801 Live - 801 Live

801 Live  クラシック畑で育っているフランシス・モンクマンがカーヴド・エアーを出た後に行き着く先というのは結構興味深いものがある。もちろんクラシックをやっていたことで音楽的な幅が出てきたりバンドに貢献するという側面は大きかったのだが、クラシックを中心としたバンドはほとんどやっていなのも面白いのだ。それだけ野心的で複合的な刺激を求めていた人なのかもしれない。ブライアン・イーノという人はもともとロカビリーが好きな人らしく…、ただロカビリーっつっても音楽ではなくってスコッティ・ムーアのリバーブの音とかが好きだったという逸話もあって、さすが変わり者、と思う次第。マジメにWindowsの起動音を作曲したと云えるのも凄いことだと思うが。

 話は戻してフランシス・モンクマンがイーノのプロジェクト「801ライヴ」に参加…、まぁ、一般的にはフィル・マンザネラのプロジェクトという言い方かもしれないんだけどさ。801ライヴと称されたプロジェクトで鍵盤に座ってます。ここでの凄さはいっぱいあってさ、第一に印象的なのはドラムのサイモン・フィリップスのセンスあるテクニック。ビル・ブラッフォードになる素質十分に出しているドラミングで、大物相手にまるでビビることなく、それよりも自分に絶対の自信を持ったドラミングを聴かせてくれるというのも凄い。テクニック論で言ったらこの頃にはもう完成されていて大物ブリを発揮しているってところ。「East of Asteroid」っつう曲でそれは思い切り発揮されていて、まずぶっ飛ぶ。

 合わせてベースのビル・マコーミックの音も凄い自己主張していて、ちょっとやそっとのセッションではないことが一発でわかるでしょ。それくらいに気合い入りまくった凄いライブ。曲そのものなんてそれほど貴重ではなくって演奏力がこのライブの白熱さを出しているってとこかな。ま、それでもビートルズの「Tomorrow Never Knows」のカバーなんてのは凄くイーノらしくて、迫力あって面白い。「You Really Got Me」にしてもそうだけど、モチーフとしてるだけで凄い充実したプレイが聴いているものを興奮させるね。だからこのアルバムって名盤扱いされているのを知ってる人は知ってる。ただ、ポップさはないので、そりゃもちろんイーノだからヘンなポップさはあるけど、一般的ではないわな(笑)。

 あ、フィル・マンザネラのギターももちろんそつなくよろしいし、モンクマンの鍵盤もしっかりと裏方しているので期待はハズしません。ハズすのは歌くらいか…。いや、気にならないけどね。曲そのものはQuiet Sunやマンザネラのソロ作「Diamond Head」、イーノの作品で構成されてます。いや、しかしサイモン・フィリップスのドラム凄いわ。

East of Eden - Mercator Projected (1969)

Mercator Projected ホントの所、一体どれくらいこの手の英国B級系バンドって売れてるんだろ?CDや雑誌だってそうだけど相当数出回ったりしている気がするんで結果的には結構な数が固定的に売れるとするならば、1万枚くらいはあるのだろうか?今の時代じゃCDもなかなか苦戦するんだろうけど、3万枚も出れば大ヒットなんだろうな。固定的な枚数が出て行くならば今ならAKBのシングルより売れるんじゃないか?オリコンのトップチャートで数千枚とか数万枚とか有り得ねぇだろ。もとい、話が逸れたのだが、やたら調べてても日本盤がちゃんとリリースされてて見事だねぇ〜って思っちゃうから、ついそういう勘繰りしたくなった。

 1969年にリリースされたEast of Edenのファーストアルバム「Mercator Projected」です。East of Edenの場合、The Whoの熱心なファンならばデイヴ・アーバスの名前を知ってるかもね。「Baba O'riley」の終盤のバイオリンソロはこの人です。何でもキース・ムーンの友人だったので、呼んできたってことで「Who's Next」のアルバムの「Baba O'riley」のプロデュースの名にはキース・ムーンもクレジットされていた、はず。ちなみにキース・ムーンもたまにEast of Edenのライブに飛び入りで参加していたりしたらしいので、East of Eden側からしたら名を売るには絶好の機会だったろうな、と思う。

 それはともかく、バンドとしたって1969年にはアルバムデビューしているから、もちろんプロのミュージシャン達なワケで、しっかりとアルバム3枚くらいはリリースしているんだから侮ってはいけない。セカンドの「錯乱」は結構知られているアルバムだけど、今回のファースト「Mercator Projected」なんて全然知られてなかった…ってか手に入らなかったもん。あんまり真面目に探さなかったけど…。CD時代になってからだね、この珍妙なジャケットを見て、へぇ〜なんて思って聴いたのは。そうだな…、形容詞としてはもう英国的、としか言えない。ハードロック…じゃないし、プログレ、でもないしサイケ、でもないなぁ…、ポップ、でもないし…、相当形容に困る音で、デイブ・アーバスのバイオリンがその協会を曖昧にしている部分あって、音自体はこの頃に有りがちな英国のごった煮なんだけど際立つバイオリンとベースって感じかな。チェンバーな雰囲気もあったりするし、疾走するロックなのもあるしワケ分からんです、これ。アルバムとしてまとまりなんてもとろんないんだけど、かなり面白いハイレベルなラインで繰り広げられる妙な旋律なロック。何十回か聴いていれば分かるかも知れない音世界…、か。

East of Eden - Snafu 1970

Snafu-exp.+24-bit-rema  ほっとくと勝手に70年代の英国に突き進んでしまうウチのブログ、もっともっと聴いてるものとか聴きたいものとかあるのでそっちに進むべきなんだけど、何故かね、やっぱり70年代のを聴くと強烈でさ、今時のとかが軟弱なコピーものにしか聴こえなくなってくる部分あってさ、オリジナリティだったり創作意欲とかアイディアの奇抜さとかが斬新で、そういうのは70年代までが一番旺盛だったんじゃない?今でもたまにそういうのはあるけど後に残るものまでってのはもうちょい時間かかるだろうし、本当に創作的なものってのはどんどんと難しくなっていくだろうし、だからロックは終わってる部分あるのも事実だけど…。

 1970年にリリースされたEast of Edenというバンドの二枚目のアルバム「Snafu」。名前から始めるとバイオリン奏者にデイヴ・アーバスって人がいてね、その人のバンドだから当然バイオリンがメインに居座っているバンドで、これがまた面白い具合に同居していて一般的にはジャズロックとも言われているけど、そうとも言えない括りでもあって、サイケの波もあるしアジア風味もあったりもっと土着的なところもあって形容しがたいロック、それこそが創造の産物でしかない音世界で、簡単に言えばプログレのひとつ、になるのか。自分がEast of Edenを知ったのもプログレからだけどね。まぁ、その後びっくりしたのはThe Whoの「Baba O’riley」のあの最後のバイオリン部分ってこのデイヴ・アーバスが弾いてて、しかもキース・ムーンがプロデュースしているっていう所だな。それでまたEast of Edenってのを聴いてみたりして、そのヘンな音世界とバイオリンな感じに面白さを見出したって所か。

 多分この「Snafu」が一番メジャーどころだろうし、バンドの個性もよく表しているし、何なんだ?的なのもあって楽しめるんじゃないだろうか。果たしてどこに進みたかったのだろうか?と思わなくもないけど、それこそがこの時代の英国ロックの面白さ、とにかく今あるものを全部グチャグチャに入れてみて自分なりのエッセンスを加えて何が出てくるのかお楽しみ、みたいなモンでさ…、バンド編成にもしっかりとサックスもバイオリンもフルートなりもあるわけだから何でも出せる自覚はあっただろうしね。だから時にはフリージャズ的な展開を魅せるものもあれば民族的なのもあったりと楽しめる。こういうのをひたすら聴くとその幅の広さとアイディアの豊富さを楽しめるってモンだ。

Electric Light Orchestra - No Answer

No Answer  60年代のカラフルなサイケデリックポップ感覚に育てられたとしか思えないジェフ・リンとロイ・ウッドによるウルトラカラフルなポップバンド、ELO。正式名称エレクトリック・ライト・オーケストラ。うん、オーケストラなんだよな。でもってこんなにカラフルなオーケストラってのもそうそうないワケで、実はあまり通っていない英国メジャーバンドのひとつ。そろそろ本格的に手を出しても良いかな、と思ってはいるんだけどポップすぎてあまりマジメに聴けないのかもしれない。

 …とは言ってもさすがにファーストアルバムあたりはちょこちょこと聴いていて、完全にビートルズ的…、もっと言うならば全部「エリナー・リグビー」みたいな曲で占められているっていう印象なんだな。でもしっかりと効果音やストリングスなんかのカラフルな楽器が散りばめられていて、えらく聴きやすい。それでも中後期になってくると更にポップさをましてチャートの一位とか獲得していたんだから凄いよな。これ以上ポップって一体どんなん?って思うんだけど(笑)。

 でもジェフ・リンと云う人の才能はアチコチで聴くことが出来て、個人的にはトラベリング・ウィルベリーズでのポップ具合が一番好きだけど、その甲斐あってビートルズのアンソロジーシリーズでのプロデュースなどという名誉に肖るような仕事まで行っちゃうんだから好きこそモノの上手なれ、ってもんだ。はっきり云って天才。ま、そんなジェフ・リンの前身バンドはザ・ムーブだったりするんだけど、それはまぁともかく、このファーストアルバム、ジャケットは凄く良い。何だか意味わかんないけどインパクトある。で、中身がこれまたホントに誰でも聴ける聴きやすいポップス。でもヒネてるから脳天気ではないな。あ、もう一人の主要人物ロイ・ウッド…、この人も後にウィザードっつうバンドでそれなりに出てくるんだけど、これもまた変人でねぇ…。よくわからんけど、奇才変人ってのがこのバンドを物語っている話はよく聞く。音的にそういうのも確かに感じるトコあるけど、英国的と云えば英国的で、それが面白い。

Electric Light Orchestra - Eldorado 1974

Eldorado 何と幻想的なアルバムジャケットなのだろう、そして如何にも美しく妖しく夢のあるアートワークなのだろう。こういう絵心って英国ロックには凄く重要な要素であるのと同時にリスナーとしても期待を抱く瞬間だよね。ジャケットから音を連想してイメージする…、そんなワクワク度って面白いじゃない?そんな子供心を刺激するかのようなファンタジックなジャケットとは言えども、実際に何が現実と違うの?って言うとちょっと見えてる手の色と形と黄色いエナジー体だけでして、他は日常のままなので、如何にアートワークとしての写真とアングルが面白いか、ですね。

 いやいや、最初からジャケットに進んでしまいましたが、このアルバムのジャケットにソソられるって人、多いんじゃないかな?昔某ブログでレビューされた時にそう書いてあったのもあったけど(笑)。それで、ロイ・ウッドという奇才を失ったELOはその後ジェフ・リンというもう一人の天才を中心にバンドを進めていったんだが、ご存知のように世界最小のオーケストラと言うあだ名を受けつつ、英国的にひねくれたポップスを奏でていくという不思議なバンドです。ロック界ではあまり名を聞かないし、それほど好きだ、っていう人にも会わないんだけど、ビートルズ的エッセンスの好きな人は結構通っていたりして、その評価は非常に高い。もっとも何も意識せずにヒット曲を知ってますって人はいるので、やはりポップ畑にいる人達なんだろうし、ジェフ・リンの90年代の貢献=Traveling Wilburysみたいなのは印象として強いけどね。

 1974年にリリースされたELO4枚目の作品となる「Eldorado」はそのファンタジックなジャケットかを裏切ることのない音世界。トータルコンセプトアルバムとして練られていて、どれもこれもが極上のポップスとオーケストラで間髪入れずにどんどんと聴き手を翻弄させてくれます。もちろんそこにはビートルズのメロディがたっぷりと掛けられていて、さらにストリングスのアレンジによって世界を広げているという美しさ。キラキラと輝くおもちゃ箱の世界を才能でまとめ上げているってのかな、素晴らしいわ、これ。ロイ・ウッドがどんどんと失墜していく中、ジェフ・リンはどんどんと世界をおもちゃにして遊んでいるって感じ。

 「Eldorado」って理想郷とか黄金郷とか…、まぁ日本的には桃源郷ってのかね、そういう夢想を追いかける話をイメージしているんだろうけど、英国ではこのヘンが指輪物語という傑作が決定付けているからこういうのもリスナーがイメージしやすいんだよ。皆指輪物語読んでどんなのか、ってのを何となく想像しているからさ。日本ではそういうのがなかなか一般化していないから難しい。日本的に言えば日本昔ばなしみたいなのがイメージ作られているっていうところかな。まぁ、いいや(笑)、とにかくこのELOの「Eldorado」って結構世界観広がる音世界でして、なかなか手を付けられない部分あるけど、この後の一般化したELOよりも「Eldorado」あたりのELOの方が割と好みです。

Electric Light Orchestra - New World Record 1976

New World Record (Exp) ジェフ・リンの名前はそんなに古くからは知らなかった。普通にリアルタイムで育ってればそりゃELO初期からの〜とかなるんだろうけど、そんなワケもなくって…どころかELOなんて全然通ってないし今に至るまでほとんど聴いてない。ブログ仲間が書いてたことがあって、そうか、そうなんだ、と思って聴いたのが「Eldorado」だった。それでもジェフ・リンって名前はジョージ・ハリソン絡みとかビートルズ云々とかで英国ロックに焦点を定めた時から出て来たんで、そのうちキチンと取り組まないと…とは思いつつ、なかなか真面目に手を出していない人の一人です。

 1976年のアルバム「New World Record」なんてのを。もうね、70年代のELOって相当売れたんだろうね、中古レコードなんか激安でどこでも売ってたからちょっと取り組もうと思ったら簡単に安く大抵手に入ったんだよ。ただ、初期のが入手しにくかったけど。んで、このバンドの場合はジャケットで覚えてるからアルバムタイトルが全然頭に入っていないのが難点(笑)。ジャケット見て、あれか、これか…とかそんな感じで何とも適当にしか取り組んでいない。今回ね、ちょっと真面目に取り組もうかと「New World Record」を聴いているワケです。そんで自分が何でハマりに行かなかったかを思い出した。やっぱ、こういうの得意じゃないわ(笑)。好き嫌いで言えば好きな部類。ただポップすぎてロック色が薄いから流れっちゃうんだな。もちろんストリングスとポップメロディの美しさみたいなのあって聴いてる分には随分と楽しい気分になるし、それこそポップの極地だしとっても愛されるべき音なんですがね。ちょっとやり過ぎかな〜。

