Sassafras - Expecting Company 1973

Expecting Company: Remastered And Expanded Edition …英国のウェールズに戻ってのSassafrasってバンドの1973年リリースの作品「Expecting Company」。サッサフラスって何ぞや?って最初に思うんだが、どうもそういう樹木の総称らしい(Wiki)が、発音なりアクセントが面白かったのかな、耳慣れない単語だから覚えやすいとかそういうのもバンド名付ける時にはありそうだし。んで、ポリドールからのリリース作品で、どういうキャッチーで出てきたのか分からんけど、バンド名見たらどうにもイメージ付かないじゃない?ジャケット見てもなんだこれ?って感じだし、まるで読めないバンドなんだけどね、そりゃ売れないだろうよと思うのだが、酔狂なリスナーはいるもので、聴いてみるのだな。

 これがまた驚く無かれ、唯一無二のサウンドを出しているのだ。基本…、どこが基本なんだ?ハードロックか?カントリー・ロックか?コンガ入りロック?ギターが歪んでてメロディアスに弾いているからWishbone Ash的な影響下にあるのかもしれないが時代が同じだからそうとは言い切れず、独自にメロディアスなギタープレイを志向したのだろう。そこにエッジの立ったギターが入ってきたりするのはハードロック叙情美的ではあるけど、根底にカントリーロックとの融合もあるのとコンガを入れちゃえよ、ってのもあってよく分からなくなってる、そこが面白い。そして歌は結構キャッチーでコーラスワークもしっかりしててクィーンばりですらある。メインボーカルはちょいとシャガれた声も出て来るけど割と高めの歌でロック的なボーカルで好きだな、こういうの。

 結果トータル的にはどこにも位置付けできず、中途半端なB級ロックな立ち位置になっちゃうんだけど、かなりメジャー急なサウンドと楽曲レベルで、演奏もしっかりしてるから全然悪くなくてB級なんて勿体無いってくらいの作品には仕上がっている。ギターの音も結構好きなトーンだし、曲も味わいあるし、コンガとか気にしなきゃかなり普通に英国ハードロックベースのバンドだと言い切れるのだが、やけにメロディアスだしポップでもあるからその辺のごちゃごちゃ感を吸収できないと中途ハンパなバンドに映るか。自分的にはこういうのこそこの時代の特権だし、試せた音楽だから面白いと思うけどさ。

Sad Cafe - Fanx Ta-ra 1977

悲しき酒場の唄 最近ちょっとだけ真面目にネットワークオーディオに注目…してたけど、自分の環境ではどうもあまり必要では無さそうだ、ってことに気付いてしまってテンションがやや下がっている(笑)。折角新しい世界が広がると思ったのにな、どの部屋でも同じ音楽を聴けますとかそんな広い環境じゃないしさ、敢えてそれぞれのiPodとかに違うライブラリを入れてその場にあるのを久々に聴いて楽しむなんてのをやってるし、車の中とかNAS出来ねぇし、クラウドだって難しいんだからそんなん無理だしな〜、家の中でももそんなの意味ないもん。とすると何したいんだ?ってなるとPCオーディオの世界になるのかな。それにデジアンやら何やらでの環境くらいが一番自分に合うのかもしれないけど、Macでそのまま聴いてて何ら不便を感じないんだから困る。今やりたいのは優雅にロックを聴くってことだから、多分別室でiPad操作しながらデジアン経由のスピーカーシステムだろうか。それって今のセットをもう一つ作るってこと?意味ない…orz

 Sad Cafeってバンドのデビュー作1977年リリース「悲しき酒場の唄」でアルバムジャケットが気をそそるなかなかのデザインでね、そこにSad Cafeなんていうバンド名だから何ともユニークな存在。と言いつつもあちらこちらでSad CafeはAOR寄りのポップスと紹介されているものが多くて全然聴く気にならなくて、聴いたのは随分と後になってからだ。聴いたからと言って気に入ったか、と言われると全然そんなことなくて掴み所がなかった、ってのが正直なトコロ。前身がMandalabandの面々で、そこに濃い〜ボーカルを入れてキャッチーに進めていったらこうなった、ってのがA面のアグレッシブな側面で、Mandalabandの流れを汲んでいるのはB面の組曲達。それでも妙にファンキーなポップがあったりするからどうにも…ってトコだけど、時代を考えるとやっぱり最先端を行ってたんじゃないかと。売れてもおかしくなかったし、実力もあるし、という感じ。ただ、垢抜けない(笑)。

 ギターがね…、相当にアグレッシブで只者じゃないプレイをしているのが面白くて、曲調とバンドの実力とやってることがチグハグな印象で、何だろ、ゴッタ煮ロックなんだけどちょっと洗練されてる…、でもメジャー所には行けなかった?くらいの感じ。ただ、聴いているとハマってくるタイプのバンドかもなぁ…、何せ掴み所がないからどこか掴もう、みたいに思うしさ(笑)。自分はかろうじてギターのエグさと歌のユニークさ、かな。まだまだです、このヘン。

Sam Apple Pie - East 17

East 17 古いロックを久しぶりに聴くと、しかも妙にハマったりするとそのまま他のも聴きたくなるし、それぞれがもちろん個性的だから楽しんじゃうのはこれまでの性、今回はSam Apple Pieなんつう美味そうな名前の付いた英国のバンドの「East 17 」なるアルバム。1973年リリースにしてこのサウンドなんだからFoghatやHumble Pieと同じくらいに、結構早熟なハードドライブなバンドだったんじゃないだろうか?聴いた感じはブギ中心のアルバムで、まだサイケな波も引き摺りつつヘヴィで土臭い方向に進もうとしているようだ。スライドなんかも出て来るし、かなり土着的なサウンド。歌も結構黒いのを意識した感じはあるし、ギターはもちろんブルース基本な結構グイグイくる音でのHamble Pie的な強引さがあってなかなかに面白い。売り方間違えなければ結構なリスナーがついたんじゃないだろうか?

 今聞くにはかなり古めかしい印象は否めないけど、当時の水準ならB級に甘んじるバンドでもなさそうだが、どうだったんだろ?まぁ、確かに技術的なところでやや心許ないプレイはあるけどそこは勢いで一気に畳み掛けてる力強さもあって良い感じ。こんくらい強引にやってくれると気持ち良いね。出来ること一生懸命やってるぜ、って心意気が良い。

Sam Gopal - Escalator 1968

Escalator  ベーシストの音って当然ながらそれぞれの個人で音がセッティングが違ってるんだけど、こないだもスタジオでそんなのをアレコレ…、どうやったらああいう音になるんだ?とかそんなお話。聞いてて面白いなぁとつくづく。自分とドラマーのヤツなんかは二人とも初めて聞いた、そんなお話、みたいな感じだったけど、ベースもやっぱり深いんだな〜なんて。そりゃレコード聞いてると色々な音出てるんだから当たり前か…。

 1968年、レミーがフロントになって表立って出てきたのはコイツが最初だったんだろう、Sam Gopalの作品「Escalator」。見事なまでに若かりし頃のレミーの歌にベース…、あれ?ベースはレミーじゃなくてデュークのだ…、そっくりじゃないか(笑)。ってことでレミーは歌とギター、ギターはもう一人いるのでレミーがどこまでリードギター弾いてるのかはよくわからないけど、そんなに弾いてないではないだろうか?もしかしたら全部弾いてる可能性はあるが…、それよりも、まず、デュークのベースラインと音が明らかにHawkwind〜motorheadの頃のレミーに影響を与えているであろう音で、リッケンバッカーなんだろうね、音も同じだもん。そういうルーツを見つけるのは面白いよ。

 そして歌の方は、明らかにレミーなんだけどがなり立ててる歌じゃなくて普通のボーカルだし、ソフトに歌っているのが大半だから声はレミーだよな、でもさ、ってなくらいに地味な歌い手にしか聴こえない感じ。このままだったら完全にB級のまま埋もれていっただろうけど、Hawkwindでベーシストして蓄積してmotorheadでボーカルも含めて大成していったという人生、こうして最初期の歌声なんかを聴いてるとその生き様が凄いなと思う。ひたむきに音楽してたんだろうし、どうやって売れるか、みたいなのも考えてて溢れる才能を使って楽曲はこなしているというか、ここからの10年はレミーにとって正に変貌の時代だし、そういうのを知って聴くとより一層楽しめる。

 Sam Gopalの音自体はドラムレス=タブラで代理のリズムを出しているってだけでかなりヘンなのは想像付くだろうし、そこにそれなりにラインのあるメロディがついてリッケンバッカーのボンボンベースがラインを弾くというあたりで、正直かなりグワングワンするトリップ的なサウンドで心地良い。レミーがどうのってのは意識しなくても普通にサイケな音として楽しめる一枚。

Samurai - Samurai 1971

Samurai 英国のバンドで最も和風なものを意識したバンドってのは音はともかくジャパンが一番有名だろうね。後はまぁ、エイジアもあるか(笑)。もちろんバンド名だけの話だが。そういう意味ではマイナーではあるがサムライっつのもあったワケさ。視覚的な面では先日のジェイド・ウォーリアーもそうだけどさ。それだけで言うならスパークスだってそうだ(笑)。うん、結局和風、っていうだけで日本の文化と音をきちんと解析してまで音楽にしている人なんてのは少ない。日本人だってそれは怪しいものだもんなぁ。坂本龍一とかは別だけど。

 そんなことで適当に和風な英国バンドってことで兼ねてから気になっていたSamurai登場♪ 音的な側面の前にジャケットはジョンとヨーコを主にしたジャケットだったワケね。しかしまぁ、かなり風刺度の高いジャケです。

 そして音。うん、ごった煮(笑)。よくジャズロックとも言われているんだけど、そういう区別よりもブラスセクションもきちんとバンドとして配したロックバンドのアルバムで決して激しいワケでもなく且つ単調にもならず、そして更に何と言っても軽いクリムゾン的な音でもあるわけで、センス自体はかなり悪くない。その辺がデイヴ・ローソンという表向きにはあまり恵まれなかったミュージシャンの隠れた才能だろうか。なんだかんだとこの人は60年代末期からず〜っとインテリジェンスな音を作っている人なのだなぁ。気になったのでちょっと調べてみたらこんなに良い仕事をたくさんしてました。う〜ん、深い。

Savoy Brown - Getting The Point 1968

Getting to the Point  英国三大ブルースバンドと呼ばれるフリートウッド・マック、チッキン・シャック、続けてサヴォイ・ブラウンが挙げられる。そういう意味ではピーター・グリーン、ジェレミー・スペンサー、スタン・ウェッブに並び表されるのはキム・シモンズだね。本来の意味でのファーストアルバムは別にあるんだが、結局メンバー全員総入れ替えってなってるし、その脱退したメンバーは後のフォガットというブギバンドを結成することになる。今回それはおいといて(笑)。そのサヴォイ・ブラウンの実質上のファーストアルバムとなる「Getting The Point」が代表作として挙げられるんだけど、昔から先入観でイマイチ聴く気にはならなかったアルバム。理由はいつも通り単純(笑)で…ジャケットが意味不明だったから。やっぱジャケットの持つインパクトは重要だよなぁ。これでこんなに渋いブルースバンドって言われてもなかなか手を出さないと思うんだけどね。

 で、中味はどうかと言うと…、これまた渋いモロのブルースで悪く言えば全くオリジナリティがない…とは言わないけどさ、いや、もちろんいくつかの楽曲に於いては凄く個性的なリズムやリフだったりするんだけど、基本的なトコではモロのままなんだよね。それともちろんギタリスト的には凄くタメになるし、絶対コピーしてフレーズを確認すべきアルバムなのでその辺はオススメしたいし、聴いているとこの時期の英国ブルースを志す若者達からの絶対の支持者はフレディ・キングなんだなとヒシヒシと感じるくらいにそれらしいフレーズが散りばめられている。ま、BBキング的なトコもあるけど、やっぱフレディ・キングの影響は大きいよな。その辺は凄く素直に聴けるトコなんだけど、聴いていて物足りない。何がって…なんでこんなに早くフェイドアウトしちゃうんだろ?って曲が多くて、もっともっと弾きまくって感動させてくれれば良いのに…、この辺がクラプトンとのこだわりの違いなのかな…。凄いいいフレーズをビシバシ決めてるんだけど熱いバトルにはならなくって、それが英国的で面白いと言えば面白いし、本場ブルースを好きな人からすると物足りない。…その背景に、この1968年リリースという時代だからまだ3分間ポップスの概念も残っていて、売れるためには短めの曲を…ってことでフェイドアウトでメンバーが納得してたとしたらちょっとなぁ、魂売ってるかなぁと深読み。

