Black Cat Bones - Bared Wired Sandwich 1970

有刺鉄線サンドウィッチ(紙ジャケット仕様)  フォガットのメンバーとして名が知られているロッド・プライスの在籍していたバンドが英国ブルースロックB級バンド、Black Cat Bonesで、1970年にアルバム一枚をリリースしているが、このバンドはフリーのポール・コゾフとサイモン・カークが在籍していたと言うことで知られているらしいんだけど、その音源はもちろん出ていないみたいなので何とも言えないね。それでもその話が信じられるくらいのヘヴィーブルースロックサウンドを聴かせてくれる。

 まず、ジャケットが面白いよね。原題「Bared Wire Sandwich」邦題「有刺鉄線サンドウィッチ」ってことで、まあそのままの訳なんだけど、ジャケットもそのままのイメージで意味はよくわからん(笑)。中味はホントにヘヴィーなブルースロックで、ロッド・プライスのギターがかなりエグく鳴っている楽曲が多い。コレ、写真とか資料がなさすぎるんだけど多分レスポールのサウンドだろうなぁ。後のロッド・プライスのギターもそうだし、それよりもこんだけエグい音はそうそう出せないだろうしなぁ。でもこの人コゾフの後釜でギター弾いたんだろうか?流動的なメンバーだった可能性高いよな。しっかしどの曲でもこのえぐいブルースギターのサウンドが曲を割って入ってくるのがハマる人にはハマるサウンドだね。結構好きだな。楽曲のレベルやバンドとしての云々ってのはさすがにB級だし、ホンモノのブルースに近いワケでもなくって、この頃のフリー系のブルースサウンドだからいいね。「Please Tell Me Baby」のギターなんて音ホントに合ってるのか?ってくらい浮いてるもん(笑)。ま、どの曲もそれはあるんだけどさ(笑)。

 しかしこの時期のデッカ/デラム系はヘンなバンドいっぱい出してきたよなぁ。このバンドもデラム/ノヴァレーベルからのリリースで一時期は幻のアルバムとしてアナログレコードが超高騰価格になってたしね。

Black Widow - Sacrifice 1970

 60年代の英国ロックの文化にはもちろんサイケデリックカルチャーが蔓延していたけど、更にはいわゆる宗教っつうか信仰心っつうか、まぁ、ミハ・ババとかマハリシだとかそういうのまでもがどこか英雄視されていたものもあって、日本人的にはなかなか理解しにくい部分ではあったんだが、一方では後にジミー・ペイジにまつわる神話として有名な黒魔術というようなものも流行?していた。錬金術って言われたりね、なかなかこういう神秘的なものってのは興味をそそられるのでどんなもんかと思うモンだが、1970年に入る頃になるとそれらもひとつの音楽性というのかイメージ戦略として用いられるようになり、一番有名なのはヴァーティゴレーベルからキーフのジャケットでファーストアルバムをリリースした言うまでもないブラック・サバスだろうな。1970年2月13日の金曜日にリリースっつうくらいに徹底していたワケだし、その後もしっかりとイメージ戦略を守り続けた。

 そして同じことを考えていたのは何もヴァーティゴレーベルだけでなく、珍しくもCBSにもいたワケで、それがブラック・ウィドウと呼ばれるバンドなワケだ。どうしてもサバスのイメージが強く、黒魔術戦略のバンドは重々しいリフを中心としたハードロックと思われがちで、このバンドもジャケットはしっかりと妖しく黒魔術っぽいので実際に耳で聴くまではそういうイメージを持っていたのも事実。

 ところが、そのファーストアルバム「Sacrifice」を実際に聴いてみるとだな…、いやぁ、これが意外や意外、全然ハードロックの重々しさってのとは違ってね、もっとサイケ時代に近いようなカラフルさがあってさ、オルガンがあったりするかと思えばフルートやサックス、クラリネット、みたいなのが飛び交ってるし、曲の多彩さは見事なモンだよ。全然暗くて重いってのがなくって凄くユーモアがかった雰囲気のものもある。多分ねギターがそんなに目立ちまくってないからだろうな。何か重くて暗いと言うよりはイカれてしまった音楽バカ達による危なさっていう方が正しいんじゃないか(笑)。どこかジャジーな雰囲気とブルースな雰囲気と、それでもまだサイケデリック調なカラフルさ…、フルートって面白い楽器だな。ちなみにこのアルバム、今ではUltimate Sacrifice: Oneとしてオマケ付きでリリースされているみたい。

 てなことで、以降三作目までどんどん暗黒さがなくなっていくこのバンドなんだけど、それならばいっそエドガー・ブロートン・バンドの方がよほど重くて暗い感じがするよな、と思う。ちなみに三作目ではクレシダのギタリストが加入してもうちょっとプログレっぽくなってくるかな。驚くことにお蔵入りとなっていた4枚目「IV」という作品が1998年に突如としてリリースされているようだ。

Blodwyn Pig - Ahead Rings Out 1969

Ahead Rings Out  宙ぶらりんバンド…結構いるよな。ジェスロ・タルというバンドは割と有名で、好きな人も多いだろうよ思うけど、ギタリスト、ミック・エイブラハムという人が初代タルのギタリストなんだよね。で、彼は凄くブルースが好きで、タルの音楽性に対して不満をいっぱい募らせていたみたいで、結局脱退してします。そして彼がやりたいことを実現したバンドがブラッドウィン・ピッグというバンドです。

 もちろんそれなりの話題性はあったし、タルの知名度も有ったワケで、何枚かのアルバムをリリースしているけど、往々にしてそういったバンドは最初の作品くらいしか評価されないんだよな。アルバム「Ahead Rings Out」はそんな彼等の気合い一発のファーストアルバム。エイブラハムがやりたかったブルースロックを見事に体現しているんだけど、あまりにもディープ過ぎたのかな。以降の彼等の評価はなかなか難しいものがあった様子だよね。ギタリスト的には凄く全うしているプレイなんだけど、やっぱり求められていることが異なったんかな。それでもタルファンからは絶賛されていたんだと思うけどね。

