Nazareth - Hair of The Dog 1975

Hair of the Dog さてさて再生を果たしたガンズ&ローゼズのアクセル・ローズはナザレスやハノイ・ロックスからの歌い手としての影響を公言していたらしいけど、自分的にはもちろん記事などは読んだことないのでどんな感じで言っているのかよくわかんない。まぁ、歌い方とかはナザレスってことでファッションはハノイって感じだろう。先日バッジーが出てきて、どうにも英国ハードロックの旗手でもあるけどB級的という感は拭えなくてね。同じような感じを持っているのが自分的にはナザレス。バッジーよりも少し格が落ちるけど、逆に格が上だと言う人も多いと思う。

 1975年にリリースされた、多分一番商業的にヒットしたアルバム「Hair of the Dog」だと思う。英国よりもアメリカやカナダで人気を博した、と聞くことも多いし、シングル「Love Hurts」も大ヒットと言うことでメジャー扱いの部分もあるとか。まぁ、そんなバンドの一番脂の乗った時期の作品なので、ジャケットの不思議な迫力と共に楽しみたいね。

 …っていう期待を込めて昔から何度も挑戦したアルバム。今聞くと普通にB級(笑)。単調なリフやコード進行に素晴らしいダミ声のボーカルが絡む。更にギターは雰囲気ばっちりのプレイをカマしてくれるのでもちろん悪くない作品で、傑作と呼ばれるだけのことはある…が、今何回も聴くか?ってのはちょっと疑問。しょうがないけど。作品としての完成度ってんじゃなくてバンドとして打ち出す指向性としてはきっちりと出したっていうとこかな。ただ他人のカバー曲も含めて自分達なりにアレンジしてモノにしているってのがこだわりなんかな。

 やっぱり長く続けているとそれなりにファンも付くワケで、今でも活動しているが故に圧倒的固定的ファンが多数存在しているバンド。ハードロックをやり続ける姿勢も凄いし、このアルバムはやっぱり金字塔のように燦然と輝く名盤ですな。

Nazareth - Razamanaz 1978

Razamanaz 王道ロックがあるからにはその下を支えてきたB級ロックというものが存在していたはず。それは王道が最先端を引っ張るべきクリエイターならば、B級野郎達は今できることをひたすらやる、即ち現状維持、進行系と言うスタンスとでも言えば良いだろうか。クリエイターと言うよりも街のチームリーダーって感じかね(笑)。いや、何が言いたいかっていうとそういうチームリーダーさん達が一生懸命やってることからロックの安直さってのは面白くなっていて、誰でもできるロック、という図式が出来てきたんだと思う。故にそれはパンクの台頭という更にひとつのムーヴメントになったワケで…、いや、それこそロックだよ。

 そんなことを夢にも考えていなかったけど、結果そういうバンドに祭り上げられてしまったというバンドは非常に多いだろう。今回挙げるナザレスもそんな一端を担うのかもしれない。いや、滅茶苦茶かっこよいぜ、このバンド。1971年英国のマニアには有名なペガサスレーベルからデビューしたバンドで、レーベルカラー通りに結構不思議な音、しかもアコースティック系の音だったりして決して後のハードロック的な音ではなかったのだが…。セカンドアルバムは1972年に、これもロイ・トーマス・ベイカーのプロデュースで制作したものの全く中途半端な音世界で大人の音を奏でていたものだ。しかし、そんな折りにディープ・パープルの前座でライブを行うことになり、ロジャー・グローヴァーの目に留まり、三枚目となった「Razamanaz」のプロデューサーとして名を連ねることとなる。しかも世紀のハードロックアルバムとして生まれ変わったナザレスの仕掛け人として、だ。

 そんな経緯があるアルバムだけど、コイツはとにかくかっちょよいぞ〜!思い切りハードロックなギターサウンドにダミ声ハイトーンのボーカルで、単調なベース…いや、大まかなフレーズしか奏でないベースにこちらもまた大技でしか叩かないドラムスというリズム隊の大雑把さが良い味出しているのかな(笑)。曲はカバー曲も多くて、自分達なりにハードロックにアレンジしていて、それがまたかっちょよいんだ♪ そして思い切りフレーズ的にはロックンロールがベースになっているので、グルーヴの良さもさすがなモンで、実にかっこよいハードロック。重くもなく、軽くもなく、激しすぎず、ソフト過ぎず、音も詰め込み過ぎていないし、ホントに聴きやすいのだ。リフの良さとか曲の良さとかっていうよりもストレートでシンプルにハードロックやるとこうなる、って感じで今でも誰かがカバーしたら結構かっこよくなるハズ。

 英国ハードロックバンドの中ではなんだかんだと結構長寿のバンドでちょっと前まで活動していたと思うんだけど、今はどうなんだろ?アルバムもそんなに枚数多くないけど「Razamanaz」以降は同様にかっこよいのが続くので割とオススメ。ドラマティックなのとかもあるしね♪

The Nice - Nice 1969

Nice そういえばグリーンスレイドとかレア・バードとか聴いている時に、鍵盤ロックって言えばEL&Pとかナイスだろうなぁ…なんて思っていたんだっけ。すっかりとコロシアム関連の方に流れていってしまい、その楽曲と演奏レベルの高さに熱くなってしまったので、そのまま進んでしまうところだったのだが、ちょっと前に戻ってギターレスの鍵盤ロックの代表格でもあるEL&Pはともかく、その前のザ・ナイスについては取り上げたことがないのでちょこっと聴いてみよう〜。