 ちょっと意地汚く見てる面はあるけど、サウンドと内容はモロ黒人ブルースのまんまなので興味深い。が、やっぱりどこか何か土着ブルースとは大きく異なっている、って感じるのは偏見かな。もっともっといっぱい聴かないとダメかもしれん、うん。

Savoy Brown - Blue Matter 1969

Blue Matter あまり何も意識しないでブログ書いて音楽聴いて、ふ〜んってやってると何故か70年代の英国ロックらへんになってしまうんだよな。こんだけ書いててまだあるのかと思うけどまだまだ山のように書いてないアルバムなどはあるワケで、ついぞそのヘンに流れていってしまう自分の習性が悩ましい(笑)。それでもさ、やっぱり勝手にそうなっていくってことはルーツがそういう風に結びついているからってのが大きいんじゃないだろうか、ってことで今回も単純にわかりやすくFoghatからSavoy Brownという遡り型で進んじゃいましょ♪

 1969年にリリースされたSavoy Brownの三枚目のアルバムにして自分的にはFoghatへの布石アルバムと思う作品「Blue Matter」です。そうそう、2013年7月頃にSavoy Brownって来日公演してたのな。キム・シモンズくらいしかいないんだろうけど、それでもSavoy Brownってバンド名で存続させてやってるってのは凄いな〜と。自分もそんなに何枚も聞いているバンドじゃないんであまりよくわからないんだが、今でもブルースやってるんだろうか?その内気にしてみようかな…。さてさて、この「Blue Matter」というアルバム…ってかさ、Savoy Brownってヘンなバンドでメンバーがよくわかんないんだよ。入れ替わり多すぎて…このアルバムリリース前あたりにはどうもビル・ブラッフォードも参加してたことあるとかさ…当時この手のブルースロックだったら色々な人がやっただろうからメンバーに流動性があっても芯がしっかりしてればさほど変化はなかったのだろうか、などと思ってしまうがSavoy Brownは逆にどんどん変化してしまっていってという感じだろうか。ま、それはキャリア総括するとそうなるだけなのだが。

 「Blue Matter」はアナログ時代のA面とB面でボーカルが違うしA面はスタジオ録音でB面はロンサク・デイブの歌うライブ録音になってる、そうすなわちFoghatに近い形が既にこの「Blue Matter」のB面で行われているんだよ。キム・シモンズのギターも含めて。それがさ〜、もうね、まんまFoghatでして(笑)、こりゃ良いわ、って思わず自分も拍手したく鳴るくらいドロドロのハードブルースで、正直B面ばかり聴いていたという感じ。A面のクリス・ヨールデンのボーカルってのはどうも眠い感じで好きじゃないし、そもそも楽曲がどうにも自分の求めるブルースロックとは似て非なるものでSavoy Brownというバンドの音自体をさほど好んではいないんで、余計にイマイチ感あったんだよな。ところがB面でのライブではボーカルの違いもあるけどハードブルース・ロックでさ、かっこ良いんだもん。まぁ、このバンド独特の線の細さってのはあるが、それは良しとしよう。長尺3曲だけしか入っていないB面に祝杯!

Savoy Brown - A Step Further 1969

Step Further  昔聴こうと思いつつ全然聴けてないのをこういうきっかけで聴いていくってのは自分が発信元になるだけじゃなくて、自分自身もそうやって聞いているという忘備録的な意味合いも強くて、我ながらありがたい部分もある(笑)。今回英国3大ブルースバンドと言われるウチのもうひとつであるSavoy Brownにしてもレコードがあまり手に入らなかったのもあってさほど注力することなく月日が経っていた。何枚かは聞いたりしたけど、結局アレコレってほどまでに聴いてはいないし、どうだったっけな、って思うアルバムの方が多い。まぁ、メンバーがよく分からないってのもあるけど。

 1969年リリースの4枚目の作品「Step Further」。B面はライブ一発のアドリブプレイが入ってるけどA面はもちろん新作で、なかなかにアグレッシブにロックブルースをやってるから楽しめる一枚。キム・シモンズも結構ギャラギャラと色味のあるプレイをしてくれてるのでロック野郎的には聴きやすいし、雰囲気を楽しめる。歌は相変わらず物足りなさ感は否めないけど、そこはもう感情でカバーってなところか。ホーンセクションも用いてのゴージャスなスタイルでのブルースロックへのアプローチも嫌味のないレベルに仕上がってて雰囲気出てるし続くブルースギターもメロディを奏でつつのブルースプレイで割と個性的で楽しめる。ふrく臭いと言えば古臭いけど、そんな風に弾ける人もあまりいないので味わえるしね。

 そして圧巻のB面の20分超えのアドリブプレイによるブギライブ、これこそライブの醍醐味と言わんばかりの迫力がそのまま収められてるのは良いな。スタジオ盤なんて軽くぶっ飛ばしてくれるくらいにグルーブした生々しいライブの演奏をそのまま収録しているからカッコ良い。バンドってのはこういうもんだろうよ、ってくらいに一丸となったステージングを魅せつけてくれる。この意気込みでのライブ盤をそのままリリースしてくれていればライブ名盤という中に入ったんじゃないだろうか?ってくらいの白熱ぶり。好みですね、こういうのは。

Savoy Brown - Raw Sienna 1970

Raw Sienna ブルースロックと一言で言っててもやっぱり結構違いがあるもんで、好みの差が出てくる。この辺は初期体験の違いになるのだろうけど、ヘヴィーに心に響いたモノがやっぱりいちばん好きなんだよね。それはもう自分的にはブルースだったけど、世間的にはブルースロックの範疇で、モノホンのブルースってんではなかったんだが、それでもこういうのがブルースなのか、と衝撃を受けるには十分なレベルだったのだ。まぁ、ジャニスやらZeppelinやらMike Bloomfieldあたりだったんだけどね。

 そこからすると英国の3大ブルースバンドとして語られているFleetwood Mac、Chicken Shack、Savoy Brownってのはブルースロックってよりもブルースベースでのロックバンドってイメージで、それも初期はブルースから始まってるけどすぐに進化していった英国お決まりのパターンなワケで、それもやや軽めに聞こえるのが自分的感覚。そんな中からのSavoy Brownの1970年5枚目のアルバム「Raw Sienna」。とりたててコレってんでもないけど、全盛期周辺のメンバーも安定してた時期のアルバムだ。その分既にブルースバンドという枠組みからは大きく外れていて、こちらもブルースにホーンセクションを導入していて、シカゴ影響ありありか。そこに英国風味の牧歌的感性が働いているんだから面白い。Kinksにバターフィールドバンドが加わった感覚があって、実に中途半端(笑)。その面白さが受けたんだろうけど、この辺別の感覚で聴いていると面白いのかもなぁ…と思った。

 自分的にはどうもブルースギターを聴いてしまうので、曲全体が軽いからそこでギターのエグさが出てきても、なかなかバランス悪くてブルースなんだけどブルースバンドってんでもないなぁ…みたいに思えててね、割と全アルバム聴いてるんだけど、どうにもハマれないバンドのひとつ。んでもKinks的に聴くというスタンスなら聴けるのかな。その意味だとかなりユニークなバンド。英国3大ブルースバンドの一角なんて思うからおかしくなるんだ。70年代以降はもう発展している英国バンドとして聴こう。

Savoy Brown - Looking in 1970

Looking in  バンド名は知ってるけどまだまだじっくりと全部のアルバムを順序立てて聴けていなかったり、それぞれの時期の特徴を掴めていなかったりするバンドも数多くある。当たり前と言えば当たり前なんだろうけど、ふとした時にカッコ良いな、これ、って思って、あれ?この時期ってこんな事してたのか…、なんて思うことはしばしばあってね、だからこそその度に改めて聴き直したりして楽しむ。もう常に知識として知っているってのはなかなか難しくなってきてるから、そういう変化を伴った時期があるんだ、ってことを知っておく程度で良いかなとは思ってるけど、それでもやっぱり聴いててかっこよければじっくりと聴きまくりたいしさ、へぇ〜、っていう驚きも常に味わいたいもん。

 Savoy Brownの1970年、6枚目くらい?のアルバム「Looking in」。元々が英国ブルースロックバンドと言われると名が挙がるのだが、初期作のブルースアルバムはとてもチープなもので、自分が求めてたブルースロックには少々物足りなさを覚えていたサウンドだったので、あまり聴きまくってないんだよね。んで、一番メジャーな初期作がそれだからそこから先のバンドのアルバムも真面目に聴けてなかったし。ところがどこかでふと聴こえてくると妙にカッコよくてパワーの有るブルースロックが聴こえてきてね、これって誰だ?って調べるとSavoy Brownで、しかも70年以降のあたりってことで、へぇ…、あのジャケットがよく分からなくなってきた時期の音ってこういうのなんだ、ってことで結構遅れて聴いているアルバム郡がそのヘン。

 んで、この「Looking in」は例のFoghat離反組とキム・シモンズの4人で一緒に演ってる最後の作品で、見事に良い具合に融合していて割とハードなブルースロックに仕上がってる…ってかブルースロックそのもの。正に英国ブルースロックってこういうんだよ、っていう典型的なアルバムとも言えるか、聴かせるトコロ多数。しかも妙な展開もあったりするから英国的なオリジナリティも入れてあってさすが1970年の作品と唸らせる。パンチはあと数歩足りないけれど、しっかりとその世界を作ってて初期のチープさからは断然とハード寄りになり、ロックの世界に名を残していくアルバムに仕上がってます。一説には最もバンドメンバーの仲が悪かった時期とも言われているけど、それでもこんだけの作品ってのは見事。ここからFoghatってのも期待しちゃうし、残ったキム・シモンズのSavoy Brownのアルバムも同じくハード路線で楽しめるからこの頃のバンドってのは止められない。もっともっと聴いておかないと損する作品群多数。

The Sensational Alex Harvey Band - Next 1974

Next バンドをやっていると思いがけない事で違う方向に進んで行ったり、運命の出会いがあったり、逆に些細なことで崩壊したり色々とあるものだ。もっともこれは人生そのものとも言えるのでバンドだけじゃないんだろうが…、いや、笑い事ではない…、一寸先は闇と言うではないか。ならば今を楽しもう〜なんていう発想は非常に重要且つ貴重なことなんだろう。ま、それができれば人間もっとハッピーなのだが…。

 いやいや、このThe Sensational Alex Harvey Bandというバンドを聴いたことのある人もそうそう多くはない…ことはないか(笑)。こないだからここで書いているバンドってアルバム一枚しかリリースしていないバンドばっかりだから、それに比べれば十分にアルバムをリリースしているバンドだし…ね。

 The Sensational Alex Harvey Bandの「Next」という1974年の作品。うん…、Tear Gasというグラスゴーの若いバンド…ブルースは入ってるけどもうちょっとシャープなセンスのハードロックよりのバンドでなかなかかっこよかったのが、この1972年にアレックス・ハーヴェイというおじさん…と言うか…、お兄さん…つっても当時既に37歳くらいだったアレックス・ハーヴェイと意気投合して一緒にバンドやろうってなことになったという経緯で出来上がったバンドがThe Sensational Alex Harvey Bandなのだが、良かったのか悪かったのか…、このヘンは今でもマイケル・シェンカーと一緒にプレイしているクリス・グレンやテッド・マッケンナあたりに訊いてみたいものだが、どういう経緯でプロのバンドとしてレコードを出していたTear Gasと言うバンドがAlex Harveyという看板の元でやることになったのかね。

 まぁ、いいや、そんな経緯のあるバンドThe Sensational Alex Harvey Bandだけど、そのノリのまま…と言うか非常〜にユニークなバンドに生まれ変わったThe Sensational Alex Harvey Bandの二枚目となる作品「Next」を聴いてみるとわかるように、湿っぽさとか泥臭さとかってのとは違う、ユーモアセンスのたっぷり入った、むしろキンクス的なシニカルさとアリス・クーパー的演劇性を持ち合わせたような幅広いロックの楽しさを詰め込んだようなバンドでしてね。ジャケットを見るとVan Halenかい?と思うような横縞のシャツと素敵な笑顔♪なのだ。ちなみにTear Gasでは割と正体不明だったが何とギタリストのZal氏はピエロのメイクを施しているという奇怪なバンドでもあった。うん、かなりシアトリカルなバンドで音を聴いているだけでも凄く面白い。

 あれ?プレスリーのパクリ?なんて思うようなメロディだったり、ホント演劇的だったり、キンクスをちょっとハードにしたような風刺的ソングだったり、じわじわと効いてくる楽しさを持ったバンドだね。一回二回じゃよくわからないと思う。故にThe Sensational Alex Harvey Bandを好きな人はかなりの英国好きだろうと思われるのだな。

 自分?ん〜、まだまだ未熟者…っつうか歌詞わかったらもっと面白いんじゃないだろうか?日本盤とか出てるのかな?紙ジャケとかも知らないけど、もうちょっと再燃しても良い気がするが…、クリス・グレンとテッド・マッケンナのためにも(笑)。

