Jackson Heights - Bump N Grind Bump N Grind 1973

Bump N Grind 音楽とかロックってのは自分で聞いて感じられるままが全てで良いと思うんだよな。もちろんきっかけとしての誰かの評論だったりお薦めだったりアレやコレやのレビューがあったりして、それをきっかけにする事もあるだろうけど今の時代は自分の耳でちゃんと即座に聴けるんだからあまり他人の評論なんてのを意識する必要がない、はず。そう考えるとウチのブログだって何の役に立ってるのか、とかなるんだが(笑)。その辺はさほど気にせず思ったままを書いているだけという適当な所で勧めよう(笑)。

 The Nice解散後ソロ活動に勤しんでいたリー・ジャクソン、自分主導のJackson Hightsなるバンドを組んでアルバムを4枚リリースしてて、その4枚目の作品が本作「Bump N Grind」で1973年の発売。この期即座にRefugeeへと進んで崩壊してしまうのだが、Jackson Heightsの志向性方向性ってのはそもそものプログレ系とはやや異なるのでなかなか評価されにくいところ、その御蔭でセールス面も芳しくはなかったらしいけど4枚もアルバム出せれば十分でしょ。割とマイナーな英国ロック本には普通に出てくるんだけどどうにも「聴こう」という意欲が沸き起こるような書評でもなく、前置きありきのレビューなのでいつも後回しだった。まぁ、レコード屋でジャケットを見かけることもほとんど無かったからすぐに忘れ去ってってしまったんだけどね。CD時代に何かリリースされてたけどそれも聴く気にならず飛ばしてたし、もうアナログが随分廃れてしまった頃にふっと見つけて聴いたくらいか。案外悪くない音じゃないか、って記憶はあるけどそれだけ。すっかり記憶から消えてた人の一人(笑)。

 そしたら「Bump N Grind」ってのがまた結構オシャレで良い感じな作品も入ってて元ナントカってのを抜きにして聴けば相当良質なポップスの部類に入るんじゃないか?ってな感じ。マイケル・ジャイルズ、イアン・ウォーラスというクリムゾン組にキース・エマーソンまでもゲスト参加しているという代物で、その意気込みがアルバムに反映されているのかかなりの良作に仕上がっていて独自のポップ世界を進んでいるようだ。元々こういうのがやりたかったのか食ってくためにこうなったのか分からんけど、ベースとボーカルだから特にヘンなのにこだわることもなかったんだろうな。牧歌的な世界観が全編に渡って感じられる落ち着いた作品。

Jade Warrior - Jade Warrior 1971

Jade Warrior  ロックというフォーマットにこだわりを持っていないという発想、それがまず第一なのだが、そうするとどうなるかと言うと、まずバンドメンバーと担当楽器にこだわりがない、と言うか、メンバーによって担当楽器がある程度決まるので、それで限られた中で何をどうやって音楽するか、みたいな考え方もある。大抵はそっちの方が大きいんだろうな。狙った音楽を作るためにそういうメンツを揃えるってほどの人脈や明確なビジョンを持ってやっていけた人は多くないだろうし。

 Jade Warriorの1971年のデビューアルバム「Jade Warrior」はどういう表現をして良いのかかなり困るサウンドが収められている。ヴァーティゴからのリリースなので、そういう音という形容詞で知ってる人は分かるんだろうけど、一般的な目線での説明は多分ムリだ。メンツからして、ベース・ボーカル担当とギター、それにパーカッションとフルート担当という3人での編成、Julyからの残党が二人在籍していることでその流れで語られることが多いけど、決してサイケではないし、どっちかと言えばハードロック路線ではあるけど、ドラムがドカスカ叩かれることが一切無く、あくまでもパーカッションだけなので何がハードロックなんだ?ってくらいにはスカスカ。ギターだってヘヴィだけどいわゆる歪んだ音でのコード弾きってんじゃないからハードロックとは違う。多分、ヘヴィに鳴るギターの入った土着的サウンド、とでも言うべきか、それでいて英国特有の雰囲気の歌メロなりが入ってくるんだからよく分からない。このバンドを言葉で語るのはとっても難しい…。

 透明感溢れるサウンドも持ちつつ、ヘヴィにギターをかき鳴らすこともあり、まだまだ部分的にサイケ感覚を持ち越している部分もあるが、フルートやバイオリンなどが出てきてパーカッションでリズムを盛り立て、独特の世界観を打ち出している、未だ唯一無二の世界。ジャケットやバンド名にあるような和風なイメージは音にはほぼ無関係で、神秘的な側面というトコロからまだ当時そこまで知られていなかった東洋の日本のイメージを持って謎に輪をかけての売り出し戦略だったのだろう。きっと多くの人達が日本風ってのはこういう変わったものなのか、と勘違いしたままに違いない(笑)。

Jade Warrior - Released 1972

Released  この時代の英国にはホントに色々と考えて出てくるヤツが多くて、その多彩さ加減は他に類を見ないほどのバリエーションじゃないだろうか?なんて思う。この時期のデヴィッド・ボウイが非常に日本について関心を持っていて知的な彼の場合は密やかに研究していたようだが、それ以外にはこの頃の英国に日本をテーマにするバンドもそうそうなかった。せいぜいWebというバンドから発展したSamuraiっつうバンドがあったんだけど、まぁ、名前がそれっぽいなぁ~、くらいのもので中味は別に和風なモノでもないしね。もっとも70年代後半にもなればかの有名なJapanなんつうのが出てくるんだけどさ。英国から見た日本ってどんなんなのかなぁと興味はあるけどなかなかそういうのはわかりにくい。

 話逸れるけど昔オランダのアムステルダムっつうトコに行った時に博物館に行ったんだよね。そしたらいっぱい浮世絵があったり、篭があったり刀があったりと日本の文化が展示してあって、日本にいるよりも日本のものに触れられたっつう経験があるのだが、英国にはそういうのないだろうしなぁ…。

 で、本日はそんな奇特な日本を思い切りテーマにしたJade Warriorっつうバンド。バンドなの意味はそのままサムライっつう意味。アルバムデビューは1971年、こんな変なバンドはもちろん我らがヴァーティゴからしかリリースされない(笑)。このファーストアルバムの時点からかなり独特のバンドサウンドを生み出していて、かなり異端の扱いだったと思うんだけど、音的に一番ヘヴィーで透き通っていて混沌としているっつうのがセカンドアルバム「Released」ではないかと。なんつうのかエスニック風味とも云えるし多国籍サウンドとも云えるちょっとそこらでは聴けない独自性を持っていて、基本的にはハードロック…、ヘヴィロックに近い音もあるけど、何故かものすごくクリスタルな音も奏でていて、表現が難しいね。歪んでるっつうのはもう綺麗な歪み方じゃなくってそうだなぁ、ハイタイドみたいな歪み方でうるさい!っていう感じなんだけど、周辺の楽器…、フルートとかサックスとかがギターと一緒に鳴り響くからハンパじゃないワケよ。んでサイケデリックな雰囲気もあるしさ。でも一方では同じフルートなんていう楽器が透明感溢れる音を出していてバラード系は見事に綺麗。う~ん不思議。そんな不思議感の集大成が7曲目の「Barazinger」かな。15分の大作でインストモノなんだけど聴いているとなんかこうハマる。三枚目まではヴァーティゴにいたけどその後はアイランドレーベルに移ってジャケットなんかもすっきりとしていくんだけど、その辺の布石となる音がこの曲だね。イメージ的にはアイランドの方は透明感をクローズアップ、ヴァーティゴ時代はヘヴィさを打ち出していた、みたいな感じ。

 ジャケットもオリジナルは6面開きで、まぁ、浮世絵…というかやはり西洋人から見た東洋の絵、っていう感じだけど凝ってる作りで、やっぱヴァーティゴからの三枚がいいな。ちなみにここ最近も活動しているみたいで新作が出ているようだ。オリジナルメンバーは一人くらいしかいないみたいだけど…、やるなぁ…。

Jade Warrior - Last Autumn's Dream (1972)

Last Autumn's Dream (Dig) 毎度の事だが、どこに向かうのやらこのブログ記事…って感じに発掘しちゃうんだよねぇ、聴くものをさ。英国系はひたすらとあるのでそりゃま何が出て来てもおかしくはないのだが、そっか、これあったな〜って。ヘヴィロックと言えば昔は自分の中ではそのギャップってハイタイドとかジェイド・ウォリアーだったんだよ。もちろん他にもあるけど、特にJade Warriorは透明感溢れるサウンドとの対比が凄くていきなりヘヴィ・ロックになったりするから訳分からなかった。だから好みのバンドかと訊かれても、多分好みじゃない、と答えるバンドのひとつだろうと思う。

 Jade Warriorの3枚目、ヴァーティゴ最後の作品「Last Autumn's Dream 」、正にサムライの過ぎ去りし秋の夢って所なのだが、凄く久々に聴いてみてこんなんだっけっかなぁ〜?と肩透かしを食らった一枚でした。もっとブリブリヘヴィーだったと思ったんだが、アルバム違いかな。美しい透明感溢れるアコースティックサウンドとフルートの調べなどと超絶ヘヴィな楽曲が基本的には入り交じってくるんだが、2曲目の「Snake」あたりが来るとおぉっ!って思うんだけどさ、隙間の楽曲はちょいと眠くなる。んでまた「Joanne」が来るとエスニックだけどヘヴィになってるじゃない?みたいな感じで起伏が激しいのでなかなか…。精一杯和風な音とか旋律をやってくれてるので日本人的には好ましいバンドの音なんだが、欲しているのはそうじゃないんだよねぇ…的に微妙。

 結局ヘヴィな楽曲は後は出てこなくて、ヘンな楽曲なら「The Demon Trucker」ってのがあるのだが、一歩間違うと80年代のトーキング・ヘッズみたいになるんで難しいところだ。こんなに面白味無かったバンドだったっけ?昔はヴァーティゴ時代とアイランド時代であまりにも音が違いすぎてヘンなの〜って思ってたけど、実はヴァーティゴ時代もアイランド時代とさほど変わらない音だったんだな〜と認識を改めなければ…。なかなかこういう誤解したバンドって自分の中では多いんだろうと思うから、こうして聴き直せるのは良いね。

Jade Warrior - Floating World 1974

FLOATING WORLD  台風一過後、大きな傷痕をあちこちに残しながら今度は猛暑の復活、驚くまでの酷暑に悶えながらやはり今日もロックな一日を過ごすのだ…と言うものの、現実的にこれくらいの猛暑が復活してしまうと聞きたくなるのはやたらとうるさいハードロックだったりヘヴィメタだったりするのだが、昨日のタイフォンによって美しさに少し心奪われた幸せもあってどこか和風なバンド、っていうことで超久しぶりに聴いたのがジェイド・ウォリアー。

