Stained Glass - Open Road

Stained Glass (韓国盤, 紙ジャケット仕様) ふと故郷に戻って来たかのような音世界を思い出す。近年のバンドや新しい融合をどんどんと果たしていったバンドやアルバムによる音楽の進化を楽しむことも必要だし、刺激的ではあるが、ちょっと行き詰まってしまった時には基本的には原点に戻る、が一番良いんだよなんて思ってましてね、どこかアコースティックな素朴な部分だけが記憶に残っていたので、久々に牧歌的なフォーク聴きたいな〜って。その辺なら何か色々あるだろ、ってことで適当に探しだして来ました。

 1974年リリースの唯一作として知られている…知られているかどうかはわからんが、Stained Glassなる英国のフォークバンドによる「Open Road」。まぁね、冒頭のアコースティックな音色が流れてきた瞬間からほっとしてる自分がいるわけです。そんなに聴き込んだアルバムってワケでもないし、語れるほど何かを知ってるバンドでもないんで単純に音だけでそう感じるんですが、陰鬱系だったり暗黒だったりドロドロとしたものは一切無くって普通にフォーク2ホント女性ボーカル、男性コーラスだけという世界だから単にフォーク。ところがこのフォークさが確かにTuderlodgeな雰囲気でして、おやおやこんな所で出会えるとは…みたいに牧歌的な音色で嬉しいね。

 これ自主制作盤だったのかな、昔は普通には聴けなかったし見ることもなかったから自分が散々漁ってた時には全然出てこなかったバンドだし、アルバムなんだよね。それでもいつしか発掘されてCD化されてる所が凄いわ。どこかでふと見かけていいかも、って聴いてそのままライブラリ行きになってるんだから基本的に好きなのか、単に集めておきたいだけなのか自分も適当なんだが、確かにギターの音とかは安っぽい録音という気がしないでもない…、が、それでこそこの味わいが出るのだろう、コーラスワークも含めて何とも低予算で作られたことは一目瞭然だが、その分素朴で美しい本質と実力が出て来ているという見事な作品。これぞフォークですな、というお手本的な作品です。

Status Quo - Hello!

Hello!  英国で国民的人気を誇るステイタス・クォーだが、日本ではほぼ全くと言って良い程に人気がない。そして自分自身もそうだし、大してマジメに聴いたことがないのも事実なのだが…、そうも言ってられない状況になってきたので(いやぁ、リクエストがあったのでこれはやっとかないとなぁと言うだけですが)、ここぞとばかりに聴いてみました。なるほどなぁ、昔聴いた感じと今聴く感じとは大きく印象が異なるモノだと実感、時の流れを感じさせます。フォガットを書いた時にハードブギバンドとしての王道を行くバンドとして書いたんだけど、やっぱりそれは合ってたかな(笑)。一般的にブギ一筋の王道バンドと語られるステイタス・クォーではあるんだけど、こっちの方がまだ可愛い。どっちかっつうとシャッフル系なんじゃないかな…、ってまあ解釈の問題で大差がないカテゴリというか括り方ではあるんだけどさ。

 デビュー初期はサイケデリックバンドの一員としてシーンに登場してきて、しばらくそんな中途半端な路線だったものの70年代に入るとヴァーティゴレーベルと契約し、正に全盛期に突入。…ん?またヴァーティゴか(笑)。で、この時期の作品「Piledriver」「Hello!」「On The Level」と言ったあたりが一番かっちょ良い時代で、ノッてるね。もちろんそれぞれに特色があるし、バラードなんかもあったりするんだけどいわゆるブギ一筋と言われるのもこの頃から。どっちかっつうとロックンロールなんだと思うけどね。シャッフル調のロックンロール。だからゴキゲンなんだけど、かなり軽めに聞こえるトコロがフォガットなんかとは大きく異なるかな。以降はこの軽さにポップさが同居してくることで一般的認知度を獲得しており、ここらへんからは多分英国に於いての長寿バンドとして、または軽快なロックンロールを奏でるバンドとして知名度を上げているんだと思う。ストーンズはオリジナリティが強かったが、このバンドはもちろんオリジナリティもあったんだけど、それでもカバーソングの使い方が上手かったんじゃないかな。ストーンズももしかしたらそうなのかもしれないけど、サラリとありとあらゆるジャンルのカバー曲を彼等のノリでプレイしてしまうスタイルは素晴らしい。そしてそれがカバーだとは気付かないようなレベルにまで持ち上げてしまう独自のサウンドというのも凄い。「All Around My Hat」なんてのも英国ではかなり知名度の高い楽曲だが、元々は英国フォークバンドのSteeleye Spanの曲なのに彼等が演奏すると不思議とクォーサウンドになってしまっていたりする。それにはオリジナルバージョンでメインボーカルを務めていたマディ・プライアーが参加しているにもかかわらず、だ。

 んなことで、クォーの面白さを体感するには上記3アルバムはともかくながらこれだけキャリアの長いバンドなので適当なベスト盤が一番取っ付きやすいだろうし、今から全アルバムを丁寧に聴いていく必要がどこまであるのかな、って感じなのでベスト盤をオススメするね。

Status Quo - Blue for You 1975

Blue for You  ブギの王者として知られているStatus Quoだが、その実自分的に今でも不思議なのがブギって何ぞや?って事。3連でシャッフルしてて軽いのはシャッフルで、ブギってのはどっちかっつうともっとハードなシャッフルの事か?くらいにしか思っていないのだけど、じゃ、どっちもやるようなバンドってのはどうすんだ?とかブギバンドったってブギばっかじゃやってらんねぇだろ、って思ったり、まぁ、色々とヘンなの、って思うこともあるのだが、世間的にそれで通っているならそれで良いのかもしれない。不思議ではあるけど。

 んで、Status Quoの1975年リリースの作品「Blue for You」、かなりの名盤として知られている、のか自分でもそう思うだけなのかアレだけど、かなり快活で爽快なアルバムです。正にブギバンドの快心の一枚、と言わんばかりにスカッとするアルバム。なるほど、これがブギの王者と呼ばれるバンドのブギなのか、ってのが納得できます(笑)。うん、確かにその通りだわ。説明しきれないけど、とにかくアルバム一枚聴いてみるとブギの王者に納得、そしてこういうのがブギバンドってのにも納得すること間違いない。何も考えなくても心地良く軽快にビートが進んでいく…、ある意味ラモーンズのそれをほとんど同じような感覚に陥るワケで、ただ、あそこまで攻撃的でもないから快活に聴けるっつうかね、うん、分かる。

 このスタイルだけでン十年やってて、今でも英国民皆に愛されているというStatus Quo、凄いなぁ。英国人の文化的にこういうのが好きだとはあまり思えないんだけど、そんだけ密着してしまうくらい身近にStatus Quoってのがあったんだろうか。昔からよくわかんなくてあまり真面目に聴いてなかったんだけど、ここに来てこうして聴いていると悪くないよな、いや、良いんじゃね?って感覚になってくるから面白い。多少かったるい所もあるけどさ、ここにブルースの概念が入ってこないってのがこれまた面白い。

The Steampacket - The Steampacket

ザ・ディフィニティヴ・レコーディングス(生産限定紙ジャケット仕様) Steamhammerのドラマーにはこの時代前後に名を馳せることとなるミック・ウォーラーが在籍していて、それはもうジェフ・ベック・グループのドラマーとして知られていることになるんだけど、まぁ、この辺が人間関係の面白いトコロで、元々Steampacketってバンド…そうロッド・スチュワートがいたバンドでミック・ウォーラーもいたから当然知ってるワケ、その後ジェフ・ベックがロッド・スチュワートを見つけて一緒に組んで…そこでミック・ウォーラーもいたワケだが、その周辺ってのはイアン・マクレガンとかジュリー・ドリスコールとか色々いたワケ。んで、当然なんだけどSmall Faces〜Facesあたりの人脈まで繋がっていくからどうしたってベックからその辺、そして過去へ行くと繋がりが増えてきてねぇ…、まぁ、そんなことで今回はその発端ともなったバンドです。

 The Steampacketなんだけどアルバムってのは出てなかったんじゃないだろうか?多分シングルばかりで市場を賑わせたとか何とか…いや、調べてないからわかんないけど多分そんな感じで昔からアルバムらしいアルバムってないんじゃないかなぁ…。CD時代になってからはコンピ盤とか色々出て来て聴きやすくはなってるハズだけど、元々がモッズバンドだしシングルありきだったからそんなもんだろうと。そういうバンドも結構多かったんだろうしね。アマゾンで見ると今なら割とコジャレたジャケットの全曲集が手に入るようなので良いんじゃない?「The Steampacket 」ってのだけど。

 楽曲がどうのとかはそんなに違いを書ける程自分でも把握してないし、65年頃前後のモッズバンドだからThe Whoの初期と同時代だった、多分本物のモッズによるバンドだったんだろうが、音を聴いてもエッジの効いたクールなビートをキメてくれているのでソリッドでかっこ良いなという印象。ロッドの歌声も結構似合っててまだまだロックしてるなっていうくらいで割と好き。何がそんなにソリッドな感触なのかよくわかんないが、初期モッズの音は好みだな〜、まぁ、どういう役割だったのかわからないけどジュリー・ドリスコールやブライアン・オーガーもメンツに組み込まれていて後の英国ロック史を考えれば非常に興味深いバンドのひとつだね。

Steel Mill - Green Eyed God 1971

Green Eyed God 割と事ある毎にドイツ人と日本人の感性が似ているんじゃないかと思うことがある。まぁ、職人気質な所とかもそうだけど、音楽的な好みというのもそんな傾向があったりするような感じでさ。もちろん全部じゃないけど。そういえばビートルズだって若い頃はハンブルグで武者修行をしていたくらいだからドイツってのは何かと魅惑のある国なんだと勝手に思ってるんだけど…。ドイツを制するものは世界に進出できる、みたいなさ。Zeppelinなんかもそうだし、結構ドイツ制覇してから出てくるバンドってあるんじゃないかな。

 Steel Millというイギリス人によるバンドがその昔に存在していて、そんなドイツでの武者修行からなのか何故か1971年にドイツのベラモフォンレーベルというところからアルバム「Green Eyed God」をリリースしたバンドがあってですね…、その後1975年に逆輸入バンド的に英国でその「Green Eyed God」がリリースされたらしいんだけどさ、その間の4年間ってSteel Millは英国からドイツに出て売れているバンド…とまではいかなかったけど、それなりの評価があったから英国盤がリリースされたのかもしれない。または、その間にそんなバンドがあるってことで非常に珍しがられた人気の上でのリリースだったのか、英国としては自国のバンドのアルバムを余所の国でしかリリースされていないという事実を許せなかったのか(笑)。いやいや…。

 そのSteel Millの「Green Eyed God」なんだが、自分的には随分と前にカウンターフィット盤を手に入れまして散々聴いてたので結構思い入れあるなぁ。オリジナルなんて見ることはなかったけど、とにかく最初の曲のギターリフがとてつもなくダサくてかっこよくてさ。速攻でギターコピーしてたもんな。それくらい簡単でインパクトのあるリフなんだが、アルバム全体としても紛れもなく英国風の品位に包まれたアルバムです。ゴツゴツしないで優しく、上品にそしてまろやかに…、出てくる音は全然違うけどGnidrologみたいな雰囲気があってね、技術力のなさもB級で心地良い。音そのものは基本的に線の細いギターを中心としたハードロック風味のスカスカな音で、歌はこれもまた線の細い特徴がなくて頼りなさ気な声でして(笑)。特筆すべきところがあまり見当たらない英国ロックサウンドとしか言いようのない世界だけど、何度聴いても飽きない深さ。これ、一体何なんだろう?別に激しいってワケじゃなくてプログレってモンでもないし、でも何か心地良い。不思議だ。