 1969年にリリースしたナイスの三枚目のアルバムにしてセルフタイトルとなった「Nice」です。邦題はちょっと安直だろうという気がするのだが、まぁ、聴いた印象がそうだったんだろうね。やっぱりキース・エマーソンの存在が目立ち始めているし、っつうかそれなくしてバンドが成り立たないだろうから、ってのはあるが、割とリー・ジャクソンのベースも存在感たっぷりで面白いな。この二人の柱がナイスの肝だろうけど、キース・エマーソンってベーシストは好きだよね、きっと。リー・ジャクソンってこの後ジャクソン・ハイツっての作って何枚かアルバム出てるし、あんまり覚えてないけどまた聴いてみるかな…。

 さて、ナイスとしての三枚目にして「Nice」というタイトルでアルバムリリースなので自信ありきだろうが、その自信通りに完成度の高い楽曲群がアルバムを占める。スタジオ作品が4曲、ライブ収録が2曲ってことで後にEL&Pでも定番になる「Rondo」なんてのはもう最初からあのまま(笑)。ナイスもEL&Pも関係なくエマーソンの世界ですねぇ。スタジオ作品の方も、かなりハイレベルで面白いアプローチが聴けます。個人的にこういう鍵盤ってのはわかるけど好みではないので避けていたってのはあるなぁ…。なんでだろ?それでもライブ盤の方になると血が騒ぐんだよね。かっちょよいもン。多分躍動感が好きなんだろうと思う。これこそエマーソン!っていう走り方。ナイスでもこういうライブやってたってのがよくわかる作品。

 この後しばらくしてからEL&Pになるんだけど、まだまだクラシックとの融合や名作アルバム「Five Bridges」なんてのもリリースするんだから過度期の作品として楽しめる一枚だ。

Nucleus - Elastic Rock (1970)

Elastic Rock Ltd.Ed. (Spec) よく音楽にジャンルは関係ない、と言われるが実際にはかなりジャンル分けが細分化されているしジャンルとかカテゴリ分けと言ったものが存在しないと色々な面で困るのだが、聴く側に立てば実際にそう言ったカテゴライズは無関係である。ただし、それも従来の文化と歴史とイメージという枠があって、いつまでもその印象から抜け出せない事例も多々存在する。ん?何をいきなり真面目な論議しているんだって?いや~、ジャズロックってさ、ロックジャズもあるしジャズロックもあるし凄くにありーな世界にあるよなぁ…とつくづく思ったからです。そんなきっかけの作品がコチラ♪

 1970年にリリースされた時代は正に英国何でもあり時代でしてね、Nucleusのファーストアルバム「Elastic Rock Ltd.Ed. (Spec)」です…、はい、Vertigoレーベルってのもこのイメージ戦略に一味買ってしまっているんですけどね…、1970年のVertigoから出てきたバンドってったらもう気になる人は気になりますが…、ホントはPrestigeとかジャズ系のレーベルから出てきた方が良かったんじゃないかなぁ…っていうバンドです。Nucleusってよくプログレの中で語られ、更にジャズロックで語られるけど、こりゃもう明らかにジャズですわ。自分はあまり詳しくないけどエレクトリック時代のマイルス・デイヴィスを踏襲しているかのような部分が大きい。そりゃ、イアン・カーと言うリーダーがトランペット奏者なんだからジャズになるわな…と。

 ところが試みは面白くて、そのエレクトリックジャズなトランペット中心のインストに対して、クリス…すペンディングがギターを被せて、更に後にソフトマシーンで名を上げるジョン・マーシャルがドラムを叩き、カール・ジェンキンスがオーボエを奏でる…、オーボエ??その時点でVertigo行きってのは分かる気がするが、出てきた音はやっぱり面白い。こういうのを英国的と言うべきなんだろう…、概念に囚われずにどんどんと新しいアイディアを実現しては進化させていく、そして音は淡々とクールに奏でて一部分だけを聴けば本物と大して変わらない旋律や音色を出しながらも全体ではまるで異なる音世界を紡ぎ上げるという…、冒頭に書いたジャズとロックの境目を多分簡単に行き来している連中の音です。しかもモダンジャズじゃなくて明らかに進化系のエレクトリックな世界を含めたジャズと発展していこうとしているロックの間。凄い。

 ま、Nucleusと後期Soft Machineってほとんど同じメンバーになっちゃうんだから当たり前だけど、この「Elastic Rock Ltd.Ed. (Spec)」を聴いているとこの路線でメンバーのやりたいことってのは進化していったってのがわかると思う。イアン・カーはソフツに絡まなかったからトランペット抜きでのNucleasというイメージをしてみると全くわかりやすくなる…、冷たい夜を更に淡々と冷たくしてくれる音で熱くなれるねぇ~♪

9:30 Fly - 9:30 Fly 1972

ナイン・サーティ・フライ(紙ジャケット仕様) 英国の深い森の散策はいつ飛び込んでみても面白い発見がある。更に紙ジャケCDやリマスター盤のリリースによってとんでもなくレアなものまでCD化されてきて、しかも音だけ取ればオリジナル盤を上回るであろう音質にアップされていることも多い。それが良いかどうかってのは別として、売る側もCDが売れなくなってきているのであの手この手で売ることを考えるし、カタログは多い方がそりゃ有利だろう、と。リスナー側からしても嬉しい話なので別にその商法に騙されることは悪くないっつうか、ありがたい話なのだ。そうでもなければまずCDではリリースされることなかったであろうバンドのひとつがこの9:30Fly(ナイン・サーティ・フライ)です。

