Kaleidoscope - White Faced Lady 1971

ホワイト・フェイスド・レディ  ロック史に於いてなかなか表に出てこない名盤というものは多々あるモノだ。その評価は非常に高いけど一般のリスナーには情報として届かないというようなも ので、もちろんロック雑誌を漁ったりすれば出てくるのだろうが、なかなかそこまでしないってのが多いので表に出てこない名盤ってのはやっぱり多くなる。も ちろん好みの問題だからいいんだけどさ、それでも勿体ないな~ってのもあるよね。多分みんなそういう自分だけのお気に入り名盤ってあるんだと思う。一般的 な名盤はともかくとしてね。そんな意味で自宅発掘音源からは、あ、これもあったなぁ~ってのが本日のお題。

 カレイドスコープというバンドの…、と書くとちょっと違うか。このアルバムの背景から書かないと説明つかないのかなぁ…。元々は1967年に「Tangerine Dream」というアルバムでフォンタナからデビューしたサイケ調のフォークを中心としたバンドで正に60年代末期の音ってなもんだ。その後1969年にリリースした「Faintly Blowing」が割と有名で、英国らしい、そしてちょこっとプログレッシヴな展開を持ったポップさも持ったアルバムで評価が高い。ここでフォンタナからの配給は打ち止めで、同じメンバー構成でバンド名を「フェアフィールド・パーラー」と変更してヴァーティゴからキーフのジャケットで再デビューしたのだ。これが1970年のこと。この辺書くと、あ、あのジャケのバンドね、となる、かな?  んで、フェアフィールド・パーラーとしてのセカンドアルバムを制作にかかって、出来上がったんだけど何とそれは二枚組コン セプトアルバムで一枚目が全然売れなかったバンドの作品としてはちと売るためのハードルが高すぎてお蔵入り。そうしてこのバンドは意気消沈してしまってバ ンド解散を遂げるという結果に落ち着くのだ。その主要メンバーであったピーター・ダルトレーは英国の詩人としてちょこっとは知られたシンガーソングライ ターになっているんだけど、まぁ、これもあまり明るい音ではなかったなぁ。

 さてさて、そんな背景の中で本日の「ホワイト・フェイスド・レディ」という作品は名義はカレイドスコープなのだが、作品的にはフェアフィールド・パーラーのセカンドアルバムとしてお蔵入りになった1970~71年に制作されたコンセプトアルバムです。1991年になってピーター・ダルトレーが全ての権利を保有したことでカレイドスコープレーベルを設立したおかげでようやくリリースすることのできた幻の一作。しかもこれほどレベルの高い音だとは果たして誰が予測できたことか。

 オーヴァーチュアから始まり正に万華鏡のようなカラフルな音世界としっとりとした世界観で進められる「ホワイト・フェイスド・レディ」 という作品は元々彼等がもつアシッドでフォーキーな側面が十分に生かされており、更に構成もストーリー仕立てがはっきりしているので確かにコンセプトアル バムという捉え方で問題ないだろう。話自体はエンジェルという女性を云々というものらしいけどよくわかんない。まぁ、ホントは色々調べていかないといけな い作品で、これから徐々に、かな(笑)。

 多分ねぇ、ジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」よりはわかりやすいんじゃないかと思える作品。フーの「Tommy」ほどとは言わないけど。プリティ・シングスの「S.F. Sorrow」よりも良いかな。騙されたと思って偏見無しに聴いてみると多分そう聞こえると思う。強いて云うならばもうちょっとはっきりとした曲調を幾つも従えた方がよかったかな、ってくらい。当時は二枚組という構想だったけどCDにしてみると一枚で間に合ってしまう60分強の作品なので当時リリースされていればなぁ…。今頃の評価はかなり違っただろうに。

 そういうワケでCDに なってからいくつものジャケットでリリースされていて、どれもそれほどセンスが良くないのは勿体ないのだが、中身は抜群の出来映えなのだ。これぞ英国音楽 の深み、ってなとこだね。日本ではこないだ紙ジャケでリリースされていて、それにはフェアフィールド・パーラーのファーストとカップリングで2枚組で収録されているのでオススメ。

Keith Christmas - Brighter Day (1974)

Brighter Day (Reis) マンティコアレーベルに移籍してきてピート・シンフィールドとグレッグ・レイクによるプロデュース作品という売り文句により名を馳せた?かもしれない人もいる。ちょっと前にこのブログで取り上げていたエスペラントっつうバンドがあったんだけどさ、その「死の舞踏」でのボーカルを務めていたのがキース・クリスマス。元々は英国フォークのシンガーとして知られていたようだが、なかなか売れなかったんだろう。って言っても来歴を見るとDavid Bowieの「Space Oddity」にギタリストとして参加しているので相当なプロフェッショナルな人だったんだろうという影の率役者。

 1974年にリリースされた4枚目のソロ作品「Brighter Day (Reis)」がマンティコアレーベル在籍のものだが、プロデュースは先のピート・シンフィールドとグレッグ・レイク、参加メンバーとしてイアン・ウォルラスやメル・コリンズというクリムゾン組がいるのも面白い。このあたりの交流関係はそれぞれのアルバムにいくつかクレジットで見受けられていくので英国ロックのお仕事は深いものなのだ。

 そのキース・クリスマスの「Brighter Day (Reis)」だが、最初に聴いて驚くのがどういうワケだか、えらくファンキーな黒いノリを実現した曲からスタートしている。何だこりゃ?と思うような曲にややびっくり。ただし時代的には1974年、David Bowieがファンキーなモノを目指したのが1975年なのでやや早めに時代を先取った感性だったのかもしれない。最もEsperanto時代にその傾向は出ていた気もするが…。ただ、そんなにファンキーなノリっつうのは曲数的には多くはないので、元々のフォーキーな曲が散りばめられているのは嬉しい。やっぱね、フォーキーで歌い上げていると思い切り英国産な音世界なので安心するんだよね。

