The Kinks - The Kinks

キンクス+12  ファースト続きってことで乗ってきました(笑)。ザ・フーと来たら次はキンクスでしょう。先行シングルが幾つかあったけどなかなか不発に終わり、起死回生のスマッシュヒットとなった「You Really Got Me」をきっかけにアルバム制作に入ったんだけど、そこに収録されたのはもちろんカバー曲が大半を占めるこの時代にありがちな作風だったが、今となっては大変際立った存在を見せているのが「Stop Your Sobbing」でしょう。カバー全盛のこの時代に「You Really Got Me」というオリジナルナンバーでいち早く時代を築き上げて、更にアルバム収録のこの「Stop Your Sobbing」はレイ・デイヴィスの非凡な才能が開花していくことを明らかに明示している名曲。新しめのロックファンにはプリテンダーズのバージョンの方が有名なのかもしれない。あ、「You Really Got Me」だってヴァン・ヘイレンの方が有名だったりするからなぁ。結局キンクスの良いところはあまり表立って媚びてこないところなのかもしれないね。良い曲いっぱいあるんだけど、それで?って感じ。実に類い希なる才能なんだけどそれを売りにしないところがひねくれ者の所以でしょう。

 で、このファーストアルバムだけど、半分くらいが彼等のオリジナルで固められていてその他はメジャー所からのカバーなんだけど、これもまた渋めの選曲というか、ベタな選曲と言うか、そこかしこで聴いたことのあるようなタイトルがズラリと並んでいる。チャック・ベリーとかドン・コヴェイとか…、そうそう「Long Tall Shorty」なんてさ、曲はともかくタイトルがキンクスらしいじゃないですか。日本語で言うと「のっぽの小人」だよ。ナメてるっつうかヒネてるよねぇ。オリジナルはユーモアあるね、って言えたかもしれないけどカバーするとなるのは相当ヒネている(笑)。良い良い。「Bald Headed Woman」はご存じシェル・タルミーの印税稼ぎ用の曲でザ・フーにも演奏させているし、「Too Much Monkey Business」はヤードバーズでもお馴染みだし、リマスター盤CDではボーナストラックに収録された「Got Live If You Want It」なんてストーンズでもカバーしているし、ホントあちこちで聴かれる曲が多いね。ちなみに同年代ながらもほとんどキンクスの方が先にカバーしていた、ってこと気付いている人少ないかも。

 ファーストアルバム的な視点で書くと、やはり「You Really Got Me」と「Stop Your Sobbing」に代表されるキンキーサウンドが今後の全てを物語っているし、この後4枚目「Face To Face」あたりになると顕著になってくるのであった。う〜ん、やっぱり良いバンドはファーストにその原石あり、です。

The Kinks - Kinda Kinks

カインダ・キンクス<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)  1965年の英国、正にマージービートの快挙真っ只中でストーンズにビートルズにキンクスにフー、その他諸々が雨後のタケノコのように出てきた頃だね。まぁ、今から思えば46年前の話で、既に歴史的な出来事になっているんだろうし、そのぶん事実関係もよくわからなくなってることも多い。ペギー・リーへの楽曲提供の理由は果たしてどんなんだったのか?先方のオファーとしたら何故に?まさかレイ・デイヴィスからのオファーだったってこともないだろうし。まぁ、その辺がさ、結構レイ・デイヴィスっていろいろな人に曲を提供してたりするんで…、しかも最初期にそんなのが多いから玄人受けする人だったのかもね。

 1965年にリリースされたキンクスのセカンドアルバム「カインダ・キンクス」、今じゃデラックス・エディションってことで2CDまで拡張されて色々なのが入ってるのでお得…っつうかやりすぎなくらい(笑)。「I Go To Sleep」のデモバージョンはこの「カインダ・キンクス」のボーナストラックで聴けますがね、憂いのあるデモテイクでさ、レイ・デイヴィスがソロになった90年代半ば以降のライブで取り上げられていて、そこでこの曲の凄さと良さが広がったとも言える。デモ作って30年後にようやく自身の曲の宣伝を行っって評価を受けていったというのもこれまたキャリアの成せる業、そしてそれだけ多くの人に認められる曲を作っていた天才っていう人。やっぱりレイ・デイヴィスって好きなんです。このデラックス・エディションを何枚か聴いてて、オマケも良いけどやっぱり本編の曲がどれもこれも心に染み入るんです。音は時代だからチープだったりするけど、メロディセンスとかが凄く綺麗だったり覚えやすかったりしてホント天才的。そして歌詞も皮肉調で歌にはついホロリ、なんてのもある。もっともR&Rバンドの側面が大きいからまだカチャカチャした音なんだけどキンクスっていち早くそういうのから抜け出てオリジナルな道に走ったんじゃない?

 「カインダ・キンクス」か、久しぶりに聴いたね、これは。ただ、どれも普通に口づさめるからそれでも相当聴いたアルバムなんだと思う。ところどころにシングルがあったりするから余計に聴きやすいし、サビとかさ、覚えるんだよ。あぁ「Dancing In the Street」なんてのもあったりするけど、この辺は他のバンドの方がかっこよかったりするか(笑)。あとねぇ、印象的なのは弟のデイヴ・デイヴィスの素頓狂なハイトーンな歌声。これがまたアルバムの中ではアクセントになってて面白いんで結果的には凄いバラエティ豊かなアルバムになるワケだ。ボーナストラックの方は細かく書くとキリないくらいだけど、時代をパッケージしててこの頃既に才能発揮しまくりの名曲オンパレード。他のアルバムが名作過ぎて地味に埋もれている「カインダ・キンクス」だけど、やっぱり良いデキですよ♪

The Kinks - Kink Kontroversy

Kink Kontroversy  60年代に出てきたビートバンドも数多くあったし、ここのトコロその周辺のイミディエイトレーベルをまとめて聴いてたけど、改めてこういうブームだったんだろうななんて思ってしまったが、それが故にThe Kinksの「You Really Got Me」のファズってのは1964年って年からしたらとんでもなく早熟なファズサウンドだったんだろうと。そこにはジミー・ペイジがセッションで参加していたってのも知られた事実だけど、あのファズギターの音は間違いなくデイヴ・デイヴィスの発見で出てきたもののようだ。とするとこの音ってのはあまりにも早熟なヘヴィロックサウンドの開拓者ってことになっていくし、同時代のバンドとは明らかに一線を画すサウンドを出していたってワケで、なるほどやっぱり違うなぁ…と。

 そんなThe Kinksの1965年暮れにリリースされた3枚目のアルバム「Kink Kontroversy」。既にこの時期のアルバムにしてはほぼオリジナル曲ばかりでその意味でも同時期のバンドとは一歩進んでいたのだな。そしてホントにメロディも音もアレンジもアイディアもひっくるめて革新的で創造的な天才レイ・デイヴィスがいたからか、かなりの高水準で仕上がっているアルバムなんだけど、the Kinksの歴史の中ではそれほど重要視されていないアルバムでもあるか。このギターの音とかやっぱり凄いんだけどな。曲にしても既に独自路線はかなり出来てるし、一方ではハードロックの布石にもなる「Till The End of the Day」なんてのもあるしさ、なんせVan Halenがカバーしてた「Where Have All The Good Time Gone」ってのもあるしさ、まぁ、今の基準で普通に聴いてたってさほど印象に残るアルバムじゃないのは確かではあるか。

