Natural Gas - Natural Gas 1976

Natural Gas しかしブログ書く人ってホント減ったな〜、何か調べようと思ってググっても個人のブログ記事みたいなのは全然出てこなくなってるし、かと言って他の情報ってのはほとんど共通だったりする宣伝文句とかで肝心の情報が手に入らない。皆どうしてるんだろ?誰が叩いててプロデュースは誰だ、とか表面上わかりにくい情報とかね。アマゾンとかのレビューだけがそれらしい情報だけど角度がそれぞれ異なるからどうにも基準がわからないこともしばしば…、まぁ、そこまで必要ない時代になっちゃったのかもしれないな。

 マーク・クラークがベース弾いてるってことで名前が出て来たので、へぇ〜って思って聴いてたNatural Gasの1976年唯一作「Natural Gas」。昔アルバムジャケットを本で見ててカッコイイのかもな…って思ってたけどレコードなんて見つからなくて忘れてた一枚だ。メンツはバッドフィンガーのジョーイ・モーランド…中心になるのかな。自分的にはバッドフィンガーって全然位置付け低いんでよくわからん。ベースにマーク・クラーク、ドラムに元ハンブル・パイのジェリー・シャーリー、鍵盤にピーター・ウッド…知らん(笑)。そこそこブリブリな濃い音が出て来るのかと思ったけどやっぱりジョーイ・モーランドの趣味バンドなんだろう、キャッチーでポップなハードロック調なサウンドがメインで当時人気のBay City Rollersの流れを組んでるのかねぇ…パワーポップってのかそんなのから始まって、そりゃ聴きやすいしノリやすいし割りと良いんじゃね?って感触。それならアルバムジャケットもアイドル的に作れば良かったのにね。

 ただ、こういうのって嫌いじゃないな。Cheap Trickなんかもそうだけどハマると面白いし、そういうナンバーが多けりゃ楽しいし。そうそう、このアルバムってプロデュースがフェリックス・パッパラルディでさ、お墨付きだったらしいが、ホントにそれで良いのか?って(笑)。何だろな…当時リアルで聴いてりゃ結構好んで聴いてた気がするけど後追いで聴くとそこまで聞く回数が多いアルバムになるわけじゃなくて勿体無いトコあるが、どっか惹かれるとこある。

Nazareth - Hair of The Dog 1975

Hair of the Dog さてさて再生を果たしたガンズ&ローゼズのアクセル・ローズはナザレスやハノイ・ロックスからの歌い手としての影響を公言していたらしいけど、自分的にはもちろん記事などは読んだことないのでどんな感じで言っているのかよくわかんない。まぁ、歌い方とかはナザレスってことでファッションはハノイって感じだろう。先日バッジーが出てきて、どうにも英国ハードロックの旗手でもあるけどB級的という感は拭えなくてね。同じような感じを持っているのが自分的にはナザレス。バッジーよりも少し格が落ちるけど、逆に格が上だと言う人も多いと思う。

 1975年にリリースされた、多分一番商業的にヒットしたアルバム「Hair of the Dog」だと思う。英国よりもアメリカやカナダで人気を博した、と聞くことも多いし、シングル「Love Hurts」も大ヒットと言うことでメジャー扱いの部分もあるとか。まぁ、そんなバンドの一番脂の乗った時期の作品なので、ジャケットの不思議な迫力と共に楽しみたいね。

 …っていう期待を込めて昔から何度も挑戦したアルバム。今聞くと普通にB級(笑)。単調なリフやコード進行に素晴らしいダミ声のボーカルが絡む。更にギターは雰囲気ばっちりのプレイをカマしてくれるのでもちろん悪くない作品で、傑作と呼ばれるだけのことはある…が、今何回も聴くか?ってのはちょっと疑問。しょうがないけど。作品としての完成度ってんじゃなくてバンドとして打ち出す指向性としてはきっちりと出したっていうとこかな。ただ他人のカバー曲も含めて自分達なりにアレンジしてモノにしているってのがこだわりなんかな。

 やっぱり長く続けているとそれなりにファンも付くワケで、今でも活動しているが故に圧倒的固定的ファンが多数存在しているバンド。ハードロックをやり続ける姿勢も凄いし、このアルバムはやっぱり金字塔のように燦然と輝く名盤ですな。

Nazareth - Expect No Mercy 1977

Expect No Mercy  Nazarethの1977年の作品「Expect No Mercy」。もう既にこの時点でアルバム何枚目?ってくらいにリリースしていたバンドで、この「Expect No Mercy」がオリジナルメンバーが揃ってた最後の作品らしい。1971年から活動してるんだよねぇ…、そんなに長いキャリアのあるバンドなんてのは知らなかったし、名盤と言われる「Hair of the Dog」あたりしか聴いてなかったから全然きちんと取り組めていないバンドのひとつだった。何枚か何度となく聴いていると、ちょっと面白いかな…なんて判ってきた部分もあったりしてたまにつまみ食いしていたバンドだけど結局全部は未だ聴いてない。ってこともあって、この1977年という時代にリリースされた気合の一発の作品「Nazareth - Expect No Mercy」をじっくりと聴いていた。

 一言で言うと何ともチープなハードロック。気合と根性は思い切りハードロックなんだが出て来る音はホントに可愛げのあるロックな音で、ましてやこの時代だからこんだけハードなのが精一杯だろう、KISSが頭の上にいる以上、それ以上のインパクトはなかなか出せないと言ったところか。ただ、愛らしい部分が多いから根強いファンは多いだろうな、ってのは分かる。AC/DCみたいなボーカルスタイルがあったりSweetみたいな所あったり、Cheap Trickだったりとなかなかあなどれないスタイル…以前はそんなでもなかったんだけど時代の産物ではあるのだろう。案外面白い作品です。全体的にディスコを反映したリズムってのは正に時代だね。

Nazareth - Razamanaz 1978

Razamanaz 王道ロックがあるからにはその下を支えてきたB級ロックというものが存在していたはず。それは王道が最先端を引っ張るべきクリエイターならば、B級野郎達は今できることをひたすらやる、即ち現状維持、進行系と言うスタンスとでも言えば良いだろうか。クリエイターと言うよりも街のチームリーダーって感じかね(笑)。いや、何が言いたいかっていうとそういうチームリーダーさん達が一生懸命やってることからロックの安直さってのは面白くなっていて、誰でもできるロック、という図式が出来てきたんだと思う。故にそれはパンクの台頭という更にひとつのムーヴメントになったワケで…、いや、それこそロックだよ。

 そんなことを夢にも考えていなかったけど、結果そういうバンドに祭り上げられてしまったというバンドは非常に多いだろう。今回挙げるナザレスもそんな一端を担うのかもしれない。いや、滅茶苦茶かっこよいぜ、このバンド。1971年英国のマニアには有名なペガサスレーベルからデビューしたバンドで、レーベルカラー通りに結構不思議な音、しかもアコースティック系の音だったりして決して後のハードロック的な音ではなかったのだが…。セカンドアルバムは1972年に、これもロイ・トーマス・ベイカーのプロデュースで制作したものの全く中途半端な音世界で大人の音を奏でていたものだ。しかし、そんな折りにディープ・パープルの前座でライブを行うことになり、ロジャー・グローヴァーの目に留まり、三枚目となった「Razamanaz」のプロデューサーとして名を連ねることとなる。しかも世紀のハードロックアルバムとして生まれ変わったナザレスの仕掛け人として、だ。

 そんな経緯があるアルバムだけど、コイツはとにかくかっちょよいぞ〜!思い切りハードロックなギターサウンドにダミ声ハイトーンのボーカルで、単調なベース…いや、大まかなフレーズしか奏でないベースにこちらもまた大技でしか叩かないドラムスというリズム隊の大雑把さが良い味出しているのかな(笑)。曲はカバー曲も多くて、自分達なりにハードロックにアレンジしていて、それがまたかっちょよいんだ♪ そして思い切りフレーズ的にはロックンロールがベースになっているので、グルーヴの良さもさすがなモンで、実にかっこよいハードロック。重くもなく、軽くもなく、激しすぎず、ソフト過ぎず、音も詰め込み過ぎていないし、ホントに聴きやすいのだ。リフの良さとか曲の良さとかっていうよりもストレートでシンプルにハードロックやるとこうなる、って感じで今でも誰かがカバーしたら結構かっこよくなるハズ。

 英国ハードロックバンドの中ではなんだかんだと結構長寿のバンドでちょっと前まで活動していたと思うんだけど、今はどうなんだろ?アルバムもそんなに枚数多くないけど「Razamanaz」以降は同様にかっこよいのが続くので割とオススメ。ドラマティックなのとかもあるしね♪

Necromandus - Orexis of Death 1972

Orexis of Death Plus ロックはブルースの子供だ、さて、その後にはブルース色のまったくしない音も多数出て来ているし、ブルース系だけがロックでないことも知ることになったが、それなりにルーツはあるのだろう。ただ、やっぱり突然変異と言うかオリジナリティ豊かな音が多くて、ルーツを簡単には表せない、強いて言えばビートルズかもね、位のバンドは多数ある。さらにメタル系になるとサバスとかヒープとかあれど、今じゃそこまでのルーツでもなく、メタリカとかに源流があるくらいだ。そんなシーン全体が惹きつけるリスナーの数は相当なもので、世の中の大半がこういう音楽を聴くことを趣味としている、しかも年齢幅を広げながら。自分なんかはニッチな世界の住人だから世間一般と話し合わなくて大変なんだけどさ(笑)。

 1972年にトニー・アイオミのプロデュースで録音して、ヴァーティゴからのリリースも決定していたにも関わらずバンドが解散しちゃったってことでアルバムがリリースされることなくヴァーティゴの欠番アルバムとして名高くなってしまったNecromandusってバンドの作品「Orexis of Death」。そんな経緯だからアルバムプロダクションはもちろんその当時のレベルでの音だから何の問題もなく聴ける。1996年頃にCDでようやく陽の目を見たアルバムらしいが、その頃は自分も知らなかった。後でへぇ〜って話で聴いたのが最初かな。色々と漁ってると出て来たんでちょいとご紹介。

 昔サバスと一緒にツアー回ってて、その時にトニー・アイオミと知り合ったようで、ヴァーティゴってのもプロデュースってのもそのままだし、更にはオジーに影響を受けまくったようなボーカルスタイルもそのまま出ている。もうちょっと野性味ある情感的な歌い方だけどね。音は一概にハードロックとも言えないけど、かなりこなれたハードなセンスを用いたロック、この頃の英国ロックで、ややサバス系に傾倒している節はあるもののそれだけでもなくきちんとヴァーティゴらしい音してる、とも言えるか。ジャジーなサウンドも出て来たりするし結構器用なのかも。何度か聴いていくと味が出て来る部分はあって、この手の音が好きな方は結構上位に位置する音になるんじゃないかな。

Neil Ardley - Harmony of the Spheres 1979

Harmony of the Spheres by ARDLEY,NEIL (2014-08-12) 【並行輸入品】 久々にちとマイナー所までハマってみたけど、ジャズ・ロック系ってあんまり手広く聴かなかったかも。特に演奏中心で軽やかなのは苦手だったし…、今でも得意じゃないけど、まぁ、聞けるからいいかってくらい。アレコレみてて、ふ〜ん、そうか、こんなのもあったな…とまるで記憶に無い一枚を聴いてみることに。そういう意味でライブラリと自分でなんとなく残っている記憶や知識は役に立つのか立たないのか…(笑)。

 Neil Ardleyって英国の人知ってる?Nucleus一派の方で云々…、まぁ、ジャズ・ロック畑の人の1979年の作品「Harmony of the Spheres」で、ジャケットだけは何かの本で見てたんだけど実際に聴けたのは相当後になってからだった。ジャケットの記憶だけで手にしたんで聴いて驚き、全然面白くないじゃねぇか、とそのまま放置。そんな一枚なので期待もしてなかったんだけどね、フュージョン系を経由して聴いていると、なるほどそういう感じなのかな、なんて思う。ああいう華麗で華やかなインスト系の作品じゃないけど、やってることは割とそれに近い雰囲気。でも1979年だからもうそういうのからはやや離れてきてて、そういう音世界も取り込みながら独自のインスト世界へと突入している感じか。白熱したインタープレイとかってのじゃなくてきっちりと出来上がった聴きやすいジャズチックなサウンド、とでも言うべきか。アンビエントまではいかないしね。

 シンセを中心としたジャズ、みたいな音世界と言うのが良いのか?それでもギターもきちんとフュージョン的に鳴っているし、ジャケット通りにスペイシーな雰囲気もきちんと出ているし佳作ではあると思う。ただ悩ましいのは何度も聴かないだろうし、聞き所って言えるような箇所は自分的にはあまり見当たらないってトコか。こういうのはホント聞き所がないと、またメロディがきちんと楽しめるとかいうあたりがないと難しいよね。ミュージシャン側の満足度は高いのかもしれないけど。英国ジャズ・ロックの不思議な作品としてはかなり特異な位置にあるのは確かだろう。

Nektar - Down To Earth 1974

Down to Earth  英国のバンドって時に英国よりもドイツで売れることが多かったり、ドイツで修行するとかいうのもあるよね。まぁ、それは言わずもがなのビートルズだったりするんだけど、どこかドイツと通じるモノがあるのかな。スティームハマーなんてのもドイツで人気のあったバンドだと聞くし、スティースミルに至ってはドイツでしかアルバムがリリースされなかったとか…、このバンドも面白いハードロックだったのでそのうち、ね(笑)。