 あまりレビューされていないみたいだけど、CDは一応出ていたらしく多分再発もあまりないんだろうけど、機会あったら聴いてみてほしいな。ま、最初からコレだと疑われるからある程度英国ロックを聴いた後に聴くとよろしいかと。かっこよく書けばさ、ブラック・サバスから暗黒を抜いたような音とも言えるんだけど…、いやかっこよくないか(笑))。

Steve Harley & Cockney Rebel - The Best Years of Our Lives 1975

The Best Years of Our Lives  ロックに目覚めた頃、何でもかんでもとにかく聴きたくて見たくて時間が足りないとばかりに好きあらば何かを聴いてたし、探してたし、それだけ飢えててロックを知りたくてしょうがなかった。それでももちろんガキだったから今思えば全然知らないしもっと知っとけとか聴いておけとか思うことばかりなんだけどがむしゃらに聴いてたな。本来なら今でもそうやって取り組んで聴くのが筋なんだが、なかなかそうはいかなくてってのがある。それは何だろうな…、古くて良いものに出会うとやっぱり熱入れて聴いてるし、どっか違うんだろうよ70年代は。

 Steve Harley & Cockney Rebel名義となった最初のアルバム「The Best Years of Our Lives」、1975年リリースの作品でなかなかオツなジャケットでカッコ良いのは案の定ミック・ロックの写真によるもので、グラマラスな雰囲気が漂う小洒落た味わいが粋だね。コックニー・レベルってどこかマイナーと言うか、イマイチ聴き惚れる程までではなかったんだけど、この「The Best Years of Our Lives」ではメンバーが一掃されているのもあるし、Steve Harley自身が反骨心見せてるのもあるのか、随分と名作に仕上がっていてさほど出てこないけど、かなり良作でかなり好きなロックだ。初っ端のギターなんてピート・タウンジェンドが弾いてるんじゃないかっつうくらいにはソリッドでシャープな切れ味がカッコ良い。そのままで進むかと思いきや、一気にサイケでアンビエントで正にヒネたポップなキッチュサウンドが展開されてって一筋縄ではいかない音が続く。こんだけ幅広いとロックというカテゴリも狭いのかもって思うくらいにはカラフルだ。

 70年代のアルバムってこういうきらめきやときめき、おもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドに出会えるんだよな。それがまたどこか切実で惹き込まれるし、多分仕事として音楽を作りながらもやっぱりセンスと情が熱いというのか、響きやすいんだろうか、味わい深い作品だ。カッコ良いジャケットってのはやっぱり音もカッコ良いのが多い、と思いたい。一言で言えばグラムロックなんだろうけど、その幅はかなり広くて才能を見せまくってる傑作アルバム。アルバム全部聴き直そうかなって思ってるくらいには刺激的な作品でした。

Still Life - Still Life 1971

Still Life  「Still Life」と言えばヴァーティゴレーベルに1971年に残された幻のバンドとしてその筋ではかなり有名なバンドがある。マニアの間ではこれはピーター・ハミルだなどと言われたりして、このような伝説を作り出すとはヴァーティゴレーベルもなかなか粋なことをしたものだ。もっともそれが意図的なのかどうかは全くわからないが、少なくともレコードには曲目と作曲者の名字のみのクレジットはあったものの全くそれが誰なのかがわからなかったという素晴らしき演出。このスティル・ライフのメンバーの顔が見れるのはダブルジャケットの見開き面にうずくまった4人のメンバーが見れるのみで何のインフォもなかったという正に幻と化したバンドなのだ。

 しかし今のこの時代、世界中の誰かがそれを探そうとして発掘されるものなんだねぇ。凄い時代です。ここスティル・ライフというバンドについてのことが書かれているのでなるほど〜と感心。これでバンドの謎については一件落着なんだけど、それでどうした?って感じで、まあミル・マスカラスの素顔を見たからどうというものではないけど、見てみたいという願望と同じで納得したいだけなんでしょう。

 そして肝心の音の方だけど、さすがヴァーティゴレーベルなだけあって実力派なんだけどいまいちB級ってトコがまたマニアの人気度を高めるところなんでしょう。オルガン主体のプログレ、、、プログレって言葉の定義が非常に曖昧なのであまり使いたくないから、オルガン主体の結構ビート感のあるロック。一曲目「People In Black」は確かにピーター・ハミルに通じるものがある迫力だけどまだまだ凶暴さはないので、やっぱり別人だね。でもかなり似ているしバンドの演奏スタイルも近い。A面は以降何となくスワンプ的なメロディと言うか決してプログレ風な歌ではなくって、もっと土臭い感じでコーラスもあるし、普通に聴けるかな。ま、でもイマイチ。で、B面は結構ハードっぽくなってなかなかイケる。特に「Love Song No.6」なんて勝手な思いなんだけどキース・エマーソン風の鍵盤が出てきて頑張ってるし、ついでだからリッチー・ブラックモアがここであのギターを弾いてくれるとぴったりとハマる名曲になると思うんだけどな(笑)。そういう意味ではジョン・ロード的な鍵盤なんだろうか。そんな感じで結構楽しめるね。

 後はやっぱりジャケットが凄くいいよ。これで英国プログレファン達はノックアウトされるんだけど、表が凄く綺麗じゃない?で、裏ジャケが一転してドクロっつうメリハリが実に面白い。2003年にイギリス盤CDがリリースされたんだけど、こちらはジャケットがちょっと違う。う〜ん、良くない。やっぱり右上にヴァーティゴ渦巻きマークがあるのが一番しっくりくるな。

Stonehouse - Stonehouse Creek 1971

Stonehouse Creek 1971 「Rock is Dead」って意味を考えてみると「ロックは死んだ」果たしてどんな意味のロックが死んだんだ?言うならば自分なんかも染み付いている70年代のロックはとうに死んでる。そういう意味では既に「Rock is Dead」なワケだ。パンクもメタルも然り。となると今のロックと呼ばれるものやメタルなんかは何なんだ?リバイバルや焼き直し?ゾンビなのかもしれない、って話だが、多分そういう事なんだろう。意味わからんね(笑)。ロック好きじゃないかも、って音楽に詳しい人が言ってたのを聞いて、そっか、ロックという定義とハイテクの音楽ってのはアプローチが大きく異るからロックという定義からは外れるってとこも多いもんなと納得、って話。簡単に言えば「不良のロック」時代は終わってて、今は「マスタするための音楽」の選択肢にロックがあるだけってことなのだろう。やっぱ「Rock is Dead」だわ(笑)。

 1971年にリリースされた英国のStonehouseってバンドの唯一作「Stonehouse Creek 1971」。ストーナー系だなんだと今じゃ色々あるが、そんなのを全部ふっ飛ばしてくれるかのようなハードロックなアルバムです。別に上手くもないし王道って音楽でもないけど普通に70年代のヘヴィロックとも言えるバンドで熱気ムンムン。この熱気が堪らんのだが、古いロックはその時代の音をパッケージしてあるってのは確かで、ついでに技術の無さもあるからパワー一発で解決、みたいな所もあって面白い。そりゃ今じゃ通じないけどね。熱さってのはこういう所に出て来るんだが、それが好きかどうかとか聴きやすいかとか言う話は別物、自分はこの手のは全く抵抗なくすんなり聴けてしまう…のは多分美学がないからだ(笑)。

 ブルースロックとも言えないしヘヴィロックとも言い切れないが、果たしてどこ向いてたんだ?でも4人組で鍵盤なしだから思い切り普通にロックしててギターも歪んでて歌はハイトーン系で味があるし重いサウンドも出すし、当時はごまんといたバンドの中のひとつの音…だったから唯一作なんだろうけどさ〜、かなりよろしいでっせ。

Stone The Crows - Stone The Crows 1970

Stone the Crows 英国のブルースってのは実に多様な方向に進むものがあって、そりゃストーンズだってツェッペリンだってブルースだろ、ってのとかフリーもクリームもそうだろ、って言われるとなんかそれぞれ違うでしょ?んな感じでね、マイナーな世界はマイナーな世界でそれなりに個性を出してたんですよ、もちろん。んで、中でも女性の歌声での超個性…もちろんジャニス・ジョプリンが既に世界を制していたのでどうしたって比較されてしまうんだけど、それでもかなり楽しめる素晴らしい歌声でブルースを奏でてくれたバンドがこちら。

 Stone the Crowsというバンドで、ボーカルはマギー・ベルです。まぁ、滅茶苦茶メジャーではない人ですが、歌がとんでもなく良いのです。ソロアルバム「Suicide Sal」ではジミー・ペイジだってギターで参加しているんだから。そしてこのStone the CrowsのギタリストってのがLes Harveyって人でして、うん、Alex Harveyの弟なワケだ。これがさぁ…、凄く良いギターを弾くんですよ。ソロにしてもアコギにしてもバックにしてももの凄くアクのある、そしてセンスの良い心に引っ掛かるようなギタープレイでね、もちろんマギー・ベルの歌を邪魔することなく、流れのギタリストって雰囲気までも出してる良いギタリスト。そんなメンツの最初の作品が「Stone the Crows」という1970年の作品です。

 冷静に聴くとブルースっつうか、ブルースを元に歌い上げ、ブルースを元にギターを奏でているけど決してブルース一辺倒なバンドじゃないし音でもない。凄く洗練されていて泥臭さがなくって泥い、って感じ(笑)。マギー・ベルの歌のパワーが凄いからさ、どうしてもジャニス的に聞こえてしまって、ブルースの〜って感じになるけど、そんだけじゃないね。圧倒的な歌唱力を生かした音がたまたまこういう音でした、っていう感じで、もちろん巧いし好きなんだろうけど。曲は歌ありきで作られている感じだからさ、やっぱメロウなブルース調が多い。なんつうか…ソウルフルな歌声を生かす曲ばかりだね。ロックとかハードロックとか言う世界ではないが、思い切りロックを感じさせるブルースな世界…。うん、心地良いんだよ、単に。ギターも絶妙だしさ…。

 A面4曲でB面の「I Saw America」って20分近く使って色々な実験をしてる。そっちがこのバンドの本領でもあるかもしれないし、時代かもしれない。基本的にはA面の世界を以降も踏襲しているけど、ここでの20分弱は実験的で面白いね。プログレではないけれど、ロックがあれこれと融合しようとしている世界を聴けるからさ。オルガンも派手だしギターもパーカッションも歌も展開も間合いもそれぞれ楽しめる。まぁ、やっぱりこうなるか、って読める展開も多いんだが(笑)。

 それにしてもStone the Crowsは無名ではもったいないレベルを持ったバンドなので、ジャニス好きな人やブルースロック好きな人は蓋を開けてみても良いんじゃないかな…、ソウルな歌が好きな人も大丈夫だと思う。

Stone The Crows - Teenage Licks 1970

ティーンエイジ・リックス  アイディア溢れる70年代のバンドの作品、しかもブルースベースの白熱したロックってのはいつ聴いても魅力的でパワフルで自分を虜にしてくれる。楽曲が良くてギターが良いと更にそれは堪能出来るものになるんで、恐らくそういう刺激を常に求めているんだろうと思う。別に英国じゃなくても良いし、古くなくても良いんでそんなロックに出会えればそれで楽しめる。もちろん新しい刺激も受けるから自分の感性ってよくわかんないが(笑)。

