、どれ聴いても上手くてさぁ、書きようがないんだよな。やっぱライブ盤の方が圧倒的に良いバンドなんだな、フリーって。やっぱ、「Free Live!」が本来のポールの持ち味が聴けるアルバムなのは間違いない。おまけに、未だに日本盤が発売されていない豪華なボックスセットも2000年にリリースされていて、「Free Live!」のアウトテイクがいっぱい詰まっているのも嬉しい。ついでに書けば、ここに収録されているフリーの「Crossroad」はクリームのそれよりも実にフリーらしくてかっこよいのだ。ノリはフリーのノリ(後ろノリ)で、ロック界一のボーカリストが歌うんだからそりゃ凄いよ。コソフの「Blue Soul」っていうのにも入ってるけどさ、これが凄くかっこいいのだ。

 それとポール・ロジャースって云うとバドカンになっちゃうかな。結構しつこい歌声かと思ったら意外とアメリカンな歌い方も大丈夫だったということで何でも歌えるようになってきていた感じ。以降はホントに無差別にセッションやゲストボーカルをいっぱい務めていて、その延長がクィーンとの融合になるんだけど、これも良かったしなぁ。歌の才能があって曲とバンドに恵まれると素晴らしいシンガーってのは才能を発揮するね。彼自身の作曲センスはそんなに秀逸とは思ってないけどさ(笑)。で、何書いてるんだっけ?ん〜、まあ「Highway」ってのは半分良い曲で半分ちょっと退屈、っつうか美しい曲なので好み分かれるかな。デジタルリマスターで出た時にボーナス曲がいっぱい入ってくれたので結構嬉しかったな。BBCセッションのバージョンなんかはやっぱりフリーらしいグルーブ感あるし、「The Stealer」のシングルバージョンも新たなる発見、ってくらい違いがあって面白いしね。

Free - Free Live!

フリー・ライヴ+7(紙ジャケット仕様)  1970年に熱いロックを演奏するバンドはゴマンとあり、誰もが皆自分たちを信じてロックをプレイしていた。もちろんそれがカネになるかならないかなんてことはほとんど気に懸けることなくただ単にロックが世界を切り開いていく、そんな姿を自分たちで築き上げていく渦中にいて実感していたバンドは多かったのではないだろうか。少なくとも後追いでこの時代のロックを聴いている限りはそういう風に捉えられる。現代とは全く異なる熱いブリティッシュロック全盛期、中でも若くして光り輝いていた天才達の集団とも呼ばれたフリーは全盛期に日本でライブを行ったこともある関係から、日本での人気も相当根強く脈々と歴史的人気が受け継がれている。

 …ま、序章はこんなもんでしょ(笑)。フリーの名盤ってよく言われるのはやっぱり「Fire and Water」とこの「Free Live!」だろうね。今回は「Free Live!」で行こう、うん。何か夏に負けないくらい熱いのが聴きたくてさ、やっぱライブだろう、って。しかしまぁアナログ時代はこの「Free Live!」も全8曲入りで一曲はスタジオ新録曲が入っていた変則もので、アメリカ盤には更に「My Brother Jake」も入っていたアルバムだったんだけど、2002年にようやく、遅れてリマスタリングされた際にはリマスター&紙ジャケ+ボーナストラック付きという一番嬉しい形での再発だったのでよかった。何度も買い直しさせられないって言う意味では一番良心的だったな。最近の商売熱心な再発ブームはうんざりしてるからさ。それで、その時に5枚組のボックスセット「Songs of Yesterday」もリリースされたんだよね。日本盤は出てないんだけどさ、当時日本盤が出るかもしれないのでライナーの訳詞のために待つべきかどうか悩んだんだけど、日本盤が出ない可能性が高いなぁって思って速攻で店で買った。よかった〜、正解で(笑)。で、そのボックスセット「Songs of Yesterday」そのものももの凄いボリュームと希少価値の塊だったんだけど、特に今回関係があるのがディスク4。「Free Live!」に収録されていたライブテイクは7曲分なんだけど、その時ボツになったのがディスク一枚使って入ってるワケよ。それでもう驚喜して聞き比べてさ、どれがどれだ?なんてライナーノーツとクレジット見比べてひとりでフムフムなんてやってた。う〜ん、オタクだなぁ(笑)。おかげで色々わかったけどね♪ボックスのクレジット、一曲間違ってるぜよ、とか、今までリリースされたライブ=イギリスのサンダーランドのライブ、ってのも間違ってるぜよ、とか。ま、そういう細かいことは良しとして、音に行こう、音に、うん。