 さてさて、同じようにドイツでは結構成功していた英国人バンドとして有名なモノにはこのネクターっつうのも入ってくるでしょう。1971年から77~78年くらいまで活動していたのかな、思い切り70年代のど真ん中をドイツで築き上げていた英国のバンド。変わった視点を持っていたのかもしれんなぁ…。音的にはなんだろ、基本的にハードロックなんだがやっぱりプログレッシヴな展開があったり、軽めの組曲があったりと割と器用貧乏というか、何でもできるみたいな所があるバンド。言い換えればその場その場で変化に対応していったバンドとも言うべきか。

 で、アルバム的には何が有名かと言うと、非常に困る。多分「リサイクルド」っつう5枚目のアルバムなんじゃないかと思うのだが、これは多分プログレッシヴ的展開が好まれて話題になる場合で、バンドの本質かどうかはわからん…。好きだけど(笑)。で、その前に出ていた全く同じバンドとは思えない程異なった音を出している「Down to Earth」という駄作と呼ばれている作品があるのだが、これが実は自分的に最初に聴いて面白いなと思ったアルバムだったりするのでちょこっと書いてみようかと。ここからあちこち聴いたから他のアルバムがカラフルじゃなくて意外だったんだよね。

 サイケとは言わないけど、アルバムコンセプトがサーカス集団なのでそういうカラフルさがあった。曲にしても賑やかで楽しくするホーンやコーラスなんてのもいっぱい入ってたり、そもそも曲自体が明るくてとてもドイツ人には受けないだろうっつうくらいのものだ。だから故にアメリカ志向と言われるのだろうが…、うん、それくらいポップで賑やか。でも決して聴きやすいっつうのではないのが面白いね。他のアルバムではやはりジャーマン的音楽という側面は持っているバンドなんだけど、このアルバムはそれが薄いからね。そんなバンド。音的にはハードロックっつうのでもないしプログレっつうのでもないが…、かと言って英国的っつうとやっぱりドイツも入ってるし、みたいな(笑)。アテにならんレビューだなこれ。マジに書きにくいバンドです。

The Nice - The Thoughts of Emerlist Davjack 1968

The Thoughts of Emerlist Davj.  いつまでこのヘンのロックネタがあるのだろう?お付き合い頂いている読者の方もそれぞれに多種多様聴いているだろうし、このヘンのロック好きな人も多いとは思うんだけど、こんだけ書いててもまだなお書いてないや、って思うものが多数ある。そりゃ全部のアルバム書き切れない程のレコードがリリースされているんだから当たり前だけど、70年代くらいまでならまだ自分のテリトリー内なら大丈夫だと思ってたんだよね。んでも、まだまだどんどん出てくる…、それから40年以上経ってて、どんだけアルバムってのがリリースされてるんだろうな。

 Nicoからは一文字違いってだけで聴いてたThe Niceの「The Thoughts of Emerlist Davjack」。1968年リリースのThe niceのファーストアルバムで4人編成時代、もちろんキース・エマーソンのオルガンは普通に鳴ってます。ここではまだギタリストのDavid O’Listもいるので、ギター対鍵盤の構図が聴けるのがかなりポイント高くて楽しめる。音楽的には基本サイケ時代なのでそんなエフェクトやら音楽やらで構成もそんな感じなのが多いんだけどさ、かなり上手いから聞きやすいしロックしてるんだ。ギターの音色もこの時代特有のファズギターで割と好みなのでキース・エマーソン云々に囚われずに聴けるのがありがたい。鍵盤だけでロックできちゃうエマーソンではあるけど、こうして対等にギターが鳴ってる中でのエマーソンなんてそうそう聴けないしね。

 アルバム全編を通して言えるのは慣れもあるからだろうけど圧倒的に「Rondo」ですな。EL&Pになってからもライブ定番曲だったし、エマーソンの傑作なんだろう、それがここではギターとのバトルらしきものも入ってて、もちろんファズギターによるバッキングも入ってての思い切りロックチューンに仕上がってるのが斬新。この時代のこの音はかなり強烈だったんじゃないだろうか。やっぱりエマーソンが大人しいと言えども、圧倒的な存在感です。昔はそんなに面白みのないバンドだと思ってたけど、今聴いてみると何かとんでもないバンドの予兆がたっぷりとしてて、EL&Pの整然とした音とは異なるぶっきらぼうな部分もあっての楽しみが良い。EL&Pを待たずしてもこのあとThe Niceからこのギタリストは抜けてしまうのだから、このアルバムはかなり貴重な瞬間を捉えているということか。

The Nice - Nice 1969

Nice そういえばグリーンスレイドとかレア・バードとか聴いている時に、鍵盤ロックって言えばEL&Pとかナイスだろうなぁ…なんて思っていたんだっけ。すっかりとコロシアム関連の方に流れていってしまい、その楽曲と演奏レベルの高さに熱くなってしまったので、そのまま進んでしまうところだったのだが、ちょっと前に戻ってギターレスの鍵盤ロックの代表格でもあるEL&Pはともかく、その前のザ・ナイスについては取り上げたことがないのでちょこっと聴いてみよう〜。

 1969年にリリースしたナイスの三枚目のアルバムにしてセルフタイトルとなった「Nice」です。邦題はちょっと安直だろうという気がするのだが、まぁ、聴いた印象がそうだったんだろうね。やっぱりキース・エマーソンの存在が目立ち始めているし、っつうかそれなくしてバンドが成り立たないだろうから、ってのはあるが、割とリー・ジャクソンのベースも存在感たっぷりで面白いな。この二人の柱がナイスの肝だろうけど、キース・エマーソンってベーシストは好きだよね、きっと。リー・ジャクソンってこの後ジャクソン・ハイツっての作って何枚かアルバム出てるし、あんまり覚えてないけどまた聴いてみるかな…。

 さて、ナイスとしての三枚目にして「Nice」というタイトルでアルバムリリースなので自信ありきだろうが、その自信通りに完成度の高い楽曲群がアルバムを占める。スタジオ作品が4曲、ライブ収録が2曲ってことで後にEL&Pでも定番になる「Rondo」なんてのはもう最初からあのまま(笑)。ナイスもEL&Pも関係なくエマーソンの世界ですねぇ。スタジオ作品の方も、かなりハイレベルで面白いアプローチが聴けます。個人的にこういう鍵盤ってのはわかるけど好みではないので避けていたってのはあるなぁ…。なんでだろ?それでもライブ盤の方になると血が騒ぐんだよね。かっちょよいもン。多分躍動感が好きなんだろうと思う。これこそエマーソン!っていう走り方。ナイスでもこういうライブやってたってのがよくわかる作品。

 この後しばらくしてからEL&Pになるんだけど、まだまだクラシックとの融合や名作アルバム「Five Bridges」なんてのもリリースするんだから過度期の作品として楽しめる一枚だ。

The Nice - Elegy 1970

Elegy Apple信者なのでiMacとiPhoneでWifi接続してたんだけどこないだOS上げてからそれが上手く行かなくってさ~、ケーブル接続してるんだけど面倒で面倒で。Wifiとか無線とか慣れちゃうとやっぱ戻るのってなかなか出来ないよね。多分テクノロジーってそういう部分あってインフラに関しては戻れないから怖い。アナログの良さとかもあるのは当然だしデジタルや進化の産物もあるからどれも自分なりに取り入れていければ良いなとか。音楽を聴くってことに関しても聴くだけ、ってのとじっくり聴き込みたい、ってのと物質的に所有しておきたいとか色々あると思うんだよね。適度に聴くのはデジタルDLでも全然気にならないし、その方が良いけどやっぱり気に入ったのは持っておきたいし…ってなるが、実は持っているって方が聴きにくいというこの時代もまた困ったもんで…好きだからフィジカルなモン持ってるのにそれを見ない聴けないってのはねぇ…単なるコレクションはもう止めにしようと思ってるから聴き倒したいんだよ、本音は。ただ、なかなか…ってのが現実で結局そこまでじゃない聴きやすいモノをどんどん聴いちゃうワケ。何かおかしな日々が続くな(笑)。

 ガラリと変わってNiceというバンドの最終作「Elegy」。最終作ってかレーベルの意向による寄せ集め的な音源のようだが、自分的にはそんな事全然知らなくてナイスというバンドの中で一二を争うレベルの名盤と思ってた。まぁ、やっぱり「ファイヴ・ブリッジズ」の方に軍配が上がるよな~ってのは昔から思ってたけど、この「Elegy」というアルバム、そうか寄せ集めだったのか…、それでも凄いなぁ…。冒頭から目一杯クラシカルなキース・エマーソンのピアノが全編に渡り跳躍飛躍活躍していて、そのためにあるような曲。その他の全ては飾りでしか無いっつうくらいの出来映え、それがしかも全編に渡って繰り広げられているから明らかにこのNiceと言うバンドの主役がキース・エマーソンだったってことも明白。そしてそれぞれのメンバーの力量の違いも歴然としててなるほどキース・エマーソンがあっちに向くはずだみたいなのも見えてくる。

 しかしホント色褪せなくて輝き続けている作品だと思う。クラシック的なアプローチだから余計にそう思うのかもしれないし、ピアノという楽器が色褪せないからそうなのかもしれない。などなど、自分的にやっぱりこのアルバムの極め付けは「America」になるんで、今度は鍵盤のプレイになってくるんだけど、EL&Pでのハードさと比べるとやっぱりまだまだ稚拙と言うか突き抜ける楽曲…プレイに仕上がっていなくてもどかしさが残る。だからこそEL&Pでの再演なんかは満足できるレベルなんだが、そんなNiceと言うバンドが無きゃ実現しなかったワケだし、そんな違いもまた楽しめるし、何よりもこの「 Elegy」ってアルバムが全編かなりキラキラしてて楽しめるのが良い。久々にプログレ聴いてるけど、そうそうこういう面白さがたくさんあったからハマったんだよな…と思い出した(笑)。

Nice - Fillmore East 1969

フィルモア・イースト1969(紙ジャケット仕様)  Niceのライブアルバム「Fillmore East 1969」ってのがいつの間にかリリースされていて、鍵盤繋がりで良いね、ってことですが…、正直言ってNiceってそんなに好みな音でもなかった気がしたし、どうだろうな、なんてのもあった。ところがですね、まぁ、曲順が良かったんだろうか、最初の「ロンド」のパワフルなオルガンにイチコロでした(笑)。ロックってのはさ、こういうモンだろうよ、と。ギターガツン!もいいけどさ、こういうのって出来ないだろ?ってくらいにオルガンがハードにウネリまくっててさ、無茶苦茶ロックなワケよ。クラシック畑の教祖でもあるのにこんだけロック、しかももうNiceも末期だからエマーソン先生も好き勝手に弾きまくり、正にワンマンショウと言わんばかりのライブステージ。強烈にカッコ良いです。

 ところが、当然ライブなのでアルバムとはアレンジが違ったりヘヴィだったりして、激しいオルガンプレイだけでもなく、ジャジーに攻めたり歌ったりとなかなか大活躍、いやいやいバンドとしても結構なアンサンブルなんじゃないかなぁ、弱さはあるけど、結構こういうのは好きだね。エマーソンからしたら物足りなかったんだろうけど。60年代の音だしねぇ、今の時代じゃ出れないよ、こんなのって思えるけど、それがこの時代の良さだ。そして自分たちを信じてのライブパフォーマンス、没頭して聴くべし、ってとこだ。

Nick Drake - Five Leaves Left 1969

Five Leaves Left トラッドフォーク系のレコードって探しにくかった。レコード屋行っても大抵英国ロック系とか探してるワケで、レア盤屋さんに行っても英国モノは割とあるんだけどトラッドフォーク系となるとコーナーが少々あるか?くらいしかないトコもあって、そんなモンだし、フォーク系ばかり集めていたレコード屋ってあったんだろうけど、自分は行かなかったかなぁ…、神保町辺りに何とかって珍盤屋があって、そこは色々置いてあったなぁ…と記憶しているくらい。自分の知識も深くなかったのもあってあまり記憶にないが、多分行くところに行けばあったのだろう。おかげでジャケットだけ覚えてるけど、っていうアルバムもたくさんある。

 1969年のニック・ドレイクのデビュー・アルバム「Five Leaves Left」は聴いてみたい人の作品のひとつだった。そりゃもちろんアチコチで話題になってたからって程じゃないけど、何となくアングラ的な世界でカリスマ…ってか若くして亡くなってしまった不世出のシンガーみたいな風潮があったからかな、聴いてみたかった。でもさ、全然無いワケ。で、いつものように忘れ去っていた人ですな。今の時代DLでもYouTubeでもCDでも簡単に手に入るんだからラクな時代です。それにしても本作「Five Leaves Left」ってのはデラックス・エディションまでリリースされてしまう程のアイテムになっていてちょいとびっくりだ…。

 聴きながらのお話だけど、何て繊細でシュールでソフトなアルバムなんだろ…。オープニングの曲でこそちょっとだけ明るくてリチャード・トンプソンのギターが鳴っているので、おぉ、これは|って思ったけど、その辺が出て来ない楽曲辺りだともう…繊細で繊細で…、こんなに弱々しいアルバムもそうそうないんじゃないか?ってくらいで聴いてて辛い…。ただ、コレ、芸術肌の人には凄く染みるだろうなぁ…と思う。ってか聴いてちゃいけないんじゃないかってくらいに胸に刺さる。ジョン・レノンの刺さり方とはまた異なる、弱さに同調しちゃう繊細さと言うか…、ハマる人が多いのわかる。よくこんな人がミュージシャンなんかになっちゃったもんだと。極端に言うならばシド・バレットの2歩手前くらいにいる人なんじゃないだろうか?