 Stone The Crowsの1971年リリースの3枚目の作品「Teenage Licks」。アルバム製作中にメンバーが入れ替わったってのはあるらしいけど、それにしてもこのパワフルでぶっ飛ぶ作品が出来上がっているのはメンバーの執念だろうか。マギー・ベルの歌も初期のしゃがれ声を武器としたシャウトからしゃがれた声での歌い上げというかパワフルさだけでなくてきちんと哀愁を込めた歌い上げるスタイルも用いながらバンドと一体化したボーカルスタイルで貢献している、どころかやはりバンドの顔を担っている。情感豊かなこのボーカルスタイルはスワンプ的だけどしっかりと心に染み入る歌のスタイルだし、さすがのボーカリストだ。そのバックを固めるメンバーの安定した演奏とボーカルの情感と共に一体となって曲を作り上げているスタイルはR&Bの世界と同じくひとつの物語を演出している。

 レス・ハーヴェイ…アレックス・ハーヴェイの弟さんのギタープレイがね、音色もフレーズも使い方も曲中への入れ方も見事で、トーンの使い分けも凄く考えてて、曲にしっかりとハマってる、ってかもっと曲を情感豊かにしている、素晴らしいプレイ。更にこのベースも凄いんだ、これがまた。ランニングしようがリズムに徹しようが曲の色をきっちりと打ち出すプレイを曲ごとに出しててついつい耳がそっちに引っ張られる。そんな素晴らしいプレイヤーが奏でるロック、ブルースロックに留まらない70年代の英国ロックそのものをたっぷりと聴かせてくれる一枚で、隠れた名盤とも言えるだろうか、この辺好きな人は結構ハマるんじゃないかな。

Stone The Crows - Ontinuous Performance 1972

Ontinuous Performance ちょっと前、世の中の周りの状況がポール・マッカートニー色に染まった時期がありましてね…、来日公演の頃ね。全くこれほど興味を持たないメジャーなアーティストってのも他にないんじゃないか、ってくらい聴かない人なのでウィングスも含めて全然知らないんだよね。だからジミー・マッカロックってウィングスの…って形容詞が全然響かなくて自分にとっては形容詞になっていないってお話。もちろんポールと一緒にやれるくらいなんだから相当才能と実力があった人だったんだろうなぁ、とか言うのはわかるが。それよりもピート・タウンジェンドに見出されて、って方がよっぽどしっくりくるが、イマイチその面白さと凄さがピンと来ない人ではある。サンダークラップ・ニューマンってもねぇ…。

 そのジミー・マッカロックが実は一瞬だけ参加しました、ってのがStone The Crowsの「Ontinuous Performance」というアルバムでして、これもまた1972年のリリース作品なんだが、まぁ、参加しましたってもこの「Ontinuous Performance」では最後の一曲しかギター弾いてないようで、しかもバラードだから、その実力を示すのは次回作から…の予定だったのがバンドが解散してしまったので振り出しに戻る、だからこそウィングスへの参加になったので歴史は彼に味方したとも言えるか。Stone the Crowsってあのマギー・ベルがいたバンドね。もちろん「Ontinuous Performance」でも歌ってまして、そのしゃがれた最高な歌声が円熟した魅力も放ちつつ聴ける傑作アルバムです。もっともバンド自体はその前にギタリストのレス・ハーヴェイのステージ上での感電死という悲劇を体験してて、この「Ontinuous Performance」もほとんどは生前のレス・ハーヴェイの録音が残されていた音を使っているから遺作でもあるワケだ。そっちのが強烈だったけど、次なるギタリストはジミー・マッカロックということで期待の…だったんだろうな。

 背景はともかく、そしてジミー・マッカロックもともかく(笑)、レス・ハーヴェイが弾くギターの何とも土着的なプレイとマギー・ベルの歌声、そこに他の楽器隊も見事にバンドアンサンブルを聴かせてくれていて、レイドバック気味の作品ではあるけど心地良い…こういうのいいな。レイドバックなんだろうけど、ちとニュアンス違っててバンドがバンドしてるってのかな。もっともっとこういうロックをきちんと聴かないとな、と思った次第。マギー・ベル聴いたことない人いたらちょこっと耳にしてみると驚くよ、多分。

Strapps - Strapps 1976

Strapps 色々なアルバムジャケットを見るし見てるしそのジャケットにも歴史があったり傾向があったりともちろんバンドのイメージを決定づけるものもあったりしてジャケットのアートは実に興味深いものだけど、写真、それもそのままズバリの加工無しでの写真…、アー写そのままじゃなくてアート的に写された写真って見事なセンスだなと思うアルバムも多々ある。バンドの4人が並んでるだけなのにスゲェカッコ良く見えるものもあればダサいのもあったりするけど、アートワークとしての写真ってのはセンスありきだからさ、その中でもカッコ良いのとか印象的なのってあるよね。

 Strappsのファーストアルバム「Strapps」なんてのもその類で、メチャメチャシンプルなアートワークなのにクールでカッコ良い。ミック・ロックの写真だそうで、この人、アチコチで名前聞くけどやっぱりセンス良い人なんだな〜とつくづく思う。カッコ良い、っていうセンスを知ってる人。コスチュームを着ているであろう女性の脚線美を写しただけのものなのにその色遣いと狙いの描写、訴えかけるかのようなアート、素晴らしいね。あ、音?ん〜、形容できない(笑)。デカダンな雰囲気を出しているオシャレなサウンドとも言えるし、稚拙なグラムロックとも言える、決してハードロックという古いカテゴリの音ではなく、モダンなサウンドを打ち出した新たな世界観ではあるからどう捉えてよいか分からない人が多かったんじゃないだろうか。何か好きだ、って思えるほどの魅力が出しきれなかったのか、ギャンブル的に出してみたのか、よく分からん。

 ただ、英国ロックファン的にはミック・アンダーウッドの存在は重要だね。もちろんあのQuatermassの、そしてパープルファミリーの、ミック・アンダーウッドだ。そしてプロデュースはロジャー・グローバー。結構なメンツが揃った作品なんだが、どうにも…orz 悪くないってのがまたタチ悪くてねぇ…、聴けちゃうモンだからそのアクの弱さがちょいと目立ってしまう、でもリアルタイムな人達は割と痺れた部分多いんじゃないだろうか?結構人気あったような気がするもん。日本でだけ、とは言えども。聴いてみたかったけどなかなか聴く気にはならなかったバンド、聴いてもなぁと思う反面そのクールさはカッコ良いななんてイメージだけはあったバンド、Strapps。やっぱり永遠のアイテムにはならない、か。

Strapps - Secret Damage 1977

Secret Damage  後の時代になってからハードロックバンドだとかプログレだとかってがきちんと…きちんとって言うのか、ある程度カテゴライズされて確立されているバンドが多い中、どうしてもそういう秤からは漏れてしまうバンド郡ってのがいくつもある。英国70年代のB級バンド郡なんてのはそれ自体がひとつのカテゴリみたいなものだから何があっても許される世界観なんだけど、後半くらいになるともうある程度それぞれのカテゴライズが確立されてて、その間にいるバンドは淘汰されてしまっていったのだった。その中のひとつになるのかな、このバンド。

 Strappsのセカンド・アルバム「Secret Damage」は1977年リリース作品。ファーストはミック・ロックの小洒落た写真によるインパクトのあるアルバムジャケットでバンドのイメージが随分とスタイリッシュに保たれて存在感を示したんだけど、セカンドアルバムになるといきなりムサい兄ちゃん達の顔の寄せ集めになってしまて、あのスタイリッシュさはどこへ?ってなモンだけど、そのジャケットが醸し出す雰囲気のままに随分とハードロックにシフトしたアルバムに仕上げてきているのが特徴的。それにしてはセンスの無いジャケットな気もするけど、中身の音はかなりハード路線なので今にして思えば、結構なカッコ良さもあるしオルガンも入ったりしててなかなか野心的なハードロックをやってたりもする。

 ところが難しいのはコレと言ったインパクトや名曲みたいなものが見当たらなかったことだろうか。ユニークな試みでもありポップでキャッチーな面も持ちつつのハードロックに振ったアルバムだったけど、やっぱり認められなかったんだろうなぁ…、いや、この時代を共に歩んでいた年代にはかなり印象深いバンドだったんだろうけど、それはアイドルと同じくその時代だけのもので、後の世代にロックとして受け継がれていっていないバンド、ってことになるのだな。それでも良いんだけどね、しっかり楽しめる部分は持ってるしさ。ただ、やっぱり歴史ってのは見事で、多くのリスナーが認めているものはその後のリスナーも評価しているし、その時々だけのってのはやっぱり後から正当に評価されている、ってことが多い。まぁ、ロックやポップスなんてのはそんなのどうでも良くて、その時自分のフィーリングで楽しめるかどうかってのが一番なんだが。

 しかし、結構パワフルな歌出ビートも聴いてるし歪んでるし、どこかZeppelin的でもあるし、目一杯ハード路線な曲も多いしルックスも良いし、実は結構イケたんじゃない?

Strawbs - Strawbs (1969)

Strawbs ソーニャ・クリスティーナって人はその実結構な来歴の持ち主で、元々がフォークシンガーだったってのも後で知った話。しかもそれなりの時期にそれなりのポジションで歌っていた人だったってのもあって、ちょっと道が違えば完全に英国フォークシーンに出て来た人だったのかもしれない。ミュージカル「ヘアー」への出演ってのは知られている事なんだが、その後サンディ・デニーが抜けた後の1968-69年頃に超短期間の間The Strawbsに加入して歌っていたってのはあまり知られていないみたい。何でもその時にバンド内の二人のメンバーにのぼせ上がられて…か二股かけて、かはわからんけど(笑)、とにかく魅力的過ぎてバンドにはいられない、みたいな状況になったらしい。ともすればThe Strawbsが解散していただろうし、なかなかおもしろい歴史の一幕。実際にソーニャ・クリスティーナがThe Strawbsのアルバムに関わっているのはないみたいだけど、シングルB面曲「Or Am I Dreaming?」録音時にはちょうどそのドタバタだったようで…とデイブ・カズンズが回想してます。

 そのThe Strawbsとソーニャ・クリスティーナで検索してみたらなんと、最近リリースされたThe Strawbsの40周年記念のライブにソーニャ・クリスティーナも出演して歌っているようで、「40th Anniversary Celebration」というアルバムがリリースされている。何とも驚くばかりだけど、しっかりと本人たちは短期間の活動だったにもかかわらず、その関係性を覚えていたんだなぁ〜。よほど密な関係だったんだろうか(笑)?