 わかりにくいバンドであるのは確かだ。だから故、the Kinksを制覇するといっぱしの英国ロック通な気がしてくるというバンド。同じような括りでのThe Whoはもっとハードロック的にわかりやすい部分があるからまだ入りやすいんだけどThe Kinksはそこがちょっと違ってて、取っつきにくいんだろうね。特にこんなアルバムからじゃ絶対に入れないし(笑)。ベスト盤じゃちょっと本質の良さは伝わらないし、じゃ何?ってのがさ、伝えにくい。でも、基本的に美しいメロディラインの曲ばかりだし、リフにしても印象的なものが多いし、それでいて独特のラインが今でも変わらないし、聴いてると幸せになれるバンドです。誰も知らないだろうけど「The World Keeps Going Round」なんて美しい曲があったりするしねぇ。

The Kinks - Face to Face

Face to Face  The Kinksの1966年リリースの「Face to Face」、オリジナリティを積極的に打ち出した初期の作品ってことでその価値を高めているが、それも含めてその楽曲郡のオリジナリティのレベルの高さがレイ・デイヴィスを天才と言わしめる所だ。どの曲を取っても正直名曲。初っ端からパンチの効いた「Party Line」で攻め立ててメロウに流れていく、そのメロウなラインのセンスがさすが天下一品のソングライティングセンスとしか言えない代物。楽曲を彩る楽器の音もこれしかないだろ、ってな具合に鳴っててシンプルだけど正に名作、1966年だからね、普通のバンド何してた?ってくらいでさ、The Beatlesくらいなもんです、これくらいのアーティスティックな作品を作れていたのはさ。もちろん売れなさ加減では圧倒的にThe Kinksに分があるのは言わずもがな。

 今時初めてThe Kinksを聴くって人はこういう作品をどう思うのだろう?聴き続けて気に入る事があるのだろうか?いや、あるだろうけど、数多くパンチある楽曲やアルバムがある中でこのヘンがフェイヴァリットになるって…、あるのかなぁ、なんて思ったり。昔々はモノ盤レコードか何かで持ってて何かで輸入盤買ったらステレオ盤だったりとかした気がする。その後CDになって色々出てきて、今じゃ2CDのデラックス盤なんてのもあって曲入りすぎててなんだかワケ分からないんだけど、多分全部違うのだろう。そんな紐解きもしながらじっくりと一曲づつ聴き比べていきたい所だな。そういう事をする価値のあるバンドだと思ってるしね。それでいてキャッチー、且つ媚びない。うん、ロックだ。

The Kinks - Something Else

Something Else by the Kinks  日本で人気がなくて世界的には人気のあるバンドってのはいくつかあるんだけど筆頭に出されるのはThe WhoとThe Kinks。まぁ、Status Quoとかもそういう部類なのだが、とりあえず(笑)。基本的にその辺のバンドは好きなので大体聞いていて、好きなバンド群なんだけど、やっぱり日本でブレイク仕切れないってのも何となくわかる。文化的にはロック黎明期に来日したことのあるバンドは今でも人気が高くて、神格化されているのだが、70年代に来日しなかったバンドはどうしても人気が追いやられる。ではキング・クリムゾンの人気は何だ?となるのだが…、アレは多分音楽的なインパクトがありすぎたから人気があるのだろう。そういう意味で普通の、というかロックらしいロックバンドの日本での人気はある程度決定付けられてきたのかもしれないが…。

 キンクスの1967年リリースの6枚目のアルバム。そしてかなりの傑作でもある「Something Else by the Kinks」。まったくこの頃のキンクスときたらとんでもなくハイクオリティなアルバムを次から次へとリリースしていて、シングルだろうがアルバムだろうが捨て曲なしはもちろんのこと、名曲のオンパレードで英国では絶大な人気を誇るってのはよくわかる。こういうのが琴線に触れるんだよなぁ、自分も。ビートルズの天才さとはちょっと異なる、ビートルズよりももっと独特の才能を感じられる人、レイ・デイヴィス。弟のデイブも何曲か歌っているんだけど、これもまたよろし。

 最初の「David Watts」は後にThe Jamがカバーして有名になったけど、かっちょいいよねぇ。「Fa fa fa fa…」って何だよそれ、とか思うけど、それを超えるかっこよさとノリの良さ。そしてデイブの「道化師の死」も今でもライブで残っている名曲で、デイブの歌も悪くない。更に名曲「Two Sisters」…。レイのソロでも取り上げられているんだけど、もうねぇ、最高の一曲のひとつです、これは。こういう名曲を何曲も立て続けに書ける人、いないって、ほんとに。素晴らしい曲です。それとサイケデリックな雰囲気が入っているけどやっぱりどこか物寂しさの漂う「No Return」も時代を感じさせる佳作。そんでもって軽いラグタイムな雰囲気を醸し出してくれる「Harry Rag」なんてのも最高。いやぁ…書いてるとそんな感じで恐ろしく楽しめてしまうアルバムなんだよね。

 以降も「Tin Soldier Man」という変わった雰囲気を持ち込んだ曲から、イントロのハープシコード?から一転して始まる「Situation Vacant」、そして再度デイブの歌う「Love Me Till The Sun Shines」っつう傑作も入っているし、怠惰な雰囲気を醸し出す「Lazy Old Sun」も正に英国らしい、そして時代を感じさせる作品で、そうするともっと英国らしい空気を感じる「Afternoon Tea」が始まってしまって…、いやぁ、もう最高。素晴らしい。「Funny Face」にしても「End of The Season」にしても云うこと無しの作品なんだけど、なんだけど、なんだけど…、最後の最後にダメ押しの大傑作そして大名作でもある「Waterloo Sunset」があるんだなぁ。これ、ホントに素晴らしい曲でさ、何回聞いても涙するし、Waterlooの情景を思い浮かべてしまう素晴らしい曲。うん、いいことあるさ、きっと、と思えるもん。

 う〜ん、キンクスって聞かずキライの人多いと思うし、聞いてもちょっとだけだと全然わからない。だからこのアルバム「Something Else by the Kinks」を最初に聞くのをお薦めするね。ベスト盤とかだとちょっと違うんだよな。これか「Face to Face」か「The Village Green Preservation Society」だね。もう最高過ぎて何も言えないっす♪

The Kinks - Live At Kelvin Hall

ライヴ・アット・ケルヴィン・ホール  50年代に登場したロックンロールは当時10代だった英国の若者を刺激するには十分だったようで、併せて英国ツアーを行っていた往年のロックンローラー達を生で見れたりテレビで見たりという数少ない情報の中から自らもギターを持って何かをやろうという連中がたくさん出てきたのが1960年代。もちろんストーンズってのが筆頭になるんだろうけど、そこまでモロの影響下ではなくて独自性を持って出てきたのがフーとかキンクスとかで、ロックンロールの影響は感じられるものの、それを消化して自信の音楽センスを磨いてきた連中なのだ。ビートルズもそうだけどね。

 …てなことで、オリジナルアルバムではあまりロカビリー系統の影響を受けているようには思えない、あったとしてもせいぜいファーストアルバム程度で、どちらかと言うと個性的なソングライターとして確立してきていたキンクスの「Live at Kelvin Hall」に注目♪ 1967年4月1日グラスゴーにあるケルヴィンホールでのライブが記録されている作品なので、それまでに売れた曲なんかはもちろんいっぱい演奏されているんだけど、最後にさ、メドレー形式で「Milk Cow Blues - Batman Theme - Tired of Waiting - Milk Cow Blues」ってのが入ってて、これ以降もキンクスはライブではこういう感じでロックンロールと自分たちの曲とを混ぜ合わせたメドレーやひたすらロックンロールを繋げたものなんかもやっていて、それはそれは楽しそうにやっているものなんだな。シニカルなレイでもやっぱり好きで、いきなり始まることも多かったらしい。デイヴはどうなんだろう?やっぱり影響受けてたんだろうな。じゃなきゃ「You Really Got Me」でのあの歪んだ音は出てこないだろう(笑)。