Ken Hensley - Proud Words on a Dusty Shelf 1973

Proud Words ユーライア・ヒープの雄とも言えるケン・ヘンズレー。今でもユーライア・ヒープは生きているのだが、そこはミック・ボックスこそがユーライア・ヒープなのだ、という自負でもあろうが70年代のユーライア・ヒープの花形はやはりケン・ヘンズレーとデヴィッド・バイロンでしょ。それでも元々がバンドメンバーの出入りが激しいバンドだったので許されたのかもしれないケン・ヘンズレーのソロアルバム構想。驚くことにユーライア・ヒープとして名盤の誉れ高い「悪魔と魔法使い」と「悪魔の饗宴」とほぼ同時期の隙間に自身のソロ作品「Proud Words on a Dusty Shelf」を録音していたのだな。そんなのバンドとして普通は許されないことだけど…ね。

 アルバムジャケットもタイトルも何とも高貴な雰囲気を醸し出したケン・ヘンズレーの美学を垣間見ることの出来る作品だが、リリースは1973年となった「Proud Words on a Dusty Shelf」。 この頃にケン・ヘンズレーのソロアルバムを買うのはもちろんユーライア・ヒープファンだろうが、ここにはユーライア・ヒープとは微妙に異なった音が存在し ている。ただ、メンバー集めには時間がかけられなかったということもあってか、ベースにゲイリー・セインとドラムにリー・カースレイクを配してケン・ヘン ズレー自身は歌とギターと鍵盤を演奏してさっさと制作ってなことらしい。なので半分ユーライア・ヒープっても言える作品なのだが、これがまたユーライア・ ヒープ名義ではないのでもちろん廃盤…、もったいない、とんでもなく素晴らしく駄作のない見事なアルバムなのに。

 後に判明したんだけどこのちょっと前にはフリーのポール・コゾフとサイモン・カークなどとセッションしていたり、ボズ・バレルなんかともやってたりと割とブルース系統の人間とも人脈があったみたいなケン・ヘンズレー、やっぱり入り口がB.B.Kingのバンドだったってのはあって好きなんだろう。そういうのもあってか「Proud Words on a Dusty Shelf」の最初の「When Evening Comes」 ではもう思い切りブルースギタリストしてます。それも完全にポール・コゾフと思うようなギターを弾いているので、もしかしたらホントにそうなんじゃない か?って思うんだけどさ、エグくて味があって一体このギタリストは誰だ?って騒がれるくらいの味で大変かっこよい。そんな調子でハマっていくんだけど、も ちろん多彩なケン・ヘンズレーのことなので曲調は割とこだわらずに自然体の曲が多い。それでもやっぱりユーライア・ヒープで聴けるあの強烈なグルーブでは なくって、その前段階みたいな感じでゆったりとしている。ただ…、わかるな、あそこまでのノリになるのは(笑)。そんな感じ。歌は元々歌っているワケだから全然違和感なく普通にボーカリストってなモンで、大変質の高いレベルに仕上がってます。

 う~ん、やっぱり英国人なのだなぁ…。美しい旋律のしっとりとしたラインが半分くらいを占めていて、「Rain」とか「Black Hearted Lady」 なんてしっとりするもん。アルバムタイトルとジャケットに相応しい高貴さを持ってるねぇ。ソロ作品というだけでなくってもうちょっと脚光を浴びても良い作 品なんだが、なかなか大成まではしなかった人だろうか。ニッチなファンは凄く多いと思うけど、それでもこのアルバムってなかなか手に入らないもん。今で も。勿体ないなぁ…。

 アコースティックギターの音色も割と聴けたりするので、これもケン・ヘンズレーが弾いているんだろうか?やはり才能ある人は何やらせても才能あるんだな…、かなり味のある音色で爪弾いてたりするし…、あぁ、美しい…。

Kestrel - Kestrel 1975

ケストレル(紙ジャケット仕様) しかしまぁここのところ自分のブログに並んだ顔面ジャケットを見ているとまったくまともじゃないセンスの塊だな…などと苦笑いしてしまうくらいに楽しい(笑)。アメリカのSSWなんて書いていたらきっと自ずから顔写真ばかりのジャケットが並ぶんだろうが、英国マイナーもので書き連ねていくとこうなるってのは、ある意味それ自体がヒネてて面白い。やっぱりそうでなきゃいかん。自己紹介の顔面写真なんてのは60年代で終わってるべきで、70年代はアートなのだ。ン?今は21世紀?う~ん、精神異常の時代です(笑)。

 さて、おそらくはマイナー系と呼ばれる中ではダントツの知名度と人気と実力を誇るケストレルです。もちろん1975年リリースの本作「ケストレル」 でバンドは解体です。でも、ネットやアマゾンでちょろっと探してみてわかるようにもの凄い人気です。人気っつうのか、好かれているアルバムだし、聴いてい る人も割といるみたいだし、聴いた人は皆が皆手放しに褒めているという名盤です。昔は全く表に出てこなかったアルバムだけどマニアには重宝した作品「ケストレル」 だったのが、ロックの歴史が長くなるに連れて徐々に浸透していった結果、多分デビュー現役当時よりも今の方が圧倒的に人気もあるし、同じアルバムの売上数 量は多いだろうと。そんなバンドはままあるけど、ここまで一般的にも受け入れやすい音っていうのはなかなか見当たらないから見事なものだと。そんなのを35年前に奏でていたってのもやはりセンス。時代を先取りし過ぎていたんだろう。

 うん、音はだな…、 キラキラしたポップサウンドだけどヒネててウェット感に溢れているという代物。更に展開が凝っているので飽きないってのと味付けサウンドにメロトロンなん てのが出てくるってなもんだ、まぁ、単なる味付けのひとつなので、どっちかっつうと歌メロの楽しいセンスとちょっと歪んだギターのセンスと鍵盤の煌びやか さが売りでしょう。驚くくらいにセンス溢れるポップスってのがわかる。そうだね、10CCとかELOとか…、トッド・ラングレンの世界ってのが一番近いのかもしれない。しかもハイセンスなA級レベルの楽曲クォリティだからそこら辺で流れていたらもっともっと売れてしまうであろう曲ばかりだね