Nobody's Business - Nobody's Business

Nobody's Business (W/Dvd) 英国のブギバンド、Nobody’s Business、実はスーパーセッション的なバンドメンバーによる一枚「Nobody's Business 」なんてのを。1978年リリースで、まぁ、英国のその辺のバンド名を知ってる人しか知らないであろうメンツが揃ってる、けど、当時これ売れたのかな?メジャー級でもないけどB級でもない、そういう類のバンドだっただろうし、そのくせかなり面白くて熱くてカッコ良くって勢いのあるアルバムに仕上がってるからこれまた侮れない。元Freedom→SnuffのBobby Harrisonに元FoghatのTony Stevens、Zeppelin絡みでは知られているJoe Jammerなんかが集まって出来上がったバンド、ってことで皆が皆出身バンドそのままの音を持ち込んでとってもパワフルなサウンドを作り上げてくれてるのが見事。

 パワーポップとブギの合いの子みたいな所もあるしブルースベースのギターってのもあるし、時代を反映したちょいとブラコン的な試みってのもあってちょっと間違えれば結構なヒットを生み出したんじゃないかというくらいの出来映えではあるし、何ら売れない理由もないのだが、やっぱり特筆すべき個性ってのが見当たらないという所か。それでも音的には結構拘ってるしメロディもわかりやすいポップエッセンス入ってて馴染みやすいし、良いよ。日本盤なんかも出てたしそれなりに期待されてたハズだ。ちょいとAOR寄りってのが気に入らない部分はあるが過度期だからそういうのも実験的に取り入れてたんだろう。B級のバンドにいた連中がここでちょっとカネ稼ぎたいんだっていうのもあって気合入ってる感じ(笑)。

Nucleus - Elastic Rock (1970)

Elastic Rock Ltd.Ed. (Spec) よく音楽にジャンルは関係ない、と言われるが実際にはかなりジャンル分けが細分化されているしジャンルとかカテゴリ分けと言ったものが存在しないと色々な面で困るのだが、聴く側に立てば実際にそう言ったカテゴライズは無関係である。ただし、それも従来の文化と歴史とイメージという枠があって、いつまでもその印象から抜け出せない事例も多々存在する。ん?何をいきなり真面目な論議しているんだって?いや~、ジャズロックってさ、ロックジャズもあるしジャズロックもあるし凄くにありーな世界にあるよなぁ…とつくづく思ったからです。そんなきっかけの作品がコチラ♪

 1970年にリリースされた時代は正に英国何でもあり時代でしてね、Nucleusのファーストアルバム「Elastic Rock Ltd.Ed. (Spec)」です…、はい、Vertigoレーベルってのもこのイメージ戦略に一味買ってしまっているんですけどね…、1970年のVertigoから出てきたバンドってったらもう気になる人は気になりますが…、ホントはPrestigeとかジャズ系のレーベルから出てきた方が良かったんじゃないかなぁ…っていうバンドです。Nucleusってよくプログレの中で語られ、更にジャズロックで語られるけど、こりゃもう明らかにジャズですわ。自分はあまり詳しくないけどエレクトリック時代のマイルス・デイヴィスを踏襲しているかのような部分が大きい。そりゃ、イアン・カーと言うリーダーがトランペット奏者なんだからジャズになるわな…と。

 ところが試みは面白くて、そのエレクトリックジャズなトランペット中心のインストに対して、クリス…すペンディングがギターを被せて、更に後にソフトマシーンで名を上げるジョン・マーシャルがドラムを叩き、カール・ジェンキンスがオーボエを奏でる…、オーボエ??その時点でVertigo行きってのは分かる気がするが、出てきた音はやっぱり面白い。こういうのを英国的と言うべきなんだろう…、概念に囚われずにどんどんと新しいアイディアを実現しては進化させていく、そして音は淡々とクールに奏でて一部分だけを聴けば本物と大して変わらない旋律や音色を出しながらも全体ではまるで異なる音世界を紡ぎ上げるという…、冒頭に書いたジャズとロックの境目を多分簡単に行き来している連中の音です。しかもモダンジャズじゃなくて明らかに進化系のエレクトリックな世界を含めたジャズと発展していこうとしているロックの間。凄い。

 ま、Nucleusと後期Soft Machineってほとんど同じメンバーになっちゃうんだから当たり前だけど、この「Elastic Rock Ltd.Ed. (Spec)」を聴いているとこの路線でメンバーのやりたいことってのは進化していったってのがわかると思う。イアン・カーはソフツに絡まなかったからトランペット抜きでのNucleasというイメージをしてみると全くわかりやすくなる…、冷たい夜を更に淡々と冷たくしてくれる音で熱くなれるねぇ~♪

Nucleus - We'll Talk About It Later

Well Talk About It Later  中期以降のソフト・マシーンは明らかにカール・ジェンキンスが中心となってバンドの音を引っ張っていったことで更にジャズ色が強くなったのはこの人のせいとも言える。そして同胞のジョン・マーシャルあたりを引き込むと最早それはイアン・カーのいないニュークリアスに近い存在となっていった。しかしソフツにはまだマイク・ラトリッジのカラーが残っており、やはりソフト・マシーンというバンドであり続けた。そして一方のニュークリアスも同じくイアン・カーがいることでニュー・クリアスであり続けた。まぁ、イアン・カーの場合はソロ名義でニュークリアスの4作目とも言える「Belladonna」をリリースしているのだが…。ちなみにこのアルバムのプロデューサーはジョン・ハインズマンでギターを弾いているのはアラン・ホールズワース。しかもテンペストのアルバムリリースと同じ1972年の作品なワケで何となく当時の人脈による仕事ぶりってのが目に浮かぶ。

 さて、そんなニュークリアスだが、自分でも意外なことにあまり聴いていた時期がなかった。ソフト・マシーンは割と聴いているのだがニュークリアスの方はファースト、セカンドくらいまでしか持っていないし、しかもトンと聴いた記憶がない。不思議なモノだ。まぁ、これから聴けるバンドが増えたからいいとしよう(笑)。

 それで、そのセカンドアルバム「We'll Talk About It Later」なんだけど、あれ?この一曲目ってこないだ聴いた…、あぁ、ソフト・マシーンの「Bandles」にも流用されているワケな(笑)、なるほど。こういうのはカンタベリー系に多いよねぇ…。しかし何とも凄いジャズロックなんだろうか。オーボエって凄く特徴的な音でとてもロックには似合わないけどこういうのだと滅茶苦茶目立ってくるし、旋律がしっかりしているのかな、メロディアスでよろしいよね。聴いていると非常にスリリングで盛り上がる(笑)。完全にフリージャズだよなぁ…サックスも然り。よほどテンションをキープできる時でないと聴けないアルバムかも。集中力を要す作品で、それは入ってしまえばOKだけど、そこまでの時間が難しいかな。アルバムはそんなテンションの高さが良い。

 確かオリジナルはヴァーティゴ変形ジャケットだったような…。そうだ、思い出した。レコードを探していたときに全然見つからなくてそのうちに探すことを忘れてたバンドだったんだ(笑)。あぁ、あとギターにクリス・スペディングが在籍しているので結構気になってたんだ…。なんかアクセント的なギター弾く人なんだよね。アマゾンで調べてみるといくつか全盛期のライブ盤がでているみたい。「The Pretty Redhead」とか「Live in Bremen」かな。

Nucleus - Under The Sun 1974

Under The Sun ちょっと英国の人脈漁りからニッチ方向に進みつつあったんだが、見てるとホントに深くてさ、トミー・アイアーさんを漁っているとこれがまた結構な職人でして、古くはジョー・コッカーのあの名曲…ってか自分的にはそれしか知らないってくらいだけど「With a Little Help From My Friends」やブライアン・オーガーのトリニティにも参加、70年代は玄人バンド組みつつも80年代に近づく頃からマイケル・シェンカーやゲイリー・ムーアとの仕事が続く、そして驚くことにワム!のプロデューサーもしてたと…。いやいや、そりゃ書いてったら楽しいけど…今は止めとこ、ってことにしまして、代わりに同じく多才なミュージシャンで気になってたロジャー・サットンの方を…。

 Nucleusはイアン・カーのワンマンバンド…ってかブレインとしてはイアン・カーでしかないけど本人は多分ロックをやっているという意識はほとんどなくてジャズセッションをひたすら繰り返してアルバムを作っているような感覚なんじゃないかと。だから故、バンドメンバーを固定化することもなく流動的にセッション・ミュージシャンを集めてはアルバム作るみたいな感じに変化している珍しいバンド。その中でバンドキャリアでは既に中~後期に位置付けられる1974年リリースの「Under The Sun」をチョイス。もちろんロジャー・サットンがベースで参加しているのとイアン・カーのペットやフルートが見事に絡み合ってなかなかの名盤になっている。ドラマーのブライアン・スプリングさんも良いねぇ~、普通に聴いたらイージーリスニングに近い系統のジャズアルバムじゃないかと思うばかりだけど何がそうさせるのか、やっぱりグイグイとグルーブする部分が強くてロック的側面がにじみ出ている。相変わらずチャレンジ精神も旺盛で、A面の流れで惹き込まれないとちょっとこのアルバムは無理でしょう。ただA面の流れでフュージョンではなくジャズでもなくイージーリスニングでもなく、明らかにロックだと感じる人は当たりです。ただ、まぁ、Nucleusに手を出す時点でロックですが…(笑)。

 ホントはさ、もっとガツン!ってのを聴こうと思ってたんだけどこんなタイミングじゃないとNucleusもあまり積極的には聴かないしな、って思って聴いたんだけど思いの外ハマって聴けた。結構涼しく聴けるじゃないかって(笑)。やっぱりトランペットも好きなのかな、あんまり意識したことのない楽器だけどマイルス・デイヴィス好きだし、そりゃそうか。キーフのジャケットも美しいしお試しいかが?ってな作品です。

Nutz - Nutz 1974

Nutz  まだまだロックは楽しめる、ってのをね、色々聴いてると思うワケよ。ホントはさ、新しいのをどんどん聴いて、そこからホンモノとか面白いのをチョイスして刺激を受けていくのがいいんだろうと判ってるんだけど、昔のアルバムからそういうのを受けても同じなんで、どんどんと聴いてないものや聴いててもまた聴き方が変わってきてるから、聞き直してたりするのもたくさんある。普通のここの読者の人が週にどれくらいアルバムを聴くのかわからないけど、5,6枚は聴くでしょ?聴かないのかな…、自分なんかは多分10枚以上だろうけど、ま、飲んでてフラフラな時も多いから何とも…(笑)。

 1974年にデビューしてきたもちろん英国のバンドNutsのファーストアルバム「Nutz」。いや、Queenのコーラスワークの美しさに改めて感銘を受けて、そんなコーラスワークって結構色々なバンドであったんじゃなかろうか、なんて思って、最初はCapability Brownが思い付いたんだけど、もう書いちゃってるんで、何か無かったっけ?って、あ、コレコレ、ってことでね、久々だしジャケット最高にイカしてるし…、そういえばこないだの飲み会でこんな写真をさらけ出してるヤツもいたな…。いや、それは置いといても、これさ、ヒプノシスなんだよね。どっかセンス違うとこでそれは分かるだろうけど、かなりユニークな絵でよろしい。

 さて、音の方はキッチュでポップでキャッチー、そして軽快なロックとコーラスワーク、それでも結構メリハリの付いた曲を幾つも演奏してて演奏は結構上手いし器用なところはあるし、悪くない…どころか結構ウケるハズの作品なんだが、少々英国的ユーモアが入りすぎていたところと、このバンドはコレだ、っていう個性に欠けていたというところだろうか。コーラスワークは確かに必要以上に入ってて印象深いという個性派あったけど、あまりにも曲がごちゃごちゃした中に入ってくるから目立ちにくいというか…、それでも今聴くとこういうのはなかなか見当たらないよな、っていう音ではある。ハードロックへ進みたかったんだろうけど、センスありすぎてポップになっちゃったんだもん、って感じで、アルバム的にはとっても聴きやすい。B級バンドとは言えない思い切りメジャーな音だし、そうすると単に売れなかったバンドのひとつになっちゃうんだが、その後アルバム3枚くらいは出してるし、もうちょっと注目しても良いのかと。

9:30 Fly - 9:30 Fly 1972

ナイン・サーティ・フライ(紙ジャケット仕様) 英国の深い森の散策はいつ飛び込んでみても面白い発見がある。更に紙ジャケCDやリマスター盤のリリースによってとんでもなくレアなものまでCD化されてきて、しかも音だけ取ればオリジナル盤を上回るであろう音質にアップされていることも多い。それが良いかどうかってのは別として、売る側もCDが売れなくなってきているのであの手この手で売ることを考えるし、カタログは多い方がそりゃ有利だろう、と。リスナー側からしても嬉しい話なので別にその商法に騙されることは悪くないっつうか、ありがたい話なのだ。そうでもなければまずCDではリリースされることなかったであろうバンドのひとつがこの9:30Fly(ナイン・サーティ・フライ)です。