 アイランドに移籍してからのアルバムはどちらかと言うと透明感溢れる、そして凡人には理解できない程の多種多様な音楽背景をぶち込んだ正直言って今でもまったく理解できないままにその凄さだけが実感として残っているバンドで、滅茶苦茶奥が深い音なのだ。浮游感のあるサウンドはともかく、アフロビートや宗教的なモチーフ、それによる妙~なリズムだったり、かと思えば一転してフルートの美しさとヘヴィメタリックなまでのギターサウンドとの融合、天才肌としか言いようのないそのサウンドは好き嫌いで判断するならあまり好まない方向性ではある。が、しかし、聴いてみるとどうしてもこのサウンドを解明したくなる、また深く分析したくなる、そういう魅力を放つ音楽であり、良いとか悪いとかのレベルで比較してはいけない音なのだ。そういう意味では音楽と言う言葉から離れているのかもしれないけど…、いや、ほんとそういう次元で聴きたくなる魅力なんだよね。困ったことに。それは一重に知らない世界がその奥に広がっているからだと思うんだけど…、しかもその知らない世界っつうのが容易に把握できないからさ。

 んな小難しいことはともかく、ファースト「Jade Warrior」からずっとジャケットに和風なものをイメージさせていたこのバンド、この「Floating World」でも歌舞伎をモチーフとしたサウンドってことでジャケットも見事に洗練されたもので日本人的にはどこか好感を覚えるものであることは共感するだろう。今でも再結成で活動しているみたいで一応オフィシャルサイトがあるみたい。

 余談だけどJade Warriorで検索したら映画のオフィシャルサイトが出てきて、最初「おぉ~、こんなに和風に作ったオフィシャルサイトか…」なんて感動したのにな、全然違うんだもん。T2の時もそういうのあったけど、騙されてはいかん(笑)。

Jade Warrior - Kite 1976

Kites  ロックの系譜を漁るとき、多分最初はバンドそのものを追いかける。なぜならその音が気に入ったから、衝撃を受けたから。そのうちにそのバンドの人がどこに行った、とか前はどんなバンドにいたんだ、とかそういう情報からその前後に漁りに行く。そのうち、その人がどこそこの誰それのアルバムにゲスト参加している、なんていうことがあるとそっちを探し求めることになる。そうこうしてどんどん深みにハマっていくのが常だと思うんだけど、やっぱりゲスト参加作品というものを探し出すのは実に困難。メジャーな人ならそれこそあちこちで確認できるからまだ良いけどね。それでも結構抜けていたり新たな発見があったりするからキリがない。本人に聴いても覚えていないってのも多いだろうし。

 さて、それが、だ。クロダー・シモンズくらいのマイナーな人になるとなかなか調べがつかない、っつうかネット時代じゃなきゃ全然知る由もないって感じだったけど、さすがに今の時代はネットがあるから便利だねぇ~。ちょろっとググったらまぁ、割と出てきて、そしてまた驚いた。最近でも結構歌で参加してたりするので…、しかも全然知らない世界に行っているので、そこまで追いかけるのは止めました(笑)。ま、でも、どこかで多分探して聴くんだろうけど、焦らないってことです…。

 そして、お仕事的にはマイク・オールドフィールドの「Ommadawn」の後になる1976年リリースの、まぁ、マイナーなバンドなんだろうなぁ…。英国の東洋チックな音階とラテン系の音をごっちゃにして英国風のハードな味付けを施してシーンに出てきたバンド、ジェイド・ウォリアー。4枚目からはレーベルをバーティゴからアイランドに移してそれまでの音とは一線を画す透き通ったアンビエントなサウンド、それでも和風且つエスニックな音階や楽器を用いての作風でここまで変わるか、って感じ。そしてアイランドからの三枚目となる「Kites」のクレジットにクロダー・シモンズが登場。その他にもフレッド・フリスがヴァイオリンでゲスト参加しているという不思議。ちなみにフレッド・フリスはヘンリー・カウの主要メンバーで、カンタベリー一派。う~ん、まぁ、この「Kites」というアルバムに限らず、ジェイド・ウォリアーはトム・ニューマンがいつも絡んでいるからねぇ。トム・ニューマン=ヴァージンのエンジニア=マイク・オールドフィールドとも仕事して有名=クロダー・シモンズの力量認識から紹介?ってなトコか。一方ではマイク・オールドフィールドからカンタベリー一派に繋がりヘンリー・カウ…、ヘンリー・カウもヴァージンだ(笑)。う~ん、ロックの世界は狭い(笑)。

 ってなことで、そんなゲスト陣を迎えて制作された「Kites」。最早メンバーはジョン・フィールドとサムライ魂の好きなトニー・デューイしかいないので、それぞれがアルバム片面づつを受け持って制作。お琴の音色が出てきたりカラカンカランのパーカッションの音と絡んでみたり、とにかく不思議なサウンドで、ま、ロックっつうよりもヒーリングミュージックに近い。マイク・オールドフィールドの大作でその感動を誘う手法を一曲ごとに完結させているという感じでまぁ、和む音ですな。よくわからんけど、リラクゼーションルームとかで流れていても結構面白いんじゃないか?まぁ、妙に気になる音ではあるだろうが(笑)。

 …しかしクロダー・シモンズはどこで歌っているんだ?一曲目と二曲目の旋律と重なる妙なクワイヤ部分か?またしてもそんな扱いなのか?やはり天上の歌声ってのはクワイヤで登場するのが一番美しいのだろうか?いやいや、もったいない…。そしてまたしてもそれだけのためにこのクレジットを探し当ててワクワクして聴き直したのだが…。ほんの何秒かしか登場しないというのもかなり残念。ん~、まぁ、ジェイド・ウォリアーの音自体はかなり楽しめる音作りだからよしとせざるを得ないだろうなぁ…。しかし、今世間的には彼等のCDってのはほとんど手に入らないのか?

Jade Warrior - Distant Echoes 2000

Distant Echoes  先日コメント欄にて某マニア様からの御伝言ってことでジェイド・ウォリアーの6枚目は云々という下りがありまして、はて?6枚目って何だっけ?と回想を…。ヴァーティゴの三枚はアレとして4枚目からアイランドで透明感溢れるサウンドで…「Floating World」「Waves」「Kites」…、「Kites」、こないだ聴いて書いてたってことをすっかり忘れてまた聴いてた。いや、いいんだけど、聴く角度が違ったんだよな、前回。クロダー・シモンズが参加しているって言うんでどこに参加してるんだ?って聴いてたからアルバムとして聴いてたって感じじゃなかったし。それでも、やっぱ不思議な音だなぁというのはあったけどさ。まだね、どこがどう、って言えるほどJade Warriorは深く聴けてない。楽器を知らないと語れない部分あるバンドです。

 んで、せっかくなのでそのジェイド・ウォリアーの中でも多分ほとんど聴かれていないのではないかと思われる、ある種どこかのマニア様くらいしか聴いていないようなアルバム、「Distant Echoes」です。2000年にリリースされているので別にレアなワケじゃないけど、買って聴く人って凄く少なかったんじゃないだろうか?ジャケットも今までとはガラリと変わっているしジェイド・ウォリアーってのもわからないくらいに目立たないアルバムだったかも。

 しかし、しかし、だ、この「Distant Echoes」というアルバムでは更にジェイド・ウォリアーが進化してます。もっともジョン・フィールドの相棒でもあったトニー・デューイが亡くなってしまってからなので、一人で孤軍奮闘…、かと思えば実はもの凄い人数と手間を掛けて録音しているという不思議な光景。まぁ、なんつうのか、エンジニアリング向けの音楽っつうのか玄人ならではのサウンドだったりそういう仕事での人脈も多いのか、なんでまた?ってくらいのゲストが参加。それでもしっかりジェイド・ウォリアーのサウンドなのは譜面で伝えているからかねぇ。目立つところではデヴィッド・クロスくらいだけど、それもいとつの音でしかない。

 全体的な音で言えば完全にヒーリング・ニューエイジのサウンドに近いんだけど、言い方を変えるとこの時点でもまだプログレッシヴな音を出している人。ちょっとエスニック的展開も入っているのが面白くて、コーラス隊もかなりの比重を占めている。だからどんな音なんだ?って感じになるんだが、意外と聴きやすいのでよろしい。ただしロックらしいロックを求める人はダメだろね。刺激と新鮮さとアートを求める人には受けると思う。心地良いのは相変わらずだけどね♪

Janus - Gravedigger 1971

Gravedigger  昔は全然情報がなくて本でしか見れなかったとか、そこに解説してあるレビューを読んで音を想像してレコードを見つけたら買ってみるしかなかった。CDになっても値段が安くなってレコード時代よりは買いやすくなったってのはあったけど、それでも買えるアルバムには数に限りがあった。まぁ、なんのかんので中古も含めて漁るワケだが…。それでもまったく情報がなくってジャケットは気になるけど、一体どんな音なんだ?とかどこの国のバンドなんだ?みたいなのってあってさ…、そんなのいきなり買えないワケよ。資金に余裕があれば買えたんだろうけど、そんな資金があれば他のレコードやCDにつぎ込むワケでしてね…、未知のモノに3000円とか5000円とか払って…という勇気はなかったなぁ…。

 そういうレコードのひとつでもあったヤヌス(Janus)というバンドのアルバム「Gravedigger」です。なんともシュールで気になるジャケットでしょ?アマゾンでCD売ってないけど…、CDにはなっているので見つけられるとは思う。アナログだったら凄く珍しいのではないだろうか?しかももちろん見開きジャケットで全身が写ってますので期待通りですよ(笑)。まぁ、ここまでインパクトがあって芸術性が高ければ知らないバンドでも買うってのはアリだけどね。

 さて、このJanusというバンド…、今の時代でネットを調べてみてもほぼ全く情報が出てきていない。イギリスのバンドで1971年のデビュー作がこの「Gravedigger」というくらい。メンバーの名前とかは出てるから何とか追えばどこかに繋がるのかもしれないけど、全く情報なし。珍しいよね、こんだけ色々と解明されてきた時代なのにまだまだナゾの多いバンドのままでいられるってのは。しかも中に詰め込まれている音がかなり期待してしまうサウンドなので余計、だ。

 魔術的というのか非常にダークな雰囲気が漂うアルバムでそれはハードでエッジが立っているからとかではなくゾクゾクとする精神的な部分でさ、グレゴリオ風なコーラスだったり不気味なコードアルペジオだったり細かい音色がちょっと雰囲気を出していたり…別にそういう印象で聴いていたワケじゃないけど、ジャケットもあるからかな…、何かダークさが増してきたもん。クライマックスともなるのは20分以上にも渡るアルバムタイトルともなった「Gravedigger」という曲で、コイツにこのバンドの全てが詰め込まれているってなトコロだ。不気味なコーラスとアルペジオ、ドラマティック的な曲の繋ぎ方と展開…、演奏はそれほど巧くはないけど作風にゴシック的な重さを感じる構築美がある。聴いた後に何だったんだろう…、とハマる部分が多くてもう一度聴いてみるか…みたいなところが十分にあるもん。ジャケットに騙されて買ってみても全然楽しめてしまうアルバムのひとつかもしれない。