。  ジャケットは賛否両論っぽいけど、このジャケットのセンスって…やっぱわかる人とわからない人は分かれるかなぁ…。中味がとんでもなく上質なポップだからこのジャケットは勿体ないっていう人もいるだろうし、逆にこれだけ良質なポップができるんだからジャケットもバンド名もちょっとおちょくってみようか、ってのが読み取れるかどうかだよな…。ケストレルってハヤブサ科の小型の猛禽のチョウゲンボウで結構かっこよいんだけど、ハヤブサではなくってチョウゲンボウってところがこのバンドのヒネたところで…、ハヤブサほどスターにはほど遠いけどちょっと手の届くところまで…ってのがチョウゲンボウ。人にもあまり知られていないっていうところもこのバンドの今の存在位置を示している、ある意味狙い通りに世界を制しているのかもしれない(笑)。

Killing Floor - Out Of Uranus 1969

アウト・オブ・ウラナス やっぱり1960年末期から70年 代初頭の英国ロックは面白い。ついつい聴き漁りたくなるバンドがいっぱいあって、聴いてみるとつい吹き出してしまうモノも多いんだけど、その分聴いてしま うんだよな(笑)。なんか動物的本能に従って楽器を演奏してバンドで音を鳴らしているっていう感じで、理性的なものなんてわずかなものだから聴いていても すんなりと本能的に聴けるんだろうと思う。野性的ってんじゃないけど、本質を体現するっていうのかさ…。自分の好みがそういうロックだからってのは大きいんだろうけど、だからこそ好みになった、ってことだ♪

 キリング・フロアー(Killing Floor)っつうバンド知ってる?いや、そんなにメジャーなバンドじゃないし、かと言ってB級バンドとして挙げられることもそんなになくって、結局ただのロックバンドとして存在していただけなのかもしれないのだが、もともとは1969年にデビューしたサイケデリック風味なハードロックバンドだったんだけど、今回紹介するセカンドアルバム「アウト・オブ・ウラナス」を1970年にリリースした時にはかなり洗練されたハードロックなバンドになっているので、このアルバム「アウト・オブ・ウラナス」の方がちょっとは知られているのかもしれない。まぁ、一回見れば覚えるからという理由からかもしれないけど(笑)。

 最初からかなりかっちょよいシンプルなブルース ベースなハードロックを聴かせてくれますよ。リフの一部は同時期のツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」の途中までと同じだし(笑)。まぁ、そういうのはセ ンスっつうよりも偶然の産物ってことで良いのだが、ギターがかなりシャープでかっこよい。ドラムもかなりセンス良いミッチ・ミッチェル風なドラミングで心 地良いのだよ。雰囲気は曲によってはサイケデリックの流れを強く感じさせるものもあったりするのでシンプルなハードロックとも言えないし、サイケでもない ので時代を象徴するというものかもしれないが、かなりよろしい。ギターのリフが非常~にB級的にシンプルなので取っ付きやすいしさ。しかもただのブルースロックバンドでもなくって「Where Nobody Ever Goes」なんていう思い切りブルースロックな曲では途中から単純にリフとリズムを変えて一曲にしているし…この辺のセンスはZeppelinの「Bring It On Home」なんかと比べるとセンスの違いを感じてしまうところだな。

 とは言えども、バンド全体としてはかなり熱い演奏でやる気満々ってのもわかるので、Zeppelinよりも軽めに聴きたいっていう感じの音です。ライブ盤とかあったら相当面白いかもしれんなぁ…。

Leaf Hound - Growers of Mushroom 1971

 う~む、英国B級路線、たまらん…。 本人書いていてハマってるかも(笑)。アクセス及びコメント及びトラバが圧倒的に激減すること必至でこれまで避けていたのだが、まぁ、本質的には本能のま まに書いているだけなので適当にやろう~っていうことで、この路線突っ走ろうっ!予備軍のバンドは山のようにあるので思い付くまま脈絡なく、というか脈絡 はあるんだけど厳密にカテゴライズできるようなものでもないので、好き勝手に進めよう(笑)。

 とりあえず、ハードロック路線っつう感じもあるのでそのヘンから…。割とメジャーな辺りから進めてみるとこんなのでどう?  あれこれ調べてみるとどうやら1970年にドイツでシングルをリリースしたのが彼等のデビューらしくって、アルバムは翌71年にこれもドイツでリリースされているのが初回盤らしい。…が、ドイツ初回盤は後に発売された英国盤よりも二曲少ない収録だったようだ。更に英国盤でのタイトル「Growers of Mushroom」は英国リリースのみのタイトルで曲順も異なっている。こういう場合はどちらをオリジナル盤とするべきなのかはよくわかんないんだけど、そんな昔の話してもしょうがないので現行入手できるブツってことで、英国盤にボーナストラックを付けたCDがリアリティあるよな。ちなみに上記ジャケットの左側がその英国盤+2のジャケット、右側はドイツ盤のジャケット。あ、ちなみに英国盤はデッカからのリリースね。

 更に驚くことに、このLeaf Houndっつうバンド、2004年から再結成して活動しているらしい。驚くことにオフィシャルサイトまである…。なんてこった…。

 気を取り直して…、うん、もうね、滅茶苦茶B級路線っつうか今なら誰でも思い付くだろう、みたいな感じの音なんだけど、そうだなぁ、書きやすく書けば世間一般で言われているようなZepの模倣のようなバンドっていう言い方になるんだろうけど、もうちょっと言えば、ヘヴィーなギターに割とパワーのある歌が絡む重めのハードロックを奏でるバンド。演奏力は…まぁ、いいんじゃない(笑)。っつうかさ、ギターの音好きなんだよね、これ。初期Zep聴いて作りました~みたいな勢いのある音だからかもしれないけど、決して色眼鏡で見てはもったいないんじゃないかな、と。正にこの頃の英国ハードロックを代表するブルースロックの典型。いいよ~、マジに。やっぱ音がオーバーレベルな感じなのが良いんだ(笑)。