 ただアルバム一枚普通にサラリと聴けるし飽きることもないしカラフルで楽しく気分良くさせてくれるというのは凄い。んでいつも思うけどここから先に深く進もうって気にはあまりならない…、適当に聞く時に聴けば良いかな、とかヘタなポップス聞くよりはELO聞く方が面白いかもな、くらい。誤解のないよう再度書いておくと、あくまでも好みの問題であって作品のレベルの話ではないよってことで。作品レベルはとんでもなく高いし非の打ち所がないくらいにバリエーションに富んだカラフルなアルバムで面白いし、楽しめます。強引に例えるならクィーンの80年代のアルバム郡みたいなもん。一般大衆には大受けするけどクイーンファンには…みたいな。でも、それもありでしょ。ELOか〜、まだまだだな〜、自分には(笑)。

Elias Hulk - Unchained 1970

Unchained しかしほっとくと勝手に英国B級ロックの世界に脚を突っ込んでいくのが自分の流れなのはいつもの性か。もうそれほどここに出せる聴き残しのアルバムも多くはないのだろうとは思うのだが、まだまだ埋もれているアルバムはたくさん残されているようだ。発掘モノはともかくながら昔じゃ絶対に…絶対とは言わないけど全然手に入れられなかったアルバムとかも今じゃクリックひとつで少なくともDLやCDで買えたりはするし、YouTubeでそれなりに聞けたりもするアイテムが多い。昔はブツに拘ってた部分あったからどうしたって探して買ってたけど最近はもうキリがないからそこまでのバンドと聴けるだけでいいか、ってバンドなんかと分けてる。そもそもCDとか何枚も持っててもMacで聞いちゃってるし、棚に行けばあるのわかっててもYoutubeで聞いてたりもするワケだからどうなってるんだか…。

 1970年にYoung BloodからリリースされたElias Hulkってバンドの唯一作「Unchained」。もうねぇ、何かの本でジャケット見たことあって、何か興味ソソられるようなレビューが書かれててさ、多分Zeppelinの云々とかそんなん。んで、ジャケットこれだからダサすぎるし、ホントかよ、絶対に忘れないよな、こんなジャケットさ、なんて思いながらウロウロしてたこともあったけどまるで見かけることもなく時は過ぎ去り、CD時代になってからもほとんど見たことなかったしなぁ、いつ出たとかも全然知らないけど、ふと色々見てたら出てた。このダサダサのジャケットって、あれ?これじゃねぇの?なんて思いだした次第。いや〜、簡単に手に入るんだなぁ〜、嬉しいな♪

 さてさて、聞いてみればそれはもう想像通りのダサダサさ加減で堪らん(笑)。誰がこんなん聴くんだ?ってくらいの悪評が書かれてるけど、多分その通りなくらいにダサくて下手な演奏が収められてる。ただねぇ、スゲェ暑苦しいくらいに熱いんだよ…、プレイも空気もバンドも。やりたいことはこういうブルース調ハードロックでエネルギーをぶつけたかったんだろうなぁ〜ってのがわかるし、そのまんまやってる。それなりに多彩な曲調を振り分けながらやってるし、もうちょっと演奏がまともだったりプロダクションがしっかりしてたらハジけられてたかもしれない、なんて思うフシもなくはない。普通に英国ロック好きなら好きだろうし、多分聞いている人も多いんじゃないかな。そのへんで躊躇してる方には、他になければコレもいいかも、ってオススメはするくらいかな(笑)。

Elkie Brooks - Two Days Away 1977

Two Days Away  驚いたな、Vinegar Joeの衝撃ブルースボーカリストのエルキー・ブルックスって今でも現役で歌ってるんだ…。しかも相変わらずのドスの効いた声で色々なカバー曲までも歌っているので、ちょっとYouTubeにハマってしまった(笑)。カバーアルバムみたいなのも出してるし、結構根強い人気なんかがあるのだろうか?それにしても自分自身も忘れてたけど、英国の歌姫な割に全然知られていないというのはやっぱり自分の情報量の無さだったのか、偏ったアルバム評だったからか、単に日本にまで知られることが多くなかったのか…、この手のって難しいんだよね。途中から入ると単なる女性シンガーってだけで片付けられちゃうし、来歴まで漁らなきゃそんなもんか、だし…。

 Elkie Brooksの1977年リリースのセカンドソロアルバム「Two Days Away」。あの歌声とヒステリックなパフォーマンスを期待してはいけなかった、というがっかり感があったからかどうにも地味な印象しかなかったアルバムだけど、冷静に聴き直してみればしっかりとしっとりとしたソウル…魂を歌ったアルバムだったってことに気づく。どうにもあの魂の叫び的なブルース歌唱が好きだからこういう大人びたのになると途端につまらなく感じてしまうんだが、作品的にはそこまででもなく、暴れ馬をコントロール出来ているアルバムというような感じか。単に上手い歌の人のアルバムとも言えるんだが、まぁ、それは人ぞれぞれ…、自分的には別にこの手の歌と音ならエルキー・ブルックスじゃなくても良いんじゃね?って思うけどさ、あんな魂削るような歌をずっと歌っているってことも出来ないだろうし、しょうがないか、なんて思う。その意味ではロッド・スチュワートと同じような歩みになるのかな。

 ロックだけではないんだな、多分。かと言ってソウルなワケでもないし、歌ものアルバム、な感じだろうか。ノリの良いR&Rなんてのは無いし、やっぱり落ち着いたのがやりたかったんだろうと。ただ、以降の作品はほとんどがこういうタイプの方向性になっているようなので、もうロックは卒業だったのかな。その分今でも活躍するシンガーという息の長い活動に結びついているのかもね。他のアルバムもアレコレ聴きたいけど、何回も聴かなそうだし、どうしたモンかと思っているところ。近年の作品だけでも聴いておこうかな。ジミヘンの「Red House」とか別モンに仕上がってるし…。

Elmer Gantry's Velvet Opera - Elmer Gantry's Velvet Opera 1968

Elmer Gantry's Velvet Opera コージー・パウエルのアルバム「サンダーストーム」で歌っていたエルマー・ガントリーという名が懐かしくてついつい漁ってしまった。随分昔にひたすらレコードを漁り続けていた頃に出合った名前のバンドで、その頃は60年代後半のサイケデリック系を模索していた時だったんだよな。もちろん多種多様のバンドを漁ってたワケだが、どれもこれも隙になるってワケでもなく、ただひたすら聴いているだけっていう感じで聴いてたから印象に残っているものって多くない。そういう聴き方が良かったのかどうかわかんないけど、そんな風にアレコレと聴いてて…、それでもTomorrowとかAppleとかOrange BycicleとかJulyなどなどかなり引っ掛かるものはあったんだが…(笑)。

 その時にこの「Elmer Gantry's Velvet Opera」に出会って、確か一緒に買ったのはPrincipal Edward's Magic Theatreの「Soundtrack」だったと思うんだが…、どっちもグチャグチャなポップサイケでいつも頭の中で整理付かなくなってた記憶だけがある(笑)。まとめ買いした時はきちんとジャンルの異なるものを整理して聴くのがよろしいですよ、はい。

 んなことで、名前を見て久々に、今ならきちんと独立した音として聴ける、ってことで聴きましたワケです。うん、軽やかなポップと妙〜なリズムチェンジが駆使されてやっぱりサイケデリックな空気を醸し出した時代の成せる業とも云えるアルバム。後に聞かれるエルマー・ガントリーのあの歌声をもっと軽く若くしたものっていうトコか。ま、そのままなんだが…。

 歌を聴いているつもりがいつしかベースが凄く面白いフレージングを弾いているのに耳が行ってしまっていて、このベースってジョン・フォードという人なんだが…、気になって調べてみると、そうか、ストローヴスに入った人なのかと納得…、納得と言うか、なるほど、ってトコだ。ストローブスのベースってこんなに動いてたっけ?これもまた自分の宿題♪ それはともかくこの「Elmer Gantry's Velvet Opera」でのベースラインの派手さは見事なまでの楽しさで、ヘタしたらジャック・ブルースのベースラインなみに動いているかもしれない。もちろん出しゃばっていない弾き方なんだけどね。

 面白いことにそんな好調な作品をリリースしたにもかかわらず、エルマー・ガントリーは自らのバンド名を配したバンドを脱退してしまい、残された面々でヴェルヴェット・オペラとしてセカンドアルバム「Ride a Hustlers Dream」をリリース。こちらは聴いたことないんだけどフォーキーなサイケアルバムらしい。

England - Garden Shed 1977

 時は1977年、英国では既にパンクムーヴメント真っ只中という時期になぜか超メジャーなアリスタレーベルからズバリその名もイングランドという実力派プログレッシヴバンドがデビューアルバムをリリースし、当時はよく知らないけど今でも名前が残るくらいの名盤が残されている。しかも今年30年近くぶりに再結成して来日公演を行ったらしい。そしてこの唯一のアルバム全編を演奏していったようだが…。

England - 「Garden Shed

 まず、ジャケットが良い。英国のシンボルとも云える赤を基調とした荘厳とまではいかないけど格調を保った落ち着いた雰囲気のシンプルなジャケットで、それだけで目を引く。そして中身。うん、一般的にはジェネシスとイエスを足して2で割ったような、と言われるんだけど、まぁ、実際その通りかなぁとも思う。そういう形容詞がわかりやすいことは認めるが…、イングランドというバンドの音楽ってのはホントに英国のプログレッシヴロックというものの代表的なサウンドを体現しているんだと思う。それが多分ジェネシスやイエスのような音なのだろう。もちろん鍵盤楽器中心にドラマティックに曲を盛り上げていくという姿勢は十分に聴かれるし、オシャレなアコースティック調のサウンドもしっかりと持っている…、こういうところが英国音楽の深みで、ほとんどのバンドがこういう牧歌的なアコースティック的感覚を持っているんだよね。そしてメロトロンで叙情的に盛り上げていく、みたいなさ。最後がねぇ、これがまたいかにも終わりっていう感じの終わり方で、最初から最後までゆったりと堪能できるアルバムっていうに相応しい作品なんだよ。

 1977年にアリスタがこんなバンドを出してきたってのは一体どういうつもりだったのか…、もちろんそんな時代に出てくるくらいだから演奏はかなり巧いし楽曲センスもかなり高いし、しっかりと王道プログレバンドと渡り合えるくらいの実力も持っていたからという当たり前のこともあるし、パンクやディスコ路線とは異なる本格派として存在させるという狙いもあったのかもしれないね。まぁ、どっちにしてもアルバム一枚で終わってしまったので成功とも云えないだろうけど、こういう音が好きな人達には結構な宝物として残されていることに感謝だね。聴いてるとホント気持ち良くって嬉しいモン。

England - Live In Japan -Kikimimi- (2006)

イングランド・ライヴ・イン・ジャパン~聴耳 新聞やテレビなどのメディアって、まぁ、ほとんど見ることもないのでさほど害はないのだけど、世間的にはまだ多少なりとも影響を持った媒体なんだろうから、適当なこととかウソ混じりってのをいい加減適度にしておけば?とか思うのだが、思えば昔からそんなことしてたんだろうと。ただ、一般にはそれを確認できる術がなかったから信じられた、っていうだけなんだろう。思えば怖い話で、明らかにプロパガンダによる影響だったんだろうってこともあるよな。それがネットが普及してSNSが普及して様々な人が様々な真実と情報と意見を述べていてまるでワケ分からん情報の洪水。ただ、言えるのは間違いなくメディアの報じることは全てじゃないし真実だけじゃないってことだ。多方面からの情報を収集することでそれなりに真実らしきことの方向は見えるものの、まぁ、それも推測でしかないな。裏を辿っていけばやっぱりカネの流れがアレコレと決定していることだ、ってのが見えてくる。ま、そんなノイズが多くなって、今じゃそんなの見ることも考えることも面倒になってきた(笑)。多分、こういうことがあったんだろう、くらいにしか思わなくなってる自分が怖い。相変わらずロックネタには敏感ではあるが(笑)。

 大陸から島国へ、そして大英帝国そのものから更に地方名、になるのか?Englandそのものをバンド名に冠したまたまた大胆なバンドの登場です。英国からはジョークなのか本気なのか大胆なネーミングのバンドがたまに出てくるのが面白い。探せばたくさんあるだろうが、大胆だな〜と思ったバンド名のひとつに「The Music」ってのがいる。好きな音なんだけどさ、大胆なバンド名でしょ?ね、凄いよ。そしてEngland、ケイト・ブッシュをして「Oh England, my lion heart」と歌われたEnglandですよ、それがバンド名ですよ。それがまた面白いことに1977年と言うパンク全盛の時代にジェネシスばりのシンフォニックさとメロトロンをウリにしてアルバム一枚「枯葉が落ちる庭園」ってのをリリースして、大英帝国の気品を示したことで、当然当時は売れなかったんだが、後にプログレマニア達からは絶賛されて伝説のバンドまでなってしまったのさ。もちろん自分もその信者の端くれだったのでしっかりアルバムもレコードで買いましてねぇ、綺麗な盤だったから嬉しかったんだよな。その「枯葉が落ちる庭園」は今でも名盤と言われています、もちろん。

 それで伝説は終わりだったのに2006年になっていきなりの再結成&来日公演というワケの分からん流れがあって、まぁ、自分は行かなかったんだが、そりゃもう伝説見たさにマニアが集まったようです。調子に乗ってそのライブの模様をアルバム化してたのが本作「イングランド・ライヴ・イン・ジャパン~聴耳」。あのねぇ、音沙汰なしに30年経ってから「枯葉が落ちる庭園」の再演して新曲入れてノスタルジックしたってアルバム化しちゃいかんよ。粗が目立つでしょ(笑)。そんなライブアルバム「イングランド・ライヴ・イン・ジャパン~聴耳」です。伝説の雰囲気や時代の空気感などはまるで感じられることもなく、更に楽器に宿る魂も聴けることなく、「イングランド・ライヴ・イン・ジャパン~聴耳」です。そりゃ皆聴いてるから曲知ってるし、脳内変換してるからねぇ、悪くは書かれないし言われないさ、それ自体が奇跡なんだから。ただ、ライブに行かなくて伝説を封印していた自分が後で聴いてしまうと、聴かなかったことにしておこうと思ったワケです。

 んで、今回もちょっと聴いたんだけど、ツラくて、結局耳直しに「枯葉が落ちる庭園」をひたすら聴いていたという次第。一応書いておくと、自分的にはこのジェネシス風味な音はさほど好みではない。ただ、この気品と雰囲気と大英帝国という威厳は間違いなくEnglandというバンドに宿っている作品で、それが好き♪

Ernie Graham - Ernie Graham 1971

アーニー・グレアム(紙ジャケット仕様)  パブロック…、スワンプ系…、英国で起き続けていたシーンの変化とその呼称、カテゴライズとも言われるけど、それが自分の中で消化しきれないのがこのヘン。フォーク・ロックからスワンプへ、そこからパブロック、さらにはパンクへの発展とどうにも結び付きにくい発展形ではあるが、そういう系譜になるはずだ。その前になると今回のアーニー・グレアムが在籍していたEire Apparentの「Sunrise」はジミヘンのプロデュースによるアルバム作りだし、話題には事欠かないのだが、それこそがロックの系譜のひとつでもある。