 もちろんライブアルバムとして作られてるから実際に演奏された曲順とは大幅に異なる収録ってのは当然なんで、ライブの構成ってのはちょっと無理があるんだけど、それでもやっぱロックライブの名盤になるだけのことはあって実によく出来ている。実際ボツテイクとか聴いた後にこのバージョン聴くとさ、どれもこれもやっぱり一番良い演奏を持ってきているし、曲順も実際よりもハマり込みやすい風に並べてあるし、良いセンスしてるよな、さすがだよ、って舌を巻いたもん。だから最初が「All Right Now」でも良いのだ。だってさ、こんな超有名曲が一発目なんて実際あり得ないワケで、それでもまかり通るんだよ、このアルバムは(笑)。もうねぇ、最初の歓声からアンディのベース音が鳴るところからコゾフのチューニング音から全部コピーしてバンドでやろうと思ったもん(笑)。で、ドタバタとしてサイモン・カークのドラム…、こんな音誰も出せないよなぁ、音はデカイんだけど全くうるさくないんだよ。しかし実際はライブの終盤だっただけあって、この曲のギターソロの艶やかさと言ったら素晴らしくエロティックでグイグイと引き込まれる。全盛期のコゾフを見事に捉えたかっちょいい〜曲のひとつだな。それで「I'm A Mover」でしょ、これも独特のノリでハマり込んでくんだよな。アンディのベースでグイグイと引っ張ってって、コゾフのギターが入ってくるとちょっとホッとするもん。ロジャースの歌はもちろん言うまでもなくアレだしさ、ほんとバンド全体でロックをロックらしくしているっていう感じの曲。今じゃ誰も出来ないよ、こういうの。それで続くのはポールのこぶしが冴え渡る「Be My Freiend」でさ、こういう綺麗なポップなのもサラってできるんだよね、このバンド。アンディもピアノ弾けるしロジャースもピアノ弾くし、でもコゾフがそのフレーズをギターでプレイしちゃう、みたいなさ、美しい音ってのに敏感な人達。いいねぇ、何かさ、雰囲気っつうか空気が凄く音に込められてて、それが聴いている側にも伝わってくるから滅茶苦茶温かいサウンドなんだよ、わかる?で、エグいイントロから始まる「Fire And Water」。この曲のリズムなんてさ、彼等が絶対最初に編み出したものだし、今の時代でも色々と変形はあるけどよく使われているんだよ、これ。テンポ早くしてみるとモロにラップに近いリズムで、やっぱり黒人のリズムを吸収していた彼等だからこそできるワザだったんだよ、きっと。これもギターソロ泣けるなぁ…いいんだよなぁ、うん。  う〜む、やっぱ書きまくってる…。思い入れありすぎるのは問題だよなぁホント。そうそう、このアルバムレコード時代はメンバーの顔が描かれている切手が別になっていて、裏は封筒と同じ閉じ方っていうジャケットだったんだよね。紙ジャケで見事に再現されたので嬉しかった。オリジナルアナログは高かったので手に入れられなかったし。

 さ、「Ride On Pony」ね…、タイトルが凄いよ、ホントに英国的。で、曲はあの調子でアンディ・フレイザー調バリバリでその上にポール・ロジャースの最高の声が被さってきて、更にグイグイと引き込まれるコゾフのギターフレーズがこれまた堪らなくってさ、これでノレないヤツはロック聴かなくて良し、みたいな、それくらいにグルーブ感が凄い。スタジオ盤の比じゃないくらいにグイグイ行ってるよ。そんでもって何がでかいのか「Mr.Big」さ。こんなにギターも歌も目立ってるのに一番カッコイイのがアンディのベースなんだよな、これぞベースが歌っているロック。もちろんコゾフのプレイもこのバージョンでは見事に飛翔しちゃってるから中盤以降は文句なしのバンドのグルーブが最高なんだけど、やっぱりこのリズムの重さって凄い。サイモン・カークもバドカン行くとこんなにドタバタじゃないから、何だろう、単に下手だったとは思えないから意識的だったのかな、それとも意識的にバドカンでは普通に直したのかもしれない。しかしコゾフ…泣けるぜ、ホントにこのギターは素晴らしすぎる。音のハズし方が上手いから余計に引き込まれるんだな。う〜ん、そしてアルペジオも普通の指使いでは出てこないし、でもってフレイザー…、もうさ、言うこと無いよ、ホントに。そのまま音の波にユラユラと飲まれていたい気分。そんで最後…オリジナル盤ではね、最後なんだよ。その「The Hunter」さ。レッド・ツェッペリンのファーストアルバムでも「How Many More Times」と共に収録されていたんだけど、フリーはフリーでこれをやっていたっていう…ルーツが似たようなモノだしどちらもブルーズに影響を受けまくっていた時代の人達だからこそ被るんだろうね。フリーのハンターはかなりモダンな感じでかっちょいいのだ。ポール・ロジャースとコゾフのタイミングが絶妙でさ、ま、やっぱコゾフの気合い入りまくりのプレイが圧巻なのが一番だよな。こういうライブを目の前で見たらほんとチビってるよ。多分この頃のリスナーってまだ鍛えられてないからこんな凄い演奏とか聴かせられたらどうやってノッて良いかわからなくて困ったんじゃないかな…だから昔の映像とか見ると一人で踊りまくってるヤツとかいるんだろうな、って思う。話逸れた(笑)。

 いや〜、ボーナストラックとかまで書こうと思ったけど長くなりすぎるので止めた。蛇足で付け加えておくとさ、「Songs of Yesterday」でもいいしコゾフの「Blue Soul」ってのでも良いけど「Crossroad」やってるの聴いてみてよ。そう、あの「Crossroad」のフリーバージョンさ。丁度「Free Live!」の録音時期にやったのがあって、それが凄いフリーなんだよ、マジに。クリームよりかっこいいと思うもん。熱い時期はホントに凄かった。短かったけど凄かった。そんな時に日本に来てるもんだから余計に凄さが伝説になってる。あ、二回目の来日公演はちょっと後回しね(笑)。どちらにしても見れた人が羨ましい…。

Free - Heartbreaker

ハートブレイカー+6 ロック史の中ではあまり語られることがないフリーというバンドだが、その中でも最後のアルバムとなった「ハートブレイカー」という傑作については更に語られることが少ない。やっぱりフリーというバンドの名盤というと「Fire & Water」や「The Highway」、そして何と言っても「Free Live!」が挙げられるワケだ。そしてバンドは一旦空中分解してしまい、ほどなく再結成、しかしその頃にはバンドに覇気はなく、キーパーソンでもあったアンディ・フレイザーが脱退してしまい、ポ−ル・コゾフはドラッグまみれでまともにギターを弾けなくなっていた…。