Sharks - First Water 1973

First Water アンディ・フレイザーがフリーを脱退したのが1972年頃、その後どうするのかと動向が注目されたらしいが、彼の選んだスタイルは新たなバンドスタイルによるロックだった。1972年の10月ころにはメンバーを固めて曲もある程度持ち込んでライブ活動に注力してレコーディングに入っていたらしく、まだまだ若いエネルギーはどんどんと放出されていったようだ。そんなアンディ・フレイザーのフリー脱退後の最初のプロジェクト、シャークスをここに挙げておこうかな。

 1973年リリース、Sharksのファーストアルバム「First Water」。ベースとピアノは勿論アンディ・フレイザーが、ギターはクリス・スペディングが職人芸をフルに活かして、どころか思い切りバンドのヘヴィーギタリストとしてアンディ・フレイザーと双璧を張っている。更に個人的には発掘モノの大好きなボーカリストのミスター・スニップス。Baker Gurvitz Armyでその泥臭い歌声を披露していたが、その後の活動でこのSharksに抜擢されての登場、ここでもバンドの音に重さを加えているという意味でも、また聴くモノへのインパクトもまた深みを与えていると思える大活躍。そんな面々によるファーストアルバム「First Water」は普通に聴けば全然普通のロックだけど、Mr.Snipsのロッドをもっと重くしたような歌声が重心を下げたハードロック的バンドへと位置付けてくれるのと、クリス・スペディングが活躍しているからそんなハードロックバンド的に聴こえる音が多くて結構好ましい。ところが肝心のアンディ・フレイザーの音はかなり軽めになり、ボワンボワンベースは相変わらずながらバンドの音の重心を重くするどころか軽くしている役割になっているようだ。狙ったかどうかわからんけど、妙なバランスの音が混在しているのはある種頼もしい。しっかりと目立つミックスだったり音の出方だったりするから余計にそう感じるんだけどね。

 でも、やっぱりこういうハードロック的なのをやりたかったんじゃないみたいで、主役だったのにこの作品だけで脱退してソロ活動へと移るワケだ。そう思うとなるほどアンディ・フレイザーの音が浮いてるってのもよく分かる。一方ではクリス・スペディングやスニップスのアクが結構生きてるバンドになっちゃってるのがあったのかなと。個人的にはアンディ・フレイザーのフリー脱退後の作品としては一番バンドらしくて面白いと思うんだけどさ。それは多分、メジャーバンドじゃなくってSharksってB級にも位置するようなバンドでやったってのが好ましいのかもしれない。10代で始めたフリーの印象だけでアンディ・フレイザーという人の音楽性が決められてしまったのは不幸だったのかも。もっともっと色々なことがやりたかったってのがその後の10年だったんだろうし、それもあって活動休止だったのかな〜なんてのも思う。どっかでこの人のキャリアを総括して一気に聴いていきたいなと。ちょっとやってみたんだけどやっぱ全部は難しい(笑)。んで、YouTubeで1973年のライブ音源見つけたんで聴いてみると、ここに書いたこと全てをぶっ飛ばすくらいのバンドとベースのプレイが聴けるという…、やっぱロックはライブです。

Sharks - Mr.Snips 1973

First Water/Jab It in Yore Eye  多分、というかかなり無名に近いと思うけど結構良いボーカリストがいてさ、先のロジャー・チャップマンと同じタイプの歌声でしゃがれ声でパワフル、結構パンチもあって上手下手と言うのとはちょっと違って良い味出しているボーカリストが、スニップスという人。フルネームがスティーヴ・パーソンズという名前だったなんてさっきネットでアレコレ調べていて初めて知ったんだけど、フリーを脱退したアンディ・フレイザーが組んだバンドがシャークスって言うんだけど、そこでボーカリストとして参加したのが多分、彼が世に出た最初の作品なんだと思う。このアルバムは1973年4月にリリースされているので、まだフリーの方も頑張って残党達がライブなどを行っていたんじゃないかな。そんな時に颯爽と新バンドを引っ提げてシーンに返り咲いたアンディ・フレイザーのバンドってことで話題性はあったと思う。しかもギタリストにはあの、クリス・スペディングが参加しているんだからその筋の人にも受けたに違いない。あ、この人もセッション活動が多くて、プログレからパンクまで幅広い活動は有名だよね。グラハム・ボンドとの作品からニュークリアスとかホント色々、そのうちまた書こうかな(笑)。

 で、話を戻してとりあえずボーカリスト論なんだけどね、このスニップスという人、熱いよ(笑)。Sharksのファーストアルバム「First Water」では初っ端から挨拶代わりに渋い歌を聴かせてくれるし、この作品はアンディ・フレイザーのセンス光りまくっていて、クリス・スペディングとも結構良い感じでバンドらしくまとまってる。あのベースのノリではなくってもっと垢抜けていて、そのヘンはスペディングのギターの軽さもあるんだろうけど、フレイザーは得意のピアノでも活躍していて、このアルバムで脱退してしまう無責任さが不思議なくらい(笑)。フリーよりも明るめで、普通のロックっぽい音で勝負しているかな。でも、スニップスの歌がそれに負けないくらいエグくって結構良い。

 このスニップスという人はここで認められたのか、よくわからないんだけどシャークスが消滅した後すぐにジンジャー・ベイカーとThree Man Armyで頑張っていたガーヴィッツ兄弟とが組んだBaker Gurvitz Armyというバンドに正式にボーカリストとして加入し、バンドとしては二枚目となる「ELYSIOAN ENCOUNTER」とその後の「HEARTS ON FIRE」をリリースしているんだけど、こっちでもこの歌声は健在で、かな〜りハマっているし、なかなかバンドにも恵まれていると思う。ジンジャー・ベイカーはこういう歌声好きだろうし、Three Man Army時代から粘っこいサウンドを展開していたガービッツ兄弟も好きだったろうからB級ながらも才能発揮って感じ。ジンジャー・ベイカーがいてもB級ってのも凄いんだけど(笑)。ちなみにこの兄ちゃんの方のエイドリアン・ガーヴィッツはこの後AORポップシンガーとして大活躍するという不思議。ちなみに元Gunなんだけどな…(悪魔天国)…。

 う〜ん、説明がいっぱい必要で肝心のスニップスという人の姿がなかなか書けないんだけど、そんなにメジャーじゃない人のためあんまり情報がない。だからレコードを聴いてなるほど〜って思うしかないんだけど(笑)、ジョー・ コッカーの「With A Little Help Friends」をイメージしてもらえれば声の印象は伝わるかな?

Silverhead - Silverhead

Silverhead  我らがグラマスロックと言わんばかりに当時は凶暴さと美学を体現していたバンドと言えば何と言ってもシルバーヘッドでしょう。他のグラムロックバンドがどこかおもちゃのような、そしてコミカルなイメージがあったとは正反対に古くからのロックンロールを踏襲したトゲのある、そして毒のあるロックンロールバンドだったシルバーヘッドはグラムロックのカテゴリに括られなければもうちょっと息の長いバンドになったんじゃないだろうか。ニューヨークドールズのような毒々しさをもったこのバンドは当時日本では大いに受け入れられたと聞く。うん、そうだろうなぁ、それで日本独自のライブ盤が二枚も出ているワケだし。そんな最高のロックンロールバンド、シルバーヘッドのファースト、行ってみよう♪

 もうねぇ、最初っから飛ばすよっ!基本的にこのバンド、どこからどう切ってもテクニカルではないシンプルでダーティなロックンロールを演奏するバンドで、それでもどこかキャッチーな面は残しているしケバさが音にも出ている。なんつうかね、ノリが凄くワイルドで大きなノリなのでついつい体が持っていかれるようなロックンロール。うん、このノリがロックンロールの中でも一番好きかな。最初の「Long-Legged Lisa」からそんな独自のノリで引っ張っていくし、続く「Underneath the Light」でもノリは変わらずなのでかなりゴキゲン。このアルバムってメンバー募集してから6ヶ月でリリースされているっつうからバンドとしての上手さっつうのはあんまり出てないけどバンド感が凄いある。しかしベースのグルーブとラインはかなりインパクトあるしセンスもあって結構耳がそっちに吸い寄せられる。盛り上がってくるとベースでも引っ張るんだもん。結構特徴的。で、3曲目シングルヒットにもなった「Ace Supreme」。こうして並べられるとそれほど突出した出来というワケでもなく…と言うか、ここまでの曲のどれもがシングルヒットしてもおかしくないレベルのノリだったりするので違和感ないだけかも。そして美しきアコースティック曲「Johnny」。マイケル・デ・バレスの生の素晴らしさが一番発揮されている曲でやっぱり英国人なんだなぁと思う旋律がさすが。ご機嫌なロックンロールって言えばB面最初の「Rolling With My Baby」もいいね。こうして聴くとどれもこれもがキャッチーなロックンロールでまったく時代がもうちょっと早ければなぁ、と思う。まぁ、そしたらドールズいなかったからこうはならなかったんだろうけど。それは最後の「Rock And Roll Band」っつうそのままの曲にも言える話だね。

 う~ん、やっぱロックンロールはこうじゃなきゃいかん。日曜の昼下がりにガンガンとコイツを書けているとエラク心地良くてノリまくってしまったぜ(笑)。願わくば彼等のライブ映像でも見てみたいものだ。どこかDVD出してくれないかなぁ。ライブCDだったら日本独自企画で75年に一枚、2001年に一枚出ているワケだからやっぱりDVDも日本からリリースしてもらいたいなぁ。紙ジャケでの「電撃のライブ」も出して欲しい。未だに未CD化作品なんて数少ないでしょ。是非是非♪

Silverhead - Live At The Rainbow 1974

電撃ライブ  クリスマスのプレゼントっつうワケでもないけれど、今の時代に於いてもこれまでCD化されたことのないアルバムってのがあってさ、それが色々な問題をクリアーして遂にCD化されるっていうのはやはり凄い努力なんじゃないかと。今の時代なら紙ジャケでSHMCDとかが普通だろうから、今回初めてCD化されるっつうのは過去に何度もCD化されたりリマスタリングされたりしたものを何回も買い直したっつうのじゃないから素直にCDを買えるってうもんだ。今時そんなCDは凄く少ない。

 「電撃ライブ」。ホントにねぇ、アナログ時代にも探しまくってて、いや、そんな滅茶苦茶レアでもなかったんだけどやっぱ日本でしかリリースされなかった…、後にドイツでもリリースされたのかな?、確かそんな感じで、プレス枚数が少なかったので輸入盤っつうのが頼れなくてひたすら国内盤中古を探すしかなくってあんまり見かけなかったな。まぁ、運良く一度見た時に手に入れたんでよかったけど。それからCD時代になっても全然リリースされなくて、普通の「恐るべきシルヴァーヘッド」や「凶暴の美学」はボーナストラック付きでリリースされたけどこれは完全に無視されてて。多分本国の連中はこのアルバムがリリースされていたことを知らなかったか忘れていたんじゃないかと思うんだけどさ。そしたら別のブートレッグ並のライブ盤「熱狂のライヴ(SHOW ME EVERYTHING)」がリリースされて、それも喜んだけどやっぱりこの「電撃ライブ」を待ってた。

 シルバーヘッドのライブって凄く神秘的でして、見たことのない人間からするともう想像の世界だもん。だからこのライブ盤でのもの凄いグルーブ感は彼等のライブの姿を空想して止まない。ダセェんだろうなぁ~と思いながらもやっぱこんだけグイグイくるとさ、ロックってのはこういうもんだよ、って思うもん。それくらい好きなバンドだし作品。最初の「Hello New York」のノリもレコード通りっちゃぁそのまんまだけどやっぱライブのグイグイくるノリだし、二曲目の「James Dean」は結局未発表のままで終わってしまった曲で、このライブ盤でしか確認できないロックンロールソング。この路線で三枚目のアルバム作るんだったら良かったのにな、と思える曲。

 …とまぁ、ロックンロールな曲がオンパレードでライブで演奏されていくんだけどさ、このバンドはB級なのでしょうがない、グラマラスな…と云ってもピンと来ない人も多いだろうからそういうのはヌキにして、野生味のあるロックンロールバンドで、ねちっこい曲だけどロックンロールなバンドサウンド。それでいて美しい曲が多いので面白い。何回も聴いているとだんだんハマってくるダサさっつうのか心地良さをたっぷり持ったバンドです。

 今回の紙ジャケシリーズではもちろん「恐るべきシルヴァーヘッド」「凶暴の美学」ともリリースされているのだけど「凶暴の美学」のブックレットとかも付いているのかな…。個人的に思い入れたっぷりのバンドなのでじっくりとコレクトしておきたい気もするけど、アナログ見てるとやっぱりこれだよなぁ~と思うので(笑)。