 Ernie Grahamの1971年リリースの唯一のソロアルバム「Ernie Graham」はバックにHelp YourselfやBrinsley Schwarzを従えてのアルバムで、フォーク・ロックという中での傑作アルバム、この後にThe Kinksの「Muswell Hillbilies」が出てきたのを聴くと、こっちのが全然先に辿り着いていた世界だったか、と改めてこのアルバムの先取り感が判ってくる。しかもそれがまた名盤なんだな。フォーク・ロックと言ってもそれだけじゃなくって、しっかりジミヘンばり、とは言わないけどちょいとナヨいギターでのオブリがガンガン入ってくるのもあって「Blues To Snowy」なんてのは相当にカッコよかったりするし、「Belfast(!)」なんてのはもうフィドルがキレッキレで美しくも悲しく素晴らしい。他は大体あんな感じのフォーク・ロックでレイドバックしたヤツね。だからロック的な熱さみたいなのは総スカン。ところがその歌心で人を惹き付けていくという作品。

 歌が上手いというんでもないしバンドが凄いってんでもない、やってる曲が複雑なわけでもなく 普通にシンプルに歌ってギター弾いてゆったりしているだけ。それが気取っていないトコロで、その気取らなさが売りになるってのに気づかせたという意味では大きい影響を与えたんだろうと思う。そのバックをしっかりと支えている連中もそれぞれ後に大したバンドになっていくワケだし、年を経てようやくにしてこの味わいを堪能出来るようになった自分です。そんだけ名盤なんだよなぁ…。

Esperanto - Rock Orchestra 1973

Rock Orchestra ちょっと前に…ってももう随分前になっちゃってるんけど、そんな時によく聴いていたアルバムを色々と引っ張り出して聴いている。そんなに感慨深い思い出が詰め込まれている程の人生ではないので大して時代とリンクするものでもないが、それなりにはあそこで買ったな〜、これ、とかコレ聴いてた時あんな事あったな、とか苦笑いしたりすることもある。音楽は青春のBGMだ、と言われるが決してそれはリアルタイムに流れている音楽だけじゃないんだな、と。古い音を集めて聴いていた時は新鮮な音だったワケだから、それが自分にとってのリアルタイムなワケで、アルバムがリリースされた年が古いからと言ってもあんまり関係ないんだなと。

 さて、ちょっとヘンで変わったのと言えばたくさんあるけど、懐かしいな〜なんて引っ張ってきたのがEsperantoってバンドのファーストアルバム「Rock Orchestra」です。1973年リリースの作品でよくわからんが多国籍なメンバーが組んだグループってことで一目置かれていた…ってか純粋な英国音だけじゃなくてスパニッシュやら何やらと入っているという面白さ。そんな意味では先日のアレアと同じくちょいと理解不能な世界観でもあったが、それが面白かったんだな。仰々しいくらいに美しいと言うか洗練されているところがもうちょっと文明的ではある感じかな。まぁ、やってる音楽がかなり違うので比較するもんじゃないんだけどさ、Esperantoの方が自分的にはしっくり来る…ってか聴き慣れた感じだからだろう。決してどちらが優れているとかではないです。

 そういう落ち着きやドラマティックな展開やちょいとクラシカルな側面などもあって面白いんだよね。ファーストでこんなの出してきたら後大変だろと思ったが全3枚ともかなりの好盤で好きだったな。今聴いてもやっぱ面白いな、と思うしこういう湿っぽさとか演劇的なの好きです。アマゾンでCDが手に入らないのが不思議なんだが、レーベルの都合上なのかね?再発されてもおかしくないんだけどな。

Esperanto - Danse Macabre (1974)

死の舞踏(紙ジャケット仕様) エキサイティングなバイオリンによるアルバムの引き立て方って意味でMahavishnu Orchestraを聴いていたらふと頭の中をよぎったのがEsperantoと言うバンド。まぁ、知らない人の方が多いとは思うんだけど、その筋ではかなり有名なんじゃないかな…と思ってる。結構1970年代の英国ロック好きな人多いし、紙ジャケなどでも何度もリリースされているからその辺のロックって実はもう割と有名なんじゃなかろうかと思ってるんだけどさ。時間の勝利だよね。

 1974年にリリースされたエスペラントっつうバンドのセカンドアルバム「死の舞踏」。アナログ時代にはかなり探し回った記憶があるアルバムで、結局ボロボロのジャケットになってしまったのを買って最初に針を落とした時のインパクトは絶大だったな。もちろんそれはバイオリンという楽器が奏でるヒステリックな音とバンドのバランスだったんだと思う。今思えばそりゃもうMahavishnu Orchestraのそれとは大きな違いだけどさ、自分的に好きなんだろうね、こういうの。おかげでエスペラントは三枚しかアルバム出てないけど探しまわり続けて手に入れたもん。三枚目の「ラスト・タンゴ」が一番好きかもしれないけどね。

 バンド名が表す通りに様々な国のメンバーから結成されたバンドで、メンバーチェンジもアルバムごとに行われているので音楽性そのものに一貫性があるかと言われるとやや苦しいかもしれない。ただ、この「死の舞踏」という作品ではインストだけじゃなくて、歌モノもあるし、強烈なインストもある。ただ、哀しいかな思い切りメジャーになれていないってことでわかるようにアルバム一枚をじっくりと聴かせられるほどの緊張感と技量を持ったバンドではないので単発の面白さに賭けているって部分も大きい。バンドの実力派それでも割と面白いとは思うけど、エスペラントの場合はジャズからっていうのではなくロックからクラシックを持ち込んで音を構成しているようで、かなり流暢に流れる旋律が多い。だからゴツゴツした緊張感とかはあんまりない。冒頭の「旅」は結構インパクトあるんだけどね。ま、ただコンセプトアルバムではあるので何度か聴いているとそういうことか、と唸る部分もあるのは事実。

 ロックファンにはピート・シンフィールドのプロデュース作品という方が有名だろうか。しかも時代は1974年なのでKing Crimsonを離れてすぐに近いくらいにプロデュースしているバンドなのだな。彼の目に止まったってことでひとつの指標とできるとか?うん、だから静と動が相まって美しい旋律や攻撃性の高い曲なんかもあるんだな。ただ、基本的には纏まった印象はあるな。でも、良い作品なので好きです、「死の舞踏」は。生々しいしさ。

Esperanto - Last Tango 1975

ラスト・タンゴ(紙ジャケット仕様) 「エスペラント」という国際共通語はどことなく耳にしたことがあったが、それをバンド名にしてしまうというのもなかなか凄い。しかも単語の意味に負けないようにしっかりと各国出身者をメンバーに迎え入れてどこに依存するでもない楽曲を繰り広げていたというのも素晴らしい。ニュージーランド、ベルギー、英国、伊太利亜、ハワイ、オーストラリア出身者を揃えていたワケさ。もっとも三枚アルバムをリリースする間にどんどんメンバーが替わっていってしまうのでどこまで全うできたかは追求するモノではないが…。

 1975年にリリースされたエスペラントとしては最後の作品となった名盤「ラスト・タンゴ」。一般的にはセカンドアルバム「死の舞踏」の方が有名かもしれない。プロデュースにピート・シンフィールドを迎えているし、ボーカルにはその筋では有名なキース・クリスマスを迎えているからだ、もちろん音的にも大変よろしいんだけど、バイオリンのヒステリックさと言って思い出したのは三枚目の「ラスト・タンゴ」だったんだもん。いや、何故って、ねぇ、知ってる人は知ってるだろうけど、このアルバムの冒頭はビートルズの「 Eleanor Rigby」から始まるのさ。いや、それがまた強烈なアレンジでね、凄いんだよ、バイオリンが。だから(笑)。ちなみにここである程度聴けるっぽい。滅茶苦茶ロックだよ、これはホントに。誰か特別に有名になった人がいるワケでもないけど、正に熱いロックを聴かせてくれます。

 以降の曲でもバイオリンやチェロってのが主役になりつつそうだ隠飽海曲でもあるB面曲「The Rape」にトドメを差す。12分以降の協奏曲が展開されることでわかるように完全にミュージシャンとしてのエスペラントというバンドを聴けるんだもん。凄いわこれ。こういうのってやっぱ楽譜ありきなんだろうか?そんなことを考えてしまうくらいに素晴らしい。メンバーが替わっていても全然関係なしに完成度の高い音楽を作り続けるのって難しいしね。ところがこのバンドはテンションの高い演奏と良質な楽曲を維持している。う〜ん、これ以上バンドが存続しなかったのもよくわかるけど、ちょっと勿体ないかな。根強いファンは多いハズ。

Eyes of Blue - In Fields of Ardath

In Fields of Ardath 60年代末期頃になると英国のロックシーンが活性化してきて、雨後の竹の子のようにバンドを輩出してきたものだが、対するレーベルの方も正に青田刈り状態による契約の嵐。その中にはもちろん本当に才能に長けたバンドや人物によるプロフェッショナルなバンドも存在していて、後のシーンの源流ともなったバンドがいくつか存在する。有名なのはカンタベリーシーンでのワイルド・フラワーズとかですかね。そしてサイケデリックの洗礼を受けながらテクニカルな側面でもメロディの側面からでも、そしてその後の多数のバンドを輩出した源流とも言えるマイナーな存在のEyes of Blueなんてのを紹介♪

 アルバムは二枚リリースされているけれど、作品レベルが異常に高くニッチな世界では有名なものがセカンドアルバムの「In Fields of Ardath」でして、メロディだけ取れば非常にポップなんだけど、音は後の英国ロックに出てくるようなものが散りばめられていて、それがサイケデリックという括りでは終わらない世界に広がっている。1969年のリリースなのだが、当時は話題になったのかどうかもわからない。どうなんだろ?まぁ、面白いね、くらいだったかもしれないね…。

 ん〜とドラマーは後にBig SleepやWild Turkeyなどを経由してGentle Giantのドラマーとして名を馳せるジョン・ウェザースさん、ベースはトニー・バンクスさんとFlashを組むことになるベネットさんっつうところだけど、やっぱあの超絶テクニカル集団のGentle Giantのドラムを務めることになるドラマーが在籍していたワケだから巧いです。メンバー全員ね。この頃のミュージシャンレベルからしたら相当なものだろうなぁと思う。

 そして音世界もかなり深くて…ブルースベースのものもあるけど、やっぱ浮游感漂う夢見心地のサウンドですね。サイケという括りでは収まらない…、アコギの深さと鍵盤の絡みのせいかな。ポップスと言っても良いような曲もいくつも収録しているし…なかなか掴み所のないのが正直なトコロ。それでも何度も聴いて制覇したいと思わせるバンドだもんね。まだまだだまぁ〜、こういうのをきっちりと制覇できないとなぁ…。

Fair Weather - Beginning From An End 1970

BEGINNING FROM AN END 70年代マイナーレーベルってのは超ニッチなファンがいるのだが、ネオンレコードの最初のアルバムって記憶している人もそうそう多くはないだろうなぁ…、って自分もそんなの記憶になかったから、へぇ〜そうなんだと思った次第。今じゃレコードを見ることもそうそうなくなっているし、そもそもレアアイテム化しているのか?なんて思ったらアマゾンで随分なお値段…、そうですか、しかもCDでこれですか。ん〜、で、MP3なら普通にあるのか、かと言ってこの手のをMP3で手軽に入手ってのもちょっと違う気がするよな。そういえば昔々ぜんぜん違うジャケットでレコード持ってた事を思い出した。

 Fair Weatherってバンドの1970年唯一作となった「BEGINNING FROM AN END」、レーベルナンバーはRCA Neon NE1という栄誉ある代物でそれだけで意味は無いけど「おぉ〜!」ってなる。ホント意味は無いが(笑)。もちろん自分のはオリジナルじゃなくて、そんなレーベルは写真だけの話なので何も自慢することはないのだが、随分昔に買ったレコードだったが、何の記憶にも残っていないという…、どんなだっけ?そんな聴き方もアリかね…、ってな感じで聴いてるんだが、フェアウェザーってさ、今はクラプトンやロジャー・ウォーターズのトコでサイドギター弾いてるあのおっちゃんなんだよな〜、でもその昔はアイドルだったんだよなぁ〜、そうエーメン・コーナーのフロントマンでブイブイ言わせてた人なワケでして、そこから半分が離脱してJudas Jump行き、こっちはFair Weatherと名乗っての再始動、そのきっかけはイミディエイトの倒産だったとか…そうかその頃なんだ。

 そしてサウンド…、今聴くと、単に古い実験的なロックで軽いし色々なことやってるポップ系なモノか。歌声は結構個性的でアクもあるから悪くないけど、どっちつかずな感じ。バンドの音…ってかブラスセクションが鳴っててなかなか先端な音だったのかもしれないが、その分中途半端なロック感漂う雰囲気になってしまってるが、でも、時代が時代だからかなり最先端だったんじゃないかな…。サイケからロックの時代だもん。フロイドほどじゃないがELOほどでもない…、ユニークかも…と段々思えてきた。何か深い。

Fairfield Parlour - From Home to Home (1970)

From Home to Home こういうブログを書いていると忘れた頃に忘れた音にまた出会えるってのが嬉しい。それは自分で見つけるものもあればブログ仲間やTwitter仲間であったりリアルな友人だったりするんだけど、そういえば…ってのが多いのだ。アルバム見て音が浮かんでくるならそれはそれで聴きたくなるし音が鳴ってこないのはどんなんだっけ?ってなるからまた聴くし、結局聴くきっかけがあれば聴くんだろう。特に70年代英国の音ってのはそういう傾向値が強い。一時期に圧倒的に集めて聴きまくってたから記憶が錯綜しているものもあるし強烈だったのもあるからさ。そんなことで最近Twitterで呟いていた方がいらっしゃったので自分が書いてないことに気づいてまた聴き直した次第のアルバムの登場です。

