T2 - It'll All Work Out In Boomland 1970

 「T2」と言えば泣く子も黙るあのアーノルド・シュワルツェネッガーの大ヒット作ともなった「ターミネーター2」の略称というのがどう考えても世間一般の認識だ。が、丁度自分がこの辺を漁りまくっていた時の「T2」と言えば超まぼろしのレアアイテムとして名高かった英国のハードロックバンドの名前なのだ。だからシュワちゃんは遙か遅くに出てきた「T2」だったのだが…、もちろんどこにも通じない理論だったりします(笑)。

 1970年にまたしてもデッカからリリースされたいわゆるB級バンドと呼ばれる中では最も愛すべき一枚に数えられるアルバムがこのバンドの唯一の作品「幻想楽園」というタイトル。う〜ん、実に久々に聴いたが…、やっぱり断言するが、滅茶苦茶格好良い。本人達がもう少しマジメにロックに取り組んでいたら、かな〜りメジャーな部類まで行けたんじゃないかとは思わないけど、もの凄く英国1970年の香りをさせているバンドでいいんだよ、マジに。いわゆるトリオ編成なので別に凝ったことが出来るわけではないけどとにかくかっこいい。ドラムは元ガンのピーター・ダントン、そして才人ギタリストキース・クロスがこのバンドの要だね。感動してるのでマジメに書いちゃおう(笑)。

 1曲目「In Circle」、こいつのインパクトが圧倒的に強くて、ハードなギターのコード決めから始まって流れるようなリフが続けられる…、それでいてドラムがかなりロールしているのでいわゆるリズムだけのドラムじゃない楽しさ。ギターの音色もエグ〜いサウンドで、やっぱレスポール系のサウンドだろうなぁ、疾走感溢れるロックナンバーなんだけど途中は当然静かな面も出てくるという気合いの8分半、もうやられっぱなしの素晴らしい名曲。これ聴くとB級バンドにハマるかもしれないな。2曲目「J.L.T」は打って変わってピアノとメロトロンのバックに力のない歌が被さってくるというとても切なさの漂う英国らしい名曲で、メロディラインももちろん良いんだけど雰囲気が堪らない。そして後半になるととんでもなく美しいリフレインが繰り返されて叙情的に盛り上がって来るという素晴らしく美しいバラード。この鍵盤の音は何なんだろう?綺麗だなぁ…、6分近い曲だけど静かに進み実に魅惑的な終わり方をする芸術的な曲。うん、美しい〜。3曲目「No More White Horses」もまた8分半の曲なんだけど、今度はその叙情性を引きずったままヘヴィーロックに曲を委ねたのか、初っ端からハードに歪んだギターのサウンドからアグレッシヴなアドリブプレイが曲を引っ張り。そして重いノリのまままるで夜明けを迎えたかのようなベースラインによる美しい静と動が魅力的。このバンド、ベースラインが綺麗に歌っているのも良いよなぁ。ドラムとのコンビネーション抜群だもん。フロイド好きな人は気に入る名曲だろうと思うよ。歌でも盛り上げてくれるし、白々しいアレンジもあったりするけど…、わかった、多分この曲はカルメン・マキ&オズが好きな人はハマるやつだ。「私は風」とかそういう壮大な感じの曲構成と演奏と空気感だ。曲の長さを全く感じない構成だし、終盤のピアノかな、凄く繊細に短音のラインが鳴り響いてくるし…、この叙情性は一体何なんだろう?もう、ホントに英国でしかあり得ない素晴らしい盛り上がり方だ。最後の最後まで息を詰めて聴いてしまう名曲。ちなみにアナログではここまでの3曲がA面収録ね。

 で、B面は「Morning」という21分の曲一曲だけ(笑)。大体が20分も曲があれば何かが起こっているワケで、もちろん一本調子で進むはずがないのだ。そしてそれがこのバンドの場合であればなおさら…。ギターが中心にあるのでもちろんハードロック的な要素が強いんだけど、やっぱプログレ的な曲構成になるよな。でもさ、別に仰々しいというのでもなくってひとつのテーマに向かって進んでいるというような感じで静と動、陰と陽、ユーライア・ヒープの「July Morning」じゃないけど「Morning」というテーマに基づいたものだなぁと実感できるね。しかし良いドラマーとベースだ。もちろんギターもだけど、みんなテクニックがしっかりしているか聴きやすい。そうして起承転結を持ってこの長い長い曲が終わっていく…。素晴らしい。

 しかし、この素晴らしいアルバムが今世の中で普通に売っていないのか…、それは罪だぞ、と思う。アマゾンのバカみたいなプレミアで買う必要はないと思うが、紙ジャケとかも出たのかな?中古で見つければ良いと思うんだけど、ま、それでも定価以上はするだろうなぁ。アナログ時代にはもちろん10万円レベルのアルバムだったはず。うん、見たことないけど(笑)。CD時代に突入した時にリリースされて速攻で買って30回くらい聴いた。輸入盤でも何でもいいから絶対に聴いた方が良いB級作品…、いや、アルバム一枚しかリリースしなかった素晴らしきバンドの作品♪

T2 - T2 (Fantasy) (1971)

T2 (a.k.a.  ちょいとB級路線に寄り道…ってんじゃないけど、その辺も相変わらず好きでそれなりに収拾もはかどっているので、まぁ、いくつか流れに乗って出しておこうかと(笑)。70年代英国ロックの流れとしちゃあ先日のDeep Purpleなんぞ軽くぶっ飛ばすレベルのバンドはいくつもあって、ただ、どれもこれもそこまで売るという意思が強くなかったがために一発屋で終わってしまっているバンドが多いのも事実、それが実力のあったバンドなのに、と悔やむべきものなのかその一発だからこそ良かったのかと考える部分はあるのだが概ね一発だから良かったのだろうと思っている今日この頃。そう思うのはやっぱり発掘アーカイブものでの再確認ができてしまう今の時代だからこその感触で、アルバム一作しか出してなかったバンドの幻の作品とかデモテープとか何十年後の再結成の音とか色々あるワケで、そういうのを聴くと未完成作品だからってのも大きいと思うけど、ちと期待はずれなのが多くて、あの一枚はやっぱり奇跡だったんだなと思うことも多くてさ、あまりアーカイブモノは聴かないようにしてるしているのもあるんだが、見たら手に入れちゃうワケでして(笑)。