 ジャケットのイメージとバンド名でかなり損しているし、実際自分もなかなか手に取って一番で買うっていうことはなかったもん。やっぱね、虫とかクモとかってのはバンド名にするとそれだけで損すると思うもん。触りたくないっていうか…、まぁ、メジャーになればそれでも良いんだろうけど、ちょっとね、ね。んでジャケットも蜘蛛の巣にかかったハエで…、意味不明に9時半を示す時計でしょ?これはワケわからんよ…。そして当然なんだけど、今のネット時代に於いてもあんまり情報が出てきていない…、つまり紙媒体の時なんてもっと情報が少ないワケでして、一体どんなバンドなんだ?と興味はそそられるモノではあった。リリース当時はEmberと言うマイナーなレーベルからリリースされたものだから…。じゃあ一体何でこんなバンド知ってるんだ?と言われても困るけど、インパクト強かったからだと思う。

 んで中身の音のハナシ。メランコリックなフォークを中心とした幻想的なサウンドで、エレキギターはアクセント的に入ってくるくらいで基本的にアシッド…とも言えないけど、しっとりとした音。フォーク的サウンドの要素が強いけど、A面最後(CDで聴いてるけど(笑))の「Unhinged」って曲なんてかなりの名曲ですよ、これ。オルガンもメロトロンもフルートもあり。もともとマイケルさんとバーバラさんというウェインライト夫婦によるバンドらしくて、そのヘンが作品にも影響出ていて牧歌的な雰囲気すらあるのでほのぼのと聴けるってもんだ。歌はダンナさんの方なのでいわゆる女性歌モノって感じではないけど…。しかし楽曲によって実にバラエティに富んだ楽曲が多くて、B面に入ると更に顕著でして、ハードロック調なサウンドから一気にメランコリックなアシッドフォーク?ってなところに奥様のヴォーカリゼーションが入るとか…、いや、脱帽。ある意味David BowieやT.Rex的な傾向の見えるサウンドに相通じる。1972年の作品か…、ちょっと遅かったかなぁ…、でも相当面白い音を出しているので名盤の域に達してしまうだろうね、これ。もちろん本作品一枚で行方不明となってしまったバンドですが(笑)。

Octpus - Restless Night 1970

Restless Nights  まずはアルバムジャケットを見てほしいんだけど…。ここまでセンスのない…と言うのか、わかりやすいと言うのか(笑)、何となく海外のマンガってこういうのから始まっているんだろうな、というような印象そのもののジャケットです。タコ女なんだけどどこか超然と宇宙人っぽくしていて、海の底=海底人種なんていう感じなのかね。きっと地球を攻めて人類を滅ぼすミッションを追った悪者なんだろう、と(笑)。いや、そういう感じでさ、最初見た時は笑っちゃったもんね、これ。バンドロゴもそれらしくなってるから余計にさ、コミカルな感じでウケた。他はあんまり見ることのない類のジャケットだからインパクトはあったよ。

 1970年にリリースされたオクトパス唯一のアルバム「Restless Nights」です。シングルではその前から活動していたみたいだけど、結局CD再発時に全部収録されたらしいので問題なし。そんなジャケットの印象は割と中身の音にも当てはまっててさ…、ハードな要素が詰まったカラフルサイケポップ的ロックなんだな。っつうかどっちかっつうとハードロックに近いサウンドが基本になってて、そこに時代の洗礼を浴びてカラフルにコーラスや色々な楽器を入れたりして、メロディもポップに奏でているというものだ。でも、ギターとか思い切りファズだったりするし結構エッジ立ってるからハードな部類のハズ。まぁ、アルバムの音がちょっと中音域に集められたようなサウンドなのでパンチはあるけど煌びやかには聞こえないという残念な面もありだけど、その分迫力と音圧があるのでハードな曲は結構重く聞こえる。

 昔聴いた時はもっとサイケよりかと思ってたんだけどね、久々に聴いたらハードロックよりだったことに気付いて…、あれこれ見てるとポール・グリッグスとナイジェル・グリッグスという兄弟によるプロジェクトだったそうな。そんでこの「Restless Nights」をプロデュースしたのがPlastic Pennyというバンドのベーシストであるトニー・マーレイという人脈。なかなか面白いが…、内ジャケってのもこれまたエグいので載せておこう〜♪
Restless Nights

Orange Bicycle - Orange Bicycle 1969

オレンジ・バイシクル(紙ジャケット仕様) 以前からず〜っと聴きたくて全然手に入らなくてジャケットの写真を本とかで見るたびに気になってしょうがなかったアルバムが、このOrange Bicycleというバンドの唯一の作品「Orange Bicycle」なのだった。もちろんこの惹き付けるようなセンスはヒプノシスの手によるものでして、なるほど…と思うくらい人間心理を巧く突いている。何が?ってのはわからんが、ジャケット見てると気になるんだよね、細かいところがさ。どこかチグハグな印象を持たせるっつうかさ…。この絵で言えば神父さんが落書き?みたいな。でも、手前の日銭稼ぎは?そんで落書きの絵の中にはメンバーの似顔絵…、奥に見えるオレンジがアクセントになってバランスも絶妙。これぞアート♪

