Capability Brown - From Scratch 1971

FROM SCRATCH - フロム・スクラッチ マイナーながらもかなりセンスの良いロックサウンドを繰り広げてくれるバンドやアルバムってのは70年代初頭の英国にはごまんと転がっていて、まぁ、そのヘンをあれやこれやと紹介しているのだが…、自分的には何となく好きだ〜ってのから始まって、何でも聴き漁ってみて、結局その類の中でも良いアルバムは良いんだな、というのに気付いたワケで、決して何でもかんでも好みというワケではない。ただ、メジャーになれなかった理由ってんはやはりあるので、その辺を意識しながら聴いてみると何かわかってくる。シーンの環境もあるし、時代に合った音かどうかってのもあるだろうし。音楽的センスに優れているバンドってのは結構多いもんね。

 さて、1971年にアルバムデビューして二枚のアルバムを残すだけとなったキャパビリティ・ブラウンというバンドも相当に良質なポップなロックを展開してくれたバンドだ。メンバーの経緯などはCottonwoodhillさんのブログに詳しく書かれていたのでそちらを参照♪ 白熊店長のトコロにも詳しく書かれているのでお役に立ちます…。なるほど、そういう経緯でメンバー編成が出来上がっているのか…、ならばこの音も納得です。昔から凄く優れた音だなぁ〜、凄く有名な人とかメンバーに絡んでないのか?なんて不思議に思ってたからさ。

 ファーストアルバム「From Scratch」よりもセカンドアルバム「Voice」の方が有名で、それもうジャケットのインパクトも絶大だし、中身も組曲になっていてプログレマニアに取り上げられて有名になっていったってのが大きい。その影響でキャパビリティ・ブラウンのファーストってどんなんだ?って興味が広がっていって再評価に結びついたってところだが、そのファースト「From Scratch」がこれまた全く期待を裏切らない程の出来映えだったので、結局良質なバンドだったんじゃないか、ってこととなるのだな。コーラスワークは完璧で軽快で起伏に富んだ楽曲をいくつも出してくるというアルバムは全く飽きることなく次から次へと聞いていられる代物。何が突出しているワケでもなくバランスのよいサウンド。ロックだけど、クセはあまりない。やっぱり良質なアルバムで傑作というに相応しいアルバム。もちろん何かが足りないっていうのはあるんだが(笑)。

 一時期CDなんかも手に入ったんだけど今アマゾンにはないのかな…。他ではいくつかヒットするから手に入るとは思うけどさ。あ、そういえばこのバンド、面白くて、一曲目はRare Birdの「Beautiful Scaret」っつう曲のカバーでして…、これがまた全然アレンジが変わっていて爽やか。しかしこの時代にそんなのをコピーしてアルバムに収録するってのも珍しいことだが、取り組みとしては非常に面白い。英国マニアにとってみればそんなのを発見ンしてしまったらニヤついてしまうじゃないか(笑)。「Liar」ってのはクイーンのカバー…だったら面白かったんだけど、クイーンじゃなくてアージェントのカバー♪ う〜ん、全くこだわりのないバンドだったのかもしれんな(笑)。ちなみにレーベルはカリスマからのリリースです。

Capability Brown - The Voice 1972

 キャパビリティ・ブラウンというバンドをご存知の方はどれくらいいるんだろうか?カリスマレーベルからリリースされた「Voice」という唇のアップの見開きジャケットで、その唇にはファスナーが(ストーンズの「Sticky Fingers」のように本物のファスナーではないけど)描かれているアレだ(っつっても知らない人の方が大多数だろうなぁ…)。キーフのデザインなんだけど…。いや、何が書きたいのかと言うとですね、クイーンとほぼ同時期にクイーン並みのコーラスワークを誇った大英帝国産のバンドが他にも存在していたってことなんです。もちろん楽曲のクォリティや完成度ではクイーンには及ばないんだけど、ブリティッシュB級バンドのレッテルが貼られるまでは彼らにもチャンスがあったんだろうなぁ、とその実力を惜しんでいるのだ。

 クイーンを聴いていてふと思い出したので随分久しぶりにレコードを引っ張り出して聴いてみると、うん、やっぱりこのコーラスワークをロックに持ち込んだ作品としてはクイーンよりも若干早い時期の作品で決して方向性は間違ってなかったのかな、と。多分本人達の方がよっぽどそう思っているだろうと推測できるのでガタガタ言えないんだけど。この辺のイギリスのロックバンドは実に面白いバンドがいっぱい出てきていて、宝物探しのように個性のあるバンドを探し出す楽しみがある。もちろん時代が経過した後だからこそそういった探し物が出来るだけなのでリアルタイムで70年代英国ロックを漁っていた方には全く異なった印象に映るのだろうか。そもそもそんなマイナーなバンドの情報はそれほど多くなかったと思えるのだが、今となっては知る術があまりない…。

 それはそれとしてこのキャパビリティ・ブラウンは確かアルバムを三枚出していて、ファーストアルバムはそんなにクイーンチックなコーラスワークを武器にしたアルバムではなかったように記憶している。なのでセカンドアルバム制作の時点でそのようになったのか、そもそもオペラなどが好きでそうなったのか不明だが、結構面白くて良い。ちょっとメジャーさに欠けるけどね。で、アルバムタイトルが「Voice」だ。B面全てを使った5部構成の組曲は見事なモノでメンバーにより演奏もとても上手いので試しに聴いてみると面白いバンド。A面ではスティーリー・ダンとなんとアフィニティのカバー(!)も聴ける。

Captain Beyond - Captain Beyond 1972

Captain Beyond 1970年前後の英国B級バンドを羅列していたんだけど、いつの間にか本人気付かないまま無意識にヴァーティゴレーベルが並びまくってた(笑)。そうか、やっぱりそうなるのか…。そしてここのところ二作続けてパープル関連っつうことで1970年にこだわってみたんだけど、やっぱりなぁ、書いておかないとなぁと思ったワケである。うん、実際はどんなんだっけっかなぁ…と思い出してみたので聴いてみただけなんだけど、やっぱ面白いじゃん、と思って取り上げることにしただけなのだ。

 Captain Beyond。1972年、純粋な英国ロックバンドとは云えないし、レーベルもカプリコーンっつうことでそういう面白さはないのだが、かの有名なバンド。メジャーでしょ?自分的にはかなりB級に位置しているバンドなんだけど当時は日本ではかなり売れたってことらしい…。まぁ、人気絶頂だったパープルの初代ボーカリストが参加しているっつう触れ込みだったら当時は売れただろうな、と思うが。そんな時代を知らない後追い世代なので、勝手な推測の方が走ってしまうんだけど、やっぱり音だけを聴いていると完全なメジャー級のサウンド…とはちょっと違うような気もする。もちろんテクはあるし曲もかっこいいんだけどね。ロッド・エヴァンスの声ってハードロック似合うよな…。だからこの後のアルバムだとどうしても迷走しているようにしか聞こえない面もあるんだけどファーストは良いよ〜。

 ちなみに面子はアイアン・バタフライに参加していたアメリカ人のギターとベース、更にジョニー・ウィンター・アンドに在籍していた凄腕ドラマー、ボビー君による四人編成のバンド。ほとんどアメリカ人のサウンドのハズなのだが、なぜかこのファーストは英国的な香りがする不思議なバンド。このドラマーのボビー君はこの後もキース・レルフとアルマゲドンを組むしねぇ。この人英国人なのかな?調査不足ですまぬ〜。んで、このファーストだが、実によく出来ていて、ジャケットが表している通りスペイシーなコンセプトアルバムで、まぁ、歌詞まで見てないけど楽曲的なトータル感は凄いと思う。基本的にハードロックなんだけど、ドラムがね、やっぱ良いよ。歌とドラムが良いとバンドは良い音だせるからね、そういう意味で正しく良い(笑)。

 日本では売れたけどアメリカでは実際全然売れなかったらしいし、そもそもロッド・エヴァンスがアメリカ進出のために組んだバンドなのに本末転倒だったようで、上手くは行かないものだ。その度胸を持っていなかった当時のパープルは後にアメリカで成功するんだから皮肉だよな。人生、そんなもんさ、うん(笑)。

Captain Beyond - Live in Texas-October 6 1973

Live in Texas-October 6 1973 ちょっと前にAmazonの新作予定を見ててこんなんリリースされるんだ?なんてTwitterで呟いてしまったら、思わぬ…と言うか当然の反応でもあったのだろうが、「買いですな。」とあって、まぁ、そうなんだろうけど、Captain Beyondでっせ?ライブって一体どんなん?みたいな興味があったのは事実だけど、そうか…と考えを巡らせていると更に追い打ちが入り、「レビュー次第で考えます。」と。う〜ん、自分でもコレどうすっか〜?ってのあったんだけど、興味が無いわけでもないからいいか、と言う感じで聴きました。

 Captain Beyondの新作、っつうか発掘盤「Live in Texas-October 6 1973」で、生サウンドボード音源とも言えるくらいのサウンドで正に海賊盤レベルでのクォリティそのままでリリース。見事!これでもリリースするのか?っつう感じだが、まぁ、アングラ音源に慣れている輩からしたら上等なサウンドボードソースなので文句なし。立派な音です…っても素人はちょいと引くかもしれないんで一応気をつけて下さい。YouTubeで聴けるのとさほど変わらないレベルの音質ですが、ただサウンドボード音源なのでそれだけで安心、ってなもんだ。