Siren - Siren 1969

Siren ~ Deluxe Edition (from UK) いつになってもいくつになっても何処にいても春の兆しはどことなく気分が踊る。花粉症に悩まされる方々も多いので昔ほど春が心地良いというお話にもならなくなってきている気もするけど、自分は幸い今のところは花粉症ではなさそうなので春のうららかな気分を満喫している。4月になればもっとスッキリするのかもしれないな〜、なんて何かへの淡い期待を持ちながらその心地良さをまどろむ日々…なんてのが理想(笑)。現実は厳しい状況なのでそうも言ってられない事多数…。

 1969年にリリースされたケビン・コインが有名になってしまっているが、サイレンという英国のバンドのデビュー作「Siren」。トリオ編成で、ケビン・コインという稀有なボーカリスト?を見つけてバンドを組みました…が、やるべき音楽はどうするか?ってことで当時の流行だったブルースロックとケビン・コインの独自性の高いSSW気質がくっついた作風が多く聴けるアルバム。レーベルは今では幻となってしまったダンデライオン、このレーベルのラベルが美しくてレコードの時はダンデライオンのはオリジナルが欲しくて探したもんだ。英国には美しいラベルを持つレーベルが多数あるけど、ダンデライオンは中でもダントツの美しさじゃないだろうか?ネオンとかも綺麗だけどダンデライオンの綺麗さが上かな〜、なんて懐かしい事を思い出しながら聴いてみた。

 こんな中途半端な音だったんだなぁ…と言うのが正直な感想でして、ブルース調ではあるけどパンチはないし、ケビン・コインの作風の曲ではこれもまた浮遊感はあるけど聞かせるべき所もさほど見当たらないし、両者のミックスが上手く機能していると思っても重くもなくふわふわした感じのソフトな曲になってしまって、ある種独特の世界が築かれているとも言えるんだけど、自分的にコレをよく聞く作品にするか?と言えばそうはならないだろうな、という感じ。まぁ、でもこの頃に幾つか出てきてた軟弱系精神病弱系な世界を認識するならばアリかな〜って思う。もっと骨太な音かと思ってたけど何かと混濁していたのかも。アルバムジャケットは面白いしダンデライオンのラベルがあるならそれだけで満足できる作品と思えるかな。今じゃSiren ~ Deluxe Editionなんてのも出ているくらいだし。

Skid Row - Skid Row 1970

 ゲイリー・ムーアにしてもロリー・ギャラガーにしても10代の頃から天才ギター少年として地元では騒がれていたらしく、どちらも早いウチにメジャーシーンへの進出を果たしている。まぁ、日本で言うならチャーさんみたいなもんだろうな。そしてその二人の共通項はどちらもトリオ編成のバンドでシーンにデビューしたという点だね。もちろんソロで出てくる方が難しかっただろうから仲間とバンドを組んで、みたいな感じだろうけどさ。

Skid Row (Gary Moore/Brush Shiels/Noel Bridgeman)  同名バンドがアメリカから出てきた時には結構笑ったモンだけど、今じゃそのHR/HMバンドの方が売れているワケで、逆にゲイリー・ムーアの初デビュー時のバンドなんていう方が「ふ〜ん」って感じなのかな。まぁ、どっちでもいいけどね。

 で、このバンド一応アルバム二枚リリースされていて、この後ゲイリーはコロシアムIIだったりシン・リジィだったりするんだけどこのデビュー作「Skid Row」では時代の流れかブルージー且つスワンプ的なロックが中心になった作品で、やっぱりかなりドタバタした感じは否めない。しかしさすがにピーター・グリーンに見初められた少年だっただけあってギタープレイについては既にプロレベルを発揮しているのは聴いてみれば一発。かなりレベルの高いプレイだよね。セカンド「34時間」では更にテクニックが上がっているのもわかるし、まぁ、音楽性についてはさほど問われることもないけどジャズからプログレからブルースから全て消化済みというのがプレイに出ていてね、さすがだなぁと。

 アマチュア時代のスキッド・ロウにはあのフィル・リノットも参加していたらしく、アイルランドを代表するプレイヤーがアマチュア時代から一堂に会していたことも不思議なものだが、まぁ三大ギタリストのご近所友達の不思議に比べればまだわかるってなもんだ。きっとゲイリー・ムーアも神童と呼ばれていたことだろう…。

 しかしファーストのアマゾンのこの値段、凄いな。こないだアナログでこれ見つけた時は500円くらいだったぞ(笑)。

Skid Row - 34 Hours (1971)

34 Hours 1971年にゲイリー・ムーアがプロとして初めてシーンに出てきたバンドは言わずもがなのSkid Rowなのだが、これがまた時代が時代なワケで、普通に英国B級ロックシーンを漁っていても出てくるバンドだし、HR/HMシーンからの後追いでも追いつくバンドなワケだな、今では。ただ、当時としちゃ、皆が皆、目立つために個性を発揮していて何が良いのかわからないまま好きに音楽を奏でていたのだ。それでもSkid Rowはアルバム二枚のリリースが残っているのだから結構期待されていたバンドだったのだと思う。CBSだしね。それは多分当時17歳くらいの天才少年ギタリストがいたからということに尽きるのじゃないだろうか。

 1971年リリースのSkid Rowのセカンドアルバム「34 Hours」。レコーディングがタイトル通りに34時間で終わったから、っていう話を聴いたことがあるが、Led Zeppelinのファーストアルバムが36時間と言われているし、それくらいの時間でのレコーディングってのは短い部類に入るのだろうか?それとも当時としては長い部類に入るのだろうか?なかなか判断しにくい時間の掛かり方ではあるのだが…(笑)。

 それはともかくですね、Skid Rownの「34 Hours」ではゲイリー・ムーアネタから進んでいるんですが、聴き所…と言うか勝手に耳が聴いてくるのは多分ベースだと思う。何せ滅茶苦茶ヘンに弾きまくっていて言うならばず~っとベースソロを弾いているようなもので、それも結構ゴリゴリと耳に付く音ではっきりしたトーンでのソロなので凄い目立つ。しかもジャズともプログレとも云える複雑な…勝手な弾き方でしてね、曲の構成がどうのとか、良い悪いとか判断する以前にベースのラインが気になる。そこにゲイリー・ムーアのギターが絡むのだが、これがまたさすがに天才少年なだけあって曲ごとに見事に合わせたギターを弾いているし、かと思えばかなり実験的にフレーズを試していたり、曲に合うギターを探しているような面すらある。恐ろしく前衛的な取り組みとも言えるし、それでも17歳の少年が一生懸命に自分のパートを担った結果としては普通のプロ顔負けです。そんな絡みが面白いバランスを奏でているのが「34 Hours」という作品。普通にHR/HMを期待して辿り着いた人には全く受け入れられないであろうアルバム(笑)。逆にこんな音に出会ってしまったことで70年代英国ロックの世界を探索する人はとことん楽しめる世界が待ってます(笑)。

Slade - Slayed? 1972

Slayed  グラムロックなのかロックンロールバンドなのか宙ぶらりんながらも結構なインパクトを放っているのが愛すべきスレイド!ねっちいバンドで且つダサいんだけど、音楽はなかなか格好良いという愛すべきバンド。個人的にはなんとなくAC/DCと共通項が多いんだよね。決してスマートにかっこいいワケじゃないけど、なんかエグる良さがある。もしかしたら男にしかウケないバンドかもしれないな、なんて思うんだけど、女性陣はどうなんでしょ?

 下手なベスト盤聴くならファーストアルバムのコイツ「Slayed?」を聴けって感じだよね。後にクワイエット・ライオットがカバーする「Mama Weer All Crazee Now」はもちろん収録しているんだけど、クワライが結構忠実にカバーしてるってこともわかって、うん、好印象。もうひとつの「Cum On The Feel The Noize」はベスト盤になっちゃうけど、こっちもいいんだよね。で、ジャニスの「Move Over」なんてのもあってさ、歌はヘタウマって感じなんだけどアクが強くて、、、やっぱB級なんかな、と思うけど思い入れのある人にはたまらんバンドだろうなぁ。昔、レコードが全然見つからなくって、結局CD時代になるまで探せなかった。最近は1000円くらいで見かけるので実に哀しいんだけど、欲しかったアルバムジャケットだったな。いや、ルックスは悪いので実際は不格好なんだけどさ。

 時代的にシーンとしてはグラムロックのカテゴリで売り出されていたけど、後のアルバムなんかも合わせて聴くと全然そんな軽くなくって、どっちかっつうとヘビメタ系なんだよね。そういうアルバムも出してるんだけどさ。「Slade Alive!」もいいなぁ…。

Slade - Old New Borrowed & Blue 1975

Old New Borrowed & Blue 1970年前半、グラムロックなるムーブメントが出てきて、そもそもは美形のグラマラスな中性的な存在がシーンの売りだったワケで、決して音楽性というものではなかった。それがいつしか一つの音楽的ジャンルへと昇華されてしまい、ちょっと美形の真似をしてキャッチーなハードロックとポップを掛け合わせたような音を出すバンドにはグラムロックというレッテルが貼られることとなった。故にあのクイーンだってグラムロックバンドだったし、Mott The HoopleやCockney Rabelなどもその手のバンドとして語られることになった。元々はマーク・ボランなんだろうなぁ…、ボウイはその後自分色にして広めたってのはあるが。だから元々ある意味偽物的な要素がプンプンするヘンなカテゴライズなので真っ当に語られることは多くない。ただ、得てしてその辺が好きな人ってのも割といて、ひとつのカテゴライズを形成しているワケです。だからこんな美形でもないムサいバンドでもグラム・ロックとして祭り上げられたのだな。

 1975年Sladeの5枚目のアルバム「Old New Borrowed & Blue 」はさすがにちょっと時代遅れ感はあったからか自分が昔Sladeを聴いた頃にはまるで代表的ではないアルバムでジャケットすら出て来なかった。その前の「Slayed」や「Slade Live: The Live Anthology」、またどうせならベスト盤の「Sladest」が良いとして挙げられていて、以降のアルバムなんて無視も良いトコだったな。そんなにアルバム出てるなんて知らなかったし、80年以降も活動してたのも知らなかったもん。グラム時代で終わったバンドだって思ってたしさ、だからこそQuiet Riotがカバーで大ヒットさせたんだろう…くらいに思ってたしね。ところが色々知ってくるとスレイドって割と長く演ってて…なんてのも知ったりね、実へ英国ではそこそこ長く売れてたんだよ、とかさ。へぇ〜ってな話で、この「Old New Borrowed & Blue」あたりからまたスレイド探求が始まるワケです(笑)。

 いや〜、基本的にそんなに簡単に変われるバンドでもないのであのままハードロックポップを垂れ流してくれているのでまるで悪く無い、どころかかなり面白い音に仕上がっているので時代を経てから今の評価としては全盛期のアルバムとして語られるべき作品なんじゃないかな。ロック史から見たって特異なバンドだし、「Old New Borrowed & Blue 」はキャッチーな作品がたっぷりと詰め込まれたアルバムに仕上がってるしさ、今でもウケるよ、これ、多分。スレイドを全部聞いているファンって少ないと思うけど、このアルバムの評価ってどうなんだろね。自分が聞いた限りではかなり面白いんじゃない?って思った。歌いやすいしさ(笑)。

Slade - Slade In Flame 1975

slade In Flame Cd+dvd  ロック的、そして色々なところにその影響力を落としているバンド、でもそんなに知名度が日本では高くないってバンドがいくつもあるけど、Sladeほど不毛な扱いなバンドもそうそうないんじゃないか?70年代に出てきた時から相当にインパクトを放っていたのに、時代とともに消え去りつつ、それでもQuiet Riotのカバーで名を思い出され、同じくOasisあたりまでもカバーしているということで英国では国民的バンドの一端でもあったのだが、日本じゃ多分一発屋のひとつ。まぁ、だからどうだってモンでもないのだが。

 Sladeの1975年のアルバム「slade In Flame」。そうは言っても自分だってSladeのオリジナルアルバムって70年代で何枚出てるんだ?って聴かれて即座に答えられない程度には知らない。80年代になってからもメタルバンドのふりして活動してたのは知ってるけどさ、70年代にアルバムって「Slayed?」くらいじゃないの?程度だもん。そんなにたくさんアルバム出てるなんて思いもしなかったんだから適当だ。昔のお話。ちょこっと調べたりすると普通に出て来るし、レコード屋行ったってそれなりにジャケット見かけるんだからそんなに少ないこともなかろうよと。