 それでもポール・ロジャースは一人奮起してバンドを甦らせようとしていた。その気合いがしっかりと感じられるアルバムが「ハートブレイカー」というフリー最後のアルバムだ。メンバーはベースに山内テツ、鍵盤にラビット、ギターはコゾフが少々、スナッフィが少々、ポール・ロジャースが大部分を弾いている。ま、コゾフのギターソロはそれだけで最高の魂を聴かせてくれるから要所要所で鳴るだけでも強烈なんだけどね。

 アルバムは名曲「Wishing Well」でスタート。最後の作品とは思えない充実したシングルヒット作だし、リフもかっちょ良いのでまだまだフリーってイケるんじゃない?みたいな感じだけどねぇ。そして「Come Together In The Morning」…、いやぁ〜、コゾフのソロが泣ける。素晴らしい。そして曲調は何とも寂しい感じなんだろうか、ポール・ロジャースは本質的にそれほど暗い人とは思えないのに、作風がやたらと暗いものが多かったのがフリー時代。そういった方向性を変えていきたかったのもあったのか、この後のバドカンでは一気にアメリカンな明るいロックンロールを作ってバンドを続けていったのだな。まぁ、フリーというバンドのイメージはやっぱりブルージィーで重い曲調ってのが本人もあっただろうから。

 自分もそうだったんだけど、フリーを聴く時ってやっぱ「Free Live!」までだったんだよね。マジメに聴くのは。その後の「フリー・アット・ラスト」とか「ハートブレイカー」とかは何となく聴いていただけで、本腰入れてなくてさ。でもある時やたらかっこよいことに気付いて、ポール・ロジャースのやってきたことっていうのを追いかけていったら何となく分かってきて、それからこのアルバムは好きになった。

Free - Free At Last

フリー・アット・ラスト+6(紙ジャケット仕様)  英国ブルース・ロックバンド…、そりゃもうたくさんあるけどグイグイとグルーブをウネラせてくれるバンドってのはそうそう多くはない。そういう意味ではどれもこれもブルースらしい形態でロックしてくれているバンドが多いのだが、中でも突然変異的なバンドはいくつかあるし、純粋なるブルース・ロックからはかけ離れていくバンドも実験精神旺盛な70年代には多かった。ところが純粋にブルース・ロックだけをやり続けていたバンドもあったのだ。しかもそれが思い切り誰にも真似出来ない独特のタイム感とグルーブ感で一世を風靡しているバンドなのだな。

 日本では2度の来日公演があったが故に伝説的なまでに信者の多いバンドのひとつでもあるフリー。世界的に見ればそんなにカリスマ的人気を誇るバンドでもないようだが、こと日本に於いてはカリスマだったようだ。短命に終わっているのもその要因だろうけど、フリーと日本は仕事でもプライベートでも結構な接点があったワケだし、山内テツというベーシストの加入もひとつの要素だろう。自分の中でもフリーってのはもう10代の頃からず〜っと聴いているバンドだし、今でも飽きないし深みがあるバンド。聴く度に発見も刺激も受ける音だし、それはもうグルーブだったりピアノの美しさだったり、もちろんコソフのギターだし、ポール・ロジャースの歌声だったりするのだが、このメンバーじゃなきゃ出来なかったグルーブ感が一番かな。

 1972年のフリーとしての最終スタジオ録音アルバムとなった「フリー・アット・ラスト」。昔は一番聴かないアルバムのひとつだったな。どうしても「ハイウェイ」あたりまでの作品ばかり聴いていて、「ハートブレイカー」と「フリー・アット・ラスト」は聴いた回数が他のアルバムと比べたら多分1/10くらいなんじゃないだろうか。いつしか普通に聴くようにはなったけど、それでもまだまだ1972年のフリーの「フリー・アット・ラスト」というアルバムを聴いたとは言えないくらいの回数かもなぁ。まぁ、3桁行ってないくらいではあるとは思うが(笑)。いや、わからん…。

 アルバムの背景にあるバンドのゴタゴタやメンバー間の揉め事、そして若すぎたメンバー故の衝突や人間関係、未熟な精神状態の若者の集まりという天才肌が故に起きる揉め事はアチコチで語られているので知られている事実として、ドタバタに関わらずにアルバム「フリー・アット・ラスト」を純粋に聴くようにしてみよう。  冒頭から…、名盤だろ、これ。このギターと歌でハートに来なかったらもう聴かなくて良いんじゃない?んで、オリジナルアルバム時代の最後は「Goodbye」というそのままのタイトルの曲。これで解散だからね。そういえばフリーって解散という言葉よりも空中分解という言葉が使われる方が多いな。

 えっと…、何だ、まぁ…、聴けよ。どんだけボリューム上げてもうるさくないからさ。「Travellin' Man」とかもちっとながければ…、コソフのギターをもうちょっと聞かせてくれよ、とかそんなのばっかなのがもうもどかしいんだけど、その物足りなさ加減もフリーらしいんだろう。いや、そうだ。正直に今なら言えるが、「フリー・アット・ラスト」に捨て曲は一切ない。捨て曲だと思うのがあればそれは聴く側の問題だ、とまで言い切れる。ボーナストラックとか嬉しいけど、なしで一旦聴いて欲しいよな。その時間の短さと「Goodbye」で終わるフリーの歴史、そしてコソフのギター。説明抜きにこれが英国のブルース・ロックってヤツだ。

Free - The Free Story

ザ・フリー・ストーリー  多分古き良きバンドを好きな人ってのは同じバンドの同じアルバムでも何枚も何種類も持ってたりすることも多いだろうし、曲単位になれば更にそれは広がったりして様々なバージョンを所有していることだろう。もちろんライブバージョンも入れたら結構な数になったりもするし、シングルバージョンとかミックス違いとか歌詞違いとかモノ、ステレオなんてのもあってアレンジが違うとかそういう世界があるロックね。先日もあの曲やろう、ってバンドのメンバーと話しててスタジオに入るのだが、それぞれどうもやってきたバージョンが違うみたいで回数とか編曲が合わないことがあって、もちろんいつものことなので、笑いながらどれにするか、ってなるのだが、オフィシャル側でも既にどんだけ出してるか判ってないんじゃないかなぁ…ってのも多いだろう。