 そんなことで90年代初頭にあれこれと集めていた時、何故かよく見かけたのがT2のセカンドのデモと言われていた「Second Bite」で、あまりにもチープな海賊版まがいな気がしてたので買わなかったんだよな。二種類くらいのジャケットで見かけたんだけど、そのうち忘れ去ってしまっててさ、ま、デモならあの「イットル・オ-ル・ワ-ク・アウト・イン・ブ-ムランド」の凄さはないだろうし期待ハズレ間違いないだろうって予感もしていたから買わなかった。そしたらいつしか…ってか2008年?にデジタル・リマスターされた「T2 (a.k.a. "Fantasy")」っつうのがリリースされていて、これもまたオフィシャルな感じがしないけど、多分オフィシャルなんだろ。どこまでメンバーが関与しているかはわからないけど、デジタル・リマスターなワケだからマスターからなんでしょ。先のデモと思っていた「Second Bite」と比べて曲がいくつか減っているが、そんならしょうがないかな、と聴いてみることにした一枚。

 もちろん聴いた感触はハズレです(笑)。T2はやっぱ「イットル・オ-ル・ワ-ク・アウト・イン・ブ-ムランド」の一枚で完結させておくバンドでしたね。まぁ、この結論も早々な話なんだろうが、「T2 (a.k.a. "Fantasy")」は一応バンドのデモなんだな、これ。だけど音悪いのもともかく覇気がまるでないホントにデモったセッションの完成形って感じで、そこから鍵盤被せたりアレンジしたりすることでプロデューサーも仕事してくれればそりゃ良くなるっつうか作品として仕上がっていくのかもしれないけど、そのままじゃね、やっぱりゴチャゴチャした感じのロックサウンドでしかなくて、それも何かがキラリと光る形ではなくて垂れ流しに近い曲とも言える。ただね、T2だな、っていうのはもちろんあるからもしかしたらきちんと作品として作りこんだら面白いセカンドアルバムだったかもしれない。わからない。一節には「イットル・オ-ル・ワ-ク・アウト・イン・ブ-ムランド」の後すぐに録音されたセカンドアルバムってことなのでメンバーも勢いも同じ頃なハズだからさ、良いんだけどね。B級ロック好きでもこのデモだけで何とも言えないよなぁ…、明らかに「イットル・オ-ル・ワ-ク・アウト・イン・ブ-ムランド」が優れすぎているが故に余計にそう思う。

Tea & Symphony - An Asylum for the Musically Insane 1971

An Asylum for the Musically Insane 発見発見♪ 自分のライブラリからお宝を発見するのもこれまた愉し。整理しているハズが何故か全然想像しないところに入り込んでいて探せないってパターンは今に始まったことではないのだが、その分見つけた時は嬉しい(笑)。困るのは持ってるか持ってないかわからない時だ。もう一度買うハメになることはできるだけ避けたいし、しかし存在を忘れているから何とも言えない…っていう場合だね。まぁ、すっかり忘れてて発掘してしまったものはしょうがないんだけど…、やっぱ自分の記憶はアテにならないってこともままあります…。

 何がって?いや、こないだから見つからなかったこのバンド、Tea & Symphonyの「An Asylum for the Musically Insane」という作品。EMIハーヴェストカタログの中でも相当変わり者のバンドでして、随分昔にアナログのコピー盤で入手して聴いてたんだけど、不思議でさぁ。不思議っつうのか、聴いたことない音世界なんだよ。そのままに書いてみると…、基本アコースティックギター中心で、ドラムっつうよりもパーカッション的なのが入っていて、歌はオトコの歌なんだけど、歌っつうのか宗教的な旋律をなんとも印象的に歌っていて、どこかの宗教色はたっぷり入っていると思う。しかもどっぷりとトリップする世界観を詰め込んでいるので時代通り…1969年作品だから、丁度サイケフラワーの頃でして、更にトリップ的な音で、ある種の狂気がそこには見え隠れするという代物。それでいて非常〜にポップなメロディだったりするので、これもまた不思議でして、テイラノザウルス・レックス的な要素でもちっと呪術的というのかな…。

 初めて聴いたときはかなり不思議な印象で、何回も聴いてしまって、何かコワイっていう印象を抱いていたんだよね。ただ、それでもコーマスと同じでなんか気になって何度も聴いてみてその世界を掴んでみたいっつうのがあったんだが…、やっぱり正常で普通のロック好きの自分には興味以上の対象にはならなかった。ここからトリップの世界の友達となる人もいるのだろうけどね。

 しばらしくしてパイレート盤なのかカウンターフィットなのかわからないけどセカンドアルバムらしきレコードも出ていたと思う。正規盤なのかな。白黒のヤツ。そっちはまだ聴いてないけど、どうなんでしょ?ネット上でも情報が結構少ないバンドだったり…と言うか、バンド名がTea & Symphonyなので探せない…(笑)。色々と情報はあるんだろうけど、どんな反応なのかってのもよくわからないね。そういう世界も英国ロック。そしてしっかりと面白味と深みは持ち合わせている「An Asylum for the Musically Insane」はタイトル通りちょっと狂気の入ったアコースティックな世界♪

Tear Gas - Tear Gas 1971

Tear Gas 英国初期のハードロックテイストに溢れるバンドには後のHR/HM界に属する人間も多数関わっていたものだ。まぁ、そこまで漁って聴いている人も多くはないのだろうが、入り口としては非常にイージーなトコロにあったりするので、何かわからないけどこの人のセンスが良いなぁ〜とかいうのがあれば深みに入ってみても面白いのではないかと。昨日は裏でホワイトスネイク=デヴィッド・カヴァデールっつうのがあったので、今回は表向きではギターを中心としたハードロックってことで、マイケル・シェンカーです(笑)。

 1971年リリースのTear Gasというバンドのセカンドアルバムにして傑作「Tear Gas」です。ジャケットがイカすでしょ?何かわからんって?う〜ん、これヒプノシスだったよな…確か。生卵を手で握りつぶした瞬間を捉えた写真ですね。もちろん下降してあるワケですが、何か惹かれるジャケットじゃないですか、これ。やっぱりアートです、センスです、こういうジャケならバンド側も得するハズです(笑)。