 そしてセカンドアルバムも発表されたけど…みたいな(笑)。ん、でもライブ盤とか凄く想いは入ってるから熱いのはよくわかるし、それがエイブラハムのストレートなところなんだろう。商業主義とは別に人として楽しめる部分は多いかな。だからブルースに捧げながらも思い悩むエイブラハムの心意気には感動するよね。ちょっと不器用なのかもしれないけど。

Blossom Toes - We Are Ever So Clean (1967)

ウイ・アー・エヴァー・ソー・クリーン 60年代後期の英国ロックと言えばビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に代表されるようなサイケデリックなサウンドがポップシーンを占めていて、個人的にはその辺りのサイケってあんまり得意じゃなくてさ、色々なバンドあるから結構聴いたんだけど、アプローチは確かに斬新でLSDでもキメてれば心地良いのかもしれないけど、今の時代とか日本でそんな風にトリップして聴くってこともないし、じゃぁ、このサイケデリック路線のバンドの音がわかるか?と言われると疑問でして…。まぁ、面白いとは思うけど何度も聴いてハマるってもんじゃなかった。

 んで、ジム・クリーガンが在籍していた…ってか世に出てきた時のバンドってのがこのBlossom Toesでして、アルバム二枚しかリリースしていないけど、英国ロック好きにはかなりニッチな人気があってCD化も早かった記憶がある。自分もその時に買ってるし。でさ、当時も今も聴いていると、やっぱり凄いポップ感の溢れるサイケデリックでカラフルで見事なもんだ、っつう感想。ジム・クリーガンがあんなブルースインタープレイのギターを弾くようには全然思えない…っつうか、そういう曲なんて一切無いんだからこの変貌が不思議だったんです。だからちょっと遡って引っ張りだして聴いてみたんだな。

 1967年にリリースされたBlossom Toesのファーストアルバム「ウイ・アー・エヴァー・ソー・クリーン」。冒頭からカラフルでキャッチーでこの時代にしかなかったサイケデリックで万華鏡のように何でもありの楽曲とコラージュのオンパレードで実に目まぐるしいので、好きな人には素晴らしく名盤だと思う。ビートルズと並べたって何ら遜色ない出来映えで、ストーンズの「サタニック・マジェスティーズ」よりは全然サイケデリックだろう。この手のバンドは他にもTomorrowとかRainbow FfollyとかOrange Bicycleとか…あぁ、結構聴いたなぁ(笑)。そんな感じだ。シラフでもトリップする音だなぁ…。

Blossom Toes - If Only for a Moment 1968

If Only for a Moment [Import]  60年代英国のサイケデリックポップバンドの中でアルバムを数枚もリリースしたバンドってのは70年代のバンドと同じようにやっぱりそんなに多くはないようだ。一枚のみで違うバンドに発展したりまた新たなバンドになったりというようなシーンで、だから故にサイケデリックならこのバンド、という代名詞的なバンドがないのもその象徴。その点ピンク・フロイドの執念は大したもので、最初期のシド・バレットの脱退劇からミュージシャンとしてのバンドに立て直したというのは珍しいケースだったのかもしれない。

 そんな中で1969年に二枚目のアルバム「If Only for a Moment」をリリースしたBlossom Toesというサイケデリックポップの申し子的バンドです。ところがファーストアルバム「We Are Ever So Clean」ではカラフルで煌びやかなサイケポップを展開していたのに、この「If Only for a Moment」では発展してしまって、もの凄くヘヴィーに粘っこいブルースに根ざした重いロックをプレイしている。まぁ、言い方を変えればサイケデリックからアシッドロックに変化したという言い方もできるんだけどね。

 それが故に非常〜に最初からギターがファズギラギラで面白い。ブルースに根ざしたと言ってもブルースを奏でているワケではなくって重さのモチーフにブルースを使っているだけで実に中途半端なのは事実(笑)。いや、魅力的なんだけどさ…。なんかねぇ…これほどB級にならなくても良いのに、ってくらいにB級エッセンス全開なんだよ。もともと4人編成のバンドだからこうなってもおかしくないんだけど、あまりにも時代を反映しすぎてる。かと言ってカラフルさはないのかと言うと、結構残ってたりするので中途半端。

 プロデュースがジョルジオ・ゴメルスキーってのも怪し気な所かもしれない(笑)しマーマレードレーベルからのリリースってのも更にB級感を漂わせている…。いやいや、直後のブルースハードロックの全盛期を思うと一足早く取り組んでいたバンドという見方もできるってもんだ。悪くはないがどこを取っても中途半端な印象は否めない…。

Bob Downes Open Music - Electric City 1970

エレクトリック・シティ(紙ジャケット仕様) いつしかすっかりとほんのり暖かい部屋でほのぼのの音楽を聴いているのが楽しくなる季節になっていた。こないだまでは暑いな〜なんて言っていたのに、秋色は早くも冬色に染まりつつある。やっぱり妙な気候であるんだろう。今年の冬はどこまで寒いのか…、まぁ、暑いよりも寒い方が良いけどさ。そんな季節に個人的にはこういうジャズ系の音ってのはマッチする。もっとも純粋なジャズではないのだが(笑)。

 1970年リリース…なのかな。Bob Downes Open Musicというリーダー名が被せられたバンド…っつうかボブ・ダウンズのリーダー作「エレクトリック・シティ」と言った方が賢明なのだろう。ロックの世界にいるとバンド名で覚えてしまうし語ってしまうが、ジャズの世界だとプレイヤー名とリーダー名だもんな。…なことで、ボブ・ダウンズという英国の管楽器奏者のリーダー作で、何とVertigo 6360 005というリリースです。時代が時代ってのもあって、ジャズプレイヤーがロック界でモテた時代なので数多くのセッション名にボブ・ダウンズってのは上がってくるみたい。その分名うてのセッションプレイヤー達もこのOpen Musicに参加しているっつうことだな。