 う〜ん、久々にコレ聴いたけど、昔は音が悪いライブアルバムベスト3に挙げられていたんだけど、リマスター盤CD聴いていると全然そんなことないね。このリマスター盤って面白くて、モノバージョンとステレオバージョンが1枚のCDに収められているという代物で一枚で二度美味しい…、いや、それはマニアだけだろう(笑)。でもね、やっぱりどっちが好みかと言われると、このアルバムの場合はモノバージョン。ステレオバージョンは楽器の分離は良いけど、歌がかなり引っ込んでしまった感じになってるからね、あと全体の空気感がやっぱりまだまだ分散しちゃってるから。モノバージョンはやっぱり音がど真ん中に集まってるだけあって凄い迫力。歌も一番前面に出てくるし、いかにも60年代のライブアルバムって感じのやらせありの作り方が好き(笑)。しかしまぁ、総じてものバージョンの方が歓声とかMCとか短めに編集されていたりして面白いね。

 実際にこの頃のキンクスってのはこんなライブだったのかと言われると結構疑問だよなぁ。もっとデイブとかアドリブかましまくって弾いていたような気もするんだよね。このアルバムって歌モノ中心だからそういうのがあんまり出ていなくてさ、だから最後のロックンロールメドレーが多分ライブに於けるキンクスの一番それらしい姿なんだと思う。レイの作る曲の完成度は既に認知されていたワケだから、それ以上にライブで求められるのはこういうトコだったんだろうね。ま、デイブの出番っつうのはよくわかる(笑)。この頃のキンクスのライブ盤発掘してリリースされないかなぁ…。滅茶苦茶熱くてかっこいいんだよ。ストーンズと比べてもヒケを取らないもんな。

The Kinks - The Village Green Preservation Society

ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ+13  英国の田園風景を見事に描写したバンドは意外と多くあるものだが、The Kinksの「Village Green Preservation Society」ほどそれを見事に表したアルバムはそうそう見つからないだろう。The Whoのピート・タウンジェンドと比較されることが多いが、ピートは自身でも初期のThe WhoがThe Kinksに影響を受けていることを公言しているし、一方レイ・デイヴィスはピートを優れたソングライターとして認めてはいるが、決してThe Whoの影響を受けているというワケではない。ま、もちろんそうなんだけどさ。それとこのアルバムでよく言われるのはThe Whoの「Tommy」がロックオペラ最初の作品だとされるが、実はキンクスの本作の方が先に制作に入っていたとか云々。別に誰も気にしてないんだけどな、そんなこと。アルバムそのものの出来映えはどちらも素晴らしいものであって、どっちがどうなんてのは今更ど〜でも良いでしょ。好みなんだしね。唐突に文句ばっかり書いてしまったんだけど、要するにこの作品はキンクスにしか出せない素晴らしい音楽を詰め込んだ最高傑作だ、ってこと。

 デビュー時からオリジナリティを発揮していて、ここに辿り着くまでにかなりのヒット曲を連発し、今でも語り継がれるほどの名曲も多数持っているThe Kinksが辿り着いた先は「英国らしさ」=飾らない音楽→シニカルな視線でのロックテイスト、みたいな方向だったみたいなんだな。ま、それは歌詞に表れているので、レイ・デイヴィスのシニカルな視点の才能はあらゆる人に認められているみたいで、多分そういうことなんだろう。何でまたそんな他人事で書いたかと言うとね、それよりもサウンドが良いんだよ。ロックっていうのもあるけど音楽が本当に良くって、英国的だしポップだし、でもロックだし喜劇的でもあるし確かにストーリー仕立てになっていてもおかしくない万華鏡のような煌びやかな光を放っている色褪せない音が満載♪別にハードロックやヘヴィメタやパンクやプログレが好きとかキライとかあっても良いけど、こいつは聴いておいて絶対に損しないし、わからなきゃ英国ロックっていう深さにはまだ辿り着けてないってコトだと断言しちゃうもん。自分自身最初は全然ピンとこなくて「軽い音だなぁ〜」ってくらいにしか聴かなかったしさ。ところが、造詣が深くなればなるほどこのバンドの真髄がわかってくるし、この作品の良さもわかってくる、ハズ。

 アルバムとしてこれまたマニアの喜びそうなくらい多数のバージョンが存在しているので大変(笑)今入手できるCDはちょっと前にリリースされた3枚組デラックスエディションが一番お得で名作回収アルバム「The Great Lost Kinks Album」に収録の曲も多数入っている。「Village Green Preservation Society」はもともと12曲入りのバージョンでリリースされたらしいけど、即座に回収されて15曲入りバージョンの今普通に聴ける曲順のものが標準となったという経緯もあったんだけど、このデラックスエディションには15曲入りのバージョンのモノラルテイク、ステレオテイクが収録されてる。で、その前にリリースされたいわゆるデジタルリマスターシリーズの一枚物では15曲入りのモノラルバージョンに12曲入りのステレオバージョンがまとめて収められていたりして、何かとややこしい(笑)。つまりこの二種類は入手できるウチに入手しておくべし、ってことだね。この辺語ると色々あるんでキリがないんだけどさ(笑)。そんなんよりもやっぱ楽曲の良さに耳を傾けるべし。ホントどの曲も最高としか言えないんだけど、中でも特に「Village Green」が大好き♪胸がキュンッてする曲の良さだよね。あ〜、いいなぁ〜こういうの凄いよ。レイ・デイヴィスって人は絶対に英国シンガーソングライターの中ではダントツの人だと思ってるもん。ポール・マッカートニーよりも全然凄いしさ。ま、少数派だろうから勝手にほざいておくけどね(笑)。

The Kinks - Arthur or The Decline And Fall of The British Empire

アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡+10  CD屋さんを覗いて何を見るワケでもなく新譜コーナーではあれが出るのかこれが出るのか…、そしてまだやってたんだこの人ってのもあったりネットで探す情報とは全く角度の違う見た目で多数の情報が収集できる楽しさってのはあるんだが、中古のコーナーも一巡りすると同じようなときめきを得られる。でも最近の傾向としてはとにかくCDって山のようにありすぎる、ってことだ。同じタイトルでももう何回もリリースされてるじゃない?リマスターから始まって紙ジャケ、SHM-CDとかSACDやDVD-AUDIOなどなどと出る作品は決まっているからそんなのはとにかく何を手に入れて良いのか分からないくらいに同じモンがいっぱいある。そんで、CDの価値がどんどん下がっていてさ、数百円でこんなの買えるんかい?ってのもいっぱいあるから今からロックに目覚めた若者などは経済的には全然ラクに色々聴けるだろうな、とある意味羨ましい。まぁ、どれを選ぶのが適当なのかがわかりにくいってのはあるだろうが(笑)。

 さて、キンクスについても同じく山のようにCDがあって、もちろんそれなりに無くなっているから売れているんだろうけど、紙ジャケも何回も出たりしてるんだ…とあれこれ見ていて持ってるくせに欲しくなるという有様(笑)。いやいや、手を出してはいけません、持ってるんだから、と言い聞かせて楽しむに留まるが…、CDコレクションってのは家にあるよりも店で見る方が多いかもしれない。家のCDって全部見直すことないもん(笑)。そんな中で妙〜に聴きたくなったのがこの「アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」。昔は日本語タイトルが長すぎてよくわからないバンドだなぁ〜なんて思ってたけど、とにかく名盤ですよ、今なら声を大にして言えるくらい聴いてるから(笑)。