 ちなみに随分前に取り上げたブラック・キャット・ボーンズに在籍していたブルックス兄弟(ギターとベース)が核になって後にアトミック・ルースターカクタスでボーカルを務めることとなるピート・フィンチっつうのを歌に迎えてのバンドで、哀しいのは英国で1971年10月にアルバムデビューしたんだけど、その時には既にバンド解散していたっつうオチがあってさ、おかげでライブはどうだったのかとか全く未知の世界。再結成後のライブ映像はYouTubeでオフィシャルから辿っていくと見れたりするんだけど、全盛期は見たことないなぁ。写真ですらない。そういうところを想像してレコード聴くのは楽しいね。風貌見て想像してさ、こんな音か~って(笑)。

Leaf Hound - Unleashed (2007)

Unleashed どんなバンドにもそれなりに歴史があって想いがあってタイミングがある。それが何かのきっかけで再結成したり再始動したりすることもあるのが今の時代で、特にオールドタイムなバンドにはそういうことが怒るワケで、元々往年のロックバンドが再結成、再始動をアチコチで行うことで経済が潤っているってのとそもそも趣味に戻って楽しめるってのもあるのだろうか、メジャーな世界から超アンダーグラウンドな世界までそんな活動が盛んだ。おかげで若いバンドは自分たちの本来いるべき場所をどんどんとオールドタイマーに奪われていくというあまりよろしくない構図にはなっている気がするが、しょうがない、オールドタイマーなロック野郎の方がカッコ良いんだもん(笑)。そんな中またひとつのバンドが再始動していた…ってのはもうだいぶ前の話らしいが、日本公演を行うってことでちょっと話題になってて、それで知ったんで決して早い情報じゃない。でもホントに再結成なのか?とアレコレと興味をソソったよね。

 Leaf Houndってもちろん英国のオリジナルは1970年にアルバム「Growers of Mushroom」をリリースしたブルースロックバンドの二枚目のアルバム「Unleashed」が2007年にリリースされていたんだな。ホントかよ?って気になってさ、アルバムジャケットのLeaf Houndのロゴは紛れも無くあの「Growers of Mushroom」と同じロゴで…、そうか、ほんとなんだ、と思ってちょいと気になったのでDLでとりあえず聴いてみた。そしたらさ、これがまた驚くことにかなりカッコ良くってさ、現代のハードロックバンドとしても聴けてしまうくらいのモンだった。

 オリジナルメンバーはボーカルのピート・フレンチとドラムのキース・ヤングだけで、ギターとベースは若手のメンバーを入れて組んでいるらしい、ってことはバンドの色を付ける部分は若手のセンスに任せているのか?と。それにしては見事に現代風ブルースハード・ロック・バンドになっているからやっぱ新旧合わせたバンドになってて見事。曲はシンプルだけどギターとかそんなに古いギターでもなくて割と新目のエッセンスも入ってるからだな、この妙なバランス感覚は。この面々で来日公演やって、あの「Growers of Mushroom」という傑作アルバムからやってくれるとしたらかなり面白いライブになるんじゃないか?と期待してしまうよね。だって正しく英国ハード・ロックを継承しているバンドの音してるもん。再結成や再始動って色々な形があるけどLeaf Houndの場合はこれが見事にハマっているかも。名盤「Growers of Mushroom」に引けを取らないとまでは言わないけど、裏切ることのないアルバムを出してきてくれているのは確か。普通に聴いてもカッコ良く聴こえるよ。

Leo Sayer - Just A Boy (1974)

Just a Boy ロジャー・ダルトリーのソロアルバムを丸ごと制作して、さらにそれなりにヒットシングルともなった「Give It All Away」なる曲も産み出して一躍時の人…になったとは思わないが、作者であるレオ・レイヤーにはかなりの環境の変化が訪れたことだろう。そもそもソロアーティストとしてやっていくのが前提だっただろうが、手始めの仕事としてロジャー・ダルトリーの作品となったんだが、その翌年には自身のデビューアルバム「Silverbird」をリリース、同年秋には早くもセカンドアルバム「Just a Boy」をリリースすることとなった。今回はこのセカンドアルバムのお話なんだけど、もちろんロジャー・ダルトリーに楽曲提供してアルバムも制作したものの、自分でも気に入った曲はきちんと自分の作品の中に残したかったのか、このセカンドアルバム「Just a Boy」にはロジャー・ダルトリーに提供した曲がいくつか入っている。その辺からなるほど~と興味を持ったんだけどね。

 1974年リリースの「Just a Boy」、当時英国では結構売れた作品のようだし、そもそもレオ・セイヤーって人が割と売れた人のようで、日本人的には全然ピンと来ないけど、ちゃーとをそれなりに賑わすくらいのレベルのミュージシャンになっていったようだ。英国だけでの話のようだけど、そこからすればロジャー・ダルトリー的にはおかしくない話どころか育てた恩師として語られる部分も多いのかもしれない。実際レオ・セイヤーの経歴はどれもロジャー・ダルトリーのアルバム制作というところから始まってるし。

 さて、この「Just a Boy」という作品、ロジャーに提供した「One Man Band」や「Give It All Away」なんて何の変化もなくそのままの形で録音されている…ことからすればロジャーのアルバム作成時に自分自身である程度満足できるレベルまで仕上げてしまったが故に自分のアルバムに入れる時にもそんなにいじるところがなかったのだろうと思われる。確かにキャッチーな曲でこれ以上いじってもしょうがないかなという気がするのでこんなもんだろう。さて、他の楽曲…っつうかアルバムとしてなんだけど、自分的にはまるで好みではないのでマジメに聞くことすらないかも(笑)。流れ上漁ってみたんだけど…う~ん、こういうのってダメだね。じっくり聴けば聞き所はあると思うけど、何にも興味を抱かない…。