 ざっと、クリス・スペディング、レイ・ラッセル、イアン・カーやハロルド・ベケット、デイヴ・ブルックスなどなどどこのアルバムでもセッションマンとして見かける名ばかりの集団なので演奏面やセンスで悪いところが見れるハズがない(笑)。Vertigoからのリリースと言うのもあって、アルバムは思い切りロック路線で始まる…、そう派手なロックの歪んだリフのギターからスタートするのだ。そこにアレコレと絡んできて一気にジャズロックの世界…っつうかまだロックしてる。聴いていくと、ベースにしても管楽器にしてもドラムにしても自分達の腕自慢とばかりに白熱しているので面白い。もちろんアンサンブルという面はセンスで鍛え抜かれているミュージシャンばかりなので、あとは曲だけなのだが、これもまた良い。かなりハイセンス。惜しむらくは本人による歌だけか(笑)。いや、悪くない説得力もあるし、ロック的ではあるんだけど…、ちょっと苦笑いしちゃう歌ですよ、これは。まぁ、そういうところがVertigoから、ってのもあるか(笑)。

 ジャケットがね、インパクトあるでしょ?しかも「エレクトリック・シティ」っつうタイトルだから凄く期待しちゃうんだよ。1970年という時代にテクノ?みたいなさ(笑)。ところが中身はエレクトリックに走り始めるジャズミュージシャンというような当時は実験精神旺盛なアルバム。結構クールなのでハマる音なんだな、これ。カンタベリーシーンの音ほど淡々とはしてないけど、結構冷たい音色していて好きだね。

Bodkin - Bodkin (1972)

Bodkin モノの本にも載ってないアルバムで自分の好みかどうかってのはレコード屋で実際にジャケットを見てそのセンスで買うか買わないかを決めるしかない。その場ではクレジット見たりするんだけど、全部知らないワケだから知ってる名前がある方が少ない。あれば、それは何らかの基準になるけどさ。ってことで次はレーベルとかなんだけど、まぁ、レーベルに属しているバンドなんてのは大体把握しているのでそもそも知らないバンドってこともそんなに多くはない。英国ロックを制するにはレーベルから攻めろ、みたいなことが言えるかもしれないな。それらから外れた作品も山のようにあって、特に自主制作あたりになると、果たして聴く必要あるのか?って話だが、これが後に結構な評判になっていることも多いのが面白い。ま、そんなことでレコード探しの旅は面白かったもんだ。

 1972年リリースの超マイナーバンドであろうBodkin「Bodkin」。レコード屋で見た事ないし、これはもうネット時代になってから知った次第で大したことは言えないけど、音を聴くとそりゃもう大好物な音でしてね、アマチュアでもこんくらい出来るだろう、って程度のレベルでしかないんだけど、カッコ良い。オリジナルのジャケットではどうにも怪しげな船の写真の上に「Bodkin」って書いてあるだけのものだけど、イタリアのこの辺の再発ばかりをヘンにリリースしているAkarmaからのCDリリースでは6面開きの黒山羊の頭をどアップにした如何にも黒魔術的な匂いを漂わせたジャケットになっててちょいと話題になった…かどうかは知らないが…。

 オルガンハードとギターハードの両方を兼ね添えた音で、やっぱりこの手のってUriah Heep的な音になるのはごく自然な話なのか、とても似ている。曲調はともかくながら、ボーカルの歌い方にしてもそんな感じで、英国だなぁ〜と思うのはどの曲もやっぱり気品高いメロディだったり旋律だったりがしっかりと脈打っているところだ。叙情性もしっかりと味わえるし、更に変幻自在なアレンジで曲をどんどんと展開していくっつう面白さも正にB級的。アルバムには5曲しか入ってなくてA面は同タイトルのパート1,2と区切られた同じテーマの対策。これがさ、妙な効果音とかなしでしっかりとギターと鍵盤のリフを中心にバンドアンサンブルとして攻めてくるワケよ。正に攻めてくる…攻撃性が高いバンドです。

 こういうバンドって後のNWOBHMなんかに評価されても良さそうだけどな。魔術的なニュアンスとバンドメンバーの怪しげな風体とか攻撃的なリフによる楽曲構成など見本のようなバンドだが、あまり影響を受けたと言うようなことはもちろん聞くことはない。しかしまぁ、こんな音、よくリリースされていたものだとつくづく思う。

Boxer - Below The Belt 1975

Below the Belt  英国生まれのハードロックバンド、それこそ数限りなく存在しているものだが、A級メジャーバンドを渡り歩いたような人がいればそこそこ話題にもなろうというものだが、なかなかそういうわけでもないのが実情。

 オリー・ハルソールとマイク・パトゥー、もちろん1960年代末期頃のタイムボックスっつうバンドで友人になり、バンドをPattoに変えても一緒にプレイし、数年の間だけ袂を分かって仕事をしている。まぁ、知ってる人は知ってるんだろうけど、この間オリー・ハルソールはテンペストで仕事してますね。そこからまたしてもオリー・ハルソールとマイク・パトゥーは合流することとなり、ボクサーを結成。1975年にはまだまだプログレレーベルだったヴァージンからインパクト満点のジャケット「Below the Belt」でデビュー。しかもドラムにはメイ・ブリッツやベックと一緒にやっていたトニー・ニューマンを配し、ベースにはVDGGにも関わっていたキース・エリスを持ってきたという、正に英国B級というか王道というかハードロック路線の職人が集まったバンドなので、楽しみと期待が一杯詰まったアルバムなワケです。

 しかしまぁ、実際にジャケットを手に取ってみるとなんと衝撃的な…というのが最初の感想です。若かった…(笑)。それはともかく、中身の方が楽しみだったんだけど、これがまた一辺倒では行かないハードロックで構成されたアルバムというか、単なるハードロックと言うべきか…、実に英国B級的センスに満ち溢れた作品。きっと今のバンドがどこかで取り上げてカバーでもしたら凄くかっこよい曲となって生まれ変わってもっとボクサーが有名になるのかもしれない、そんな曲が多く詰め込まれているかな。シンプルに4人のプレイが中心でところどころ鍵盤もあるけど、やっぱり中心はオリー・ハルソールの線は細いけど荒々しく歪んだSG独特のギターの音色だな。そこにパトゥーのどこかこもり気味だけどシャウトされている熱い歌声が被ってきて…と悪くないのだ。ただ、どうしても曲調に激しい切り替えがなくってイマイチ売れないバンドという位置付けに甘んじている(笑)。好きな人は好きだろうけどな、こういうの。自分も嫌いじゃないけど、もうちょっとかっこよい曲が欲しいかな(笑)。いや、そんなこと言ってては英国B級は聴けないのでガタガタ抜かしてはいかん。