 そして驚くことに今現在でも活動しているらしいので何かでインタビューでも取れれば面白いだろうなぁ…。

Jerusalem - Jerusalem 1972

 やっぱりパープルに参加する面々ってのはことごとくハードロック系のバンドが多くてせっかくなのでまとめて取り上げていったんだけど、もうちょっとあるかな?まぁ、B級と受け止めるかどうかってのはあると思うけど音的には絶対B級のバンドで進めて行こう〜(笑)。よく書けばNWOBHM、この略称自体が凄いマニア的な気もするんだけど、ちなみにNew Wave Of British Heavy Metalの略。んで、その走りだと云われることもあるんだけど、まぁ、そういう聴き方もできるのかなぁ、と。ただ残念なことにNWOBHMバンドをあまりよく知らないので何とも言えないのだ。それこそメジャー所しか知らないんだよな…、これからハマって聴くこともあんまりないだろうし(笑)。

 さて、そんなことで全盛期のパープルのシンガーであるイアン・ギラン…、しかしイアン・ギランって名前ってどうも昔からウルトラマンに出てくる怪獣みたいな名前に思えてしまうのだが、ま、それはともかく(笑)、そのイアン・ギランが見い出してデビューさせた若干20歳の若者達によるバンド、エルサレム、1972年になんとも驚くことにデラムからの唯一のアルバムがリリースされている。もうパープルレーベルが発足していたと思うんだけどなぜか他社からのリリース。しかし音を聴くとこれがイアン・ギランの見出した才能なのかなぁ…、センスを疑う部分が大きいが、まぁ、それはそれとして…。

 良く云えば硬質なハードロックっつうトコロだけど、言い方を変えると結構線の細いギターの音と何故かスカスカ感のあるハードロックって感じで、その間を埋める音の厚みっつうのがないのかもしれない。でも曲そのものやアルバムの空気感っつうのはやっぱりしっかりパックされているので、嫌いじゃない。割と好みでもあったりするのだが…、そういえば20歳の集団なんだから多めに見てやらねば、とも思うワケで、そのまま何枚かリリースしていればもうちょっと何とかなったんじゃないかなと。しかしその歳でイアン・ギランに出会ったら結構人生変わってたハズだよ、君たち、って言いたいよな(笑)。

 バンド名が大胆過ぎるのだが、ジャケットもかなりインパクトのある出来映えで心なしか紫色がベースになっているところもパープルというバンドの亡霊を感じるのだが、繊細な曲そのものはなかなか聴き応えのあるものばかりなので悪くない。しかしアマゾンのプレミア付きCDの値段は凄いなぁ…。もっとも日本でしかCDリリースされていないのならばしょうがないが…、どうなんだろ?どっかで出してればそれで間に合わせても良いと思うけどな。

Jet - Jet 1975

ジェット+イーヴン・モア・ライト・ザン・シェイド  ルーツ漁りってのは知的欲求を満たす行為でもあるし、新しい出会いという刺激を楽しむ機会でもある。うん、面白いんだよ、単純に。記憶しておかなくても記録が残ってる時代だからその場その場で探していけるし、どこでも探せるし聴けるし、そういう意味ではホント素晴らしい時代。そんだけの知的好奇心があるかないかだけでその楽しみが満たされるかそのまま抜けていくかが分かれるんだけど、そんなことしなくても人生に何の害もないからどうと言うことはない。ただ、気になるな、ってのを漁っておくとちょっとだけ楽しみが広がっていくのが面白い。

 The Niceのトコでデヴィッド・オリストってギタリストのファズギターがなかなかツボだなって思ったんで、どういう人なのかな、って話で、知らなかったけどRoxy Musicの最初期にも参加していたんだな。んで紆余曲折、マーク・ボランが在籍していた事で有名なJohn’s Childrenのボーカル、ドラムとSparksのベースなんかと一緒にJetってバンドを組んで1975年にアルバム「Jet」を一枚リリースしている。デヴィッド・オリストはアルバムリリース後すぐに脱退しているらしいからほんの一瞬の参加だったみたいだけど、アルバムがあるんだからありがたい。折角なので聴いてみるのだが、なるほど、これは脱退してもおかしくはないか、ってくらいにはグラムロックサウンド。ギタの活躍度合いなんでほとんど必要ないってくらいにイージーな曲とギターばかりで、その意味ではデヴィッド・オリストの本領発揮なギターがほとんど聴けないのが残念。ちょこっと相変わらずのフレーズを出してくれているんで、そのヘンはさすがにあのブルースブレイカーズに勧誘されたキャリアの持ち主と思えるプレイなのだが…。

 しかしですね、このチープなグラムサウンド、っつうかパワーポップの一歩手前のあのイージーなノリのサウンド、好きだわ、これ(笑)。おもちゃみたいなグラムロック全盛期に出てきているからしっかりその音だし、なるほどSparks系列なだけある。曲も殆どがMartin GOrdonってスパークス出身のベーシストが作ってるんだからそのままに近い。しかもプロデューサーはあのロイ・トーマス・ベイカーでレーベルはCBS、売れなかったとは思えないんでそこそこ知られていたんじゃないだろうか…。自分的にはココに来て初の出会いだったのでちょいと面白く楽しんでいるんです。

Jim Capaldi - Oh How We Danced (1972)

Oh How We Danced トラフィックという自分的には全然掴み所のないバンドメンバーの中で、一番取っ付けたのがもしかしたらドラマーのジム・キャパルディかもしれない…ってか多分そうだ。元々トラフィックって苦手だったんであんまり聴いてなかったんだけど、フリーと同じレーベルだったり、プロデューサーもクリス・ブラックネルっつう人で、これもフリーと絡んできたのでフリーのメンバーと…とはならずに、なぜかポール・コソフと割と交流が深かったようで、コソフがセッションに参加しているってのを先に聞きつけたからかもしれない。だからそれは音を聴きたいってことで、ジム・キャパルディの「Oh How We Danced」というソロアルバムを聴くことから始まった気がする。

 1972年にリリースされたアルバム「Oh How We Danced」では堂々とポール・コソフがギタリストとしてクレジットされていて、その才能はアルバムタイトル曲「Oh How We Danced」で思い切り聴けるんだが、いつも「Oh How We Danced」ばかり聴いていたのでちょっとアルバム全編を…というワケだ。ジム・キャパルディってドラマーの割にソングライティングや歌の才能にも恵まれていて、結構ソロ作品をリリースしてった人で、それがまたジム・キャパルディというソロの味を持ったスタイルになっているのが人気だったみたい。これまでのトラフィックの面々の南部チックなレイドバックした雰囲気とかとはまるで異なった、思い切り英国風のスワンプに近い…スワンプっつうと南部系なんだが(笑)、もっと躍動感と泥臭さが詰まったような感じで、ダラダラした雰囲気のレイドバックとは異なる音で、しかもバラードとかもしっかりと良い感じで入ってるっつうものだ。

 この「Oh How We Danced」という作品もそんな傾向で、アルバムとしても実に聴きやすく、ソフトな世界と確かに南部チックな雰囲気のアルバム、ただしもうちょっと楽しそうなイメージを持てる雰囲気の作品になっててさ、コソフ関連で聴いたけど、結構良いの拾ったなって感じ。んで、そのポール・コソフの本領発揮全開を聴ける「Oh How We Danced」がアルバム最後に入ってて、もうねぇ、西城秀樹でも聴いているかのような気持ちの良い歌いっぷりと思いきりスワンプな世界で炸裂するギターソロ♪カッチョ良いししっかりハマってるっつうのは意外な発見だけど、一度聴いてほしいよな、これ。別にアルバム買うほどじゃないと思うけど、こんな曲調でもギター弾くのか、コソフっていう感覚が新鮮。うん、それだけでこの人とこの「Oh How We Danced」というアルバムに価値が出るもん。

Jodo - Guts 1970

Guts ブルージーな音を聴いてて、ちょっと英国の偽物だけどアクのあるブルースまがいのロックが聴きたいな〜なんて想いが触発されてしまって、何でも良いんだけど折角だしな〜とアレコレ…、そういえば浅井コレクションに面白いのがあったぞ…と思い出して、思い出してってか結構気に入って聴いてたな、ってヤツなんで思い出しさえずればさっさと見つけられたのだが、コイツはどこで登場させるか、と虎視眈々と狙っていたバンドを出しちゃいましょう。相変わらず強烈に自分の好みが捉えられている浅井コレクションの深みはいつでも甘い誘惑です♪

 Jodoという英国のバンド、と言われているが、の1970年の唯一作「Guts」。アマゾンで見るとCD出てたんだな…、紹介されていた音は思い切りヘヴィロックで正にコレクションに相応しい音だったんだが他の曲もかなり裏切らない分厚くもザクザクとしたハードロックなサウンドばかりで、英国味は強いんだけどもうちょっと硬質な側面もあるのでややジャーマンハードがかっている感じでユニーク。英国B級にはない音…だけどそりゃもちろんメジャーじゃないからどんなんだ?ってなると答えにくいんだけどさ(笑)。その辺が面白いトコよ。4ピースな音で勢いのあるハードロック、ブルースベースももちろんあったりするけど疾走感もあったり、コーラスワークもあったりする。楽器隊は結構上手いんでウワサ通りにスタジオミュージシャンが集まって作り上げたプロジェクト作品じゃないかってのもわかる。

 あちこち見るとまだ幾つか情報があって、それなりに信憑性も高いんでそれは良しとして、ジャケットからすると英国だな、明らかに。一見トラッドフォークにも見えるジャケットだけどこんな素敵なハードロックが詰め込まれているのは嬉しいもんだ。まずはお試しあれ。

Joe Jammer - Headway 1974

Headway  不思議な絡みがたくさん垣間見れるのも英国という地理の大きくもなく狭くもない程度の広さの国ならではの味わいか。基本的にそんなに広い世界じゃないようで、ロックってのはやっぱり夢を見させてくれるという面はあるものの実際的には日雇いの下積み生活からのお話みたいなのが多い。それでもなかなか出てこれる人も多くないし、その意味では割りと珍しいパターンの人がこの人、Joe Jammer。