 Free解散後の1974年にリリースされたベスト盤「ザ・フリー・ストーリー」、ベスト盤って言うか…、ストーリーそのものとも言えるのか。一応時系列的に名曲郡が並んでいるけど、終盤はもう数少ない選曲になりつつ、更に未発表系の楽曲なんかが配されていて貴重度を上げているワケだが、アナログ時代は2枚組で、どうにも終盤はダレダレになっちゃってあまり真面目に聴いた記憶が無い。CD時代になって「Heartbreaker」がオミットされている状態が続いていたみたいで、人によってはインパクト絶大なバージョンだったらしく、何でだろ?って聴き直してて、なんだ、ライブだからか…と思い出した。これだけ1972年10月15日ポーツツマスのライブバージョンが入ってて、ボロボロのコソフがここまで弾けてるってので奇跡の一曲だってことで収録したのだろうか、アングラでも一切出回っていない唯一無二の貴重な同日のライブ音源だったのだな。それがアナログ時代終焉と共に聴けなくなっていつしか貴重なテイクとして知られていったのだった…。

 5CD Boxの「Songs of Yesterday」がリリースされてCDで初めて陽の目を見たみたいで、なるほどそうか…って懐かしさを覚えた人も多かったのだろう。自分はそこまで思い入れなかったからなぁ…。いや、好きなんだけどね、Freeってさ、ただ、終盤ってやっぱり得意じゃない。でも、もうそうも言ってられないから割と聴いてるけど、やっぱり熱いギタープレイが好きだからなぁ…、あの熱さが3年で消えるなんて、時代は残酷だ。そういうのも時系列で並んでいる編集盤だとはっきりと感じてしまうという残酷な編集盤、更にはPeaceの音源と称されているけど、日本公演でやってたヤツだし、Freeとしてのモノになっちゃってるでしょ。それにしてもこういう音で世界に出れるってのはホントに時代でしかないかも。今の時代でもあるだろうけど、やっぱりこのノリは誰にも出せない。たまに全曲丸ごと聴くみたいなことをしたくなるバンド♪

Free - All Right Now

All Right Now  やっぱロックかっこいいな。ブルースをひたすらに聴いてて、ふとフリー聴きたくなって、もちろん普通のオリジナルアルバムは割と真面目にこれまでに書いてしまっているので何かないかな…とライブラリを見てて、そっか、これがあった、と思って久々に聴いてみる。そんなアルバムは多分山のようにあるし、発掘盤としてリリースされているのも結構あるだろうからホントはオリジナル盤からそういう発掘音源とかに進んでブログを充実したいなと思った事もあったんだけど、なかなか整理するのも大変で適当に食い散らかしてしまっているのが現状…、その点フリーってのはそんなに乱発されていないから助かる。

 1990年にリリースされたフリーのベスト盤「All Right Now」。何だベスト盤か、と思うなかれ、と言うのがこのベスト盤の趣旨で敢えて取り上げている意味でもある。チョイスされた曲全てがボブ・クリアマウンテンによるリミックス・リマスター作業されているので、オリジナル盤の曲の音を綺麗にしましたってレベルじゃないベスト盤…と言うかボブ・クリアマウンテンによる独自解釈による再構築作品とも言える作品に仕上がっている。おおまかに書けば90年代風な音圧とリバーブ、低音重視のミックスにステレオ感の振り分け、更にオリジナル盤ではちょいと効果的な気がしていた音、例えばコンガなどは思い切りカットしてるしピアノなんかもさほど重要視していなくて要所要所で聴かせる程度、もっと迫力あるハードロックバンド的な音圧に仕上げてて…同じ音源でここまで変えれるのか?って驚くばかりの音で仕上げてきた作品。当時は賛否両論沸き起こったと言われるが、そりゃそうだろうなぁ、これじゃ。自分も最初聴いて驚いたもん。何だこれ?こんな音になるの?今のバンドっても通じる音じゃないか?って。

 古いロックばかりを聞いている自分としては誰かに…大抵は女の子だけどこんなのもいいよ、なんて聴かせても音が古臭いから聴きにくいなんて言われることもあったなぁ…と。そんな時にコレなら現代的な音で仕上げてあって聞きやすかったハズだ…実際に聴かせたこともないけど(笑)。それとさぁ、当時そんなこと知らずに安く中古で見つけたから、まぁ、フリーのベスト盤CDか、フリーはCDで持ってないから買っとくか、って買ったワケで、そんな音が変えてあるなんて知らなかった。そんなに情報なかった時代だしさ。それが故に楽しんだし仲間にもこの驚きを共有してた。これ聴いちゃうと、これはこれで良いじゃね?って気になるから面白い。それからオリジナル盤に戻ると随分多彩な音が鳴ってるな、とかシンプルだなとか思い直すんだが(笑)。

 久々に聴いてみて…昔ほど音の違いにインパクトを感じなかった…のは多分オリジナル盤のリマスターとか色々聴いてしまったからかな。ただ、ついついこんなんだっけ?ってオリジナルと聴き比べちゃったりして、その方が楽しかった。結構音削ってるな〜とかさ。んで、フリーの楽曲の奥深さとコソフのギターの美しさに涙して…、元々が凄いからどんな加工されてても響くもんは響く。古い音はちょっと…と言う人にも聴ける古いバンドの音です♪