 アナログ時代からキンクスは集めて聴いていて、その時はモノラル盤の再発を持っててさ、まぁ、この時代=1969年だからまだモノラルってもおかしくないか、ってくらいしか意識しなくて聴いてたので、それが刷り込まれていたんだよね。そこへCDリマスターによる洗礼を受けて全部入手して聴いているとさ、思い切りステレオでして…、冒頭の「Victoria」のギターイントロが左右から入ってくるってので驚いたもん。当たり前なんだけどさ、話として知っていたステレオ盤と実際に耳にするのでは大きく違うってことです。モノステの違いにハマる前に聴きたいアルバムが多かったから何枚も同じの買わなかったしさ。そういう意味では、まぁ、同じアルバムでも二度三度楽しめるのかもしれないが(笑)。

 え〜っと、作品自体はとにかく名盤。名盤ってもわかんないから簡単に…、名曲が揃ってるってことです(笑)。いや、え〜っと…、この頃の英国ではレッド・ツェッペリンも出てきて思い切りブルースなハードロックが台頭してきて70年代のフリーインプロヴィゼーションの熱いロックの時代に入るにも拘わらずキンクスのこの「アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」ってのは全く英国的な情景を見させてくれる作品で、慣れるとどの曲も自然に口ずさんでしまうくらいのポップさを持った大英帝国の証とも言えるアルバム。かと言ってロック的ではないかというとそうでもなくって、「Victoria」や「Brainwashed」なんていうかっちょ良いロックナンバーも揃っている。一方では「マリーナ王女の帽子のような」とか「シャングリ・ラ」や「ドライヴィン」「ミスター・チャーチル・トゥ・セイ」みたいな涙モノの聴かせる名曲もあるワケで、じゃあ他は?って言うと英国ロックです、単に。名曲とまでは言わないけど、どう聴いてもしっとりと来る曲ばかり。10回聴いてこのアルバムの良さがわからなかったらキンクスとは縁がなかったと思った方が良いかもね(笑)。数回では絶対わからないけどさ。しかしまぁ、デイヴ・デイヴィスのギターセンスが全開している作品でもある。細かいけど味のあるギター弾いててさ、「Nothing To Say」とか「Arthur」とかのオブリギターが凄いもん。

 今じゃボーナストラックが10曲も入ってて…、もっともずっと追いかけているファンに取ってみれば凄くレアなテイクばかりを収録しているので嬉しい悲鳴でしたねぇ…。そのおかげで全部買い直したんだけど、ここまで出てくれると以降の紙ジャケとかはアイテム的に買うことはあっても聴くのはやっぱ最初のリマスターCDが多い。そういえばこないだ5枚組のボックス「Picture Book」もリリースされたな…。これもまたいっぱい入ってたな…。

The Kinks - The Great Lost Kinks Album

 1973年になり突如としてリリースされたThe Kinksの編集盤「The Great Lost Kinks Album」だが40年以上経過した現在まで、この時に発売した初回プレス以降オフィシャルではリリースされていない。いわゆるアラン・クラインの悪行である版権問題のためにリリースできない編集アルバムってことで知られていて、冒頭の「Till Death Do Us Part」は未だCD未収録曲で孤高の存在になっている。ちょいと前に編集盤ボックスセット「ピクチャー・ブック」ってのが出る時に期待されたんだけど、全部は入らなかったし、「ヴィレッジ・グリーン・プリザベイション・ソサエティ」のデラックス・エディション盤に断片がいくつも入ったけど、こいつだけは収録されなかったという…BBCのテレビドラマの主題歌という位置付けでの絡みもあるのだろうか、よくわからん。いずれにせよ様々な曰く付きアルバムなことからCD化されることもなく、それでいて収録されているのはパイ時代のアウトテイクやシングル曲や貴重な楽曲群などなどで、知らずに聴いても普通に良いアルバムだなと思えてしまうクォリティなのも素晴らしい。

 当時キンクスはRCAに移っていて暗黒のマニア時代を築き上げている頃なのだが、一方ではこういうパイ時代の名曲とも思える楽曲をまとめた編集盤が出ることで表舞台にも顔を出せていたんじゃないだろうか、なんて空想。ホントにこの人達の美しきメロディと楽曲の素晴らしさは他に類を見ない。ビートルズよりも優れている、と思ってるし今でも枯渇してないこのセンスはホント凄い。どの曲をいつ聴いてもレイ・デイヴィスだな、キンクスだなってのあるし、なんでこんなにいつも心に染み入るのか不思議なくらい染み入る。こんな素晴らしい編集盤をお蔵入りにしとくのは勿体無いよなぁ、もちろん他の普通のアルバムとか編集盤でも同じような感動を味わえるからいいけどさ、やっぱり思い入れのあるアルバムなんでね。昔必死にレコード探してる時にこれはよく見かけるんだよ、もちろん割とプレミアな価格で。大抵の店には飾ってあったし、そういう意味では珍しくはなかった。ただ、ジャケットが汚くてさ、アメリカ発のアルバムだからだろうけどカット盤とかも多かったし、黒いジャケだからレコードの跡が出て来ちゃってるのも多くてね。結局どこかの誰かがリリースした完全レプリカレコードってのを新品状態で買ったかな…ま、アレだが部屋でも飾れて嬉しかったもん(笑)。

The Kinks - Muswell Hillbillies

マスウェル・ヒルビリーズ+13<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)  へぇ、キンクスの1971年の「マスウェル・ヒルビリーズ」って作品がデラックス・エディションでリリースされるんだ…ってのを知ったのは割と最近…ってか全然知らなかった。キンクスはかなり好きなバンドの部類に入るのだが、初期のアルバムなどはもう何回も何回も手を替え品を替えでリリースされまくりボーナストラックがどうのとかモノラル・ステレオバージョンとか米英盤云々とかシングルが…とか凄いワケ。60年代のバンドってのはどうしてもそういうマテリアルがたくさんあるからやれば何でも出来ちゃうんだろうけど、そんなに着いて行くファンって多くないんじゃないかな。大多数は音楽が気に入って聴いているワケだからそりゃ色々聴ければ良いだろうけど、全部である必要のない人の方が多い…人ってよりそこまで追いかけるバンドが多くはないってことだ。それも昔みたいに時間を開けてリリースされるならともかく、今はもう大人買いターゲットだしさ、纏めて出るから集めている人は大変だろうと。まぁ、たかが知れた金額かもしれないけどさ。

 愚痴はともかくキンクスの1971年のアメリカンカントリー・ブルーグラス風味に仕上げた痛烈な社会風刺は相変わらずな傑作「マスウェル・ヒルビリーズ」。キンクスの面白さに気づく前まではこのアルバムもかったるい作品の一つでしかなかったんだけど、良さが分かってからはRCA時代ってのは結構好きでして…、その最初の作品が「マスウェル・ヒルビリーズ」なんだがどうにもやってることはカントリーチックなくせに凄くキンクスらしいという不思議が良くてハマる。元々40年代のボードヴィルな世界が好きなレイ・デイヴィスなのでそのヘンを持ち込んでカントリータッチにしつつ軽快に皮肉って多才ぶりを発揮してる。結果、どの曲も世界に名だたる名曲にはならないが駄作のない佳曲揃いの傑作に仕上がっているさすがの一枚。アルバムジャケットから雰囲気、ロゴのカッコ良さなど何処をとっても古臭いんだが、やっぱり大道芸人歴50年を誇る人の才能は違う。

 しかし久々に聴いたんだが、どれもこれも口づさめるってのは…?ハマって聴いてたからその時に覚えちゃってるんだろうけど、それにしても…、いや、面白いアルバムです。ホント、名盤とかってんじゃなくて良いアルバム。キンクスの面白さってのは人に伝えようと思わないもん。何かわかる人だけ分かって聴いている方が絶対楽しめるし、この面白さってわかんない人は絶対わかんないからさ。キンクス分かる女の子なんて最高だね(笑)。いや、話逸れたけど、コレをダサいとか軽いとかつまんないと言って外しちゃうの、どうぞどうぞ…って。自分は楽しみますね(ムフフ…)♪