 元々ジミヘンとこやJimmy Pageのギターテクやってて、その時の流れで見初められてのレコードデビューという経歴。そこまでの音楽センスがあったのかギターが巧かったのかってぇのはアルバム聴いてるだけじゃわかんないからなんとも言えないけど、そりゃそこまで売れることはないわな。それでもなかなかおもしろい人脈を使ってのレコードを何枚もリリースしていて、今回はJoe Jammerの1974年のお蔵入り作品の発掘盤「Headway」から。何せドラムにミッチ・ミッチェルで、ベースにはジョン・グスタフソン、ボーカルはSha Na Naの人、って知らないが、それにJoe Jammerのギターという面々で、ミッチ・ミッチェルにも結構期待したけど、さすがにこの程度のバンドだとあの本領発揮の手数足数多しのドラムは聴かれない。一方のジョン・グスタフソンに至ってはこんだけ自己主張するか、ってくらいにいつもの通りにファンキーにグイグイとグルーブを聴かせてくれててさすがの職人。この人ホント良い仕事するわ。

 アルバムそのものの出来映えはと言えば、そりゃもう全然面白くなくって売れるハズがないどころか、CDリリースされたのか?ってくらいにチープな音のギターが中心でどうにも…、それでもこのメンツだからさ…って思ったが、やっぱりロックってのは化学反応が起きないと面白味に欠けるのですな。プレイヤーの技量が面白ければってのだけじゃどうにもならん。そんなことをふと思ってしまった作品。

John Dummer Blues Band - Cabal 1969

Cabal/John Dummer Band (2in2)  英国60年代中期から後期にかけて圧倒的人気を誇ったのがブルースロックだったが、それは黒人ブルースをそのまま自分達風にアレンジして演奏するというもので、オリジナリティがあるものというものは多くはなかった。今聴いてもその頃のブルースロック系でオリジナリティ溢れる作品というのはそう多くない。どちらかと言うと本気のブルースをよくぞここまで出来ている、というような評価で名盤になっているものが多い。その辺をぶち壊したのはCreamやZeppelinになるんだけど、Freeってのもその意味ではかなり個性的なブルースバンドだった。

 John Dummer Blues Bandってのがあってね、1969年に「Cabal」というアルバムをリリースしている。その頃はもちろんこの手のブルースロックバンドとしてはとても評価されていたし、今でもそりゃ評価されているバンド、アルバムだし、これぞ英国ブルース・ロックアルバムだ、と言い切って良いと思う。Fleetwood MacにしてもSavoy BrownにしてもChecken Shackにしてもみなこの路線だ。その路線ってのはっやっぱり焼き直しでしかないと言うか、先が読めるブルースそのままというもので、バンドのオリジナリティがプレイや歌声でしかなく、曲じゃないんだよ、っていうもの。CreamやZeppelin、Freeなんかと比べてみれば言いたいことは判ってもらえるのだろうとは思うけど。

 それはさておき、ギターには後にGroundhogsを結成するT.S.マクフィーを迎えてのブルースアルバムだから、モロにそのままのブルースギターが聴けます。この人もGroundhogsの時には進化系ブルースロックをやっていったワケで、その下積みにはこういうオーソドックスなブルースってのがあったのだな。もちろん、ドハマリで全然良いギタープレイ、ってかそれが全編を制していると言っても良いくらいだ。だから普通に好きなブルースギターをたっぷり聞けるアルバムで、名盤と呼ばれるのはもちろん当たり前。一度は聴いてもらいたいアルバムの一つです。でもねぇ、自分的にはこういうのは割ともう飽きてるってか、そんなに差がないからかなぁ…、やっぱりどっか違う。歌の深さなのかギターの深さなのか、バンドの重さなのか…、それぞれ嫌いじゃないんだけどな…。

John Dummer Band - John Dummer Band 1969

John Dummer Band  なんとなくディープな英国ブルースロックバンドを漁ってったんだけど、もちろん何でもかんでも聴いたことがあるワケじゃないから改めて聴いているのもあるし、発掘してるのもある。毎回毎回そんな事してるのって、やっぱりここの所書いてるような発見や面白さってのがあるからだし、へぇ〜なんてのも多いからだろう。昔はホントに情報が少なかったのとカネも少なかったってのあるか。一言でブルースロックと言ってもそれはもうメジャーなものか遊びでやってるものもあったりするし、皆が集まって何か演るとなれば当然ブルースセッションだったワケだし、そんなのももういないか(笑)。

 John Dummer Band名義での1969年セカンドアルバム「John Dummer Band」。これがまたさ、キーフ・ハートレーもそうだけど、何でドラマーがリーダー名義のバンドが出てこれてロックの名作になってきてて、しかもそれが心地良いってなるんだ?面白い時代だ。ロックもリーダー名義でのジャズ的なセッションによるアルバムを目指していたのかもしれない。そんな事を思いつつも聴いてみるとこれが初っ端から見事なまでのカントリーブルース。何とスウィングしているブルースなんだ…と驚きを覚えるスウィング感で実に軽快。好みかどうかで言えば全然なんだが、このグルーブ感はとっっても心地良いのと曲によるけどフィドルも入ってきて何ともカントリータッチに軽快…なんだけど、やっぱり抜け切らない所は英国風味たっぷりという面白さ。パッと聴いてたら何だこれ?ヘンなカントリーアルバムだなぁ…ってくらいの作風に仕上がっていて、呆れ果ててしまうくらい(笑)。

 実に渋い面々が揃っていて、Jo Ann Kellyも参加…って、どこかで聴いた人だなぁとかさ、もうこのヘンになると色々と調べてメモってかないと分からないレベル。そんなこと気にしないで音を楽しめよってのもあるけど、やっぱり相関関係とか作品つながりとかって面白いから気になるんだよね。キリ無いからしょうがないが。しかいまぁ実にオーソドックスなブルースロック、と言うよりもブルース寄りな作品を作ったもんだ。へぇ〜、なんて思ってたらアルバム一枚さっさと聴けてしまうという手軽さもよろしい。良いギターだなぁ…。

John Verity Band - John Verity Band 1974

デビュー! まだまだ魅力的な音楽に出会えるのはやはり面白いものだ。人からのオススメもあれば何かのきっかけで聴くものもあるし、流れで辿って行くと聴けたってのもある。70年代にしてもまだそんなのがいっぱいあるんだろうってのがね、やっぱ深い森とは言ったものだと。普段からいろいろな人の発言やコラム、ブログなどをちょこちょこと意識して情報収集してるのも当たり前になってきて、そんな中から聴いてみたってのも多い。本日のお題もそんな所から。

 John Verity Bandの1974年の最初のソロアルバム「John Verity Band」。John Verityって誰?って方が多いだろうし、自分もそうだったんで、調べてみると途中からアージェントに参加してギター弾いてたけど、ラス・バラッドが辞めちゃってからはボーカルもやるようになったという器用人とのこと。ふ〜ん、って思って聴いてたんだけど、聴いてるとギターがかなり良くってさ、誰だコレ?ってなくらいにJohn Verityって人のギターが良いんです。ハードロックでもブルースロックでもなくメロディアスなギタリスト、でもメロディアスかって言われるとそういうんでもなく、何か不思議な感じの染み入るギターで音もナチュラルでとってもよろしい。更にアルバム丸ごと英国風なのは言うまでもないけど、キンクスとかその辺に通じる音で馴染み深い情景が広がってくる、そんなイメージの作品。ジャケットがどうにも、って部分はあるけど中味はかなり味わい深いアルバムなのが楽しめるね。

 アージェントあたりだと自分も全然真面目に聴けてないしどうも聴くフックがないのであまり手に取らないんだけど、こういう音を出してた人がギター弾いてたんだったらやっぱり聴いてみないとイカンだろうなぁ〜とはいつもの弁。そうこうしているウチに適当に聴いてみるかな、と。その後Phoenixってのも組んでるし、ちょっと漁ってみるには面白いかもなぁ。中期キンクス風な味わいを楽しめる作品で、知名度低いけどいぶし銀な人って感じです。

John’s Children - Legendary Orgasm Album 1970

Legendary Orgasm Album  マーク・ボランが在籍していたことのあるバンド、John’s Childrenって、そういえばそうだったな、ってくらいにしか覚えてなかったけど、それもたった4ヶ月程度の在籍だったらしく、誰かと友人だったんだろうかね、としか思ってないんだが、それでもロックの歴史的にはそういう重要なバンドなんだ、という位置付けにはなる。かと言ってすぐに探してきて聴かなきゃならないバンドでもないし、マーク・ボランがいたってことはそういうバンドなんだろうし、って想像もしちゃうからそんなに切羽詰まって探したことはなかったな。でも、今の時代では簡単にそれは聴けるし手に入るし情報ももっと細かく入るからなるほどねぇ〜ってな感じで聴いてみた。

 John’s Childrenの1970年にアメリカでのみリリースされた「Legendary Orgasm Album」というアルバム、プロデュースはあのサイモン・ネピア・ベルと話題だけは豊富なアルバムなのだが、なんでまたアメリカのみだったのか…、内容がひどいから?いや、言われるほどひどいとは思わないけど、そんなに聞かなきゃいけないレベルに無いことは確かだ。スタジオ録音の音源に60年代風な感性キャーキャーを上から被せて疑似ライブに仕立てたトータルアルバムだ。それがまた超チープでイージーで重さも制作の凝り具合も何もなくって60年代終盤のサイケバンドそのままでちょいとポップでキャッチーってだけ。これでマーク・ボランが使われたら可哀想ではあるなぁって程度だけど、この軽さとサイケ・ポップさは英国ならではの味でもある。センスは良いんだよね。

 モッズサウンドとも言われてるけど…、よくわかんない。カラフルポップで時代の産物そのものだからあまり考えることなく聴けるのは事実。楽器がどうのとかドラムがどうとか何とかと言えるモンでもないなぁ…、ただ、間に入るMCが如何にもライブみたいで良く出来てる。しかしこのキャーキャーうるさい感性、60年代的だ…、どんだけジョークで作ってるんだろ、ってなモンだ。曲そのものは結構ユニークな出来映えのもあるんで、センスはあるんだよ、うん。

Johnny Almond Music Machine - Patent Pending 1969

Patent Pending 飽きもせずルーツ漁りを繰り返す日々、いや、こういう時にひたすらハマっておかないとそんなもん追い掛けないからさ。一度追い掛けておくと後でも何となく分かっているとか記憶している…(最近怪しいが)から脳みそのどこかで何かの時に「あれ?これって…」となれば良いワケで。だからそんな来歴漁りって嫌いじゃない。まぁ、本来ならそういうのをひたすら繰り返しておいてからブログなりに書くべきなんだろうけど、現在進行形でハマるものはここが忘備録になっているのも事実。ところが忘備録と言っても後で見直すことはほとんど無いという垂れ流し状態になっているのは大きな声では言えない。きちんと記録と記憶として認識しておきたいのだが…。