 それでさ、Captain Beyondっつうとロッド・エヴァンスとボビー・コールドウェルにアイアン・バタフライ組が参加しているってことで有名なんだろうけどさ、ま、そのヘンの来歴は各自勝手に当たってもらうとして、本作「Live in Texas-October 6 1973」のライブは10月6日のテキサスってことなので多分第一期のCaptain Beyondとしては最後のライブとも言えるくらいの時期だったはず。この年の暮れにはボビー・コールドウェルが脱退するので、黄金期最後のライブと言うのもあってオフィシャルリリースされたんだろうとも思う。まぁ、そもそも音源が残されているまともなライブが「Live in Texas-October 6 1973」くらいしかなかった、ってのが真相なのだが、それはともかく聴いてみなよ、このライブ。70年代ロック好きなら間違いなく感動するダサいライブが詰め込まれてます。こんなん今じゃもうダメだろってくらい熱くてダサくて激しくてエグいギターでやりたい放題のベースで歌も暑苦しくドラムはドタバタしまくりの素晴らしい演奏が生々しく聞こえます。アルバムでのCaptain Beyondの姿はかなりダミーだったんだな、と思わせるくらいに暴れている、そして燃えているサウンドが聴ける。これでメンバーチェンジだって?勿体無い…、ボビー・コールドウェル脱退の理由はジョニー・ウィンターとのセッションへの参加なのかもしれないけど、残念だな。1977年に彼が戻ってきた時にはもう時代は変わっていたワケだし、それを思うと時のイタズラは残酷だとすら思う。

 いやいや、話が逸れた…、細かい曲のどうのってのはアレとして、こういうライブ、大好きです。アメリカのバンド、って位置付けだけど英国産だ、とも言える不思議な世界はしっかりとライブにも表れているように感じる。決してその後も含めて大成したとは言えないロッド・エヴァンスのあがきがここに炸裂していると聴けるか。いいね。

Carmen - Fandangos In Space 1973

宇宙の血と砂 C級、B級と来たのでA級と言うのが正しいかどうかはともかく、音楽的には圧倒的にAクラスに属するレベルを展開しているバンドで、今の時代にはもちろん埋もれてしまっているバンドってのもある。売れるし残ることも前提だったが故にプロデュースにはあのトニー・ヴィスコンティを配し、日本でも国内盤がリリースされ、更にシングルカットのシングルまでもがリリースされていたというメジャーなバンド、カルメン(Carmen)って知ってる?

 知らない人は多いと思う。そんだけメジャーに展開をしていて、しっかりと売るつもりでいたみたいなところあるし、実際3年程度の活動でアルバム三枚リリースしているワケだから、それなりだったはずなんだけど、今となっては…、ってトコだ。そのカルメンが1973年にリリースした最初のアルバム「宇宙の血と砂」って名盤なんだよね。これまでに聴いたことのないロックのサウンドがしっかりとしたプロダクションによる音で収められている作品。

 俗に言葉上ではフラメンコロックとして語られているんだけどさ…、ヒネている自分的には何か違う言葉で…と思うのだが、これはフラメンコロックなのです(笑)。スペインの熱い血がたぎるサウンドとロックの融合…というイメージなんだけど、音的にはそれほどスパニッシュというワケでもなくって、まぁ、フラメンコのリズムとか手拍子とかは用いたりしているんだけどさ、ギターでそんなにスパニッシュかってワケでもないし、音はロックの音が基本。なのに何故かフラメンコロック、の音なんだ(笑)。聴いていると熱い血がたぎるっつう面白いバンドでね、売る側が売ろうとしたのもわかるくらいオリジナリティと大衆性をもったバンド。根強いファンは多いんじゃないだろうか?

 バンド経歴は割と面白くてもともとアメリカ人によるバンドだけどその特異な音楽性から英国のリーガルゾノフォン=プロコル・ハルムの属するレーベルからアルバム「宇宙の血と砂」をリリース。確かにアメリカでは出せないだろうな…と同時に英国ロックの音であることも確か…、皆スペイン大好きなのだろうか?歌もアコースティック中心のギターもクールで面白い。ドラムやベースってのは割と平凡なんだけど、ビブラフォンとかカスタネットとか脇役クラスの楽器担当ってのがメンバーに在籍しているワケでして、故に脇役ではなくってしっかりとバンドの中心を成す音なのだな。クイーンが売れたのならカルメンも売れておかしくない、そんな思惑があっただろうと…。もっとも時代的には同世代なのでどっちが売れたかはわからないのだが…、ま、そんなもんだ(笑)。

 しかしアルバム「宇宙の血と砂」を聴いているとデヴィッド・ボウイの「ハンキー・ドリー」あたりの音とかなり被る部分も多いな…。フラメンコ色が強いのはそうではないけど、シンプルな楽曲…5曲目の「Sailor Song」とかだと全くデヴィッド・ボウイのアルバムの音だもん(笑)。ヴィスコンティがかなり手を入れているな、これは。

Carmen - Dancing On A Cold Wind 1974

Fandangos In Space/Dancing On A Cold Wind フラメンコフラメンコ…って何か刺激的だよな、ってアレコレその手のを聞いてたんだけどやっぱ飽きるワケ。普通にフラメンコギター中心の昔からのだとさ。情熱のフラメンコ的なのってやっぱ数曲が限度だから映画でもそのシーンだけだとかなり印象的に映るんだけど、アルバム単位になっちゃうとやっぱ厳しいし。ロドリゴってそのヘン凄いと思うわ、やっぱ。んで、どれもこれも飽きてしまって、どうしよっかな、って思ってた所に、あ、そういえばと思いだしたのがこれ。

 1974年にリリースされたフラメンコプログレロックバンドと呼ばれたカルメンのセカンドアルバム「Dancing On A Cold Wind」。初めてこのジャケットを見た時はクールなキャメル(タバコのね)みたいなジャケットだなと思ってて、とても暑そうには見えない…いや熱そうには見えないバンドだな、って感じだったんでどうしても買うのが後回しになってたんだが…、まぁ、聞いてみたかったんでいつしか買ってたけどね。ファーストの「Fandangos In Space」の方が有名だし、完成度も高い気がするけど、そのセカンドアルバムだから果たして…って思いながら聴いた気がする。んで、それがまた一曲目が凄くてさ、正にフラメンコプログレなワケ。ベースもブイブイとラインを弾きまくってるし、それでいてフラメンコなギターで、ドラムはどういうわけか凄くパワフルで、ドスンドスン来るんだよ。もう何かワケ分からん音で攻めてくるフラメンコプログレ。この一曲が相当ヘヴィで、コイツは…って思ったのは今聴いてもそう思うんだからまだまだ新鮮斬新な音です。

 ただ残念なのはそこから先の曲にそのヘンなパワフルさや異質感やヒネり感がなかなか感じられず、一気にトーンダウンしてしまう所か。あんだけパワフルなモンを幾つも作って入れろってのもなかなか無理なお話だが、フラメンコロックとしてもうちょっと色々なパターンを確立してほしかったな。そういうアプローチの曲も入ってるんだけど、ちょいと中途半端な感じでスパニッシュな歌モノになってるだけとかさ、やや残念。でもね、初っ端の曲だけでもぶっ飛ぶから良しとしないと買った意味が無いだろ、ってことでン十年ぶりに聴いた次第。

Catapilla - Catapilla 1971

キャタピラ 早いモノでもう11月も終盤に突入…。もしかしてもう年末なのか?やたらとクリスマスらしき風情を感じると思っていたら…。好きな季節でもある「秋」っつうのはやっぱりもの凄く短いものなんだ。秋らしき音色のアルバムをいくつも取り上げて聴こうと思っていたのに結局あまり数多く聴けなかったな。アコースティックの美しいものを更に掘り下げて…なんて思っていたんだけど、ま、フーは来るし、ハード系のバンドが結構新作出してるし、そんなの追っかけてたら秋がかなり過ぎてしまった。でも、まだアレコレと聴き続けてみよう、と思う。

 えっと、入手した頃心地良くてひたすら聴いていたアルバムが「キャタピラ」です。ただメチャマイナーなバンドなのでやっぱり何十年も聴き続けるというバンドにはならなかった=B級なんですが(笑)、久々に聴いてみてですな、やっぱりもの凄く心地良いんですよ、これ。アルバム二枚出して消えていくんだけど、二枚とも全然カラーが違う作品でユニーク。今回はそのファーストアルバムの方です。何か参考記事あるかな、とググってみたら自分が書いた昔の記事がヒットしてしまって、自分でもこのバンドのセカンドアルバム「チェンジズ」について書いていたんだと改めて気付いた次第。なので今日はファーストアルバム。

 なんつってもさ、アルバム全曲で4曲だし、アナログ時代ではA面3曲B面1曲でしょ。そのA面の1曲目だって15分半あるんだからもう楽しいよ。その「Naked Death」っつう曲がさ、もう超トリップしていて最高(笑)いわゆるバックがワンパターンマンネリのリフレインを淡々と繰り広げている中にサックスを中心とした楽器が宇宙空間を舞うように音が飛び交う。その前にアンナ・ミークという女性の歌声による思い切りハードロック名パートもあって、このアンナ・ミークの声がベイブ・ルースのジェニー・ハーンのようでエロティックっつうかお転婆娘っつうか、色気があるはしゃぎ声で好きなんだよ(笑)。テクニカルな面とか楽曲の良さとかは特筆することもないんだけど、混沌としたサウンドがひたすら続けられる、しかもそれはこの時代に特有のブルースをベースにはしているけど、っていうヤツなので楽しいのだ。自分でバンド組んで普通にやるとこういう感じの曲調になるのが多い。それはキャタピラをひたすら聴いていた影響なのかもしれない…。いや、キャタピラに影響を受けたアマチュアバンドなんてそうそういないだろう(笑)。

 ホントにね、面白いんわ〜。間に挟まれた小曲はどこかケイト・ブッシュみたいなもんで、一般の形式からは考えにくい展開だったりするけど、このアンナ・ミークのお転婆的歌声が欲生きててよろしい。うん、どっからどう聴いても超B級バンドです(笑)。