The Kinks - Everybody's In Show-Biz

この世はすべてショー・ビジネス +2  1972年のリリースなんだけど既にキャリア8年目ということでアルバムにして12作目となる、この時点でもうベテランの領域に入っていたザ・キンクス。ストーンズみたいにそれなりのステータスで売れていればそんなにたくさんアルバム創らなくてもよかったのかもしれないけど、そこはひねくれ者のレイ・デイヴィス、売れるヒーローになることよりもどんどんとニッチな世界を突き詰めていくことにしたようで、おかげでニッチなファンが一杯付いてしまったというのも思惑通りか、うん、キンクスって凄く魅力的で良いよね。

 「この世はすべてショー・ビジネス」っつう邦題が付いているんだけど原題は「Everybdy's In Show-Biz」。まぁ、いいか。レコード時代にはこれもまた二枚組になっていて、一枚目がスタジオ盤、二枚目はそれこそ1972年のライブツアーからのライブ盤という変則な作品で、多分RCAに移籍したからパイ時代の曲を出したいという目的があったんだろうなと容易に想像が付く代物(笑)。もちろん重役共の思惑でしょ、多分。ま、それでもアルバム的には全然悪くないのでOKっす。

 初っ端の「Here Come Yet...」からゴキゲンな、というか緩いというか、キンクスらしい軽い感じのロールが始まって決して同時期のストーンズあたりにもヒケを取らないアメリカナイズの部分と英国ならではのこだわり、そんなサウンドが最初からね、きたきた〜って感じ。こういう気取らない所が良いねぇ。次はマイナーな曲だけど、レイらしくまとまってて可愛らしくて良いのだ。「Unreal Reality」なんつうヒネたタイトルもまた良くってね、これもドタバタって行くんだけどもうそういうもんよ、いいねぇ〜。次は「Hot Potatos」なんつう脳天気なコーラスが印象的な爽やかな曲もこれまた素晴らしい…、あぁ、やっぱり英国の、というかレイ・デイヴィスのこういう天才的才能があればロックだ〜と粋がることなく素直にロックを奏でられるものなのだなぁ…。そしてA面ラストの本作の最高傑作のひとつでもある素晴らしくもモノ哀しくそして美しいバラード曲「Sitting In My Hotel」。これほどに美しい曲と言うモノはそうそう存在しないのではないか?それくらいに素晴らしい名曲。聴いてみてほしいねぇ…。

 さてさて、B面では一転して「Motorway」というカントリータッチな作品が最初に配置されているけど、とは言ってもこういうのってアメリカのミュージシャンが実際にやっているかと言うとなかなか挙げられない…、やっぱ独自解釈なんだろうな。「You Don't Know My Name」も可愛らしい曲でねぇ、やっぱアメリカ的なんだけどレイ風。うん、このアルバムはそんなんばっかかもしれん(笑)。で、一応シングルにもなった「Supersonic Rocketship」っつうのはカリプソ風というのかな、そんな流れが次の「Look A Little...」にも繋がってるね。うん、コンセプトアルバムっつうよりもほのぼの軽快なアルバム、だな。いいなぁ、この季節にピッタリだもん。そしてB面ラストの超名曲「Celluloid Heroes」。これ聴いたことない人いたらもったいないよ、ホントに。良い曲だよな、マジに。夢があってねぇ、こういうハリウッドを題材にした作品って名曲が多いけど、これはもう最高。この曲のためだけにアルバム買ってもいいくらいだろうね。素晴らしい…。

 ここまででスタジオ盤は終わるんだけどものすごく軽快で聴きやすいアルバム。別にロックだとかなんだとか意気込む必要もなくって、そのままにキンクスを聴ける作品かな。前作「マスウェル・ヒルビリーズ」での作風から更に垢抜けた感じで実に良い。素晴らしい、とか良い、としか言えない自分が情けないが(笑)、とにかく名盤。絶賛です。

 以降のライブ面は逆にスタジオ盤とは大きく異なっていて、え?これがあの大人しいポップバンドのキンクス?っていうくらいにハードでロックンロールしているんだよね。アドリブもバリバリだし、ステージングの上手さも凄いしさ。途中途中の「Banana Boat Song」っつう40年代風のキャバレーソングが好きでねぇ…、こういうのって誰の作品がいいんだろ?探し方がわからないからキンクスのこういうので楽しんでるんだけど、面白いよね。うん、もうライブもスタジオ盤も最高、これ。

The Kinks - Preservation Act 1

Preservation Act 1  1995年5月11日…自分は渋谷公会堂にいたんだな。The Kinksの来日公演の何日目かで、バンドの仲間と見に行ったのだ。The Kinksの最後の来日公演になってしまったんだけど、そんな風には全然思えるはずもないくらいにアグレッシブでかっこ良く、エネルギッシュでR&Rな、そしてアットホームでもあった素晴らしいライブだった。ロックバンドってのはこうあるべきだよな、しかも名曲揃いでさ、なんて自分がThe Kinksを知ってて良かったって思った一幕でもあったし、誇らしく思えたもん。曲はホントにアチコチの時代からやってくれて、楽しかった~。

 そんなThe Kinksの全然名盤として取り上げられることはないけど実はかなり良い曲ばかりが収められている素晴らしいアルバム「Preservation Act 1」。一般のロック本とか見るとRCA時代のこの「Preservation Act 1」「Preservation Act 2」はマニアの領域の世界で云々とあるのだが、ちょっと違うんじゃないの?って。「Preservation Act 2」は確かにマニアックなリスナーしか選ばない劇場チックではあるけど、「Preservation Act 1」は普通にアルバムとして聴いてみても全然素晴らしい曲ばかり入っている作品だよ。全然マニアックじゃないし、もちろん歌詞と世界観を追いかけてマニアックに聴いても対応できるアルバムだけどさ、自分なんぞはそれほど歌詞とかに重きを置かないので、普通にアルバムとして、音として聴いてるだけで感動できるアルバムだもん。

 最近のCD盤では冒頭にシングル曲の「Preservation」が入っているのでそこから始まってもまるで問題ないし、とにかく名曲のオンパレードで「Sweet Lady Genevieve」でアルバムA面の最高潮に達する。いきなり、です(笑)。だって、これホントに名曲だしさ、こんなにほのぼのしてほんわかできて感動できる曲ってそうそうないよ。同じような意味合いでは「Sitting In The Midday Sun」もなんだけどさ、これはB面のピーク。The Kinksの名曲が…しかも前時代を通しての名曲と呼ばれる曲が2曲も入っていて名盤でないハズがない。ホントに涙するもんねぇ、このヘンの曲は。難しいこと考えないで聴いてみればわかるこの心地良さ。

 そんな曲の存在を浮き立たせるかのようなR&Rソングやキャバレーソング、劇場チックなナンバーもあれば超高音の歌声が特徴なデイブ・デイヴィスの歌うシーンがこれまたThe Kinksらしい兄弟コーラス。この世界の楽しさがわかってくるとThe KinksのRCA時代が凄い代物だったということに気づくのだ。今の季節にはぴったりの小春日和の雰囲気を楽しめる一枚なので、何も考えずにポカポカとした陽の下で眼を閉じてThe Kinksの「Preservation Act 1」の世界に浸ってみるのも良いんじゃない♪