 その期待を裏切らないのが中身の音でして、うん、1971年にして相当ハードにドライブしているロックな音でギターの音がかなり粗いんだけど、熱いんだよ、これがまた。曲そのものはそれほどではないけど、後のハードロックの世界に通じるリズム隊の面白さ、それにギターのフレーズ、そして楽曲の展開は妙に時代を反映したプログレッシブな部分が見え隠れするってのも良い。2曲目の「Love Story」なんて静と動が見事なコントラストとなって曲が出来上がっているしねただ、ちょっと頼りない感じがするのはやはりB級なセンスだからだろう(笑)。

 いやいや、B級ではないですよ、リズム隊…。うん、名前を聞けばわかるでしょう。ベースはクリス・グレン、ドラムがテッド・マッケンナ。鍵盤がヒュー・マッケンナという兄弟ですね。おわかり?黄金期のMSG=マイケル・シェンカーを支えたリズム隊なんだなぁ、これ。こんな頃から思い切りロックしていた人達なのですよ、彼等は。そしてもちろんマイケル・シェンカーには負けるけど、熱くて聴かせるギターをたっぷりと楽しませてくれるTear Gasのギタリスト、ザル・クレミンソン君はナザレスに参加しているのだな。

 Tear Gasというバンドはこの後、同じグラスゴー出身の大先輩でもあるアレックス・ハーベェイと合体することになって…いや、要するにアレックス・ハーヴェイのバックバンドになっちゃったんだけどさ、それはそれでまた面白いっていう展開。それにしても意外な人達の意外な過去ですね♪

Tempest - Living In Fear 1974

Living in Fear  ジョン・ハイズマンって人はそれほど一般に知られている名前ではないだろうし、普通にロック好きですっていう人的にもそれほど知られてはいない人だ。じゃあどんな人かって…、自分もよく知らない(笑)。いや、Colosseumのドラマーで、目立ちたがり屋の音数の多いドタバタするドラマー。ジャズ系ロックの名手といえば名前が出てくる人でジャック・ブルースとも一緒にプレイしてたりするのでまぁ、そんな感じの人だ。ただ、圧倒的に印象深いのはどうしたってColosseum。その活動からドラムセンスを夜に知らしめたってのはあるが、その後に組んだバンドがこのTempest。最初はアラン・ホールズワースを迎えてアルバム「Tempest」をリリースしているんだが、なかなか突き抜けた感じにまではバンドが成熟出来ず、またアラン・ホールズワースのような器用なプレイヤーとのセッションよりももっと激しいロックを欲していたのか、旧友のオリー・ハリソールを迎えてクリームを彷彿させるトリオ編成での制作となったセカンドアルバム「Living in Fear」がこれまた熱い。

 やっぱりロックってのはトリオ、もしくはボーカル入りの4人で十分だろうと思ってしまう。鍵盤ってのも音的には重要なんだけど、激しく熱く燃えるにはドラム、ギター、ベースに歌が一番しっくりくる。Tempestを聴いていても音はみっちりと詰め込まれているし、弱いのは歌くらいでして…、いや、それはしょうがないんだろうけど、「Living in Fear」のバンドアンサンブルはファーストの「Tempest」よりも見事だしさ、キャッチーさというのはちょっと欠けているのでメジャー扱いされていないけど、白熱具合で行けばそんじょそこらのバンドでは太刀打ちできないスタイルだ。ややプログレッシブな演奏ってのも一般化できなかった理由かもしれないが、今聴いてみればわかるように、普通のハードロックにプラスアルファの要素が加わった進んだ音世界ってことを認識できるはずだ。

 最初にTempestを聴いた時にはプログレッシブバンド、みたいなイメージがあったからかなりびっくりしたけど、なんてことはない普通にハードロックでギターがテクニカルにハイセンスに入ってくるあたりが心地良くって…、だからColosseumなんかにも進んでしまうんだよ。うん、Tempestの方が先に聴いたもん。ちなみにここのベーシストは一瞬だけ黄金期Rainbowに在籍したマーク・クラークです…、もっともその系統のほかのバンドにも色々参加しているんだが…、その系譜を見る限りでもTempestが後のHRに影響を与えているバンドの一因って捉えることもできるかな。  Amazone見てたらいつの間にかアルバム二枚と未発表曲を加えたアンソロジーもの「アンダー・ザ・ブロッサム~ジ・アンソロジー」なんてのがリリースされていた…。

Tempest - Living In Fear Living In Fear Tempest - Tempest Tempest

10cc - How Dare You! 1976

How Dare You  十分に有名なハズなのになかなか聴き切れていないロックバンドの一つ。どこかポップスというイメージを自分で持ってしまっているからだろうけど、ビートルズの再来にふさわしい、とかヒネたポップス、みたいなフレーズが多く見られたのでロックロック好きな自分にはかなり合わないだろうと思って手を出さなかったバンド。だから結構遅かったし思い入れもイマイチ少ないのを認識した上で改めて聴いてみる。

 そもそも話題としちゃあ、10CCってバンド名の由来からしてふざけた英国センスだというのは好きなんだが…、ある意味The Kinks的に聴いていけば良かったんだろうなと後で思ったんだよね。まぁ、いいや、これからも聴いていけるんだから楽しみは増えるさ。

 そんなことでジャケットはヒプノシスってので結構どこでも出てくるので知ってるし、かなり興味をソソられるジャケットであるのは間違いないもんね。一体表ジャケットも裏ジャケットもどんな話してるんだ?ってのがわかってしまうくらいにそれぞれの表情とトーンが見事。バックの二人と写真の二人…裏ジャケも含めて…、中ジャケは電話の嵐…。今の時代なら携帯電話だから面白くないのかもしれないが、アナログな電話だからこそ面白い。

 そんな10CCの名盤…最終アルバムとなってしまった「How Dare You」ですね。まぁ、簡単に言えばソープオペラ=昼メロに近い風情を持ちながらメチャクチャシリアスに歌われている…歌詞を紐解くと相当シリアスってのがわかるようだけど自分でもまだそこまでたどり着いてません。ただ、音と共に世界観を醸し出したものってのは聴いているだけでわかるし、それを増長しているのがアルバムジャケット。いや、重要です。

 音世界は、カラフルでアコースティックも効果音も含めて構成も何もかもが綺羅びやかで華やかに、そしてドラマティックに組み立てられている…ってもポップスの世界。「I'm Mandy Fly Me」なんて最高の名曲なんじゃないか、ってくらいのメロウさだけどその構成と展開は普通じゃ考えつかないようなものだしさ。ちょっとね、聴いていたいなぁ~と思うようなアルバムだから飽きない。あぁ、自分も日本盤で訳詞付きで手に入れるべきだったな…と。まったく英国でしか出てこない音だし、時代も手伝っているけど素晴らしい傑作。コンセプトアルバムとかいう仰々しいものじゃなくてストーリーラインに則ったカラフルで楽しめるアルバム。なんて面白いんだろう。