Catapilla - Changes 1972

Changes  ジャジーなサウンドでロックを演奏するバンドってのは技巧派からモノマネまで多数存在しているんだけど、まぁ、普段あまり聴かれることのないサックスなんかがロックの中に登場すると一般的に「ジャズロック」と云われることが多い(笑)。もっともな話でもあるんだけど、ドラムが、ベースがと色々と突っ込まれるのはヨシとして、今日はそんな中でもかなりヘンなバンドなんだけど美しき女性ボーカルがメインなので不思議な聴きやすさがあるキャタピラです。

 キャタピラ=イモムシ、そしてジョ・アンナ・ミークと言う結構綺麗なお姉ちゃん、もちろん歌声も綺麗で良いんだけど、バンド名とのギャップが面白い。1970年クリスマスに結成して1971年にファーストアルバム、翌年にセカンドアルバム「Changes」をリリースして消えていったバンドで、一言で言うならば混沌としたサウンドの中に光る美しき女性ボーカルとサックスプレイ、そして結構重めの演奏をするバンドがひたすらとロックを刻む妙なバンド、です。ファーストは正にその通りのサウンドで、アルバム全曲でも4曲しかない(笑)。

 1曲目(16分)と4曲目(24分!)と気合いが入っていて、途中に挟み込まれている小曲はなかなかポップで小気味の良いロックサウンドとブラスロック(笑)というワケのわからん展開もよろしい。ジャケットは表面がかじりかけの林檎、裏面が芯だけになった林檎。そしてセカンドアルバム「Changes」では林檎をかじった犯人?が登場する、モロにイモムシ、です。予想通り表面がイモムシの顔面、裏面は背中です(笑)。アナログで初めて見た時はけっこうキモかった(笑)。そのセカンドアルバムは更に混沌とした空気感の中にサウンドが広がっているようなイメージで今回も全4曲というポリシーは変わらないんだけど、前回とは異なり12分+6分が繰り返されている。しかし前作のような大きなメリハリは付けられていないため、ただただ混沌の垂れ流し的アルバムという感じでキャタピラ独特のケダルさが違う。好みは正直言ってその日の気分によって変わるだろうなぁ。コレ聴いてすっきりと明るくなる人はいないだろうから(笑)。でもね…心地良い♪

 セカンドの方が好む人もいるんだろうな。ちなみによく名盤といわれるのはセカンドですね。

Chapman Whitney - Streetwalkers 1974

STREETWALKERS(ストリートウォーカーズ)(直輸入盤・帯・ライナー付き) 古き良き英国ロックの世界に戻ってみて、白人ながらもソウルフルな歌声を持つ人物ってのも何人も存在するんだけど、多分一番不運だったような気がするのがファミリーで知られたロジャー・チャップマンじゃないだろうか?いや、不運っていうのも言い方が悪いんだけど、凄い歌声持ってるんだけどパートナーに恵まれなかったというのか、もう一つ弾けてもらってもよかった、みたいな感が強いんだよね。FamilyってJohn Wettonが在籍していたおかげで、知られているっていう側面の方が大きい感じがしてさ、結局John Wetton在籍時はイマイチ、っていうのにも拘わらずね。まぁ、そんなこともあって勢い余ってFamilyを解散させたロジャー・チャップマンが同胞のチャーリー・ホイットニーと共に再度創り上げたプロジェクトがこのChapman Whitneyの「STREETWALKERS」で、この後は「 Streetwalkers」をバンド名として活動していくこととなる。蛇足だけど、今のIron MaidenのドラマーであるニッコはこのStreetwalkersのドラムでもあったという繋がり。英国ロックは深いのだ。

 そんでまたこの「 Streetwalkers」という作品に招集されたゲスト陣営がものすごい豪華になっていて、こんな感じ。

Roger Chapman (vocals, percussion), Charlie Whitney (guitars, steel guitars), Max Middleton (keyboards), Tim Hinkley (keyboards, vocals), John Wetton (bass, Vocals), Ric Grech (bass), Neil Hubbards (guitar), Ian Wallace (drums), Mike Giles (drums), Godfrey McLean (congas), Poli Palmer (electric vibes), Linda Lewis (backing vocals), Jim Cregan (backing vocals), Boz Burrell (backing vocals), Mel Collins (all brass and woodwind and arrangement on "Showbiz Joe"), Del Newman (string arrangements)。

 ざっと見てわかるようにKing Crimson陣営がガンガン参加しているし、マックス・ミドルトンやリンダ・ルイス、ジム・クリーガンなんて布陣も参加しているのでその実英国ロック一大セッションにもなっているのでもっともっと話題になっていてもおかしくないのだが、そこはロジャー・チャップマンの不運さを物語っている(笑)。アルバム的に面白くないんですよ…、いや面白くないというよりもセッション的に個性がそれなりに際立った作品ではあるけど平凡になってしまっているんです。どれもプレイヤーとしての力量は存分に発揮していると思うが、楽曲の問題かねぇ。セッションプレイヤーに罪はないんだけどね、地味になってしまってる。

 それでもやっぱりKing Crimson的な位置を期待してしまうんだが、そこはメル・コリンズが美味しいところを持っていきます。アチコチで独特の演奏を聴かせてくれるもんね。数多くのドラマー勢は期待したほどの個性を発揮できていない…のはやっぱり楽曲の問題かなぁ。悪くないし、英国的だけどな…。FamilyとKing Crimsonって別に音楽的にリンクすることはないんだけどバンド単位では割と遭遇しているので、「 Streetwalkers」ではその二つを組み合わせたようなサウンドになっているのは面白い試みだけどね。でもやっぱロジャー・チャップマンは小技使うよりも熱唱していてもらいなぁ。どうも今は「First Cut」ってタイトルとジャケットで曲順が変わってアメリカ盤がリリースされて容易に手に入るらしいので聴いてみて下さい。

First First Cut

Charlie - Fantasy Girls 1976

T.V.ドリーム テレビって見ないなぁ…話題がそこに進むと黙ってるしかないもんね。何せタレントの名前もテレビ番組名もほとんど知らないし何が売れてるとか流行ってるとかも知らないし話題のセリフとか言葉とかそんなのも全然知らないし、よくこれで普通の世の中で生きてるなと自分でも思うくらい(笑)。だってさ、その時だけの話題のために時間割くってあんまり意味ないんじゃない?って思うし…、実際そんなことないんだろうけど自分的にはそういうのが強いからかな、興味ないってのが正しいけど。

 1976年にクィーンと同じトライデントから世間に出て来たCharlieってバンドのファーストアルバム「Fantasy Girls」。何気に結構長い期間に渡ってシーンに滞在していたし、それなりに売れていたし知られてもいたんじゃないだろうかとは思うのだが、自分的にはまるで通らなかった世界ではある。英国産でクィーンばりなのにね。ジャケットが全部おねえちゃんってのもなかなかよくわからないセンスだが、しっかりとしたバンドです。聴いてみればかなり英国然とした洗練された品のある音だってのはわかるし、気品あるってのがアメリカ的ではない。Wishbone Ashからツインギターの華麗さを落としたような雰囲気があるかもしれん。コーラスワークだってクィーン的ってよりアッシュ的な感じもあるし、音の作りがそんな感じなんだよね。だから綺麗で品がある。楽曲のレベルだって相当にこなれているからファーストアルバムってバンドの出来映えじゃない。

 しかしそんな雰囲気を持ちつつもどこかAOR的な路線を最初から感じてしまうのはどの部分だろうか…、キャッチー過ぎるってんでもないけど、リズムなのかな…後年はAORに進むんだけど、最初は普通にロックバンドだったハズなんだよな。そんな先まで意識してなかったと思うし。でも、こういうのってその芽があるんだよね、最初から。アッシュはその辺軌道修正してったけど、このバンドはメンバー変わってってそっちに進んでったっていうところか。それでもアルバムを聞いている時の洗練さ加減は他には聴けない魅力があるね。

Chevy - The Taker 1980

The Taker + 16 ※日本語盤歌詞・対訳付き Chevyってバンドの1980年作「The Taker」。英国のバンドで、位置づけとしてはNWOBHM的な波の中で出てきたようだけど、そんなに単純なモンでもなくて、その手のカタログにはあまり出て来ない。じゃ何だ?ってとこだけど聴いてみるとわかるようにWishbone Ash直系のメロディアス・ハード風なバンドという感じだ。さらりと書いてるけど自分的には実はど真ん中のサウンドで、こういうバンド探してたんだよ〜って言いたいくらいには好きな音だ。哀愁漂うツインギターでのサウンド、歌メロにしてもやっぱり哀愁漂うメロディーだし、楽曲もそういう作りと展開を意識してて狙い通りに運んでくれるしまるで文句なしのアルバム。こういうのがあるから止められないんだよねぇ、古いの漁りはさ。リアルタイムで知ってる人からしたら何言ってんだ?ってことだろうけど、こういうのってなかなか探し切れないんだよ、売れてりゃ知ってるけど、また売れなくてもB級なら漁れるんだけど、こういうのって一番探せなくて…、いや、見つけてよかった。

 ジャケットはヒプノシス、ボーカルには幻のバンドStill Lifeのボーカリストのマーティン・キュアを配したバンドなので、実力派であるのは明らかだけど、こうして聴いてるとその実力以上の楽曲ばかりなんだよ、売れたかどうか知らないけど、かなりの傑作だと思ってる。何度聴いてても味が出て来るし、何と言うのか王道的な堂々としたサウンドを出してるんだよ。その辺がWishbone Ash的なのかもしれないけど。ギターだってツインでかなり早くて忙しいことをやっててまたカッコ良いしね、楽しめるバンドはまだまだありそうだ♪