 結局この後二枚出して自然消滅したらしいが…、それにしてもこの二人のコンビの作品っつうのはどれもこれも結構取っ付きやすいってのが面白い。パトゥにしても変なリフが多いけど基本的にシンプルなハードロックではあるからさ。よくわかんないって?うん、書くの難しい人達なんだよ、このへん(笑)。

Boxer - Bloodletting (1979)

Bloodletting 職人トニー・ニューマンとして知られているもののその仕事を見ると結構選ばないで色々とやってる欲のない人だったのかななんて思ってしまう。思い切りメジャーな人達との仕事ってのもそんなに多くないので、純粋に音と人脈で仕事を選んでいたのか、そもそもそういう仕事ばかりが舞い込んできたのか…。あまり深く突っ込んでないけど、Three Man ArmyからBoxer、その前後ではBowieやMick Ronsonなどなど…。もっとも始めがDonovanとかBeckとかだからねぇ…。そんな中、1975年から参加しているBoxerにスポットを…、そうThree Man Army解体後ガーヴィッツ兄弟はジンジャー・ベイカーと組んでしまったので、一方のトニー・ニューマンはこれもまた強力なメンツと組んだバンドなのだな、ボクサーってのは。オリー・ハルソールとマイク・パトゥーによるバンドだもんね。ちょいと器用な人たちのハードロックバンド、だな。

 アルバム自体は1975年に「Below the Belt」をリリースしているけど、その後バンドの勢いそのままに?かどうかはわからんけど、セカンドアルバムを作ったもののお蔵入り、一般的にはここでメンバーが大幅離脱していって1977年に「Absolutel」がリリースされてBoxerの歴史が閉じるというものだった。ところが1979年に主役のマイク・パトゥーが亡くなってしまったので追悼の意を込めてこの未発表だったアルバム「Bloodletting」をリリースしたってところで陽の目を見たもの。録音は1976年頃だったようで、メンバーもファーストのメンツがそのまま参加しているので純粋にセカンドアルバムとして捉えても良いのではないかと。ただ、バンドメンバー的には紆余曲折あったのか、オリー・ハルソールの曲がなくてカバー曲多数。忙しかったのか人間関係の問題なのかわからんけど、実質マイク・パトゥーの曲によるBoxerのアルバムになる。そのためかカバー曲4曲もあって、冒頭からビートルズの「Hey Bulldog」なんだが、これがまた圧倒的なオリジナリティに溢れるカバーで、自分たちの作品と並べていても全然遜色ないクオリティでのサウンドなのが面白い。

 …っつうか「Bloodletting」ってかなりビートルズ的な音してるかも。ちょいとギターがハードになっている部分はあるけど、オリー・ハルソールだからメタル的なプレイじゃなくってさ、ちょいと歪んだギターで旋律を弾くというのかな、単なるバックのギターの音じゃないからさ。そのヘンはキース・エリスのベースの方が余程ヘヴィーだったりする。通して聴いていると、「Bloodletting」ってかなりレベルの高いアルバムだったんだが、何でお蔵入りにしたんだろ?もうちょっとヒネりたかったというバンド側の要望か、それともバンド崩壊していったからリリースしなかったとか?ここでのトニー・ニューマンのドラムはかもなく不可もなく無難に叩いているような感じでロック魂炸裂ドラムではないのが残念。もっともそういうバンドじゃないけどね。Patto時代から好きな人はやっぱりハマる音だろうし意外とブリットポップ的なの好きな人は好むかな。ハードロックを期待していると結構肩透かしです。

Brainchild - Healing Of The Lunatic Owl 1970

ヒーリング・オブ・ザ・ルナティック・アウル  唐突なんだけど、ブラスロックとは何と適当なロック用語だろう(笑)。管楽器が入ってたらブラスロックというカテゴリに属するという意味に近くてさ、まぁ、シカゴが代表とは言うけれど、もちろんそういう効果を流用したバンドも多々あるのだが、ブラスが前面に出ているとそれは簡単にブラスロックというカテゴライズになるみたいだ。例えそのバックの音がしっかりとしたブルースロックだったりハードロックだったりしても、だ。まぁ、その言葉の使い方は書く人や聴く人によって使い分けられるものだろうけど、読む側はそういういうもんか、とヘンに納得して音を想像してしまうんだよな。ウチもその責任の一端はあるのかもしれないけど…、まぁ、個人の趣味ブログだからいいや(笑)。

 何故にそんなことを思ったか…、Brainchildっつう英国のA&Mから1970年にリリースされた唯一のアルバム「ヒーリング・オブ・ザ・ルナティック・アウル」を書いてみようと思ってネットであれこれ見たりもちろん昔の本なども見たりしてて、ブラスロック云々ってのがあったからそう思ったワケです。自分の頭の中での音の印象はかなり遠くに消え去っていたので余計にそう思うワケですが…(笑)。

 確かにブラスを前面に出したロックで、なかなか洗練された音なのでかっこよいっちゃぁかっこよいし、ブラス以外に特徴的な音があるかと言われるとちょっと困るのだが、時代的なものもあってブルースベースなバンド編成が基本の音で、そこにブラスを被せているような感じ。ギターの音はかなりクリアーな音で、ジャズチックなフレーズが多いのでそれ系統の人なんじゃないかな。ふとドアーズのロビー・クリーガーを思い出してしまった。なかなかすっきりとしたジャズとブルースの合いの子にブラスを入れた感じで、歌は時代を象徴するかのような合間に入れてある程度で決してキャッチーさを意識したものではなさそうだ…。でもなかなかソウルフルでかっこよい部分はあるので、ちょっと琴線には引っ掛かります。