 さて、その「40th Anniversary Celebration」はまだ聴けてないしYouTubeでも見当たらないので、しょうがない、最初期のThe Strawbsに進んでみるか、ってことでファーストアルバム「Strawbs」です。先ほどの「Or Am I Dreaming?」も入ってるし、the Strawbsが売れる前のアルバムだし、トニー・ヴィスコンティだし、ジョン・ポール・ジョーンズやニッキー・ホプキンスも参加してるし…ってジョンジー、Zeppelin参加直前の仕事か?そして作風はどこかTyranosaurus Rex風な音で…ってそりゃそうか、トニー・ヴィスコンティだもんな。タブラパーカッションが入ってたりフォークギターの使い方とか音色とか一緒じゃないか、これ。そういう意味ではまだまだサイケ的フォークでもあるし、The Strawbsの個性ってのはさほど出て来てない感じ。何かフワフワした感触だから好きな部類のアルバムですねぇ、ホント。軽やかで重厚、アメリカ音楽に影響受けてるけど出来切れない英国の性、一方での英国らしい曲調と作風、そしてトニー・ヴィスコンティの音作り。隠れた名作かも。後のThe Strawbsをイメージする必要もなく、この時期の英国フォーク・ロックとして結構光り輝いている感じです。

The Strawbs -Just a Collection of Antiques and Curios 1970

Just a Collection of Antiques & Curios  英国フォークというよりもフォークロックの部類に入ってしまうだろうストローブス。イエス加入前のリック・ウェイクマンが参加していたバンドとして有名なんだけど、この辺はプロダクションの影響もあって、概ねトニー・ヴィスコンティの関係でデヴィッド・ボウイの「ハンキー・ドリー」に参加していたりもするので時期的なものと合わせてリック・ウェイクマンの仕事ぶりがよくわかるが、まずはこのストローブスの傑作と言われる三枚目の作品「Just a Collection of Antiques and Curios」。

 1970年リリースのライブアルバム「Just a Collection of Antiques and Curios」。とてもライブアルバムだなんて気付かないくらい完成度が高いし、しかもどういうやり方なのか、そもそも意識してなのかほぼ全曲未発表の新曲から演奏された作品なのでライブでありながらオリジナルアルバムの部類に入れられてしまう変則作品。ジャケットみても全然ライブというような感じでもないし…、いや、このジャケット、昔から好きだったんだよね。モロにアコースティックですっていう感じが堪らなく魅惑的でね。だから音の空想も面白くて聴きたかった。なかなか手に入れられなかったけど。

 手に入れた時はリック・ウェイクマンがどうとかは気にしてなくて、多分今でもそれは気にしてなくてバンドとして聴いているから、作品として聴いているといや、やっぱりリック・ウェイクマンのオルガンとかピアノとかが目立つシーンも多いことに気付く。やはり天才は若い頃から目立つものなのだ。音はねぇ、もちろんアコースティックなんだけど、やっぱロックだからバンドだし、フォークっつうのだけじゃない。アコースティックテイストの目立つロック。二曲目の組曲なんて12分くらいあるから、こういう展開がプログレ的でもあるし、次の「Temperament of Mind」はリック・ウェイクマンのピアノをクローズアップした作品で、いきなりクラシカルな世界になってしまう…。ちょっとなぁ、バンドの雰囲気からは大きく外れてしまうので、ライブ盤じゃなきゃあり得ない展開。技量とか旋律自体はさすが…と唸らされるものだけど、作品邸には無茶苦茶浮いてる。

 面白いことに決して軽くはない作品で、やはり英国的な重さというのか風格を持ったバンドの音。長寿バンドとして活躍しているだけあって、今聴いても色褪せない濃い音を展開しているアルバムかな。

The Strawbs - From The Witchwood 1971

From the Witchwood ロックの系譜を追いかけることで様々な関連やバンドメンバーの活動経過や仕事内容、人間関係や音楽的趣味などを測っていくことができるのも面白く、なかなか体系化出来ない図が出来上がるハズなんだけど、そういうのを知ってて、というよりも追いかけつつアルバムに親しんでいくといつの間にかあらゆる音楽に精通してしまうこととなる。もっともどこまで追いかけるのか、という自分なりのマイルストーンは必要なのだが…。

 今回は面白くて…、二つの側面から同じ所に辿り着いたケース。ひとつはエルマー・ガントリーのヴェルヴェットオペラというバンドのリズム隊が次なる職場として求めた場所でもあったのがこのストローブスでした、ってこと。もうひとつは来日公演中のカーブド・エアーの当時は歌姫だったソーニャ・クリスティーナが短期間ながらもボーカルで参加していたこともあるのがストローブスだってこと。故に二つに分かれて進めてきたストーリーラインがここでまたひとつに融合したっていうケースでして、いや、狙ってなかったんだけど、面白い図式だなぁと。サンディ・デニーが参加していたのは有名な話だけど、実はソーニャ・クリスティーナまでもが参加していたことがあるってのはあまりメジャーな話じゃないしね。

 んなことで、一般的にはリック・ウェイクマンが参加していることで有名になっているストローブスの「From the Witchwood」という作品。これがだな、決してリック・ウェイクマンが参加しているから良い作品というのでもなく、またリック・ウェイクマンが参加しているから有名なアルバムというのでもなくって、しっかりとストローブスの「From the Witchwood」というアルバムとして聴いてみても実に素晴らしい作品で、音的にも英国のトラッドをベースとしたデイブ・カズンズの類い希なるセンスがしっかりと打ち出された傑作なんです。先程のベルベット・オペラのベーシストジョン・フォードさんのベースがここでもまたしっかりとブイブイ言って歌っているんですわ、このベースが。んで、リック・ウェイクマンのオルガンやら鍵盤類がこれもまたしっかりと華を添えていて…。ストローブスってこんなに良かったっけ?と思うくらい感動できるアルバムです。

 1971年リリースの邦題「魔女の森」ってのも神秘的なタイトルでよろしいし、内容の方も全く好みの音色でね、この時期にはピッタリな音♪

Stray - Stray 1970

 さて、またしても時代は1970年に戻り、グラウンドホッグスと共に現在でもしっかりと英国内で活動している長寿バンドのひとつともなっているStrayと言うバンド。1970年のデビュー当時は平均年齢18歳くらいだったと云うことらしいので、今では50歳の半ばを超えていると云うことだろう。そして驚くことに、というかまぁ、当たり前にというかこのStrayオフィシャルサイトが存在しているのだ。当時の新聞切り抜きやディスコグラフィーなどはそれなりに見応えがあるし、今のライブ活動が確認できるってのもなかなか素晴らしい。

 さてさて、1970年当時色々なレーベルがこぞって売れそうなバンドを漁ってはリリースしていた時代、その頃は何が受けるのは誰にもわからなくて試行錯誤というかなりふり構わずと云うか、そんな楽しい時期だったけど、中でも不思議だったのは当時既に英国フォークの名門レーベルとして名を馳せていたトランスアトランティックというレーベルがストレイのようなハードロックを演奏する若者達にも門戸を開いていったことだろうか。このレーベル、この後もJody GrindやMetroなど多様なジャンルに手を出していくので、今では不思議はないけど当時は結構新鮮だったようだ。やっぱレーベルってのはそれなりにこだわりとかカラーがある方が面白いしね。ちなみにこのレーベル、今ではあのカラフルなレーベル面で知られているけどこの頃まではシンプルな白紫のレーベル面だったみたい。自分的にもカラフルなレーベルの方が印象的なので探してたんだけど、実はそっちの方が少ないんじゃないか、っつう…。まぁ、そこまで深く調べてないけどそんな感じなのかな…、ん?ああ、バンドの話しなきゃ(笑)。

 それでこのStrayと云うバンドのデビュー作、「Stray」は当然若気の至りを十分に収めたギター中心のハードロックがたっぷりと詰め込まれている。部分的にはまだサイケデリック的なアレンジっつうか空気感も漂ってはいるんだけど、ツェッペリンに影響を受けたのかやはりリフをメインとしたギター曲で攻め込んでくるっつうのが面白くて時代を象徴するかのようなハードロックアルバムになっていて結構かっこいいんだよなぁ…、多分デビューするレーベルが悪かったんじゃないだろうか、なんて思ってもしまう(笑)。ちょっと前に紙ジャケでリリースされたのかな?変形ジャケットも見事に再現されたとか…。ストレイ・キャッツでもストレイ・ドッグでもないただのストレイ、っつうバンドなのでちょっとお試しには面白いハードロックで、名盤って云っても良いんじゃない?翌年1971年にはセカンド「Suicide」、サード「Saturday Morning Pictures」と立て続けにリリースされていて、これもまた同じ路線のハードロックなのでなかなか心地良い。もちろん英国の香りたっぷりなのでオススメ盤だね。

Stray - Suicide 1971

スーサイド(紙ジャケット仕様)  Strayの意:彷徨う、彷徨える、の形容詞だけど名詞になると浮浪者、彷徨人ってな事らしい。そんな形容詞をバンド名似付けるってのはなんとなくは理解するけど、それを名詞的にバンド名にしちゃうってのもこれまたゴロが良いとかそういう意味合いなのかな、よく分からん。ただ、Stray○○みたいなシリーズ的に覚えられるのはそれなりに後世の人間にとっては分かりやすくて良かったとも言える(笑)。

 Strayという英国のバンドの1971年のセカンドアルバム「Suicide」。衝撃のファーストアルバムから続いての作品で、案外期待してたりするバンドだったんで、楽しみにしながら聴いたんだよ。そしたらさ、期待通りに超絶B級なハードロック路線まっしぐらな音が出てきて嬉しかったもん。チープな歪んだギターとメロトロンの洪水なんてもうこの時代ならではの味わい。そこに美しいメロディを乗せてきたり、雰囲気出したり、ハードロックバリバリながらも結構なサイケデリック臭を出していたりと時代の産物でもある音の数々、メンバーは多分この頃まだハタチ前くらい?だろうから、勢いあるのみ。その分活動歴も長く今でもやってるようだけど、この時代のロックエッセンスはホントに見事。これぞ70年代的な音の代表格、とばかりの作品。

 今の時代にこういうのやっても多分出来ないだろうから、ここでの熱気は本作だけのドライブ感だろう。ソフトな曲にしてもきちんと狙いを定めて作っているし、その最高峰は「Jericho」という曲に集約されるってのは確かに。ハードロックの欲しているものを全て持っている楽曲で、泣きメロから疾走感溢れるドライブする躍動感、メロディも味わい深い聴かせ方で攻めていくが、楽曲がその勢いのまま展開していくという素晴らしき発想、こんだけの作品があってB級とは言わないが、もっともっと出てきても良かったんでは?と思わせるバンドの底力がある。他の曲もかなりレベル高く楽しめるので、じっくりと聴いて味わい深く楽しむにはバッチリの作品。古き良きハードロック、いいね。

Stray Dog - Stray Dog (1973)

Stray Dog 先日ゲイリー・ムーア関連ってことでグレッグ・レイクのソロアルバム聴いてて、クレジットとか眺めてた時にスナッフィ・ウォルデンってのを見つけてしまって、ん?Stray Dogの?と思い出して、あ、そうか、マンティコアから…、ん?プロデュースがグレッグ・レイクだっけ?ってな感じで気になってしまって引っ張り出したが運の尽き。ゲイリー・ムーアを聴き漁る一方で、Stray Dogからマンティコア関連やら英国B級ものやらと各方向に飛び火して聴くことに…(笑)。

 なことで、ちょっと音的には錯誤する部分があるが、1973年にリリースされたストレイ・ドッグの「Stray Dog」というファーストアルバム。これがですね、聴いてみるとわかるんだけど、思い切り好みな英国B級ロックなんですな。ところが、メインのスナッフィときたらアメリカ人なワケでしてね、純然たる英国ロックなのか?と問われる部分はあるけど、音的には純然たる英国ロックですから良いじゃないか。もっともアメリカナイズされたテイストも入っているのは聴いてるとわかるので、それも含めて英国ロックのごった煮感覚なんだよね。

 期待の音はですね、さすがにグレッグ・レイクがプロデュースしただけのことはある、と言うかこの時代の英国ハードロックってのはホントにこういう独自の音世界が多くて面白い。ギターがネチネチとリフを奏でていながらもベースがグイグイとドライブしてドラムはドタバタと叩く、そして曲の構成はオイオイってくらいに妙に展開していくという普通ではない筋書き、それでも妙にポップさやキャッチーさを兼ね添えている見事さと、演奏だけを聴かせる面も覗かせるという面白さ満開。ロックなノリノリとかってのは無縁なので、ストレイ・キャッツと間違えるとそりゃもう大変さ(笑)。