 ジャケットのイメージとバンド名でかなり損しているし、実際自分もなかなか手に取って一番で買うっていうことはなかったもん。やっぱね、虫とかクモとかってのはバンド名にするとそれだけで損すると思うもん。触りたくないっていうか…、まぁ、メジャーになればそれでも良いんだろうけど、ちょっとね、ね。んでジャケットも蜘蛛の巣にかかったハエで…、意味不明に9時半を示す時計でしょ?これはワケわからんよ…。そして当然なんだけど、今のネット時代に於いてもあんまり情報が出てきていない…、つまり紙媒体の時なんてもっと情報が少ないワケでして、一体どんなバンドなんだ?と興味はそそられるモノではあった。リリース当時はEmberと言うマイナーなレーベルからリリースされたものだから…。じゃあ一体何でこんなバンド知ってるんだ?と言われても困るけど、インパクト強かったからだと思う。

 んで中身の音のハナシ。メランコリックなフォークを中心とした幻想的なサウンドで、エレキギターはアクセント的に入ってくるくらいで基本的にアシッド…とも言えないけど、しっとりとした音。フォーク的サウンドの要素が強いけど、A面最後(CDで聴いてるけど(笑))の「Unhinged」って曲なんてかなりの名曲ですよ、これ。オルガンもメロトロンもフルートもあり。もともとマイケルさんとバーバラさんというウェインライト夫婦によるバンドらしくて、そのヘンが作品にも影響出ていて牧歌的な雰囲気すらあるのでほのぼのと聴けるってもんだ。歌はダンナさんの方なのでいわゆる女性歌モノって感じではないけど…。しかし楽曲によって実にバラエティに富んだ楽曲が多くて、B面に入ると更に顕著でして、ハードロック調なサウンドから一気にメランコリックなアシッドフォーク?ってなところに奥様のヴォーカリゼーションが入るとか…、いや、脱帽。ある意味David BowieやT.Rex的な傾向の見えるサウンドに相通じる。1972年の作品か…、ちょっと遅かったかなぁ…、でも相当面白い音を出しているので名盤の域に達してしまうだろうね、これ。もちろん本作品一枚で行方不明となってしまったバンドですが(笑)。

Octpus - Restless Night 1970

Restless Nights  まずはアルバムジャケットを見てほしいんだけど…。ここまでセンスのない…と言うのか、わかりやすいと言うのか(笑)、何となく海外のマンガってこういうのから始まっているんだろうな、というような印象そのもののジャケットです。タコ女なんだけどどこか超然と宇宙人っぽくしていて、海の底=海底人種なんていう感じなのかね。きっと地球を攻めて人類を滅ぼすミッションを追った悪者なんだろう、と(笑)。いや、そういう感じでさ、最初見た時は笑っちゃったもんね、これ。バンドロゴもそれらしくなってるから余計にさ、コミカルな感じでウケた。他はあんまり見ることのない類のジャケットだからインパクトはあったよ。

 1970年にリリースされたオクトパス唯一のアルバム「Restless Nights」です。シングルではその前から活動していたみたいだけど、結局CD再発時に全部収録されたらしいので問題なし。そんなジャケットの印象は割と中身の音にも当てはまっててさ…、ハードな要素が詰まったカラフルサイケポップ的ロックなんだな。っつうかどっちかっつうとハードロックに近いサウンドが基本になってて、そこに時代の洗礼を浴びてカラフルにコーラスや色々な楽器を入れたりして、メロディもポップに奏でているというものだ。でも、ギターとか思い切りファズだったりするし結構エッジ立ってるからハードな部類のハズ。まぁ、アルバムの音がちょっと中音域に集められたようなサウンドなのでパンチはあるけど煌びやかには聞こえないという残念な面もありだけど、その分迫力と音圧があるのでハードな曲は結構重く聞こえる。

 昔聴いた時はもっとサイケよりかと思ってたんだけどね、久々に聴いたらハードロックよりだったことに気付いて…、あれこれ見てるとポール・グリッグスとナイジェル・グリッグスという兄弟によるプロジェクトだったそうな。そんでこの「Restless Nights」をプロデュースしたのがPlastic Pennyというバンドのベーシストであるトニー・マーレイという人脈。なかなか面白いが…、内ジャケってのもこれまたエグいので載せておこう〜♪
Restless Nights

Orange Bicycle - Orange Bicycle 1969

オレンジ・バイシクル(紙ジャケット仕様) 以前からず〜っと聴きたくて全然手に入らなくてジャケットの写真を本とかで見るたびに気になってしょうがなかったアルバムが、このOrange Bicycleというバンドの唯一の作品「Orange Bicycle」なのだった。もちろんこの惹き付けるようなセンスはヒプノシスの手によるものでして、なるほど…と思うくらい人間心理を巧く突いている。何が?ってのはわからんが、ジャケット見てると気になるんだよね、細かいところがさ。どこかチグハグな印象を持たせるっつうかさ…。この絵で言えば神父さんが落書き?みたいな。でも、手前の日銭稼ぎは?そんで落書きの絵の中にはメンバーの似顔絵…、奥に見えるオレンジがアクセントになってバランスも絶妙。これぞアート♪

 1970年リリースなのでちょっと意外。60年代だと思ってたからさ…、ま、大して変わらないんだけど。ビートルズで有名なEMI傘下のパーロフォンレーベルからリリースされたファーストアルバム「Orange Bicycle」のみの活動…。またか(笑)。いやいや、それでも中心メンバーのWil Maloneは後にソロ作「ウィル・マローン」も出すし、その後にはプロデューサーやら何やらと絡んでます。意外な一面もあるんだけど、それはまた次回ってことにして…、まずはOrange Bicycle

 意外なことにですね、ボブ・ディランやエルトン・ジョンなんかのカバーも入っていて、わかるように相当ポップでカラフルな音を産み出してます。音がやたらと古臭く聞こえるのもあるんだけど、サイケでもなくって歌は割とシャガレ系でともすれば熱唱型なのにポップに歌っているから妙なバランス。曲調はもうポップでキャッチーだけど…、アレンジや展開が結構ヘン(笑)。何だろう…、Bernie Leeさんという人がギターを弾いているんだけど、これがやたらとファズでして…、そこにWil Maloneのクールなピアノが鳴るし、ベースもこれまた自己主張が強くてねぇ…、更に効果音があちこちに入ってくるサイケ効果もあるという不思議な音世界。わかるのは売れないだろうなぁ…ってことくらい(笑)。

 でもね、聴きやすいから聴いていると割と直ぐに聴き終えてしまうし、何だったんだろ?って思うからまた聴けるし…、ジャケットに救われている部分が大きいけど、妙に気にはなる音で…。英国然とした世界なんだな、これ。ヘンなの…。CDネット時代になってようやく手軽に入手できた一枚なので、もうちょっと早めに聴きたかったなぁ…、まぁ、満足です。待ちくたびれたアルバムだったから。

Paladin - Charge! 1972

Charge アルバムジャケットデザイナーとして英国ロックの世界で名を馳せているのが有名なヒプノシス、キーフ、ロジャー・ディーンと言ったトコロでしょう。彼等のデザインってのはそれだけで本が刊行されるくらいにデザイナー集団としては秀逸なもので、ロックの発展に大きく貢献した切っても切れない関係ってことは誰もが知るところ。ピンク・フロイドとヒプノシス、イエスとロジャー・ディーンなんてのはもうそのイメージ以外は受け入れられないくらいのものだ。それぞれ交錯したことはあるがやはりすんなりといかずに元の鞘に収まっているしね。

 そういう経緯もあって、それらのデザイナー集団が手がけたアルバムってのはそれだけで存在価値が高まるものだし、リスナー側も中身の音を過度に期待して聴くものだ。中身が良くてもジャケットがイマイチだったりすると売れなかったり、やはり知られるのに時間が掛かったりしてしまうのだが、逆もまた真なり、ってなことで秀逸なアートワークによるアルバムであったが故に中身の音がリスナーの期待に応えられないサウンドだと割と見捨てられてしまうってなのもあるのだ。

 1972年にリリースされたPaladinというもちろんイギリスのバンドのセカンドアルバム「Charge」はそんな一例だったのかもしれない。自分的には全く駄作だとは思わないし、あちこちのレビューで見られるようなアフロロック的アプローチという側面もそれほど思わないので、ちょっとズレているのかもしれないけどさ。まぁ、ロジャー・ディーンの非常〜にかっこよいジャケットなのだよな、この「Charge」ってのは。見てもらえば分かるけどさ、何か凄いかっこよいハードロックっつうか疾走感溢れるような音を出していそうなジャケットじゃない?だからそういう期待で聴いてしまうと、最初の曲が結構変わったリズムのアプローチなので「ん?」って思ってしまうんだよね。まぁ、全体的にハネ系の16ビート的リズムのノリっつうかグルーブがアルバムを占めているので、ギターにしてもそういうカッティング的なのがあったりパーカッションにしてもそういうのがあったりするんだけど…、更にそういう言い方すればソウルなんかであるような泥臭いハモンドオルガンが鳴っていたりするから余計にそういう感じ方するのかもしれない。ベースも太くて重いラインでかっちょよいし。

 …あ、そうそう、そういうサウンドなのでハードロックじゃないワケよ。もちろんロックなんだけどさ、面白い音…ってかやっぱり時代を反映してて、ハードな側面とプログレッシヴな側面があって、そこにソウルフルなリズムやアプローチを組み入れたような感じかな。だからグルーブ感は見事だし、かなりの好盤。ただ、聴く人は選ぶかもしれないなぁ…。アルバムジャケットとの格差ってのを個人個人がどれだけ感じるか、ってのもあるけど…、ちょっとね、バンドとしてはどっちにどうやって向いてるの?っていう散漫な印象を受けるアルバムではあるかもしれない。

Osibisa - Woyaya

Woyaya 「白人音楽ってな偽物ばっかでだめだ、やっぱ音楽ってのは黒いのだよ、分かる?」なんて言い放つ強者がいる。残念なのは言葉通りに受け取ると言い返せる言葉が何もないってことだ。確かに黒いのがベースにあっての音楽ってのはロックでもそうだし多いのは事実。まぁ、突発的なテクノとかってのはロックの範疇から超えてるからその意味ではモロに異なる音楽だけど、大部分は黒い音楽がベースにあっての白人音楽なのだ。メタルくらいになるとルーツ不明になってくるけどロックから派生しているからやっぱ黒人ルーツとも言えるだろうし。なるほど、そういう言い方なら黒人ものってのはきちんと押さえないといけないのかも?なんて大きく勘違いしてしまいそうになる(笑)。

 1971年にリリースされた英国ロックの位置付けにあるOsibisaのセカンド・アルバム「Woyaya」。全員黒人でやってる音もアフロロックと言われるように土着的なサウンドなので、これって黒人音楽って言っていいんじゃないの?なんて思うのだが、どういうワケか昔から英国ロックの中にあるバンドの位置付けなのだ。このヘンがなかなかきちんと定義されてるワケじゃないから難しくてね、そういう意味ではジミヘンなんかも英国ロックの位置付けになっている場合もある、ってかそっちのが多い。もちろん黒人のアメリカ人で、ジミヘンは。ただ、活躍したのが英国、ってだけで。Osibisaの場合は英国植民地領の黒人達が英国の地で出会って組んだバンドってことなのでもっと純粋に黒人…英国黒人だ。そしてやってるのはアフロロックとは書いたけど、そんな言い方だと聴く機会を失う人も多いので、もっとポジティブなプログレ的ロックとでも書いておくか。大体さ、黒人がフルート吹く、ってあんまり想像付かないっしょ?そういう音も普通に入ってるワケでね、リズムも凄くアフロってんでもなくて、そりゃロックでもないんだが、でもビートが効いててノリが良くて心地良いのだな。

 このOsibisaを英国ロックとして位置づけているのは多分、ロジャー・ディーンによる独特のアートワーク、象さんに羽が生えて飛んでるヤツ、しかも象さんが可愛くなくって怖い感じなんです。そしてOsibisaのロゴ、アルバムタイトルのロゴ、いいねぇ~、ロジャー・ディーンの世界で、象さんを使う所でどこかアフリカなテイストを入れてあるから白人ロックとは違う、みたいなのを感じる。そして制作陣営はトニー・ヴィスコンティのプロデュースにジョン・パンターなエンジニア…、トニー・ヴィスコンティはボウイやT-Rexなんかで知られてるし、ジョン・パンターはRoxy MusicやJapanなんかで著名になるのだが、そんな制作陣営で作られた「Woyaya」はなるほど英国ロックな風格を漂わせたアルバムで何でもありな70年代初頭だったからこそ存在し得たバンドなのだろう、心地良いです。

 そしてギターのWendel Richardonはこの後Freeのポール・コソフの後釜としてFreeに参加していることが知られている。Osibisaの活動だけではそんなにブルース・ギターってのを感じることもないし、クローズアップされてもいないからどんなギターが得意な人かわからなかったけど、きっとそういうルーツだったんだろうね。いや~、面白いな、Osibisa。昔はレコード屋行くとたまにこのヘンの出会うことあって、ジャケット見てロジャー・ディーンなのはわかるけど、どういうバンドかわかんなくて手を出さなかったんだよな。騙されて聴いていれば良かったかも、と思うくらいにはレベルの高いサウンドが展開されていますね。

Parrish and Gurvitz - Parrish and Gurvitz 1971

Parrish & Gurevitz バジャーでハードなブルースギターを弾いていたブライアン・パリッシュだが、もちろんバジャー以前にも様々な活躍をしていたみたいで、一例にThree Man Armyのファーストへのゲスト参加ってのもあった。そのおかげでこのファーストアルバムをリリースした後にエイドリアン・ガーヴィッツがバディ・マイルスと共に行動するためにバンドを解散した後の片割れともなってしまったポール・ガーヴィッツとユニットを組んでリリースしたのがこの「Parrish & Gurevitz」という作品。

 1971年リリースなので正にこの後直ぐにバジャーに参加するんだけど、それもまたThree Man Armyが復活するってことでポール・ガーヴィッツが出戻るためってことだとしたら何と可哀相な使われ方をしている人なのだろうとも思うが…。まぁ、良い人なんだろうな(笑)。アルバムジャケットを見ればわかるように左側がポール・ガーヴィッツで右側がブライアン・パリッシュです。良い青年でしょ?