 演奏力も高いし迫力もそれなりにあるんだけど、ただそれだけっつうかそれこそメジャーになれない面白さを持っているんだよ、やっぱり。まぁ、高い金を払ってまで聴く価値ってのは一般的にはないバンドだけど、シーンを象徴する音の世界であるのは確かだしねぇ…、こういう音かぁ…と納得。記憶に残っていないハズだ(笑)。それはジャケットのインパクトが強すぎたってことも大いに影響している気がする。なんせこのジャケットだ。不気味っつうか気色悪いっつうかさ、フクロウの足が人間の手っつう…。こういう生理的に気持ち悪いジャケットっていくつか英国ロックの世界ではあるので、その辺も面白そうだな…。続けてみるか(笑)。

Bram Stoker - Heavy Rock Spectacular

Heavy Rock Spectacular  顔面アップの奇抜なアルバムジャケットの中でも最も謎に包まれているバンド…、そういう意味では70年前後の英国のロックバンドの中にはアルバム一枚で消え去ったバンドが数多く存在していたり、メンバーの名前すら不詳というバンドも中にはある。もっとも名前がわかっていたとしてもどうしようもないっていうバンドもあったりして、そんなのを解明するなんてのは全くナンセンスなのだな。まぁ、知りたくなるってなモンだけど、アマチュアに毛が生えたような人達によるアルバムなんてのはそもそも音楽活動して生きている人が多くないので、探しようがないってなもんだ。でも、ここ最近の日本でのCDリイシューや紙ジャケによる再発などで再評価されることでマネージメントがしっかりしていたトコロではそういうアーティストに印税を支払っているのだろうか?それ故に本人達とコンタクトがあったりするものなのだろうか?それ故に本人達によるライナーが出てきたり、リイシュー監修とかに出てくるってことなのだろうか?それ故に妙〜なバンドが再結成とかやらかしてくれるってことなのだろうか?う〜ん、辻褄は合うんだよな…。

 前置きが長くなってしまったが、そんな幻のアルバムとも呼ばれたブラム・ストーカーっつうバンドです。そもそも1972年のアルバムリリースなんだけどWindmillっつう超マイナーなレーベルからの一枚でして、当時を知るロックファンでもまず知られていなかったバンドらしい。そりゃそうだろう…とは思うが、何故か誰かが発掘して現代に至るまで歴史的なアルバムとして祭り上げられて…、まぁ、違う意味でだが、歴史的価値の栄誉を欲しいままにしていた激レアアルバム。

 …それも今じゃラク〜にCDが手に入って聴けるんだから幸せです。本人達も何で印税入るのか不思議だっただろう。こういう人気ってのは英国の当人達は他のバンドも含めてなかなかわからないだろうなぁ…、圧倒的に日本での人気が異常だもん。多分。海外のサイト見てても普通に帯付きの日本盤紙ジャケCDが出てるしね。

 うん、そんな背景を持つバンドなんだが、ジャケットは見ての通り奇妙〜にコラージュされた顔面アップジャケットで、アルバムタイトルが「Heavy Rock Spectacular」ってモンだ。聴いてみるとわかるけど、アルバムタイトルに相応しいヘヴィーロックが繰り広げられてます。それもオルガンがメインで、その上をぶち壊すようにギターがハードに入ってきたりするんだが、やっぱりオルガンメインのバンド。ハードロック…だけどハモンドオルガンを如何に暴れさせるかっていうところがある気がする。まぁ、ちょっと演劇めいた部分もあるので、インパクトとしてはアーサー・ブラウンの「The Crazy World of Arthur Brown」を狙っていたのかなぁ…とも思う。オルガンがコロコロ転がっているっていうのも含めて。結構軽快な音なので聴きやすいが…、まぁ、ここまで英国ロックをどっぷりと聴いている人間が聴きやすいと云ってもなかなか信用ならんとは思うんだけどね(笑)。

Bread Love And Dreams - Amaryllis 1971

Amaryllis 1970年代のアルバムってのは大体ジャケットが何となく中味の音を表していたという感じもあり、特に英国ロックではアートワークにも気を配るというバンドやアーティストが多かったので、自分のカンと実際の音の印象っていうのもひとつの楽しみなのだ。意外性のあるものもあるし、なるほど、ってのもあるし、何で?ってのもあれば単に楽しめるというものもあるが、どれもこれも面白い。そして今回のBread Love And Dreamsなんつうふざけたバンド名を持つバンドの作品だが…

 Bread Love And Dreamsの1971年リリースの三枚目の作品「Amaryllis」。一体どんな音を想像するかね?時代的な点も考慮するとやっぱりどこかサイケデリックな感じを受けるジャケットなんだよね。もしくは結構アーシーな雰囲気なのかなぁ〜とか想像を逞しくするので、そういうイメージで作品を買ったり聴いたりする…。

 いやぁ〜、このバンドのこのアルバム「Amaryllis」はホントに裏切られた感の強い…というか期待と音が違いすぎたってモンだ。いや、アルバムの中味の音は悪くないです。やっぱり英国B級の好きな自分には全然楽しめる音なんですが、ジャケットで受けたイメージとは裏腹に中味は美しい男女ボーカルによるフォークなのですねぇ〜。まぁ、三枚目ともなっているくらいだから割としっかりした音世界を紡ぎ出すバンドなワケですが、オトコ一人に女二人っつうバンドらしい。もちろんほぼドラムレスでアコギと歌とコーラスの世界でちょっとアーシーな感じは入っているね。

 面白いのは本格的な音ではなくって稚拙というのか未熟というのか薄っぺらい部分が見え隠れするので、なるほどなぁ〜というのがわかるんです(笑)。好きでやってるんだ、っていうかさ。だからこんなジャケットになるんだろうし、音世界もどこか自信がない感じもあって、アナログだとA面全てを使うアルバムタイトル曲「Amaryllis」の組曲に気合いを入れているというのがよくわかるんだけど、途中どこに行くのか妙にロックしてしまってドラムも入って頑張って変化を付けているんだけど、あまりにも未熟(笑)。いや、アプローチは面白いんでキライじゃないんだけど、笑えるくらいにナイスですよ。それも一瞬のことで、やっぱり基本のフォーク路線に戻るんだが、このA面組曲のおかげでプログレッシブフォークの代表作としての異名を取ることになるのだな、この「Amaryllis」は。ジャケットの不思議さと音の面白さ、更にアルバムタイトル「Amaryllis」のメロウさがマニア心を擽るようだ(笑)。