 1970年リリースなのでちょっと意外。60年代だと思ってたからさ…、ま、大して変わらないんだけど。ビートルズで有名なEMI傘下のパーロフォンレーベルからリリースされたファーストアルバム「Orange Bicycle」のみの活動…。またか(笑)。いやいや、それでも中心メンバーのWil Maloneは後にソロ作「ウィル・マローン」も出すし、その後にはプロデューサーやら何やらと絡んでます。意外な一面もあるんだけど、それはまた次回ってことにして…、まずはOrange Bicycle

 意外なことにですね、ボブ・ディランやエルトン・ジョンなんかのカバーも入っていて、わかるように相当ポップでカラフルな音を産み出してます。音がやたらと古臭く聞こえるのもあるんだけど、サイケでもなくって歌は割とシャガレ系でともすれば熱唱型なのにポップに歌っているから妙なバランス。曲調はもうポップでキャッチーだけど…、アレンジや展開が結構ヘン(笑)。何だろう…、Bernie Leeさんという人がギターを弾いているんだけど、これがやたらとファズでして…、そこにWil Maloneのクールなピアノが鳴るし、ベースもこれまた自己主張が強くてねぇ…、更に効果音があちこちに入ってくるサイケ効果もあるという不思議な音世界。わかるのは売れないだろうなぁ…ってことくらい(笑)。

 でもね、聴きやすいから聴いていると割と直ぐに聴き終えてしまうし、何だったんだろ?って思うからまた聴けるし…、ジャケットに救われている部分が大きいけど、妙に気にはなる音で…。英国然とした世界なんだな、これ。ヘンなの…。CDネット時代になってようやく手軽に入手できた一枚なので、もうちょっと早めに聴きたかったなぁ…、まぁ、満足です。待ちくたびれたアルバムだったから。

Paladin - Charge! 1972

Charge アルバムジャケットデザイナーとして英国ロックの世界で名を馳せているのが有名なヒプノシス、キーフ、ロジャー・ディーンと言ったトコロでしょう。彼等のデザインってのはそれだけで本が刊行されるくらいにデザイナー集団としては秀逸なもので、ロックの発展に大きく貢献した切っても切れない関係ってことは誰もが知るところ。ピンク・フロイドとヒプノシス、イエスとロジャー・ディーンなんてのはもうそのイメージ以外は受け入れられないくらいのものだ。それぞれ交錯したことはあるがやはりすんなりといかずに元の鞘に収まっているしね。

 そういう経緯もあって、それらのデザイナー集団が手がけたアルバムってのはそれだけで存在価値が高まるものだし、リスナー側も中身の音を過度に期待して聴くものだ。中身が良くてもジャケットがイマイチだったりすると売れなかったり、やはり知られるのに時間が掛かったりしてしまうのだが、逆もまた真なり、ってなことで秀逸なアートワークによるアルバムであったが故に中身の音がリスナーの期待に応えられないサウンドだと割と見捨てられてしまうってなのもあるのだ。

 1972年にリリースされたPaladinというもちろんイギリスのバンドのセカンドアルバム「Charge」はそんな一例だったのかもしれない。自分的には全く駄作だとは思わないし、あちこちのレビューで見られるようなアフロロック的アプローチという側面もそれほど思わないので、ちょっとズレているのかもしれないけどさ。まぁ、ロジャー・ディーンの非常〜にかっこよいジャケットなのだよな、この「Charge」ってのは。見てもらえば分かるけどさ、何か凄いかっこよいハードロックっつうか疾走感溢れるような音を出していそうなジャケットじゃない?だからそういう期待で聴いてしまうと、最初の曲が結構変わったリズムのアプローチなので「ん?」って思ってしまうんだよね。まぁ、全体的にハネ系の16ビート的リズムのノリっつうかグルーブがアルバムを占めているので、ギターにしてもそういうカッティング的なのがあったりパーカッションにしてもそういうのがあったりするんだけど…、更にそういう言い方すればソウルなんかであるような泥臭いハモンドオルガンが鳴っていたりするから余計にそういう感じ方するのかもしれない。ベースも太くて重いラインでかっちょよいし。

 …あ、そうそう、そういうサウンドなのでハードロックじゃないワケよ。もちろんロックなんだけどさ、面白い音…ってかやっぱり時代を反映してて、ハードな側面とプログレッシヴな側面があって、そこにソウルフルなリズムやアプローチを組み入れたような感じかな。だからグルーブ感は見事だし、かなりの好盤。ただ、聴く人は選ぶかもしれないなぁ…。アルバムジャケットとの格差ってのを個人個人がどれだけ感じるか、ってのもあるけど…、ちょっとね、バンドとしてはどっちにどうやって向いてるの?っていう散漫な印象を受けるアルバムではあるかもしれない。

Parrish and Gurvitz - Parrish and Gurvitz 1971

Parrish & Gurevitz バジャーでハードなブルースギターを弾いていたブライアン・パリッシュだが、もちろんバジャー以前にも様々な活躍をしていたみたいで、一例にThree Man Armyのファーストへのゲスト参加ってのもあった。そのおかげでこのファーストアルバムをリリースした後にエイドリアン・ガーヴィッツがバディ・マイルスと共に行動するためにバンドを解散した後の片割れともなってしまったポール・ガーヴィッツとユニットを組んでリリースしたのがこの「Parrish & Gurevitz」という作品。

 1971年リリースなので正にこの後直ぐにバジャーに参加するんだけど、それもまたThree Man Armyが復活するってことでポール・ガーヴィッツが出戻るためってことだとしたら何と可哀相な使われ方をしている人なのだろうとも思うが…。まぁ、良い人なんだろうな(笑)。アルバムジャケットを見ればわかるように左側がポール・ガーヴィッツで右側がブライアン・パリッシュです。良い青年でしょ?