Life - Life After Death (1974)

Life After Death やっぱり好きなバンドの真似をする、ってのは重要な要素だよな。ただ、真似だけじゃしょうがないんだろうけど、それでもそこに行き着こうとするバイタリティにはなるワケで、その先は本人たちのミュージシャン魂がどこまであるか、って話だけど、アルバムジャケット見てこれはもう一発でアレだろ、ってわかる話で…、音を聴いてスカしたら抹殺されるはずだ、って思ったもん。それがなかなか見つからなくて苦労したんだけどね、ネット時代になって便利になりました、こういうの探すのが…ってもすっかり忘れてたのだが。  

1974年にリリースされたLifeというバンドの「Life After Death」。見ての通り、Uriah Heepですな…、そして音の方も見事にユーライア・ヒープです(笑)。ちょっと軽いけど、オルガンとかそのまんまだったりするし…、ってクレジット見てるとイアン・ギボンズって書いてあってさ、イアン・ギボンズなんて知ってる人しか知らないだろうけど、あれ?The Kinksじゃなかったっけ?って確認すると1979年からキンクスに参加しているあのイアン・ギボンズさんでした。こんなハードなオルガンバンドで鍵盤弾いてたんだ…とちょいと面白かった。キンクスではもちろん裏方に近いサウンドだったりするので、こんなに全面に出て音鳴らしてたのにはちょっとびっくり。とは言ってもこのLifeと言うバンドもオルガンハードって訳でもなくって、もちっと色々な要素が入っててすげぇ中途半端(笑)。黒っぽいのがあったり歌モノあったりハードもあったりプログレには行き着いていないけど、なんかしたがってる、みたいなさ、技量はそれぞれそれなりにあるのである程度なんでも出来る幅の広さは感じるんだけど、さて、バンドの音楽性は?みたいなトコがユーライア・ヒープです、って話だけなので困る(笑)。しっかりとアルバム一枚で終わったんじゃないだろうか。

 ただねぇ、やっぱり聴いたからには面白いところを発見したくなるワケで、じっくりと聴いてるとかなりポップなサウンドが出ていることもわかってくるし、ユーライア・ヒープ好きと言えども、きっとキャッチーなポップスも好きで、それが出てきてるのもある。同時代のクイーンなんかに近いアプローチかもしれない。そんな所が面白くなってきて何度か聴いてた作品ですね。

Linda Hoyle - Pieces of Me 1972

Pieces of Me ブルースを歌う女性、結構色々いるようで、今でもアメリカではシェリル・クロウあたりが挙げられるようで、その前ではボニー・レイットとか…、 まぁ、あまり聴かないのもあるけれど、割とたくさんいるんだな、と。英国ではどうかと言うとなかなかこれが少ないようで、そりゃまぁ、ブルースではなくて トラッドの方が気質に合っているからってのもあるんじゃないかと思うけどね。有名なのはもちろんマギー・ベルのあのシャウトだね。いつ聴いても彼女の歌声 は凄いパワーとソウルフルだと思うし。ところが意外なところで結構渋い作品を作っていた有名なバンドの女性ボーカルがいます。

 リンダ・ホイルが1972年にリリースした「Pieces of Me」。元アフィニティの歌姫という肩書きがある方がわかりやすいだろうけど、多分Affinity知ってる人はこのソロアルバムも同時に知ることになるような気がする(笑)。そして作風はAffinityとは全く異なるので要注意。リンダ・ホイルの趣味が思い切り出ているというのがもちろんソロアルバムで、バンドの意向を重視したのがAffinityの作品でしょ、多分。だからこのソロアルバム「Pieces of Me」はホントに多様な音楽が詰め込まれていて楽しめる。

 何と言っても最初の「Backlash Blues」 からビビるんだ、これが。ギターにクリス・スペディングを迎えているので、アコースティックでのもの凄いブルースギターから始まって思い切りヘヴィーなブ ルースを歌うリンダ・ホイル、ここでまずはぶっ飛びますわ、これ。こんなに歌唱力あったんだ?みたいな感じで泥臭く、もしかしたらマギー・ベルよりも泥臭 く歌っているという有様。こんな調子でアルバムは続くのかと思ったら全然異なるクリスマスの聖歌みたいな楽曲「Paper Tulip」が始まり綺麗な歌声を聴かせてくれる。そういえばバックメンバーはほぼニュークリアスという面々なので雰囲気作るのはお手の物。なんてったって今やアディエマスを展開しているカール・ジェンキンスとジョン・マーシャルがやってるんだから。そして三曲目の「Black Crow」はジョー・ストラマーがソロになってから展開しているような民族的なリズムをバックに楽しげに歌っているもので、これもレベル高い。いやぁ、いいな。続いての「For My Darling」も聖歌のような雰囲気で声楽の容量で荘厳に歌い上げている、正に天使の美声と呼ばれるかのような曲で、美しい。そしてタイトル曲「Peaces of Me」 はやっぱり本性丸出しなのか、思い切り英国ヘヴィロックと言わんばかりのねっちいサウンドでニュークリアスでは少々物足りないという感じのバックだけど、 そこはクリス・スペディングがヘヴィーに絡みついて頑張っているので、一曲目のブルースを発展させてロックにしたらこんなに重くなりましたというような かっちょいいロック。