 んで、この「slade In Flame」、いや〜、やっぱりね、これこそSladeだし、ロックだよ。このダミ声健全だしそれでいてキャッチーでポップな歌メロにアレンジ、全然ロックじゃないのにロックに聞かせてしまう歌ってのが凄い。だからカッコ良かったんだと思う。そういう曲がたくさん散りばめられていてものすごく聴きやすいんだよ、これ。それでいて要所要所にはギターが鳴ってるからカッコ良いしベースだって普通に弾いてないし、とにかく練られてて楽しめるようになってる。見事な全盛期の作品で割と繰り返し聴いてても飽きない。いいねぇ〜、こういうの♪

Slade - Feel The Noize

Feel The Noize: Greatest Hits (UK)  今年も残すところわずか二日…にもかかわらず、こんなマイナーなバンドに進んでいて良いのだろうか?いや、英国では全然マイナーではないバンドなのだが、日本ではやはり知名度違うからねぇ。しかも懐メロ的にでも流れてくれれば良いけど、今の日本って洋楽懐メロってほとんどないからそうやって聞くことも少なくなっているだろうし、まぁ、新しいものさえ聞けて売れれば良いのかもしれないけどさ。先日のクリスマスには英国で必ず何回もオンエアされたに違いないスレイドの「Merry Xmas Everybody」とかあるわけで…。

 1971年頃から74年頃まではシングルをトップチャートに送り込むのが常連ともなっていたスレイドの往年のヒット曲をまとめたベストアルバムがいくつも出ているのでそのヘンから入ってみるとこのバンドの面白いところがわかると思う。そこからアルバムに進めば良いでしょう。それでもアルバムも結構ワケ分からず出ているので「Slayed?」「Slade Alive!」あたりから入るのが望ましいけど、まずはこんなベスト盤「Feel The Noize: Greatest Hits」でどうぞ。

 キャッチーでポップでロックンロールで結構しつこく心に残る音。これがスレイド。凝った展開とか凝った楽曲なんてのはまずない。どれもこれもわかりやすくてシンプルなロックなんだよね。シングルヒットもそのままスレイドの音楽性が出ているのでベスト盤はホントにベスト盤なんだよ。後追いの人達でもクワイエット・ライオットがカバーしてヒットさせた「Cum On Feel the Noize」とか「Mama Were All Crazy Now」とか知ってるだろうし、その後オアシスも「Cum On Feel The Noize」はカバーしてたしね。英国では懐かしきヒットメーカーのバンドとして今でも忘れられていないバンドなのだ、多分。

 ってなことでご機嫌なロックンロールをちょっとダミ声で歌ってくれるスレイド。アメリカのバンドにも多大な影響を与えていることも知られているらしい。キッスとか。確かにかっこよい音出してるし。ただ、ルックスには時代を感じさせるものがあるからセンスの問題は出るけど(笑)、音は聴きやすいし、良いね。アルバム全部聴くかっつうのは疑問だけど、シングルヒット集はゴキゲンです♪

Snafu - Snafu 1973

スナッフ登場  さてさて初期ホワイトスネイクのブルースロックを聴いててね、ギター良いなぁ〜って思ったからたまにはミッキー・ムーディ漁りでもするかね、ってことで1973年にリリースされたSnufuってバンドのアルバム「Snufu」から。やっぱね、ミッキー・ムーディってブルースロック好きな人だからさ、Juicy Lucyにしてもそうだし、このSnafuにしてもWhitesnakeにしてもブルージィーなボーカリストとしかやってないってくらいにブルース系統のバンドが多い…ってか時代もあるんだろうけど、それにしてもこのSnufuの時代以上に古臭いサウンドはその手のが好きな人には堪らない部分あるだろう。一応さ、この頃に時間軸を戻すと、ブルージィーってのからちょいと発展してスワンプ的な要素が強いバンドでもあって、新しい試みしてたんだろうと。そういうのもあってバンドも結構渋いんだけど、決して売れる要素を持っているとは到底思えない渋さ、初っ端から聴いてると、コイツはスゲェ渋いブルースなボーカルだぜ、って感じだし、ギターも良い感じにレイドバック的なサウンドだしフックは良いよ。バンドとしての一体感もあるし、ユニークな試みも多いしさ。

 ハードロック一辺倒ってこともなく、バリエーションに富んだサウンドが入っててジグとリールな酔いどれ曲なんかもあってね、土着的だけどカッコ良い。ここのボーカル兼ドラマーのボブ・ハリソンって人がこれまた渋い歌声で、ロッドにもポール・ロジャースにもなれないけど声や歌はそういう系統だから渋目のを歌ってて良い。元プロコル・ハルムってのも肩書としては有用だけど、売れる前のゴタゴタの時代しかいなかったってことでデカい魚を逃した状態で人生進んでるのかな、こういう人、英国ロック史の中でも割と多い。そこでのミッキー・ムーディのギタープレイも結構色々なアプローチしててチャレンジ精神旺盛だし、的確なプレイしてるから玄人好みかもね。結構楽しめるアルバムですよ。

Sparks - Kimono My House

Kimono My House  スパークス、って知ってる?まぁ、知ってる人は知ってるだろうけど、多分このジャケットのアルバムしか知らない人多いハズ…いや、自分もそうだから(笑)。この辺のニッチでキッチュなサウンド系ってのはさ、ロックの歴史を紐解いていてもなかなか巡り会わないし、ロック的見地から書いている論評だと決して推薦盤なワケではないのでやっぱり後回しになってしまうものだったのだ。そう、だから聴くまでに時間がかかるのだ。後追いはツライんだよね、こういう時さ。しかし一度コイツを聴いてみればわかるんだが…、凄いインパクト(笑)。え?っていうくらいにジャケット通りと言うか意表を突くと言うか…。

 このバンドってそもそもロサンゼルス出身のバンドメンバーが結成したバンドが母体になっていて、アメリカではあまりにもきわど過ぎるのか、英国の方がウケると踏んだのかロンドンに飛んできたらしい。そこで1974年になってリリースされたのがこのキワものアルバム「Kimono My House」なワケで…、いやぁ、とにかくこのテンションの高さは追随を許さないくらいのレベルでそのテンションだけでやられた~ってなる。ある意味ミッシング・パーソンズみたいなモンなんだけど、時代は1974年だからなぁ、すごい。これをポップだと言う評論をよく見かけるのだが、どうだろ?ポップと言えばとんでもなくポップなアルバムなんだが、個人的にはキッチュという言葉で評したいところだねぇ。ここのところ書いてるのはどれもこれもキッチュロックって感じでさ、ポップなんだけどヘン、そしてロックにしてはポップすぎる、みたいな…、そこに少々変態性が入ってくるっつう面白さ。

 スパークスのこのアルバムも全てがハイテンション、そして驚くことについ昨年に再結成して来日公演なんてやってたんだね。そりゃ往年のファンは行くだろうけど冒頭に書いたように各アルバムからの選曲なんて全部知っている人少ないんじゃないだろうか?いくつかアルバムリリースされているみたいだしさ…。

Sparks - Indiscreet 1971

Indiscreet  スパークスと言えば「キモノ・マイ・ハウス」が有名でして、自分もそれ以外なんてのはほとんど興味なかったので全然聴かなかったんだけど、ある時キッチュでポップな世界のバンド…ここ最近取り上げているようなバンドを聴いている時に、スパークスってそもそもヘンな感じだけど、他の作品ってどうなんだろ?って気になるわけだ。そうなるとちょろっと探してみたりするもので、なるほど、「キモノ・マイ・ハウス」以降数作は同じような路線で、ある意味全盛期だったんだ…ってこともわかってきて、楽しみになる。しかもアルバムジャケットが結構独特でヘンじゃない?今回の「Indiscreet」もちょっと怪しいけどヒプノシスなんじゃないか?なんて雰囲気だし、その前の「Propaganda」だってヒプノシスだろ?って感じでキッチュな世界観はしっかりと出ているんですよ。そうそう、英国センスもね。

 ってなことを気にしてて、ならばと思って手に取ったのが「Indiscreet」。いや、ジャケットとアルバムの中味の整合性はまだよくわからないんだけど、音の方は面白いわ。やっぱり「」の路線ではあるけどちょっと落ち着いているかな…なんてクレジット見てるとプロデュースにはあのトニー・ヴィスコンティが名を連ねているじゃないか。そういう事ですが…、どこかボウイ的マーク・ボラン的な聴こえ方をするのは…、なんてのは後付の理由でして、単に音の方はやっぱりキッチュでカラフルでヒネたポップ。でも、やたらと完成度が上がっているような気がしていて、それこそトニー・ヴィスコンティの器量なのかもしれないけど、上品なんだよね。そのモダンなおしゃれさがこの手のバンドの救われるトコなんだが、結構ハイセンス。

 スパークスってず~っとアメリカ産だと思ってたけど、主要なメンバーはアメリカからの移住人だったんだ。それでこのアルバムの後はアメリカに戻ってAOR路線に進んで失敗したらしいが…、そんなこと感じさせないくらい英国的なセンスをしっかりと打ち出した作品「Indiscreet」です。こういうアルバムはじっくりと聴いてできれば歌詞を見ながらジャケットを見ながら聴くものです。ハチャメチャに楽しめるドタバタドラマを見ている感覚に陥ることでしょう(笑)。歌メロは良質で演奏ももちろんしっかりしていて軽やかだし。

 改めてロックってのは幅が広い、って感じる。こんなのもアリで、それぞれがしっかりと個性を放って主張しているのも楽しい。まぁ、「Indiscreet」も10ccの「How Dare You」も1975-6年にリリースってことで、この頃はポップでキッチュなバンドが全盛だったのかもしれないな。面白いわ。

Sparks - Indiscreet Indiscreet Sparks - Propaganda (Remastered) Propaganda

Sparks - Propaganda 1974

PROPAGANDA (RE-ISSUE)  案外アメリカ人が英国に来て売れ始めたってのもあるんだな。ジミヘンなんかもそうだけど、割とアメリカ人です、なんてのもあったりしてそうなんだ?って思うもん。でも、英国的ポップセンスだったりするからそのヘンって人の血じゃなくってもしかして環境で出来上がるセンスなのかもしれない。英国人でもアメリカの砂漠に住んだらああいう音になるのかもしれないし、実際英国人なのにとてもそうは思えない音を出している人もいる。その辺は本能的にあったらお国柄は出るけど、意識して作ったらその境界は曖昧になるんだろうということかもしれない。

 Sparksの1974年リリース作品「Propaganda」、Sparksってアメリカ人の兄弟が中心になって組んだバンドで、英国に来て売れ始めたバンドだから、英国産って思われてることがあるだろうけど、実はアメリカ産です。かなり意外でしょ?こんだけニッチでヒネたカラフルなのがアメリカ人によるものとはなかなか思えない。しかもそれがアルバム一枚だけじゃなくてSparksってバンドの個性として成り立っているってトコがまた素晴らしい。普通に聴いてアメリカの音には到底思えないもん。ただ、じっくりと何枚か聴いていると、底辺のトコロではやっぱり垢抜けた洗練さがあるよな、ってのは分かるから、そうかもな、ってのは感じるか。それでもなかなか気づかなかったなぁ。

 さて、このアルバム、常にバンドメンバーは変わっているけど本質的な曲は兄弟が書いてるからカラフルでキャッチーなポップは健在、前作「KIMONO MY HOUSE」がヒットしたから同じような路線とも言えるけど、こっちの方がもっと遊んでいる部分は多いだろうし、怖がらずにどんどん実験してるトコもあって「KIMONO MY HOUSE」に負けず劣らずの傑作。アルバム一枚聴いてて全く飽きないし、賑やかな気分になるのも見事。しかもそれが近代的なポップ感覚ってのがね、今聴いても古くないし、結局こういうポップって今はないけど、その分新鮮に聴けます。

Spiders From Mars - Spiders From Mars 1976

スパイダース・フロム・マーズ(紙ジャケット仕様)  宙ぶらりんなロックバンドってもちろん世に出てくることが少ないんだけど、最高に宙ぶらりんなバンドがある。これも知らない人の方が多いんだろうけどね。Spiders From Marsっていうのがある。名前だけ見るとメジャーで、そう、David Bowieのアルバム「Ziggy Stardust」の対等にも出てくるあのバックバンド。ミック・ロンソンはソロでボウイと決別してやっていけるって思ってスタートした。残りのメンバーは同じ気持ちからかSpiders From Marsって言う名前でやっていけるって思ったらしい。で、結局アルバム一枚はリリースしたんだよね。それがSpiders From Marsの「Spiders From Mars」。クモを全面に持ってきた情熱の赤を押し出した作品。