 1970年リリースのFairfield Parlourというバンドの「From Home to Home」というファーストアルバム、ってかこれ一枚しかリリースしてないんじゃないかな。ホントはこの後に幻の傑作「ホワイト・フェイスド・レディ」っつうのを作ってるんだけど、Kaleidoscope名義でリリースされているので、結局Fairfield Parlourは一作だけってことだ。うん、この2つ、同じメンバーによるバンドなので名前はリリース時の違いだけ。ただ、カレイドスコープはサイケチックな雰囲気を出していた60年代末期のバンドっつう印象が強かったからFairfield Parlourというバンドにしてヴァーティゴからちょいとフォークタッチを強くした雰囲気で出直しましたと言うようなものだ。まぁ、それはそれでVertigoからの名盤として歴史に残っているし、ジャケットもキーフのものなのでアーティスティックに良い感じだしね。フォークタッチと言えども同じメンツによる作品なのでやっぱりサイケ調なメロディや楽曲やアレンジってのはアチコチで出てくるし、そうそう簡単に切り替えられるものでもないのは一目瞭然。ただ、アプローチが面白くて実験精神旺盛な楽曲が詰め込まれている。基本大人しい落ち着いた秋色という雰囲気の作品ではあるんだが、音楽的には相当ハイレベルな取り組みなんだろうな、ってのがわかる。ポップさも持っているしアレンジも70年という時代で聴けばかなり意欲的でもあるし。

 この後にリリースされている「ホワイト・フェイスド・レディ」が絶品でねぇ…、そっちはもうリアルタイムではリリースされなくて結局お蔵入りだったんだけど、後年ピーター・ダルトレーが権利獲得して自分でリリースしたみたいなんだけど、それが凄い。こんなのお蔵入りさせちゃうワケ?みたいなトータルコンセプトアルバムでさ。カレイドスコープの方向からはかなり逸脱しているけど、それこそバンドが生まれ変わった瞬間とでも言うような傑作なんだよな。そういう狭間にあってのFairfield Parlour「From Home to Home」でもあるのでやはり忘れてはいけないアルバムです。

Family - Music In A Doll's House 1968

Music in a Doll's House  黒い、ってのとはちょっと違うんだけどかなりエグい、っていう渋みのある歌声で定評のある人が知る人ぞ知る(?)ロジャー・チャップマンなのだ。ファミリーってバンドのボーカリストで1968年アルバムデビューしているんだけど、どのヘンの人まで知ってるんだろ?一般的にはプログレの範疇として語られるケースが多いみたいなんだけど、個人的には絶対にブルース系のボーカリストと勝手に思っていて、やってる音楽と彼の声質にギャップがありすぎて勿体ない〜って思うんだけど、どうでしょ?まあ、そういう類の声質でして、何というのかソウルフルってのよりももっと泥臭くって粘っこい声なんだよね。でもね、不思議なことにしつこくはない(笑)、って難しい表現なんだけどさ。

 デビューアルバム「Music In A Doll's House」という凄く幻想的なジャケットに包まれたアルバムで世に出現しているが、プロデュースがデイブ・メイソンでエンジニアのエディ・クレイマーというメンツ、更に3枚目のアルバムからはあのピーター・グラントのお薦めでベースに元スペンサー・デイヴィス・グループのジョン・ヴェイダーを迎えており、以降ジョン・ウェットンなどもメンバーに入ったりする英国切っての強者バンドとして有名なのだが、日本では全然人気がないってのも面白い。しかしロジャー・チャップマンの声は結構ハマるんだよな。多分このバンドも良い曲がなくって、結構スリリングな音に挑戦するんだけどなかなか飛翔しないままに終わってしまっているってのが要因かな。ただ、ジャケットがどのアルバムを取ってみても英国的で、変形ジャケットも多いバンドだね。で、そのファーストアルバムの中味は初っ端からチャップマンの特徴的な声で歌われているんだけど、結構曲によって歌い方や声色を変えているのもプロだよね。楽器の方も煌びやかに登場するので演出面でも結構楽しめる。個人的には最初と最後が好きなんだけどさ。

 でもね、この人の声に目覚めたのは実はマイク・オールドフィールドの「Crisis」っていう1980年の作品の最後に収録されていた「Shadows On The Wall」って云う曲なんです。このアルバム、イエスのジョン・アンダーソンが歌っていたり、何と云ってもクリスタルボイスの持ち主、マギー・ライリーが歌う「Moonlight Shadow」がダントツに光り輝いている作品なんだけど、最後の最後でチャップマンの声で「Shadows On The Wall」が歌われていて、曲が良ければこの人の歌声は更に価値あるモノになるとつくづく実感した一曲で、もう最高に素晴らしいんです。絶対もっとブルース系で思い切りシャウトできる曲に出会って世に出るべきだった人だよなぁ…、と思います。

Family - Entertainment (1969)

Entertainment 意図せずして徐々に英国B級的なバンドが続出している気がするのはいつものことか。結局その辺が一番自分にマッチしている部分なのかもしれないし、割と意識して聴いていたジャンルってのもあるからか。まぁ、それでもメジャーな部類をいくつか立て続けに書いていこうかな、なんて。単にマイナーものはもう一通り書き切ってしまっているので発掘音源系になっちゃうんだよね。それもまた人気なさそうなので、とりあえずこの辺も…。

 ファミリーってバンドはジョン・ウェットンが参加したことがあるバンドとして知られていたりするけど、実際にそれはかなり終盤の話で、そもそもはごった煮英国ロックの時代の始まりでもある1960年代終盤に出てきたバンドなのだ。だから別にハードロックでもブルースロックでもなく、何かのジャンルに属せる音でもない。その辺がなかなか聴きにくいと言うかとっつきにくいバンドのひとつになっている面も否めないんだが、ボーカルのロジャー・チャップマンの名はかなり知られているのではないだろうか?凄い迫力のボーカルだからなぁ。聴いてみると印象は、もしかしたらウッドストックでのジョー・コッカーってな感じかも(笑)。ビブラートって言うのかシャウトってのか、とにかく個性的な歌声で一世を風靡したものだ。

 1969年にリリースされたセカンドアルバム「Entertainment」ではその歌声も満喫できることながら、更にファミリーってバンドの初期のサイケデリックでもあり英国らしい実験的なロックもあり、更に多種多様な楽器をも用いたごった煮ロックが頼もしい。それでいて決してマイナーに甘んじることもなくしっかりとポップな聞かせ方をしているし、特にベースのラインが面白いね。基本チャップマンとホイットニーのバンドなんだけど、目立つのはそうでもなかったりするのも頼もしい。ジャケット見てもさ、何これ?って感じの喜劇的なアート。どんなバンドかってのはともかく、言い方変えると、サーカスを見ているようなバンド。深いよ~♪

Family - Bandstand 1972

バンドスタンド 個性的なボーカリストが乱立している70年代英国ロック♪ やっぱこの辺が一番落ち着くなぁ〜と我ながら納得しているのだが、そういえばいつもこの辺を漁ると忘れられずにレコードを探し出してくるのがファミリー。うん、ロジャー・チャップマンのムサ苦しい姿がこれまた英国らしくて(笑)。このバンドも結成してから短期間でアルバムリリース枚数が結構多いのでそれなりに精力的に活動していたんだろうなぁと思う。

 今回はその筋では有名な1972年リリースの6作目のアルバム「バンドスタンド」を取り出してみた。うん、ジョン・ウェットンが参加して二枚目の作品でこれにてジョン・ウェットンはキング・クリムゾンに参加することになるので、その筋で有名、なワケだ。ファミリーの歴史的にもかなりの名盤と誉れ高いのでなかなか手の出ない英国ロックファンもいるとは思うんだけど、まぁ、確かに絶対聴け、という程の声を上げる気にはならないんだが(笑)、やっぱり英国好きな人には非常〜に楽しめるバンドで、カテゴライズできないジャンルに属しているバンドだね。ファーストの「Music in a Doll's House」ではかなりサイケデリックにあれこれやってるし、楽器も色々使ってるからプログレに括られたりしてるけど、ロジャー・チャップマンの声聴いてたらやっぱり黒い独特のシャガレ声なワケで、そういう言い方したらやっぱりファンクネスな響き…、うん、特にこのアルバムはもの凄くグルーブしていて、R&Bとはまた違った感じで、そうだなぁ、パーラメント的っつうかそういうノリに近いグルーブ。それもこれも多分ジョン・ウェットンのベースによるノリが無茶苦茶大きいとは思うんだけどさ、それにしてもジョン・ウェットンだってこんなにグルーブ感のあるベースを弾くのも初めてなんじゃないか?っつうくらいだが…。もっとも、これ以降はあらゆるジャンルのバンドとセッションしていくわけだが…。

 いかんいかん、ファミリーの話なのでジョン・ウェットンに持って行かれてはいけない(笑)。最初の「バーレスク」からしてもうブイブイしてて「え?」って感じだけど、正にアルバムを象徴するかのような名曲で、シンプルでノリが良い。んで、それこそジョン・ウェットンが曲作りにも参加したってことで有名な「コロネーション」はまたしても「え?」ってな感じで、これファミリー、だよな?っていうくらいにジョン・ウェットンのコーラスが爽やか(笑)。まぁ、いいか、こういうのも。「Dark Eyes」ってのが次に入ってるんだけどさ、これはまたこれで「え?」ってな感じに英国的なコーラスから始まって実に美しいメロディと曲で、ウィットニーのギターのアルペジオが素晴らしい。やっぱ英国好きには堪らないね、こういうの。ピアノとフルート(?)もまた良い味出してて、素晴らしく綺麗な小曲。

 「Broken Nose」はまたしてもお得意という感じでグルーブしまくったノリにロジャー・チャップマンが叫ぶ。うん、これこそロジャーだ。完全にファンクしてるね、これ。んでまた一転して「My friend The Sun」なんてクサいタイトルの曲でさ、ジョージの「Here Come the Sun」じゃないんだから(笑)。しかしこれがまたアコギとアコベなのかな、これ、とメロデイで爪弾かれる美しい曲で、全く奥の深いバンドで面白い。こういうのが楽しめるとツウなロックファンだと思うけどね(笑)。そしてまた「Ready To Go」では本来のファミリー節が復活していて良い。基本的にメロディはポップというかメロディがあって、ロックしてるから聴きやすいと思うけど、まぁ、サビが一緒に口ずさめるとかではないな。うん、でもこれぞ英国ロックだよ、ホントに。

 変形アルバムジャケットが多いのもファミリーの特徴で、この「バンドスタンド」も見事に変形ジャケットでテレビを模倣したアルバム。意味はよくわからんけど、いいんじゃない(笑)。こういうの聴くとやっぱ英国が一番面白いなぁと思う。ジェスロ・タルあたりと立ち位置が似ているかもね。

Family - Fearless 1971

Fearless  ジョン・ウェットンも逝ってしまったなぁ…、結構プログレ系もここ最近多くの人が亡くなってて、いよいよ70年代ってのがクラシック化していく頃になってきた。まぁ、特に感慨深くなることもなく、聴きまくるでもなく淡々としてたけど、ちょっとこの辺で何かあったかな、って思ってたらFamilyの名が出てきて、そっか、Familyにもいたんだな…、作品的には全然記憶に残ってないアルバムだったが…、ってことで。

 Familyの1971年リリースの作品「Fearless」。もちろんジョン・ウェットン初参加のアルバムですが、もちろんここにはボーカルにロジャー・チャップマンっつうコテコテの歌声の人がいて、チャーリー・ホィットニーってブルースメンがいるんで、ジョン・ウェットンはしっかりとコーラスとベースメンでしかない。じっくり聴いていれば個性も聴けるんだけど、そこまで単に目立つようなスタイルではないので仕事のひとつとして聴くのが適当だろう。あくまでもFamilyの作品に貢献しているという所だ。ここで目立つのはフロント二人、特にチャーリー・ホィットニーのよれよれなギタープレイは聴いてて大丈夫か?って思うくらいにフワフワしてて印象深い。ロジャー・チャップマンの歌声も自分的にはキライじゃないから、聴いてみると、あぁ、この声だったなぁ…、しつこいっ!って感じで聴いてました。

 どういうんだろ、こういう作品は。どこにも属することのない英国70年代のロック、としか言いようのない作品。ハードロックでもないしブルースロックでもない、言うならばビートルズみたいなモンで、どこかの方向性に軸足を定めてのバンドじゃないから、何でも器用にロックしていると言うような感じか。Famllyってそういうバンドなので、とっても把握しにくい。どれも駄作じゃないからそれなりに名盤と言われるのも多いし、ジャケットにしても面白いから印象深いけど、音に関してはホント、普通にロック、としか言えない。そこではジョン・ウェットンのあのかっ飛んだプレイは出しきれなかったか。もっともそれよりもアルバムの楽曲そのものの質の高さが優先しているのは確かだ。

Family - Its Only a Movie (1973)

Its Only a Movie インターネットってのが一般に普及してきて皆が簡単にHPをアップできるようになったのもそう昔の話じゃないんだが、その頃はまだまだ色々な意味で創世期だったから何でもありで、ひとつの方向性なんてなかったし、ロックの世界でも同じでHPひとつ取ってもオフィシャルサイトなんてそんなになかったし、CD屋のネット通販だって全然無かった頃。そういう時代にHPを賑わせていたのはファンによる手作りのアーティスト評HPだったりして、その人その人の情感や思い入れ、青春なんかと一緒にアルバム評なんてのも入れられていることが多くて、来日公演の感想とかさ、面白かったんだよな。ところが最近アーティストのディスコグラフィーとか探そうとしてもほとんどそういうサイトが出てこない。オフィシャルサイトとCD屋のサイトばかり。なんで自分がファンサイトを好むかってのは簡単で、このアーティストだとどのアルバムを好きな人が多いんだろう?とか好評価なアルバムって何だろ?とか多数あるアルバム群の中でそのアルバムの位置付けみたいなのが知りたいんだよね。オフィシャルサイトでそんなの出てくる訳ないし、CD屋のサイトでもレビューでもそのアルバムの評判はわかるけどアーティストを通してのアルバム評の順位みたいなのはわからん。なんか、結局そういう生々しい声が見えなくなってるんだよね。FacebookだろうがTwitterだろうがGoogleだろうがこういう普通の事を知る機会が減ってるのは何故?情報が速さだけになってしまって濃い情報の重要性が軽くなってる。ブログだと纏めて書いてれば別だけど、大体単発で記事を書き上げられている場合が多いからアルバム全部を並べてどうの、っていうのはあまり見当たらない。自分も含めてアルバム一枚とか数枚を並べてあれこれってのは多いが。やっぱそこはHPなんだよな。んで、HPの割合がそれほど増えてないんだらそりゃみたいサイトもないわな。寧ろ時間も経ってるからアドレス変わったり皆HPなんて…って辞めちゃってるからどんどん減ってく。結局続けるってのが一番難しいからさ。