 スナッフィってフリーでコソフがヤバくなった後のギタリストだったんだよね。それは多分、ストレイ・ドッグ結成直前の話で、ラビットが引っ張ってきたみたい。同じテキサス出身でバンド仲間だったらしいから。そんな繋がりからあちこちに発展していく人脈関係がこれまた面白くて、まだまだ整理できていないんだけどさ、ピート・シンフィールドからキース・クリスマスやエスペラントなどなどマンティコアから離れてどんどん広がってしまうんだよ。こんなにマイナーな人ですら…、いや、職人だからこそプロ達に好まれるんだろうな。

Stray Dog - While You're Down There 1974

While You're Down There  EL&Pのマンティコアレーベルって3年間しか無かったんだ?それであの知名度…ってのも凄いな。だからこそのレーベルメイト達がそれなりに売れていたってことかもしれないけど、PFMやBancoはともかく、そういえばStray Dogあったなぁ…ってことでファーストの「ストレイ・ドッグ」を聴いてて、なるほどやっぱりカッコ良いロックだ、なんて思ってたところ。ついでだからセカンドの「While You're Down There」も聴いてみましょう、ってことで聴いてました。

 1974年リリースのStray Dogのセカンド・アルバム「While You're Down There」。前作よりメンバーを増やしての5人編成になっての作品で、世間的には全く無名だし売れなかったとも言える商業的には失敗作なアルバムで、これにて解散ってなトコだけど、今の時代の基準からしたら相当なレベルにあるアルバムだったんじゃないかな。B級と呼ぶには洗練されすぎてるし、きちんと狙いもあるかのような音作り、そして何よりもきちんとカッコ良いというロック感を持ち合わせているところが自分的には評価高いです。もっともギターがスナッフィなので基本ブルースロックな人だし、嫌いじゃないからってのあるけどね。このスナッフィって人、フリーのコソフの代理をやってた人ですからね、うん、それは比較対象が悪かったと思うが、それでもその位置できちんとギター弾いてたワケで、こういうバンドから見たら大出世だったろうに…。

 しかし軸足はきちんとStray Dogにあって、ここでも奮闘している。ギタープレイヤーと言うよりはコンポーザーと言うか、楽曲面での貢献が大きいんじゃないかな。良く出来ている曲ばかりだからそういうセンスは良かったと思うんだよね。よくアメリカ寄りになった音と言われているみたいだけど、そもそもアメリカ人なんだからそりゃそうだろ。英国風ミニ味付けてたファーストとはちょいと違って、だんだんそのままになってきただけと思えるけど、言わんとしてることは分かる。でも結構佳作が多くてこだわらなきゃ楽しめるロックサウンドでしょ。最後の大作なんて面白いよ。

Streetwalkers - Downtown Flyers 1975

Downtown  Flyers いつも思うのだが、昔のバンドで名を馳せた人達でもほとんどが80年代〜最近までとんと名前を聞かなくなってて、ココ最近活動再開しているという方々…、そりゃもちろんある程度音楽業界に身を置いてたりしたんだろうけど、何やって生きてたんだろ?ってな疑問。ミュージシャンから裏方仕事へ回って…とかあると思うけどさ、皆が皆そういう方向に行けるもんでもないだろうし、じゃ、やっぱ何か他に仕事して…ってことかな。んでも、シーンに復帰しますって時に腕が鈍ってないの?とかだからと言っていきなりCDとか出せるような人間関係はキープしているとか?まぁ、よくわからんけど一方じゃCD出したりするのを人生の目標にしている若者達もいるワケで、簡単なモンじゃないだろとも思うし。名前が出て来なくてもきちんとそういう関係で仕事してたってことなんだろう。

 ファミリーのロジャー・チャップマンとチャーリー・ホイットニーが結成したユニットがバンドに進化したStreetwalkersのバンド名義のファーストアルバムとなった「Downtown Flyers」。1975年リリースだけど、やっぱりここでも不運な男ロジャー・チャップマンらしく、何ともダサいアルバムジャケットを採用してしまっている(笑)。アメリカ狙いだったんだろうけどさぁ〜、誰が好んでこんなアルバムジャケットにしたんだろ?センスの欠片も見当たらないのだが…、これだけで中身の音を聴く前に減点対象になってしまったことは疑いがないと思う。苦笑いしながら自分も聴き始めたもんな。いや、そもそも初期ホワイトスネイクのドラマーさんが元Streetwalkersの後期ドラマーさんってことで、チェックしたんだけど、確かに後期でしかなくってそもそもの初期では今じゃアイアン・メイデンの主になっているドラマーのニコが参加してたんだよね。だから、この「Downtown Flyers」というアルバムのドラムはあのニコです。

 さて、「Downtown Flyers」というアルバムの方ですが、もちろん相変わらずのいぶし銀な歌声を聴かせてくれるロジャー・チャップマンですからね、凄いんです。ホントにどっからこんな声出すんだ?ってくらいの歌声で魅了してくれるんですが…いつもの如くファンクともソウルともブルースともロックとも付かないミクスチュア−な音楽性はともかくながら楽曲がまるで面白く無いというオチは相変わらずで(笑)、聴く意欲を削いでしまうんですが…、それでもホイットニーのギターとチャップマンの歌声だけでひたすら聴くんですよ、これ。アルバム冒頭から徐々にテンションが落ちていくという何とも残念な作品でして…そりゃアメリカどころか英国でもウケなかっただろうと…。聴き方によっては確かにジェフ・ベック・グループ的でもあったかもしれないけど…、ニコもよくこのバンドで叩いてたなぁ…別に何の個性も見い出せません(笑)。

Streetwalkers - Red Car 1976

Red Card  ファミリー時代のロジャー・チャップマンの歌声からしてもっとブルースロック系統あたりに進んでたら結構なバンドでもイケたんじゃないか、って思う事よくあったんだけど、その意味からするとファミリー解体後にチャーリー・ホィットニーと一緒にやったバンド、Streetwalkersはその系統の路線を打ち出しててなかなか70年代中盤を駆け抜けるには良いバンドだったと思うんだけどな。それなりにはチャートを駆け上ったりしてたので成功した部類に入るのだろうか、その割にはあまりロック名鑑的な所では出てこないのだが…。

 1976年リリースのStreetwalkersのセカンド・アルバム「Red Card」、ベースはボブ・テンチ、ドラムは現Iron Maidenのニコ、という布陣。このニコって人も結構下積み長くて今の地位を築き上げた人で、割とアチコチに名前が出て来るのは面白い。さてさて、このアルバム、どんな雰囲気?ってのはさ、昔のファミリーと違ってきちんとロック路線に進むというバンドの方向性はあったみたいで、昔よりはストレートにそういう方向性が出ている作品になってる。ここまでなのかな、ってのもあるし、この微妙なバランスでのロック的スタンスが良いのかも、ってのもある。歌がこんだけしつこいから他の音は並程度で対応していないとグチャグチャのサウンドになるだろうし。

 ニコのドラムは、だからと言ってと個性的なワケではないし、ボブ・テンチの方がよほど目立ってる。ただ、やっぱりフロント二人のバンドっていう見方が強いかな。当時だとバドカンと被る路線でもあったのかな、もうちょいと垢抜けたサウンドが出来ていればもうちょっと抜け出た存在になれたかもしれないのに、という程度には物足りない感ある。B級ロック好きにとってもそこまで、という味わいがないからさ。一番困る度合いのバンドかも(笑)。

Stretch - Elastique 1975

Elastique  60年代末を駆け抜けたクールなスタイルのエルマー・ガントリーがようやく探し当てたギタリストがカーヴド・エアーの「Air Cut」から参加していたカーヴィー・グレゴリーっつう人。どんな所以だったのかまでは知らないけど、意気投合したんだろうな、これだけ楽しいロックンロールやってるところを聴くと。うん、そんな二人が中心になって組んだバンドがストレッチっつうバンドでして、1975年にアルバム「Elastique」でデビュー。当時シングルはそれなりに売れた曲もあったらしいが、さすがに調べ切れてないなぁ…。

 サウンド的には結構好みだったりして、R&Rもあるしファンキーなサウンドを意識したのもあったり、もちろん泣かせるのもあったりするんだけど、無茶苦茶B級の香りが漂っているところもこれまたよろしい。エルマー・ガントリーの歌って声質的には強いんだけど、軽いんで深みが出ないっつうかね、ちょっとロック的には厳しい歌声なんだよね。一方のカーヴィーさんのギターは…、いや、カーブド・エアーでのギタースタイルを知っているとこのストレッチでのギタースタイルって何者?って感じです。結構器用な人なのかな、何でもマルチに弾きこなしているみたいで、どれも大変よろしい音出してる。ちなみにベースのスティーヴ・エマリーさんもかなり面白いベース弾くのでさすが70年代ってとこか。何でもここのリズム隊はWild Angelsっつうバンドのメンバーだったらしいが…、さすがに深過ぎて調べ切れてないなぁ…。いかんなぁ~、こういうのが面白いところなのにね、英国ロックっつうのは。

 んでこのバンド、三枚の作品をリリースして消滅…、エルマー・ガントリーはその最後の頃にコージー・パウエルの「サンダーストーム」に参加しているし、その後にはアラン・パーソンズのアルバムに参加…。60年代サイケから80年代NWOBHMの波まで関わっている人というのもそうそう多くないので貴重な人なのだが…。

Strife - Rush 1975

Rush 早いモノで既に12月の半ば…あと少しで今年が終わってしまうじゃないかと言うことに遅まきながら気付くのだが、何と今年は英国B級類を改めて聴き直して漁り続けて久々に英国漬けの日々を過ごしたのだった。それが多分半年くらい続いていたのでこのブログ記事もほとんどそんなので占められていたような気がする。まぁ、それはそれで良いんだけど、ここはホントは別に英国だけではなく自分で聴いた音をあれこれ書き連ねるってな所でして…うん、別に英国だけではないです(笑)。今年内に今の英国路線片付くかな…と少々不安なのだが、まぁ、考えずに進めよう。

 1975年にリリースされたストライフというバンドのファーストアルバム「Rush」です。ファーストアルバムと言うからにはきちんと1978年にセカンドアルバムがリリースされたという珍しいパターン(笑)。いやぁ、そんなに凄いバンドとは思えないけど、結構無理したのかね。それは置いといて、このファースト「Rush」だが…と言うかストライフというバンド自体がよくわからない。トリオ編成のバンドでこの後もNWOBHMシーンに貢献するメンバーもいるらしいのだが、あまり出てこないので追求してないし…。一発モノとして聴いてみても面白い音だからいいんじゃないかと。

 確かに後にヘヴィな影響を及ぼすような楽曲がいくつも聴けるので、そういう話には納得する。どれもこれもBudgieみたいに一辺倒な迫力と白熱が感じられるし、チープな音質で録音されているからかそのひたむきさがナマで伝わってくるというのも狙ってはいなかっただろうけど、効果抜群。本来は多分叙情性をも持ち合わせたバンドで、もちろん断片は「Rush」でも聴けるんだけど、基本的にはグイグイと攻め立てるこれぞハードロックというような曲が多い。1975年という中途半端な時期にシーンに出てきたことで正統な評価がなかなか下されないが後数年早ければかなり評判の高いバンドだっただろう。

 何ともセンスを感じられないアルバムジャケットについては実はヒプノシスのデザインによるもので、このジャケットにセンスを感じないのは日本人だからなのか、世界中の人が思っているのかはわからないが、絵と写真を巧く組み立てたデザインで、技巧的にはヒプノシス的なものだがやっぱりヒネりがちょっと足りないのでは?と思ってしまうものだね。そんなマイナスイメージもあってイマイチ浸透しないストライフというバンド。悪くはない、悪くはないが…人生損するほどのものでもないのは確かか(笑)。