 う~ん、ジャケットも素朴な写真なんだけど昔は右上に燦然と輝くヴァーティゴマークが眩しかった作品。ほとんどアナログを見かけたことなかったからねぇ。古くはBackgroundというレーベルからCDが発売されたんだけどこれはアナログ落としの海賊盤みたいなもので、しばらくしたら国内盤でCDがリリースされて、今では普通に手に入るんじゃない?紙ジャケのもあるしさ。女性歌モノとしてもかなりレベルの高い作品なので聴いてみると美味しいと思います。

 さてローラ・ニーロのカバー曲「Lonely Woman」…、もうね、ビリー・ホリディとかそういう世界って感じに歌っていて彼女の歌の巧さを実感します。雰囲気も出してるし、オリジナルも損ねていないし、実に素晴らしい。続いての「Hymn to Valerie Solanas」はカール・ジェンキンスの不思議な音色のピアノから不気味に始まるもののミドルテンポでソウルフルに歌うスタンダードなロック調な曲。基本こういう声なんだろう。B面に入ってからは割と大人しい曲が占めているようで、次の「The Ballad of Marty Mole」も正に英国的な雰囲気で歌ってくれている、感動的なバラードチックな歌。マーティ・モールって誰なのかまでは調べてないっ。んでもって続く「Journey's End」も静かめの一曲だけど今度はアメリカに想いを馳せたようなカントリー風味な一曲でスライドギターも入ってくるというものだけど、やっぱりどう聴いても英国だよ、これは(笑)。そういう湿っぽさが漂ってくるのはカール・ジェンキンスのセンスかな。その影響は「Morning for One」も同じで、荘厳さが漂う中、天使のような歌声のハイトーンで紡ぎ出すように歌うリンダ・ホイルが美しい。そして最後には少々お茶目なお遊び曲「Barrel House Music」が可愛い。ボードヴィルなサウンドを狙ってか場末のピアノをバックにキャバレーで歌っているかのような曲でキライじゃないね、こういうの。多分当時の何かのカバー曲でしょ。

 アメリカに憧れた女の子のソロ作品なんだけど揃えた面子が思い切り英国ロックの人間だったおかげで気持ちはわかるけど英国ロックの名盤という域で素晴らしさを残したという作品。Affinityの冠を外して一人の素晴らしい女性ボーカリストとして聴くと楽しめるんじゃないかな。かなりの名盤だよ。今度初めてCD化されるMartha Veletzみたいなもんかな。

 何とも驚くことに2006年にジョージ・キャッスルというピアニストと二人でやっている姿がYouTubeにあったので見てみてください。全く変わらないでジャズボーカルを歌っている声と姿を堪能できますっ!いやぁ、凄い時代だ…。

Little Free Rock - Little Free Rock 1969

リトル・フリー・ロック(紙ジャケット仕様) ブルースロック…、一言で言ってもそれなりに多様ではある。クリームが提示したひとつのロックの方向性は後の…と言うよりも同時代のバンドに多く影響を及ぼしたというべきかな。シーンの源流というものはそもそも同時代の若者達が抱えている表現方法が何らかのきっかけで爆発的に加速するというものなんだろうけど、60年末から70年代初頭のブルースロックの波は止めようもないほどに溢れ出てきた手法論だったし、それがまた多種多様に変化していったので面白い。個性が出しやすいロックの方法論だったんだろうね。

 1969年リリース…しかもフォークの名門とも言われたトランスアトランティックからデビューしたリトル・フリー・ロックという三人組による超ブルースロックバンド。しかも隠し味にメロトロンが全編鳴っているという不思議なバンドです(笑)。想像して下さい…、 ブルースロックにメロトロンが鳴っているのです。うん、不思議に攻撃的でかなりインパクトのある音になっていることは請け負いますな。ただ、楽曲が平凡だ からただそれだけで終わってしまっているというのも勿体ないんだけど、ブルースロックで聴かれる思い切りブルージーなギターソロとその合間に聴かれるメロ トロンのあの叙情性はやおら気分が盛り上がりまっせ。

 そして当然ながらこの時代のブルースロックと言えばファズギターにワウペダルと一辺倒なギターリフによる長尺な楽曲♪ そこにメロトロンが入ったおかげで単調にならないでいられるんだが、なんせ楽曲が単純な…いやいや、それは良いのだよ。ひたすら熱い演奏を繰り広げてくれる若さ故のパワー溢れる演奏が気分を盛り立ててくれます。つい頭を振りたくなるこのエネルギーは一体何なんだ?決してA級ではないが、アレンジの工夫と音への取り組み姿勢が見事。

  ジャケットもね、どことなく幻想的なフィルムに仕上がっていて、多分まだ全然若い三人組だったと思うんだけど、テクニックは割と割と、ってところでトラン スアトランティックもこういうのをリリースするってのは時代を察知したんだろう、それだけの価値があるバンド、ではあってもらいたいね。

The Liverpool Scene - Amazing Adventures of 1969

Amazing Adventures Of/Bread on the Night ちょっと前にBrand Xを 取り上げた時、ベースのパーシー・ジョーンズのもの凄さを覚えているだろうか?なんぞやこれ?ってなくらいのベースを縦横無尽に聴かせてくれて、そのテク ニックとセンスにはびっくりしたんだけど、そのパーシー・ジョーンズにももちろん下積み時代ってのがありましてですね、まぁ、あちこち調べているとBrand Xであのベースプレイにぶっ飛んだ人達もやはり過去を洗って辿るみたいなんですが、なかなか入手できないということで割とおざなりになっているThe Liverpool Sceneという60年代末期からのバンド、聴いてみると相当驚いたことになるだろう…。

 1969年リリースのファーストアルバム「Amazing Adventures Of」だけど、今はアマゾンでも2in1くらいでしか売ってないし、しかも廃盤か。手に入らないだろうしなかなか再発もしないだろうし難しいねぇ…。アルバム「Amazing Adventures Of」は冒頭からパーシー・ジョーンズです。ベースから始まるアルバムなんです。んで、そのベースがこのアルバムを聴いてもやっぱりちょっといやらしい音してるのでタダモノではないってのはわかる。うん、個性的。Brand Xを知ってるからってのもあるけど、The Liverpool Sceneを聴いただけでもその個性は際立つよ。