 ってな前置きは今回のFamilyってバンドを書くのに思った次第。ファンサイトで一覧にしてるのって簡単に出てこなかったからさ。しかも今回取り上げたのはジム・クリーガン参加の「Its Only a Movie」だったんで評価が割と二分されている…ってか低いアルバムでさ、ただ、自分が聴いた時はそんなに評価が下がるようなアルバムじゃなくて、逆にこんな音やってるのか、と驚いたくらいなのだが、その辺をね、好きな人が相対的に書いていてくれるところってないかな〜って。まぁ、だからと言ってブログの中味が変わる訳じゃないんだけど(笑)、どうしても「Music in a Doll's House」とかジョン・ウェットン参加の「Bandstand」なんてのがスポットを浴びていることが多いけど、何と言うのか、この1973年にリリースされたジョン・ウェットンも脱退して、素直にロジャー・チャップマンとチャーリー・ホイットニーが頑張ってくれてる感じで、7枚目のアルバムともなると往年の作品を意識してと言うよりも時代に合わせてFamilyができることってのをやってる感じで、かなりスワンプ的なサウンド。ただ、まぁ、あのロジャー・チャップマンの歌声なのでそこはもう泥臭くしつこくなるんだけどさ(笑)。鍵盤にはトニー・アシュトン、ってもピアノ中心で音に色を添えている範疇で音楽性への影響は大きくない。そしてギタリストだったジム・クリーガンが本作ではベースを弾いているという贅沢さ。あんだけのギター弾くのにこだわりはなかったんかな?とも思うけど、ベーシスト。当たり障りがないところで弾いているとでも言えるか。

 作品的にはホント、書き切れないくらいに英国的、と言うかカテゴライズできない独特な音。Familyの音ってんでもなくってこの時代特有のアルバム単位での独自性が発揮されているとでも言うべきかな、それにしてはメンツが一流なので仕上がりも濃いし、多分狙った世界観をきちんと表現しているんだと思う。アメリカへの望郷は見られるけど、やってみれば物凄く英国的というギャップがね、面白い。ってなことでFamilyというバンドを語るには外されるくらいに下馬評だけど、作品レベルが低い訳じゃなくてカラーが異なるからという理由が大半のハズだ。アルバムそのものは聴き応えがある…けど、一般受けはしないな(笑)。

Fantasy - Paint A Picture 1973

ペイント・ア・ピクチャー 昔アナログを漁っていた時にどうしても手に入れたかった一枚をタイミングも良いのでここで…。何とかアルバムガイドなんかで紹介されていて、その時にアルバムジャケットを見て、かなり欲しくなったので探したんだけどオリジナルなんてもちろん見ることなくてね。確かカウンターフィットではなくって何かの再発アナログ盤を買ったのかな。一応ダブルジャケットでさ。もうそれで良いや…って思ってたんだけどさ。

 バンド名がこれまたそそられるもので…ファンタジーってんだよ。Fantasy。1973年リリースのアルバム「ペイント・ア・ピクチャー」がさ、バンド名とジャケットと英国的な想像を豊かにしてくれて、気に入ってたもん。実際に音を聴いてみると何となくもっとファンタジックで起伏に富んだ壮大なスケールのバンドかと思ってたんだけど、全然逆でして、フォークタッチが中心のメルヘンチックな軽い感じの音がメインでして、なかなかマッチしない音だなぁ〜なんて思ってた。もちろんそれでも何回も聴いてたけどね。

 しばらく聴かない期間があったけどやはりちょくちょくと聴いてて、こないだも久々に聴いてみて…、この優しさっていいなぁ…と、Fantasyというバンド名とアルバムジャケットとアルバム名「ペイント・ア・ピクチャー」がピタリとマッチしたんだよ。あぁ、ようやくわかってきたかな、自分、みたいな(笑)。今じゃ未発表集のCDが出たり、この「ペイント・ア・ピクチャー」でもボーナストラック付きでリリースされたりしてるからそんなに考えることもないんだろうけど、手に入らない時期に目覚めた自分的にはそんな印象。

 簡単に音だけで言えばどこかBJHみたいな盛り上がりと叙情性を持ったバンドで、ギターはやたらと雰囲気を作るソロが巧いし、フォークギターでも基本楽曲構築を行うというもので、プログレっつうか…フォークと鍵盤を合わせたら良い感じの雰囲気が出来ましたっつうような感じかね。それを良質な印象で包んでコーラスを入れたものってトコ。決してメジャーな感性での作品じゃないけど、ま、好きなので(笑)。

Fields - Fields 1972

Fields  アンディ・マッカロック=クリムゾン「リザード」時のドラマー。その割にはフリップ卿からは可愛がられていた様子で以降も仕事の紹介などを受けていたらしいし、更に凄いことにヴァーティゴの名作でもあるマンフレッドマン・チャプターIIIでの「Volume Two」にゲストで「It's Good To Be Alive」という曲で一曲叩いている。そしてアーサー・ブラウンとも交流があり、そのテクニックには定評がある人。アラン・バリー=ゴードン・ハスケルのセカンドソロアルバムでギターを弾いていた人で、スタジオミュージシャン的に評判が高かったようだ。グラハム・フィールド=云わずと知れたシンフォニックバンド レア・バードのリーダーで鍵盤奏者。この人がレア・バードにうんざりして解散して新たに組んだバンドがフィールズと言うバンドだ。

 アルバムリリースは1972年で、スーパーバンド的な位置付けだったにも関わらず一枚だけのリリースで終わってしまったメジャーながらもB級色の強いバンドだったとも言えるか(笑)。初っ端から鍵盤のピコピコで攻めてくるのでどうしてもEL&Pみたいな印象を持ってしまうんだけど、そんな曲ばかりではなくって妙〜な曲、まぁ、あまり意味もない曲っつうかさ、そういうのも多くて実に散漫な印象を与えてしまったのが敗因か。もちろんアンディ君のドラムひとつで破壊的クリムゾン復活ってワケにはいかないワケで、当然ながらグラハム氏の鍵盤に依るトコロが大きくなってしまい、さすがにそれらはシンフォニックな味わいを出しているのでこじんまりとはしているけど壮大さはある。ただ、やっぱり壮大なシンフォニックという道を選ばずに短い時間に曲を追えるという時代に即した方向に向かったためにイマイチの印象なんだよな。残念。

 ただ、その中にも目を見張る曲がいくつかあるのがこういうバンドを漁る時の面白さでこのアルバムの場合は5曲目「Over and Over Again」かな。6分弱なんだけど、歌モノと起承転結とハードさとソフトさを持っていてコンパクトに仕上がっている秀作だね。

 そんなアルバムが当時CBSからリリースされていたんだけれど、今アマゾンでは簡単に見つからない…。アナログはもちろんなかなか見つからないと思うのでCDで十分だとは思うけど、自分のCD見たら1991年の再発盤になってたから今はどうなんだろうなぁ…。

Fire - The Magic Shoemaker 1970

The Magic Shoemaker アルバムジャケットが実に秀逸な作品というものもたくさんあり、また中身もそれに合わせて素晴らしいというものは非常に好評を博すことが多く、30年以上経過した今に於いても概ね評価されるアルバムの方が多い。もっとも中身が素晴らしければ圧倒的に評価されるものだろうが…。まぁ、他人の評価の集まりが一般的な評価なので自分で判断すれば良いだけだとは思うのだが…。

 1970年リリースの渾身のコンセプトアルバム、のつもりでファイアと呼ばれるバンドが解き放った作品「The Magic Shoemaker」。ジャケット良いでしょ?どこか中世的なものを思わせるっつうか、そのままだけどさ(笑)。昔、レコード屋に行くとこれがたま〜に飾ってあったりして、それがまた絶対に買えないくらいの値段が付いていて、正に高嶺の花ってアルバムでさ。ジャケット良いから中身はダメに違いない、って自分に言い聞かせて見るだけ見て帰っていった、みたいなことがあった(笑)。で、90年代になった頃にSee For MilesからCDが出てさ、速攻で買ったもん。中身聴いて、無理矢理納得してたかなぁ、その頃は。それをまた久々に引っ張り出してきたんだけど、これまた極上のポップスっていうのかな、英国らしい美しい〜アコースティックな感じとカラフルな印象で、遅れてきたサージェントペパーズみたいな感じもあるかな(笑)。3曲目の「Magic Shoes」なんて「Ziggy Stardust」前夜のボウイと実にメロディが似てたりして、センスが同じだったのかボウイがパクったのか(笑)。いや、それはないだろうけど、そんな雰囲気もあって楽しめる一枚。

 メンバーはどうやら三人組で、そのうちの一人、というかリーダーがデイヴ・ランバートって人でこの後ストローブスに入って名を上げるんだけど、このアルバム「The Magic Shoemaker」は彼の渾身の作品でもあったんだよね。どうやら靴屋さんの物語を展開しているみたいで、自らそのナレーションをしているという凝りよう。そして多分物語に即した曲が展開されているので、もちろん喜怒哀楽みたいなのは表れている。間違ってたらすんませんなんだけど、物語の前説があって、魔法の靴みたいなのがあって、よくわかんないけどそれなりに話が展開されて靴やさんが幸せになる、みたいなもんじゃないかと(笑)。最後がもの凄く幸せそうな曲なんだもん。こういう夢見る展開って好きだなぁ。

Flamin' Groovies - Supersnazz (1968)

Supersnazz 60年代末期にこんなにキャッチーで軽快なポップロックをプレイしていたという意味で非常に貴重なバンドでもあるはずのFlamin' Grooviesの「Supersnazz」。まぁ、なかなか知名度は高くないんだろうなとは思うし、しかもこんな軽快でキャッチーでロックでキッチュなのにアメリカ出身のバンドだ、ってことに驚いたものだ。ず~っと英国のビートバンドだと思ってたからさ。この時代のアメリカにも英国ビートバンドの模倣を独自解釈でプレイするバンドがいたことに驚き。後のKnackと同じような驚きではある。

 冷静に考えてもですね、60年代末ってことは英国ではクリームが大旋風を巻き起こし、ビートルズやストーンズは熟成期、The Kinksはコンセプトアルバムに乗り出すところでThe Whoもほぼ然り。アメリカではジミヘン、ジャニス、デッドやドアーズ、ステッペンウルフやらバーズやらの時代です。その中でこんなに英国ビートに毛が生えたかのような軽いR&Rをプレイしていたってなかなか目立たないだろうな、と。カリスマ度合いが違うもん。

 とは言え、「Supersnazz」を聴いてみるとですね、時代を経ているからだろうけどかなり面白いR&Rが聴ける。なんつうのかな、純正アメリカのロカビリーをモチーフとして発展してきた英国のビートバンドに影響を受けたアメリカのバンド、っていう図式なので素直にアメリカのロカビリーにならないってのがユニーク。Little Richardのカバーなんてのも入ってるんだけど、英国のビートバンドがカバーするような雰囲気でカバーしているんだから面白い。しかもアルバム全てが相当良質な世界観で作られているので耳障りが良いし、収録曲がそれこそR&Rで軽快。ポップなメロディとキャッチーなフレーズだけどバックは英国ビートバンド譲りのR&Rセンス満載っつう…、純粋に英国人では出てこない部分もあるんだろうから不思議感も含めて頼もしい。

 そうだなぁ、冷静に見れば「Supersnazz」のジャケットはミッキーマウスをモチーフにしているんだろうし、アメリカ産ってのを主張している気もするか…。なんで「ブリティッシュ・ロック」っつう深民さんの本に載っていたんだろう?違ったっけかな?

Flash - Flash 1972

フラッシュ(紙ジャケット仕様) 流れ的には大物プログレバンドへ〜ってなことも考えたんだけど、もうちょっとマニアックに攻めていきますか…と思い立ち、何故かフラッシュです。トニー・ケイさんが地味な活躍ってことで話題に…と言うよりもイエスの快進撃はピーター・バンクスのギターがスティーブ・ハウになってからっていうのもあって、二人とも全盛期のイエスからは離れていたという勿体ない事実があるが故に二人とも仲良く…というのか、一緒にやってたりするわけだ。

 フラッシュのファーストアルバム「フラッシュ」は1972年にリリースされたかなり気合いの入った作品に仕上がっていて…っつうかイエスにかなり近い音だなぁ…ってのが正直なトコロです。歌声もジョン・アンダーソン的なので好みではないけれど、まぁ、いいか。最初の「Small Beginnings」という曲からして9分半の大作なのだが、これがまたギターが大活躍のみならず、ベースもクリス・スクワイアーばりに躍動するラインを弾きまくっているし、ギターと鍵盤のリフについては正にイエス的…、構成もいくつかを組み合わせているので組曲的に出来上がっているスピーディな代物です。70年代英国プログレロックとして聴くとかなり洗練された部類に属する音色であることは間違いないし、ジャケットもとんでもなく素晴らしいじゃぁありませんか。このジャケットのシリーズは後にセカンド「イン・ザ・キャン」、サード「アウト・オブ・アワ・ハンズ」にも続けられていくのだけど、このファースト「フラッシュ」が一番洗練されている気がする。

 あかん…話が逸れた(笑)。ん〜とですねぇ、アナログで揃えたんですよ、フラッシュは。ジャケットがダブルジャケットで欲しかったからね。やっぱり迫力です。そのおかげで音が多少どうであろうとも持っていることがステータスだったっつうのも大きいな。そういえばあんまり聴かなかったもん(笑)。んでまた引っ張り出しているワケですが…、やっぱりイエス的な音色なのが大きくて好まないようだった、自分。それでもピーター・バンクスのギターのアプローチは平凡ながらもユニークかなってのはある。アルバム全曲で5曲ってのも時代だが、それだけ演奏に力入れたバンドとアルバムだったんだろう。テクニックは申し分ないからね。

 そんなことでアルバム全部買って並べて見るのが一番楽しいフラッシュですが…、音の方も好む人はしっかりと楽しめる内容です。

Flash - In the Can 1972

In the Can Flashの1972年リリースのセカンドアルバム「In the Can 」。メインはピーター・バンクスになっているFlashのセカンドアルバム=おっぱいアルバム「In the Can 」だが、どうしてこんなにイエスチックになっちゃうんだろうか?ロックの音の作り方がイエスと似てるんだよな。もっと英国B級バンド的要素が強くてもおかしくないんだけど、若干ながらもメジャーなバンドにいたメンバー=ピーター・バンクスがいた事でそっちの路線に近い音になっちゃったんだろう。実験精神という部分がやや欠けたように聞こえてしまってね、音楽性そのものはイエスを真似してる訳じゃないんだが、手法とか構築の仕方が一緒で、しかも抑揚に乏しい、どちらかと言えば淡々と歌っているような印象のボーカルにもその雰囲気を似せている部分はあるか。そんなこと気にせず普通に英国ロック好きとしてFlashには取り組むのだが、単純にこの手の音は苦手だ。3枚とももちろんあるけどさ、ジャケット面白いしやっぱ秀作ではあるし。ただ、好みじゃない。

 ただ、やっぱりこういう音が作れるのは凄いなぁと思う。全5曲しか入っていなくて10分以上の作品が3曲、その合間を小曲が埋める構造でだが、ただ、その大曲が演奏美じゃなくてイエス的構築美…構築美?かな、なので詰め込まれてる感は結構ある。ん〜、B級にするには面白くないしメジャー級ではないし、一番中途半端な印象かなぁ…。あ、CDだとボーナストラック付いて7曲なんだ…、ま、いいか。