 驚くことにその頃のライブ盤「Rockin' the Boat」なんてのがリリースされているようでアマゾンにあった。びっくりしたなぁ…、でもやっぱり迫力ありそうなのでちと興味深いね。

String Driven Thing - Please Mind Your Head (1974)

プリーズ・マインド・ユア・へッド その昔、何かの雑誌を読んでいる時にLed Zeppelinの何枚目かのアルバムのジャケットを選考する際にヒプノシスのチームに依頼して、出てきたのがテニスのラケットを持った人物のアートワークであまりにも面白味に欠けたので即却下したよ、というジミー・ペイジの言葉があって、へぇ~って思った程度だったんだが、何年かして英国ロックにハマっていき、実に色々なバンドを漁るようになってからヒプノシスのジャケットもわかってきて、あくせく集めていた時に見つけたのがこのジャケットで、これこそヒプノシスがジミー・ペイジに断られたジャケットの再利用だったんじゃないか?と。これがZeppelinのジャケットだったら、と思うとかなり悲しい気がするのでジミー・ペイジの判断は正しかったのだろう。ま、誰でもそう思うか。しかしそれを採用したバンドもあったってことで、それがString Driven Thingというバンド。

 1974年にリリースされたバンドとしては4枚目の作品「プリーズ・マインド・ユア・へッド」だが、その実情はバンドのメンバーがほぼ入れ替わってしまったようで、前作「Machine That Cried」の素晴らしいプログレッシブ感からは大きくかけ離れたどこか泥臭いスワンプにも近いサウンドに変貌している。バイオリンのグラハム・スミスは健在なのでバイオリンが頑張っているのだが、その他はどうしてそうなる?みたいに濃い音になってて曲調もかなり普通に近い。そこまでしてアルバムを出す理由ってのあったんか?とも思うけど大人の事情かね。かなりマンネリな曲調がひたすら並んでいるのがアルバムを単調にしてしまっている。アレンジなどはそれなりに面白い部分も多いんだけど、歌かな、一本調子なのでイマイチ。まぁ、このキム・ビーコンという歌い手も英国らしいと言えばそうなんだが、ロッドを崩してポール・ロジャースやロジャー・チャップマンまで行かないというような感じか。後にThe Korgisを結成するので先のStackridgeと絡む人ではあるんだけど、かなりセンス異なる二人だったんだというのがわかるだろう。

 そしてString Driven Thingというバンドは多分グラハム・スミスというバイオリン奏者のVDGGの参加によって知られることとなった要素が大きいんだろうな。確かに本作「プリーズ・マインド・ユア・へッド」でも優れた楽曲はさほど見当たらないけど、バイオリンの音色が要所要所でサウンドを煌びやかに彩っていて、ロックにおけるバイオリンの使い方のひとつを知らしめているとも言えるもんね。自分的にはバイオリンやフルートってのがロックに入ってくるのは好きなので、前作「Machine That Cried」で気に入ってちょいと集めてみたバンドなんだよね、String Driven Thingってさ。

String Driven Thing - The Machine That Cried 1973

The Machine That Cried  スタンダードなロックを聴いている時、多分それはギターだったりベースだったりドラムだったり歌だったり、もしくは鍵盤かもしれないけど、そういう音に耳が行くことでそれらの楽器を手にしたいと思うんだろう。自分的に言えばそれはギターの魅力に虜にされたというものだが、もちろんコージーのドラムに惚れた人もいればアンディ・フレイザーのベースに惹かれた人もいたり、ミック・ジャガーのように歌いたいヤツもいたりする。そういうもんだろうな、と思うけど、音楽という領域まで広げレコードを聴いたりしていると知らない音に出逢うことも多い。ストリングス系やラッパ系はまぁ、わかる。ジェスロ・タルのフルートっつうのはかなり強烈な印象を残すが、もう一つ個人的に凄く好きな音としてはバイオリン。ロックの中で鳴らされるバイオリンって凄くヒステリックに割り込んでくるのでハッとするんだよ。だから好き。

 バイオリンロック、というワケでもないけどかなりその露出度が高くて更にバンドとしてもヒステリックでインパクト絶大だったのでB級バンドとして聴いたけど凄く印象的なバンド、ストリング・ドリブン・シング。中でも初期の作品が面白くてね。一番好きなのはこのセカンドアルバム「The Machine That Cried」で1973年リリースの作品で、多分バンド内最高傑作だと思う。エスペラントとかこういう感じの所あるから似た部分あるかも。

 そうだねぇ、バイオリンをフューチャーしたヒステリックなロックってのあるけど、ボーカル・ギターのクリス・アダムズの熱くキレかかった歌がバンドの印象を濃いものにしている面は大きい。ハードロックバンドのボーカルでも通じるくらいねちっこい声質でよろしい。そして一般的に知名度が高い人と言えばグラハム・スミス=後期Van Der Graafに加入するバイオリニストだ。この人のエキセントリックなバイオリンとクリス・アダムスのギターの対比が面白くて、曲そのものは割とアメリカンポップスに刺激を受けたような、言い換えるとボブ・ディラン的な牧歌的ソングが多いんだけどさ、そのアレンジの過程で激しい音色が入ってくるから面白い。後はねぇ、妹さんと一緒にバンド始めたってのもあって女性小ボーカルによる美しい曲があるのも捨てがたい魅力。そこはもうバイオリンがクラシカルにバイオリンしている世界だからさ。うん、こういう変幻自在のところがいいねぇ。

 ジャケットの不思議さも初期から出ていて、未だになんだかよくわからない。三枚目の「Please Mind Your Head」ではツェッペリンに蹴られたジャケットがここで採用されているヒプノシス作品。うん、ジミー・ペイジが怒ってたヤツ。「テニスのラケットのジャケットなんて持ってくるか?即ダメ出ししたよ」と…。

String Driven Thing - The Early Years (MarkTwo) 1969

The Early Years (Mark Two) 不思議な音を出すグループは英国に山のようにいるのだが、このString Driven Thingもそのひとつでして、それもまた不思議なことに1968年頃にデビューして次のセカンドアルバムをリリースするまでにまた4年ほどかかっているという…。しかもスモール・フェイセスじゃないけれど、ファーストアルバムで自らのバンド名を冠したのに、セカンドアルバムでも同じ自分のバンドの名前をタイトルにしているのでまたややこしい。…とは言えどもそもそもこのファーストアルバム「The Early Years (Mark Two)」自体の存在は自主制作だったと言うからメジャーシーンでその音源の存在が忘れ去られていたとのことで、まぁ、不思議はないのだが、それならばもちっとしっかりと区分けしたジャケットとタイトルを付けてもらいたかったものだが、自主制作時のものをそのまま使用ということで、これもやむを得ない事情…。

 そんなString Driven Thingの最初の作品「The Early Years (Mark Two)」がちょっと前に発掘されてCDでリリースされたもの。まぁ、メジャーになってからの彼等の音ってのはこれまた面白くて狂気的なフォーク…、プログレッシブ・フォークと言う感じで結構鬼気迫るモノがあって好きなんだよね。だから、そんなバンドの発掘音源ってことで結構興味津々で聴いたんだけど…、ちょっと驚いた。狂気じみたフォークの音色ってのではなくって、もっと時代に合ったサイケデリックフラワーのカラフルなポップな楽曲をいっぱい詰め込んだサウンドでした。フォークっちゃあフォークだけど、この時代のポップスを模倣している感じで、バンドの個性とかってのああるとしたら、後に目立った歌声として出てくるポーリンという女性の歌声がコーラスで入っていてよりカラフルになっているってところか。

 う〜ん、同時代のキンクス的に多様な音が入ってるな(笑)。この時代の自主制作って一体どんなレベルなんだろ?この「The Early Years (Mark Two)」だってしっかりストリングスやホーンなんてのも入ってるし、歌もミックスもしっかりステレオで録音されているんだから単に自分達の録音機材による自主制作とかじゃないのは確か。しっかりとプロデューサーも立てて制作されたプリプロダクションのレベルなんだろうと思うんだが、当時リリースされなかったのはやはり取り立てて売り文句も見つからなかったってことか。そんな幻の作品として聴くと煌びやかで楽しくなるサウンド♪

String Driven Thing - String Driven Thing 1972

String Driven Thing (from UK) すっかりレコードってものを聴くことが無くなってしまった。CDすらCDを聴くこと自体は減ってる。結局HDDに入れちゃってライブラリ管理して聴いてる事が多い。だからカリスマレーベルのラベルを見たりすることも随分減ったが故に久々に見ると「おぉ〜」って思う。ラベル一つにも想いと夢が詰め込まれていたんだよね、昔はさ。そんな事をふと思いながらのVDGG絡みでのバンドを聴いてみる。

 String Driven Thingの1972年の実質デビュー作と言われる「String Driven Thing」だ。ここからバイオリン奏者のグレアム・スミスはString Driven Thingに参加しているのだが、この次の「The Machine That Cried」という作品が自分的にはバンドとして大好きだったんでコイツも当然聴くワケだが、ちょっとまだエッセンスが足りない…エッセンスってのはどこか狂気じみた作風…言うならばグレアム・スミスのヒステリックなバイオリンの音だね。でも、そんな傾向がもちろん出て来ててバイオリンって楽器がどんだけロックで活かせるかみたいなのがわかってくる。VDGGの緊張感とはちょいと異なる雰囲気…ってのはバンドとしては一般には…って一般でもないが(笑)、普通的には英国フォークバンドのひとつとして数えられることもあるようで、自分からしたらどこがフォークバンドなんだ?ってのあるけど、まぁ、そういう所から出て来てるからそう言われるんだろう、と。

 「String Driven Thing」を聴いてみればその意味合いって分かるんじゃないかな。最初からヘンなロックだから。言えるのはフォークバンド?ではないんじゃね?ってトコで、それはともかく、じゃロックバンドか、ってのもよくわからん(笑)。そういうのがねいいんだよ。何でも出来た、個性を出せてそれを世に出してみないと分からないだろ、って時代の音がさ。アイディアの宝庫だもん。今でも同じようなことが繰り広げられているハズだし、それはもう常に革新や実験なワケで、そういうプロセスを作品で聞けるってのかな、面白いです。テンション高いし狂気混じりのフォークエッセンスのあるロック、その中心の音のひとつにバイオリンが堂々と存在しているという姿、何かの機会がなきゃ聴かないけど、聴くと楽しめるのも趣味だからか…。

Sunday - Sunday

 メジャーなハモンド使いのバンドからマイナーなものまで割とウチのブログって登場してしまっててね、聴いてるのは聴いてるんだけど好きで聴いてるだけなので、ブログ記事につながる聴き方ではなくて、結局マイナーなモノを何か探さなきゃってことになってる(笑)。ってもそれも趣味なので別に苦でもなく、ほほ〜、そういうのがあるのか、とかすぎゆく時間を忘れて没頭してたりするのだが、今回もそんな感じでの発掘バンド、自分的には全然見逃してたバンドで知らなかったなぁ。そんなに昔から表には出てなかったんじゃないだろうか?