 随分と早い時期に復刻CDが出てて、それを入手したんだけどその頃は全く手が伸びないアルバムだったな…。なんかもっと刺激が欲しかったからだと思うが、逆にジャケが大人しくて音がハードだと燃えたもんな…。所詮好みの問題か(笑)。アルバム全曲YouTubeで聴けるってのもこれまた凄い…。

British Lions - British Lions 1977

British Lions  英国の獅子、ブリティッシュ・ライオンズというバンドをご存じだろうか?バイオレンスロックンロールバンド、モット・ザ・フープルの残党メンバーと英国B級バンドメディシン・ヘッドの融合体として遅れ馳せながら1977年にシーンに登場したロックンロールバンドだ。メンバーの名前を言っても多分誰も興味ないだろうからなぁ…、ま、モーガン・フィッシャーが在籍したってことくらいがせいぜいメジャーな話なのかもしれない。ただ、B級なのかも知れないけど、英国のプライドを十二分に感じるに値するバンドの心意気は伝わってくるんだよね。単なるB級バンドだったら興味持たないからさ。

 ケイト・ブッシュは「おぉイングランド、私のライオンハート」と歌い上げ、その名曲を世に知らしめているが、英国人にとってブリティッシュ、もしくはイングランド…、まあこれは戦国の歴史の名残だけど、英国に於ける獅子=ライオンというシンボルは国の紋章にも表れているように崇めるべき生き物なんだろうなというのがロック界の節々からでもわかってしまう。それくらいの冠を被せてくるバンドというのはある種英国民を敵に回す可能性のあるバンド名だったんじゃないかな。でも時代的にはパンクムーブメントが起こり英国女王をバカにする歌が蔓延し、だからこそブリティッシュ・ライオンズというインパクトのある名前を付けたのかもしれない。ジャンルは全く異なるが同じく1977年にアルバム一枚をリリースしたイングランドというバンドがある。これも遅咲きの名盤一枚となるが、英国そのものをネーミングとしたバンドで何となく当時の英国の風潮として立ち上がれ、的な面が働いていたんじゃないかな。貴族階級と労働者階級の違いなのかもしれないけどね。英国の歴史は複雑だよなぁ。

 で、このブリティッシュ・ライオンズというバンドだが、ストレートなロックを奏でるバンドでバドカンあたりを好む人なら絶対大丈夫だし、演奏ももちろん悪くないので結構良いよ。アルバム的にはバンド名を冠したオリジナルファーストアルバム「British Lions」がジャケットもサウンド的にもインパクトを与えたアルバムなんだけど、1982年にはちょっと怪しいんだけどお蔵入り音源だったんじゃないかなとは思うセカンドアルバム「Trouble With Women」がリリースされている。こちらは未聴なんだけどさ。で、これまた後年になってから、何でだろ?わかんないけどリリースされたのがBBC音源とかの寄せ集め「Live & Rare」っつうブートレッグまがいのオフィシャル盤。もちろん彼等の歴史を知る上では重要な資料なんで、リリース自体は喜ぶべきものだよね。

 あ〜、またマニアックに書いてしまった。ま、でもね、こういうあぶれバンドってまだまだあるからさ。お楽しみに♪

Bronco - Ace Of Sunlight (1971)

Country Home/Ace Of Sunlight そういや随分昔にレコード見つけてどんな音だって解説されてたかな〜って思い出せずに、でも見た時が買い時だろうから2,800円で買うかどうか悩んだレコードを思い出した。Broncoっつうバンドの「Ace Of Sunlight」でさ、ジャケットは記憶に残るデザインだったから覚えてたんだけど自分がその時に割と早めに聴きたい音だったのかどうかと言えばそんなでもなかったみたいなんだが、レコード屋で見つけてしまった場合に優先順位をどうするか、ってのがあってさ、次来た時に残っているだろう、と思えるものと思えないものがあるワケ。んで、自分が「おぉ〜!」と思ったものってのはもう2度と見れないだろう、くらいに思ってるから手にとって手放さずにいるんだけど、最終的にレジに持って行く段になると手にとったレコードのどれを今買って、後回しにするのはどれかってチョイスをせざるを得なくてね…、いや、毎回20枚くらい買ってたからカネ持たないしさ。んで、悩む時に賭けになるんだな。その時に悩んで、結局買って、もうそれ以降はレコードを見ることがなかったという意味では買って正解だったのがこのレコード。

 1971年にリリースされたBroncoというバンドの「Ace Of Sunlight」。アイランドレーベル系だったからかMott the HoopleやFairport Conventionの手助けもあったバンドで、入手した時は嬉しかったけど、聴いてみてかなり「??」な印象だったアルバムだったな。簡単に言えば全く好みじゃなかったってことだ。でも、そんな思い入れあるから今でもあって、聴き直してるんだけどさ…、なるほど、こんなにCSN&Y的っつうかスワンプカントリーフォーク的な音だったのかと。雰囲気とかは英国的で悪くないんだけど、ちょっと取っ付きにくいくらいアメリカの香りがしちゃうのがヤだったんだな。今はね、そんなでもない。結構面白いんじゃない?って感じで聴けたから二回くらい連続で聴いちゃった(笑)。ジェス・ローデンのボーカルがインパクトあるね、ってのとどこかホワッとした雰囲気がアメリカへの望郷はあるものの英国から脱していないっつうのがいいんだな。その中に「Woman」っつう強烈なビートの曲も入ってて驚かされる。基本フォークタッチの音なのになんでまたこんな迫力ある曲が出てくるんだ?と。