 バンドの内部やメンバーの関係なんてのも結構色々と噴出していた時期らしく、作風やパートなども特性が出ていると言われているんだけど、その前に作品として良いものを作り上げるという目的は共通していたことでこれだけの作品が出来上がったんだろうな。プロだわ。簡単に言うとサーカスみたいに華やかでシュンと一気に終わる…そんなアルバム。

10cc - How Dare You How Dare You! 10cc - Deceptive Bends Deceptive Bends

Third Ear Band - Music from Macbeth (1971)

マクベス(紙ジャケット仕様) プログレッシブバンドと呼ばれるバンド群の中でサントラに手を出しているとかサントラを作ったってバンドって少ないのな。メジャープログレバンドではほぼ皆無な感じだし、ちょっと掘り下げていくと元々映画音楽などを手がけていた人はいるものの、なかなかサントラで全編を担当した人ってのはいない。逆にマイク…オールドフィールドみたいにアルバムの曲が使われてしまうというのはアリなのだろうが、そこまで追いかけ切れていないし…。キース・エマーソンのソロ作品では「幻魔大戦」があったなぁ~とか思い出したけど、後はあんまりないなぁ。ルネッサンスとかYesとかないしさ、何かあるだろ、って思って幾つか資料を紐解いてて、見つけたのが超B級なバンドと映画によるサントラ盤…。

 1971年にリリースされたロマン・ポランスキー監督による映画(戯曲?)「マクベス」のサントラ盤として発表されたサード・イヤー・バンドの手による「マクベス」。コレ…ロックの流れで書いてていいんだろうか(笑)?いや、全くロックの気配感ないしホントにビートのないいわゆる雰囲気音楽だしさ。ただ、この「マクベス」というアルバムはプログレ名盤などの一覧ではよく取り上げられていて、サード・イヤー・バンドの代表作とも書かれることもあるし、まぁ、プログレの範疇になるのだろう。もちろん自分的には随分昔から知ってて聴いたりしたけど、全く面白くなくて何回も聴いてないです。木管楽器やリード楽器なんかで中世の音楽をモチーフにしたサウンドになってるから、そりゃ映画が「マクベス」なんだからそうなるのはしょうがないんだが、それを特に意識もしないでプログレバンドのアルバムってことで聴いてみようと思って聴いたもんだから、まるで面白味を感じることのない作品だったってことだ。

 今回改めて聴いてみるのだが、そりゃもちろん映画のサントラだから、と自分的にも意識して聴くので構えが違う。だが、やはり宗教チックな側面もあって名盤だ~として聴くほどのものではないのは確か。良く作りこまれているって感じでもなくて、多分バンドの方向性と志向がたまたま映画の雰囲気に合いやすかったってトコだろうか、映画の中で流れるから雰囲気が良いのだろう、きっと。アルバムとして聴くにはかなりしんどい作品でした。やっぱ音楽は何かと楽しめないとねぇ。

Third Ear Band - Third Ear Band (1970)

天と地 火と水(紙ジャケット仕様) サイモン・ハウス繋がりで…なんてバイオグラフィ的に思いついて且つあちこちで見かける形容詞として出てくるバンドがThird Ear Bandっつうのでさ、昔から苦手なバンドのひとつなんだよなぁ、このThird Ear Bandって(笑)。結局全アルバムとも聴いてるんだけど、どうにも何度も聴く気がしない音ばかりが出てきてて、どれも凄くレベルが高いのもわかるし音楽的に凄く高尚だってのもわかるんだけど、ロックのフィールドで語られるものでもないし、プログレでもない。民族音楽と言うほどどこかの民族の音楽じゃないし、そういう意味で凄く唯一無二の存在感なのでロックのフィールドで語られるしかないのもわかるのだが…と苦手意識なりに再挑戦してみるのでした。

 1970年にリリースされた実はサイモン・ハウスが参加する前の二枚目のアルバム「天と地 火と水」でして、これもまた話題になります「空気、土、火、水」というテーマに基づいたインストものが延々と続くという代物です。パッカションと、オーボエ、リコーダー、バイオリンにヴィオラ、そしてチェロという楽器で構成されているバンドの布陣を見るだけでも到底ロックじゃないってことはわかるだろうけどさ、どんなモノのプログレ本を見てもThird Ear Bandをケナしているのは見たことがない。とにかくこれぞ、というような取り上げ方をしていることが多いからやっぱりこういうのを理解できないとプログレとか聴けないんかなぁ…と少年心に思ったものだ。

 でもやはり、こういう呪術的な雰囲気すら漂う高尚な音楽は自分のライブラリにはあっても聴く方ではなくコレクションしておくだけのものだなということに気づいた。もちろん流していれば心地良くなるのもあるし、多分どこかでエクスタシーを感じるようなものでもあるんだろうけど、なかなかそこに入り込むまでがねぇ…。下手したら若い頃の方が入り込めたかもしれない。今の時間の流れに生きていると、こういうものをじっくりと時間をかけて血肉にして取り入れて日常化させるってのはちょいと無理だなと。そういう時間が取れる方はかなり面白いサウンドだし、緻密な作りになっているのでこういう音使いを楽しんでいけるんじゃないだろうか。しかしホントによくわからん世界だ…。

 んでアマゾン見てたら、「Lost Broadcasts」っつうのが出てて、これって未発表ラジオライブの模様の映像化か?と。やっぱり発掘音源も出てくるくらいのバンドなんだと改めて思ったのと、ライブでこんなんできるのかい?という不思議と両方…。

Three Man Army - A Third Of A Lifetime 1971

no image メジャーとB級の境目…、別にそんなの明確じゃないに決まってるんだけど、イメージ的にB級だよなぁ、ってのがあったり音的にB級だよなぁってのがあったりする。上手いヘタじゃなくってね。そんな中でも多分境目に位置しているよなってバンドはいくつか思い付くものがあって、それは多分メンバーの誰かがそれなりにメジャーの人と一緒にやってたとか、その後一緒にやったことで名前が売れたとかってのが多いんだと思う。まぁ、ユーライア・ヒープってのはそういう意味で最も成功したB級バンドっていう印象で見てるんだけどさ(笑)、あ、これは個人的見解ね。