Chick Churchill - You And Me 1973

You And Me - Green Label  昔好きだったバンドを今でも好きだからちょくちょく聴くってのと、いや〜、あんまり聴かなくなってきたな、どころかココ何年も聴いた記憶がないなってのもある。もうね、30年以上聴いてるとそういうのもたくさんあって、そもそも何で好きだったんだろ?ってのもあれば何で今は良く聴こえるんだろ?ってのもある。ま、そういうもんだ。んで、鍵盤のハードなの聴きたいな〜なんて思ってて、ふと目に付いたのがこの人。

 Chick Churchill、ご存知Ten Years Afterの鍵盤奏者で、TYAのライブでアルヴィン・リーの後ろでド派手に頭振ってオルガン弾いてる人ですよ。あぁ、もちろんベースのレオ・ライオンズもずっとアタマ振ってるんだけどさ、この人も結構凄くて、もう明らかに60年代のプレイなのね。で、それが結構好きでさ、もちろんオルガンも結構ハードに弾いてた印象もあったから、1973年にリリースされたソロアルバム「You And Me」なんてのはそれこそ好き勝手に弾いてるんだろう、って思ったものだ。メンバーを見ればドラムにコージー、ギターにバーニー・マースデン、TYAからはもちろんレオ・ライオンズ、更にジェスロ・タルのマーティン・バレなんてのも参加、更にミックスにはマシュー・フィッシャー…、揃いも揃ってるこのメンツ、それでハード的なプレイだったらかなり楽しめそうじゃないですか♪

 って話だけどさ、そもそも昔聴いてて全然記憶に残ってなかったのはそりゃそうか、当たり前だな、ってまたしても思ったくらいに何の取り柄もないアルバムで、メンツの豪華さだけで残されているようなモンだ。歌もチャーチルが自分で歌ってるからか、ナヨナヨした感は否めないし、いや、味があると言えばあるんだが、どうもねぇ…。それでコージーとかバーニーにマーティンなどなどですか…、鍵盤も派手に弾きまくるってんでもなくピアノを聴かせるってんでもなく、ポップスでもなくロックでもなく、う〜ん、何したかったんだろ?単に音楽を作ってやりました的なモンだろうか?ってくらいだ。そつないのは事実だけど、時代からは忘れ去られるだろうなぁ…。

Chicken Shack - 40 Blue Fingers, Freshly Packed and Ready to Serve

40ブルー・フィンガーズ(期間生産限定盤)  後のフリートウッド・マックで活躍するクリスティン・パーフェクトはマックのジョン・マクヴィーと結婚してクリスティン・マクヴィーとして有名なのだが最初は同じ英国ブルースロックバンドのチッキン・シャックに参加しており、その才能を開花させていたようだ。それにしてもこのバンド=チッキン・シャックってのは実に認知度が低い。普通に英国ロックが好きでもあまりこのバンドをきちんと聴いている人も多くはないだろうと思う。自分も含めて、です。その理由は大きく…と言うよりも単純にアルバムが手に入らなかった。ただそれだけ。初期の作品はブリティッシュブルースレーベルとしては有名なマイク・ヴァーノン氏率いるブルーホライズンからのリリースだったんだけど、そのマニアックぶりからかこのレーベルのアルバムってほとんど手に入らなかったんだよな。英国B級バンドの方がまだよっぽど見かけることがあったように思うし、実際再発なんかもあったんだけどチッキンシャックはなかなか出なかったし、そうこうしているウチに聴かないまま終わってしまっていたのが現実。

 昨年紙ジャケでリリースされたみたいなので今なら簡単に手に入るようなので早いウチに聴いておく必要があるよなってことで今の流れからして手を出してみることに…。やっぱどうせならファーストからだろう、ってことで「40 Blue Fingers, Freshly Packed and Ready to Serve」から挑戦。しかし、このアルバムジャケットを見るだけで万単位の値札が付いていたことを思い出してしまうし、「O.K.Ken」なんてついぞアナログを見かけることはなかった…。それだけにこの二枚への期待感がもの凄いものがあったね。で、「40 Blue Fingers, Freshly Packed and Ready to Serve」だが…、驚くまでにシンプルなブルースロック。ギターのスタン・ウェッブがフレディ・キングばりのギター弾きというのは聴いていたが、いやぁ、ここまで見事にどブルースなファーストアルバムだとは思わなかった。ちょっとはオリジナリティあるだろ?って思ってたんだけど、それはほとんどがクリスティン・パーフェクトの手がけたモノらしいのでちょっと違うんだよなぁ。これじゃ売れないだろ、とか思うんだが当時の英国では結構評価されたアルバムらしい。そりゃ、セカンドアルバムとか出せるんだからそこそこ売れたんだろうね。

 まあそんなことでまんまブルースって感じはそのままで、歌もモロに黒人のモノマネ、ピアノの入りやブラスなんかもモロって感じなのでまっとうに評価できない部分はあるけど、英国らしさってのは…、線が細いことかなぁ。まったく同じようにやってもその辺はどうしても出てきてしまうことなんだな。繊細っつうかさ。その分スタン・ウェッブのバリバリのギターが楽しめたのはお得かな。こうして聴くとクラプトンと大差ないギタリストばっかなんだけどなぁ、でもやっぱ何かが違うんだろう。その辺のブルース好きな人にはお勧めできるけどヘヴィーブルースが好きな人にはちゃちな音にしか映らない可能性あるな。個人的にはフレディ・キング好きだからこういう模倣を聴くのも割と好き。

Chicken Shack - Ok Ken 1969

Ok Ken いつの時代だってブルースロックってのはワクワクする。ブルースってのは若い頃から聴き始めていつまで経っても聴き続けられる音楽ジャンルのひとつで、結果ブルースってのは若者の音楽でもありジジィの音楽でもあるワケだ。ところがブルース・ロックとなるとちょいと事情が異なってきて、しかも英国のブルースロックとなると極一時期のサウンドでしかない。まぁ、総じて70年代英国ロックの初期は大半がそこの属することになるのだろうが、その中で突き抜けたバンドは皆が知っているワケで、その次ともなるとSavoy BrownとかChicken Shack、Fleetwood Macになるのだろう…ってことで実はあまり手を伸ばしていないこのヘンのバンド郡をちょいと…。

 1969年にリリースされたChicken Shackのセカンドアルバム「Ok Ken」だが、書き始める前にだ、そもそもこのヘンの英国ブルース3大バンドと呼ばれるバンド郡のアルバムは自分がこのヘンをあさっている頃はことごとく手に入らなかったのだ。おかげで全然聴けることなくタイミングを逸していったバンド郡の類で、ようやく探し当てたアルバム郡はさほど大したものでもなく、がっかりした記憶も多々…。おかげでこの3大ブルースバンドと呼ばれる類はハマることなく、どちらかと言えば線の細さが目立ってしまって自分好みのブルースロックの世界でもなかったこともあってきちんと何枚も聞いてない。特にSavoy BrownとChicken Shackはまるで手に入らなかったし、本作「Ok Ken」なんてもう見ることすらなかったくらいだ。レコードでこのジャケット見た時はジャケットの面白さに結構感動したんだけど、そこに付いてた値札も結構な代物だったなぁ…。

 気を取り直して…「Ok Ken」をもちろんCD時代になってからの話で聴いたのだが、やっぱりさほど面白いものじゃない…って言うと語弊があるが、Chicken Shackのアルバムの中ではかなり際立った作品のハズで、これがダメなら他もダメだろってくらいのアルバムで…、そりゃ時代性もバッチリで演奏にしてもドロドロで気合の入った、そしてクリスティン・パーフェクトも在籍している傑作ってことなのだから。ところが自分的にはあまり…ってのが本音。スタン・ウェッブのギターもフレディ・キングそのままのように弾いてて良い感じなんだけどねぇ…、何がイマイチハマり切れないのか、多分ロックさ加減の少なさなのかな。妙に器用だったからブルースそのものが出来ちゃって…でも、その分本物の図太さはないし、かと言ってロックでもない…そのヘンだろうなぁ、自分がイマイチに感じるのは。人の好みは色々ですな。

Chicken Shack - 100 Ton Chicken 1969

100 Ton Chicken  チキン・シャックの1969年リリースの三枚目のアルバム「100 Ton Chicken」。この辺の3大ブルースバンドと言われるあたりって実はそんなに得意でもなくって、他のに比べたら全然聴いてない。やってる事は本格的なブルースなんだけど、どうにも線が細くてアグレッシブにグイグイ来るんでもなく、もっと純粋にブルースチックになっているからか、ロック的エッセンスに欠けるトコロが自分には物足りなさを感じるトコロだったのだろう。他の2つのバンドもそんな感じで、どうにも熱中できるほどではなかった。それでも英国ロック好きだからこの3大ブルースバンドってのは何かと出てくるから聴いたけどね。

 クリスティン・パーフェクトが結婚してFleetwood Macへ移り、ポール・レイモンドを入れての新たな心意気でのアルバム、音楽路線はまるで変わっていないけどスタン・ウェブはもちろん自分だけのボーカルで通すしかなくってギターも弾いてとある意味凄く充実したアルバムに仕上がっている、はず。その甲斐あってから純粋なブルースアルバムとして仕上がっててジャケットのコミカルさと相反した内容が評価されることが多いらしい。自分的には、相変わらずの線の細さが気になるけど、以前よりは慣れたかな。かと言ってホレ込む、ってほどの音ではないのはいつもどおり。割と悲劇なバンドなんで同情しちゃうけど、こういう音を出していたブルースバンドってのもなかなかないし、やはりそれなりの立ち位置でのバンドだったんだろうと。