 ちょいとさかのぼって1969年にでらむからリリースされたジョニー・アーモンドって人のアルバム「Patent Pending」です。後にMark=almondというユニットで出て来ている片割れと言った方がわかりやすいのかも。自分はそっちの方がわかりやすくて、あぁ、あのアーモンド氏か…って思ったし。んで、ここでもSteve Hammondがギターで参加しているし、しかもQuatermass以前だからギターもきっちりとファズって弾いてくれてるだろうという期待感で聴いたんだよね。そしたら思いの外収穫の多いアルバムで…、まずは音。アルバム全体がものすごく雰囲気の良いジャズセッションロックアルバムで、見事に半分半分な感じで漂っているような感じ。中期ソフツ的かもしれん。ジョニー・アーモンドって人は吹奏楽系が得意な方なのでフルートやサックスなんかが結構強烈に鳴っているし、それが淡々と流れるからソフツ的とも言えるのか。そういうバックでのSteve Hammondはもちろん目立たないけど曲によってはしっかりファズったギターもキメてくれている。物足りないけど。

 そしてベースも凄いなぁ〜、これ誰だ?かっこ良すぎだろ、って思ったらRoger Suttonって人…あ?Riff Raffからニュークリアス?そうかぁ、そうやって繋がるのか…と。納得した次第。クールジャズっつうのか英国ジャズっつうのか…それでもやっぱりロックだし良いなぁ、いいよ〜。んで、クレジット眺めついでに見てるとAlan White…んあ?イエス?だろうな…って紐解くとやはりそう。なんか凄い面々だが、自分はそれを知らなかったのか?と。しょうがないなぁ、全部聴いてないもん。おかげで今更ながらこの「Patent Pending」にハマっている。こういうのは今の時代にはないからふるさを感じること無く刺激的なアルバムとして聴けるのが良い。

Jody Grind - Far Canal 1970

Far Canal すっかりと涼しくなってしまった秋の夜長に、英国の憂い響きを聴き漁る…、そんなことを既に数ヶ月続けているとすっかりと英国人と同じ感性で音楽を聴いてしまえているのかもしれない。しかも全然メジャーではないものばかりなので、多分メジャーではないセンスばかりが養われているという状況か(笑)。まぁ、いいじゃないか、どれもこれも正しく英国的であるものばかりで、そんな空気をたっぷりと感じるのだから。休日ともなればそんなのがオンパレード、もちろん他にも聴くけどやっぱり面白いのは英国70年代ですな♪

 1970年リリースのJody Grindというバンドのセカンドアルバム「Far Canal」なんてのにも手を出してみるとやっぱり面白い。また知らないバンドだし…という人にはちょっとだけメジャーなお話を…、いや、ちょっとだけ…。ホワイトスネイクのデヴィッド・カヴァデールの最初の二作にキーボードで参加していたティム・ヒックレーっつう人がリーダーで組んでたバンドです。ギターのバーニー・ホランドがとってもかっこよいので思い切りロックなんだけどね。この人はそれこそPattoなんかにも参加したり、テクニカル集団のNucleusにも参加したりしてる職人気質のギタリストだけど、無茶苦茶良いのをこの「Far Canal」では弾いている。ブルースだけでなくってジャズな展開や、もっと美しいフォークでメロディアスなフレーズとか、さすがに器用なセンスをあちこちで聴かせてくれるのでオイシイ。

 「Far Canal」というアルバムが語られることは多くないけど、最初の「We've Had It」というとんでもなく切なくて素晴らしい叙情的なバラード?的楽曲を聴いてみると一発で虜になるんじゃないか?旋律の美しさもギターの音色の美しさもメロディーも叙情的で歌唱力すら素晴らしいと聞こえるし、名曲の域に達した作品。日本人は絶対に好きだね、これ。そういう曲から始まるので、Jody Grindって一体どんなバンド?って思う。まぁ、そう思う前に曲の良さに惚れてしまうんだけどさ(笑)。この一曲でノックアウトです。そのせいか次の曲からの展開にはちょっと格差がありすぎるのが問題(笑)。いや、別に悪くはないんだけど、あまりにも起用なので、突然ブルース調な曲になっちゃってね…、切り替えが出来ないんだよ、聴いている側が。んで、その後はこれまたギターが弾きまくる素晴らしい曲で…軽めの音なんだけど良いギター弾くよ〜この人。この辺から聴いているとブルージーな世界を知っている職人さんによる軽めの英国ロックの世界でちょっとハードかな、っていう程度。オルガンやハモンドなんかも鳴っているから、割とカテゴライズできるかね、っていうくらいだけど、初っ端の曲があるからやっぱり名盤になってる(笑)。

 レーベルがトランスアトランティックから出てきているので、ちょっと前に書いたLittle Free Rockのアルバムに参加してたり、Ten Years Afterのアルヴィン・リーの作品で一緒にやっていたりとJody Grind以降の活躍の方が目立つティム・ヒックレーっつうのも面白いが、この「Far Canal」という作品、良いよぉ〜♪

Jonesy - Keeping Up 1973

キーピング・アップ プログレッシブロックの代名詞ともなるメロトロンの大洪水、というキャッチコピーが付けられてそこかしこでレビューを見ていたので、そういう音なんだろう…と先入観を持っていたんだけど、もちろんアナログ時代には全然探せるハズもなく高嶺の花でした。それでもジャケットが印象的で、薔薇の縛り首って良いセンスでしょ?そんでメロトロンの洪水ってんだから聴いてみたくなりますわなぁ。そんで90年代に入って往年のプログレがCDでリリースされた頃、このジョーンジーのセカンドアルバム「キーピング・アップ」も早い時期にリリースされたのは嬉しかったね。

 1973年発表のセカンド、メンバーが些か変更しているドーンレーベルからの作品で、ジャケットから感じられる威厳は見事に輝いている。期待して聴いたもんなぁ、このアルバム。今でも覚えてるけど、最初のメロトロンの音色から「おぉ〜!」となる叙情派好きのファンには堪らないのだが…、直ぐにワウで歪んだギターによるカッティングが入っているので「??」という感じ。更にストリングスやペットなんてのも出てきて、そんでもって歌メロはもの凄くメランコリックな優しいメロディで非常〜にポップ感覚溢れるもので、逆にメロトロンが無かったら良質なポップバンドなんじゃないか、っつうくらいのものだ。それに驚いたなぁ…。プログレって言葉はあまり信用してはいけないのではないかと思ったもん(笑)。まぁ、それでもやっぱり作品全体からしたらメロトロンの占める比重の重さは多くて、叙情的に使われているので憎めない。

 よくクリムゾン的と言われるのは多分スネアロールの音とかが似ているからだろうし、楽曲の作りは特にクリムゾン的ではないけれど、ピアノやメロトロンなんかが入り混じってストリングスやバイオリンなんかと絡み合うから、その辺でクリムゾン的とも言われるのかもしれない。楽曲は全然違うからさ。ジョーンジーの方が全然ポップでメランコリックで旋律がはっきりとしていて、あの破壊力はないもん。しかもジャズ的な感じも入ってくるのが面白い。決して歌は巧くないし、楽曲センスが良いとも思えないけど、楽器の絡ませ方や展開ってのがかなりブラックでユニークなんだな。その辺が評価されているのもあるし、やっぱりメロトロンの使い方が印象的。

 まぁ、小曲や大曲が入り混じってるんだけど、8曲もあるんだから大したモンでして、小曲の小曲らしさってのはかなり美しい。一方の大曲は構築美ではないところが彼等の本質を表しているかなぁ…。ま、ゴッタ煮ロックだけどメロトロンのおかげでプログレ色が強いという印象だけど、実はかなり人を喰ったバンドなんじゃないかと。不思議な音だなぁ…。

 結局アルバム三枚も出しているので面白さや実力という面では結構買われていたんだろうね。全部を聴けていないのだが、いずれ取り組みたいと思うバンドです。

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 知る人ぞ知る名盤ってのがあってさ、昔からその手の話ってよく挙がるんだけど、やっぱり人それぞれによって感覚が違うからマニアックな世界へ行くとそれぞれがバラける。それでも名盤だ、と太鼓判を押されるアルバムにはそれなりに名盤と言われる所以の音が詰め込まれているから悪くない。そもそも誰がそれを言ったら信用できるのかとかあるからウワサ程度でしかアテにしてはいけないんだろうとは思ってるが。自分だってここで勝手に書いてるだけでその話題だけがどこかに進んでいったら名盤って言われてるみたいだよ、の発端の一部分を担うことになるんだろうし。まぁ、出元はそんくらいに適当なんだろうという事ですな。

 Jonesyの1973年リリースのセカンドアルバム「Keeping Up…」。名盤です。はい、名盤。名盤ってか、メロトロンを壮大に鳴らした中でドラマティックにシンフォニックにハードなギターも含めて、そしてコーラスワークも重ねてスケールの大きな世界観を出した曲が最初に来るのでアルバムを鳴らした瞬間から皆が皆虜になる作品と言って良いでしょうかね。よくクリムゾン的叙情感と言われるけど、正にそれはその通り。あそこまで研ぎ澄まされた感覚はないけど、音色的にはその路線でもっとギターがロック寄りというか、小粒な感じかな。アルバムジャケットからしてバラの絞首刑でどこかシュールだし、その印象そのままのアルバムなのでホント、美しくも儚い壮大な叶わぬ夢感が出ててねぇ…、もっと存在感を出せるバンドだったんじゃないかと思うけど、結局短命で終わってしまったバンドというトコロが残念。

 ドラムの音にしてもマイケル・ジャイルズだしなぁ…、クリムゾン好きなんだろうなぁ…とか思いを馳せるバンドだ。決して明るくなることはなく英国の叙情性を思い切り打ち出したアルバムで、そこにはトランペットという哀愁楽器までもが登場してくるので、ユニークな取り組みにも挑戦してひたすらにあの世界を突き詰めていこうという心意気が頼もしい。その甲斐あってかなかなか他では聴けない繊細なバラード曲までもが聴けますね。昔よく聴いたアルバムのひとつで、ホントに英国の売れないバンド郡の中にはこういうのがたくさんあるんだ、と思ったアルバムのひとつ。このヘンからだろうなぁ、この世界を深掘るようになったのは。

Jonesy - No Alternative 1972

No Alternative 楽器もスピーカーもオーディオも昔から名のあるブランドは今でもそのまま第一線なんだな…。新しいメーカーやブランドが第一線にいて大手ブランドはもう古臭いぜみたいになってるのかと思ったけどそうでもなくってやっぱり君臨している…んだから自分が知ってる知識でもまだ役に立つ…と言うか、それを手に入れればそれなりに今でもクォリティの高い音が出せる、聴けるってなことか。ギターはともかくスピーカーをちょっと…と検討してて、ずっとJBLだったんだけど、ちょっと今回替えたいな〜なんて思ってて、Klipschあたりが良いかと思ってるんだけど、日本じゃもちろんあまりメジャーじゃないのもあってか何とも判断しづらい状況。じゃ、他に?ってなってもAltecとかTannoyはないし、何だろな〜って結局JBLに戻ってくると言う…。まぁ、いいか、時間かけて選んでみれば、となったのだった(笑)。