 え〜っと、そんな状況下で制作されたアルバム「Parrish & Gurevitz」なんだけど、決して片手間ってワケでもなくって、その証拠にプロデュースにはジョージ・マーティンを配しているってなもんだ。ストリングスアレンジも任せているってくらいだから結構な仕事して請けていたんじゃないかな。ビートルズ解散後しばらく経った程度だし、ヘンなのを請けなかったとしたら大した才能を認められたというか、ね。そんな要素がふんだんに散りばめられた秀作っていうトコロか。コーラスワークが中心になったポップで忙しい音が鳴り響いてます。ギター的にはアコギ中心だけど別に静かにアコギじゃなくって派手なエレキを使っていないだけのアコギなので音はロック的ビートと雰囲気です。スワンプ的という言われ方をするみたいだけどスワンプってのが自分的によく理解できていないので、表現に困る。ってか、普通にギターを持って頑張って音楽やろうとしたらこうなる、みたいな音なのであんまり気張ったモンでもないんじゃない?そういったら怒られるか…。

 確かにビートルズをもうちょっとハードにした感じではあるかもしれん。しかしこの音をブライアン・パリッシュとポール・ガーヴィッツが奏でる必要があったんだろうか?と言われるとちと不思議。スタックリッジでも良いじゃん、ってかさ。まぁ、聴いていて害はないし、へぇ〜ってくらいに聴くのは良いので面白いんだけど、逆に特筆すべきモノでもないのも事実…(笑)。

Paris - Paris 1975

Paris Led Zeppelinフォロワーと呼ぶにはあまりにも個性的すぎたのかもしれないし、また参加メンバーの知名度がそこそこあったが故に「そうです」と認めて良いのかどうか、はたまた来歴を見ていると似たような音世界の創造も不思議ではないという気もするので一概に批判されることもなく、良い意味で英国的な評価をされたバンドなのかもしれない。それはセンスが良かったからかもしれないし、Led Zeppelin現役中のバンドだったからかもしれない。

 1975年にリリースされたParisというバンドの「Paris」。有名なところではFleetwood Macに在籍していた中心メンバーでもあったアメリカ人のBob Welchが結成したバンドでして、Jethro TullのベーシストやNazzのドラムを迎えている。どこでどうしてこういう音になったのか、アルバム「Paris」の冒頭からしてLed Zeppelin的なリフと楽曲の構成の仕方で面白い。エフェクトをたっぷりとカマしているので元々の歌声とかギターの音とかがどういうのかがよくわからなくなっていてスペイシーな感じにしている。それがまたどこか幻惑とさせる音で狙っているのかもしれないけど、かなりセンス良い。冷静に聴くと「Black Book」なんて「Black Dog」と同様だしさ、笑えるんだけどね(笑)。でもそういうのを聴いても結構楽しめる英米混合バンド。しかもバンド名が「Paris」なんてね。

 はて、当時はそれなりに売れたようだし、以降もBob Welchはそれなりの成功を収めているワケだからもちろんLed Zeppelin一辺倒なバンドではないです。普通にソウルフルなブルースが出て来たりチープなリフのポップ調な曲が出て来たりとアルバム「Paris」の冒頭2曲で驚かせてくれるようなイメージばかりではないところが狙いか。でもやっぱ全編にLed Zeppelin的なフレーズが垣間みれるのは面白い。これくらいが冗談っぽくて良いんだよな。

 後にリリースされたセカンドアルバム「Big Towne, 2061」ではメンバーも入れ替えて、音の方もがらりと変わったものになっているので果たしてどこに進みたかったのか分からないバンドになってしまっているが、少なくともこのファーストアルバム「Paris」でのインパクトと期待感は見事なものです。

Paris - Big Towne 2061 1976

パリス・セカンド~ビッグ・タウン2061(紙ジャケット仕様)  この辺りの英国のロックってのは何でも出てこい的なのがあって、そりゃ売れりゃ儲かるって判ってきたから何でも当たりそうなのは出してくるってのは商売の鉄則なのだろうが、それにしても何でも出てきていた。そういう事情が一番音楽のシーンの変貌に関わりが大きいという事はさておきながら、Parisというバンドのレコードはたまに目にしていた。昔々ね。んでも、どうも小洒落た感じのジャケットでどこか不信感があったんで後回しだったんだが、どこかでZeppelinのクローンみたいな・ってのを見て、う〜ん、と。それはファーストアルバム「Paris」だったんだけど、そうかねぇ…、まぁ、そうか、と。

 んで次のセカンドアルバム「Big Towne 2061」もすぐにリリースされていたみたいで1976年の作品として出ているんだけど、どうなのかね?と思って手を出してみるともうね、全然ダメダメな感じで大して聴かなかった。それをこの流れでまた聴いてみるかね、と。アレコレ読んでるとボブ・ウェルチって人は才能はあったんだろうけど、こういうのが、みたいなスタンスは特に無かったようで、ファーストの「Paris」もあの頃はああいうのが刺激的だった、みたいな感じがあって、それは自分のやりたい、自分の中にあるミュージシャン気質で作り上げたものではないってことで、だからこそこのセカンド「Big Towne 2061」は全然異なる路線へ進んでしまうのだな。なるほど。才能はあるけど手法が見えてないってのか、なかなかユニークな人かも、なんて思う。

 その「Big Towne 2061」だが、どうにも不思議なのはParisには普通に好きだと言うリスナーが多い。アルバムを耳にする機械が多かったのだろうか、アイドル的に…と言うかリアルタイムな方は割とよく耳にするバンドでもありアルバムでもあったようなんだよね。だから好きな人が多い。後学の者たちからするとよくわからない。ちょいとヘン感はあるけど、カッコ良さ感はさほどないし、激しさもないしブルースでもないし…、あぁ、そういうならばAOR的聴きやすさ、商業ロック的な軽さってのはあるから、そっちの意味で新鮮だったのかもな。いずれにしても自分的にはそれほど響く所はなかったような気がする。アンテナ鈍ってきてるから余計にそうかもしれんけど…。

Patto - Patto 1970

Patto あ、これもだ…、とふと気付いた。

 今の時代ってどうなのかわからないけどアルバムジャケットって中身の音を想像するという楽しみを与えてくれるものだ。特にアートワークが秀逸だった70年代はね。だから今でも70年代のロックをジャケットで目にする時はワクワクするもん。

 んで、何が?って…、いや、大顔面ジャケットだったのか、これも、って。どことなく黄色に落書きみたいに木霊みたいなのが取り憑いているっていう感じで見てたから顔っていう認識があまりなかったんだよ。しかも右上には水戸黄門の印籠のようにぐるぐるマークが付いているワケだし(笑)。

 アルバムリリースは1970年、Pattoのバンドとしてのデビュー作品でもあるのだが、最初からこんなジャケットで出てくる…ってか、まぁ、この時代のは皆そうなんだけど、そういうセンスって時代だよな。多分ね、70年当時には全然売れなかったのではないかとは思うのだがPattoというバンド自体は三枚のアルバムを残しているのでもしかしたらそれなりに需要のあったバンドだったのかもしれない。ま、でも、多分今の方が人気あるとは思うが(笑)。

 そんなキテレツなジャケットに包まれたPattoのファーストアルバム「Patto」だが…、大体バンドのアルバムってのは1曲目に割と自信作を持ってきたりするワケよ。デビューアルバムならそれこそがバンドの挨拶代わりの一曲みたいなもんだからさ。そこにこのPattoは…えらくねっちょりとした曲を持ってきていて、これがバンドの代名詞なのかよ?みたいな曲です(笑)。ところが、この挨拶代わりの「The Man」を聴いてですね、当然ながらそのまま聴き進めるとだ…、今度はもうちょっとねちっこいのが始まって、ヤケにギターの粘着性と歌のしつこさってのがハマってくるんですよ。特に自分的にはギター好きなのでこの粘着性ってのはツボにハマりまして…、はい、それで3曲目、4曲目とか進むともうオリー・ハルソールのギターの虜なんです。かっこよく書けばヤードバーズ後期のジミー・ペイジのような荒削りなギタープレイ。ありていに言えば70年初頭の英国ブルースロック界にごまんと表れた粘着性ハードロックブルースギタープレイの代表的な事例。そんなA面をネバネバに聴いて気にならない人はもう絶対こういう世界は受け入れられないと思う。好きな人はこの隠れたバンドPattoを追い求めることでしょう…(笑)。

 音世界はブルースロックとソウルフルなパトゥの歌が基本だけど、かなりラフでラウドなバンド。ヴァーティゴじゃなきゃいけないっていう音でもないけど、このラフさはやっぱりヴァーティゴかなぁ(笑)。この後、もうちょっと洗練されてセカンドアルバム「Hold Your Fire」がリリースされるけど、セールス面では全然失敗に終わってしまうバンド。自分みたいな後追いでの英国ロックファンは必ず好きなバンドとして挙げられる〜、今は割と人気あるバンドです(笑)。

Patto - Hold Your Fire 1971

 英国ハードロックバンドとして呼ぶべきなのかどうかと言うバンドも多々あって、それは皆ひとつのカテゴリーに収まりきらない多様なサウンドの塊のためなのだが、それこそが英国ロックの深みでもあり、また時代の産物だったワケだな。ん?んなこと毎回書いてるからもういいって?それもそうか(笑)。

 ってなことで、一見ハードロック的な仮面を被っているこのバンド、パトゥーだが、聴いてみるとよくわかるように何とも言えない音なのだ(笑)。う〜ん、このバンドの場合は音が云々と言うよりもボーカルのマイク・パトゥーのダミ声による圧倒的な迫力とその隙を縫って恐ろしい超絶テクニックを披露してくれるオリー・ハルソールのギターに耳が行ってしまうんだよね。そのヘンが面白くてさ、1970年発表のファーストから既にそんな感じになっているんだけど、やっぱり1971年発表のセカンド「Hold Your Fire」が良いかな。アルバム的なバランスが取れているっていうことが言われているけど、そうだね、聴いてみるとそんな感じ。ハードロックテイストとブルーステイスト=パトゥーの歌声、更にオリーのジャジーな…と云うか、レス・ポール氏みたいなカントリータッチのフレージングというのか、そんなギターが全編ではなくって要所要所で弾かれているっつうとこがバランス良いんだと思う。曲は別にそんなに良いとは思わないが(笑)。しかしマイク・パトゥーの歌声ってのは英国ロック界でもかなり個性的な声で、ロジャー・チャップマンとかポール・ロジャースとかロッド・スチュワートとか好きな人は結構イケるんじゃないだろうか?バンドの音そのものは大してハードじゃないけど、この人の歌を聴くと凄くハードに聞こえる、だからハードロックバンドとも云えるのかな。

 このアルバム、ジャケットがコミカルなデザインで変形ジャケ。デザインはロジャー・ディーン作なんだけどかなり意外だよね。で、しかもヴァーティゴからのリリースなのでマニア的にはこれも興味深いものなんだけど、ご存じギターのオリー・ハルソールは後にアランホールズワースの抜けた穴を埋めるべくテンペストに加入してそのテクニックを思う存分に披露していることからメジャーになった感じが強いようだ。この人もセッション活動盛んなのでアチコチに登場するよ。ケヴィン・エアーズあたりはもう定番だけどさ。アルバム自体は基本的に三枚リリースして解散、後にフロント二人はボクサーを結成して更にハードロックに特化したようなサウンドで勝負してくるけど…、やっぱりB級だった(笑)。

Patto - Monkey's Bum (1973)

Monkey's Bum マイク・パトゥーとオリー・ハルソール、この二人はまるで無名ながらもそれなりにグリマートゥインズ並のプレイとチームワークを実現していた二人なのだが、もちろん誰もそんなこと思ってないハズ…(笑)。どこのバンドでも誰かと誰かが一緒にやってたらそれが心地良くなって何となく「相棒」って感じになるんだよな。アマチュアでもあるし自分でもそう思うのはあるしもちろんプロでもあるだろう。認識されるかどうかの話なのだから、プロの世界はちょいと違うけど。ギタリストとしてのオリー・ハルソールは割とニッチなファンが多いのは面白くて、それは多分ケヴィン・エアーズとのセッションだったりこのパトゥーでのセッションだったりするんだろうなと。そしてPattoというバンドの最後の作品となった4枚目のオリジナルアルバム「Monkey's Bum」が正式に作品化していることをしったのがつい最近…、1995年に初リリースされていたらしいが、16年くらい知らなかったことになる自分(笑)。情けないですねぇ、こういう発掘モノって今じゃいっぱい出ているだろうからチェックしないといけないんだろうけど、そんなチェックしないしね、それもあってブログ書いてて発見するとか他のブログで発見するとかいうのは有意義なことなのだった。