Free - Live at the BBC

ライヴ・アット・BBC  最初にフリーと出会ったのは自分がギターを始めてすぐくらいの頃で、そもそもああいうブルース・ロックってのが好きだったから早い段階からギターの音とかフレーズを聴いてたものだ。ところが徐々に何か違う、ってことに気付いてきて、ベースのフレーズとノリやビートがまるで異なるってことに着目するワケだ。単に変わってる、って意識だったのもそのうちどうしてこういうフレージングやリズムになるんだろう?ってなってって、深く突っ込んでいくとバックボーンが変わってるってことだった。

 要は南国系の出身というのが手伝っているようだ。英国人だけどね。んで、アンディ・フレイザーの傾向を以降聴いているとわかるようにロックフォーマットではないんだな。たまたま集まったバンドメンバーがロック志向だったからロックにあのベースとリズムを持ち込んでいたって話だ。もうひとつは、彼の音楽的才能の豊かさ。ポール・ロジャースは無難な曲を作る。アンディ・フレイザーは印象的な曲が多い。その実ポール・コソフはギター大好きなギター・プレイヤーであって作曲はさほど出番がなかったからギター中心の曲ってのがフリーには多くない。でも、コソフのフレージングで曲が圧倒的にかっこ良く仕上がっているってのは多いんだからバンドへの貢献度は高い。

 ま、なんだかんだ聴いてきてね、フリーって特異なバンドだったけどかっこ良いな、と。んで、引っ張り出してきた、と言うか中身が濃すぎて一回で終わらないんじゃないかっつう部分あるんだが、「ライヴ・アット・BBC」という2006年にリリースされた貴重盤。貴重っても音的な方ね。デビュー直後のBBC出演による強烈なブルースプレイから全盛期のライブまでたっぷりと2枚組に入れまくった決定盤で数年間しか活動していなかったフリーに残されたまともなライブアイテムが凝縮されている作品。25年以上経って初めて聴いたものも多くて実に貴重品。中身はもう云うことなくってさ…、ギタープレイで聴いてもいいし、歌でもベースでも曲でも何でも全盛期の瞬間しかなかったバンドなんだから悪いはずがない。しかも20歳そこそこの連中のアグレッシブでひたむきなロックなんだからさ、ギラギラしてるし。こういう音を聴くといつだって昔の自分に戻る。ロックとギターに熱中してた頃、ひたむきにロックばかり聴いて過ごしていた日々、こういう快感を得たくて聴いてたんだな…とかね。だから今でも鳥肌立つ。音が悪いのもあるから云々って全然本質と関係ないから自分はまるで気にならない、むしろ何か凄く貴重なもの聴いてる、聴けてるんだな〜と嬉しさすらあるね。これ以上のものがなかったんだけど音聴いたらファンにも聴かせたい、っていう作り手の思いがわかるからさ、聞き手としてもありがたく聴くワケよ。だから音が悪いのが云々なんてレビューは真のファンじゃないな。

 ポール・コソフの泣きのギターにクローズアップされがちなフリーの楽曲だけど、実はソフトな曲も結構多くて、ブルースを純粋に奏でてたのは最初期くらい。セカンド「Free」以降は実験色も強くなってるしアンディ・フレイザーのソフトなサウンドも出て来てる。ポール・ロジャースも張り合うように歌モノを作ったりしてきてて、コソフが一人ロック的に色を付けていたのかな、そのバランスもあって初期のブルースベタベタ、その後の幅広いサウンド、そしてヒット曲「Alright Now」周辺に引っ張られる楽曲、ってな感じで終焉を迎えているんだが、そういう幅広さを順番に聴けるのも魅力的な「ライヴ・アット・BBC」ですね。やっぱロックはこのヘンです、うん。


Andy Fraser - In Your Eyes

Andy Fraser Band / In Your Eyes  これからは自分が好きな世代のミュージシャンがどんどんと他界していくんだろうなぁってのは勿論想像できるんだけど、色々な所からそういう情報を知るとそれなりに「あぁ…」とか「え?」とか思うのは当たり前か。直接知ってるワケじゃないから感情的にどうのってのは無いけど、感慨深くなる部分はあるな。今回のアンディ・フレイザーなんてのは正にそんな感じで、ついこないだ来日公演してちょっと鍛え上げた体を見せながらライブを行い、様々なことに前向きに活動し始めたって所だったのに亡くなってしまったと。ガンとHIVって事らしいが、それであんだけ元気な感じだったとは…。

 Andy Fraser名義での「In Your Eyes」。1975年リリースのソロ作2枚目、フリー脱退後着々と活動していた成果のひとつだったがセールス的にはもちろんパッとしなかったようだ。自分もねぇ、やっぱりフリー好きだしアンディ・フレイザーのベースも好きだから割と期待してソロ作とかも聴いてたんだけど違うんだよねぇ、フリーとは。今思えば、当然フリー時代と同じことやる必要もないし、もっと自分の好きな方向性を伸び伸びとやっていく方が自然だからこうなっているってのが正しい解釈なんだよな。昔はやっぱ違うな〜、ソロになると面白くないわ、って割と切り捨ててた。それはアンディ・フレイザーにかぎらず、どのバンドのどの人でもそういう感じだったからソロ作ってのは趣味なんだろう、くらいにしか思えなかったもんね。多分そういう人も多いんだろう。