 ただしこのThe Liverpool Sceneと言うバンド、相当に個性的でしてかなりアヴァンギャルドっつうかビートニク世代のポエトリーリーディングを中心としたバンドってのかね、演奏そのものはそれほど重要視されていない…割 には非常~にサイケデリックに凝ったサウンドだったりジャジーだったりするので侮れないんだけど、かなりヘン(笑)。割とアチコチで名前を見かけるアン ディロバーツなんてのも参加してたりするのでこの頃のテクニカルな方々はやはり類は友を呼ぶと言うようなところなんだけどね…。

  面白いのは所々で聴けるフォークソング。もう、何の変哲もないフォークソングなんだけど、ディラン風かと思えばツェッペリン的に聞こえるのもあってその実 相当センスは良いんじゃないかと思える英国的バンドでもあるという姿。なんでまたこんなポエトリーリーディングというようなスタイルと冗談というキーワー ドをチョイスしたのか…、時代だろうか。故にサウンドの入っている曲は凄く聴き応えがあるけど、個人的にはポエトリーが入ってくるとちょっと興醒めかな。まぁ、でもやっぱこういうのも英国ですか。

Lone Star - Firing On All Six 1978

Lone Star / Firing On All Six 何気にアチコチの有名バンドのボーカルを務めたことのあるジョン・スローマンという人物なのだが、多分もの凄く無名のままだと思うんだよね…。 ロック好きですって言ってもこの人の名前で感動する人ってのは多分皆無に等しいだろうしさ。自分もそんなに思い入れがあるかと言われると別にそこまではあ りません。ただ、地道に英国ロックを紐解いていくとこういう職人的な人がシーンを支えているってことによくぶち当たるので、何となく追いかけたくなるのだ な。するとまぁ、更に面白くて深い英国ロックの道に繋がってしまうという…(笑)。

Lonestar - Lonestar Lonestar

 そんなジョン・スローマンを最初にメジャーシーンに押し上げたのは多分1977年にリリースされたLone Starというバンドのセカンドアルバム「Firing On All Six」でしょう。Lone Star自体は1976年にファーストアルバム「Lone Star」をリリースしていたんだけど、そこのボーカルだったケニー・ドリスコールという人が辞めてしまってから参加したのがジョン・スローマン。ファースト「Lone Star」と比べると俄然音楽性が変わっているという面白い部分もあるが、これはジョン・スローマンの音楽性が反映されたとかそういう類のものでもなくて、単に洗練されただけではないかと思うのだが…、時代が悪かった。英国ではパンクの波が到来し、オールドロックなどは全てぶち壊されようとしていた時代、普通にロックを奏でていては誰も見向きもしなかった時代ってことだ。

 アルバム「 Firing On All Six」そのものは少々ソウルフルなリズムに影響を受けたようなロックで、ハードロック的要素でもあるツインギターってのはあるが割とスタンダードなロックな感じ。ちなみにギターのポール・チャップマンはあのUFOで常にマイケル・シェンカー失踪の度に呼び戻されてギターを弾いていた方です。良い人だろうなぁ…。そんなワケで、時代を意識しなければかなり良質な英国ロック作品ってのは間違いなさそう。ただし、なにもかもがインパクト強くないっていうのもちょっと勿体ないので、バカ売れしたかって言われると難しいけど…、こういうバンドが認められると面白いんだけどね。

 この後案の定レーベルから契約を切られて敢えなくバンドは解散。UFOに戻るポール・チャップマンだったりユーライア・ヒープに参加することとなったジョン・スローマンだったりして70年代幻のバンドのひとつと化すこととなった…。1999年になってお蔵入り幻の三枚目のアルバム「Riding High」をリリースしている。

Love Affair - The Best of the Good Times 1969

Love Affair, The Best of the Good Times 英国のアイドソウルボーカリストとして名高いのが三人のスティーブ…と呼ばれるハズなのだが、まぁ、日本ではそんな呼び名もあまりされることがなくって、三人のスティーブって誰だろ?って思ってくれたら面白いな、っていう程度だが…(笑)。まずはスティーブ・ウィンウッドがダントツかね。それとスティーブ・マリオットですね。個人的にはもちろん後者の方が圧倒的に好きなんだけどさ。そしてスティーブ・エリス…後のWidowmakerのボーカリスト、と言うよりも60年代後期に出てきたラブ・アフェアというバンドで活躍していた素晴らしい歌い手さん♪

 あまり来歴まで詳しくないし、実際CDもそんなにリリースされていないのでオリジナルアルバムがどうのっていう程メジャーじゃないのかもしれない。わかんないけど。それでもこの時代になってくるとベスト盤ってのが重宝しまして…、「Love Affair, The Best of the Good Times」なんてのを聴いている次第ですが、これがまたどれもこれもポップでキャッチーでハードでもあって実に楽しい音じゃないですか。この頃って上手くないと出てこれないワケだから音はしっかりしているし、スティーブ・エリスの歌は後のWIdowmakerほどのアグレッシブさではないけど、かなりパワフルでパンチが効いている感じ。

 っ つうかさ、シングルヒット集だからなのかホーンセクションはあったりストリングスはあったりとかなりゴージャスな印象の曲も多いし、その分ドラマティック に仕上がっているのでやっぱりそこそこ売れていたんだろうね。正直言って悪い曲がないです。ベスト盤だからかもしれないけど、確かにカラフルでキャッチー でパワーのある60年代サウンド。どこかデヴィッド・ボウイの初期と相通じるものもある。歌はソウルフルで上手いし聴いていて気持ち良い。