 1973年に録音されたPattoの4枚目の作品「Monkey's Bum」は当時はお蔵入りになってしまって未発表のままだったらしい。それが1995年にリリースされたらしいが…、やや眉唾で聴き始めたんだけど…、これは名盤だった。これまでの三作も名盤として静かに人気のあるバンドなのだが、この「Monkey's Bum」は過去三作よりも名盤なのでは?と思えるくらいにパトゥーらしさが出ているしオリー・ハルソール節も絶品状態で正にジャジーなフレーズとロックとを織り交ぜた職人芸の成せる業とも言える音世界が繰り広げられる。ムーディな曲からロックからこれジャズじゃね?みたいなのとか美しいのからかなり高尚なレベルにある作品だってがわかる。コレ、結構ハマるよな…。またPattoのアルバム全部聞き直さないといけない…。

 しかしカッコ良いです。何で未発表のままで置いておいたのかがわからないくらいに完全に出来上がった作品群でして、ホーンセクションも入ってきたりジャジーに攻めたり白熱した歌を聴かせてくれたり、途中ではドアーズのジャズハードロックバージョンととも呼べるオリジナルな楽曲「Get Up And Do It」なんてのがあって、最高にカッコ良い。このヘンの音の豊富さがパトゥーの面白いところなんだけど、如何せん歌が英国的すぎて弱いと感じるかもしれない。後はアルバム全体のミックス感かな、もちっと迫力あるミックス感で聴かせてくれたら更に素晴らしくなるのだが、それでもこんな作品が陽の目を見た事自体を喜ぶべきであって、まだまだ出会ったばかりだからこれから満喫していこうと思うアルバムです♪

Pavlov's Dog - Pampered Menial 1975

Pampered Menial ロックにフルートって何となくいるようであまり思い付かない。味付け的にフルートを用いる例は多いと思うけどバンドメンバーでフルート吹きがいて常時それを活かすみたいなのってあんまり無いんじゃないかな…。んでも、何となく引っ掛かってて…あ、そういえば、と思い出したんでもうかなり聴いていないバンドを聴いてみるかと引っ張り出す。

 1975年にリリースされたPavlov's Dogというバンドのファーストアルバム「Pampered Menial」。この人達ってアメリカのバンドだったんだ?ってのを先ほどネットで見てて知った次第。いや〜、あんまり気にしなかったけど多国籍バンドかな〜くらいに思ってたからちょっと驚いた。音を聴いた事のある人は割とそう思うんじゃないだろうか?でも、今言われてみればアメリカなのかも…くらいには感じる?いや、自分にはないな、それ。…とそんくらいちょっと変わり者なバンドでして、カテゴライズすればハードロックともプログレとも言える音ですが、ものすごいクセのある歌声に耐えられるかどうかが肝になるね(笑)。ラッシュのゲディ・リーが行ける人は大丈夫だろうけど、それくらいアクが強くて7人編成の楽器の音色が多彩なバンド。それでいて割と聴きやすい旋律を奏でているのが見事。

 冒頭の「Julia」が印象的だけど、アルバム全体を通して染み出てくるメロトロンの哀愁と超個性的なボーカルによるマイナーなメロディが心地良く響く。バンドはもちろんかなり演奏力あるしバリエーション豊かな音色と展開で飽きさせること無くアルバム全編を聴かせてくれるんで、隠れた名盤として語られる事が多いのに納得。どこか映画音楽を聞いているような感触にすらなるけど、食感的にはフランスのタイフォンとかイタリアのプログレバンド的な仰々しい展開がツボで、聴かなきゃ損じゃね?くらいの作品です。まぁ、騙されたかなと思って聴いてみるとハマるんじゃなかろうか。

Pesky Gee - Exclamation Mark

Exclamation Mark 実験精神旺盛な時代のロックは万華鏡のように色とりどりに輝いていて楽しいものだ。出来上がってしまった音楽ビジネスの中からあの手この手で出て来るという努力の賜物も健気な気はするけど、もっと純粋に音楽的に実験的に取り組んで前向きに進んでいるみたいなのが眩しいんだよ、きっと。もうそういう時代ではないのでノスタルジックにしかならないんだけど、そういうのがアルバムという媒体で楽しめるってのはありがたいお話だ。だからこそ古くて幻の作品なんかも再発されたりするし、またそれなりに人気を博したりするのだろう。

 Pesky Geeというバンドの1969年の作品「Exclamation Mark」…ってこれ、PYEからリリースされてたんだ。ご存知Black Widowの前進バンドってことで、ボーカルのケイ・ギャレットというフワフワ系の女性ボーカルがいなくなって悪魔主義的なイメージを打ち出したのがBlack Widowで、こちらのPesky Geeは60年代末期の超サイケな雰囲気をそのまま演奏しているバンドで、Black Widowとの近似はほとんど感じられないのだが、それは多分60年代のポップス~サイケの流れを明らかに打ち切ったバンドの方向性を見出したからなんだろうと思う。それにこのコケティッシュさすら醸し出しているケイ・ギャレットのボーカリゼーションが独特の雰囲気を持っているので、この歌声がないとなれば作風は変わるか…と。ただ、先日のBlack Widowのデモテープを聞いている限り、そもそもケイ・ギャレットに歌わしてたりするんだからそういう趣向でのバンド変更でもなさそうだ。

 さてさて、このPesky Geeだが、個人的にはもうね、Catapilla並みな位置付けのバンドとしてとっても気に入っております。情熱的ってのかな、クセは無い歌なんだけどジャジーなムードを上手くあしらいながらサラリと歌ってくれる魅力がヤラれるねぇ~、いいわ。しかも曲はほとんどがカバー作品だからバンドの雰囲気としてはああいうのがやりたい、でも知ってる曲を自分たち流にしたら…みたいなのがコンセプトだったのかも。ある意味実験なのだが、それでもPYEからデビュー出来ちゃうってどこかに実力とか人脈が合ったからだろう。妙~に心地良いんで、ここに入ってるのの原曲を知っておきたいところ。概ねDonovan、Electric Flag、Jethro Tull、ジャニス、Family、Steppenwolfあたりか…。

Peter Green - The End of The Game 1970

エンド・オブ・ザ・ゲーム

 Peter Greenのソロデヴューアルバム「The End of The Game」は1970年にリリースされていて、自分がピーター・グリーンなんて名前を知った10代の頃なんてのはこのアルバムが名盤としてロック名鑑みたいなのに載っててね、もちろんFleetwood Macの初期作品なんかもあったりして、ちょこっと説明も書いてあった気がするんだけどさ、ジャケットがそれらしくてカッコ良いからきっとハードなブルースに近い音が入ってるんだろう、って思って当時聴いたんだよ、確か。そしたらいきなりサイケな世界が繰り広げられて、まだその頃はブルースなんてああいうモンだっていう事しか認識してないし、それですらきちんと判ってない頃にいきなりこんな世界が出てきて、まるで理解不能なアルバムだった。ジャケットの迫力とピーター・グリーンというブルースメンというイメージがここで最初から崩れ去っているのが自分の感覚。

 今にして思えば、かなりヤバい時期の作品だからこういう方向ってのはあったんだろうな、そしてそのおかげで明らかに独自解釈による世界観を打ち出しているとも言えるんで、やっぱりドラッグの力は凄いモンだと知らされた。ブルースギターを弾けてしまう人だから、それを拡大解釈して異なる世界に持ち込んでみたらどうなるのか、サイケデリックや精神世界への実験サウンドとしてトライしてみたら、やっぱりヒステリックなギタープレイってのはぴったりと当て嵌まったとも言える事例の作品、ノンスケールのフリースタイルでのプレイ、そしてリズムにも縛られずに音を出しまくって異世界との融合を果たしたという意味で、とてつもない名盤、傑作と言えるだろう。ただし、それはピーター・グリーンというブルースメンの名前を意識しない場合だ。無知から聴いてこのギター誰だ?あぁ、ピーター・グリーンなんだ、そりゃすげぇってなるなら良いけど逆はない。

 ふ〜ん、改めてこんなアルバムだったんだ…、中学生にはそりゃ聴けないわな。これを良いと言えるセンスの持ち主でもなかったという普通のロック好きな少年だったってことだ。プログレにしてはちょいと中途半端だしアバンギャルドってもちょっと整合性取れ過ぎてるからフリーフォームのジャムセッションに近いか…、でもある程度決めてるからその中間くらいなんだろうな。ピーター・グリーンの異質なアルバムとして輝き続けるのだろう。

Phoenix - Phoenix 1976

不死鳥伝説 んで、自分のライブラリを眺めててふと気づく…あれ、コレ…あるなぁ…コレってアレ?なんて意味不明な単語を並べてみるが、頭の中はそういう感じだったんです(笑)。John Verityという名にあまり聞き覚えはなかったのだが、Phoenixってバンドの方は聞き覚えがあって…どころかしっかりライブラリに並んでいまして、聴いてたみたい。ん〜、印象あると言えばあるし、無いといえばない…、真面目に聴けてないアルバムだってことで、じゃ、聴いてみるかってことで早速トライ。

 1976年リリースのPhoenixのファーストアルバム「Phoenix」。メンツはJohn Verityとボブ・ヘンリットにジム・ロッドフォードという後のキンクス組とのトリオ編成、今回初めてYouTubeで動いてるの見たけど、時代を反映してなのかグラマラスな格好でテレビ出演していて笑った。ジム・ロッドフォードのダブルネックギター(ベース)にも驚いたけど、John Verityのグラマラスファッションが何とも時代を象徴しつつ更に似合ってないと言うか…、しょうがないね。サウンドの方はそのままなので、何ら違和感はない普通に英国的ロック、ちょっとハード目なところを行ってるんだけどどこかに個性があるかと言われると少々困るかなという部分はある。こういうもんだと言われればそれまでだが、これじゃ芽は出ないだろうな…なんて買ってに思うものの、それでもアルバム3枚出してたんだからそれなりに売れたんだろう。

 結構ツボを得ていて好みの音なんだよね、こういうの。ハードさとかは無いけど歌心があるしギターも良いし。三枚しかないからちょいとじっくり他のも聴いてみるかなって思ってるトコ。アージェントまで行ければいいんだけど、そこはどうかな〜、あんまり自信ないが、楽しみが増えた。まぁ、今更こういうのしっかりと聴けるのかって話もあるが、どこかでハマるだろう。熱いロックが聞けるしね。

Pink Fairies - Never Never Land 1971

Neverneverland  ノッティングヒルゲイトから出てきたロックミュージシャンは割と多いし、今でもノッティングヒルゲイトでたむろするロッカーは非常に多いと聞く。それは70年代にも同じことが言えるらしく、先のホークウィンドなんかもノッティングヒルゲイト出身のバンドだし、同じくサイケ、パンク、ドラッグという要素を持ち込んでいた英国ロック界の奇人の中では必ず名が挙がるトゥインクが中心となったピンク・フェアリーズというバンドもノッティングヒルゲイト出身のバンドだ。デビューが1971年なので、まぁ、ホークウィンド当たりとも当然交流があったワケで、三枚目のアルバム「キングズ・オブ・オブリヴィオン」に参加したギタリストのラリー・ウォーリスは後にモーターヘッドに参加するというのもあって、多分交流が盛んだったんだと思う。

 1971年リリースのデビューアルバム「ネヴァー・ネヴァー・ランド)」。まぁ、ジャケットからして可愛らしいワケで、ジャケだけでもファンが付いて、手にとって買った人は多かったんじゃないだろうかとも思うが、英国オリジナル盤ではかなり濃い色合いの絵柄に薄いビニールが被せてある珍しい形態で、レコード盤はピンク色という奇抜なものだった。しかもしれがポリドールというメジャー会社からの配給ってことでかなり期待されて出てきたんじゃないかとも思うんだけどねぇ。前身はデヴィアンツというバンドの面々で、トゥインクがUFOクラブ周辺から集めてきた面子ってことらしい。

 そして中味だけど、これがまた、最初の「Do IT」なんてのはもう怒濤のパンクロックで、いきなり度肝を抜かれる激しさ。アルバム全編通してインパクトは圧倒的。これでこのバンドを気に入ったもん。そしたら以降は割と静かめなフォークサイケだったり妙~なポップスだったり、要するにファンタジックな英国らしい音を出しているワケさ。最初の「Do IT」は一体何だったんだ?と思うくらいに別モノの曲が並ぶというヘンなバンド。面白いなぁ。もちろん何十年かぶりに聴いたんだけど、いやぁ~、面白い。独自カラーが凄く出ているので、一概に片付けられないサウンドなんだもん。ギターも不器用に上手くて、ドラムは縦横無尽に駆け巡っているし…、しかもスカスカの音で(笑)。