 そういう意味ではもっとも英国ハードロックバンドらしくて境目に位置しているバンドがスリー・マン・アーミーなんじゃないかな、と。Gunっていうバンドはその後の英国ロックシーンに実に多くの影響を及ぼしていたんだなぁと改めて思うんだけど、Gunの首謀者でもあったガーヴィッツ兄弟によるトリオ編成のバンド。基本的には。ただ、凄いのが最初期はあのバディ・マイルスがドラムを叩いていたり、この後の彼等による同様のバンド、ベイカー・ガーヴィッツ・アーミーでは名前の通りジンジャー・ベイカーをドラムに据えてバンドを組んだりしているワケで、それってかなりメジャーな話なんじゃない?って思うでしょ。スリー・マン・アーミーについてはゲストも結構多彩だったワケで、まぁ、この辺からはマイナーな話になるんだけど、こないだ紹介したクォーターマスの鍵盤奏者ピーター・ロビンソンが参加していたり、セカンドアルバム以降ではドラムにトニー・ニューマンを従えていたりするのだ。この人、結構職人でジェフ・ベックやデヴィッド・ボウイのバックやT-Rexでも叩いていたことがある人。元はメイ・ブリッツのメンバーだったんだけどね。この後はボクサーやったりなぁ(パトゥーのオリー・ハルソールが組んでたバンドだね。)

 このバンドの最初のアルバムリリースは1971年で、その前からライブ活動は積極的に行っていた様子なのでそれぞれのドラマーの過程を見ていくと、バディ・マイルスについてはジミヘン亡き後(1970年9月以降だね)すぐにこのバンドと合流していた感じだし、ベイカー・ガーヴィッツ・アーミーについてはまぁ、この後だから1974年にアルバムリリースで、クリーム解散後すぐってワケでもないけど、それでもまだまだ名前が通っている時期にドラマーに迎え入れているワケだ。凄いんだよ。だから実力はあるんだろうけど、なかなかセールス的には成功しなかったようだ。

 んなこと言いながらも結構聴くとハマりやすいハードロックでさ、好きな人多いと思うんだよね。至ってシンプルなハードロック、ギター中心のハードロックでドタバタ感とかヘンな曲展開とか凄く英国らしい(笑)。特にお気に入りは最初のファーストアルバム「A Third of a Lifetime」だね。この頃を代表するかのような音は英国好きかどうかが問われる試験石としても良いかも。そういえば今でもちゃんと整理できてないんだけど、このファーストアルバム二種類のジャケットがあって、黄色いのグレーで銃弾が開いているヤツなんだが、どっちがオリジナルなんだろ?黄色いのがオリジナルだと思ってたんだけどガーヴィッツ兄弟オフィシャルサイト見るとグレーのが載ってるんだよな。英国盤と米盤?ドイツ盤?ん〜、時間無くて調べてないからなぁ…ちょっと悔しいけど聴いてたら面白くなっちゃったので書いてしまったのだ(笑)。どっちでもいいけどやっぱダブルジャケで見開きで見たいアルバム。もちろん中身もね。結局セカンドアルバムと最後の作品と三枚で終わってしまうんだけど、幾つか編集版みたいなのは出てるみたい。

 まぁ、騙されたと思って聴いてみるとわかるけど実に英国な音だよ。そしてメジャーなロック本には出てこないし、マイナーなバンドを集めている本にも出てこないか出てきても妙に扱いが軽い不思議なバンド。境目のところってのがガーヴィッツ兄弟作品の面白いところ(笑)。

Three Man Army - Mahesha (1973)

Three Man Army 過小評価、過大評価色々な反応があるんだけどアーティストやバンドが偉大だとかクズだとかってのは果たしてどの基準で決められるものなのか?なんてふと考えた。セールス面もある程度あるだろうけど、音楽的な分析をしてみるとこういう使い方だからとかあるのかもしれないが、多分音楽の評価とあまりリンクしないだろう。そういう知識があるかないかの判断でしかない。やっぱりどれだけ多くの人が感動したか、凄い感動したからアルバムなりを買うという行為に出る=売れるものには良いという要因があるって図式になるのか。ただ、知られなかったが故に感動する人が少なかったものもあるワケで、そういうのが隠れた名盤などと言われるのだろう。さて、B級バンドってのは?ある程度の人が聴いたけど、感動とまでは行かなかった、でもある種の評価が得られているというもの、なのだろうか。なかなか言葉で書くのもしんどい世界観なんだな、やっぱ(笑) なんでそんな話かっつうと、Three Man ArmyってWebで見るとどこでも凄い評価高くて、自分でも好きなんだけどやっぱりB級っつうか売れてるワケじゃないんだよな。それでそんなことを思いました。

 1973年にリリースされたThree Man armyのセカンドアルバム「Three Man Army」ってか、結構ややこしくて、確か英国ではこのアルバムはリリースされていないんじゃなかったかな。ドイツでは「Mahesha」ってタイトルでリリースされて、アメリカでは「Three Man Army」ってデビューアルバムみたいにして出されていたようで。とするとアメリカでの「Third of a Lifetime」は無視されていたってことか?それも残念な話だが、それはともかく、ややこしいのはこの次の作品が「TWO」というタイトルだったことで、とするならばやはり本作「Three Man Army」が「1」の役割を果たしていることになる。それはアメリカ市場においてのやり直しってことも意味するのとドラマーがトニー・ニューマンに変わってからのバンドとしての1枚目という意味もあるだろう。本国の英国では「1」に当たるのは「Third of a Lifetime」で、この「Three Man Army」はなかったこととしているのか。ま、何れにしても単に音楽を作るだけのバンドではなくてきちんと戦略を考えていたバンド、少なくともプロダクションだったようだ。

 そして「Three Man Army」の中身、Three Man Armyの歴代アルバムの中ではどうしても一歩引いてしまう音ではあるけど、もちろん相変わらずのハードロックが聴けて楽しめる。王道になれない理由は聴けば聴くほどわかってくるもので、細々としたフレーズや旋律が多すぎるとかこれと言ったメジャーなヒット曲らしくなる要素の曲がまるでなく、どれも秀逸な作品が並ぶというもので、まぁ悪い言い方すれ洗練されていないってことだが(笑)、それはもう70年代には普通のことで、その辺の境目が歴史に残るか否かの分かれ目だったようだ。プログレ的なややこしさを持っていたのもあるけど、根本的にハードロック野郎達なのでリマスターとかして綺麗になっていたらもっと再評価されるんじゃないか?とは言え、この「Mahesha_もしくは「Three Man Army」というアルバムは今CDが手に入らないのか。残念だな。もっとも3枚のアルバム+未発表曲をまとめた「Soldiers of Rock」というCDが激安で手に入るからまずはそれで十分ていうことなのかもしれないが。