Flash - Out Of Our Hands 1973

アウト・オブ・アワ・ハンズ(紙ジャケット仕様) GW真っ最中なのにマイペースで勝手な趣味な音ばかりを書いている等ブログだが、もうちょいメジャーで反応良さそうなもの書けばいいのにな、と自分でも思う。ただ何となくの流れでひたすら書いているんだけど、何か抜けられない世界っつうか、面白いなぁって世界にハマってしまっててさ、初めて聴くワケじゃないんだけどすっかり抜けてた音とか多いから時間ある時には割とそういうのを聴きまくったりしてさ、そこからブログネタになってきたりするワケで、まぁ、いいじゃないか。まだまだ聴きたいものや聴き直したいものもいっぱいあるんだがな…。

 Flash…そう元イエスと必ず肩書が付くピーター・バンクスが率いたバンドのFlashの3枚目の作品にして最終作?ともなった「Out Of Our Hands」、1973年作品だが、中味はどうでも良くってアルバムジャケットの面白さでひたすらFlashってバンドは追い掛けたもんだ。もちろんヒプノシスの作品ばかりだけどこの三枚目「Out Of Our Hands」はハッとする猥褻さがなくてちょっと残念(笑)。それでも何だこれ?ってじっくり見ないとわからないと言うか、そういうハッとする面白さはあって、更にこの不気味で不思議な色合いも惹き付けられる。所詮は拳の塊なんだが…、そんな楽しみが先に来ているバンドなので中味はあんまり覚えていなかったりする。多分それは中味が全然面白くなかったからというお話なんだろうけどあまりにもジャケットが秀逸すぎるので音が負けてしまっているってことにしとこう。

 んで、聴いてみるんだが、どうにも取り留めのない音と言うか、軽くてチープでどこに向かえば良いんだ?くらいに迷走している作品で、この時代だからこそか、回りの多種多様な音に影響を受けすぎていたんじゃないかなぁ…本家のYesは圧倒的な世界を確立していくんだが、それを尻目にピーター・バンクスはやりたい世界と言うかやれる世界を歩んでいるっつうか…、結局コミカルバンドにしかなっていないという気がする。歌は貧弱で単調だしともすればクイーンみたいなコーラスの使い方、カラフルな世界観と言えばそうかもしれないけど…、って感じ。瞬間瞬間にはとんでもなく斬りこむようなフレージングい驚いたりもするんだけど概ねFlashのジャケット三枚飾る楽しみのために存在している方が大きいんで良しとしますか。

Foghat - Live 1977

フォガット・ライヴ+1(K2HD/紙ジャケット仕様)  Savoy Brownの初期メンバー三人が脱退後に結成した英国の誇るハードブギバンドFoghatにはあのロッド・プライスが主要メンバーとして参加しており、知る人ぞ知るタイトでかっこいいバンドとして君臨した…こともある。ロッド・プライスっていうギタリストはついこないだ亡くなってしまったんだけど彼のギタープレイはかなり光り輝くモノがあったのでもっともっと活動の場が広がっていたら、と思う。もともとはあのBlack Cat Bonesのメンバーの一員として活躍したこともあり、そういう意味ではFreeのポール・コゾフの後釜を務めてこなしていたってことなんだよね。

 Foghatと言うバンドはどちらかというと活動の場を完全にアメリカに置いていたため、アメリカンバンドとして聞かれることが多いし、実際バンドのサウンドはかなりアメリカナイズされた音で、アメリカ人が好みそうなロックをやっていたのも事実。それは彼等の代表作ともなっている「Foghat Live」を聴けば一発でわかるし、このブギー感はもしかしたら史上最強かもしれない。T-Rexのブギあたりとは雲泥の差があるグルーブ感を持っているね。で、このライブアルバム、曲数が少なくてCDデジタルリマスター盤あたりで70分くらいに拡張したバージョンがリリースされても良いと思うんだけどね、出てないのかな、と思ったらあった(笑)。

コレね。

ブギの最高峰とも言える「Fool For The City」で幕を開けて、初期の彼等の得意技でもあった古いブルースナンバーのハードブギバージョンの筆頭とも言える「I Just Want To Make Love To You」…そうストーンズなんかもやってるアレなんだけどさ、凄い解釈で面白いんだよな。この辺はベスト盤あたりでも聴けるんだけどチャック・ベリーの「Maybelline」とかもえらくかっちょいい解釈でやっててさ、その辺で驚くのはこのライブ盤でも入ってるんだけど「Honey Hush」だね。Savoy Brownでもやってる曲なので同じかなと思ったら大間違い。なんと、日本のサンハウスばりにパクりの上手いトコロで、「Train Kept A Rollin'」のバッキングに独自解釈の歌詞を被せたもので、面白い。途中の展開なんかは独自なんだけど、こういうアイディアが良いなぁと。実はもっともっとメジャーになっていくべきバンドだったし、サウンドもやっぱりオリジナリティのあるものなので割とオススメ感あるなぁ。ブギってどんなん?ってのをきちんと実現しているし、わかりやすいし、キャッチーな部分もあってハマれると思うよね。

 活動歴自体は長いのでアルバムもたくさん出てるんだけど、これがまたさ、どれも変わらないサウンドポリシーなので70年代だけが良いんでもないところが凄いところ。大音量でコレ聴くと腰が動くな(笑)。う〜ん、やっぱこれくらいハードなサウンドじゃないと物足りないわ。

Foghat - Fool In The City 1975

Fool for the City 英国人によるアメリカへの憧れから数々のバンドがアメリカナイズされた音を出してアメリカで受けている。有名なものではバッド・カンパニーなんかが最たる例で、その実アメリカナイズされた音で本場で成功したバンドってそんなに多くないんじゃないか?まぁ、あまり聴かない路線なので詳しくないだけかもしれないけど。今回のフォガットなんかも実はほとんど自分の路線ではないバンドでして…、スワンプものの流れもあったのでちょっと昔聴いたのを引っ張り出して聴いてみました。

 1975年の「Fool for the City」で、タイトル曲は大ヒットしたらしい。そんなタイトル曲「Fool for the City」が一発目に配されたアルバム「Fool for the City」なので、これはもう売れるでしょう。それを後追いで聴くわけなので、そのリアル感覚ってのがわからないからさ、単にこういう音を出すバンドなんだ…という聴き方になっちゃうので困る。快活で軽快な「Fool for the City」がそのまま続いているまんまのアルバムでして、確かにアメリカでは受けるだろうなぁ…と。簡単に言えば車の中で聴いてても全然害がなくって軽快に飛ばせるってな音です。ボン・ジョビなんかと同じ類に聞こえる音ってことだが…(笑)。

 それまでのフォガットってここまで快活なバンドじゃなかったハズなんだけど、「Fool for the City」以降はもう強烈なブギを産み出すバンドっていう代名詞にもなるくらいのインパクトで市場に浸透していた。更に有名なのは「フォガット・ライヴ」という作品で、ロック名盤特集には必ず登場するくらいに素晴らしいライブを記録したアルバムだ。もちろん今では拡張盤もリリースされて、スタンダードな人気を誇っているんだけど、スタジオ盤だとまず「Fool for the City」から、って感じ。ブギ中心って聴いてるとさ、スレイドとかを思い出すんだけど、何か近いモノもあるかも。スレイド+バドカンってなトコロか。

 イマイチバンドとしての印象が薄くて、個人的にはかなり弱い部分のバンドだけどリアルな方々には絶大な支持を得ているんじゃないかと。もうちょっと若い時に聴いていたらこういうのはハマっただろうな、ってのがわかるだけに余計に苦手…年を感じるから??いやいや(笑)。

Foghat - Energized 1974

電撃のフォガット(K2HD/紙ジャケット仕様) アメリカナイズされた英国のバンドってのはいくつもあって、中にはホントにお前英国人か?ってくらいアメリカナイズされてしまったのもあるんだけど、そのウチの一つでもあろうバンドがFoghatだろうと。元々がSavoy Brownのメンツ3人なので英国ブルースバンドなイメージで聴いてたんだけど、どうもまるで異なっててやたらとアメリカンなワケよ。Humble Pieの中期とかもそうなんだけど、かなり粘っこいっつうか暑苦しい感じのアメリカンブギな印象。Foghatの場合はホントにアメリカ人入れてもっと洗練されていくんだけどさ…。ってことでまだまだオリジナルなメンバーが頑張ってた時代のアルバムから。

 1974年にリリースされた3枚目のアルバム「Energized」は多分Foghat史上でかなり良質な作品のひとつに入るだろうアルバムで、冒頭の「Honey Hush」からして驚く。最初聴いた時は「かっこいいオープニングだな〜」って感じだったんだけどメインリフが始まったら思い切りずっこけるって話です(笑)。いや、こういう超速列車ってアリ?って感じで、サンハウスだけじゃなくって英国の中でもこんな風にやってたんですなと。何書いてるかわからん、って人はまぁ、聴いてみてください。明らかですから(笑)。さてさて、このかっこ良い超速列車はともかくながらその後も強烈な生々しいブギ…これこそブギなのだろうと思うような感じの曲が並び、どれもこれもしつこくて暑苦しくて粘っこい音がアルバムを占めてまして、どの曲も「かっこ良い」って感じるんだから見事。どこかソウルな感触も聞かせながらのハードロック領域は発展途上な様相を感じるけど、地力が確かだから微妙なバランスを保っているだけなのかもしれない。それにしてもこんなにゴキゲンなサウンドやってる割にどれもこれも線が細くて非力な感触を持つのは自分だけだろうか?アメリカのこの手の音だともっと力強さを感じるんだけどな…。不思議だ。

 しかしあまりにも古臭い…70年代好きな人はとっても気に入る作品だろうと思うけど、今聴いてみると曲の作りとかが古臭いのかな、いや、悪いことはなくって苦笑いしながら「古臭い〜」って言える感じなんだけど、予定調和も当たり前でゴキゲンなノリもそのままでその代表的なのが「Home In My Hand」だろうか。みんなで騒ごうぜ、みたいな感じで、今時こういうダサさを思い切りやれるバンドもないな〜と。B面に入ればこれまた超速な「Wild Cherry」で…これさ〜、ダムドがパンクの第一人者とかで出てきたけど既にもっと巧くてパンクな曲やってるじゃねぇの、ってくらい「Neat Neat Neat」の巧い版です。所詮3コードだけど時代的にラモーンズとかよりも早いし、精々ニューヨーク・ドールズがあったくらいだろうけど、そんなの意識しなかっただろうし凄く斬新な音だったんじゃないか?実はこれに影響されてパンクバンド組みましたって人もいたんじゃないだろうか?勝手な想像だが…。ってなことで後年のアメリカナイズとはちょっと違う、もっとピュアにロックしている時期のFoghatの「Energized」はかなり聴き応えのあるアルバムで面白いです♪

Folkal Point - Folkal Point 1971

フォーカル・ポイント(生産限定紙ジャケット仕様) 英国激レアフォークと言われる中でも昔から一応自分も何かでジャケットを見たことがあって知ってた、でも自主制作で何枚しかプレスされてないヤツで…ってのも知ると、そりゃ無理だ、止めとこってなった作品もある。今回のFolkal Pointなんてのはジャケットは見たことあったもんなぁ。もちろん音聞いたことは全然無くってCDになってからも全然興味持ってないから追いかけてないし、ふと見たら出てたって話だけど、YouTubeにあったから聴いてみてどうしよっかなって今思ってる所。美声で女性ボーカルフォークものとして凄く良いって話だったから期待してたんだが…。

 1971年に制作されたFolkal Pointの「Folkal Point」という作品で、謳い文句通りに女性ボーカルとフォーク一本とか二本での作品。御多分に漏れずどこかの部屋で録音されたようなチープな録音感が漂う当時のプレス枚数500枚という自主制作盤。この手のばかり聴いてるとその差をきちんと掌握して違いを語れるとか言えるとかってのは相当のハイレベルなお話になるので自分にはとうてい無理だ。気に入ったのをひたすら聴いて曲で覚えるとかそういう感じしか無くて、この辺になるとそこまで聴けてないからどれも似たようなものに聞こえてくるのが悩ましい。これは近年のメタルなんかでも同じなんだろうから時代は変わっても同じジレンマはいつまでも続くってことか。

 より一層素朴でともすれば歌だけで出て来ちゃうくらいの美声とも言えるか。オープニングはやや素っ頓狂なお転婆娘的な歌でもあって、どうなるのかと思ったけどしっとりと聴かせる声質もきちんと持ち合わせているからアルバムとしては随分と素朴なしっとり感が出ているようだ。それにしてもこの手のフォークバンドのギタリストさん達は名手だなぁってつくづく思う。難しいことじゃないんだろうけど、きちんと基礎を抑えつつ歌い手をしっかりと立てつつも安定したメロディとコードワーク、リズムまでも刻んでくれているワケだからさ。なかなかこういうのも出来ないし…って聴き始めると深くなっちゃうのだな(笑)。

Forest - Forest 1969

フォレスト フォーク系統の音って最近キチンと聴いてないなと云うお話は先日書いたんだが、それでもコレクションとしては結構な数を占めていてそれなりにフォークは好きで集めてはいた。もっとも純粋にフォーク…トラッドフォークとするにはどうかと云うのが多いのでロック的なフォークも含めてという意味でしかないのだが、そうだな〜なんてライブラリを眺めながら、ふと聴いてみたフォレストというバンド。バンドってのかトリオってのかグループって云うに相応しいのかもしれんバンド。

 1969年にリリースされた最初のアルバム「Forest」だが、この後1970年にセカンド・アルバム「フル・サークル」をリリースして沈黙となってしまうハーベストからのバンドで、時代的なカテゴライズではサイケデリックフォークとも言われるのだが、ティラノザウルス・レックスみたいな感じを受けるサウンドだ。それは多分フォークギターとパーカッションの組み合わせがそう思わせる部分であって本質的な音楽性の話ではない。曲によってはデヴィッド・ボウイの初期作品みたいだったりするし、まぁ、その頃の12弦ギター持った連中なんかも似たような世界だったんだろうと。ただ、フォレストはその中でも結構ひとつの方向性を打ち出していたバンドな感じで、「Forest」でも十分にその資質を聴かせてくれてる気がする。この手のって曲が良いと判断されるのって間違いなくメロディしかないからどんだけメロディがきちんと出せてるかだろうと。そういう意味ではさほど出て来ない(笑)、けど、ティラノザウルス・レックスだってそうだろうと思えば大した差じゃないってことだ。う〜ん、じゃ何が…ってなるんだが、そのヘンは何とも…。