 Jonesyという英国のロックバンドによる1972年作のファーストアルバム「No Alternative」。まぁ、モノの本だとセカンドの「キーピング・アップ」が有名で、実際日本でも何度と無く再発されたりしてるんで今じゃそれなりに知られた存在になってるんだろうとは思うけど、もちろん当時及び普通には無名なバンドで別に聴かなくてもいいんじゃね?ってくらいのB級的バンド。話題的にはクリムゾンに影響を受けたバンド、ってことになってるんだが、それはそれで聴き方に寄ってはそうだな、とも言えるかな。曲のフレーズとか雰囲気とか目指している姿とかそんなのもクリムゾンエッセンスは大いにあるが、元々は多分普通にハードロックバンドだったんじゃないだろうか?ってくらいな気配がプンプン感じられる。なんちゃってプログレみたいなさ(笑)。まぁ、有名なのはこんなメロトロンの使い方あるのかよ、ってなくらいにハモンドみたいにオルガン的にメロトロンを鳴らしてるってトコだ。いや〜、メロトロンってこれでも大丈夫なんだろうか?って思っちゃうけど、どうなんだろ?アレってさ、白木のタンス箱の中に音を録音したテープが入っててそれを再生してるだけのアナログ楽器だから多分そんな使い方したら寿命は短くなるだろうなぁ…。

 その効果あってか、冒頭から妙なハードロックが展開されてる。曲はもうダサいの一言に尽きるしフレーズもダサダサでどうしようもないけど、この凶暴なメロトロンがハードロックバンドとしての側面を更に残虐にしてる感はある。ただ、殺伐感はなくって、普通にロックバンド的な音だからしょうがない。重さもないしカッコよさもなく、B級的勢いも見当たらないというどうにも掴みどころの無いバンドの音になっちゃってるんだけど、その辺を好む人は好むんだろう。不思議なバンドだ…。

Judas Jump - Scorch 1970

スコーチ (生産限定紙ジャケット仕様)  大顔面ジャケットを続けてアレコレと…、と気にしてみると実にいっぱいあるもんだ。そりゃそうなんだけどさ、名盤と言われている作品にも大顔面って結構あるもんなぁ。まぁ、普通に撮ってる分には別にいいんだけど、やっぱどっかヘンじゃないと気にならないっつうか、それくらいヒネてないと英国ロックらしくないっつうか…。あ、そういえば凄いアルバムを思い出したんだけど、それはまた今度書こう…、うん、大顔面で超変態的なアルバムっていったらどこぞのブログの有名人さんの名がアルバムタイトルになってるアレですね。いつもお世話になってます♪

 さて、それはさておき、ヘンという意味ではかなりインパクトがあるであろう…そして英国ロック好きの中でもプログレらしさはないし、メロトロンでもないし女性歌モノでもないし、ブルースロックでもないので多分取り上げられることがなくって情報もほとんど流通していないという作品…、いや、それってホントに取り上げるべきものなのか?っていう疑問も湧き出たんだけど…、まぁ、せっかくあるし聴いてみたからいいじゃないですか。お遊びってことで。

 …ってさ、アマゾンにはもちろん取り扱いないし、HMVでもないし、もしかして紙ジャケでも出てないのかもしれない。いや、CDって出たことあるのだろうか?それすらも疑問に思えてきた…。ネットで情報漁っても何も出てこないので相当に無名…っつうか見捨てられたアルバムなんだろうな…と。あ、バンド名はJudas Jumpです。アルバムは「Scorch」ってヤツでして…うん、ヘンでしょ(笑)?まぁ、これくらいなら誰でもやるっていう気もするが、やっぱおかしいかな、と。別に黒人のサウンドが好きでこういう顔しているワケじゃないしさ。

 そこで音の方なんだが…、まずね、このJudas Jumpというバンドはビートルズで有名なParlophoneからリリースされているんですよ。しかもシングルを三枚くらい出してからのアルバムリリースなのでそれなりに期待されていたのではないかと。1970年のアルバムリリースだし、聴いていると基本ステレオ盤なんだけど「Bossa Jump」なんかでいきなりモノラルになるので面白い。この頃のバンドの音はモノラルが似合うなぁ…。それもそのハズ、と言うか、モロにビートルズ的なサウンドですからね、このバンド。意外なコトにそれも相当にレベルの高いビートルズ的エッセンスが入ったバンドでして、そりゃParlophoneが力入れただろう、と。楽曲レベルは相当高いし、楽器も多彩で音色も豊富。そしてアコースティックも美しいし、ビートルズが鳴らさなかったような音をビートルズの代わりであるかのように出しているので凄い。コーラスワークもしっかりしてるし。改めて聴いてみると凄い才能の塊の人達だわ…。

 ってちょこっと調べてみると、ベースのアラン・ボウンは元々The Herdにいて、Judas Jumpの後にはピンク・フロイドの「The Wall」ツアーで鍵盤奏者兼ベーシストで同行。その後にはステイタス・クォーに参加するという強者。う〜む、素晴らしい仕事人じゃないか。そしてその才能を生かし切れていたのはもしかしたらJudas Jumpだけだったのかもしれない。それにしても何という牧歌的且つ歌心に溢れたアルバムなのだろう。ジャケットで損してるよな、絶対。ELOとか10CCとかその辺りに勝てるサウンドしてるもん。時代の産物なのかもしれないが。

Judy Collins - Who Knows Where The Time Goes? 1968

時の流れを誰が知る  シンガーの声とか歌い方ってのはやっぱりロックなものとそうでないものがある。例えフォーク一本で歌うにしてもその違いは出て来るような気がしてて、聴いているとそれが分かる。カントリーとかブルーグラスの歌聞いててもやっぱり明るさや楽しさはあるけど、はまいれないし面白味も飽きてきてしまうな、という自分の好みだけど、そこで出てきたのがJudy Collinsのジャケット。これもまた聴いてなかった人の一人で、アメリカものはどうもブルース以外は後回しになってしまうので、こういうのを全然聴けていない。まだまだ人生長いから聴いていこう、と思う部分もあるのでジャケットの良さに惹かれて聴いてみました。

 Judy Collinsの1968年作「時の流れを誰が知る」。タイトルが「時の流れを誰が知る」だからね、実際Fairport Conventionよりも早くリリースされたとか…、なんでもその筋では有名なジョー・ボイド氏からライブのテープをもらって聴いて、これは素晴らしい、ってことで速攻でカバーした、のか制作側のよこしまな意向なのかは分からないけど、まぁ、普通に良かったから歌ってみた、なんだろうな。他にもカバー曲をいっぱい入れてるし、メジャー前のジョニ・ミッチェルの曲とかもあるようだし、歌手としての才能のある人だから誰の曲であれ自分の歌にしちゃっただろうし。んでさ、聴いてるととてもフォーク一本的なシンガーで、もちろんピアノとか色々入ってるけど、ガンガンなロックじゃないのは当たり前で、フォークシンガーみたいなもんよ、でもさ、ロック的な声質なのか歌い方なのか、深いんだな…、この深みとかが響きやすいというか、単なるシンガー的な位置ではないと言うのか、そう感じちゃう部分あるんですな。

 んでもって、期待の「時の流れを誰が知る」ですよ。もちろんFairport Convention含めて散々聴いているし、サンディ・デニーが大事に歌っていた曲だからさ、どんな風になるのかなぁ、と。でもね、聞く前からJudy Collinsの声だったら多分ぴったりハマるだろうし、何ら遜色ないカバーなんだろうというのは予想が付いたし、実際その通りだった。稀代の歌手二人がこの名曲を歌っているバージョンがあるってのは嬉しい贅沢です。サンディ・デニーの方が透明感あるかな。こっちはもうちょっと湿っぽい感じ。いやはや素晴らしい。

Judy Dyble - Flow & Change 2013

Flow & Change 自分のブログをたまに見返していると随分と自分の聴く音楽の趣味も変わってきたなと思える。変わったと言うか狭くなってきたかもな~とかね。新しく開拓している分野も多いんだけど聴かなくなって久しいジャンルってのもやっぱりあって、バンドやアルバム単位になるともっとそれは著しくなる。自分の血肉になって吸収しちゃったから、って言うなら脳内再生できるからわかるんだが、そうじゃなくてただ単にあまり興味がなくなってしまって聴かなくなっていったってのが多くて、それは多分気分だったり環境だったり探究心不足だったり他に興味が移ってしまったからだったりいろいろな要素がある。まぁ、なんだ、長く音楽を聴き続けてて一生聞きますって音楽とちょっと付き合うけどっていう音楽とが出てくるってお話。自分の中で最近聴かなくなったな~ってのがトラッドフォークの世界。昔は結構好きでちょくちょく聴いてたけどここのところはめっきり聴いていない。多分聴く環境とかタイミングが合わないからなのだろうけど、何枚も聴くことが減ったし追求するのもあまりなくなった。一方増えてるのがヘヴィな音達(笑)。メタルそのものはマニアじゃないけどガツンと来るハードな音は飢えてたりする…って単にストレスが貯まってるだけなのかもしれん…。

 アマゾンを見ているとふと気づいた…2013年にリリースされたジュディ・ダイブルの新作「Flow & Change」…ん?新作?ここのトコロちょくちょくとアルバムリリースしていて、こないだの「Talking With Strangers」なんてALl About Eveのジュリアンヌ姫とTreesのセリア嬢をも迎えていたという記憶もあって、今回は?と期待したけど今回の「Flow & Change」はシンプルに特別なゲストを迎えずに自身のみのソロアルバムのようだ。とは言え、ジュディ・ダイブルの音世界だからあのままなんだろうな~と期待して聴く。案の定裏切られることなく、トレイダー・ホーンの「Morning Way」で聴けるほのぼのとしたちょっと乾いた歌声でのフォーク調…フォークと言うかストリングとかバイオリンとか生ギターとかなので室内楽的にも聞こえちゃうのかな…室内楽ってよくわかってないけど(笑)、聴きやすい作品。そして名盤!とは言わないけど、しっとりとじっくりと染み入ってくるような感じのアルバムだな~と思う。でも、まぁ、よくよく思えばそういう感触の作品が多くなってきたかもしれない、世の中的に。かなり質は良いものだけど、あと何かが加わらないと、っていうものを自分が求めていることに薄々気づいているから満足しきれないのかも。これは個人的な問題だからアルバムの面白さとは別のお話だけどね。

 そんな事を思いつつも聴いているとやっぱり心安らぐ音楽なのは変わらないので自分の波長には合う傾向の自然な音なんだろう。素朴という言葉が似合うアルバムで素のままのジュディ・ダイブルが出ている感じを受けるアルバム。秋の夜長には丁度良いかな、と思い直しているトコロ(笑)。