 え〜っと、そんな状況下で制作されたアルバム「Parrish & Gurevitz」なんだけど、決して片手間ってワケでもなくって、その証拠にプロデュースにはジョージ・マーティンを配しているってなもんだ。ストリングスアレンジも任せているってくらいだから結構な仕事して請けていたんじゃないかな。ビートルズ解散後しばらく経った程度だし、ヘンなのを請けなかったとしたら大した才能を認められたというか、ね。そんな要素がふんだんに散りばめられた秀作っていうトコロか。コーラスワークが中心になったポップで忙しい音が鳴り響いてます。ギター的にはアコギ中心だけど別に静かにアコギじゃなくって派手なエレキを使っていないだけのアコギなので音はロック的ビートと雰囲気です。スワンプ的という言われ方をするみたいだけどスワンプってのが自分的によく理解できていないので、表現に困る。ってか、普通にギターを持って頑張って音楽やろうとしたらこうなる、みたいな音なのであんまり気張ったモンでもないんじゃない?そういったら怒られるか…。

 確かにビートルズをもうちょっとハードにした感じではあるかもしれん。しかしこの音をブライアン・パリッシュとポール・ガーヴィッツが奏でる必要があったんだろうか?と言われるとちと不思議。スタックリッジでも良いじゃん、ってかさ。まぁ、聴いていて害はないし、へぇ〜ってくらいに聴くのは良いので面白いんだけど、逆に特筆すべきモノでもないのも事実…(笑)。

Paris - Paris 1975

Paris Led Zeppelinフォロワーと呼ぶにはあまりにも個性的すぎたのかもしれないし、また参加メンバーの知名度がそこそこあったが故に「そうです」と認めて良いのかどうか、はたまた来歴を見ていると似たような音世界の創造も不思議ではないという気もするので一概に批判されることもなく、良い意味で英国的な評価をされたバンドなのかもしれない。それはセンスが良かったからかもしれないし、Led Zeppelin現役中のバンドだったからかもしれない。

 1975年にリリースされたParisというバンドの「Paris」。有名なところではFleetwood Macに在籍していた中心メンバーでもあったアメリカ人のBob Welchが結成したバンドでして、Jethro TullのベーシストやNazzのドラムを迎えている。どこでどうしてこういう音になったのか、アルバム「Paris」の冒頭からしてLed Zeppelin的なリフと楽曲の構成の仕方で面白い。エフェクトをたっぷりとカマしているので元々の歌声とかギターの音とかがどういうのかがよくわからなくなっていてスペイシーな感じにしている。それがまたどこか幻惑とさせる音で狙っているのかもしれないけど、かなりセンス良い。冷静に聴くと「Black Book」なんて「Black Dog」と同様だしさ、笑えるんだけどね(笑)。でもそういうのを聴いても結構楽しめる英米混合バンド。しかもバンド名が「Paris」なんてね。

 はて、当時はそれなりに売れたようだし、以降もBob Welchはそれなりの成功を収めているワケだからもちろんLed Zeppelin一辺倒なバンドではないです。普通にソウルフルなブルースが出て来たりチープなリフのポップ調な曲が出て来たりとアルバム「Paris」の冒頭2曲で驚かせてくれるようなイメージばかりではないところが狙いか。でもやっぱ全編にLed Zeppelin的なフレーズが垣間みれるのは面白い。これくらいが冗談っぽくて良いんだよな。

 後にリリースされたセカンドアルバム「Big Towne, 2061」ではメンバーも入れ替えて、音の方もがらりと変わったものになっているので果たしてどこに進みたかったのか分からないバンドになってしまっているが、少なくともこのファーストアルバム「Paris」でのインパクトと期待感は見事なものです。

Patto - Patto 1970

Patto あ、これもだ…、とふと気付いた。  今の時代ってどうなのかわからないけどアルバムジャケットって中身の音を想像するという楽しみを与えてくれるものだ。特にアートワークが秀逸だった70年代はね。だから今でも70年代のロックをジャケットで目にする時はワクワクするもん。  んで、何が?って…、いや、大顔面ジャケットだったのか、これも、って。どことなく黄色に落書きみたいに木霊みたいなのが取り憑いているっていう感じで見てたから顔っていう認識があまりなかったんだよ。しかも右上には水戸黄門の印籠のようにぐるぐるマークが付いているワケだし(笑)。

 アルバムリリースは1970年、Pattoのバンドとしてのデビュー作品でもあるのだが、最初からこんなジャケットで出てくる…ってか、まぁ、この時代のは皆そうなんだけど、そういうセンスって時代だよな。多分ね、70年当時には全然売れなかったのではないかとは思うのだがPattoというバンド自体は三枚のアルバムを残しているのでもしかしたらそれなりに需要のあったバンドだったのかもしれない。ま、でも、多分今の方が人気あるとは思うが(笑)。