 非常に不安定な、と言うか細かいメロディで成り立ってて、コーラスワークからパーカッションギターももちろんだがドラムやベースは入ってなくてマンドリンとか室内楽的な楽器しか使われていないのでちょいと古典的、そしてやや狂気的とも言えるか。コーマスほどの攻撃性はないのでどっちかと言えば普通にフォークなのだがそれでもちょっとそんな雰囲気は持っているんで刺激される…そのヘンがこの時代の面白さだろうな。よくこれでフォークの世界に括られなかったな、と思う。聴いてみるとわかるけど、やっぱロック的な尖り具合ってのがあるから面白いワケで、人に勧めるほどのものじゃないけどこういう音を聞く人ってマニアだなと思ったりするか(笑)。

Frankie Miller - Once in a Blue Moon 1973

ワンス・イン・ア・ブルー・ムーン(紙ジャケット仕様)  ロックに深入りし始めた頃、幾つかの本を漁りまくりアレコレ眺めてはチェックしてたり、ライナーノーツを見てルーツを探したりしてて、その時にパブ・ロック云々とか出てくる事もあったんだけど、既にパブ・ロックってのを自分の好みからは外していたのでパブ・ロックってあると後回し、もしくは範疇外ってことでほったらかしのままにしていた。それは今でもそのままで、パブ・ロックってのはやっぱり自分的には好みではないのだな、だからパブ・ロック的な形容詞が付いているとそれだけで聴かないってのは多い。じゃ、パブ・ロックってどんなの?って言われて知っているってほどには知らない。パブで演奏されるロック的なもの、こじんまりしたレイドバックした感じの音、という認識程度。そういうものかどうかは知らない。パンクのルーツでもあるからキライなハズもないんだけどね、何故か通ることがなかった。

 モノの本にFrankie Millerって歌手の1973年のアルバム「Once in a Blue Moon」はバックにBrinsley Schwarzを迎えての作品でパブロックの名盤だ、みたいに書かれててね、ジャケットから見る野郎のツラもさほどソソるモンでもなかったし、まぁ、見かけたらいつか聴くかな、っていう程度で記憶していたけどついぞ見つけることもなく、探す気もなく月日が経過した。ある時、こいつをCDで見かけて、あぁ、これか…、聴いてみるか、って感じで聴いたのが最初。うん、やっぱりパブ・ロック的な音であることはそのままだけど、歌がさ、ロッド・スチュワートなんだよな。その頃はフェイセスは好きだけどロッド・スチュワートも好きじゃなかったから似たようなモンだな、と二重の意味でさほど興味持たず放置。それから何年も経ってからロッド・スチュワートも聴くようになったし、ってことでこのフランキー・ミラーーのアルバムを聴くと、恐ろしく歌が良いじゃないか、ってことにようやく気づいたワケだ。

 パブ・ロック云々はどっちでも良くって、フランキー・ミラーーの歌声と小気味良いR&Rがマッチして正にフェイセス的なサウンドに仕上がっているアルバム「Once in a Blue Moon」は隠れた名盤…隠れてはいないけど、自分的にはちょいと損したかな、もっと早く聴いてれば、とも思ったくらいのアルバムではある。ただやっぱりちょいとロック的には弱い。その弱さも含めての小気味良さとも言えるか。作風を聴いているとThin Lizzyとの共演も何か納得できる根底の部分が同じようなセンスの持ち主って気がする。

The Frankie Miller Band - The Rock 1975

Rock 年末に向けてやりたいこと聴きたいもの書きたいものなどなど色々と考えてるんだけど、いつも考えてることと実際に進む事柄は異なることが多いのでそんな風にはならないってことを知っててのお話。それでも一応の方向性とか考えるワケよ。聴きたいものってのはまた色々な要素が絡むから都度その時に変わってしまうんだけどさ、いつも何枚もアルバム聴いてるし何とかなってるワケです。ココの所はちょいとヘンなの聴いたりしてるんで、ここでもそんな影響が出て来てるかな…、いや、ブルースロックからの濃い歌声、それが黒い声を持った白人みたいなね…、昔は何人も思い出せたけど今思い出そうとすると割と忘れてて記憶力の劣化を感じている所です。

 フランキー・ミラーってスコットランド人の1975年リリースの3枚目のアルバム「The Rock」。スワンプ・ロックとかパブロックの走りとか言われる人で、名前は随分昔から知ってたけど音が絶対に自分の好みじゃないだろうって思ってたんで聴かなかった。ブリンズレー・シュウォルツとかもそうだけどそのヘンって英国ロック系でも全然受け付けない系統で、フランキー・ミラーもそんな風に思ってたからさ。ただ、歌声はロッド・スチュワート並みの人だってのは何となく…。今回ようやく聴いてみたんだけど、なるほどこれはロッド・スチュワートと比べられるワケだ…、でもロッド・スチュワートよりも鬱っぽさがあるからか抜け切ってないトコが個性かも。ポール・ロジャースみたいに弾けた上手さってんでもないし、スティーブ・マリオットみたいにぶっ飛んでるワケでもなく、ソフトな感すらあるロッド・スチュワート、ってトコだけどそれじゃ全然ダメだろ、なんて思ってしまうのは偏見?いや、そういう個性が曲調にも似合ってるし、作風としても雰囲気があって良いし、そもそもこの頃ってフリーのアンディ・フレイザーと一緒にバンド組もうってな時で、この「The Rock」ってアルバムにも共作が入ってたりするし、そういう世界に出ていけた人なんだろうなぁ、と。

 案外大人しい音。この頃のライブ盤なんてあったら楽しいんじゃないかな。もっとハジケてぶっ飛んだライブだったらいいんだけど、なんて空想してみるとこの声は生きる。ただ、楽曲がこれは良い!ってのがほとんどないからその意味ではちょっと厳しいだろうか。シンプルなスワンプ・ロックでうるさくもないし聴きやすいサウンドではありますな。

Frankie Miller - Full House 1977

Full House  英国ブリティッシュブルースロックの最高峰とも言えるFree、その要ともなっていたのがAndy FraserとPaul Rodgersってのは言わずもがなだが、アンディ・フレイザーって人は何とも気まぐれな人だったのか、Free以降ではさほど大きな活動がなくってソロアルバムいくつか…くらいの表舞台、ところが割と裏方で活躍してたりしてその才能はたっぷりと発揮されていたってのは割と知られていない。先日のAOR作品なんかもそうだけど、感性豊かな人だったからこだわりってのも多くなく進化変化していく方が面白かったんだろうね。そんなアンディ・フレイザーのFree時代を彷彿とさせる楽曲が聴ける作品がコイツだ。

 Frankie Millerの1977年4枚目の作品「Full House」。もうね、初っ端聴いてくれよ、これ。正にアンディ・フレイザー作曲の「A Fool In Love」ですよ。しかも歌がFrankie Millerだからさ…って知らない人のために書いておくと、まんまポール・ロジャースです。ロッド・スチュワートよりもポール・ロジャース。んで、アンディ・フレイザーばりのあのタメの効いたベースラインで弾かれているんだからそのまんまフリー。そこにホーンセクションが入っているから何とも不思議…、このアレンジのセンスはもうひとつの名作カバー曲の「Jealous Guy」にも引き継がれていて、何とも素晴らしい仕上がりを見せている。1977年ともなればフランキー・ミラーもたっぷりと脂の乗った時期でその歌声の素晴らしさも誰が聴いても感動的なモノだ。ホント、こんだけ歌えれば気持ち良いだろうよ…ってなくらいな歌声。

 そうそう、しっかりとフリー人脈では鍵盤でラビットが参加している…、この人も基本的にホンキートンクな人だから不思議はないが、その他も割と人脈あった様子でクリス・スペディングやゲイリー・ブルッカーなんてのも参加しているんだから面白い。プロデュースはクリス・トーマスという結構な布陣での作品、もうちょっと人気があっても良い人なんだけど、そこまでは知名度ない…よな、多分。自分的にはロック本の紹介が悪くて、スワンプな人という印象だったから聴くのは遅かった。んでも聴いてしまえばコイツはスゲェ…ってなったけど。まだまだこういうのをじっくりと聴いて楽しむってのあるからね、貯め込んでおかないと(笑)。

Freedom - Through The Years 1972

Through The Years  ボビー・ハリソンがプロコル・ハルム離脱後にその周辺の連中と組んで出直したバンドにFreedomってのがある。1969年にはデビューしていたようだけど鳴かず飛ばずの様相でバンドは解散、それでもまだやれると思ってたボビー・ハリソンはまたしてもメンバーを揃えて再起、それでもメンバーは固定されない状態でまずはアルバムリリース。それでもまだメンバーが変わりつつ今度はレーベルもVertigoへと移し、1972年にリリースした結果的に最終作になった「Through The Years」ってのを。その後のSnafuは1973年にアルバムデビューしているから基本的な音楽性は似ている部分多いだろうと予想は出来るんだが、昔コイツを手に入れた時はそんなの知らなかったから普通に英国B級バンドとして聴いてたな。実にVertigoらしいと言えばそうなんだけど、それにしてはちょっと洗練されている部分はあるかも、って程度にはメジャーの香りはある。

 ボビー・ハリソンの歌ですよ、やっぱり。それとギターのロジャー・サンダースのプレイかな、まさしく正しくこの時代の英国のロックの姿そのもの。どうしてそれで売れようと思った?ってくらいに粘っこく弾いてるし歌ってる。これぞ個性と言わんばかりのオーソドックスで単調な楽曲ばかりで腰に来るリズム、ちょいとヘヴィな歌声と来たらもうダサすぎて笑っちゃうくらいなモンだ。正にロックとしか言いようのない、こういうロックがあったからこそ今がある…とは全く言えないけど、好きな音だなぁ、こういうの。今じゃ誰もわざわざ探して聴こうとはしないだろうし、そこまでの価値はまるでないと思うけど、こういう音が自分の今の趣味を形成してるのは事実だろう…。

Fresh Maggots - Fresh Maggots 1971

Fresh Maggots...Hatched 一年の中で一番好きな9月が始まってちと嬉しい気がするんだけど実際はそんなこと一切関係なくてあまり楽しいことがここのところ多くない。まぁ、単純につまらないことばかりと言っても良いくらいに面白くない。幸せなのはロック聴いてる時と見ている時と何も考えずに自然と戯れている時くらいで、アルコールも最近は減っている…、いや、単に楽しく飲む相手が減ったと言うだけなのだが(笑)。一人で飲んだくれるほどヒマではないので、そこは全然OKなんだけど、やっぱ接点接触が減るってのは情報量が不足することでもあるし、刺激が減ることでもある。その分メリットもあって自分の時間が取れる、無駄なカロリーを摂取しないで済む、カネを使いすぎないで済む、ってなところだ(笑)。まぁ、いいや、そういう話は。

 夏と秋の間に聴くには実に手頃なエキセントリックなアシッドフォークなバンドをご紹介♪

 1971年リリースの唯一のアルバム…だと思うんだけど、Fresh Maggotsの「Fresh Maggots」。今のCDではボーナストラックと何と驚くことにライブバージョンまでも収録しているという代物で、自分のはCDではなくカウンターフィットのアナログだからその辺は聴いてない。どうなんだろ?ライブってかなり面白そうな気がするけど…。CD時代って便利だよね。そんなの発掘できるのも凄いけど、メンバーも今になって新たに印税が入るってのは嬉しい誤算だろうし。

 話逸れてるけど、夏と秋の間に丁度良いってのはですネ、基本アシッドなフォーク一本にアバンギャルドなフォークが重なってきて、そこに面白いことに思い切りマイルドに歪んだエレキギターがすんなりとトーンを損ねずに入ってきてエキセントリックなオブリガードなソロをカマしてくれるんですよ。そういう曲ばかりの二人組のユニットです。Fresh Maggots以外にこういう音を出しているバンドってのは凄く少ないだろうし、ほぼいないと思う。誰でも考えつきそうなんだけど、なかなかここまで思い切りできる人達はいないね。レコーディング技術の巧さもあるのかもしれないけど、この一体となったトーンは素晴らしい。しかもこのサウンドを奏でているのはキーフの美しいトーンのジャケットに包まれた二人の青年…19歳だとか…、の二人って、凄い。RCAからのリリースってのも期待を背負っていたような気もするけど、これで二人とも消え去ってしまった…。

 アシッドフォークな世界って色々あるけど、これほどシンプルにアシッドしてるのも珍しい。活動を続けても多分途中で消えたとは思うが、この一枚のアルバムはかなりの秀作として記録されているだけあって、大変よろしい。どこからどう取っても英国の雰囲気が出ているってのも素晴らしいし、楽器の音が少ないのも自身の表れか。

Fruupp - Future Legends 1973

Future Legends テレビの大画面化はコンテンツの大半をパーにしてるな、なんて思った。あまり見ないんだけど映画とか音楽ものとかは見るので疲れてぼ〜っとしたい時に何となく映画やってないかな…なんてチャンネル回すんだが、まぁ、それなりに知ってるのも知らないのもやってて適当に見てたりするのだが、人間ドラマ的なのは、そんなに感じないけどちょっと特撮入ってたりしてるとどうにも作り物っぽさとか照明による明かりとかが見えて来ちゃってよろしくない。映画の世界にのめり込めないのだ。SFとかなんてそうあるべきなんだけど、大画面で綺麗に見えるもんだから以前は目立たなかったチープさが目に付く。おかげで古い時代のSF的なのとかはあまり見なくなった。さりとて困るワケでもないのだが。フィルムでしっかり作られている作品は今のデジタル時代でも多分大丈夫だと思うんだけどね。ま、諸説諸々あります。

 1973年にアイルランドから出て来たFruuppと言うバンド、妖精の国周辺らしくスタジオに居着いていた幽霊から名前を拝借したということでFruupp。全員が納得する、ってトコロが面白いのだが、それはともかくながら1973年のファーストアルバム「Future Legends」です。時代もばっちり、やってる音楽もブルース・ロックを基調としながらもクラシック畑のセンスを大いに盛り込みながらやや仰々しく演劇風に歌を入れ、曲はそれなりに展開が多くプログレッシブという領域に入ってくるレベルのセンス。それでも最初に書いたように基本はブルース・ロックなので馴染みやすい。まぁ、今更ながらだが、聴いていて自分ってこういうバンドやりたかったのかも、なんて思ったりした。ブルース・ロック基本だけどちょいとそれだけじゃないよ、みたいなセンスを入れるって意味でね。ここまでチープな音作りってのはなかなか出来ないし、こんなにややこしい曲も作れないんだろうが(笑)。