Juicy Lucy - Juicy Lucy 1970

Who Do You Love?  英国ブルースロックB級バンドでエグいサウンドと言えばもうひとつ…ジューシー・ルーシーってのがある。英米混合バンドなのでなかなか純英国的泥臭さとは異なるんだけど、ま、スワンプな感じで良いでしょ。ちなみに初期はばあのヴァーティゴレーベルからアルバムがリリースされていて、彼等のファーストアルバムはヴァーティゴレーベルの第二弾リリースに位置している。しかしながらこのバンド、メンバーがかなり流動的で、アルバムリリース前に名乗っていたMisunderstood時代からアルバムリリース後バンド解散期に至るまで毎度毎度メンバーが替わってるというのも実態の掴みにくい要因かな。

 サウンド的にはもちろん粘っこいブルージー…というか何でもあり的なしつこい音で、黒人ボーカリストであるレイ・オーウェンの歌がやっぱりバンドイメージを決定してしまう面は大きいかな。もっともアメリカ人のギタリストでそれなりにその後も名を知られているグレン・キャンベルのサウンドが重要ではあるんだけど、しかしエグイなぁ。やっぱりこのファーストアルバムが一番エグくて良い。ちなみにジャケットも凄くて、こないだ日本で紙ジャケでリリースされた時はもちろん見開きオリジナル盤に忠実だったようで、フルーツの女体盛りというこれまたいやらしいジャケットで面白いんだけど、アメリカではこれが認められずに別ジャケットでリリースされたみたい。ま、そりゃそうか。

 セカンドアルバム「Lie Back And Enjoy It」サードアルバム「Get A Whiff A This」あたりになるとちょっとこのエグさがなくなってきてしまってあまりマジメに聴いてないんだけどね。以降は全然知らないのでコメントできず(笑)。

The Juicy Lucy - Lie Back & Enjoy It 1970

Lie Back & Enjoy It 昔は長いインプロとかプログレッシブなのとか普通に聴けてたんだけど最近集中力持たなくってねぇ…、熱いインプロとかジャムってのは聴いてるんだけど、繊細なフレーズによる展開とか緻密なフレーズの組み合わせなんかによる構築美ってのはちょっと飽きてくると言うか集中しきれなくなってきてる。歳だな、確実に(笑)。耳慣れているのは普通に聴けてるんだけどね、そうじゃないのはダメだ。その分ハードな方に嗜好性が向くのはしょうがないのかな。普通はもちっとクラシックとかジャズボーカルとか大人の香りがする方に進むんじゃないか、って思ってたんだが、どうも周辺を見てもそんなヤツは皆無で皆ロックのまま(笑)。変わらないんだな、ってのあるけどそれでもやっぱ聴くものがちょっと変わって来てるかも。

 1970年のThe Juicy Lucyってバンドの二枚目の作品「Lie Back & Enjoy It」ですな。何かでバーニー・マースデンってこのThe Juicy Lucyでミッキー・ムーディと知り合って後にホワイトスネイクに推薦されたって話だったんでどこに参加してるのかな…とか思ってたんだが、もちっと後なのかな…。ないからあるので…って思って聴いたのがこのVertigo時代のアルバム「Lie Back & Enjoy It」でしてね、何か強烈だったよな、っていう印象だけが残ってて実際どんな風に強烈だったんだっけ?ってのもあって聴いてみたトコロ。まぁこれが随分なソウル・ファンクブルースハードロックな感じでして…、このポール・ウィリアムスってボーカルは思い切り真っ黒な歌い方をする人でしてね、バドカンやフリーにいても全然違和感なく歌っていられるくらいな人です。バンドに恵まれなかったんだろうか?でもこのThe Juicy Lucyってバンドも相当にフリーらしい重さのあるバンドなんで良かったんだがな。ギターを務めているのはミッキー・ムーディですからね、思い切りブルージィーなプレイをちょいとエグく聴かせてくれて好みです♪

 多分、曲がちょいとダサすぎたんだろうと思う(笑)。フリーと比べてもちょっと時代遅れだし、他のバンドは既に実験に走ってるし、中途半端なイメージだったんだろうなぁ、とも思う。でもさ〜、このアルバム良いんだよねぇ〜。モッサリ感あるんだが、ギターは良く弾けてるし歌も勿論で、ベースもブリブリ言ってるし歌は濃いし、ちょっとアメリカナイズされちゃってるからかな…、でも抜けてない…、難しいのぉ…。好みの人は好みのアルバムのはずなので一度ちょっと試してみても良いんじゃない?

Juicy Lucy - Get A Whiff A This 1971

Get A Whiff A This - Remastered Edition 良い音に出会えた時って単純に嬉しい。今時の出会い方かどうかはともかく、どうあれ好みの音に出会えたってのはこれからの楽しみも増えるし、幅も広がる。ライブラリを眺めているだけではどうも満足しきれないってのが日常で、どんだけ色々なものを手に入れて聴いてても何故か他のものを知りたくなる…もちろんあるものを聴いて好きになることも多いんだけど、そもそも好きなもの買ってるんじゃないのか?ってのはあるが(笑)。それはともかく、昔から持っててそのまま、ってのを再度聴いて楽しむ、好きじゃないか、これ、ってのを発見するという訳の分からんこともよく起こり得ていて、単純に切り捨ててはいけないものもあるってお話です。

 1971年にリリースされたJuicy Lucyの3枚目のアルバム「Get A Whiff A This 」は正にそんな感じで、音としては好みだったけどどうにもパッとしないところがあって以前はなんとなく聴いてそのままになっていたもの。Juicy Lucyってバンドそのものもそうだけど圧倒的にB級感漂うワケですが…、その実メンツ的にはホワイトスネイクに入るミッキー・ムーディがギターを弾いてるし、歌はテンペストに行くポール・ウィリアムスなワケです。ま、他の面々もそれなりに英国ロック史では来歴の深い方々なので書けば良いのかもしれんけど、それはともかく、この面々が若い頃に一緒にやってたバンドがJuicy Lucyってので、「Get A Whiff A This 」はかなり傑作の部類に入る英国スワンプブルースハードロックアルバムなんじゃないかと。

 ソウル的ってのはボーカルスタイルのお話で、要するにソウルフルに歌が上手いって事。ただ、ギターはかなりテクニック的に音楽的で、二人いるからか結構遊び要素が多くて小ワウ効かせたり効果音的なリフレインを弾いていたりオブリも細かに入ってたり、ペダルスティール弾いてたりと忙しい。カラフルに彩っているトコロはアルバムを飽きさせなくしているね。そして曲そのものは「渋い」かな。テンペスト的ってのもあったり技巧に走ってると感じるのもあるしストレートなロックもある。迫力と言えばそこらのバンドには負けてないし、それでいてチャレンジも多いから良い。前進して洗練されて行ってるバンドで、「Get A Whiff A This 」ではかなりクォリティが高くなっているのでもうちょっと売れていれば英国バンドのひとつの顔になっただろうに…ってトコロだが、そこがちょいとダメだった。でもかなり面白くてつう好みなバンドです。

Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity - Streetnoise 1969

Streetnoise 1969年混沌とした時代が終演を迎えようとしていた時、既に本格的なサウンドをプレイしていたにもかかわらずあまり表舞台に出てくることもなくあまりにもマニア向けになってしまった感のある実力派バンドがいた。ハモンドオルガンと女性ボーカルを主とした独特なサウンド世界はこの頃に英国に溢れてきたゴッタ煮バンドとは一線を画した洗練された音であり、それはもちろんブライアン・オーガーという実力のあるオルガニストとジュリー・ドリスコールというソウルフルな歌を歌える女性の成せる業だ。

 アルバム「Streetnoise」は1969年にリリースされ、当時は二枚組のレコードとしてリリースされたためかなかなか売上げには結びつかなかったとか…。自分がレコードを探している頃も割と高値だった作品で、オリジナルが云々っていうよりも枚数的なもんなのかそこそこ見かけたけど高かったかな、と。ただ、レーベルがポリドールだった関係か嬉しいことにCD化されるのが早くて、忘れないウチに入手できたのが幸いで一時期結構聴いた。初っ端からハモンドのリフで攻めまくってくる怒濤のサウンドはまずもって唯一無二のバンドの証明か。生ギターと歌とハモンドという妙なバランス感覚がこのバンドのアシッド感を上手い具合に引き上げていて、その幻覚加減がかなり心地良い。アルバム中の効果音にそれらの影響は色濃く出ているものもあって一人でじっくり聴いているとかなりヤバくなれるかも(笑)。

 アルバム中誰でも知っている曲がひとつ入っている。当時はまだ売れてたんじゃないかと思われるが、ザ・ドアーズの「ハートに火をつけて」だ。もちろん最初から全然異なった解釈の音作りなのであの華麗なキーボードのイントロもなく、淡々とアシッドなオルガンが曲全体を圧迫してジュリーの迫力のある歌声が制する、そんな風格のあるカバーになっている、というかこれはオリジナルをヘタしたら超えているアレンジかもしれない。そう言うにはかなり勇気がいるが、これは相当なもので、彼等のオリジナルと言っても通じてしまうくらいに独自色が出ている。う〜ん素晴らしい…。

 アルバム全体的にどこか牧歌的な雰囲気があるものの根底にはどろ〜っとしたものが流れていて、オルガンという楽器でそれを見事に表現している。ジュリーの歌も決して派手で明るい声ではないので丁度相まって最も優れた空間が出来上がった集大成なのだろう。ちなみにプロデュースはあのジョルジョ・ゴメルスキー。だから二曲目にロシア語の曲があるのか…。

Julie Driscoll - Open 1967

オープン(紙ジャケット仕様) 別の角度から捉えてみる同じバンドと言うのは聴く角度が変わって面白く取り組めるのがよい。ブライアン・オーガーとかどうしてもジャズオルガンの人というイメージが強くてソロ作品にしてもどうにもドロドロな感じがあってね、何枚かあるんだけど好んで聴かなかったワケです。それがジュリー・ドリスコールと一緒にやった有名な「Streetnoise」なんてアルバムあたりだともちょっとすっきりしてジュリー・ドリスコールの歌に比重が置かれつつ自身のスタイルを捨てることなく出しているワケで、フムフムとなるのだが、今度はあまりにも「Streetnoise」が出来過ぎててジュリー・ドリスコールの方に気が行かなかった…うん、だから今回は異なる角度からのジュリー・ドリスコールへのタッチってことで…。