Chicken Shack - Accept 1970

Accept  これだけ色々な音楽が氾濫していて自分で選びながら聴くのが普通だし、せいぜい友人やブログなどで他の人に紹介してもらう程度でしか拡張性はないのだろうけど、それでは勿体無いくらいの素晴らしい音楽が溢れている。自分の好みって皆が皆多方向にあると思ってて、それを他の人が知ることは多分無理だからどうしても自分の感性のアンテナってのは自分で立てておかないと反応しにくいから人任せってわけにもいかない。でもさ、やっぱり聴いておくと面白いよ、もっと若い頃に知ってたらもっともっと突っ込んで聴いてたしギター弾いたりしてたもん、なんていいたくなるアルバムも数多くある。油断できないんだよね。

 Chicken Shackの1970年リリースの4枚目の作品「Accept」。ジャケット地味だし、多分人気的にも地味なんだろうと思う。70年頃からのチキン・シャックってどうも地味でウケない印象しか無くて、初期の作品も太鼓判押されつつもどこかチープで線が細い感じあったからど真ん中で聞く事なかったし、それがこのヘンからは結構ど真ん中のブルースロックを中心に、発展させて英国ブルースロックの幅を広げながらアルバムを創り上げてて、かなりの佳作に仕上がっていると思う。あまり人気もなくてそんな風に評価されてるのを見たこともないけど、結構レベル高くて楽しめるアルバムだよ、この「Accept」。

 この後バンドのメンバーが異動していってチキン・シャックは崩壊の道へと進むけど、この頃はまだクリスティン・パーフェクト離脱後のメンバーで頑張ってて、後釜にUFOのポール・レイモンドが参加してやってくれるじゃないですか、って褒めたくなります。しかも楽曲が一辺倒なブルースロックだけじゃなくてホント多彩なサウンドにアプローチしていてそのあたりはブルースロックバンドと定義されることの方が狭量なものの見方にすらなってしまっているんじゃないかと。The Kinksの中期みたいな感じをイメージして、もちょっとブルースロックテイスト強いというような感覚か。名曲って感じのがもっとあれば変わったんだけどなぁ…、ブルースロックからの発展系にオリジナリティ路線が弱かったのが難点か。んでも良い味出してるアルバムです、これ。

Chicken Shack - Imagination Lady 1972

IMAGINATION LADY  最近色々と替えようかということを気にしてて、それもこれもiPhoneどうすっか、から始まってるんだけど、そういえばキャリアである意味ないよな、格安SIMでもいいか?ん〜、なんてのから動画配信もどこが良いんだ?とか今のケーブル環境から一気に変えるか、とかそもそも回線どうするか?とかそんなお話。割と最新型にしてきたつもりなのにいつしか古くなっている。老朽化じゃなくて環境が古くなってて器材が対応していないとかそんなお話で、何やら勿体ないのぉ…と。

 1972年にリリーうされたChicken Shackのアルバム「Imagination Lady」は、メンバーをごっそりとSavoy Brownに持っていかれたおかげで、トリオ編成でのプレイが収録されてる作品で、作風もこれまでとはかなり違う、チキン・シャックの中では結構な異色作にもなるアルバムになった。簡単に言えば、普通にブルースロックしている、ってことでして、聴いていると自分的にはこっちの方が好みではある(笑)。初っ端からグイグイと腹に響くのが何といってもジョン・グラスコックのベースプレイ。正に圧巻なプレイで的確、且つグルーブも素晴らしく、ドタバタドラムを見事に流していくプロフェッショナルさ、そしてスタン・ウェブの貧弱にも聞こえるギタープレイをグイグイと引っ張っちゃうという…、素晴らしいベーシストだ。Toe FatやCarmen、Jethro Tullにも参加することになるようだが、そんなに目立ったかなぁ…、また聴いてみなきゃ。

 そこが聴きどころっていうワケじゃなくて、バンドのアルバム的にはいつもそうだけど歌が弱くてイマイチ迫力に欠けるのが難点ではあるチキン・シャック、それもここでの作風では思い切りクリーム風なブルースロック、結構熱くプレイしていて、この熱さの原因はメンバーがいなくなった事への怒りと腹いせと自身の証明なんじゃないだろうか。それにしても曲中では往年のロックの名曲へのオマージュなのか、パクリなのか、そんなことを感じさせるフレージングがあちこちで…、さすが英国人、ユーモアたっぷりだな、とも思えるか。それにしてもこういう音だったらこんなジャケットじゃなくって、もっと時勢に合わせて売れるジャケットでブルースハードロックアルバムってことで売れば良かったのにな。そっちには行きたくなかったか。

Chimera - Chimera 1968?

Chimera 女性二人によるアコースティックなバンドってのは割といくつも思い付くけど、それは単にメロウキャンドルというひとつの偶像があるからだろうな(笑)。やっぱね、メロウキャンドルみたいなのを期待しちゃうワケさ。実際にはなかなかそんなことないんだけどさ。ところがひょんなことから聴いてみたキメラ(Chimera)っつうバンドっつうかプロジェクトっつうかユニットっつうか…、には驚かされた。60年代末期には録音されていたものなんだけど、当時リリースされることはなかったアルバムでして、それが2004年になって突如陽の目を見たという非常に珍しいパターンの作品。

 ま、ジャケットからして良いよね(笑)。彼女たちがこのバンドで歌っている女性ではないと思うが、印象としては凄く良い…。音の中味はと言うと、冒頭がもうメロウキャンドルチックな幻想感溢れる楽曲と歌でね、結構あっちの世界にイケる感触よ。それは全編に渡って繰り広げられる世界なんだけどさ、なんでこんなの当時リリースしなかったんだろうと不思議に思う。音のアレンジなんかももちろんしっかりしていて、作品的にもかなりレベル高い方だと思うけどな。

 うん、この作品は別の意味で非常に話題になることが多い。まずプロデューサーにフロイドのニック・メイソンが半分くらい関わってて、もちろん演奏にも参加してる。そのツテかリック・ライトも別の曲で参加しているのでピンク・フロイドマニアの間では以前から話題になっていたことのある作品なのかもしれない。それと、当時のサイケデリックブームの中では割と重宝していたであろうウィル・マローンがオーケストラアレンジャーとして記載されている。オレンジ・バイスクルとかソロアルバムで有名な人ね。それとアシュカンっつうデッカノヴァのマイナーなバンドからフリートウッド・マックに参加することとなるボブ・ウェストンも参加しているってことだ。まぁ、とりあえずフロイド関連ってことでリリースされた時には結構売れたんじゃないかな。

 しかしこの全ての曲を書いているリサ・バンコフっつう女性、歌も歌ってるけど裏ジャケのギター弾きの姿もそうだろうから、かなりの才能の持ち主…そして男の操り方が上手かったのか、とんでもないゲスト陣を迎えているワケで、果たして何者?ちょっと調べた程度じゃ何も出てこないのでマジメに調べないとな…。

Chopyn - Gland Slam 1975

グランド・スラム(紙ジャケット仕様)不思議の国のアニー」と同じような立ち位置のイメージを持っていたのが、Ann Odellという女性の「アン・オデール/ア・リトル・テイスト」というアルバムだったのだが、これがまた全く手に入らなくて大変だった。CD時代になってからは割と早めにリリースされたのでそれは良いのだが、今度はAnn Odellが在籍していた…と言うか、自分で組みたくて組んだバンドだったChopynという大胆なバンドの「グランド・スラム 」が手に入らなかった。これはもう全然CDにもならなくて見つからなかったねぇ。今はようやくCDになっているけど、これも世界では日本だけだから結構レアな代物になるだろうな。

 メンツを見ればお分かりのように今となってはSimon Phillipsが在籍していたバンド、っていう方がわかりやすいんだろうと思う。Simon Phillipsが17歳とか18歳の頃のプロバンドなワケで、もちろんアルバムを聴いている限り全然テクニック的にもノリ的にも遜色なくて天賦の才能をフルに活かしているように思う。そもそもAnn Odellって人が王立音楽院を出た才女なので、音に対する感性が凄く敏感なハズなので、そこでのこのSimon Phillipsの採用なのだからそりゃそうだろ、と。そのAnn Odellという女性について割と知られているのはBryan Ferryの「Let's Stick Together」のストリングスアレンジやJapanの「Quiet Life」、更にSimon Phillips繋がりであのPete Townshendのソロアルバム「All the Best Cowboys Have Chinese Eyes」なんてのにもブラスで参加している才女。

 キャリア的にはこのChopynが最初というものでもなく70年代初頭からシーンには名を残しているようで、様々なセッションに鍵盤奏者として名を連ねているみたいで、Blue Minkなんてのが割と初期かね。ソロ名義でもシングルとアルバム「アン・オデール/ア・リトル・テイスト」が1973年にはリリースされているし。以降はなかなか目立った作品はないけど、これだけの才女なのだからどこかで色々と仕事してるのだろう。オフィシャルサイトもあるし。

 さて、そのChopynというバンド…、当時Ann Odellはどうにもファンキーな音をやりたかったようで、一見ボーカルしてるのかと思ってたら、しっかりと鍵盤に始終していて歌は多少歌っているものの基本的には他に任せてしまっている。作品としては非常に取っ散らかった印象の強い作品で、確かにファンキーな音を狙っているので、どこかBabe Ruth的な部分もあったりするんだけど、中途半端。それが面白い味付けになっているんだろうけど、垢抜けない音世界はやはりB級路線を歩まざるを得ないトコロ。ジャケットとか色々とマニア心を擽るものだけどね。ギターにはRay Russellが参加しているのでソツなく聞かせる部分では問題ないし、それよりもこの「グランド・スラム 」で目立つのはベースとパーカッション。全く無名でしてその後もあまり名を聞かないんだけど、これがまた良い味出してます。