 HR/HMを深堀してきてもなかなかここまで辿り着かないっつうか聴かないだろうけど…音的には別にHRじゃないからね、そりゃそうか。でもこうしてルーツを追いかけていくとなかなか発見が多くて楽しめる。それと平行して同時代のアーティストとの聴き比べとかもできるしさ。ロッド・スチュワートと被る曲もやってて叙情感を比較してみたりさ…。いいよ、かなり。最近ではまた再結成してアチコチでライブやってたりしてるみたいなので、ちょっと面白いかも。

Lucifer's Friend - Lucifer's Friend 1970

Lucifer's Friend2010年の今から見た2000年頃の音楽なんて凄く新しいものだし、そんなに変化が激しいものでもないという感じなんだが、これが1980年頃から見た1970年頃となるととんでもなく変化していて、面白い。面白いっつうか…、まだまだ発見もいっぱい出てきて何それ?ってなのが多い。それは2010年の今になっても70年代を漁るファンが多いことでわかるし、自分も今でも発掘してくるバンドもあるワケで…、やっぱ面白い。

 後にユーライア・ヒープのデヴィッド・バイロンの後任ボーカルとして名を馳せることとなるジョン・ロートンが在籍していたバンド…っつうかオリジナルバンドのLucifer's Friendのファーストアルバム「Lucifer's Friend」です。自分的にはUriah Heepのボーカル云々以前に70年代ブリティッシュロックとして捉えられるLucifer's Friendという名のドイツ人4人と英国人一人のバンドが気になっていたし、そのジャケットも強烈なインパクトがあって知っていた。CD時代への移行期にもかなり早い段階で「Lucifer's Friend」とセカンドの「Where the Groupies Killed the Blues」がリリースされたので聴きやすかったってのもある。その時はUriah Heepのボーカルになる人が在籍していたなんて考えなくて、凄くユーライア・ヒープと似たサウンドを出すバンドだ、って思ったくらい。

  うん、ホントにね、ユーライア・ヒープとほぼ同じアプローチで畳みかけてくる極上のハードロック。ハモンドロックと言うに相応しいくらいハモンドが唸って いるし、ギターももちろん相当ヘヴィに畳みかけてくる。ドラムにしても一本調子じゃなくってこの頃特有のドタバタドラムで素晴らしい…。 やっぱり自分の趣味の原点ってこういうブリティッシュサウンドにあるんだってのが嬉しい(笑)。聴いたことのない人にはかなり新鮮で衝撃的に聞こえるハー ドロックなハズ。しかもほぼドイツ産のバンドでボーカルのジョン・ロートンだけ英国人。だから多分ドイツのハードロックバンドとしては初の世界進出バンド とも言えるか?

 ユーライア・ヒープとの類似点は多々あるのだが、何と言っても全く同時期に同じVertigoレーベルからどちらもファーストアルバムをリリースしているし、似たような音楽性ってのもあって交流はあったんじゃないだろうか。それが故に後のユーライア・ヒープへのボーカル加入となったんだろうと思うし。Lucifer's Friend自体はかなり音楽性の幅も広くてテクニックもしっかりしているので一過性のバンドとは少々趣を異にしていて、かなり長期間に渡って活動しているし、この後の「Where the Groupies Killed the Blues」というセカンドアルバムもかなり評価が高い隠れた名バンド。

Luv Machine - Luv Machine 1971

Luv Machine 人体の不気味なジャケット&英国B級レアアイテム…的なブログの筋書きになりつつあるのだが…いや、そんなに長くは続かないです(笑)。ただ、ちょっと眺めていて、これも不気味っちゃあ不気味か?ってなことで無理矢理入れてみます…。まぁ、そういう括りになるとさ、フラッシュとかロジャー・ウォーターズの「Body」とかさ、何だかんだで人体をモチーフにアレコレっていうジャケットって結構あるんだもん。マジメに探してないけど多分相当ある…。

 英国ハードロックの超レアバンド、ラブ・マシーンによる唯一のアイテム「Luv Machine」だ。1971年リリースの幻のアルバムと呼ばれた作品ですら今では平気でCDで手に入ります…。探してたけど見たことなかったなぁ、これは。昔エジソンからプログレ系のCDシリーズが出る時に全部揃えるとオマケでこれくれますってのがあったけど、もちろん全部買えないので却下。それでもCD見たことなかったし、レコードももちろん見たことなかった。でも時間が経つとこういうのまでCDが出てくるんですねぇ…。ってなことで聴いたのはつい最近です。びっくりしました。こんな音だったんだ…。

 まずはメンバーが黒人二人と英国人二人。黒人ってどうやらバルバドス島出身の人間らしい…、 それってどこ?って感じだが、まぁ、良いじゃないか、ジミヘンばりのギターが聴けるんだから。っつうかさ、そのおかげでえらくファンキーなサウンドが基調 となっているんだよ。ハードロックなんだけど軽くてファンキー、そしてギターが荒々しく歪んだギターを掻き鳴らすというような図式。ただ、面白いのはノリ と勢いで全てを片付けてしまうようなロック的解釈と音の詰め込み方。多分一発録りなんじゃないかな、このノリは。現代のバンドにも通じるくらいのファン キーさとロックさが同居した不思議なサウンド。ちょっとかっこいいかも、って思ってしまった自分が恥ずかしくなる、そんな音です(笑)。

 しかし「Luv Machine」のジャケットがよくわからん。何が言いたくてこういうジャケットになっているのか…。別に気持ち悪くもないけど意味するところがわからなくてさ。まぁ、アートです、って言われればそれまでだが…。中味の音をちょっと損させているかもしれないな。B級なんだけどかっこよいサウンドで男らしい音ですよ。ただ…、十回くらい聴くと飽きる音ではあるが(笑)。ジミヘンフリークなんだな、とかスライ好きなんだな、とかがわかる…。

 ちょっと前にアーティスト公認…っつうか自身でマスタリングしたとかいう「Turns You On」という過去の集大成的アルバムがリリースされていて、いわゆる全集なので当然この「Luv Machine」も全編収録したCDも出ている。