 1967年にリリースされたオリジナルアルバム「オープン」、今じゃボーナストラックなんかも付いているのでこの時期の楽曲は大体揃うようになっているみたいだけど、ブライアン・オーガーがバックに徹しているのはともかくながらジュリー・ドリスコールの歌が変幻自在に舞い、どれが彼女の本質なんだ?と見紛うくらいに多彩な曲を歌っている。そう思うとブライアン・オーガーの才能は見事だよな…、こんだけ色々とやりながらある程度のカラーはキープしつつ、それはジュリー・ドリスコールの色も含めてなのだが、モチーフはサイケデリックな時代、ただちょっと逸脱していかないといけない部分もあるからかおフランスなポップステイストみたいなのを入れてジュリー・ドリスコールを際立たせている。この人こんなに不思議な魅力のある感じだっけ?って思うくらい。フランス人形的可愛さを出していながらも歌う曲ではその歌唱力を存分に引き出している…、ものすごい実力を持った二人によるバンドだったのだ…。

 甘かった、そこまで知らなかった。もっと暗い感じが強かっただけなのだが、やっぱりちゃんと聴かないとダメですね。今回聴き直しててジュリー・ドリスコールの魅力にハマりました(笑)。ちょこっと見てみると今でも現役で歌ってるんですね。相変わらず旦那さんのキース・ティペットなんかとちょこちょこやってるみたいで…。

Julians Jay Savarin - Waiters on the Dance 1971

Waiters on the Dance 英国70年代の艶めかしいお色気ボーカリストと言えば…、そういえば何人かいたなぁ…と記憶を呼び覚ましてみることに…、と何かいつも考えている路線とは異なる方向に向かっていってしまうのは何故だろう(笑)?まぁ、いいや、気分で変わるモンだからしょうがない。うん、ってなことで、そういえば、と真っ先に思い付いたのがキャタピラのアンナ・ミーク嬢なんだよね。お転婆でエロティックに歌うイメージなのでピッタリ〜とか思ったんだけど、アルバムが「Catapilla」「Changes」の二枚しか出てなくて、両方とももうこのブログに登場してしまったので、アカンなぁ…と。んで、フュージョン・オーケストラのジル嬢の「スケルトン・イン・アーマー」も…もう書いたなぁ…。うん、じゃ、しょうがないのでキャタピラのアンナ・ミーク嬢の妹さんであろうレディ・ジョー・ミーク姫の歌う英国ロックの裏名盤「Waiters on the Dance」で書こう。

 1971年リリースのジュリアンズ・ジェイ・サヴァリン名義での作品「Waiters on the Dance」ですね。70年にジュリアンズ・トリートメントっつうバンド名義で「A Time Before This」をリリースしているんだけどメンバーがガラリと替わってしまったんで個人名義のソロアルバムにしたようだけど、結局ジュリアンズ・ジェイ・サヴァリンの作品であることに変わりはないんで、一緒くたにされることが多い。いやぁ〜、あまり知られていないけどかなり良質なメロトロンとフルートをフューチャーした作品で、そこにオールドタイムでねちっこいブルージーなギターも絡むという不思議な音。更に歌はキャタピラで色っぽい歌を歌っていたアンナ・ミーク嬢の妹さんであろうレディ・ジョー・ミーク姫ってことで、声が似ているし歌い方も似ているので、もしかしたら本人かもしれないなぁ…。その辺は諸説色々あって詳細不明。

 これがまたホントにロックなアルバムでしてね、ギター好きにも大満足頂けるし、もちろん女性歌モン好きには持ってこいだし、プログレオタクにはメロトロン全開にハモンドも入ってるのかな、そして楽曲も起伏に富んだドラマティックなもので構成されているのでよろしい。決して王道に躍り出ることがなかったのはやっぱり垢抜けない歌声と音色のセンスかねぇ(笑)。やっぱB級的な空気が詰まってるもんな…。ただ、それは録音時の音の問題でして楽曲のセンスは相当なものでしょう。そこらのプログレバンドには負けません。

 ところでこのジュリアンズ・ジェイ・サヴァリンって人は元々SF作家でして、どうしてバンドを組んでこんなに素晴らしい作品を出していたのか不思議なんだけど、ハヤカワ文庫とかでも割と見かける名前なのだな。ユニークな経歴と職業の人です。そもそもコンセプトアルバムやストーリー展開をアルバムで行いたいということから三部作構想でアルバムリリースしたらしいけど結局この二枚目で終わってるんじゃないか?三枚目の存在は聞いたことがないもん。

 しかし良いねぇ〜、やっぱりこういう世界が一番自分にしっくり来るな(笑)。暑い夏でもしっくり来るんだから面白いものだが、ロックらしいロックなんだよ、こういうの。

Julian's Treatment - A Time Before This 1970

A Time Before This 裏名盤と呼ばれるモノには数限りない…、そりゃ好みの人が勝手に名付けるのだからキリがないのだが、その中でもあちこちで名盤と語られることの多いアルバムがいくつも存在する。ここのところ挙げているアルバムは大体その領域に属するものが多いので、まぁ、普通に進められて聴いてみたっていう限りではかなり良いと思えるレベルのアルバムばかりだと…、うん。まぁ、だからと言って薦めるっていうもんでもないけどさ。やっぱ王道聴いてからこの辺入った方がわかりやすいとは思うからさ。王道に飽きた人はこういう世界って面白いよ、ってのはあるが。

 そんな中、裏名盤の誉れ高いJulian's Treatmentの最初のアルバム「A Time Before This」をどうぞ。1970年リリースなのでかなりサイケデリックな雰囲気が曲調に表れていて、楽曲レベルが高い。バンド的にはオルガンやハモンド、メロトロンなどの鍵盤系が強くて女性ボーカルがヒステリックに…、妙にSFちっくにエロティックに音の中に紛れ込んでいるので、アヴァンギャルド的な雰囲気さえ漂う何とも不思議な音世界。曲にドラマ性があるので、曲もコロコロと変わっていくのでプログレッシヴ的という側面はあるけど、軽く楽しめるってなモンだ。

 ジュリアンズ・ジェイ・サヴァリンって人は元々SF小説家の人で新潮文庫あたりから小説も出てるんだけど、ヘリコプターアクションものあたりしか和訳にはなってなくってそれを読むと、何でまたこんな「A Time Before This」っつうアルバムや、この後のセカンドアルバム「Waiters on the Dance」なんてのが出来上がったんだろうか?と不思議になる。この辺の音世界で描いている世界は多分もっとファンタジックなものだろうに…。という疑問を抱きながらも音楽は音楽として聴いているこの人の二作…、本来は三部作構想だったらしいが三枚目はまだリリースされていないハズ。

 ハードロック的という側面は強いが、やっぱりオルガン中心にミーク嬢の妙にリラックスしたアシッドな歌声が空間を制圧しているのでやっぱりドラッグ系な音に近いのかな…。まぁ何回も何回も聴くという人は多くないだろうが、ちょっと気になって聴いてみると何回も聴いてその良さを実感したくなるという中毒的な側面は持っているね(笑)。

July - July 1968

スーパー・サイケデリック!  早いもので暦は7月に突入、今年も既に半分終わってしまってうっとおしい梅雨時期から夏に突入する頃合いだが、聴いている音楽は相変わらずに古臭いままで時間の流れを無視しまくっているブログ。今でもこんなの聴いて、そうかぁ、と感想書いてるってのも既に天然記念物化しているとは思うが、単なる趣味と忘備録兼ねての事なので気にせずに好きに進めよう。アマゾンはそれでも相変わらず色々置いてあるので助かるトコロ。

 7月に入って、ってのでJulyってあったけどどうしたっけな、って思ってココ見てみるとまだ何も書かれていなくて、「え?」って思ったのでここで登場させておきましょう。1968年リリースの最初のアルバム「July」。そもそもJulyってバンドなんて誰も知らないだろってくらいのモノだが、この後Jade WarriorやVirginのプロデューサーへと進む面々の集合体、そもそもがこういう時代のサイケ調な音をやってた人ってのは音楽性とか云々の前に好奇心旺盛で実験精神も多分に持っている人達なのでこの後の活動もどうしたってプログレッシブな方向性になるのは至極当然、とは言え時代的にポップの綺羅びやかな世界も知っているのでそのへんが取り込まれていくのも特徴的か。Julyに関して言えばそこまでの発展系はなくって時代の産物的サイケデリックサウンド、シタール、逆回転、効果音、フワフワメロディなどの要素が存分に組み込まれた作品で、良質上質なサイケ・ポップアルバム。巷ではビートルズの「サージェント」の裏盤みたいな扱いのようだが、確かに似ている雰囲気ではあるか。

 確かに凄くキャッチーなんだけどキラキラしているし、曲もポップ。ただ、この時代のサイケ感って時代特有だから今聴いて痺れるって程の話じゃないからどうしたって歴史的遺物として聴いてしまう部分は大きい。それを知ってて楽しむのはあるけど、多分自分の音楽の聴き方が変わってきたからかな、楽しめる部分と飽きてしまう部分が交雑してて、じっくりと作品に向き合えないときもある、即ちそこまでハマり切れない作品だった、ってことか。昔は楽しく聴いてたけどな。ジャケットも超サイケだし、それしかないってくらいにドロドロでしょ?

June Tabor - Airs and Graces 1976

Airs and Graces  英国の歌姫たちは品のある女性が多い、と勝手に決めている。お転婆娘やドラッグまみれの歌姫もいるのだろうけど、総じて品のある女性たちが多いように見える。近年のはあまりカウントに入れてないけど、昔の70年代あたりのはそういう印象。もっともそこまで女性の進出が多かったワケじゃないから目立った女性がたまたまそうだった、ってことなのかもしれないけどね。

 June Taborの1976年リリースのファーストアルバム「Airs and Graces」。元々マディ・プライアとのデュエット作品「Silly Sisters」でシーンに登場してきた印象も強く、それを受けてのソロアルバムリリースというタイミングになったようだが、真っ直ぐで清らかで凛とした歌声は正にジューン・テイバーを言い得て妙な枕詞であろう。サンディ・デニーが持つ優しさや柔らかさはジューン・テイバーの歌声にはもっと硬質に表現されており、より一層まっすぐに前を見据えての歌になっている。ジャンルも時代も異なるけどシニード・オコナーなんかのスタイルも似ているかな。ジューン・テイバーの方がもっとピュアにまっすぐな雰囲気はあるか。

 アルバムはほとんどが無伴奏じゃないか、ってくらいに独唱で歌い上げている。バックが入ればそれはそれで聴きやすくなるのでちょこちょこと入ってくる分にはありがたくて、飽きない工夫がされている。やはりどんだけ凄くても歌声だけで聞かされると数曲が限界ですよ。そういうのも含めて作られているけど、その分一曲づつ聴くと息遣いから彼女の歌に込められた雰囲気空気みたいなのもしっかりと伝わってくるのは見事。アルバムジャケットの若くしてこの一歩も引かないと言わんばかりの女王様風な挑戦、レコードを手に取るリスナーは多分皆負けてしまうだろう。こういう作品もあるんだな、という意味でも、またこういう女性っているんだなという意味でも聴いておいて損しないのはあるか。