 アンディ・フレイザーの「In Your Eyes」はどう言うんだろう、ベースプレイはボワンボワンした感じの音でラインを動き回るってんじゃなくて、もっとファンクやソウルに接近した、またはアフロ的なエッセンスになるのか、そういう雰囲気で歌も自分で歌っている…上手いのは上手いし、やっぱり歌い方はポール・ロジャース的でもあってそこは面白いな〜と。フリー時代をベースに考えるとアンディ・フレイザーとポール・ロジャースのジョイント作がフリーだったとするならばアンディ・フレイザーのソロ作は見事にそのフリー色からポール・ロジャースのブルースエッセンスが抜けたモノとも言える。その解答がこういうアルバムになって出て来るって思うと、なるほど面白いなと。普通にアルバムとして聴くとそんなに面白くはないけどさ、玄人向けな聞き方すれば面白いんじゃないかなと。  でも、こういうのやりたかったんだろうな。気持ちよさそうにベースも歌も鍵盤もやってるし、当時からしたら割と新しい試みだったんだろうし、ネームバリューはあるし、狙い所だったかも。そんな事を考えつつ、こういうベースも弾くんだな、って想像して聴いてた。やれることは色々とやり尽くしたんだろう。

R.I.P

Andy Fraser - Andy Fraser Band

Andy Fraser Band フリーと言うバンドを語る時、話題は必ずベーシストのAndy Fraserになることが多いはずだ。フリーと言うバンドの独特のあのノリを出しているのは紛れもなくAndy Fraserでしかなく、今に至るまでこのようなベースプレイを前面に出した人はいないし、こんなベース弾く人もいない。時代の産物なのか、どうにも他では受け入れられないタイプのベースなのか、とにかく稀有な存在である。それでいてフリーという伝説のバンドは今でも聴かれているワケだから奇跡に近い存在だったんじゃなかろうかと思うのだな。

 そんな天才ベーシスト兼ソングライターだったAndy Fraserが自身の名を冠したバンドの最初の作品「Andy Fraser Band」が1975年にギンギラギンのアルバムジャケットでリリースされていたのだ。今じゃCDでも手に入るからありがたいけど、なかなかアナログ時代は見つけるのが大変だったな、こういう中途半端な作品ってのは。いや、存在の中途半端さです。音じゃないです。存在ってのは、こういうソロ作品ってレコード屋のエサ箱になかなかなくて困るんだよ。フリーのコーナー見て「A」のコーナー見て、そしてロックじゃないところも探して…とやらないと出てこない。結局手に入れたけどさ。

 んで、聴く。ん?昨日Paul Rodgers聴いたからかこのAndy Fraserの「Andy Fraser Band」って、モロにPaul Rodgersが歌っているようなもんじゃないか。ってか、それをイメージした作品なんじゃないの?ってくらいに作風が似ている、似ていると言うよりも自ずとそういう作品が出てきて、それをPaul Rodgersが歌っていたからそういう印象になるってことか。単純に「Andy Fraser Band」って作品はフリーにかなり近い曲が揃っているってことだ。Paul RodgersはBad Companyで新しい世界を作り出していた頃で、Paul KossoffはブルースをベースにしたBac Street Crawlerで何とか起死回生を図っている頃、Andy Fraserは一人でこんなにフリーな音を作っていたのだ。

 ただね、録音がチープなのと楽器の音もかなりチープなので、如何せん作品としてのレベルが語られることが少ない。音楽そのものに関係ないことではあるけど、もっときっちりと録音されてればなぁとも思う。しかし、歌の上手さ、ってかこれほんとにPaul Rodgersだよ。ああいう歌の上手さはないけど歌のメロディとか出し方とか全く一緒。ここでベースプレイはほとんど全面に出すことなく、あのノリを出すワケでもなく、割と普通に弾いている印象、だが実際は結構弾いてるかも(笑)。再度聴き直したことでこのソロアルバム「」の価値ってのを何となく理解し始めた。Paul RodgersとAndy Fraserでこのアルバムのセルフカバーを思い切りロックにやってもらいたいと思う次第ですね。

Andy Fraser - In YouTube

Naked & Finally Free  アンディ・フレイザーが来日公演をするよ、って情報をちょっと前に頂きました。今のアンディ・フレイザーって全然別の人になっちゃってるのでさほど興味はないんだけど、ちょっと気になって色々と調べてたら2012年くらいから結構あちこちに顔を出してシーンに返り咲いているフシもあった。さすがに元フリーのベーシスト、ってかフリーそのものの主役の一人なので「Alright Now」や「Mr.Big」をセッションさせたらそりゃもうオリジネイターの迫力と崩し方とあのベースなワケで、さすがなものばかり。最近ではTOBIって若いミュージシャンと一緒にやってるようで、そのプロモーション活動も割と盛んなようだ。このTOBIって若者、…なんだろな…、ま、いいか。

 YouTubeで「Andy Fraser」って入れて検索するとこれがまた実に色々引っかかる。そして往年のロックミュージシャンとしてのアンディ・フレイザーとは異なる振る舞いや姿に驚いたものだ。元々そういう傾向はあったんだろうけど、南国的な脳天気な世界観を好んだアンディ・フレイザーは今じゃ完全にラテン系のノリな人だ。そもそもベースプレイだってラテン系に通じるラインやリズムで独自性を持っているし、なるほど…そういうルーツに立ち戻っているのか、と感じたな。それは「Mr.Big」や「Alright Now」の数々のセッションを観ていて思ったことで、自らが歌ってるのもあるけど、これがまたさすがにオリジネイターだからメロディとかベースラインとか明らかにフリーのとは違うんだけど、そういう解釈で作ってたんだ、みたいな側面が見えることが楽しい。「Mr.Big」なんてベース一本と歌でやってるんだけどまるで別の曲ですよ、これ。な〜るほどねぇ…。