 1971年リリースの英国オルガンハードなバンド、とされているらしいSundayの唯一作「Sunday」。しかも本国英国ではリリースされたことがなくてドイツでのリリースのみというマイナーなバンド…、英国のバンドってそういうのが割とあるのが面白くて、そのヘン探していくってのもまた悩ましいんだけど、見つけると大抵面白い。言い方悪いけど英国では出せるレベルじゃないけどドイツなら出せるレベルってのかな、そういう1軍と2軍みたいな感じはあるかも。このSundayはそういう意味で別にマイナーな音を出しているワケでもなくて、結構メジャー路線なロックで、それこそB級独特路線でもなくきちんと表舞台に立てるサウンドを出しているから何で誰も英国でこれをリリースしてくれなかったんだろ?って思うかも。ただ、どこにでもいたバンドに近い、ってのはあるから取り立てて出す必要がなかったのかもしれないな。

 時代を反映した割と正統派のブルースロックにハモンド入れてちょいおとハードにした感じの音で、ちょっと線が細いのがすっきり感あるのかな、テクニック的には特に可もなく不可もなく、ドラムの手数が多いのが時代を物語ってるくらいで、ハモンドも普通に鳴ってる程度、特にハモンドロックバンドっていうほどフォーカスされてるワケでもないんで、バランスよく音が鳴ってる普通のロック、か。そう書くと確かに英国で出す必要性はあまり無かったのかな、なんて気がしないでもない。フリーが一番近いかもしれない、ってくらいの曲もあるし、秀作であるのは確かだ。それにしてもギターの歪みはかなり少ないんでストラトなんだろうなぁ、これ、オススメもしないけど悪くもない一枚。

Sunforest - Sound of Sunforest 1969

サウンド・オブ・サンフォレスト(紙ジャケット仕様) 現実逃避の秋、いや、秋に拘ってるワケじゃないけど一番好きな季節でちょこっと涼しくなってきて丁度良いなぁ〜と。うん、風流があるので好きなんだと思います、はい。え〜っと、だからフォーク路線で、なんて思っていたんだけど、まぁ、毎日コロコロ変わっていくので適当に英国なもので…ってことに。英国のものなら秋とか冬に合うだろう、といういい加減な解釈でして、やはり霧のロンドン、です。

 1969年リリースの英国のアシッドバンドとして知られているSunforestの唯一の作品「サウンド・オブ・サンフォレスト」。昔は全然見つからなくて、多分今でもアナログ見つけたら滅茶苦茶高いんじゃないかと思うけどイージーなCDではまだ入手できるかもしれない。ま、それでも珍しいとは思うけど…。最近ようやく聴いたのであまり大きな事云えないけどさ。既に40年前のアルバムだし、もう40年前から聴いている人もいるワケでして、そう考えるとロックの歴史も古くなってきたなぁと思う次第。

 ん〜、これね、もっとアシッド的かと思ってたんだよね。サイケデリック時代だしさ。そしたら思いの他牧歌的なサウンドで、確かに一見アシッド的だしサイケ時代のテクニックは踏襲している感じだけど、クラシカルな雰囲気と英国の牧歌的な雰囲気を持ち込んでいるバンド、というよりも音楽集団っつうか、ユニットっつうかそんな感じ。まぁ、通り一遍のロックではないけど、ロックのフィールドでしかあり得ないサウンド、融合体、複合技、なワケだ。楽器の使い方が凄いねぇ〜。ハープシコードからオーボエとかバンジョーみたいなのもあるし、多重コーラスワークも幻想的なエフェクトもしっかりあるし、面白い。こういう訳の分からない世界好きだし(笑)。

 今こういうバンドってないよねぇ…。ユルいから?っつうかカテゴライズされるから?こんなに冬感溢れて幻想的でトリップできる音って今の時代でもウケるとは思うけどね。売れないのは間違いないか。しかし手法論としては学ぶところ大きいな、これ。

 デラムNovaって確か11枚くらいしかリリースしないでレーベルなくなっちゃったんじゃなかったっけ?何かとごっちゃにしてるかもしれないけど、結構レーベルとしてのリリース枚数は少なかったと思う。不可思議なサウンドのバンドばかり在籍していてさ。

Sun Treader - Zin Zin 1973

ZIN-ZIN(紙ジャケット仕様) ジャズとロックの迎合…70年代中期にもなればジェフ・ベックによる「Blow by Blow」でその完全融合が提示されたものだが、それ以前のロックの世界では英国的ジャズロックという括りでは多々作品が残されているのは有名。ただねぇ、そういうのは大体過去のジャズとの融合というものが多くって未来との融合を考えているのって多くはないのかな、と。当たり前だし、自分でも何を書きたいのかよくわかっていないけど…、何というのか、白熱したジャズの熱気と手法はクリームに持ち込まれていて、そうではなくって最先端に進化していくジャズとロックを自然にくっつけたものってのがさ、なかなか難しいんだな、と。もちろんソフツのみならず色々あるんだけど、マイナーなバンドでもそういうのに果敢に挑戦していた、っつうか自然に出来上がっていたのもあるんだよ、ってことで。

 サン・トレーダーっつうバンドの1973年リリースの作品「ZIN-ZIN」ってなことで、最近CDになったんじゃないか?それまでは全然CDにはならなくてカウンターフィット盤が出回っていたくらいで…、まぁ、レコ屋で見ることもなかったな…。ジャケットが綺麗だからレコードでも良いなぁ〜なんて探していたこともあったけど、当時はジャズロックってあんまり興味をそそられなかったので(笑)。いや、失敗ですね、今になってみるともっとちゃんと聴いておけばよかった、と思うアルバムがいくつも出てきていて楽しい(笑)。

 このSun Traderというバンド…、メンツの話は後回しにして、まずはこの音色の透明感が素晴らしい。躍動感溢れるエレピが空間を飛び回り、当然ながらベースラインも底辺を動き回って雰囲気をしっかりと保ちつつ、超安定したドラムがクールに音を鳴らす…、それだけでかなり幻想的且つ浮游感の漂うサウンドができあがるものだ。そこにサックスという人間の香りのする楽器が入ってくるので一気に愛らしい作品になっていくのだな。凄い透明感なんだよ、このアルバム。別にフュージョンとかリターン・トゥ・フォーエヴァーとか聴かないし、そういうのも趣味じゃないからSun Traderがその手のバンドだと言われてもピンと来ない。あくまでも英国ジャズロックの最先端を当時演奏していた人達によるロック的アプローチとして聴いているからかな。

 何でってさ、エレピはQuatermassのピーター・ロビンソンなわけですよ。その時点でもうロックでなければ、っていうか(笑)。ドラムのモールス・パートってのも後のブランドXに参加するのでそっちの世界になるんだけど、この1973年の時点ではやっぱロック。透明感溢れる幻想的な美しい空間が垣間見れるロック。珍しい音。プログレじゃないしさ、しかも長い曲ばかりだけど聴いてて飽きないしね。ステレオでちょっと大きめにして聴くと正に音世界に包まれる感じでフワフワして心地良いよ〜。

Sweet - Give Us A Wink

Give Us a Wink  グラムロックバンドの一角として英国では割と有名になったものの、バンドの実質的なサウンドとして確立されてきたのはアメリカマーケットを意識し始めた1975~6年あたりで、何と言っても最大のポップソング「Action」に尽きるのだろうが、その実バンドの歴史は古く60年代末期から存続していたようだ。しかも驚くことに当時のバンドメンバーにはイアン・ギランやロジャー・グローヴァーが参加していたワケで、どっちかっつうとパープル人脈へと派生するものだったのだ。1976年頃のライブにはリッチーが飛び入りでギターを弾いたという実績もあって、バンドのイメージと大きく異なるパープルとの兄弟的人脈。う~む、これだから英国は恐ろしい(笑)。

 そんなスウィートの数ある作品っつうかシングル曲をまとめて聴くにはもちろんベスト盤が一番であれやこれやと多数リリースされているので適当に入手してみるのが一番なんだろうけれど、ここは一発大ヒット名作アルバムで進めてみよう♪ 「Give Us a Wink(邦題:甘い誘惑)」なんてのが一番だろうなぁ…それと言うのもやっぱり「Action」に尽きるんだけど、何のかんのとサウンドが一番しっかりしているような気がするもん。しかし、このバンドの音に触れたことのない人には是非お勧めしたいんだけど、驚くばかりのポップさと明るさと軽さキャッチーさには全く度肝を抜かれるはず。いわゆるロックバンドと呼ばれるバンドでここまで軽いノリっつうのをきちんとした歪んだギターを使っているにもかかわらず出せるバンドはまず、ない。踊りたくなるくらいユーモラスで軽快なノリ、そして全くクィーンばりとも言えるキャッチーなコーラスワーク、堪らん(笑)。今の時代、こういうのウケるんじゃない? その実結構ハードロック的な音だったりするんだけど、とてもそんな風には聞こえないという特徴を持っているし、かと言って演奏なんかも別にそこそこなものだしね。たまに聴くと凄く楽しくなってくるバンドのひとつ。

 う~ん、やっぱシングル曲を集めたベスト盤とコレがあればいいのかなぁ。この前のアルバム「Desolation Boulevard」もかなり良質な作品で正直云ってこの二枚あれば十分に事足りるとは思う。グラムロックって一体どんな定義なんだろうねぇ…。まぁイメージとかルックスの方が重要視されるバンド群って感じなんだろうけどさ。しかしルックスも全然良いとは思えないしな(笑)。昔高校生の頃、このバンドの名前を知ってレコード屋を駆け巡ってようやく入手したのが二枚組のベスト盤で、今思えば結構色々と詰め込まれたアルバムなんだけど、当時それを二回くらい聴いて、とてもロックに思えなくて全然受け付けなかった。それ以来このバンドは全然手を付けなかったんだけど、とある時Beat Clubか何かを見ていてえらくゴキゲンで面白いバンドがあったので見てたらスウィートだった。それでまた聴き直したというパターンだね。それでも今回久々に聴いたんだけど…、意外と面白い(笑)。ちょっと気分直しには最適なバンドかもしれんな。

Sweet - Desolation Boulevard 1974

Desolation Boulevard  何となく前髪のインパクトで衝撃的だったバンドって他にもあってさ、スレイドとかスイートとか強烈だったよなぁと思い出したので…、スイートで進めようかな、と。っても名盤「Give Us a Wink」は過去に既に書いているので、彼等の中でかなり好きな曲に位置する「Fox On The Run」が入ってるアルバム「Desolation Boulevard」。

 1974年リリースのアルバム。この頃のスイートって一番脂が載ってた時期で、このアルバムとこの後の「Give Us a Wink」が一番ポップでキャッチーでロックでインパクトの強い時代。「Action」なんかもこのちょっと後だしね。当時本気でこのバンドを好きだった人ってどれくらいいたのかわかんないけど、凄いセンスしてると思う。ある種アイドル的に好きだった人ってのもいるとは思うけど、ロックバンド的にはどうだったんだろうねぇ。今聴き直して見ると狙ってたんだろうなぁと思えるくらいに的確にキャッチーに作っていたって感じはするからわかるんだけど、それにしても面白い。こういう商法があったか、っていう最初の頃のバンドなんじゃないかな。

 とは云え、結構苦労していたバンドで、その辺の来歴は前にも書いたので割愛するけどロジャー・グローバー絡みの流れにあるバンドで活動歴も結構長い。その果てにこのサウンドになって一気に火がついたってとこなのでよかったんじゃないかな、と。しかしこの「Desolation Boulevard」っつうアルバムも改めて聴き直すと名曲揃ってるなぁ。初っ端「The Six Teens」から何とも軽快なこと。アルバム全体の短さも改めて感じだけど(笑)、今はボーナスがいっぱい入っていてかなりお得なんだね。

 昔、初期の頃のベスト盤買ってあまり良い印象なかったので手を出すのが結構遅かったバンドではあるんだけど、こんな流れで聞くと妙にロックだから面白い。軽くてキャッチーで冗談みたいなバンド、たまには良いのだ。