 「Future Legends」はファーストアルバムなんだが、その後のバンドの方向性はもう少しまとまってくるのでやはり実験段階のアルバムと言えるんだろうな。演奏も無茶苦茶上手いワケじゃないけどもちろん聴かせるレベル、楽曲はヘンだからかなり面白い。印象のある名曲があるか?ってぇとちょいと違うんだが、それはもうこの時期の英国バンド皆さんに言えるお話で、その中でも4枚のアルバムをリリースし続けたってのはちょいとした実力バンドだったとの証でもあろう。実際に面白いし。もうちょっとまじめに聴き込んで見ようかなと思わせるバンドだ…ってかそうしよう(笑)。

Fruupp - Modern Masquerades 1974

当世仮面舞踏会(紙ジャケット仕様) 英国ロックとファンタジーってのは割と容易に結びついていることが多いんだけど、アイルランドの音楽とファンタジーってのは何となく…いや、そもそもアイルランドの伝承音楽ってのはファンタジーに近い部分あるけど、どれもブラックな感じなので、ちょっと結びつけることも少なかったんだけど、今更ながらアイルランドのバンドでこれほどに英国的にファンタジーで叙情的なサウンドを70年代に展開していたバンドという存在価値の高さを確信したバンドがこのフループ。Fruuppっつうスペルなんだけど、スタジオにいた幽霊の名前をフループってしていたのでこのバンド名を付けたってことらしい。それくらい日常的に幽霊やレプラコーンっつうのが存在しているのがアイルランドなのだろうか…。

 いやいや、話題的にはキング・クリムゾンを脱退したイアン・マクドナルドがプロデュースしたフループの最終作品となった「当世仮面舞踏会」ってことが有名なんだけど、もともとこういう気質をしたバンドの音だったわけで、それでも鍵盤奏者が入れ替わっているってのは実は大きな出来事。なぜなら3枚目の「太陽の王子)」までは昔の鍵盤奏者が多くの曲を書いていたワケで、当然作曲者が変われば音も変わるってなもんだけど、あまりその差を感じさせないあたりがバンド、ってことか。

 叙情性は相変わらず素晴らしいもので、実に英国的、もしくは日本的な旋律でして、それもギターでねちっと鳴っているので心地良くしつこい(笑)。それにエレピやらシンセオルガンなんかも鳴ってきて、そりゃもう壮大なファンタジーによる一大絵巻が聴けるってなもんです。プログレとか意識しなくても聴けてしまう音の洪水なんじゃないかな、これ。歌は線が細くて心もとないけど、その分繊細という言い方もできるので、その手の歌が好きな人は悦に入ってしまうでしょ。そういえば聴いているとどこかキャラバンを彷彿とさせる音ってのも面白いね。

 しかし…、面白い音だ。自分的には好きだねぇ、こういうの。ベースが凄く走っていてブイブイとラインを奏でているので躍動感を出しているかと思えば、一気にジャジーな展開になったり歌モノに入ったり、でも基本的には叙情派バンドなのでしっかりと盛り上げてくれるし。ジャケットのファンタジックさも結構徹底していて、この「当世仮面舞踏会」は割と秀作ジャケットでしょう。うん。今じゃ簡単にCDが手に入るみたいで羨ましい限りだが、アナログは大変だったなぁ…。

Fruupp - Prince of Heaven's Eyes (1974)

Prince of Heaven's Eyes 多分同じ「F」のコーナーにあったからかフォーカスの後って何故かFruupってバンドがチラつく。その間にも色々なバンドがあるんだろうけど、どうしてかフループが出てきたので、ま、流れ的にやや異なるがいいか、といつもの如く適当に進めることにしたのだった。ホントはねぇ、いつもの事だけどこっちの方向に進む予定じゃなかったんですよ。頭の中ではあっちに行ってから…とか漠然とした方向性はあったんですが、何故か次々と異なる方向に進んでいくのはいつものことで、しょうがないから流れに任せてみます(笑)。多分どこかで元々思ってた方向に戻ることを期待して…。

 フループというアイルランドのバンドの1974年の傑作三枚目「Prince of Heaven's Eyes」です。4枚目の「Modern Masquerades」が名作として古くからCDがリリースされていたけど、他のアルバムは全然CD化されなくてアナログなんて見つからない時代だったから割と待ち望んでいたバンドのひとつだった。書評を読むとさ、これほどファンタジックな世界を表したバンドもそうそう多くないということで、しかもアルバム4枚も出していたバンドだから結構面白そうだな〜って想いがあったんだよね。同じようなバンドとしてはGreensladeなんかもそんな感じで羨望の眼差しだったけど、Greensladeは意地でアナログで集めたし(笑)。ただ、フループは見かける機会が少なかったのでなかなかそこまで意地で集められなかったなぁ。綺麗なジャケットなんだけどさ。

 その「Prince of Heaven's Eyes」というアルバム、聴く人に言わせれば一番の名盤とも言うアルバムで、それはもちろん聴き方の違いなんだけど、「Prince of Heaven's Eyes」はコケティッシュなくらいにドラマ仕立てで、もちろんファンタジックなのは言うまでもないんだけど、牧歌的なムードすらあるお伽話のようなアルバム。ここまでそんな雰囲気を音で表せるバンドはほとんどないし、聴いていてもまるで害にならないどころか幸せにすらなってくる。こういう感じがジェネシスとかには無くて…無くてって言うか、もちっと重くなっちゃうんだよね。その軽さというかフワフワ感がこの辺りのバンドの特徴で、メジャー級になれなかった要因かもしれない…言い換えればあまりにも英国的過ぎたっつうのかな。キンクスなんかはそのヘンが楽曲のレベルの高さでメジャー化したけど、その根っ子にはこういうバンドの音があるんです。テクニカルな話や小難しい話は一切なしに流れでてくる音世界をそのまま楽しめば良いアルバムで、ホントに気持ち良くなってきます。インストから歌モノ、展開からトータルアルバムとしての出来映え…結構なお話を作り上げているようで、宝探しに出た男の子が結局自分が一番の宝なんだってことに気づくというオチの付け方も英国的でユニーク。楽しいバンドだ。聴いて良かった♪

Fuchsia - Fuchsia 1970

Fuchsia  さて、大顔面というよりが顔面ジャケ、という程度なのだが、昔から気になっていてなかなか見つからなくて、それここの所の漁りでようやく手に入れた音です。

Fushiaというバンドの唯一の作品「Fuchsia」。1970年リリースのアルバムでして…、ジャケットのインパクトと中味が想像できなくて、あまりレビューなんかでも見かけることがなかったのでほぼ何も分からない状態で聴いたので新鮮。これくらいオタクになってくると何か情報収集しちゃってね…聴いた気になってアルバムを手にするんだよ。特に70年代のものはさ。でも、予備知識があまり無かったから純粋に楽しんだ。そこからネットであれこれと調べるんだけど、単語が単語なので普通に出てこないので情報収集がほぼできていない(笑)。男女三名ずつのバンドってことらしいが…。

 聴いてみるとおぉ〜!と唸ってしまうくらいに煌びやかに彩られたロック調に乗せられた妙〜なフォークの音色がプログレッシブに展開されるっつう代物で、女性歌モノはあんまり出てこなくて、軟弱そう〜な男の歌声が聞こえるってなもんだ。プログレッシブな要素を持つトラッドフォークバンド、とは懐かしいエヴァ姉さんの言葉だったか…、そんな感じではありまする。確かに歪んだギターはたくさんは入ってないけど、フォークってなほどでもないような部分も多い。プログレッシヴな曲展開…はそうだな、確かに面白い。でもね、そんな予備知識なしだと結構ビートルズ的な感覚で聴ける部分もあるのでは?いや、なんかごっちゃ〜って入り混じってるトコロがさ。ま、それよりもフォークが基本にあるってのは実際わかるが。

 この手のバンドってドラムのロールで使われるスネアの音色が凄く好きでさ…。時代なのかもしれないけど軽快でかっちょよい。そしてこのFuchsiaってバンド、基本的に弦楽器奏者が三名ってことらしく、やはり音の世界でも高貴な雰囲気を醸し出す弦楽器が絶妙に使われているので、普通のレベルではない世界にある音が聞けるとでも言えばいいか…、不思議。暗くもないけど脳天気じゃぁない、室内楽的なものと英国トラッドと出会ってプログレッシブなアレンジが施されたっていうところじゃないか。

 ジャケットの絵は誰なのかまでわからないけど、音を聴いてジャケットを見ると何か納得できる部分はあるのでかなりの好盤ですよ。今の季節にはぴったり♪

Fusion Orchestra - Skeleton in Armour

スケルトン・イン・アーマー(紙ジャケット仕様)  英国のゴッタ煮ロックが多発した1970年代初頭、プログレともジャズともブルースともフォークともつかないバンドはそれこそ数多く存在しており、それらを売っていくレコード会社も独自のレーベルを立ち上げたり、プロデュースしたりしながら試行錯誤し、物珍しいバンドと契約をいくつも交わしたりしていた時代だ。それこそが今の英国B級ロックマニアを生み出す背景だったり、レーベル毎によるマニア度を高めたり、そのおかげでひとつの珍しいジャンルが確立されたりと言うことで、だからこそこの時代の英国ロックには面白く奥の深いバンドが多く存在するのだろう。商業ベースに乗らないだろう、ってのも今はわかるけど当時はどれが商業ベースかわからない時代なので許された、みたいな(笑)。

 そんな中、女性ボーカル…しかもエロティックな香りがするバンドってのが結構いっぱいあってさ、ジャケ見て「いいなぁ~」と思うモノが多くって…。ま、ルネッサンスカーヴド・エアージュリー・ドリスコールもちょっと離れてダンド・シャフトとかも何となくそんな感じで、それ以外の情報がないからジャケットに写る写真が全て、みたいな感じでね、面白かった。…で、そんなマニア向けのバンドの中のひとつにフュージョン・オーケストラっつうのがあってさ、まぁ、聴いてみるとわかるんだけどアルバム「Skeleton in Armour」一枚しかないのでそれが全てだが、初っ端のチープな正にオーケストラ的なサウンドを聴くと、ああ、オーケストラね(笑)、と苦笑い。でもってつづくサウンドは正しく英国のこの時代のスネアサウンドと妙なギターサウンドで慣れ親しんだ耳にはえらく心地良い響きでね。ま、なんつうのかホントにオーケストラからジャズのリズムとピアノのセッションからヒステリックなジル・サワードっつう色っぽいお姉ちゃんの歌声が入り交じってきて、その瞬間からロックになるんだよ。これがハジけてて凄く気持ち良いんだよ、ホント。ギターもさ、この時代ならではの弾きまくりで、エグイ音してるし、更に、更に、だ、ジェスロ・タル顔負けのフルートまで入ってくるっつうワケのわからない展開。ま、二曲目の「Sonata In "Z"」がこのバンドの全てを物語っているんだな。

 他の曲聴いてもやっぱり古き良き英国B級サウンドをしっかり形作っていて、これがまたツボにハマるので大音量で聴いていると気持ち良いんだ、ってホントに。それでいてかなりリズム隊とかがしっかりしてるので、実力は十分にあるバンドだね。コレ一枚っつうのが勿体なくってね。昔はアナログなんて絶対お目にかかれないアイテムで、90年代初頭にCD化された時にいの一番で買ったもん。アナログジャケットだったらかっこいいんだろうなぁ~って。裏ジャケに移るジルの写真の写り具合がそそられるんだ(笑)。いや、サウンドも絶対普通のバンドよりは面白いね♪

Fuzzy Duck - Fuzzy Duck 1971

Fuzzy Duck ブルースロックに鍵盤を加えて更に新たなる領域に突入しようとしたバンド…、もうちょっと言えばブルースギターと鍵盤を組み合わせてと言う言い方になるので、そんなのはゴマンといる…のだろうが?ん?ん?実はあまり見当たらない?意外とそのままくっつけているバンドは多くはないみたいだな…。メジャー級のバンドはそれぞれをくっつけてオリジナルな方向に走っているのばかりだから、なかなかそのままくっつけてるのってのはいない。単純にオルガンロックにブルースギターっていう意味なんだけど…。あ、もちろん1970年前後のお話です。

 そんな一風変わったことを実現していたのが「Fuzzy Duck」というバンドでして1971年のこれ一作で終わってしまったのが実に残念に感じるハードなブルースロック&オルガンバンド。元々の母体はTucky BuzzardとAndromedaだから…ってわかる人もそんなにいないので、どっちでもいいんだけど(笑)、このFuzzy Duckの音は超絶品。ジャケットがふざけていてバンド名もふざけているのでなかなか認められにくいんだけどさ、こういうのって英国的ユーモアのひとつなんで受け入れてみて下さい。初っ端の「Time Will Be Your Doctor」からず〜っとヤラれっぱなしです。とにかくヘヴィーなブルースギターにオルガンが重なってきてドラムもベースももちろん普通に8ビート、なんてものじゃなくて暴れてます。歌もかなり雰囲気に合わせたもので、巧いヘタってんじゃなくってばっちりB級感漂う歌メロ…っつうか歌がメロディないのでロック的になっちゃってるんだけど、プログレでもないしブルースロックだよ、これは紛れもなく。んで、その最初の「Time Will Be Your Doctor」って前身バンドのTucky Bzzardのアルバム「Tucky Buzzard」にも収録されているので、そのまま持ってきたみたい。ただしアレンジや迫力や楽曲構成なんかも含めて全てFuzzy Duckの方がかっこよい。

 それにしてもこの時代の英国にはなんでまたこんなに叩けるドラマーとかアドリブセンスの良いベーシストとか熱くて巧いギタリストとか音楽を知り尽くしたかのような鍵盤奏者ってのがいっぱいいたんだろう?凄い演奏力の高さだし、観客も白熱しただろうに…。やっぱバンド名の失敗が大きいんじゃないだろうか?それ以外の要素はないくらいにかっちょよいバンドとアルバム「Fuzzy Duck」です。こうやってオルガンとか入ってきたら鍵盤奏者になりたい、って思うようなロック的アプローチが素晴らしいんだよ。簡単に言えばキース・エマーソンとジャック・ブルースとミッチ・ミッチェルとポール・コゾフがセッションしたようなもの…とは言い過ぎか(笑)。「Mrs. Prout」って曲を大音量で聴いてみて納得してください、凄いです。だからアルバム「Fuzzy Duck」のA面最初からヤラれっぱなしなんです(笑)。

 以降は結構メロディがしっかりしたロックが流れてくるんだけどさ、これもまた上質なポップスというかサイケデリックな感覚もあったり、鍵盤とギターの目立ちどころがしっかりとしていたり…、このバンドって楽器の目立たせ方が凄く巧いんだな。出過ぎてる音は一杯あるんだけど(笑)、ず〜っとじゃないからインパクトあるように聞こえるもん。いいなぁ〜、Fuzzy Duck、素晴らしい!こんなに熱いロックを聴かせてくれるアルバムもそうそうないよ♪