 それから約25年後…Five Yearsではなかったんだが…、今度はデフ・レパードの面々が実はボウイのジギーアルバムが大好きで、このSpiders From Marsの残党と一緒にバンドを組んで、ミック・ロンソンのトリビュートを記念してライブ活動を開始した。それがサイバーノウツというバンド。曲はほぼ全てボウイのあの時代のカバーばかり。もちろん物足りないのはあるけど、思いは伝わるカバー作品。ミック・ロンソンも微笑ましく見てたんじゃないかな。彼のトリビュートはもっと豪勢なメンツでライブが行われたけどね。もちろんSpiders From Marsも参加しているさ。「The Mick Ronson Memorial Concert」って作品は面白いよ。なぜかどういう間柄かロジャー・ダルトリーが参加しているしクィーンのロジャー・テイラーも参加しているし、もちろんイアン・ハンターも参加しているしね。

 そんな宙ぶらりんなバンドだけど、ボウイの近くにいてボウイを感じていた連中が奏でる音だから聴いちゃうよ。それがロックだから。…なんてね。でも面白いよ。

Spriguns - Time Will Pass 1977

Time Will Pass 数々の英国フォークからフォークロックバンドあたりを彷徨っているとフェアポート・コンヴェンションというバンドの影響力の大きさには実に驚かされることが多い。それはもちろんサンディ・デニーの歌唱力表現力だったりリチャード・トンプソンのギタースタイルだったりデイヴ・スウォーブリックだったり、またはアシュレー・ハッチングスだったり色々なんだけど、音的な影響にしても見事にエレクトリックなロックとトラッドというものを結びつけた第一人者としての役割を果たしていて、代々までその影響力が残っている。凄いよなぁ…。

 そんなフェアポート・コンヴェンションを代表するサンディ・デニーに憧れて歌い始めたマンディ・モートン姫の率いるスプリガンスが1977年に放った二枚目のアルバム「Time Will Pass」を…。実はこの後の有名な三枚目の「Magic Lady」という作品、今だに入手してないことを思い出して(笑)、聴きたい聴きたいと思いつつすっかり抜け落ちてましたねぇ。それこそサンディに捧げるアルバムとして、またスプリガンスの最高傑作との呼び名も高いので聴かなければいかんですな。はい。

 で、話は戻ってセカンドアルバム「Time Will Pass」なんだが、もちろんマンディ・モートン姫の歌声がバンドを制しているんだけど、トラッドフォーク類のバンドとはもちろん大きく異なったこれも明らかにフォーク色の強いロックバンド。しかも結構ポップでカラフルというのが面白くて、この辺は時代が1977年というのもあるのか、良くできてる。ただ時代はパンクからディスコへ行こうとしている時なのでもちろんセールス的には全く見捨てられたものであることは想像に難くない…。そしてこの「Time Will Pass」というアルバム、なんつうか、ギターの音色が割とサイケな雰囲気で、そして結構ドラマティックな展開があったり、しっとりと聴かせたりしていてポップス顔負けのアレンジが施されているので聴きやすい。まぁ、どこかプログレッシヴ的展開も見せるんだけど、時代的にそこまでは難しいワケで、ドロドロさではなくサラリとまとめられている。結構かっこよいロックなので嬉しいね。カーヴド・エアーほどのインパクトはないけど、その辺のよりはよっぽど良いよ、これ。

 ああ、やっぱサードアルバム「Magic Lady」聴きたくなってきたな。黒魔術的なイメージを持たせているけど、その実きっとこんな感じに聴きやすい部分とハデに展開する部分とかが色々とあるんだろうな。マンディ・モートンがサンディ・デニーに捧げる怨念が集約されていると思うと楽しみ。昔はこれ聴いてもあんまりピンと来なかったけど今聴くと、こりゃ面白い、って思った。

Spriguns - Revel Weird & Wild 1975

奇妙な酒宴(紙) 英国の美しき調べに乗って聴ける音楽に浸っているとこの暑さもどうでも良くなってくる…、そりゃまぁ、エアコンの中で聴くから涼しいってことで云える話でして、外で聴くならもちろん異なる音になることは必至でしょう(笑)。そんなことで今度は少々毛色の異なる歌声と英国の調べってことで…、スプリガンスってバンドです。そう、マンディ・モートンさんが歌ってるバンドでして、基本的にトラッドフォーク路線なんだよね。ただ、ちょっとプログレ的展開があったり複合技が出てくるのと、やはり女性ボーカルってことでプログレファンから狙われるバンドとなってしまったってトコですか。

 バンド名をスプリガンス・オブ・トルガスからスプリガンスに短縮してからの一枚目となる「奇妙な酒宴」ですね。1975年リリースなので英国ロック的には少々遅めのシーン登場なんだけど、トラッドを背景に多様な音を重ね合わせてしっとりと聞かせる歌が多いバンドで、やはりマンディ・モートンの芯の通った歌声に信念が聞かれる。このファーストアルバム「奇妙な酒宴」ではそんなにプログレ色もしないけど…、まぁ、確かにバイオリンや何やらと多種多様の楽器が聞こえてくるのと、普通のトラッド一辺倒のバンドの音ではないのも事実。まだ未熟感は漂う作品ではあるけど、聞き込みたくなる面白さはたっぷりと落ち合わせた自然なアルバム。

 ジャケットがね、やっぱりトラッドらしくないんだよね。どこか黒魔術的な側面を持っているように感じるバンドだから…、ってのはやっぱり1978年に発表した「Magic Lady」という名盤の印象が強いからだろうか。後追いだとどうしてもそういう印象って持ったままなんだよなぁ。マンディ・モートンはサンディ・デニーの大ファンで、彼女に成り切りたくて歌を始めたようなものらしい。うん、なるほどねぇ…という歌い方なのは聴いた人は納得できるでしょう。しかし聞けば聴くほどに幅広い音楽に取り組んでいるバンドだということがわかってくる涼しげなサウンドです。

Spring - Spring 1971

Spring やっぱり英国ロックってのはジャケットアートと音がしっかりとマッチしてされに不思議な印象を生み出す、そしてそれがもちろんアナログ盤を眺めながらっていう空間の中で堪能できたらどんなに素晴らしいことか。しかも一人だけで極上のスピーカーで鳴らしながら聴く…、やっぱ個人的にはJBLが好きなのだが、英国ロックにはもう少し繊細な音が出てくるスピーカーの方が良いのかもしれない。そうは思いつつも実際にこのクソ忙しい世の中に生きている我々はなかなかそんなにゆとりのある時間と空間を楽しめないのも事実で、その時点で既に英国ロックを心から堪能するという贅沢ができていないことになる。う〜む…、改めて書くと実に毎日忙しく過ごしているのだろう…と感じるな。ま、しょうがない。

 しかし敢えて時間を割いてでもその贅沢な雰囲気と空間の中で身を委ねて堪能したい音楽というものもある。そのうちの一枚がこのSpringというバンドの作品。1971年リリース、憧れのネオンレーベルからのNE 6としてのリリースされた本作は見ての通りジャケットアートはキーフ。お得意の現実と非現実の空間に強烈な色彩をアクセントで印象付ける正しくアートと呼ぶに相応しい作品で、アフィニティと共に人気の高い一枚。アナログ時代には三面開きの豪華版で、真っ赤な制服を着た兵士が手首から血を流し、河を赤く染めていく…、そしてその河の向こうでは5人の男がそれを眺めているという…。うん、アートだ。

 そしてサウンド。一般的な情報ではトリプル・メロトロン…要するにメロトロンを弾く人が三人もいるんだよ、ってことで話題を取ることが多いんだけど、もちろんそのおかげもあって心に気持ちの良いサウンドが特徴的になるのは事実あるとして、それよりもこの牧歌的というか英国的と言うか正に英国でしかあり得ない素朴な感じの音楽は決してプログレ的なものではなくってひとつの音楽…、かと言ってポップスではないし、間違いなくこの時代にしか出てこないであろう英国ロックサウンド。普通に英国のソフトなロックを聴いたりするのが好きな人には多分受け入れられる音だね。テクニックもあるので安心して聴いていられるし、何気にギターなんかも綺麗に鳴っていたり、アレンジも結構できてる。そして何と言っても曲が長くないので普通に聴けるってのもプログレに代表される音ではないってトコ。もちろん拍子にこだわったりするのはあるけどさ。ただ、気になるとしたらこのパット・モランっつう人の歌声かな。頼りない声の割に粘っこいっつうかそれでいてさわやか…とワケのわからん書き方だけど、結構クセはあるかも。その分バックはさらりとしている面もあって素晴らしい。う〜ん、これこそ英国ロック。

 ちなみにこのバンド、非常に短命だったみたいで1970年にレイセスターで結成、その年の暮れからレコーディングして71年にデビュー、そして驚くことにヴェルヴェット・アンダーグラウンドの英国ツアーのサポートを務めたらしい。どんなライブだったんだろうねぇ。それともう一つ不明瞭な情報なんだけど、このアルバムのプロデューサーにはGus Dudgeonという人がクレジットされているんだけどどうもエルトン・ジョンの変名?なのかな。ちょっとよくわかんないけど。そしてこのボーカルのパット・モランっつう人、このバンド以降もイギー・ポップロバート・プラントなんかのアルバムに参加しているらしい。この人もメロトロン弾くので鍵盤なのか歌なのか調べてないけど、なかなか強者ミュージシャンが集まったバンドだったようだ。他のメンバーもバート・ヤンシュマグナカルタとやってたりとかやっぱり英国ロックは全部繋がってくるよなぁ(笑)。

Stackridge - Mr.Mick 1976

ミスター・ミック: 完全版 デイヴ・ローソンのプロフェッショナルな世渡りとその隠れた才能は実にあちらこちらで開花しており、その片鱗を見える範囲で追ってみるのもなかなか乙なモノではなかろうか。The WebというバンドからSamuraiへ、そしてGreensladeでの活躍が多分一番メジャーなところではないかと思うが…、そのグリーンスレイドはちと後回しにして、グリーンスレイド解散後に見つけた仕事としてスタックリッジがある。元々器用な鍵盤奏者なので何でもこなせるのだろうがよりによってスタックリッジとはこれまたかなり不思議な組み合わせではある…。

 1976年リリースのスタックリッジ5枚目のアルバム「ミスター・ミック」。ミック老人の人生というテーマでのアルバムだが、元々スタックリッジというバンドはビートルズに通じるくらい、そして10CCなんかとも相通じるようなひねくれたポップスを奏でるバンドだったので、デイヴ・ローソンの濃厚な鍵盤というモノが果たしてどこまで必要だったのか…、スタックリッジ側のファンとして順を追ってアルバムを聴いている人にはかなり異質に映った鍵盤奏者の加入だったんじゃないかな。デイヴ・ローソン側からすると主要メンバーが抜けた後のスタックリッジの新たなる方向性を決定付けたのは彼の鍵盤のおかげとも言い切ることができるかもしれない。まぁ、いずれにしてもスタックリッジ自体がバンドの変革期を迎えていたので、その前兆はこの前の作品「エクストラヴァガンザ」から楽曲に多く現れていて、かなりプログレ色が濃厚になっていたものだ。そこへデイヴ・ローソンの加入でより鍵盤における比重が高くなり、濃厚な音圧がバンド内を占めるようになったのだ。

 が、これでバンド解散(笑)。う〜ん、やはり音楽性を変えて生き残っていくというのは実に難しいことなのだなぁ。この後スタックリッジの主要メンバーであったアンディ・デイヴィスは元々の仲間でもあったジェイムズ。ウォーレンとコーギスを結成して再度やり直すこととなるのだが…。余談だけど、このアンディ・デイヴィスというギタリストはジョン・レノンの「イマジン」でもギターを弾いている強者♪ あまり語られることのない人なのでそういう星の元に生まれたのだろう、きっと。

 さて、この「ミスター・ミック」というアルバムだが、ポップスファンからしてもプログレファンからしても中途半端な出来上がりで決して傑作というワケじゃないけど、元来持っているポップさがやたらと英国好きには受けるタイプなので、裏ではかなり人気の高い作品。もうひとつ蛇足だが、クリムゾンで一瞬話題となったゴードン・ハスケルもこのバンドに一時参加していたことがあるのだ。なかなか食わせ物のバンドだったりするんだなぁ…。いや、本質的には非常にポップで滅茶苦茶売れてもおかしくなかったのだが、そこはキンクス的シニカル視線だったようだ。ちょっと前に再結成したりしているみたい。

 そういえば、この「Mr.Mick」という作品、当初制作していたバージョンがレコード会社から拒否されて編集し直したものが当時アルバムとしてリリースされていたとのことで、現在はそのオリジナルバージョン「ミスター・ミック: 完全版」もリリースされている。

Stackridge - Stackridge (1971)