 そんなピンク・フェアリーズは都合三枚のアルバムをリリースしているのかな。常にメンバーチェンジされているのでなかなか実態が掴めないけど、「ネヴァー・ネヴァー・ランド)」と三枚目の「キングズ・オブ・オブリヴィオン」が有名。別バンドに近いくらい出してる音は違うけど、どっちも面白い。昔アナログでは全然高くて手が出なかったけど今は紙ジャケでもリリースされたみたいで、お手軽に聴けるハズなのでお試しすると割と楽しめます。

Pink Fairies - What a Bunch of Sweeties 1972

What a Bunch of Sweeties ロックってさ、やっぱり反抗の象徴であるべきだろ、とか…いや直接的なものじゃなくてもいいんだけど自分の中だけでも何かに反骨心があって負けてたまるかみたいなところを後押しするっつうかさ、そういうのがあって然るべきだし、軽く「ロックです♪」なんて言われてもフザけんな、ってくらいにしか思わないワケで、もっともそういう事を言いながらとんでもなくロックな人もいるので、表現しにくいんだが何か軟弱なもんが増えてる気がしてそう思った次第。反骨してりゃロックってもんでもないし、まぁ、やっぱエネルギーとかパワーってのは必要で、そこに天才的な音楽センスみたいなのがある人間ってのはそりゃ少ないんじゃないかと。でもロック界には昔からそういう天才がいて、しっかりとロックとして認識されているんだから面白い、っつうか深い。

 ピンク・フェアリーズのセカンドアルバム「What a Bunch of Sweeties 」は1972年にリリースされているが既にその奇人と呼ばれたトゥインクは脱退してしまった中途半端な3人体制でのアルバムなのだが、サイケデリックから進化したバンドっつうイメージがあったものが、もっと攻撃的な姿勢になってきている。もちろんサイケなスタイルの中でということなんだが、作品の粗さが凄くロック的でその筋には好まれるんだろうと。プリティ・シングスなんてのもそんな雰囲気だったし生い立ち的には似たような部分あるバンドなんだが、ピンク・フェアリーズの方がもっと奔放で野生的…そりゃメンバーの生い立ちからしてそうなんだが(笑)。ノッティングヒルゲイト周辺の激しさっつうのは自分の中ではモーターヘッドとかと共に定着している印象ですな。

 さてさて、この「What a Bunch of Sweeties 」というアルバム、一言で言えば退廃的なロックンロール。ただ、こういうのが凄く好き。これまでファースト「Neverneverland」とサード「Kings of Oblivion」を聴く回数が多くてセカンド「What a Bunch of Sweeties」はさほど聴かなかったので今回敢えて取り出してみたし、しかも何年ぶりなんだ?くらいに聴いてるから久々で面白いわ、これ、って燃えてきたもん♪なんかさ〜難しいことなくロックなんだよ、どっちかっつうとアホみたいにさ。それでいて白熱しているからかっこ良いし、音はメチャメチャガレージなサウンドそのままなんで粗ったいけどね。今の自分の気分にはコイツが似合ってたってことかもしれんけど、侮れないセカンドアルバム「What a Bunch of Sweeties 」だったな。ジャケットが他の作品みたいにインパクトあればもっと聴いたのかもしれないのに勿体無い。

Pink Fairies - Kings of Oblivion 1973

Kings of Oblivion  今の世代は怒りの矛先や世間の矛盾を吐き出すところやどうしようもないエネルギーの塊を発散する場ってのを必要としていないのだろうか?それくらいにおとなしく賢い人間ばかりになっているのだろうか?もちろんそんなことはあるはずないだろうし、そういう発散場所ってのも何かしら求めているんじゃないかと思うんだけど、そういうのあまり聞かないな。実は無いのかもしれない。とするとロックの原動力ってのが無いってことだから面白いのが出て来るハズがないんだよな。それだけ政府を含めた世間が正常に機能していると言うことなのかもしれないが、う~ん、時代背景が違うからなのか、ロックが生まれる土壌なぞ無くなってきているとも言えるのか…。

 1973年リリースのPink Fairies三枚目となる一旦の終焉を迎えた作品「Kings of Oblivion」。プログレとかサイケとか色々言われるバンドだけど、どう聴いたってR&Rとパンクでしかないだろ、ってのがその本領で、The DeviantsやHawkwindの流れで語られるとサイケになっちゃうもんな。でも、motorheadからの流れで聴けば明らかにパンク源流のロックになるだろうよ。そ中間を縫って出てきているバンドとも言えるんだが、早すぎたロックバンドのひとつだったのかも。この「Kings of Oblivion」も冒頭からカッコ良いよ~、ノイジーに迫力任せで出て来るんだが、ガツンという感じじゃなくって少々ぼやけている…そのヘンがサイケの流れを感じてしまう部分ではあるけどやってることはパンクへと続く流れで何のイメージも持たずして聴くべしなアルバム。

 ジャケットが3匹のコブタ…だけど悪そうで良いでしょ?こういうユーモアが効いてるのも楽しいし、やっぱりヘンな印象のあるバンド。スリリングで疾走感溢れるハードロックな音とトリップしてます的なフワフワ感とパンキッシュな流れを汲む不思議な音が詰め込まれた作品、Pink Fairiesの中では一番良いんじゃないかな。もちろんmotorheadオリジナルメンバーのギタリストラリー・ウォリス参加のアルバムです♪

Pilot - Second Flight 1975

Second Flight あんまりポップロックって通って来なかったな…やっぱりソフトでポップだからガツンロックの好きな自分的には若い頃は受け付けなかったし、何でも聴くようになってからもこういう世界があるっていう認識はあるけど好んでは聴かなかったもんな。でも、今はそんなに嫌いじゃない。多分こういう気楽に聴けるBGM的な音ってのを許容しているからだろうな(笑)。ただ、だからと言ってハマり込むほど聴くか?ってモンでもないから結局人生に於いてそんなに聴くものじゃないんだろうとは思う。先日どこかでふとThe Whoなんかが流れてて、やっぱりガツンと来たもんな。好みってのは結局ワガママの象徴でしか無いしね(笑)。

 1975年にリリースされたPilotのセカンド・アルバムにて多分一番売れたアルバム「Second Flight」なんてのを…、いやリアルタイムでは知りません。そして後追いとしても後で追わなかったので知りません、聴いてません。ただ、色々と漁るようになった時にこのポップロック系統ではベイ・シティ・ローラーズあたりと並んで出てくるんで名前は知ってた。そもそもBCRも聴かないから当然Pilotも聴かないワケで、他者が言うところのアイドルバンド、もしくはBCRとくらべての評論ってのは聴く人にはイメージつけやすいだろうけど、余計に聴かないリスナーも増やしてしまうということはあるのだ。そういうのがたくさんあるから自分で書く時にはあまり類似バンドと言うのは書かないようにしてるけど…どうだろ、ま、あるんだろううな、きっと(笑)。

 さて、売れたらしい「Second Flight」というアルバム、端的に言えば「全然面白くない」。まぁ、言い切って良いかどうか、はたまた「コイツの耳はおかしい」と思われるのだろうけど、つまらんモンはつまらん。売れたアルバムって面白いかどうかは二の次ってのが正に当て嵌まるなぁ…、あ、自分には、です。ちなみに自分はポール・マッカートニー聴かない人なのでそんなセンスの人間が単に「Second Flight」はつまらん、と言っているだけですのでそもそもそんなお話です。なんかね、微妙なんですよ、このヘンの音を聴けるか聴けないってのが。10ccとか面白いな、って思うんだけどPilotはダメ。一聴するとクイーンみたいな側面強くて、それならなかなか良いじゃないか、って思ったんだけどなぁ…Angelは良いんだが。何がどこがダメなのかわかりません、ただ、何かダメ。…っても多少なりとも好意的に書けばよく出来てるし聴きやすいしB級じゃなくてしっかりとメジャーなプロダクションによる音作りだからそういう部分の悪さは全くなくって美しいです。ヘタじゃないしコーラスだって曲だって際立つくらいによく出来てる。ギターのメロディだってよく練られてて印象的な旋律になってるから覚えやすいし。

 ただ…、多分自分的には「ロック感がない」に尽きるか。ロックじゃない人がロックじゃないのをやってて聴くのは良いんだけどロック的に聴かせようとして形も出来てて、でも全然出来てない中身ってのが一番腹立つのかも(笑)。まぁ、わからなくても良いんです…ただのこだわり、ってか自分の感性ですね。気持ち良いの聴こう〜っと♪

Pinnacle - Cyborg Assassin 1974

Cyborg Assassin 随分と音楽の聴き方が変わってしまったなぁとつくづく実感するのだが、それも時代の深化か。音楽業界の音楽の売り方ってどうなっていくのだろうか?ハイレゾ系のは一部ニッチな世界でしかないだろうし、一般的にはDL売りが当たり前に定着しているようだが、自分周辺にはどうにもそうは思えなくて、何か違う気がしている。FLACだったらいいのか?と言うのもあるけどちょっとピンと来ないんだよな。実際DLで入手することもあるしCD等メディアで入手することもあるが、iTunesライブラリに入ってしまうとどれもこれも一元化されてしまうから入手したありがたみとか激減するしさ、どうなんかな〜、と。聴きたい時にYouTubeあたりで聴いてりゃいいか、って感じになってるのは確かだ。

 さて1974年のヘヴィロック…う〜ん、1974年としても言葉がやや古くなってる感があるのだが、Pinnacleというマイナーなバンドの唯一作「Cyborg Assassin」なんてのを。こちらは浅井コレクションには出てきてないけど、ライブラリには存在しているだろうことは想像に難くない(笑)。90年代半ばにKissing Spellってレーベルが超レア音源の発掘ばかりをやってくれて、その大半がトラッドフォークロック系だったので、こいつもそうかと思って予備知識無しでトライしてみれば、何とも驚くばかりの超絶ヘヴィロックだったというオチ。ジャケットのインパクトそのままに脳天突き刺すようなサウンドが強烈だが、それを紐解いてみるとひたすらランニングベースの迫力がヘヴィさを打ち出しているような部分が大きい。どうにもスティーブ・ハリス的ベースとも言えるんだが、どうかね。そこにストラト系の軽めの歪んだギターと手数のやたらと多いドラムとハモンドが重なり、もう英国B級バンドの典型的なロックが出来上がり、そこに意外と聴きやすいボーカルがメロディアスに歌ってくれていて、それぞれのギャップがものすごいんだが、全体的にはバッチリ、こいつこそ、っていうB級ハードロック感が漂ってて大変よろしい♪どこを取っても売れる要素なんてないし、テクニック的にヘタじゃないけど標準的なバンドの力量だし、音楽的な特徴があるわけでもなくて、何ら変哲のないバンドです。過度に期待しないように(笑)。ただ、こういうのが好きなんです♪

 いいなぁ、こういうの。大体、ハモンド使っててメジャーになったバンドって多くないのが面白いんだが、そのハモンドが割と比重高いから既にB級の象徴、でもギターハードだからアードバーグとはちょいと違う、もっとギターロック寄り、でもベースがとんでもなくってもしかしたら褒めるとしたらNWOBHMの原石かもね。どんだけ知られているバンドか知らないけど、自分的には苦笑い的に大好きです(笑)。

Plastic Penny - Currency 1969

Currency あのラリー・ペイジが仕切っていたレーベルにPage Oneというものがある。ラリー・ペイジを有名にしたキンクスのアルバムについてはPage Oneレーベルからリリースされることはなくってもっとマイナーな実験的バンドがちまちまと在籍していたレーベルなのだが、何かと耳の肥えた人だったことに間違いはなく、出てくるバンドは何かと秀逸なバンドが見つかる。そんな中のひとつでもあるPlastic Penny…、Octpusの「Restless Nights」のプロデュースをした人物の在籍していたバンドでもありますね。

 1969年リリースのセカンドアルバム「Currency」が割と有名…だと思う。サイケとかポップとかというよりももっとロックしている…こんなジャケットのくせに(笑)。2曲目の「Hound Dog」なんてのはあのプレスリーのカバーっちゃあカバーなんだが、思い切りブルースロックにアレンジし直していて、普通に聴くと何だかわからんけど重くてエグイ音だなぁ〜っていう感じ。アングラ的な重さがあるサウンドなのでちょっと珍しいかな。他の曲にしてもオルガンとギターで割と重めに作られていて意外と軽さがない。決してサイケデリックなポップバンド的なモノだけではない。奏でられるメロディは割とポップでキャッチーなんだけどしっかりベースが重いんんだよ。さすがにトニー・マーレイの才能が光りまくってる。そういうのがはっきりとわかってしまう楽曲が多いんだよね。

 んでさぁ、調べてると面白くって…、Plastic Pennyって元々ブライアン・キースというソロシンガーが結成したバンドだったんだけどファースト「トゥー・サイズ・オブ・ア・ペニー」をリリースしてしばらくすると抜けてしまって、それでも頑張るってことで残ったメンバーが制作したのが本作「Currency」でして、リードシンガーなしでもこれだけのアルバムが作れたっつう事実はよかったものの、やっぱり活動継続は難しかったらしい。んで、面白いのは余談なんだけど、Plastic Pennyに在籍していたドラマーのナイジェル・オルソンはエルトン・ジョンと一緒にやっていることで有名らしいが、実はユーライア・ヒープにも一時期参加していたらしい。う〜む、英国史は深いわ…。そう考えるとユーライア・ヒープの源流の一つでもあるワケで、色々なところで絡みまくるんですなぁ、このバンドも。