Chris Barber's Travelling Band - Get Rolling! 1969-71

 知れば知るほどに深みを増してくるブリティッシュ・ロックの深淵。先日聴いてたトコロからSteve Hammondって人がちょこっと気になったんで漁ってみると結構な才能の持ち主な事で知られていた、かもしれない。70年前後の活動を見ていると概ねQuatermass界隈と絡みまくってる…ってかほぼQuatermassの心臓部分を担ってるんじゃないかっつうくらい。それでいてQuatermassはギターレスなバンドなんで直接出て来ないんだけどリッチーがお気に入りの「Black Sheep of the Family」ってのはSteve Hammondが作った作品だったりするんですよね。そうかそうか~と読み漁っていくと面白くてどんどんと進んでしまえるのも今の時代の産物、大変よろしくない(笑)。

 1969年から71年頃の録音をまとめ上げたChris Barber's Traveling Bandっつう英国のトロンボーン奏者のアルバム…編集盤がある。こいつの大半はSteve Hammondがプロデュースしてたり曲もいくつか作ってたりする。そうかそうか~知らない人だな~って思って期待して聴いたらジャズだった。いや、ほんとにトロンボーンやビッグバンドにフォーカスしたジャズアルバムで、何でこれをあのヘヴィーなギターを弾くSteve Hammondがプロデュースして、しかも参加して…って訳分からんぞ、と。更に驚くのはこの中にはPeter Robinsonも参加してるワケです…そうQuatermassの鍵盤奏者。この二人、結構アチコチで一緒にレコーディング参加してたりするんで良いパートナーだったみたい。まぁ、冷静に紐解くと69年録音あたりでしかこのお二人は参加していないんで、以降はロックに進んだみたいだけど驚いたな。アルバム全部を通してどうのって言えるほどよく判ってないけど、お二人とも随分多彩なミュージシャンだったってことは分かる。

 まだジャズもロックも何もグチャ混ぜ立ったなんだろうな、特にその時期だから皆が皆ミックスして新しいことやりたがってただろうし、随分とユニークな試みをしていたものだと聴こえる。ここまでマイナーだとなかなかその成果やシーンへの影響なんてのも分からないんだけど、きっとミュージシャンズ・ミュージシャンだった方々なのだろう。

Chris Farlowe - From Here to Mama Rosa 1970

From Here to Mama Rosa ん〜、Steve HammondとPeter Robinsonのキャリアを追い掛けてみるとこの人達にとってQuartermassって単なるセッションバンドのひとつでしかなかったのかもなぁ…とか思う。まぁ、あの時代のバンドがアルバム一枚で消え去るってのが多いのはプレイするミュージシャン側にはもしかしたらジャズと同じくそれぞれ単発のセッションだったという意識だった人も多かったのだろうか。スタジオで名を挙げていたミュージシャンなんかはそういう認識だったとしてもおかしくないし、結構そういうミュージシャンが参加しているってのもあるから、そうかもな〜なんて思ったりする。中にはStill Lifeなんという参加ミュージシャンが分からなかったってのもあるくらいだし。

 そんな事を思ったのは、クリス・ファーロウのアルバム「From Here to Mama Rosa」という1970年の作品を聴いているからです。この作品にもPeter RobinsonとSteve Hammondが参加してて、しかもSteve Hammondは大半の曲を書いてるという仕事量。もしかしたらQuatermass用に作ってた曲の流用かもしれないけど、圧倒的に違うのはなんつってもクリス・ファーロウの歌だからねぇ…、英国ロックヴォーカリストの中ではかなりの力量を持った方でコロシアム以外に代表的なバンドがなかったからさほど知られてないけど、その筋では…ってバックのメンツも同じだから玄人向けのロックだったんだろう。普通に聴いてて「なんじゃこりゃ?」って歌声だし。更にチェロ弾いてるPaul BackmasterもQuatermass参加者だったりして簡単にいえばクリス・ファーロウの歌のバックをQuatermassがやっているってな構図だ。ハモンドの音なんてモロそのままだもん(笑)。

 ここまで来るとさすがにSteve Hammondのエグめのギターが目立つっつうことは無くって普通に落ち着いている感じになっちゃってて面白みに欠けるんで、やっぱバリバリと弾きまくる、自分主役みたいなバンドの方が個性は生きてくるんだなと思う。なまじっか器用すぎるミュージシャンだったんだろう。アルバムとしての質が良いか、ってぇとちょっとそういうんじゃないけど聞かせどころの多いアルバムに仕上がってるし決してつまらないアルバムではない。ただ、これだ、っつう個性には欠ける感は否めなくて、ってあたりか。それにしても面白いなぁ、こういう人達のお仕事探しってのは。

Chris Farlowe - Out of Time

Out of Time  イミディエイトレーベル最大のスターはクリス・ファーロウだ、と言われるトコロもあって、もちろんあのColloseumに参加していたのが一番知られている、あのクリス・ファーロウだ。諸説に依るとロッドやポール・ロジャース、マリオットやウィンウッドなんかの比にならないくらいの歌声で圧倒していたとの見方もある。う〜ん、自分的にはもちろん生で接したらその凄さに圧倒されるのだろうけど、そこまでは思わなかったなぁ…、やっぱり録音が古いのを聴いてたからよくわからなかったのだろうか。そういう意味では割と不運な、とまでは言わないけどもっとロック回で前面に出て来れた人なんだろうけど、そういう機会が少なかった人なのかも。

 ってことでねイミディエイト時代のベスト盤ってのがたくさん出てるんで、聴いてたワケです。何でも良いんだけど「Out of Time」とか。結局60年代のシングル時代にヒットを放っていたからシングルがたくさんあってアルバムにはなってませんっていう時代なのでね、ベスト盤で良いワケです。オリジナルアルバムというのはこの頃はそれほど需要がなかったと言うか、まだまだな時代だったワケで。それにしてもミック・ジャガーとは良い関係だったんだろうな、カバー曲が幾つもあって、それもまた確かにクリス・ファーロウが歌うと渋さと深みが増すという少々くぐもった声質が特徴的か。なかなか抜けてこないから自分的にはあまり響かないんだよなぁ。上手いとか凄いの次元はもちろんあるんで単に好みのお話になっちゃうんだけど。

 それにしてもただでさえ良い曲がこの人が歌うとものすごく良い曲に仕上がってしまうんだけど…、ミック・ジャガーも良く許したものだ(笑)。こうして立て続けに聴いてるとやっぱり凄いシンガーだなってのがありありと…。でも、やっぱりロックシンガー的な弾け感はないから歌の上手い人、なんだな。それにしてもこの時代の繋がりで幾つもセッションが出来上がるんだからレーベルメイトって面白いわ。クリス・ファーロウで言えばここからコロシアムに繋がるし、ジミー・ペイジともこの辺のセッション繋がりだろうし、そう考えるときちんと良さを分からない自分の耳がダメなのだろうから、もっと聴いてみよう。

Chris Harwood - Nice to Meet Miss Christine

Nice to Meet Miss Christine 深みに進めば進むほど浮上するのが難しくなる英国ロックの深淵…、何度となくそんな事を書いているので当ブログ読者は「またか」ってな感じなんだろうけどね、しょうがないんだよ、こういうのって。聴いてると「あれ?これって…」みたいになっちゃうんだから。探究心とまでは言わないけどさ、そうか、それならどんなもんだろ?って思うじゃない?昔ならメモって記憶してレコード見つけに行くっていう作業があるからそうそう簡単に深淵に進めないんだよ、それがもどかしくてどんどん時間かけてハマってくんだけど、今の時代、ちょっと興味持とうモンならすぐに探し当てて聴けちゃうんだからさ。

 ってことでニュークリアスから英国ジャズ・ロックの面々、さらにはクリムゾン人脈まで含めて一大セッションアルバムともなったChris Harwoodという女性の1970年リリースの「Nice to Meet Miss Christine」です。メンツはもうその筋の方ばかりで固めていてロジャー・サットンは元よりピーター・バンクスやらイアン・マクドナルドやらとにかく凄い面々。ただ、まぁ、往々にしてありがちなんだが、これだけの面々が集まってもそもそもの楽曲の出来具合によってまるで名盤にならないってお話はここでもあってですね(笑)、それも多分この謎の多い女性クリス・ハーウッド女史の歌声に魅力がイマイチ無いのでは?って珍しいパターン。普通魅力があるからこれだけの面々がサポートする、それがレコード会社の意図であろうともって話なのだが、そうでもないっぽい。ではなぜ?誰かの何かの関係者かもしれない。

 なのでそこはちょいと置いといて、バックの演奏、プレイそのものだけに絞ったお話になるんだが、やっぱりイアン・マクドナルドが一番活躍してるのかな。ムーディな雰囲気をきちんと醸しだして艶かしく音をまとめているような感じだ。大雑把に書けば英国テイストたっぷりなんだけどBGMレベルにしかならんかなぁ~と言うような音で、残念感はあるけど何度も何度も細かい音までキチンと聴いていけばそれぞれのプレーヤーのプロフェッショナルな仕事がよく分かるという一枚。そこまで聴かないで放置になる方が確率高そうだけど…。

Chris Spedding - Backwood Progression 1970

Backwood Progression ジャズにはあまりギターを求めないし出番も少ないとも思ってる、もっと言えばジャズにはギターは要らないな〜って思うくらいで、フュージョンとかダメだからそっちはないし、モダンなジャズではやっぱりサックスやペットやピアノともすればドラムやベースが聴き応えあるワケで、ギターではないという気がしている。だけどジャズ・ロックにはギターが必要で、となるとジャズとジャズ・ロックの違いはギターの有無か?となるが、ま、そうでもなくって…いや難しい(笑)。