Stackridge どっぷりと大好きな70年代英国ロックの世界を堪能しているここ最近の日々です♪やっぱり親しみのある音ばかりでそりゃもちろん曲を全部覚えてるワケでもないし、音聴いたからってバンド名までわかるほどに熟練はしてないけど、音と雰囲気と空気感で70年代英国だな~ってのはわかるし特徴的だし、自分の原点でもあるし、何か居心地が良い。とんがって聴かなくて良いっつうか、まぁ、付き合いが長いから気兼ねしなくても構えなくても良いってな所だろう。たとえそれがプログレであろうともフォークであろうとも自分的には70年代英国ロックなのだ。そんなことでふと、取り出してみたのはスタックリッジってバンド。これもまた無名…なんだろうな、もちろん(笑)。せいぜいメジャーな絡みを書いてみるならば、ギターのアンディ・デイヴィスって人がジョン・レノンの「イマジン」に参加していたことがあるってくらいだ。それだからというワケでもないだろうが、このスタックリッジというバンド、俗称は「田舎のビートルズ」ってなってるような音です(笑)。

 デビューアルバム「Stackridge」は1971年のリリースで鍵盤を含むバンド編成だけどフルートやらバイオリンやらも鳴っているので、牧歌的という言葉が良く似合うアルバムで、アコギの使い方が…ってかアコギ中心なのでソフトタッチになるのは当然か。そこにフルートの優しい音色やコーラスワークが絡み、更にキャッチーでポップな歌メロが入るという音で、決して単なる英国ロックの範疇で片付けられてはいけない価値のあるバンドの音だとは思うが、如何せん光るべき個性ってのが見当たらなかった。ELOみたいに突出したものも無ければ10ccみたいなユーモアセンスもなく、ただ音楽を作るのが上手かったというバンドで、聴いてしまえば割とハマれる音を持っているんだけど、売り出すネタがなかったってことだ。得てして良いものが売れるとは限らないという典型的な例。言い方を変えると、音楽好きには全くツボにハマる音であることに違いはなく特に英国ロック系が好きな人なら間違いなく好む音であるってことだ。バンドとしては途中でメンバーを変えながらも5枚の作品をリリースしていて、どれもが良質なポップアルバムなので何から手を出しても大丈夫だろう。ウチのブログでも後3作くらいは既に書かれているし、結構聴いてるんだ、自分、と(笑)。

 しかしどの曲もキャッチーだなぁ…。よくプログレ畑のレビューに載っかってて、そういう聞き方から入るとかなり肩透かし食らうんだよな。フォークタッチの云々…だから。それよりもポップバンドでフォークの使い方が英国的で、ほのぼのとした音を奏でる回転木馬のようなバンドとして書いてもらいたいものだ。決してプログレじゃないですし、フォークでもない。これぞ英国の音のバンド、良質ポップスでヒットチャートは無縁だけどキャッチーで受けるのだ。カンタベリーのポップとはちょいと違うけど、そんなポップさだ。明るいしね。

 しかしYouTube探してたらどうにも昨年のライブ映像があった?ホント?

Stackridge - Friendliness 1972

Friendliness  英国的なポップ路線を受け継ぎながらプログレッシブな指向性も持ち、実にユニークな音作りを行っていたスタックリッジ。有名なのはこの後にリリースされた「山高帽の男」ではあのジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えてまんまビートルズらしい名盤をリリースしている。今回はその前の1972年にリリースされたStackridgeとしてのセカンドアルバム「Friendliness」となる。

 今となっては一般的にはほとんど知名度はないし、そこそこ知られているとしても70年代から80年代にかけてThe Korgisというバンドで活躍した人達が元々在籍していたバンド…という程度か。自分的にはそのThe Korgisってのをまだ聴いたことがないので、全く印象が薄いのだが…。Stackridgeとの出会いは…、例によって英国ロック本の中で見かけたことから記憶にインプットされていて、欲しいレコードを巡る旅=レコ屋漁り時に気にする程度でしたね。もちろん音なんかどこでも聴いたことなかったので、その英国ロック本で読んだちょっとした解説だけで自分が買うレコードの順位を付けていくワケですよ。なので、どうしてもビートルズとかポップとか言う言葉があると後回しになってしまってさ(笑)。もっとも見かけたら買ってたんで、巡り合いの運だけだった、ってのはあるが…。

 そこで自分が最初に出会ったのはStackridgeのファーストアルバム「スタックリッジ」。BGMからのリイシュー盤で、後にオリジナル盤を見かけた時のジャケットの重厚さとはまるで異なっていたものだ。まぁ、それでも聴けたから良しとしよう…として、それほどお気に召さなかったってのもあって他のアルバムはかなり後になってから徐々に聴いていたってトコだ。この「Friendliness」もそんな流れの一枚で、Stackridgeの中で聴いたアルバム順からしたら結構後の方じゃないかな。どのアルバムもロック的なインパクトはなくって、浮遊した感覚とポップ的な感覚…それでいてヤケにプログレッシブなアプローチという不思議なバンドでさ、「Friendliness」はどうなんだろ?っていう好奇心はあった。「山高帽の男」の前のアルバムだから自分たちの音楽を模索しているだろうし、と。

 聴いてみるとわかるけど、実に多様性に溢れたアルバムに仕上がっていて、メンバーのユニークな音楽性の高さを楽しめる。バイオリンやフルートというのも普通に使っていて、もちろん主役じゃないにしてもStackridgeとしての味付けがきちんと出来てるもんね。鍵盤の比重も割と高くて、牧歌的…とまでは言わないがどこか遠くを見るような雰囲気を特徴としているかな。プログレッシブなアプローチと言う割りに「Friendliness」ではもう5分程度の曲ばかりで纏められているので聴きやすいし、そういう意味では真のプログレッシブバンドの基準を満たしているのかもしれない(笑)。いや、本物のプログレバンドは小曲から出発していることが多いっていう自説ですが。

 ビートルズ的という側面はまだそれほど出ていなくて、どちらかっつうとYesやGenesisの初期のような英国の軽やかさと重さとメロディが同居しているという不思議なバンドで、B級的な匂いはほとんどないんだよね。A級センス抜群で、音も今聴いても古臭い部分をあまり感じられないから、しっかりと作られているんだと思う。曲構成がこれまた面白くてさ、一曲だけ9分弱の曲があるんだけど、これがよく出来たドラマティックな作品で、素晴らしいんですよ。なかなか出会えない世界だろうけど、こういうポップでプログレってるのってさ。個人的にはパンチが足りなくてもうちょい、っていうトコだけど秀作の域ではあるよね。

Stackridge - Friendliness Friendliness Stackridge - Stackridge Stackridge

Stackridge - The Man In The Bowler Hat 1973

山高帽の男 今日は音楽好きの多くのファンはビートルズのモノステ箱+DVDで大いに盛り上がっていることだろう。もっともあちこちのブログで中味のレビューが書かれたりするのは全部聴き終えた頃だろうからもうちょっとかかるが(笑)。まぁ、今のブログの傾向からすると「買いました〜」という報告系が多くを飾り中味についてのお話はあまり出てこないのかなぁという気もするが(笑)。相当に音が変わっているらしいけどどうなんだろね。どっかで気が向いたら聴くだろうけど、当分聴かないと思う…ほとぼり冷めた頃にひっそりと、ね。わからんけど(笑)。

 ビートルズで賑わうのならば英国のB級路線を走っている今書けるのはスタックリッジです。うん、1973年にリリースされた3枚目のアルバム「山高帽の男」はジョージ・マーティンのプロデュースによる作品で、これまでのスタックリッジの音楽性を損なうことなく更に飛躍したポップさを打ち出した傑作。やっぱり本家本元のプロデューサーが付くとここまで見事に生まれ変わるものかと思うくらいに軽やかで煌びやかな音世界が出来上がっているので、聴いたことのない人は一聴の価値ありなんじゃないかと。特にビートルズで盛り上がってる今ならこういう傾向の音って聴きやすいじゃないか、と。グレードも低くないし。

 そういう形容詞をいっぱい付けて何とか世の中とバランスを保とうとはしているけど、実際にはもしかしたらビートルズよりも好きかもしれない。何かね、自分だけのポップバンドって感じでさ、ビートルズ聴かなくても同じようなセンスはこういうところでも聴けるんだよ、みたいな。まぁ、ELOなんかもそうなんだが…。それくらいに強烈に旋律も曲も彩りもしっかりとしたアルバムです。ただ、気になるのは一発で覚えきるくらいの激しく名曲らしいものが見当たらないという…致命的なんだけどさ、その辺がA級との差なんだが…、それ以外は持ってる(笑)。

 ほのぼのとしててね、殺伐とした雰囲気は一切なくって田園風景をそのまま表した作品。田舎のビートルズと異名を取ったらしいが、正に言い得て妙でして、そのまま田舎の風景がマッチする作品。巧いしね。

Stackridge - Extravaganza 1974

Extravaganza 何かまたヘンな方向に進みつつあるが、休みの日ともなると膨大な数のアルバムやiTunesなんかを聴きまくってて、もちろん流し聴きしているんで大して身にはなってないけど、やっぱり激しいのからほんわかしたものとか色々混ぜこぜで聴くんですな。多分多くの方々がそうだとは思うんだが、音楽ってのはそういう側面もあるし、新たな発見にも出会いたいし。そんなことしながらでもブログのラインは一つなので一応その流れでも聴く…、いいか、これで(笑)。

 スタックリッジって英国のバンドで田舎のビートルズと言う異名を取るほどのバンドなのだが、そのスタックリッジの4枚目の作品「Extravaganza」ってのをちょいと。昔は結構おもしろいな〜ってハマってたこともあったバンドなんだけど、この「Extravaganza」というアルバムにはそれほど想い入れはなくってどうにも田舎臭い…と言うか単にポップなだけじゃない?みたいな印象あってあまり聴いてない。だからブログで取り上げられるのも遅かったって事なのだろう。他のアルバムは結構昔に書いてるもんな…。スタックリッジってバンドは…ポップスです、単純に。ただ英国的なセンスでのポップスだったりしたので面白味はウェットにあったんだけど、いや、この「Extravaganza」というアルバムでももちろんあるんだが…今はこういうのを楽しむというんでもないのかな…自分がね。それでも終盤の白熱の楽曲群は面白いし、こっちのがスタックリッジらしくって良い。A面からのどうにもポップス的な側面は聴いているとちょいと辛いなぁ…。

 結果的にはあんまり聴くアルバムではないってことです。話題的な書き方すればゴードン・ハスケル作の楽曲があったり(一時期メンバーだった)、プロデュースはジョージ・マーティンからトニー・アシュトンに変わってるけど、そういうバンドです。

Stack Waddy - Stack Waddy 1971

Stack Waddy デッカ・デラムの傘下でのノヴァレーベルと同様にあのCBSにももちろん70年頃には傘下のレーベルってのがあったワケで、RCAのネオンほどメジャーじゃないんだが、ダンデライオンレーベルってのがあった。まぁ、結局レーベル運営そのものは何故かワーナーやらポリドールやらに移籍されていうのでどこの傘下ってのがややこしい。結局どれもこれもが非常〜にマイナーなモノになってしまって結局レア盤の運命を辿ることになってるわけだ。どっからどう見てもメジャーな人が全くいないに等しい。有名どころと言ってもせいぜいブリジット・セント・ジョンくらいか?う〜む…。

 そんなダンデライオンレーベルの主でもあるBBCのジョン・ピールが発掘してきたバンドのひとつにStack Waddyというのがある。驚くことにアルバム二枚リリースしているので、そこらの英国バンドよりもまだ売る気があったってことだろうか。今回はその最初のアルバムでもある1971年にリリースされた同名タイトルアルバム「Stack Waddy」です…。セカンドは「バガー・オフ!」っつうタイトルです。

 最初に書いておくとですね…、いや、曲目見てわかるようにどれもこれもカバーソングばかりなんだが、思い切り泥臭いブルースロックをひたすら奏でるというバンドで、そこには全くギミックもなけりゃ独自創造性もなく、ただひたすらブルースを繰り返すというものだ。なので、迫力や雰囲気はもの凄いものがあるし、歌にしてもピーク振り切った状態での録音としか思えないくらいに迫力があるし、非常に個性的。しかし、残念ながらそこには独自性がないため、単なるその他大勢のブルース模倣バンドとしてしか音が聞こえてこない。それが故にどうしても淘汰されてしまったのはしょうがないだろう、というのがよくわかる。

 でも面白いことに、何かと事あるごとに英国B級路線ブルースロックなどが取り上げられると大体このStack Waddyは出てくるんです。ダンデライオンだからか?いや…、多分この時期の英国ブルースロックの洗礼バンドってことでここまで泥臭いバンドはないからじゃないか?妙な言い方だけど、模倣のオリジナリティがあるもん。つまり模倣しかしない、っていう純粋な人達ってのはほとんどいなかったからさ、Stack Waddyくらいだったんだよ、多分。皆が思い描くような思い切りブルースの模倣バンドって。他は皆何故か独自性を持ったり発展させたりしちゃってるから。逆の意味で稀少だったんだろうとも思う。模倣の天才はツェッペリンだったかもしれないけど、やっぱり独自性が大きいワケじゃない?ね。