 んで、セッションの方ではグレン・ヒューズとやってるのなんてさ、グレン・ヒューズを差し置いて歌ってるしね(笑)。ベースも歌も持ってかれたらグレン・ヒューズ出番ないじゃないか。同じ立ち位置のミュージシャンを引っ張りあげてどうすんだ、みたいな。そこでもまるで気兼ねなく自分のスタイルでやっちゃうアンディ・フレイザーも見事。そしてそんなセッションがあったのか、ってのはミック・テイラーとのヤツね。アレクシス・コーナー学校とジョン・メイオール学校の卒業生の邂逅とでも言った方がわかりやすい繋がり(?)かもしれないけど、携帯のカメラで撮影した動画で確認できるだけだが、確かにミック・テイラーとアンディ・フレイザーがストーンズの「Honky Tonk Women」をやってる。う〜む。そして見ててかなり嫌〜な感じがしたけどさすがだな〜ってのがTOBIと二人で部屋でやってる「Mr.Big」。ベースラインと歌がこんなにカリプソな感じで演奏されてるのは完全に別物の角度。さすがです。ハリケーンサンディのチャリティショウと題されたトコロではジョー・ボナマッサとアンディ・フレイザーの邂逅も実現しているし。

 ソロ作品のビデオもあったりするけど、もう別の音楽の人でしてね、追いかけることもないだろうけどネームバリューはあるからなぁ、やっぱどんなんだろ?って気にはなる。来日公演によるフルライブって一体どんな編成でどんなライブなんだろ?商業主義関係ないんだろうな…。

Andy Fraser - The Bassist

Andy Fraser Band/...In Your Eyes  ロック界にベーシスト数多くいるものの、アンディ・フレイザーの独特のリズムとベースラインは完全にオリジナルで今でも唯一無二のベースサウンドだ。もちろんこないだのBBCのライブ総集編DVDがリリースされた伝説のフリーのベーシスト♪ そういえばあのDVDも全部の映像を押し込んだっつうけど、他にもまだ残ってる映像ってあるんだろうなぁ…どうえならホントに全部詰め込んでもらいたいものだ。そしてBBCライブの方も2枚組でボリュームたっぷりとは云うモノのまだまだ残されているだろうから第二弾を期待したいね。

 で、アンディ・フレイザーだが、ご存じのように独特の横ノリで展開していくベース…と云うかリズムで、これほどスカスカでヘヴィーなサウンドを創り出したのがこの人。フリーの中でロジャースと共に曲を作っていた人なのでモロにフリーのサウンドを作っていたわけだ。ブルースに拘ることもなく作っていたハズだけど、コソフのギターがあれだし、元々がアレクシス・コーナーのトコロにいた人なのでブルースが自然に身に付いていたってのもあるだろうな。でもさ、実はアンディの自作のバラードとかが凄く綺麗だったりするんだよ。

 まぁ、フリーが若くしてゴタゴタとなった時にはトビーっつうバンドを作るけど、全く鳴かず飛ばずで、フリー再結成、その後すぐに離脱してからはシャークスやったりしたけど、これもすぐに脱退して結局ソロ作をリリース。ファーストは期待して聴いたもののやっぱりなぁ、フリーのあれは幻だったんだろうか。セカンドにしても唸ってしまう作品で、やっぱ見放してしまうよな。それ以来シーンで名前を聞かなくなってしまったのが残念。先日リリースされた総集編DVDでのインタビューでようやく久々に顔を見て、しかもエイズだって云うから困ったもんだ。  やっぱり天才ってのは紙一重なんだな、と改めて思う。でもね、やっぱフリーの全作品は燦然と輝いているし、個人的にはシャークスのファーストも好きだし、なんつってもギブソンEBシリーズのベースを使ってる人、好きなんだよ(笑)。音が歪んでてかっこいいんだもん〜。

Sharks - First Water

First Water  アンディ・フレイザーがフリーを脱退したのが1972年頃、その後どうするのかと動向が注目されたらしいが、彼の選んだスタイルは新たなバンドスタイルによるロックだった。1972年の10月ころにはメンバーを固めて曲もある程度持ち込んでライブ活動に注力してレコーディングに入っていたらしく、まだまだ若いエネルギーはどんどんと放出されていったようだ。そんなアンディ・フレイザーのフリー脱退後の最初のプロジェクト、シャークスをここに挙げておこうかな。

 1973年リリース、Sharksのファーストアルバム「First Water」。ベースとピアノは勿論アンディ・フレイザーが、ギターはクリス・スペディングが職人芸をフルに活かして、どころか思い切りバンドのヘヴィーギタリストとしてアンディ・フレイザーと双璧を張っている。更に個人的には発掘モノの大好きなボーカリストのミスター・スニップス。Baker Gurvitz Armyでその泥臭い歌声を披露していたが、その後の活動でこのSharksに抜擢されての登場、ここでもバンドの音に重さを加えているという意味でも、また聴くモノへのインパクトもまた深みを与えていると思える大活躍。

 そんな面々によるファーストアルバム「First Water」は普通に聴けば全然普通のロックだけど、Mr.Snipsのロッドをもっと重くしたような歌声が重心を下げたハードロック的バンドへと位置付けてくれるのと、クリス・スペディングが活躍しているからそんなハードロックバンド的に聴こえる音が多くて結構好ましい。ところが肝心のアンディ・フレイザーの音はかなり軽めになり、ボワンボワンベースは相変わらずながらバンドの音の重心を重くするどころか軽くしている役割になっているようだ。狙ったかどうかわからんけど、妙なバランスの音が混在しているのはある種頼もしい。しっかりと目立つミックスだったり音の出方だったりするから余計にそう感じるんだけどね。

 でも、やっぱりこういうハードロック的なのをやりたかったんじゃないみたいで、主役だったのにこの作品だけで脱退してソロ活動へと移るワケだ。そう思うとなるほどアンディ・フレイザーの音が浮いてるってのもよく分かる。一方ではクリス・スペディングやスニップスのアクが結構生きてるバンドになっちゃってるのがあったのかなと。個人的にはアンディ・フレイザーのフリー脱退後の作品としては一番バンドらしくて面白いと思うんだけどさ。それは多分、メジャーバンドじゃなくってSharksってB級にも位置するようなバンドでやったってのが好ましいのかもしれない。