 クリス・スペディングのファーストソロアルバム「Backwood Progression」は1970年にHarvestからリリースされていて、それまでもその後も実に様々なセッション活動を行なっているクリス・スペディングなので期待されていたハズ。ただ、セッションギタリストってことで各種セッションに参加している作品ではクリス・スペディングって人のギタープレイは聴けるし、高評価なのだが音楽性は?ってのは全然わからないままだったのだ。彼の好みとかやりたい音楽ってのが出て来た最初の音が恐らくこの「Backwood Progression」。そして聴いて「??」なのも事実(笑)。ジャズロック系のバンドのギタリストとして名を上げていったのでそういう向きが強いかと思えば、意外とオーソドックスにキャッチーなポップス的な曲だったり、ヘンに力まないロックだったり、ま、正直言って大して面白みがあるとは思えないアルバムに仕上がっている。でも、英国ロック史では大抵取り上げられているし、それはキャリアを語るために、という向きが多くて音楽性どうのってんではないんだが、そういうもんか。

 この後もクリス・スペディングって人はいろいろなセッションしてってパンクやパブロックの世界にも顔を出すし、やっぱりセッションギタリストとしての側面が強いんだよな。以降のソロアルバムって聴いてないんでその時その時のサウンドがどうなってるかはよく知らないんだが…。ただ、70年代前後の英国ロック史からすると重要なギタリストの一人であって、音楽性ではなくてプレイヤーとして重要な一人、しかも良いトコロに位置していた人なんだよな。リンダ・ホイルやバタード・オーナメンツなんてクリス・スペディングじゃなきゃ複数ギタリスト必要だったろうし、適度なソリッド感も出せているし、正にって感じなんだ。「Backwood Progression」はそれでもかっこよく聴かせようとしている姿勢はあるんでね、とフォローはしておきたいかな(笑)。

Circus - Circus 1969

Circus ちょいと軸足をロックに戻して…、サックスとかトランペットって良い音色だね〜って思いながら、美しすぎるジャズの世界は今日はちょっと眩しすぎたのでど〜んと地べたに降りてきて、何かそれらしきものを、と物色、サックスだよな〜、そうだな〜と思いながら見つけちゃった自分ライブラリ♪ 何か…全然記憶に残ってないんだが、どんなんだっけ?そんなことを思い出しながら…。

 Circusというバンドの1969年の唯一作「Circus」です。知る人ぞ知る、なのか有名なのかはよくわからんが多分キング・クリムゾン好き以外にはさほど好意的に迎え入れられることのないバンドでありアルバムな気がする。メル・コリンズってサックス奏者が率いていたバンドってことでもちろん無名時代の作品でしてね、後にキング・クリムゾンのメル・コリンズってのが定着してから知られていった程度だと思う。当時、恐らくこの「Circus」を愛聴していたって人がいたようには思えないのだが、今聴けばなかなか楽しめる部分もある、か?

 ホントにこんなのからアルバムに入れるのか?ってくらいにひどい代物のビートルズの「ノルウェーの森」のカバー…カバーってもなぁ、これさぁ、あまりにもあまりにもじゃね?ほかもジャズメンのカバーとか入ってるんだが、何と言うか…ヘタ(笑)。当時の英国ロックな音世界ではあるしアイディアも詰め込まれているんだけど、ちょっとホントに良いのか?ってくらいなバンドで、メル・コリンズの才能だけが突出していたって話なんじゃないだろうか。昔もそんなこと思ったのとジャズロック的なものがさほど好みじゃなかったってのもあって忘れてた。今回聴いてみてもジャズ・ロック云々はともかく稚拙な感じがしてしまって熱中できる音じゃない。ただ、時代を反映したロックな音なので嫌いじゃないな。ただ、どうしてこんなんが出て来たんだろ?ってくらい(笑)。

 牧歌的なのもあり、チープでジャジーなものもあり、幅広いといえば幅広いけど元々ポップバンドだったからか無理があるんじゃ?だから一枚で終わるワケだが、メル・コリンズも空気を読む能力は高かったとも言えるか。あ、悪くないアルバムですよ、英国ロックファンとしては。ただ、お薦めはしないです(笑)。

Cirkus - One 1971

ワン・プラス 奇妙な人体裸ジャケットって流れで行くともう一つ思い付いた…っつうかさ、いくらでもあるんだけど、まぁ、それなりに音の流れも一応作ってるだけなんだな(笑)。さてさて、そういう意味で、気持ち悪くはないんだけど、何なんだろ、これ?ってな類のジャケットですな、これは。それでも昔に比べて容易に手に入れられる時代ってのが大変微笑ましいですよ、ホントに。なかなか探さないと聴けない音だったしねぇ。

 1971年にリリースされたらしいが、それがまた自主制作でリリースされていたようだから当時からこのバンドを知る人達はどれだけいたのか凄く不思議なのだが、今では普通にメジャーなバンドよりもよほど知られているかもしれないマイナーなバンド(笑)。この時期のサーカスと言うバンドは英国にふたつ存在していて、ひとつは「C」のサーカス=Circusってので、メル・コリンズが昔在籍していたバンドですね。そんでこちらのサーカスは「K」のサーカスとして呼ばれているのだが=Cirkusってことです。

 まぁ、それは後になってからのお話なんだろうけど、ホントにこのバンドってどこまで知られていたんだろうか?何でまた自主制作のアルバムがこんなに有名になったんだろうか?そもそもこのアルバム「ワン」の音って全く自主制作の音ではないので、当然ながらきちんとしたプリプロの録音が行われた後にメジャーからアルバムリリースされなかっただけなのか…。ちなみにオリジナル盤のリリースは「RCB」というレーベルから自主制作盤がリリースされているので、多分RCAからデビュー予定でプリプロまで作ったけど、結局お払い箱になってしまって、そのテープそのものを使って自主制作でリリースしたのではないかと…。

 いや、勝手な想像なので、今ではどこかでそんな理由が判明しているかもしれないし、本人達も90年代以降にも再度活動しているそうなので訊いている人もいるだろうし。それにしても不思議だよね、そんな作品が後に結構な評価を得て今でも入手できるアルバムとして語り継がれているなんてさ。本人達もビックリでしょ。

 そしてそれもそのはずで、アルバム「ワン」のどの作品群も見事な出来を聴かせてくれていて、思い切り叙情的にポップに、そしてプログレ的にメロトロン的に好まれる音なのですよ。ジャケットの意味不明さは何となく操り人形的な印象とびっくり箱的な印象なんだけど、裸の男が生まれ出てきているという絵が描かれています。まぁ、それはともかく音の方を聴いて欲しいね、これ。もちろん繊細な側面が多分にあるしっとりと心に染み入るメロディラインはもちろんのことさわやかなポップ調な曲からメロトロンを聴かせまくったプログレッシブなもの、そして叙情的なバラード調…、フォークタッチの要素も取り入れたりした才能あるアルバムですよ。コーラスワークまでしっかりと出来ているじゃないですか…ってなくらいに英国好きには堪らない作品世界。

 そっか、だからこそ聴いた人が良いよ、って言うから自主制作の枠からはみ出て時代を超えて語り継がれてしまうアルバムになったワケか…。うん、いいよ、ほんと。その辺のメジャープログレバンドよりも全然ロックしているし、プログレしてる。テクもそこそこだから問題なく聴ける。アマゾンで見るとちょっと入手しにくくなっているらしいけど何とか手に入るでしょっ♪

City Boy - City Boy 1976

シティ・ボーイ(紙ジャケット仕様) ブリティッシュポップロックの流れってビートルズ以降当然ながら今の時代でも脈々と流れているひとつのジャンルで、ほとんどの時代にいくつかのバンドがそれらしいサウンドで存在していてなんとなくのセールスを誇っている、ってことは皆嫌いじゃないってことだ。もっともロックもポップも関係ないリスナーからも取っ付き易いだろうし、ともすればロックってかっこ良いと思うきっかけにすらなることも多いバンド郡なのだろう。ポップスとはちょっと違う…ってところに響くリスナーはまだまだたくさんいるだろうし。

 1976年にリリースされたCity Boyという英国のバンドのファーストアルバムとなる「City Boy 」は、一聴すると普通にロックバンドに位置するバンドらしい音が飛び出してきて、どこがポップに位置するバンドなんだろ?って思った。ロック、しかもハードロックに近いカテゴライズの中で十分に存在価値を出せるんじゃないの?みたいな感じをアルバム最初の何秒かで抱く。ただ、歌メロが入ってしまった瞬間に「あぁ、ポップだな…」と納得、そして曲が進むに連れて、またアルバムの曲が進むにつれてちょっと歪んだギターを前面に出したポップ系統で、重心も低めに取っているけどやってることは、って感じで中途半端さが出てしまったバンドか。それでも結構な枚数のアルバムを出してるんだからそれなりに売れたんだろう。自分は全然通らなくてかなり後になってから名前を知った程度のバンドだったが。

 英国ロックB級の、ってなればまだ救いはあるがこの手のポップ系統で売れなかったバンドって再評価されにくいからなかなか今の時代に浮上することもないし、このカテゴリってそもそも位置づけけが中途半端なのでリスナーを選んでしまうんだな。いくつかそういうジャンルってあるけどさ、それとこのバンドは出てきたのが1976年というのもちょいと不遇で、そうパンク勢が盛りの時にこんな中途半端で軟弱なのを出してきてもねぇ…ロックファンからはウケなかっただろうから、と言う気がする。時代をまるで読まなかったけど音的にはブリットポップ的センスを持ったバンドってことで出されてきたが、時代はそこまで遅く進んでなかったという餌食になってしまった感強いかも(笑)。それでもちゃんと後にはヒットシングル出してるんだから大したもんだ。