 そんなキテレツなジャケットに包まれたPattoのファーストアルバム「Patto」だが…、大体バンドのアルバムってのは1曲目に割と自信作を持ってきたりするワケよ。デビューアルバムならそれこそがバンドの挨拶代わりの一曲みたいなもんだからさ。そこにこのPattoは…えらくねっちょりとした曲を持ってきていて、これがバンドの代名詞なのかよ?みたいな曲です(笑)。ところが、この挨拶代わりの「The Man」を聴いてですね、当然ながらそのまま聴き進めるとだ…、今度はもうちょっとねちっこいのが始まって、ヤケにギターの粘着性と歌のしつこさってのがハマってくるんですよ。特に自分的にはギター好きなのでこの粘着性ってのはツボにハマりまして…、はい、それで3曲目、4曲目とか進むともうオリー・ハルソールのギターの虜なんです。かっこよく書けばヤードバーズ後期のジミー・ペイジのような荒削りなギタープレイ。ありていに言えば70年初頭の英国ブルースロック界にごまんと表れた粘着性ハードロックブルースギタープレイの代表的な事例。そんなA面をネバネバに聴いて気にならない人はもう絶対こういう世界は受け入れられないと思う。好きな人はこの隠れたバンドPattoを追い求めることでしょう…(笑)。

 音世界はブルースロックとソウルフルなパトゥの歌が基本だけど、かなりラフでラウドなバンド。ヴァーティゴじゃなきゃいけないっていう音でもないけど、このラフさはやっぱりヴァーティゴかなぁ(笑)。この後、もうちょっと洗練されてセカンドアルバム「Hold Your Fire」がリリースされるけど、セールス面では全然失敗に終わってしまうバンド。自分みたいな後追いでの英国ロックファンは必ず好きなバンドとして挙げられる〜、今は割と人気あるバンドです(笑)。

Patto - Hold Your Fire 1971

 英国ハードロックバンドとして呼ぶべきなのかどうかと言うバンドも多々あって、それは皆ひとつのカテゴリーに収まりきらない多様なサウンドの塊のためなのだが、それこそが英国ロックの深みでもあり、また時代の産物だったワケだな。ん?んなこと毎回書いてるからもういいって?それもそうか(笑)。

 ってなことで、一見ハードロック的な仮面を被っているこのバンド、パトゥーだが、聴いてみるとよくわかるように何とも言えない音なのだ(笑)。う〜ん、このバンドの場合は音が云々と言うよりもボーカルのマイク・パトゥーのダミ声による圧倒的な迫力とその隙を縫って恐ろしい超絶テクニックを披露してくれるオリー・ハルソールのギターに耳が行ってしまうんだよね。そのヘンが面白くてさ、1970年発表のファーストから既にそんな感じになっているんだけど、やっぱり1971年発表のセカンド「Hold Your Fire」が良いかな。アルバム的なバランスが取れているっていうことが言われているけど、そうだね、聴いてみるとそんな感じ。ハードロックテイストとブルーステイスト=パトゥーの歌声、更にオリーのジャジーな…と云うか、レス・ポール氏みたいなカントリータッチのフレージングというのか、そんなギターが全編ではなくって要所要所で弾かれているっつうとこがバランス良いんだと思う。曲は別にそんなに良いとは思わないが(笑)。しかしマイク・パトゥーの歌声ってのは英国ロック界でもかなり個性的な声で、ロジャー・チャップマンとかポール・ロジャースとかロッド・スチュワートとか好きな人は結構イケるんじゃないだろうか?バンドの音そのものは大してハードじゃないけど、この人の歌を聴くと凄くハードに聞こえる、だからハードロックバンドとも云えるのかな。

 このアルバム、ジャケットがコミカルなデザインで変形ジャケ。デザインはロジャー・ディーン作なんだけどかなり意外だよね。で、しかもヴァーティゴからのリリースなのでマニア的にはこれも興味深いものなんだけど、ご存じギターのオリー・ハルソールは後にアランホールズワースの抜けた穴を埋めるべくテンペストに加入してそのテクニックを思う存分に披露していることからメジャーになった感じが強いようだ。この人もセッション活動盛んなのでアチコチに登場するよ。ケヴィン・エアーズあたりはもう定番だけどさ。アルバム自体は基本的に三枚リリースして解散、後にフロント二人はボクサーを結成して更にハードロックに特化したようなサウンドで勝負してくるけど…、やっぱりB級だった(笑)。

Patto - Monkey's Bum (1973)

Monkey's Bum マイク・パトゥーとオリー・ハルソール、この二人はまるで無名ながらもそれなりにグリマートゥインズ並のプレイとチームワークを実現していた二人なのだが、もちろん誰もそんなこと思ってないハズ…(笑)。どこのバンドでも誰かと誰かが一緒にやってたらそれが心地良くなって何となく「相棒」って感じになるんだよな。アマチュアでもあるし自分でもそう思うのはあるしもちろんプロでもあるだろう。認識されるかどうかの話なのだから、プロの世界はちょいと違うけど。ギタリストとしてのオリー・ハルソールは割とニッチなファンが多いのは面白くて、それは多分ケヴィン・エアーズとのセッションだったりこのパトゥーでのセッションだったりするんだろうなと。そしてPattoというバンドの最後の作品となった4枚目のオリジナルアルバム「Monkey's Bum」が正式に作品化していることをしったのがつい最近…、1995年に初リリースされていたらしいが、16年くらい知らなかったことになる自分(笑)。情けないですねぇ、こういう発掘モノって今じゃいっぱい出ているだろうからチェックしないといけないんだろうけど、そんなチェックしないしね、それもあってブログ書いてて発見するとか他のブログで発見するとかいうのは有意義なことなのだった。