The Kinks - Misfits

ミスフィッツ+4(K2HD/紙ジャケット仕様)  頭の中で鳴り出して止まらなかったのでCDを探し出してどうしても聴きたくなったのがキンクスの「ロックンロール・ファンタジー」だ。アルバム「ミスフィッツ」で初めて発表されて、以降しょっちゅうライブで演奏していたので知ってる人は知ってる名曲なんだけど、1978年のリリースだったしレーベルもアリスタに移籍したばかりってのもあってなかなか取り上げられないねぇ。もちろん誰でもがいいって言うほどの名盤じゃないけど、歌詞にしたってレイのひねくれ加減はたっぷり表現されているし、その他の曲も結構かっこいいシンプルなロックをやってるのでコンパクトで良いんだけどね。

 おまけのボーナストラックにはこれも名曲「ファーザー・クリスマス」なんていう幻のシングル曲まで入っているんだからお得。初期キンクスは結構あちこちで人気もあって色々書かれてるのでもちろんお薦めなんだけど、後期キンクスも結構かっこいいんだな、これが。「ワン・フォー・ザ・ロード」なんてもう超かっこいいアリスタ時代のライブだし、アメリカでは絶頂期でライブ盤がDVDでもリリースされてるので見てみる価値有りの熱いキンクスを見れるのも嬉しい。

British Beat Classics Vol.1 - Compilation

 黒人音楽と英国少年の出会いっつうのは結構面白くて、まぁ、バンドではカバー曲から始めるんだが才能あるミュージシャン達は大人になってもステージでバンバンとカバー曲をやったりしていてやっぱり好きなんだなぁというのがよくわかる。それはもちろんビートルズにも当てはまるしストーンズにも当てはまるんだけど、結局みんな同じなんだな、と妙に安心(笑)。そんなコンセプトでのCDがいくつも出ていて、ルーツを追いかけるロック少年にしてみるとイチイチレコードとかを探さないでもまとめて聴けるというコレクターには決してなれない利便性を持ったCDがあって聴くには便利。まぁ、その方がよいんだろうなと。かくいう自分もさすがにこの辺はそんな纏まったCDで手軽に聴いて納得しているのだ。

 まずはモッズの話もあったのでザ・フーやキンクスのカバーした曲をまとめて一枚にしたCD「ブリティッシュ・ビート・クラシックス」から。アマゾンにも画像はないしネットで探しても見当たらないので自分でアップしたという…。珍しいよね、そこまでネットで見つからないCDのジャケットってのもあんまりないのでよほど売れなかったのか企画外れだったのか…。結構面白いんだが。

Long Tall Sally / Little Richard
Beautiful Delilah / Chuck Berry
I'm A Loves Not A Fighter / Lazy Lester
Cadillac / Bo Diddley
Too Much Monkey Business / Chuck Berry
I Got Love If You Want It / Slim Harpo
Louie Louie / The Kingsmen
Naggin' / Jimmy Anderson
Dancing In The Street / Martha Reeves & The Vandellas
Milk Cow Blues / Sleepy John Estes
Batman Theme / The Marketts
Please Please Please / Ike & Tina Turner
I'm A Man / Bo Diddley
Buckett / Jan & Dean
Barbara Ann / The Regents
Heat Wave / Martha Reeves & The Vandellas
Summertime Blues / Eddie Cochran
Shakin' All Over / Johnny Kidd & The Pirates
Bonny Morone / Larry Williams
Baby Don't Do It / The 5 Royales
Road Runner / Bo Diddley
Twist & Shout / The Isley Brothers
Anytime You Want Me / Garnet Mimms

 ロックンロールってのは影響力あったんだよ、やっぱり。こういうの聴くとやっぱ英国ロック小僧達は単なるモノマネだったってことに改めて気付くもん(笑)。しかしみんな良いセンスしている。前半はキンクスがカバーした曲。後半はザ・フーがカバーした曲。でも面白いのは例えば「I Got Love If You Want It / Slim Harpo」なんてのはザ・フーの前身バンドでの「I'm the Face」と全く同じだし、似たような所から影響受けているってことだ。黒人音楽も白人ロックンロールも同居しているけど、どれも曲を知っているから原曲がかっこよく聞こえるし、発見は多い。これが、あれが、そんなアレンジになるのか、とか、そのままじゃねぇか、とか、原曲の方が圧倒的に良いじゃないか、とか。ルーツを漁るって面白いんだよな。だから色々な音楽に広がるんだけど、こういうのって素直に楽しめる。

 ただ、まぁ、聴いているとだんだん強烈なロックバージョンを聴きたくなってくるワケで、結局ザ・フーとかキンクスとかストーンズとか聴いてしまうんだけどさ(笑)。

Ray Davies - Other People's Lives

Other People's Lives (Reis)  2006年2月22日にキンクスのフロントマンであるレイ・デイヴィス新作が国内盤でリリースされたので早速アマゾンチェックしてゲット♪

 昔に比べればインターネットなどで事前情報が掴みやすくなっているにもかかわらず、ほとんどと言って良いくらい情報が流れていなくて、まぁ、そのまま買って聴けばいいんだけどさ。最近のネット事情は検索エンジン使っても宣伝サイトとかショップサイトしか出てこなくて、昔みたいにファンサイトがズラリと並ばないので全く情報が遅い。みんなアマゾンの成り代わりやってるだけでまともに自分で情報入れて展開しているところが無さ過ぎるのでつまらん状況になってる。やっぱネットってのはオタクな連中が仲間内で情報公開するだけになっているような気がするんだよな。何処にも属すのが好きじゃない自分としては独自で情報収集するしかないんのでちょっと大変。ま、いいか。良い音楽に出会えればね♪

 んなことで、1998年の「ストーリーテラー」アルバムから7年、それまで何度かウワサに上がったスタジオアルバムがようやく「Other People's Lives」として陽の目を見たので聴いてみると、やっぱりレイ・デイヴィスの音楽的才能は全く衰えることを知らない真の天才とも呼べるサウンドクリエイターだということが証明された作品。どの曲もどの時代に書かれていても全く違和感なく聴けてしまうであろう作風で、レイ節が炸裂しまくってる。さすがにハードなロックナンバーってのは姿を消しているんだけど、その分独白を聴かせる作風が多く、アレンジ面ではさすがに新しい手法を用いているのでやっぱ2006年のアルバムって感じではあるけど、基本的にアコギと歌さえあれば成り立ってしまう人だからあくまでもアレンジっていう隠し味のレベルかな。それにしても面白い。骨格的にはどこを切ってもレイ・デイヴィスなんだけど、楽曲はかなりバラエティに富んだアルバムで何となく、何となくのイメージなんだけど1980年代後期のロンドン時代を彷彿とさせるパターンと、60年代の名曲群「Waterloo Sunset」に代表されるサウンドに近い印象の哀しくも美しく、正にレイって印象のサウンド、それから前作「ストーリーテラー」から続くレイ風な作品に分けられるかな。ま、アレコレ書いてもしょうがないんだけど(笑)、多分コレ、50回くらいは聴けるな。久々に良いものに出会えたっていう直感があるし♪

 んなことでキンクスから離れたレイ・デイヴィスなんだけど、ホントに離れたのかな?昨年はロンドンのロイヤルアルバートホールでライブをやったらしくて、しかも自分のバンドを従えてやっているって言うんだから、ならキンクスでやってくれれば良いのにな〜とか思うんだけど。1995年に来日した時にはクラブチッタ川崎で目の前でキンクスを見て、ザ・ニュースのお姉さん達と仲良くなって、ステージの裏で待ってたらボブ・ヘンリットのスティックもらったりして楽しかったな。その年の12月には確かレイがソロで来日して今度は渋谷のちっちゃなホールで5メートルくらいの距離でレイを見て盛り上がってた。大物バンドの大がかりなステージも良いけど、やっぱ小さなハコで親しみを持って接触するライブの方が好きだな。ジョー・ストラマーの時もそういうので見たから凄く想いが伝わってきたしね。レイはまたどこかで見たいな。