Claire Hammill - One House Left Standing 1972

One House Left Standing トラディショナルフォークというジャンルと言うか言葉の使い方としては多分自分は間違ってて、かなり幅の広い意味合いで使っている…理解しているみたいで、狭義に語ればそれはもう括れないくらいの音もあるみたいだけどよくわからんし、まぁ、フォークの派生だったら良いかなと。エレキ楽器入っててもトラッドフォークの世界だしさ、自分的にはね。んで、その世界ってのは何故か女性ボーカルが活躍する傾向が強くて、ちょっと前の嬢メタルみたいなもんでさ、やっぱり女性の歌声だと栄える…ってか儚さが増すってのがあって好きなんだよね。そういう中で男性ボーカルが絡む、コーラスが入る合唱になるのはアリなんだが、男性だけの歌声でっていう本来のフォーク系のはあまり聴かないかも…どうだろ?今は何となくまた女性な世界がいいな、って聴いてるけどそのウチ脱線するんだろう(笑)。

 1972年にアイランドレーベルからデビューしたクレア・ハミルの16歳の頃の録音となるファーストアルバム「One House Left Standing」なんてのが登場です。昔からジャケットと名前は知ってたもののアナログ時代ではなかなか見当たらず、そのまま忘れ去っていたものの時代の流れによってふと聴くことの出来たアルバムで、3枚目くらいになるとキンクスのレーベルから出たってことでロック・フィールドにいた自分には耳に入ったんだが、この「One House Left Standing」からしてアイランドレーベルの総力戦みたいなバックアップがあったのかフリーの面々に加えてテリー・リードとかデヴィッド・リンドレーなどなどが加わったアルバムに仕上がっている。基本的にはフォークをバックに少女が歌い上げるモノだけど少女?ウソ〜、これ結構なお嬢さんが歌ってるでしょ?ってくらいの情感と歌声が聴ける作品で、アイランドが徹底バックアップして売りだそうとしたのが分かる実力です。こういう人が出てくる所は面白いよなぁ〜、しかもこんな素朴なギターと歌で出てくるんだから相当のモンです。

 曲調とかは基本ピアノやフォークという質素な楽器に自身の歌声で響かせてくれる曲ばかりで叙情性や曲の雰囲気を醸し出すかのようなストリングスやフルートやオーボエなどの楽器が使われているという感じであくまでも飽きさせないカラフル感なので邪魔になることなく本質の歌を聴けるようになっている。それで曲の良し悪しって話になるんだけどそりゃポップソングじゃないから簡単に良い曲とか何とかと言うもんでもなくて、楽曲としての起伏に欠けるのはある意味当たり前だけど感情の起伏と歌の波がそれを補っている部分は大きいね。まぁ、ず〜っと聞いているかと言われるとそれはないんだけど、ジャケットの醸し出す雰囲気と16歳の少女?ってのを思うとさすがアイランドレーベル、見事な発掘シンガーですね。

Clear Blue Sky - Clear Blue Sky 1970

 1970年初頭ってのはハードロックもプログレもジャズもトラッドもクラッシックもゴチャゴチャになってシーンを形成していて、もちろんそれらがロックと呼ばれるベーシックな部分は持っていたもののそんなにきっちりとカテゴライズされるものでもなかったようだ。後には総じて英国ロックとして括られるものとなったようにどのバンドも何かしらの要素を併用で持ち合わせていることが当たり前で、顕著なのはLed Zeppelinだろうな。ハードロックからトラッド、プログレ…他なんでもありの中で圧倒的な存在感を示している。後にB級と呼ばれるバンドにも同じ試みをしていた連中は多数いた。レーベルではそれこそデッカ・デラムなどが代表的だが、何と言ってもレーベルの特性そのままが打ち出されていたのがヴァーティゴだろう。このレーベル、レコード盤面を見ているだけでもホントに気持ち悪くなってくるくらいのものなので、一度試してみてもらいたいなぁ。

 で、本日はそのヴァーティゴレーベルの中でも多分最年少のバンドだったと思うんだが…、Clear Blue Skyっつうバンドだ。1970年唯一のセルフタイトルのアルバムはロジャー・ディーンのジャケットに包まれた秀逸なアートワークで、それだけでも多分惹かれるんだと思う。でもって1970年のリリース、しかもヴァーティゴって言ったら普通の英国ロック好きは飛びつく。うん、もちろん自分もそうだった(笑)。

 で、問題はその中身…。うん、ジャケットとレーベルに包まれてるから悪いとは思いたくないという先入観から聴くから悪いハズがないのだ(笑)。若干18歳の若者三人組が早い段階で実力を認められてレコーディングデビューしたものなのでやはり期待して聴くワケだ。うん、ヘヴィーロック。ハードロック。もちろん一辺倒ではないのは当たり前なんだけど、残念なのはブルースっぽい雰囲気のギターではあるんだけどもちろんホンモノに成り切れていない状態でのアルバムで、それはドラムにしてもベースにしても同じコトが云える。歌はもちろん迫力に欠けるのでハードロックという割にはちょっと物足りない。うん、それが英国ロックなのだ。そう納得して聴くとこのバンドの価値が少しはわかってくるかもしれん。まぁ、簡単に言えば今なら絶対に出てこれないだろうバンドで特筆するところは特にないのだ。時代が彼等を作っている、みたいなね。でもさ、こうしてマニアばっかりかもしれないが、聴いて論評する人がいるってのは凄いことだよ…。自分もね、結構好きだよ、このバンド。ただ、何度も聴いてコピーするとかって気にはならないけど。

 ちょっと前まではこれが唯一のアルバムだったのが90年代以降プログレが盛り上がってしまった時に幻のセカンドアルバムが発掘されたり、果ては再結成して新作出したりしているみたい。T2もそんな感じだったけど。で、驚くことにこんなマニアックなバンドなのにオフィシャルHPがあるんだな…。

Clear Blue Sky - Destiny (1971)

Destiny [12 inch Analog]  ロックに於ける常識ってのは多分、ない。万人が思うであろう常識ってのをぶち壊すのもロックだし、と言いつつも概ねある程度の常識の範囲内で片付けられていることは多いんで、破壊と創造などと言うカッコ良いものでもなくなっているのは事実。ところが70年前後はそんなのばかりで面白かったワケでして、それが創造なのか破壊なのかってのもわかってなかったから出来た技なんだろう。そんなことをヒシヒシと感じたバンドをご紹介。

 1970年にアルバム「Clear Blue Sky」でデビューしたClear Blue Sky、平均年齢若干17歳と言うフレッシュなバンド、ヴァーティゴからのアルバム一枚で消え去った…と思われていたけど、実はセカンドアルバム「Destiny」のデモがありました、ってことで90年代になってからリリースされたセカンドアルバム「Destiny」です。何を今更感が強かったんだけどやっぱりClear Blue Skyだし、ってことで買っちゃうんだな。んで聴いてみれば、驚くほどにファースト「Clear Blue Sky」と変わらないくらいのヘヴィ・ロックでして、密かにコレ、かっこ良いじゃないか、なんて聴くワケだ。ただ、カタログ上には出てこないし、なかなかな〜なんて思ってたけど、さっきオフィシャルHPとか見てたら再結成してアルバムも数枚出してるんだな。もっともオリジナルメンバーによるものじゃないけど、バンド名は使っているってことでちょっと驚いたけど、もしかしたら日本にはもう来たんだろうか?よくわからんが。

 そのセカンドアルバム「Destiny」はファーストのインパクトをそのまま伝えてくれる感じで、ちょっと上手くなってるかも。多少怠惰な感じに締りがないのも相変わらずだけど、このままの路線で進んでくれたらバッジー的なバンドにはなれたんじゃないか?とも思うだけにやや残念。一方ではアルバム一枚だったから良かったのに、ってのもあるが、このセカンド「Destiny」、没ってのもわかるけど、リリースしてればな〜ってのもね。ちょっとアマチュアっぽい部分多すぎるか。個人的には大好きです、この音。T2やClear Blue Skyってのはホント、面白いもん。

The Climax Chicago Blues Band - Plays On 1969

プレイズ・オン(紙ジャケット仕様)  The Climax Chicago Blues Bandという英国の、はい、もう一度書いておくと「英国」のバンド、です。今回は1969年リリースのセカンド・アルバム「Plays On」ですが、まぁ、バンド名の通りに基本的にはシカゴブルースそのままをプレイしているバンドで、あまりにもそれが瓜二つなのでイノベーションが起きることなくオリジナリティの欠損という認識のままのバンドになってしまった感があるけど、それでも結構長寿バンドで、70年代を生き抜いている。面白いのはこのアルバムも含めて初期はシカゴブルースの模倣だったものが、徐々にそれではシーンに対応仕切れないというところからか、メンバーのそもそもの英国人らしい気質からか、妙にジャジーにプログレッシブな展開が絡む曲が増えていって、結果的にはギターはブルースフレーズ満載なんだけど、ブラス楽器主体のアンサンブルに比重が置かれてくるとプログレッシブなジャズロックになっていくという不思議なバンド。かと言ってブラスロックにはなり切れず、オルガンなんかもあるから英国らしいヘンなサウンドになっていくのだな。このアルバムではまだそこまでの幅の広さには展開されてないけど、その気配感は多分にある。

 その発展系を意識しないで聴いていると、確かにシカゴブルースの模倣と英国の繊細な音使いによるジャジーなロックの合いの子になってて、アルバムを聴き終える頃にはこのシカゴブルースバンドってのが明らかに英国のバンド、って認識に繋がるだろう。やっぱりちょいと前の時代のバターフィールド・ブルース・バンドなんかと比べてみると明らかにそのディープさが違うし、英国らしい軽さというかが備わってるもんなぁ…。やろうとしてる事は分かるし好きなことも分かる。うん、自分的にはこのヘン、好みだけど、やっぱりちょいと重みがないかな。