 しかしガービッツ兄弟のバンドはどれも本当に面白くて自分好みな音が出てくる。もうちょっと洗練されてくれれば…ってしつこい(笑)。そのB級さ加減が良いんだよね。中でもThree Man Armyがキャリア上で一番カッコ良いんじゃないだろうか。Gunはまだまだ発展途上だったり、Baker Gurvitz Aryはジンジャー・ベイカーに気を使ったような部分もあるし、以降はもう…だし(笑)。ブルースベースのハードロックだったり哀愁のメロディを持つギターフレーズが泣ける曲だったり、どのバンドとも似つかないオリジナルなハードロックセンスがそこにはありますな。カッコ良いバンドです、ほんとに。Three Ma Army。

Three Man Army - Two 1974

Three Man Army Two ガーヴィッツ兄弟が最も輝いていた全盛期の作品じゃないかと思うことのあるThree Man Army時代。それも当然ながらドラムにトニー・ニューマンを迎えた頃のが一番好きに重くハードに展開していた時期なんじゃないかな〜とここのところガーヴィッツ兄弟関連を聴いていて思う。この人達も音楽生活豊富だったのでアチコチに参加してクレジットされていたりするので、それを追いかけようとするととんでもないことにはなりそうなので止めているけどね。

 そんなThree Man Armyの傑作とも言われることが多い、バンドとしては三枚目のアルバム、そしてトニー・ニューマンを迎えてからの二枚目、ということで1974年にリリースされた「Three Man Army Two」です。  凄くかっちょよいハードロックです。

 イヤ、ホントに全く重くてハードで展開していて、メロディも割とキャッチーになっていて何で売れなかったんだ?っていうくらいの出来映えを表す傑作。いや、売れなかったってのはわかるんだが(笑)、この頃の英国ロックからしたら売れてもおかしくなかったんだが、やっぱり音楽だけではダメだったんだろうな…と思わせる。今の時代になってから結構再評価されることの多いアルバム、っつうかバンドなのでまだ救われているとは思うけど、とにかくもうゴリゴリで攻めまくるハードロックと美しい叙情的なアコースティックも入れ込まれた傑作。

 エイドリアン・ガーヴィッツさんの才能って凄いんだよね。ちょっと一本調子的なキライはあるけどグイグイと心を鷲掴みにするギターリフが多くて、そのパワーに脱帽〜ってな感じ。そしてこの「Three Man Army Two」ではトニー・ニューマンのドラムもかなり重ためにハマっていて猛烈にかっこよくなってるもん。見せ場もいくつか作られていてこれでセールス面が多少でも巧く行けばバンドとして存続しただろうなぁと思うが、やはり芳しくなかったが故にトニー・ニューマンはデヴィッド・ボウイのバックバンドへと流れていってしまうのだ。まぁ、そのおかげでガーヴィッツ兄弟はドラムにジンジャー・ベイカーを迎えることとなったので、それもまた良しだったんだが…。それでもやはり彼等の歴史の中で一番輝いたのは絶対この「Three Man Army Two」だと思う。

 アルバムタイトルが「Three Man Army Two」なのでややこしくて、結構昔から整理の付かないバンドだったんで今回結構整理した。最初のアルバム「A Third of a Lifetime」はこれも名盤だけど、この時点でバディ・マイルスのバンドにエイドリアン・ガーヴィッツが参加することによりバンドは一端解散…って、そんなんでいいのか?そんなことしてるからハジケ切れないんだろうって思うが…。その合間にベースのポール・ガーヴィッツはヒマなので同じくゲスト参加していたブライアン・パリッシュとアルバムを制作するワケだ。そしてエイドリアン・ガーヴィッツが出戻ってきてやることないのでThree Man Armyをもう一度、って思った時にはドラマーのマイク・ケリーが古巣のスプーキー・トゥースに戻ってしまっていたってことで、トニー・ニューマンの参加となるのだな。そこから快進撃…のハズだったが、結局エイドリアン・ガーヴィッツの恐らく脳天気な性格が災いした結果の立ち位置になってしまった、ってところだ。

 …ただ、この人達との絡みによる人脈図もまた見事でメジャーからマイナーまで、そして英国のハードロック関係まで激しく広がっているので面白い。ムーディ・ブルースのグレアム・エッジとのバンドやオリー・ハルソールからパトゥー、ボクサー、それこそデヴィッド・ボウイなどなどまで…。

 話を戻すが…やっぱり滅茶苦茶かっこよいギターアルバムだ、この「Three Man Army Two」は。そしてジャケットも印象的でかっこよい。うん、久々に何かを思い出した気がする…。

Three Man Army - 3 (2005)

<3 昔さ、ロックを聴き始めてしばらくしてからブルース・ロックって世界が基本ってか、ブルースが基本で、ブルースロックとブルースって違いを分かってなくて、その頃にも色々とブルースロックバンドを探してて、凄くたくさんあるな〜なんて記憶があったんだが、こうしてひたすら垂れ流しでブログを書いたり聴いてたりすると意外と多くもないのかな、なんて思ったりしてね。フリーとかあるんだが、オリジナルアルバムは全部登場してしまっているから一捻り必要で、即座に登場ってワケにもいかないし、かと言ってマイナー過ぎるブルースロックまがいのバンドを聴く気分でもないので何かな〜とかライブラリを漁る。忙しいんだが…。