Ray Davies - Working Man's Cafe

Working Man's Cafe  還暦超えてもなお健在のロックンローラー、というか世紀のシンガーソングライターと言えばいいのかな、キンクスのフロントマン、レイ・デイヴィスが先月末にひっそりと新作をリリースしていたのだ。自分的には全然知らなくて、あれ?新作なんて出たの?こないだ出したばっかじゃん?とか思ってたんだけどさ(笑)。

 この前の作品「アザー・ピープルズ・ライヴズ」が昨年の2月だから二年も経ってないウチにリリースされた新作「Working Man's Cafe」で、いやぁ、充実してるのかな。相変わらずのレイらしいメロディと哀愁漂う曲が満載された「Working Man's Cafe」は昔のキンクスとはやっぱり違うけれど、レイ・デイヴィスというソングライターの枯れない才能をたっぷりと楽しめることに間違いのない傑作。売れないとは思うけど(笑)、なんで売れないのか不思議なくらいに素晴らしい曲が詰め込まれていてさぁ、どの曲もクォリティが高いのでアルバム的には突出するような曲が見つからないんだけど、もうねぇ、往年のファンになってくるとこの歌声とメロディだけで涙もんです。今回はアメリカでレコーディングされた音らしいんだけど、出てくる音はそんなことお構いなしに英国然とした湿っぽさをしっかりとパックしたレイならではの音。

 驚くことに日本盤もリリースされるんだ?しかもなぜかアナログ盤までリリースされるようで…、しかしこれアナログで聴いたら一体いつの時代に出した作品なんだ?と不思議になることは必至だな。キンクスに手を出したことのない人も多いと思うけど、もちろんレイ・デイヴィスのソロなんて聴く人、更に少ないはず。だけど、絶対に良い、って思える音だからお薦めなんだけどねぇ。いや、ロックらしいとかっつうかこういう音がわからないと英国の良さってわかんないよ、って思う。まぁ、少々アダルトな感覚もするけどさ。いいなぁ、また小さいハコでいいから来日してくれないかねぇ。

Ray Davies - The Kinks Choral Collection

Kinks Choral Collection  一気に時代を飛ばしてついこないだリリースされたばかりのキンクスのフロントマン=キンクスそのもの、のレイ・デイヴィスのソロアルバム…と言うか企画盤「The Kinks Choral Collection」が気になったので…。キンクスってのは英国ロック好きにはやっぱりハマり込む所以が多いワケでして、避けられないっつうか、思い切りハメり込んでしまうバンドなんだな。そんで、レイ・デイヴィスのソロ作品にしたって、結局キンクスで聴けたあの何とも言えない心に来るメロディってのは全然変わらない芸風なので全く同義語として機能するんですよ。だからこないだの新作「Working Man's Cafe」ももう相当の名盤。天職の芸風ですね、こうなると。

 さてさて、そんなレイ・デイヴィスの新作「The Kinks Choral Collection」はタイトル通りにキンクス時代の…、それも初期のパイ時代の名曲ばかりにスポットを当てているけど、そのセルフカバーアルバム。っつうかライブなのかな?BBCで企画されたものらしくて、65人のコーラス聖歌隊がバックの大部分を奏でながらレイ・デイヴィスが歌うという壮大な代物。はて、これはどんなもんだろうか?と気になったので早速聴いてみるワケだ。

 …そう来たか…(笑)。正にそのもの、でして、コーラス聖歌隊の渦に囲まれるレイの歌、しかし楽曲のメロディの良さは全く変わらず名曲は名曲なんだな、と様々なアレンジを聴いてみて思う。まぁ、バラード的、というかしっとりした曲調のものはそれなりの雰囲気を聖歌隊が盛り上げてくれるんだけど、ロック的な曲は全く面白いアレンジが施されている。ともすればクイーンのコーラスワーク…ってか「ボヘミアン・ラプソディ」のオペラパートみたいなのを思い出してしまってさ、それがまた「You Really Got Me」なんかで思うんだから面白い。そんなアレンジあり?ってのも大きいけど、もう45年くらい歌われているんだから今更アレンジ施して何やったっていいだろ、ってのもある(笑)。

 しっかりとソロでも新たな領域を広げて、更にこうしてキンクスの歴史を再構築するかのような活動ってのはやっぱり再結成に向けて人々の意識を向けているのもあるのかな。今更老いぼれが集まってやったところで、ってのもあるがキンクスの楽曲だったらある意味では英国トラッドと同じような位置付けで聴けるからロック的なパフォーマンスではなく、再演ってな感じで十分に面白いでしょ。

 そうそう、この「The Kinks Choral Collection」のジャケットなんだけど、どこかで見たような作風…と思ったらウィリアム・ブレイクの作品らしい。なるほど…、こないだ映画「レッド・ドラゴン」を見ていたから同じような印象の絵だってことに思い当たったんだな…。何故にコレを採用したのかわからんけど多分意味あるんだと思う。しかし、コーラス聖歌隊に囲まれたキンクス名曲の数々…、やっぱ名曲ばかりだなぁ…。

Ray Davies - See My Friends

See My Friends  正に英国人でしかあり得ないという代名詞でもあるレイ・ディヴィスの声とサウンド。それでいて今でも元祖HR/HMのリフを創り上げたバンド、The Kinksのフロントマンなのだ。そんなレイ・ディヴィスももう70歳近く?なハズだが、全く衰えない創作意欲とセンスにはホントに脱帽。ここのところはThe Kinksの昔の名曲群をオーケストラと再演した「ザ・キンクス・コーラル・コレクション」でまたしても世間を賑わせたりしていたが、昨年の「R&R Hall of Fame」ではメタリカと共演して「You Really Got Me」を歌っていて滅茶苦茶驚いた。あの時はメタリカが多数のゲストを招いて歌わせるというメタリカ中心のショウだったけど、今度はレイ・ディヴィス自らがトリビュートされるアルバムに自身も全てに参加しているというユニークな試み。おかげでオリジナルの心地良さも聴くことが出来ながらもゲスト陣の歌やアレンジも楽しめるという美味しいところ取り、ってとこか。  正にリリースされたばかりの新作「See My Friends」です。もうね、嬉しいんですよ、レイ・ディヴィスの新作っつうかThe Kinksの名曲を聴くきっかけがある、っていうこと自体が。全部持ってるけど聴くきっかけって必要でさ。こういう作品聴くと全部オリジナル聴きたくなるのわかってるし(笑)。しかし豪華なゲスト陣ですね、これは。Bruce Springsteen、Metallica、Bon Jovi、Jackson Browne、その他新鋭…、いや、自分的に響くのはこの辺まででして、他はよく知らないから(笑)。