 ふ〜ん、印象変わったなぁ…。今回この流れで持ってきたのもスワンプ的な香りだから…って思ってたからだけど、そんなことないじゃないか。かなり英国的に近い音で、トラッドとは言わないけどアコースティックなサウンドがまろやかで良い感じな作品。結構奥深いバンドだったりするんじゃない?と深読みしてしまうね。いやいや、こうして昔からの思い出を書き直すのも重要なことですよ。

Budgie - Budgie 1971

Budgie 最近思うこと…、これだけロックの歴史も長くなってきて長寿バンドも増えてきたり再結成も当たり前のように行われるようになると、必然的にアルバムやライブ盤や発掘盤のリリースが増える。もちろん新作をリリースするバンドもあるんだけど、なんかねぇ、あんまり聴きたくないような…、夢を壊されたくないような…ってのも多い。ちょっと前まで幻と言われていたバンドや人達がどんどん露出してきて…、それはその頃の神秘性と作品への熱意があってそう言われているんだから、今出てきてもなかなかそのまま伝説を感じられないとは思うんだよね。

 それとどのバンドもカタログが増えすぎて、今からロックを聴こうという人達にとってみると何を買えば良いの?と。なんか不親切というのか、指標がなくなってる気がする。まぁ、これだけ情報過多の世の中だから適当に買って追求していけば?ってなモンだろうけど、どうなんだろ?自分は知ってて追求したから良いけど、今時はどうなんだろうな…、と。

 ブラック・サバスが来たので何となくバッジー♪いいでしょ?しかもこれもファーストアルバム「Budgie」です。うん、あんまりまともに聴いてなかったアルバムなんだよね。だけど、実はブラック・サバスの初期のアルバムをプロデュースしていたロジャー・ベインっつう人がBudgieもプロデュースしているので、ほとんど同じ音で聴ける(笑)。ブラック・サバスもバックが3ピースだし、バッジーは3ピースバンドだし。プロデューサーって面白くて頭の中で鳴る音ってのは一緒だったんだろうなぁ、これ。音色まで似ているし空気感もほぼ同じ。だからやっぱりドロい世界が繰り広げられててさ。ただこっちはバンドとしてのコンセプトを打ち出してないからその分売れなかったっていうとこか。

 でもね、内容は聞かせてくれるんだよ。どれもこれも重厚なギターとベースのほとんどユニゾンなリフで単調に攻めてくるので思い切りB級的ノリが楽しい。ドラムもドタバタ感たっぷりだし。上手いとかヘタとかっつうよりもバンドの音がひとつになって出てくるっつう感じでさ、最近こういうバンドらしい音ってよく聴いているので、ハマる(笑)。今時のメタルバンドがこれカバーしても凄くイケるだろうと思うよ。だからメタリカとかも好きなんだろうけど、そのセンスは大したもの。「Nude Disintegrating Parachutist Woman」なんていう曲はもうこの時代ならではっつうのもあるけど、9分弱に渡る大作。しかも思い切りハードロックでの大作なのでテンポアップもあれば弾きまくりもあるし、スリリングに楽しめる一曲です。あまり食指が動かない人も多いかもしれないけど、この辺のロック好きな人は絶対好きになるサウンド♪

Budgie - Squawk (1972)

Squawk 英国メタリックなバンド、そして愛すべきB級さ加減と言えばUrah HeepかBudgieのどっちかだよな、などと思ったので今回はBudgieってところで…。結構名作と呼ばれる辺りは自分でも好きなようでブログには書かれているので、じゃあその後の後期にするか初期にするか、と。やっぱでも初期かな~ってことでセカンドアルバム「Squawk」の登場です。

 1972年にリリースされた「Squawk」だけど、時代を考えてみてもかなりヘヴィ且つ独特のサウンドを持っていながらまだまだ以降のBudgieの攻撃性は出し切れていないという中途半端な位置付けではあるものの、やはりBudige。ヘンだもん(笑)。時代がごった煮英国ロック全盛期だから何でもありなんだけどさ、ヘヴィなリフからフォーキー、ブルージーな展開と正にB級感たっぷりのアルバムです。いや~、このグダグダした部分をとっぱらったお蔭で後の名作「Never Turn Your..」などに引き継がれていく方向になるんですな。それにしてもこのアルバムのベースの存在感がすごくてさ、こんだけヘヴィなのにベースの音がビートルズ的軽さっつうのが面白いギャップ。一体何なんだ?って感じに不思議なバランス感覚で、「Rocking Man」と言う曲でそれはもう顕著に表れてくる。

 自分がやっぱりこのヘンのこの手の音を好きなんだな~と改めて実感した次第ですよ(笑)。タマらなくハマり込んでしまってですね、久々に聴いたのもあるけどやっぱり読める展開だし、あり得ない展開だし、堂々とそれをやってくれるBudgieに感謝って感じ。どこを取ってもホメるべきところはない「Squawk」という作品に愛らしさを感じるひねくれ者です、はい。しかもセカンドアルバム「Squawk」ってBudgieの歴史の中でも地味なんだ、これがまた。「Rolling Home Again」から「Make Me Happy」なんて実に牧歌的なフォークソングだからBudgieだなんて言われてもわからないんじゃないか?その後に続く「Hot As…」の超ヘヴィメタリックな音に感動を覚えるもんな。そのくせ曲は無茶苦茶ダサいのにわ苦笑いしてしまうが…。

 いやいや、キリがないくらいに突込みどころ満載のアルバムなんです、この「Squawk」は。Deep Purpleでいう二枚目と同じような位置付けだろうけど、その支離滅裂さが良い。アルバム一枚の単調さがまるで見当たらなくて聴き所満載なのだが、それでいてネタ切れになってしまったのか?っつうくらいにつまらない曲もあったりするチグハグさ。メロトロンまで登場するけど全然叙情的にならないのも面白い、うん、これこそ愛すべきB級バンド♪  そしていつの間にかリリースされていたラジオライフセッション「Radio Sessions 74 & 78」。そうか、Budgieでもこういうのがリリースされているんだな…。