 10代で始めたフリーの印象だけでアンディ・フレイザーという人の音楽性が決められてしまったのは不幸だったのかも。もっともっと色々なことがやりたかったってのがその後の10年だったんだろうし、それもあって活動休止だったのかな〜なんてのも思う。どっかでこの人のキャリアを総括して一気に聴いていきたいなと。ちょっとやってみたんだけどやっぱ全部は難しい(笑)。んで、YouTubeで1973年のライブ音源見つけたんで聴いてみると、ここに書いたこと全てをぶっ飛ばすくらいのバンドとベースのプレイが聴けるという…、やっぱロックはライブです。

Sharks - Jab It in Yore Eye

Jab It in Yore Eye  まだまだ取りこぼしている情報なんてのは山のようにあって、まぁ、全部の情報を持っていたからと言ってさほど意味はないんだけど、そんな情報に出会う度に軽く驚きを覚えるのが面白い。自分はまだ全然ロック好きで知りたがり〜なんだな、って思うが(笑)。いや、ロジャー・チャップマンからポール・ロジャースって来て、やっぱロッド・スチュワートか?って思ったけどちょいとメジャーすぎるので誰か…って気になったのが一人。知名度がむちゃくちゃ落ちるSnips。ホラ、知らんでしょ?まぁ、そこまで横に並び称されるほどの力量があるかっつうとそういうんでもないだろうからしょうがないけど、傾向値が似ているってことで挙げておきます。その昔はBaker Gurvitz Armyのセカンド「Elysian Encounter」と三枚目「Hearts On Fire」に参加していて実力派証明済み、その前にはアンディ・フレイザーとクリス・スペディングが組んだSharksっつうバンドに参加してその歌声を披露してくれているので、割と聴く機会というか聴ける機会はあるハズなんだが、Snipsを話題に取り上げている記事やブログなんて見たことがない(笑)。ま、自分は聴いてて響くのがあるから取り上げてますけどね♪

 Sharksのセカンドアルバム「 Jab It in Yore Eye」では最早アンディ・フレイザーは脱退していて、クリス・スペディングと残された面々が頑張ってるバンド、ってことで流れ者のクリス・スペディングとしては珍しくバンドに専念しているという姿。それはアンディ・フレイザーからの影響が大きかったようだが、英国B級バンドとしてSharksを聴いてみると洗練され過ぎているのはやはりメジャー級の才能があったからだろうか。セカンドアルバム「 Jab It in Yore Eye」は正直、世間的には何がしたいバンドで何のためにリリースしたアルバムなのか?っつうくらいに中途半端な印象なんだが、その実英国好きには聴き応えのある内容になってる、気がする。クリス・スペディングのギターもブルース調中心で、何よりもそこをSnipsの歌声がちょいとしゃがれすぎではあるけど熱唱してくれていて熱い。それこそロック。こういう歌い手が好きなんだろうな、自分は(笑)。

 「 Jab It in Yore Eye」のジャケットは先日Lady Ga Gaがパクッたメイクの元祖(笑)とも言える瞼に目を描いたもので、ヘンだから目立つ。そして本人たちの本当の顔がわからないというマイナス面もあって、クリス・スペディングって有名な割に顔が無名なんだよな。Snipsなんて自分は全然顔が浮かばん(笑)。音は…、スワンプ的でもあるけどやっぱブルース基本のSnipsの濃い歌声中心にミドルテンポでどっしりとした音作りになってる垢抜けない作品だね。ちなみに本名はSteve Parsonsってことで、ソロアルバム出してやや売れたこともあるとか?まだまだ知らないこと多すぎる…。

山内テツ - The Bassist

TETSU(紙ジャケット仕様)  70年代初頭の英国ロックこそが最も刺激的でロックらしい雰囲気を出していたという点に於いては多くの人が賛同することだと思う。そしてその中に一人の日本人ベーシストが二つの大きなバンドを渡り歩いたという事実も広く知れ渡っているはずだ。

  そう、フリーのアンディ・フレイザーの後任者、そしてフリー解散後にフェイセスに加入、こちらはロニー・レイン後任者としてバンドに君臨する。どちらも前任者が強烈な個性とカリスマ的音楽センスを持っていたため、どうしても影に隠れてしまう面が大きいが、日本人としてやっぱりこういった功績は嬉しい限りだね。それがあるおかげで、普通ならあまりメインメンバーの欠けた後のバンドってのをあんまり聞くこともないのが、聴いてみよう、ってことになるし。そもそもはミッキー・カーティス達と一緒にプレイしており、フリーが来日した際にどうやらメンバーと意気投合したってのが山内テツさんが渡英するきっかけになったようで、アンディ・フレイザーが脱退後、声がかかったようだ。ま、その後にはご存じ「コゾフ/カーク/テツ/ラビット」っつうフリーらしきアルバムに参加していたりするが。その後は人柄と的確なテクニックを買われてロニー・レイン脱退後のフェイセスに参加し、アルバムだと「ロッド・スチュワート & フェイセズ / ライヴ」で彼のベースが聴けるのは有名な話。

 で、まぁ、英国ロック黄金期を最も間近で体験していた伝説のベーシストはその後どうしていたのだろうか?帰国した頃の1974〜5年に日本でスーパーセッション的な作品「フレンズ」を残しているようだ。もちろん聴いたことないんだけど。その後には自身のソロアルバム「ききょう」をリリースしていて、これはちょっとだけメジャーなハズ。で、驚くことに最近…っても90年代になってなんだけど、いくつか作品をリリースしているようで、アマゾンにも置いてあるみたい。どうやら、フリージャズ的なセッションという方向性に行き着いている様子で、まだまだ勇姿が聴けるんだ〜って思うとちょっと嬉しい。