 そう言われると所々でオルガンメインになったベタなハードロックってのも聴けるワケでして、Plastic Pennyってそういうバンドだったのか…とまた聴く角度が変わってしまった(笑)。表現しにくい音だったけど、ヒープを例に出すと例えやすい音というのは間違いない。

Please - 1968/69

Please 1968-69 いやぁ〜、棚を漁っているととんでもないものが発掘されるものだ(笑)。果たして何だっけこれ?って思いながらプレイヤーで音を流すと、滅茶苦茶かっちょよい音…。うわぁ〜好み〜♪ なんてのが出てくると嬉しくなってしまうね。大物バンドとかだとそういうの全部覚えてるからいいんだけど…、B級くらいだとまだ記憶にあって、好きなアルバム♪なんてしっかりしてるんだけど、そこから先…、いいなぁ〜と当時思ってもなかなか深く聞き込まないとか、資料的に集めてきたアルバムとかなんてのはふ〜む、ってなもんで深追いしていなかったり。あぁ、そういう音楽の聴き方はいかんのだ。しっかりと制作者の思いを汲み取って聴かなければ、と思うのだよ。なので、こんだけ毎日聴いたり書いたりしてるんだけど(笑)。

 本日の大発掘音源はこれ、1960年代末期にどういういきさつでは、果たしてアルバムなんてものも存在したのか、よくわからない…、多分オリジナルアルバムという形では出てないのではないかと思うのだが、それなりに曲があるので全部シングルというワケでもないのだろう…。不明。エヴァ姉さんところが日本で一番詳しく書いてあるのでオススメ。背景はそこにお任せします♪

 プリーズっつうバンドで、ピーター・ダントンっつうドラマー兼ボーカルさんがいらっしゃるのでT2的な前身バンドとして捉えられるが、Gunのエイドリアン・ガーヴィッツさんも参加しているのでGunとも絡む…。ベースのバーニー・ジンクスさんから見るとブルドッグ・ブルードっつうバンドも絡んできて、そこにはT2のギタリストキース・クロスもいるっつうワケで…。まぁ、仲間内であれこれととっかえひっかえ試しに色々な音をやってみたってトコなんかな。このヘンの背景は線引きをアルバム単位でするのも難しいのでまぁ、音で判断すれば良いじゃないですか、ってとこか。

 多分CDで手に入るのって「Please 1968-69」と「Seeing Stars」だけなんだと思うが、「Please 1968-69」の方が面白い。いや、どちらも似たような音、サイケ調のハードロックでふわふわしていて、アシッド的感覚が散りばめられていて未熟なアレンジのくせに浮游感が堪らない…それもこれもダントンさんの歌声のおかげが大きいか。かたやかっちょよハードロックもあったりするので、もう実験的要素が強くって、でもそれ、アングラな世界じゃなくってやってるってのかな。ポップな側面は多分に持っている。

 もの凄く驚いたことにそんなメンバーの背景だから当然なんだけどT2のアルバムの3曲目に入っている「No More White Horses」はこっちがオリジナルです。3分半のちょこっとお茶目な良い曲っていう感じで入っているんだけどT2になってから再度持ち出してクローズアップしてアレンジしまくってあんなにかっちょいい音に仕上げたっつう…、他の曲も同様の手法を用いたら全く別のハードロックバンドとして生まれ変わるんじゃないか?ものすごいセンスだよ、それ。そういういきさつでウチにあったのかと納得したけど(笑)。いやぁ、ほんとにアレンジ施したら凄くなりそうな感じの曲が多い。「Strange Way」とかさ…。

 うん、多分、背景もあるけどプリーズというバンドの音自体で最高にかっこよい英国らしいバンド。明るい曲調ばかりではあるけどやっぱり湿ってる。で、センスが抜群。ブルドッグ・ブルードの方も合わせて聴いてアングラなバンドのファミリートゥリーを解明しながら音を聴いていくのも面白いし、それなりの価値は十分にある名バンド。いやぁ、この手のバンドでは久々に何度も聴いてハマりまくったね。

P.P.Arnold - The First Lady Of Immediate 1968

ファースト・レディ・オブ・イミディエイト+3(K2HD/紙ジャケット仕様)  The NiceともSmall Facesともストーンズともロッドとも皆が皆絶賛して可愛がっていたという元々Ike & Tina Turnerのバックコーラスをしていた経歴からかの有名なアンドリュー・オールダムにも見出されてあれよあれよとソロシンガーへと格上げされてイミディエイトという新進レーベルから出されてアルバム制作にまで至ったというラッキーガール、今じゃロジャー・ウォーターズのバックコーラスもしているという現役な方。アルバムをまともに聴いたことなかったんでちょうど良い機会だなってことで登場です。

 P.P. Arnoldの最初のアルバムは1968年にリリースされた「 The First Lady Of Immediate」。もっともシングルで幾つかヒットを出していたのでアルバムリリースが1968年ってだけですがね、まぁ、昔の日本のアイドルと同じくシングルで売ってからのアルバムデビューなんだよ。んで、P.P. Arnoldもまたアイドルだったワケで、それにしてもこのアルバムもThe NiceとSmall Facesがバックを努めていて、更には楽曲提供もされているということで、60年代ロック好きからしたらお宝な作品とも言えるアルバムになっちゃってて、そこへP.P. Arnoldの素晴らしい歌声が聴けるというのもありがたい。まぁ、音楽的に好みかどうかってのはあるけどさ、冷静に聴いてみると何だろうなぁ…歌はもちろんR&Bとゴスペル的なソウルフルな若い女性が歌っているというだけなんだけどバックはロックバンドがやってるっての知ってるもんだから、やけにロックっぽいサウンドに聴こえてきて、普通にR&Bのアイドルじゃない。そこが多分売りだったんだろうな。ロックバンドがバックに付いたゴスペルシンガーアイドル…。なんか良くわからんけど面白いぞ、的なね。

 P.P.Arnoldが本気でソウルフルに歌ったらそりゃ普通に凄いだけだろう、と。そこをバックがロックバンドなもんだから普通にソウルフルにならないと言うか、それでもソウルフルなのが好きな連中がバックをやってたりして成り切りたいと言うか、そのヘンのチグハグ感が面白い。かなり斬新で新しいことに取り組んだ結果の一つであろうと今なら思える。皆のアイドルだったんだな…。

Presence - Presence 1970

PRESENCE (+3) 多分ほとんどの人が知らないであろうバンドというものはいくつも存在するし、ましてや英国のフォークを得意とするバンドなんてのは一般のロックファンの基準からしたらさらに知らない世界となるに違いない。まぁ、かと言って自分はどこから情報仕入れているのかっつうのも不思議なんだけどさ(笑)。入手して聴いてみてから初めてあちこち調べてみるという聴き方もあって、ギャンブルだけどなかなか楽しめることもある。そんな一例がこのバンド、プレゼンス。

 1976年リリースの唯一の作品。ややこしいのはさ、ネットの検索で「Presence」1976年と入れると山のようにZeppの「プレゼンス」が出てくるんだよ(笑)。なので情報調べること自体が大変でして、もうひとつ二つのキーワードが必要ですな。それには紅一点のボーカリストヴェロニカ・タワーズ嬢のお名前を入れてヒットさせるっていうことで解決、かな。もっとも裏ジャケに載ってるくらいでしか見たことないのでよく知らないのだが…。どっちかっつうとバンデル兄弟のバンドとして探した方が早いかも。

 なんだろなぁ、基本的にはもの凄くメロウなフォークバンドでもちろんヴェロニカ嬢の歌も良いんだけど、この人はどっちかっつうとロック系の歌を歌う方が似合っているので、純粋なフォークバンドってのでもない。しかも半分以上の曲にやたらとパーカッションの音が入っていることでわかるようにフォークを底辺としたごった煮ロックを展開したかったのかもしれない。1976年という年に純粋たるフォークバンドで英国から出てくるってのもなかなか考えにくいし、まぁ、ちと変わったフォークバンドみたいなところで出てきたのかもね。うん、だからパーカッションの不思議さを除けば割とメロウな純然たるフォークサウンド中心の音で美しいことに変わりはなく十二分に楽しめる。ちょっとシンプルすぎるキライはあるけど、ま、フォークらしい。

 トラッドの香りはあまりないです。トラッドとフォークって分けて聴いてるワケじゃないけど、もっと純然たるフォークのバンドとして認識してもらえれば良いのかな。このバンドってあんまり紹介されることもないし、英国フォークを語る本でも出てこないこともあるのでかなり珍しいバンドみたい。まぁ、1976年デビューつうのもあるだろうけどね。悪くはないよ。アマゾンでも探せないから入手方法不明だが(笑)。

 ただこの主要メンバーバンデル兄弟のIvorとKevanは二人で今でもユニット組んでいくつかの作品をリリースしているみたいだし、ヴェロニカのソロ作品でも共演してるようなので割と玄人向けのミュージシャンかもしれない。

Public Foot the Roman - Public Foot the Roman

Public Foot the Roman by Public Foot The Roman (0100-01-01) 【並行輸入品】 ツインリードギターバンドって言われるほど思い付くバンドの数は多くなくって、80年代あたりまで進んでもあんまり出て来ない。それだけWishbone Ashの唯一さがあったってことなのか。アメリカのサザンロック界隈ではトリプルギターあたりまであるにしてもちょいと方向性違うし、ツインリードでカッコ良くってのはPraying Mantisあたりまで行かないとなかなか見当たらないんじゃ?Iron Maidenはそういう括りでもないし…ってことで、割と悩ましいので周辺バンドで…なんて思ってたら素敵なバンドがあったじゃないですか♪

 1973年に初期Wishbone Ashをプロデュースしていた方が関わったPublic Foot the Romanってバンドの唯一作「Public Foot the Roman」です。これさぁ、ジャケット見てて何かに似てるんだよなぁ…と思い出せない。サッカー場の上にUFOがいて…もちろんダブルジャケットだから見開きにしてみると裏ジャケからは宇宙人が…ってフロントの女の子がそっち見てるっていう何ともシュールで意味深なアルバムデザインでさすがヒプノシス全盛期、ジャケットだけでアルバム聴いてみたい…ってよりもアルバムを購入したいって気になりますな。んで、同じようなコンセプトのジャケットがあったんだよなぁ…ヒプノシスだったかどうかまで覚えてないけど…その内に思い出すだろう。

 さて、このPublic Foot the Romanってバンドだが5人編成でもちろん英国のバンド、しかも初期Wishobone Ashの香りがもちろん漂ってまして、あのごった煮70年代英国ロックの一端を担うバンドなんだけど、かなり洗練されていてギターもツインが美しくメロディを奏で合うってんでもないけどそれぞれの役割をきちんと担ったツインギターバンドって感じで曲はハードロックとは括れないけど、概ねAsh的な大らかさを持っている感じかな。メロディがちょいとはっきりしすぎてる曲もあるけど英国ロック好きには良いんじゃない?ただ…超個性には物足りない、言い方変えるとメジャーになりきれない部分があるけどB級としてはちょっと出来過ぎてる、か。

Pussy - Invasion 1972

Invasion ちょっと前から英国ロックものなんかでも結構知らないのがちょこちょこ出てるな〜って不思議に思ってたけど、今更ながらそっか、そういうことかと納得したのだった。うん、シングル一枚だけで消えたバンドとかってのが幾つもあってさ、自分がその辺を漁って追求していた頃にはそこまで追い切れてないからあくまでもアルバム単位で記憶して集めてたワケ。ところがこういう時代になってくるとシングル一発しか出してないバンドの実は未発表のアルバム用音源があったり、シングル予定の楽曲が数曲あったりとかさ、そういうのをまとめてCD出しました…出しましたったってバンド側じゃなくてもちろん音源を持ってるレーベルだったりマネージメント側だったりするんだろうけど、そんなこともあって未発表音源集ってか、そもそもアルバム出せなかったバンドなんかの作品が発掘されてるみたい。だから知らなかったりするのが197☓年の英国の幻のバンドの作品なんてキャッチがあったりしたんだなと納得。

 1972年頃の録音作品ってことで知られているらしいPussyたるバンドのそんな発掘作品「Invasion」。それこそシングル一枚しか当時はリリースされなかったらしいけど、結構な出来映えの楽曲がアルバム用だったのか何なのか制作されていていて…、ってもシングル集とでも音源だけど、それでもこんな商品になっちゃうんだから見事。それでまたそんなのを聞いてしまうリスナーも自分だけじゃなくて多数いらっしゃるってのもまた…、ニーズってのはあるもんだ(笑)。

 音はねぇ、結構なザクザク感味わえるギターが中心な心地良いテンポと音のミディアムハードロックなバンドでブルース色は全然なくて、その意味では新世代的なハードロックかも。紐解いてみればエルサレムっつう英国のバンドのフロント二人がエルサレム解散後に組んだ新しいバンドってことで、だからこそそれなりにシングルもデモ集もレーベルも録音も残ってたりしたんだろうか、嬉しい誤算とも言える未発表音源。エルサレムよりこっちのがいいんじゃないかな〜なんて思う。ハードロックにグラムな要素が入ってるらしいが…ハードロック寄り部分が強いかな…でもキャッチーなメロディなんかは確かにグラム的?テクニカルな部分は多くないしね、なるほど、そういうことか。なかなか楽しめる一枚です。