 1973年に録音されたPattoの4枚目の作品「Monkey's Bum」は当時はお蔵入りになってしまって未発表のままだったらしい。それが1995年にリリースされたらしいが…、やや眉唾で聴き始めたんだけど…、これは名盤だった。これまでの三作も名盤として静かに人気のあるバンドなのだが、この「Monkey's Bum」は過去三作よりも名盤なのでは?と思えるくらいにパトゥーらしさが出ているしオリー・ハルソール節も絶品状態で正にジャジーなフレーズとロックとを織り交ぜた職人芸の成せる業とも言える音世界が繰り広げられる。ムーディな曲からロックからこれジャズじゃね?みたいなのとか美しいのからかなり高尚なレベルにある作品だってがわかる。コレ、結構ハマるよな…。またPattoのアルバム全部聞き直さないといけない…。

 しかしカッコ良いです。何で未発表のままで置いておいたのかがわからないくらいに完全に出来上がった作品群でして、ホーンセクションも入ってきたりジャジーに攻めたり白熱した歌を聴かせてくれたり、途中ではドアーズのジャズハードロックバージョンととも呼べるオリジナルな楽曲「Get Up And Do It」なんてのがあって、最高にカッコ良い。このヘンの音の豊富さがパトゥーの面白いところなんだけど、如何せん歌が英国的すぎて弱いと感じるかもしれない。後はアルバム全体のミックス感かな、もちっと迫力あるミックス感で聴かせてくれたら更に素晴らしくなるのだが、それでもこんな作品が陽の目を見た事自体を喜ぶべきであって、まだまだ出会ったばかりだからこれから満喫していこうと思うアルバムです♪

Plastic Penny - Currency 1969

Currency あのラリー・ペイジが仕切っていたレーベルにPage Oneというものがある。ラリー・ペイジを有名にしたキンクスのアルバムについてはPage Oneレーベルからリリースされることはなくってもっとマイナーな実験的バンドがちまちまと在籍していたレーベルなのだが、何かと耳の肥えた人だったことに間違いはなく、出てくるバンドは何かと秀逸なバンドが見つかる。そんな中のひとつでもあるPlastic Penny…、Octpusの「Restless Nights」のプロデュースをした人物の在籍していたバンドでもありますね。

 1969年リリースのセカンドアルバム「Currency」が割と有名…だと思う。サイケとかポップとかというよりももっとロックしている…こんなジャケットのくせに(笑)。2曲目の「Hound Dog」なんてのはあのプレスリーのカバーっちゃあカバーなんだが、思い切りブルースロックにアレンジし直していて、普通に聴くと何だかわからんけど重くてエグイ音だなぁ〜っていう感じ。アングラ的な重さがあるサウンドなのでちょっと珍しいかな。他の曲にしてもオルガンとギターで割と重めに作られていて意外と軽さがない。決してサイケデリックなポップバンド的なモノだけではない。奏でられるメロディは割とポップでキャッチーなんだけどしっかりベースが重いんんだよ。さすがにトニー・マーレイの才能が光りまくってる。そういうのがはっきりとわかってしまう楽曲が多いんだよね。

 んでさぁ、調べてると面白くって…、Plastic Pennyって元々ブライアン・キースというソロシンガーが結成したバンドだったんだけどファースト「トゥー・サイズ・オブ・ア・ペニー」をリリースしてしばらくすると抜けてしまって、それでも頑張るってことで残ったメンバーが制作したのが本作「Currency」でして、リードシンガーなしでもこれだけのアルバムが作れたっつう事実はよかったものの、やっぱり活動継続は難しかったらしい。んで、面白いのは余談なんだけど、Plastic Pennyに在籍していたドラマーのナイジェル・オルソンはエルトン・ジョンと一緒にやっていることで有名らしいが、実はユーライア・ヒープにも一時期参加していたらしい。う〜む、英国史は深いわ…。そう考えるとユーライア・ヒープの源流の一つでもあるワケで、色々なところで絡みまくるんですなぁ、このバンドも。

 そう言われると所々でオルガンメインになったベタなハードロックってのも聴けるワケでして、Plastic Pennyってそういうバンドだったのか…とまた聴く角度が変わってしまった(笑)。表現しにくい音だったけど、ヒープを例に出すと例えやすい音というのは間違いない。

Please - 1968/69

Please 1968-69 いやぁ〜、棚を漁っているととんでもないものが発掘されるものだ(笑)。果たして何だっけこれ?って思いながらプレイヤーで音を流すと、滅茶苦茶かっちょよい音…。うわぁ〜好み〜♪ なんてのが出てくると嬉しくなってしまうね。大物バンドとかだとそういうの全部覚えてるからいいんだけど…、B級くらいだとまだ記憶にあって、好きなアルバム♪なんてしっかりしてるんだけど、そこから先…、いいなぁ〜と当時思ってもなかなか深く聞き込まないとか、資料的に集めてきたアルバムとかなんてのはふ〜む、ってなもんで深追いしていなかったり。あぁ、そういう音楽の聴き方はいかんのだ。しっかりと制作者の思いを汲み取って聴かなければ、と思うのだよ。なので、こんだけ毎日聴いたり書いたりしてるんだけど(笑)。