 結果、Three Man Armyの「3」を手に取ったのだな。録音はコレ1974年前後なんだろうけどリリースは2005年?かな。何でも前作「TWO」の録音時にはアルバム2枚組にするかっつうくらいの楽曲が録音されていたとのことで、未発表作品の位置付け、更にロックオペラの形態を配しているようで、とか色々とありそうだが、そのヘンあまり気にしてない。なんでって…、音聴けば一発でThree Man Armyなサウンドでカッチョ良いんだからいいな、って(笑)。あれ?ブルースロック聞きたかったんじゃなかったっけ?と自分でも思うのだが、この「3」はブルースロックというカテゴライズで括られるものでもなさそうだ。かなりドラマティックで叙情性のあるハードロック基本のサウンドで、大変良い♪まぁ、一方ではともすればAOR?みたいな旋律があったりするのは後々の活動を知っているからであって、メロウなバラードが幾つか入ってるという言い方にとどめておこう。ちょっとね、「Look At The Sun」を聴いてて思ったんだがアルバムの空気感っつうかムードや雰囲気がデヴィッド・ボウイの「Rise & Fall of Ziggy Stardust」によく似た感じかも。退廃的な中での光の差し込み方ってのか、そういう感じが。オープニングからギターがこれでもかっつうくらいにギターらしい生々しい音で左右チャンネルで迫ってきてカッコ良くてさ、オペラ調?なんて思うけどしっかりとドライブしたリズムが入ってきてアルバムをグイグイと聴かせてくれるんで嬉しい。それにしてもエイドリアン・ガーヴィッツの声が良く出てる。ドラムはこの時期なのでトニー・ニューマンのドタバタサウンドでやっぱB級ながらも素晴らしいバンド。発掘音源と言えどもこれだけのクォリティなんだから恐れ入る。「Come To The Party」のキャッチーさ、「Let's Go Get Laid」美しいアコースティックギターの響きからオジー・オズボーンのような歌へと聴かせる部分もかなりよろしい♪

 Three Man Armyの面白さってのは決してメジャーなメロディやリフってのが突出することなくって、バンドの音として楽曲が楽しめるという姿だろう。センスも良いしメンバーだってBaker Gurvitz Armyも含めてそこそこの人脈揃うんだし、凄いんだがどうにもロックの世界では大成しなかったけどさ。それにしてもこの「3」、多分前作「TWO」に続く傑作の一枚なんじゃないか?ちょっとドラマティック過ぎる嫌いはあるけどこういう自然体なロックが必要だ。作りこまれないロック、ってね。

Thunderclap Newman - Hollywood Dream 1970

Hollywood Dream 美しきポップス、それもやはりヒネ度が入ってるポップスってのは好きだなぁ。カンタベリーなんてのはその象徴だったりするんだけど、それ以外にももちろん英国のロックの世界では色々存在している。ELOとかもその一端を担っているだろうし、もしかしたらビートルズだってそうかな。それも棚の中から発掘してしまったサンダークラップ・ニューマンを聴いてしまってから、また面白さにハマった(笑)。

 1970年リリースの唯一のアルバム「Hollywood Dream」、かな?その筋ではザ・フーの「The Who Sell Out」の冒頭の曲「アルメニアの空」の楽曲提供者として有名なスピーディ・キーンが在籍したバンド。他にも実はジミー・マッカロウがいたりするんだろうけどこの人についてはポール・マッカートニー絡みのミュージシャンなのであまりよく知らない(笑)。メンツは以降の英国ロックにはそれなりの功績を残した三人と思ってもらっていいんだろうけど、このバンドの持つ不思議なセンスは何とも形容しがたいなぁ。

 初っ端のシングル「Something in the Air」は当時かなり売れたらしく、それ目当てに入手する人も多かったのだろうが、確かに非常に美しいポップスというかアシッドな雰囲気もあるし、メロディの綺麗さもあるし、それでいてシンプルで…。何よりもスピーディ・キーンの歌声の超ハイトーンっつうか高音域の歌が曲を更に不思議なモノに昇華しているかな。この人ドラマー兼ボーカルっていう役割で結構珍しい。そして曲作りのセンスもあったりするので余計に珍しい。ピート・タウンジェンドが重宝するくらいのセンスの持ち主なのでそりゃそうかと思うが、こういう人ってなかなか商売は上手くいかないもんなんだろうなぁ。以降瞬間的に失速してしまうのが残念。ギターの方はかなりセンス良いシーンをいくつも見せてくれているのでこの後重宝したのもわかる。全体的には音が凄く透き通ったポップな曲ばかりなんだけどどこかドヨ〜ンとした感じがするという正に英国風な楽曲が多い。アコギだったりピアノだったりが良い感じで鳴っててねぇ、どの曲も美しい。ジャケット見ると果たして何歳くらいの人達なんだろ?って不思議感はあるけどさ(笑)。

 今ではボーナストラックがたくさん付いたものが手に入るのでなかなかお得ではある。そして改めて思うのは才能あっても大成しない人達ってのはいるんだなぁと。しかしYouTubeにこの映像あるんだ…凄い…。

Time - Time (1975)

Time 随分昔にアルバム・ジャケットなんかを見て、どこかで見たら聴くか…なんて思ってたアルバムはそれこそ山のようにある。実際に聴けたのはその中の一部だったりするんだけど、今回のTimeもそんな中のひとつ。ジャケット的にソソられるものじゃなくて、何かの解説を見ればイエスとジェントル・ジャイアントの云々…ってのが多くて、そのどちらも不得手な自分からしてみたら後回しになる事必至でして…、CD時代になってからも全然聴いてなかったです。見るのは結構アチコチで見たんでそれなりにCDは出てたんじゃないか?と思ってるけどそうでもないのかな。

 Timeの1975年の唯一作「Time」で、最初に例の「asai collection」では「Spontaneous Combustion」として出てきたので、ん?なんて思ったらYouTubeの投稿者がそう書いてただけで、実際はTimeになってからの音です。ちなみにTimeってのはSpontaneous Combustionってバンドの発展形らしい。このSpontaneous Combustionってバンドのジャケットは見たことあって、聞きたいという欲求に駆られたことがないアルバムなんだが…。話戻してTimeの「Time」ですが…、冒頭曲から順に聴いてってわかることは間違いなく自分は苦手な音だ、ってことです(笑)。歌がジョン・アンダーソン的音もイエス的、そして構築美はジェントル・ジャイアント的って所で、GG的ってのは音の冷たさという部分なので、そこはまぁ良いんだけどとにかくこの歌はダメだ。ピーガブ要素も入ってるし、どっちもアウトでね…。演奏は上手いし、凝ったことやってるからプログレ〜フュージョン系好きな人には受けるんじゃないかな、そういう意味ではマイナーだし、勿体無いと思うバンドのひとつです。