Budgie - Never Turn Your Back on a Friend 1973

Never Turn Your Back on a Friend ルーツに根ざしたハードロックやヘヴィメタルってのはやっぱりかっこよいものなのだ。人間椅子がバンドのモチーフとしているバッジーを聴いていると今でもしっかりと通じる重さと鋭利さとスピードと何より大事な英国的美しさを持っていることがよくわかる。そんなことで、あぁ、バッジーかっこよいんだよなぁ〜、どうにもB級なんだけどそのひたむきさがかっちょいんだよ…、と。

 伝説的名盤のサードアルバム「Never Turn Your Back on a Friend」。この頃が一番の全盛期で、この前後のアルバムがどれも素晴らしくヘヴィーで鋭利でプログレッシヴなスタイルが出ている。もう少し時代が前後にズレていたらもっと売れていたんじゃないかと思うんだけど、見事に英国ロックが素晴らしく全盛期に出てきてしまったので、他と比べてみるとB級になってしまったというところか(笑)。

 う〜ん、なんつっても最初の「Breadfan」の鋭利で金属的なギターリフだな、シビれるのは。これだけアタック時に金属音を出すのもなかなか難しいと思うんだけどな。ピックを縦に近い感じにして上から叩くように弾いているんだと思うけど、慣れないとリフそのものがきちんと弾けないしね、いや、狙ってやってるんだろうから大変だろう。しかしまぁ、ベースも凄い音してるし…。二曲目の「Baby Please Don't Go」はブルース界での有名曲で、アレですな。ライトニン・ホプキンス、マディ・ウォーターズ、ストーンズ、フーなんかでも有名なヤツです。後にAC/DCがやってたらしいがまだ聴いてないな、それは。んで、このバッジーバージョン…、割と考えられないアレンジっつうかバッジーらしいっつうか、ブルースの代表曲だってことを完全に忘れ去ってしまうくらいのパワーで迫ってくるのが面白い。そしていかにも英国らしい、フォークでのバラードというか静かな楽曲「You Know I'll All」、こういうのが英国のセンスで、単なるハード&ヘヴィーバンドじゃないよ、ちゃんと英国のこと知ってるよ、みたいなね、音色があるんだよ。だから一辺倒なだけではなくってちゃんとスジを通したバンドの理屈ってのがしっかり通ってるんだな。まぁ、次のドラムソロから始まる曲はちとセンス悪い…、さすがにB級バンド(笑)。その代わりリフが始まってからのインパクトはもの凄いけどね。

 …と、まぁ、ベタ〜な部分も持っているんだけどキラリと輝くセンスももちろん見え隠れしていて、トータル的には名盤って感じになるんだけど、ハマり込める人とそうでない人を分けてしまうかもしれない。ただ、これにハマれると深くて楽しい英国の世界へ入るセンスが備わっているってトコか。いや、ホントに小細工無しだしさ(笑)。ちなみに最後の「Parents」っつう曲はB面ラストを飾る大作で、どこかウィッシュボーン・アッシュの名盤「Argus」を想い出すような雰囲気から始まる…、う〜ん、狙ってないにしてもやはり出てくるんだねぇ、こういう音の作り方。ドラマティックな展開がワクワクする傑作で、プログレではなくってあくまでもハードロックの中での大作と感動。うん、いいね。

 言う必要もないけどもちろんジャケットはロジャー・ディーン作。色遣いとかバランスとかすべての面でバッジーのロジャー・ディーン作品の中では一番好きなジャケかな。なんかさぁ、ジャケットと「Breadfan」の印象が重なるんだよね。本来のジャケットの在り方っていうか、そんな感じが良くて好き。しかし、アマゾン…どころか他も含めて全然CDがないのな…。まぁ、売れないからしょうがないけど、勿体ないっ!探して聴く価値あると思うけどな。

Budgie - In For The Kill! 1974

In for the Kill! 熱血漢と言う言葉は実に古くさくて今じゃ嫌われるくらいの言葉になってるのかもしれないけど、そんなにクールにキメたって結局は熱い音楽ってのが一番好まれると思うんだよねぇ。そんな音が一番充実していたのが70年代なワケで、そういうバンドもたくさんいたからこそ黄金の70年代なワケだ。いや、そこに固執するつもりもないけれどやっぱり行き着くとその辺になるんだろうなぁと…。んなことで、結構熱いバンドあるぜ〜ってことで本日はB級そのもののバッジー♪

 アルバム的には三枚目の「Never Turn Your Back on a Friend」四枚目の「In for the Kill!」あたりが一番メジャーな知名度を持ってるかな。まぁ、代表的な作品という意味でもそのヘンになるんだけどさ。とりあえず今回はベタな熱血漢がよく出ている1974年リリースの四枚目「In for the Kill!」で書いてみよう。残念ながら国内盤CDはアマゾン見ても全て廃盤のままアルバムジャケットすら出てこないっつう惨状。まぁこのヘンが中途半端なB級ではなくって徹底してB級なトコロなのかねぇ…(笑)。  

その四枚目「In for the Kill!」からはドラマーが変わっていて以前に比べるともちっと重くなった感じがするんだけど、とにかくこのバンドの持ち味って言ったらユーラーア・ヒープとはまた違った独特の重さが売りで、ホントにギターのリフにしてもベースにしてもとにかく地べた這いつくばるつような重さが良い。そこに実はかなり美しい旋律が乗ってくるっていうのも特徴的で、多分ボーカルの声が粘っこいのがB級的感覚になっちゃうのだろうか?英国ハードロックの重さの原点ここにありっていうかね、そんな感じです。

 何だろ?ハネないトコロがベタなんだろうな。でも曲によってはボンゴみたいなのがポコポコ入って たりするし、ブギ調の曲も多いのだが…、やっぱハネない(笑)。ベースが短音で後ろノリで重く攻めてくるのもあるかな。その割にギターのメロディ良いなぁ…、歌声は結構高め…でダミ声?あ、わかった、単純にバンドの演奏がそれほど上手くないってことです(笑)。だから妙に不安定でそのドタバタ感が売りだったんだ。しかしかっこよい音だなぁ…。

 ジャケットはロジャー・ディーンの作品で、中身と音が辛うじて一致しているというか、まだ救われているバンドで、最近のハード系が好きな人だったら多分イケると思う音です。メタリカもカバーしていたしね。