 本日の大発掘音源はこれ、1960年代末期にどういういきさつでは、果たしてアルバムなんてものも存在したのか、よくわからない…、多分オリジナルアルバムという形では出てないのではないかと思うのだが、それなりに曲があるので全部シングルというワケでもないのだろう…。不明。エヴァ姉さんところが日本で一番詳しく書いてあるのでオススメ。背景はそこにお任せします♪  プリーズっつうバンドで、ピーター・ダントンっつうドラマー兼ボーカルさんがいらっしゃるのでT2的な前身バンドとして捉えられるが、Gunのエイドリアン・ガーヴィッツさんも参加しているのでGunとも絡む…。ベースのバーニー・ジンクスさんから見るとブルドッグ・ブルードっつうバンドも絡んできて、そこにはT2のギタリストキース・クロスもいるっつうワケで…。まぁ、仲間内であれこれととっかえひっかえ試しに色々な音をやってみたってトコなんかな。このヘンの背景は線引きをアルバム単位でするのも難しいのでまぁ、音で判断すれば良いじゃないですか、ってとこか。

 多分CDで手に入るのって「Please 1968-69」と「Seeing Stars」だけなんだと思うが、「Please 1968-69」の方が面白い。いや、どちらも似たような音、サイケ調のハードロックでふわふわしていて、アシッド的感覚が散りばめられていて未熟なアレンジのくせに浮游感が堪らない…それもこれもダントンさんの歌声のおかげが大きいか。かたやかっちょよハードロックもあったりするので、もう実験的要素が強くって、でもそれ、アングラな世界じゃなくってやってるってのかな。ポップな側面は多分に持っている。

 もの凄く驚いたことにそんなメンバーの背景だから当然なんだけどT2のアルバムの3曲目に入っている「No More White Horses」はこっちがオリジナルです。3分半のちょこっとお茶目な良い曲っていう感じで入っているんだけどT2になってから再度持ち出してクローズアップしてアレンジしまくってあんなにかっちょいい音に仕上げたっつう…、他の曲も同様の手法を用いたら全く別のハードロックバンドとして生まれ変わるんじゃないか?ものすごいセンスだよ、それ。そういういきさつでウチにあったのかと納得したけど(笑)。いやぁ、ほんとにアレンジ施したら凄くなりそうな感じの曲が多い。「Strange Way」とかさ…。

 うん、多分、背景もあるけどプリーズというバンドの音自体で最高にかっこよい英国らしいバンド。明るい曲調ばかりではあるけどやっぱり湿ってる。で、センスが抜群。ブルドッグ・ブルードの方も合わせて聴いてアングラなバンドのファミリートゥリーを解明しながら音を聴いていくのも面白いし、それなりの価値は十分にある名バンド。いやぁ、この手のバンドでは久々に何度も聴いてハマりまくったね。

Presence - Presence 1970

 多分ほとんどの人が知らないであろうバンドというものはいくつも存在するし、ましてや英国のフォークを得意とするバンドなんてのは一般のロックファンの基準からしたらさらに知らない世界となるに違いない。まぁ、かと言って自分はどこから情報仕入れているのかっつうのも不思議なんだけどさ(笑)。入手して聴いてみてから初めてあちこち調べてみるという聴き方もあって、ギャンブルだけどなかなか楽しめることもある。そんな一例がこのバンド、プレゼンス。

 1976年リリースの唯一の作品。ややこしいのはさ、ネットの検索で「Presence」1976年と入れると山のようにZeppの「プレゼンス」が出てくるんだよ(笑)。なので情報調べること自体が大変でして、もうひとつ二つのキーワードが必要ですな。それには紅一点のボーカリストヴェロニカ・タワーズ嬢のお名前を入れてヒットさせるっていうことで解決、かな。もっとも裏ジャケに載ってるくらいでしか見たことないのでよく知らないのだが…。どっちかっつうとバンデル兄弟のバンドとして探した方が早いかも。

 なんだろなぁ、基本的にはもの凄くメロウなフォークバンドでもちろんヴェロニカ嬢の歌も良いんだけど、この人はどっちかっつうとロック系の歌を歌う方が似合っているので、純粋なフォークバンドってのでもない。しかも半分以上の曲にやたらとパーカッションの音が入っていることでわかるようにフォークを底辺としたごった煮ロックを展開したかったのかもしれない。1976年という年に純粋たるフォークバンドで英国から出てくるってのもなかなか考えにくいし、まぁ、ちと変わったフォークバンドみたいなところで出てきたのかもね。うん、だからパーカッションの不思議さを除けば割とメロウな純然たるフォークサウンド中心の音で美しいことに変わりはなく十二分に楽しめる。ちょっとシンプルすぎるキライはあるけど、ま、フォークらしい。

 トラッドの香りはあまりないです。トラッドとフォークって分けて聴いてるワケじゃないけど、もっと純然たるフォークのバンドとして認識してもらえれば良いのかな。このバンドってあんまり紹介されることもないし、英国フォークを語る本でも出てこないこともあるのでかなり珍しいバンドみたい。まぁ、1976年デビューつうのもあるだろうけどね。悪くはないよ。アマゾンでも探せないから入手方法不明だが(笑)。

 ただこの主要メンバーバンデル兄弟のIvorとKevanは二人で今でもユニット組んでいくつかの作品をリリースしているみたいだし、ヴェロニカのソロ作品でも共演してるようなので割と玄人向けのミュージシャンかもしれない。