Sweet Pain - Sweet Pain 1968

Sweet Pain  果たしてどこまで深く入り込むのかこの英国ロックコレクションシリーズ、書いている本人もどこまで進むのか全くわかっていない状態でいながらかれこれ20日間ぐらい続いてる様相を示している…、だがまだまだまだまだ断片くらいしか取り上げられていないので、一年間続けられる可能性もあるなぁ…と。まぁ、多分途中でメジャー物を聴きたいとか、いろいろと浮気する部分はあるんだけど、今のところまだハマってるなぁ…久々にホント、よく聴いてるわ、この辺。探せば探すほどCD買いたくなるのが増えてきて困る…ここ10年以上まともに情報収集していない世界だったので何がCDでリリースされたのかよく知らないし、まぁ、アナログ探して見つかれば安いかなぁとか考えるんだけど(笑)。

 と、まぁ、そんなことでジャジーな方向にも行きそうになったけどもうちょっとスタンダードなトコで面白いのを再発掘してきたのでそっちで行こう〜っと。で、ヴァーティゴはどこかと被るからちょっと後回し。ホントはBENとか面白いかな、とか思ったけど、まぁ、週末にやるもんでもなかろう、と。

 二日前のバレンタインデーに書いたコラシアム…、ん?バレンタインデーの贈り物?う〜ん、逞しい男はそんなことを振り返らないでひたすらロックあるのみ、なのだ。うん。だからいいんだ、それは。で、話を戻して、そのコラシアム在籍が一番メジャーな仕事だったんだろうと思うんだが、サックス奏者として名を馳せたディック・ヘクストール=スミスがコラシアム結成前夜に当時の、そうだな、1968年頃の英国ブルースロック界の名手ばかりを集めて行われたセッションバンド、スウィート・ペインってのをご存じだろうか。ん?バレンタインデーの痛手だからスウィート・ペイン(甘い痛み)なワケではない、はず、だ…。いや、それはもういいや。

面子: Annette Brox - Vocals Stuart Cowell - Guitar Sam Crozier - Perc, Vocals Junior Dunn - Drums Alan Greed - Vocals Dick Heckstall-Smith - Sax John O'Leary - Harmonica Keith Tillman - Bass

 知らないって?う〜ん、そうかもなぁ。ハーモニカはサヴォイ・ブラウンから、歌は女性ボーカルだけどエインズレー・ダンバー・リタリエイションに在籍していたVictor Broxの奥様、これが渋いんだけどさ。そんなのを集めたセッションで、これまたそれぞれの培った技量を試すかのような英国然としてブルースアルバムに仕上がっていてその重さというか貫禄というか、輝きはそうそう出せるサウンドではない。当然ブルースに限らず、多様な音楽のミクスチュアー的要素が強く、それもこの面々だからこそ生きてくる音だ。ジャケットも見事な物で1969年にリリースされたおかげかサイケデリック色を反映したジャケットだ不気味さを出していてこのアルバムに色を添えている。

 う〜ん、正に大英帝国ロック。なんかこのセリフばかりだが、だからこそ毎回毎回ハマるんだろうな。ちなみにレーベルはマーキュリーなのでそれほど特色があるわけではないし、十分にメジャーな作品のハズ、だけどあまり知られてないよね。アメリカでは「England's Heavy Blues Super Session」と言うそのままのタイトルで確かジャケ違いでリリースされたらしい。

Sweet Slag - Tracking With Close-Ups 1971

トラッキング・ウィズ・クローズアップス(紙ジャケット仕様) やっぱり深くて細い英国ロックの森…と実感するばかりの今日この頃。これだけひたすらに英国ロックを一日一枚づつでも書いていけばかなり整理できるものだと思っていたんだけど、やってみると整理できるどころかその派生や人間関係や音の確認などなどで収集つかなくなる一方という気がしてくる…。ある種のファミリトゥリー状態にストーリーが繋がっていっているブログのハズなんだけど、結局一方向しか向かないのでなかなかその派生バンドまでに手が回りきらないってことも多々。もっとも後で気付くっていうのも多いんだけどさ。まぁ、そういうのを気にしないでひたすらに聴いているワケですが、今日もまた知られていない素晴らしいバンドから…。

 Sweet Slagというバンドの1971年の作品でもちろん唯一の作品「トラッキング・ウィズ・クローズアップス」ですな。全く唯一の作品ながらもこれだけ良質なものを残せるってのは一体どういうことだ?と思ってしまうのだが…、それも時代の成せるワザ、そして若さ故のワザ、ってところか。

 …昔から全く探しきれなかったアルバムだったなぁ。プログレとかだったらまだ専門店とかあったし何かと人気もあったから見ることはできたんだけど、普通にロックしたものなんかだと結構見つけにくかったりして、結局アナログで探していた時には見かけなかったもん。探し方が甘かったバンドってのもあるけど、見れば何となく思い出すジャケットだしね。どこかフリートウッド・マックのファーストに似てるしさ。

 さてさて、そんな待望の作品をようやくにして聴いてみたんだが…、え?こういう音なの?ってくらいに意外性があった。いや、自分的に、っていう意味なんだけど…。もっとドロドロのブルースロック系かなと思ってたんだけど聴いてみるともの凄いジャズなハードロックでして、もちろんブルース的なセンスも入ってるんだけど、それよりもドラムがジャジーなんだろうな、これ。ギターのフレーズもチョーキングとヴィブラートとかじゃなくて音色を綺麗に聴かせてくれるというようなもので…たとえが結構違うかもしれないけどバターフィールド・ブルースバンドの「East-West」みたいな世界をもっとハードにセッションさせたようなところ。まぁ、いずれにしても聴いていると凄く白熱した演奏がパッケージされているので面白いことに変わらないけど。そんでもって、構成がロック的なんだろうな、何でもありっつうかさ(笑)。歌はまぁ、あれば良いって感じであまり重要視されていないのはよくわかる。

 何だろな、この躍動感とどこか郷愁漂う清涼感っつうか…、思い切り暑苦しいんだけどその中で超越した存在としてギターソロが鳴っていたり、管楽器が鳴っていたりするから浮游しちゃうんだろう。とんでもなくトリップできる音世界なのかもしれない…、心地良いもん(笑)。コレと言って特筆するべきメンバーが参加しているワケじゃないけど、これだけのテンション高い演奏が繰り広げられるSweet Slagと言うバンド…、ナメちゃいかんぜよ、この世界、正に大英帝国ロックの深さを楽しめるアイテムだね。

Swordedge - Swordedge 1980

スウォードエッジ (生産限定紙ジャケット仕様) あまり当てにせずに英国激レアフォーク!みたいなのを漁ってたんだけど、どれもこれも音的には似たようなものだな、なんてのを感じ始めてはいた。ところがちょっと気になったのが1980年ながら自主制作で出されたバンドの云々ってのがあってね、1980年なんてつい最近だから別にそんなフォークそのものを今更演ってどうなるってんでもないし、その辺はもう整理されてメジャーで出せるレベルってのが決まってるだろ、という先入観もあったんだが、敢えてその次代の自主制作盤みたいなのを登場させるってことは実力あってもメジャーシーンでは及びではなかった時代でもあるか、という話で、そりゃ一方では黄金の80年代ポップスに向かう頃、NWOBHMですら狼煙をあげていた頃なんだからまったセールスの見込みの無い時代遅れのフォークなんて誰も取り上げないわな…。でも、そこで好きだから作り上げましたってのが自主制作の良いところで、ニッチな世界に残されたのが本日のお題。

 Swordedgeというバンドの唯一作なんだろうな、「Swordedge」。先にも書いた通り、1980年の制作盤だからスタジオの技術も録音レベルも上がっている時代だからこそか、音の安っぽさはほとんど感じることなく、きちんと創り込まれているようなプロダクションです。それが故なのか、冒頭からハッとするような女性ボーカルと心地良いフォークギターが流れてきて、決して自主制作レベルのアルバムではないことが伺い知れます。単に時代に恵まれなかっただけのアルバム、バンドかも、って。70年代初頭あたりにメジャーに発掘されていたらそのへんの歴史にちょっと食い込んだバンドとアルバムなんじゃないだろうか。やや上ずった調子の美声な女性ボーカルの声は三美神と呼ばれるフォークの歌姫たちにヒケを取るものでもなく、天上の歌声とも言えるくらいのものだ。

 バンドの音にしてももちろんフォーク2本程度が中心だけど、フルートやタブラ、ブズーキなんてのがそれとなく入ってきたりして効果的に曲の雰囲気を変えることを意識しているから、ともすればダレがちなこの手のアルバムを飽きさせないで聴かせてくれる。実際に本人たちが意図したものかどうかはともかく、このアルバムのジャケットもまた英国好きには痺れてしまうようなもので、一瞬メタルのジャケか?みたいに思うけどよくみれば剣を持つ架空の動物でバンド名がSwordedge、正に大英帝国な雰囲気じゃないですか。今こういうのが普通に聴けて買える時代ってのはいいことですよ、ホント。どんなんだろうな〜と空想して落ち込まなくて済むし、何よりもこんだけ上質な音楽にすぐに出会える環境ってのがいい。英国フォーク系好きなら持つべき一枚♪

Synanthesia - Synanthesia 1969

Synanthesia 昔々に発売されてそれこそ擦り切れるまで…とは言わないけどボロボロになるまで読み尽くしたロック本なんてのが幾つかあって、その内のひとつが英国ロック本なんだけどさ、アルバムジャケットと簡単な解説が書かれててそりゃもうレコード探すのに持ってくワケにいかないから全部覚えるワケ…っても別に教科書みたいに覚えようって気もないから何度も何度も読みなおしたり気に入りそうなのを覚えておくとかして段々覚えちゃうんだけど、このヘンが欲しいな、って思ってレコード屋行った時にそれとは違うけどあの本で見たことあるジャケットのレコードを発見してしまった時に知識が頭に入ってないとどうしようもなくってさ、もう、買っちゃうしかない?それともまた出直す?みたいなのがあるワケ。今じゃ考えられないでしょ?でもねぇ、そういうモンだったんだよ。もちろんそれで良かった時もあれば後悔する時もあるんだけど…、おかげで今でも大抵のジャケットで覚えている。

 1969年にリリースされた「Synanthesia」というバンドの唯一作はジャケットだけは覚えてたけど全然入手できないアルバムで、オリジナルなんか見たことないしCDでも全然出なかったんじゃないかな…、その内気にしなくなって忘れてしまっていたけど今回サイケフォーク系って何かないかな〜と探している時にぶち当たった。へぇ〜、今は普通にCd手に入れられるんだ、ってのが最初の感想。んで、聴いてみると…昔ならもうちょっとハマったかもしれないけどこういう音だったんだなぁ…と。サイケ部分はさほどでもなくってシンプルにフォークギター中心の歌モノアルバムみたいな感じで、その他楽器も幾つか入ってるしカラフルではあるけど大枚はたいて買う価値が有るほどの作品だったとは思えないな、今は。昔ならそれでも一生懸命聞いていいところ探したと思う(笑)。

 ただねぇ、こういう音世界ってハマるとハマるし、誰でも出来るもんじゃないし、歌メロ聴いててもキンクスのレイ・デイヴィス並みの才能があるんじゃないかってメロディ書いてるし、フルートとかオーボエとか良い感じでアクセントになってるから綺麗なバンドの音です。本気でロックだぜ、ってんじゃないけど英国フォークからしか出て来ないであろう音。セプテンバー・プロダクション絡みってのもあってか良質なフォーク世界が聴けます。しかし…良い時代だ。