 そんな変な称号みたいなものを持ち合わせているStackwaddy…、ジャケット通りにむさ苦しく想像通りにブルースロックを奏でているバンド。バランスが悪いとしたらダンデライオンレーベルからってことだけかもしれない(笑)。

Steamhammer - Mountains 1970

 ブルースとハードロック、そしてプログレッシヴな曲展開、更にはコンセプトアルバムという趣向を凝らしたアルバムとしてはかなり早い時期の作品に数えられてもおかしくない・、とは言ってもこの時期の英国ロックにはそんなのがごまんと固まっていたので別段新しくは感じなかったのかもしれないな。それでも作品の質の高さから今でもたまに語られる…、ほんとにたまにだとは思う。しかも語られ方としてはギタリストのマーティン・ピューがヤードバーズのキース・レルフと一緒にアルマゲドンっつうバンドを組んだことで若干名が通っているっていう要因が大きいかも。そのアルマゲドンのアルバムの一曲目のギターリフはこのバンド、スティームハマーの4作目「Speech」の初っ端を飾る曲のリフとまったく同じ物であることはあまり知られていない。

 ってなことで本日はスティームハマーっつうバンドでデビューは1968年、混沌としたブルースロック調のアルバムでデビューを飾ったようだ。うん、だって、初期作品は持ってないので聴いてないのでよく知らないのだ(笑)。しかし、しかしだ、3作目となった「Mountains」と4作目の「Speech」は早い時期にレパートワーからCD化されたのでこぞって入手して聴いたのでかなり好きな類のバンドということに気付いてはいた。初期もそのうち探さないとダメかな。で、その三枚目の「Mountains」がB&Cカンパニーの有名レーベルとなったカリスマレーベル(ジェネシスが有名か)から1970年にリリースされていて、コンセプトはあの「指輪物語」としているみたいなんだけど、レパートワーからのCDは何故か曲順が変更されていてオリジナルアルバムのコンセプト通りになっていないという不思議な物。このレーベル結構そういうのあるんだよな。レア物リリースしてくれたからいいんだけどさ。で、オリジナル通りに曲順をいじって聴いてみるとどうなのか?と言われても正直それほど大差ないような気がする…、いやむしろレパートワー盤の方が曲順良いんじゃないかとすら思えるのだが(笑)。ちなみにAkarma盤はオリジナル通りの曲順。

 最初からハモンドの効果音と正しく英国的なギターの音色が鳴り響く「I Wouldn't...」という曲はこのアルバム一番の佳作だろうなぁ、時代を反映するかのようなブルースロックが基本なんだけどどこかヘンで繊細。アルバムではB面に収録された最後を飾る「Riding On...」という16分強の楽曲についてはどこかのライブを録音した模様で、目玉になっているんだけどこれもハモンドとギターの掛け合いと激しく展開していく曲構成が面白い。かと言ってプログレ的に展開しているワケでもなくあくまでもブルースロックの発展というような感じで、どこかテン・イヤーズ・アフター的なライブという気もする。何かすごくギターが丁寧で繊細なので聴いていて耳が行ってしまうんだよな。その他小曲群でもそれは同じで繊細な旋律を大切に奏でているという印象でバンドのそれぞれの音色が上手く融合しているものばかり。ロック…、うん、英国ロックとしか云えないんだけど情景の表現もやっぱり見事な物で「指輪物語」というストーリーをイメージして聴くとなるほどそうかな、と思える曲が並んでいるのは何となく納得(笑)。アコギの繊細な使い方とかやっぱ良いなぁ。

 アルバム4枚リリースして解散してるけど、英国よりもドイツでの人気が高かったと言われている。オフィシャルホームページなんつうものも存在していて、大した資料はないんだけどファミリートゥリーが貴重かな。英国的なハードロックのひとつとしてはかなり好きなアルバム。

Steamhammer - Speech (1972)

Speech (Dig) いや~、この辺のバンドのあれこれを見ていたり聴いていたりすると面白いことがいつまで経っても発見されてきてキリがない。その辺が英国ロックの深い霧とも言われる所以で、超王道メジャーバンドから超マイナーな無名のアーティストまで多分全部繋がってしまうのだ。人脈的な、という意味だったり音楽的という意味だったりするのだろうけど、とにかく人脈でバンド組んでた、とか面白そうだから何かやってみるか、ってな具合に人が集まってたりするので、スーパーバンドってのも後で言われてみれば、みたいな時もある。だからそれは必ずしも成功するとは限らないってのがある。最初から明確な音世界があってバンド組んだ訳じゃないからだろうね。まぁ、超メジャーな所ではスーパーバンドってのは成功しないものだったんだけど、ちょいとB級に入ってくるとそれはもうアチコチのバンドからの猛者が集まってくっついたり離れたりしてて、その系譜が大変。魑魅魍魎とした世界が広がります。そこにプロデューサーやエンジニアやレーベルなどが絡むから更に複雑怪奇な世界が出来上がる。

 …なんでこんな話なんだ?あ、Steamhammerの来歴見てたらそんなことを思ってしまったからです。イリュージョンや初期ルネッサンスに絡むルイス・セナモが参加したってことと、アルバム「Speech」でのプロデュースがキース・レルフだったってことで。このアルバムが出会いだったんじゃないかな、多分。んで、SteamhammerはZeppelinとかジョイントでライブやってたりするんだからまた深い世界。英国ロックは面白い。特に70年前後は最も活気溢れていた時代だろう。

 そのSteamhammerの1972年リリースの最終作「Speech」は何とハードロックバンド、と定義して良いにも拘らず、3曲しかアルバムに入っていない。A面1曲、B面2曲だ。今の時代にしてみればそれでもアルバムとしては短いのだろうけど、アルバム片面が一曲って凄いことだよ。昔はそんな長いの聴けないだろ~って思ってたけどいつしか、そんだけ長いならきっと何かやってくれてるに違いない、と確信して聞くようになっていた(笑)。得てして何かしら面白いことやってくれてるんでね。この「Speech」の場合は…、オープニングからして奇妙なチェロの硬くて冷たいちょっと硬派な音が出てきて、まるでZeppelinの「幻惑されて」のライブのアドリブ途中から始まるようなもんだ。なんだそりゃ?となり結構長く続いてから始まるのが無茶苦茶チープな歪んだギターでのリフ。このリフは後に「Armageddon」の一曲目「Bazzard」として更に洗練されて使われることとなるリフの原型なのだが、とにかくチープ、笑っちゃうくらい。B級さ丸出しでカッチョヨイ。キース・レルフもこのリフに痺れたんだろうな。それとさ、ドラムのミック・ブラッドリーって人、かな?が、凄く良いドラムを叩いてて、これぞ英国ロックドラマー!って感じの自分的には凄く好きなドラミングなんです。小技が効いててロールしてて、それでもドタバタ感あって…っつう。うん。この人この年に死んじゃうんだよね。んで、様々なバンドを集めてトリビュートライブをやったりしてたんだが、結局翌年解散となったバンド。そこからアルマゲドンに移行していくみたいだけど、まずはこの「Speech」という作品…ってかファーストのブルースロックバンドから始まり、前作「Mountains」ではプログレッシブな方向性を持ったハードロックバンドとして実験的なライブレコーディングをまずまずの出来に仕上げて意気揚々と製作した最も熟成したアルバムが「Speech」だと思っていて、充実度は実に高い。長い曲でも単に鍵盤で長引かせているとかではなくて構成がしっかりと組まれていて、でもフリー部分もあったりしてプログレではないハードロックバンドな音です。チープだけど(笑)。

Steamhammer - Mk II 1969

Mk Ii  ブルースロックって実はそんなに名前が上がってこない世界で、自分的にはもっとマイナーなので強烈にB級しているのも好きなんだが、ってかそっちの方が圧倒的にヘヴィブルースだし、そういうのも探すんだけどなかなか見当たらないなぁ…、Fuzzy Duckとか好きなんだが、ってことで、Steamhammerの1969年暮れにリリースされたセカンドアルバム「Mk II」なんてのを。マーティン・ピューって人知らないかな…、The Yardbirdsのボーカルのキース・レルフが後に組んだバンドがArmagedonってので、そこのギタリストとして参加してるんだけど、そのマーティン・ピューのギターってのが結構好きでね、Steamhammer自体も4枚くらいアルバム出してるんだけど、最初は超ブルースバンド、このセカンドになってくるとブルースベースのヘヴィバンド、ここから先はもっとプログレッシブに…ってか深掘りしてってる感じもあって結構楽しめるバンドなんですな。その過度期の「Mk II」はかなり惹き付けられるサウンドを出しているのでB級系に手を出さない人でもそこそこ楽しめるのかも。ただ、70年代のごった煮ロックと言えばそれまでではあるが(笑)。

 鍵盤がドアーズなんだよなぁ…、んでコーラスもあって、ヘヴィなドタバタドラムでギターはちょいと線が細い時もあるけどウネッてるブルースギターで若さをそのままぶちまけて、皆が皆アイディアを出しまくって作り上げていったような迫力と熱気のあるアルバム。フォークギターもかき鳴らされてて激しさの中の繊細さもあって実は相当聴きどころ満載なアルバム。久々に聴いてるけどこんなにカッコよかったっけ?ってくらいに深みのあるアルバムだった。またじっくり全アルバム通して聴いてみたいな…、今度やってみよう。知られざるギタリストの一人であるマーティン・ピューの世界観、結構興味深いと思います。

Steamhammer - Reflection 1969

Reflection 人脈辿りによるどこまで行くのかロック史みたいになってるんだけど楽しくてやってるだけなのでどこでどうなるかわからんし、一方向にしか進めないので多分岐するバンドなんかに出会うと誰の人脈に進むべきか…なんて悩みも出て来たりね、Quatermassなんかもそうだけど他のメンバーの人脈で進めばそれはそれで全然違う展開になっていっただろうし…とかあるワケ。そんなの気にしないでドンドンと適当に進めていくのもまぁ、いいでしょ。最近じゃブログそのものも廃れてきているしどんどんニッチにやってきゃいいんだよ、好きに(笑)。そんな意味ではTwitterやFacebook(やってないけど)なんかもちょっと陰ってきてるしねぇ…、今を生きる的にはSNSって良いんだろうけどライブラリやデータベース的に後から探すってこと考えるとログが残ってるだけじゃダメなんだよね。ある程度体系化出来ないとさ〜、ホラ、ロック史なんて書けないけどこんだけブログ書き続けてるとそれなりに体系化出来てるんだよ、多分。ホントはそこからHPにして更に纏めていこうと思ってた…っつうか途中までやってあるんだけどメンテが出来ない。面倒なんだもんなぁ…でも、どっかでやらないと。何故って自分で見返して覚えておきたいからっていう理由でして…そんなもんです(笑)。

 1969年にデビューしたSteamhammerという英国のバンドのファーストアルバム「Reflection」、全く売れなかったらしくほぼ無視状態だったようだが、オリジナルのジャケットとは異なるメンバーショットのジャケットの方が知られていたなぁ。それもこれもRepertoireからのCD化でようやく聞けたってものだったんだが、アルバムとしての評価はこの後の「Mountains」や「Speech」に集まっていて初期作品は割と見向きもされなかったか。再発の評価の時のお話なので今は割とフラットになってるからバンド単位で評価されているかもしれないな。最終アルバムとなった1972年リリースの「Speech」でのベーシストがオリジナルルネッサンス解体後のルイス・セナモってことで、そうだな、そんなこともあったな…と思いつつ、ならばってことで思い付いたのでルイス・セナモ参加してないけどSteamhammerのファーストアルバム「Reflection」なワケです。

 後に聴かれるハードプログレッシブ的なアルバムの要素はまだまだ磨かれてなくて、あまりにもありきたりな時代背景を反映したちょっとヘヴィなブルース・ロックな音です。ただ、3コードなんだけどマーティン・ピューってやっぱりかなりヘンなセンスgああってさ、ギターがどれもこれも浮いている感じ、それこそはSteamhammerの特色なんだけどスタンダードなブルースベースの曲をこの人が弾くとホントにヘンでさ…、他のメンバーが割と平凡なのにマーティン・ピューだけ異質、それがバンドの核ってトコだ。ただやはり単なるブルースばかりではなくってサイケデリックのアプローチも入れつつ時代を意識した音にもなってて激動の時代を颯爽と駆け抜けていくバンドの資質が見え隠れしているのが面白い。

 うん、好きだねぇ〜、こういうの。イントロから曲が始まるまでワクワクしちゃうもん。始まるとダサくてしょうもないんだが、そのワクワク感の間が好き。