 ってもさ、最初からボスなワケで、原曲を思い出すになるほど、これはボスが歌うとハマるかもなぁ…なんて期待があってね。聴いたんだが…、なるほど、レイ・ディヴィスから始まってボスになり、2番は逆になり、サビは…、やっぱりレイ・ディヴィスは今でも高音域に強いので上を歌いながらボスは低い部分で歌っているということか。そりゃそれで迫力あるけどね。なので、結構◯なセッションでした。悪くない。でも、レイ・ディヴィスの歌の良さが際立ってしまった(笑)。ボスも哀愁あるのって似合うからな。そうかそうかと微笑んでいるとThe Kinksの超名曲「Celluloid Heroes」が…、ヲイ、これってBon Joviが歌うのか?冒頭はリッチー・サンボラのギター…、う~ん…、んで「Everybody's a dreamer…」ボン君よ、君が歌うと何故にこう全てが脳天気な声になっちゃうんだ?憂いとかってのはないんか?おぉ…途中でレイ・ディヴィスの歌が…、素晴らしい!やっぱこの声だ。そしてまたボン君…、う~ん、ダメだ(笑)。これはアカン。次はアーティスト知らないけど「Day」と超マイナーな「This Time Tomorrow」をくっつけてるのか、なかなか面白い試みだ、これ。似たようなので「「All Day…」と「Destroyer」をくっつけたスマパンもそのままだけどなかなかよろしい。わかってる。しかしレイ・ディヴィスも「This Time Tomorrow」なんて覚えてなかっただろうなぁ。意外だったのはメタリカの「You Really Got Me」でさ、どこもメタリカらしさが出てない感じで…。それだけThe Kinksのバージョンが完成されてしまっているってことか・ま、基本Van Halenのも変わってないからな。あ、でも裏から入ってるかっこよさはある。しかしここでのメタリカはサウンドではなかなか個性が出せてないのはちと面白い発見。  なかなか書いているとキリがないんだが、そのまんまハマりすぎて何ら違和感がなかった…即ち出てくる必要もないんじゃないかってくらいだったのがジャクソン・ブラウンとのセッションいよる、これも超名曲の「Waterloo Sunset」。原曲の良さもそのままに見事なアコースティックバージョンで個性も出せてるしね。ちょっと起伏の無さが気になるけどさ。以降は…全然知らない方々とのセッションなのでどうなのか?と言われればかなり個性的であると云えるのが多い。だからと言ってそっちのアーティストを聴きたいかというもんでもないが…。

 「See My Friends」聴いてて思うのはやっぱりレイ・ディヴィスって天才だ。こんなに名曲ばかりでカバーされても全然損なわれないメロディラインの完成度、それよりもレイ・ディヴィスの声だからこそ通じるものも多いし。そんなトリビュートアルバムで、オリジナル盤を聴きたくなるのは当然ってもんで、もちろんチョコチョコとキンクスを聴いてたりします♪「Better Things」が入ってる「Give the People What They Want」なんてアルバム全編名盤なんですよ、アリスタ時代でもね♪

 しかし最後にクリッシー・ハインドとのジョイント曲「Postcard From London」とか入れてくれれば良かったのになぁ。また別の機会に何か入れるんだろうか?映像付きで是非!

Ray Davies - Return To Waterloo

Return to Waterloo: The Kinks  ミュージシャンによる映画界の進出、なかなか上手く行った事例もなくて同じアーティスティックな表現の場としてチャレンジするもののどうにも難しいようだ、って言うか、上手くいくとか成功するってのはどの次元での話なのかよくわからんから映画に出た、とかサントラ作ったとか映画作ったとかまではあるんだろうけど、歴史に残る作品だ、とか演技者として、監督としてかなりの評価を得たってなるのは難しいだろうってことだ。なんとか賞を取るとかさ、そういうミュージシャンはいないっつうことか。一方映画から音楽なんてのは簡単に流れてくるし、それなりに売れたりもするからやはり敷居が違うんだろうね。そんなことを今なら色々と見える部分あるけど、まぁ、単にアーティストとして音と映像をマッチさせた世界ってのは正に80年代から出てきたもの。いろいろあるけど、とりあえず流れ的に…。

 レイ・デイヴィス監督・脚本・出演による「Return to Waterloo」という一時間程度の映画…っつうのかな?イメージフィルムの延長みたいなもんか。そういうのではボウイが60年代の「The Image」ってマイムの無声映画出てたな…。しかしアーティストってのはアチコチで才能が開花することもあるのか、自分的にはこのレイ・デイヴィスの「Return to Waterloo」を最初に見た時は、自分的にはもう既にいくつもの映画を見たし、音楽も聞いてたし、PVとかいろいろ見てたけど、斬新な角度だったという印象。何度も見てないんだろうけど、しっかりと覚えているしインパクトも残ってる。何が?って…、セリフはほとんどなくってサントラ的にキンクスやレイ・デイヴィスのソロのロックがガンガン流れていって、映像も同じくスピーディに進んでいくんだけどその中で主役のサラリーマンの思考や不安、心の中みたいなのが見事に表されていて伝わってくるんだよね。レイ・デイヴィス本人はそのまま地下鉄で小銭を稼ぐミュージシャンとして出演していて、これがものすごいカリスマ感あるのに驚いたけど、話はもとより映像のスピード感とソリッド感がかっこよかった。更に一つの物語なんだけど、最初と最後が繋がっているという自分的には好きな展開のファンタジー…、ファンタジーだけどものすごく現実的で面白かった。

 音的にはキンクスのアルバム「Word of Mouth」が同時代の作品でいくつか収録されてるけど、今じゃちゃんとCD出てるし…自分はもちろんアナログで聴いてたが、ミックスっつうかカッティングっつうかが違っていてサントラの方がワイルドでシャープな音の質感だった気がする。実際どうなのか知らないけどそんな印象。それと入ってる曲もパンク的なロックだったりタイトル曲「Return to Waterloo」なんて全く泣ける曲だったり、映像と被るので余計に思い入れがある作品だね。こういうのをカルトムービーっつうんだろうなぁとか(笑)。刺激的な作品です♪

Dave Davies - The Album That Never Was

アルバム・ザット・ネヴァー・ワズ  60年代英国ロックのワルふざけ仲間というかやんちゃな連中っていうとジミヘン、キース・ムーン、ブライアン・ジョーンズ、別口ではロード・サッチなんてのもいたけど、実はその中にあまり知られていないんだが、デイヴ・デイヴィスってのも入ってたらしい。一緒にツルんでたりしたかどうかってのはよくわからないけど、そりゃまぁ、17際くらいでプロになっちゃって売れまくってたワケだからハメ外す人間になるわな、と。ヤクとかどうっていうよりも無茶苦茶やってたっていう事らしいが。そんなことであまり知られていないデイヴ・デイヴィス…、あぁ、ザ・キンクスのギタリストです。

 自身が意識的にアルバムをリリースしようと決めてリリースしたのソロアルバム「デイヴ・デイヴィス」は1980年の作品だが、60年代からザ・キンクスの人気の柱でもあったデイヴ・デイヴィスはレコード会社的にはソロで売りたかったアーティストらしく、いくつかのシングルをリリースされている。しかしデイヴ・デイヴィス的にはそんな面倒な事よりも遊びまくりギターを弾いている方が楽しかったらしく、全然相手にしなかったようだ。しかし何曲もデイヴ・デイヴィスが歌う曲がザ・キンクスのアルバムにも入っていたりデイヴ・デイヴィス自身が作ったナンバーももちろん多い。そんなのをまとめてデイヴ・デイヴィスの作品としてリリースされたのが「アルバム・ザット・ネヴァー・ワズ」という編集盤。

 まぁ、歌は甲高いだけだし、これと言ってもの凄いギターの腕前というワケでもないので非常に特色を感じにくい人なんだけど、その分楽曲のセンスが割と良かったりするのだ。それは兄貴のレイ・デイヴィス然りの環境の成せる業なのかもしれないが、どことなく憎めないメロディセンスの良さはさすが。1990年代終わり頃になって自身のソロバンドを率いてツアーを行ったアルバムが「Rock Bottom: Live at the Bottom Line」としてリリースされているんだけど、やっぱ60年代の頃のこのヘンの曲が多くて、それがまた盛り上がっているんだ。非常に地味でロック史の派手さには出てこないけど、その実結構重要な役割を担っていたザ・キンクスとデイヴ・デイヴィス…とは言い過ぎだが、たまにはこういうのも注目してみると英国の深みにハマれます。

 90年代終わり頃から割とコンスタントにソロ活動していて、今では息子と一緒にアルバムを作ってリリースしているとか。そういう楽しみ方ができるのもやはりプロ中のプロだからだろうか。果たしてどんな音なのかも楽しみなところ。