 ん〜、やっぱ生理的にダメなんだな、こういう音。じっくり聴いててもしっかりと聴けないと言うジレンマ。だから聴かないっていう選択肢を選ぶようになっちゃってるんだけど、何度も何度も試すんだよね、一応。TimeにかぎらずイエスやGGやジェネシスもだけど。ただ、やっぱり基本的にロックには熱さを求めるからかな〜、決して熱くないワケじゃないのはわかるんだけど…、ま、いいや。そんな音です。自分の好みは別とすれば、よく出来てるのかもな、とは思います。

Titus Groan - Titus Groan 1970

タイタス・グローン(紙ジャケット仕様) 陰に隠れた良質なロックアルバム選という感じでシリーズを続けているので、決してメジャーではないバンドやアルバムが続々と登場していますが、ホントに聴いてみると色々な発見が一杯詰め込まれていること間違いなしの秀作ばかりです。名盤というには頭ひとつ足りないんだけど、こんな音世界って…面白いかも、とハマれる音ばかりなのですよ。その中でも今となっては割と知られている…ような気がしているだけかもしれないのだが…(笑)。

 1970年リリースのタイタス・グローンというバンドのもちろん唯一の作品「タイタス・グローン」です。Dawnレーベルからの登場でしてね…、60年代の風味を残しつつも思い切り70年代の幕開けに相応しいミクスチュアーなロックを展開してます。ジャズ風味と言われることも多いんだけど、そんなにジャズ風味は感じなくって…、それは多分オーボエという特殊な管楽器をロックに持ち込んでいることに端を発するのではないかと。かといってオーボエがジャズの世界で頻繁に使われていることもないのだけどな…。

 まぁ、そのヘンはともかくですね、重厚な大英帝国を見事に打ち出すかのようなサウンドでして、60年代のキャッチーさを持つポップなメロディとどことなくサイケデリック風味を漂わすようなバンドの音色と雰囲気に管楽器を加えて、テーマと作って曲を展開していく。その中で実はハードなギターだったりピアノだったりと音色を変えて次々と曲が進んでいく…歌は割とソウルフル…というかブルースもしっかりと通った歌声で、メロディだけ取れば実に伸び伸びと心地良い歌だ。それに大して演奏面ではテーマを重要視しつつ各楽器がそれぞれの持ち味を発揮するバランスの取れた演奏。実はこの人達結構な猛者なのではないかと思える節があちこちで聴かれる。

 タイタス・グローンってさ、掴み所のないロックという意味ではジェスロ・タルなんかと同レベルにある作品じゃないかと思うんだけどさ、やっぱりそれを邁進できるかできないか、それとバンドメンバーの取り組みとパフォーマンス…、そういうところが一発限りのバンドと継続的に人気を博したバンドとの違いだろうね、この頃は。演奏力とかテーマとか面白いもん。ベースもしっかりと個性ある音でラインを走っているし、ドラムはかなり好みのドタバタ手数の多い人で、聴いていてロックを楽しめる音。そういうサウンドが散りばめられているだけに広く聴かれていないのが残念。こういう聴きやすい音が広がると英国マイナー系ロックはもっともっと脚光を浴びることだろう…。

 ん?まぁ、もう十分に脚光を浴びているシーンではある?かな(笑)。紙ジャケ出てるしボーナストラックまで発掘されてるし…。ただCD化されるのは時間かかったなぁ…。同じDawnレーベルでもトレイダー・ホーンなんてのはさっさとリリースされてたもんな。

Toe Fat - Toe Fat 1969

Toe Fat 不気味ジャケットシリーズの中でもダントツに誰もが生理的嫌悪感を表すであろうアルバムをひとつ…。それでもヒプノシスのデザインなんだからやっぱり人の記憶に残る作品を創らせれば天下一品という評価に狂いはない。しかし、やっているバンド側からしてみたらそれもどうなのかなぁ…と思う逸品でもあるのは確か。

 1969年リリースのToe Fatによるファーストアルバム「Toe Fat」。見ただけでヤでしょ(笑)?何がって言われてもアレだけど多分生理的嫌悪感っていう一言。ちなみにアメリカ盤はあまりにも不気味だってことで左端の人間が白い犬に置き換えられているんだけど、あまり意味ないね。もう思い切りジャケットを見ただけで音に想像力が回らないという(笑)。中味以前に手に取りたくないっていうジャケットです。

 しかし、その中味はですね…、実はケン・ヘンズレーが鍵盤でもギターでも活躍しているバンドでして、1969年と言われてももうちょっと後になって出てきたような最先端のハードロックンロールを奏でていてですね、相当に洗練されたかっちょよい大英帝国ロックが詰め込まれているのです。全くB級ではなくって思い切りA級の練られたロックが聴けるのでジャケットでの原点度合いはともかく、この手が好きな人は是非聴いてもらいたいね。後のユーラーア・ヒープとかを期待し過ぎるとちょっと異なるけど、その前兆は十分に感じられるくらいの思いハードロックなサウンドです。

 ボーカルでこのバンドのリーダーでもあるクリフ・ベネットの渋い歌声とハードロックがブレンドされて、そこにケン・ヘンズレーの重いセンスがしっかりのしかかってくるという図式。あ、多少のポップさ加減も時流の流れで入ってるけど、邪魔になるようなものじゃなくてメロディラインの覚えやすさっていう意味でアリ。しかしこのギターの粘っこさってのは独特だね、ブルース一辺倒ではないギターなんだけど、このいやらしさはクセになります(笑)。

 そう考えると凄くもったいないジャケットでのマイナスだねぇ…。これでほっと違ったジャケットだったら結構な名盤扱いされていてもおかしくないでしょ。ケン・ヘンズレーだし。まぁ、この一作で脱退してしまったが。バンドはクリフ以外のメンバーを総入れ替えして翌年にセカンドアルバム「Toe Fat II」を発表するけど、それでおしまい。セカンドはもちっとハードロックしてるけどこれもまたジャケットが気持ち悪いのだ…。やっぱセンス悪いのかな(笑)。

Tom Newman - Faerie Symphony 1977

妖精交響曲  妙〜な気分の時にはさすがにロックなどを聴いていないワケで、もちろんプログレなんて言う高尚な音楽を耳にもしたくないし、かと言ってヘヴィメタガンガンに流してってのはちょっと勘弁…、こういう時にマニアってのは色々な音を知っているからコレクションから今の気分に合う音楽を探してくることができるのがちょっと嬉しい(笑)。まぁ、音楽なんぞ聴かなきゃいいのだが、結構イヤな気分の時にそれにハマる音楽を聴くとそれなりに癒されたりすることもあるわけで、あぁ、それこそがヒーリングミュージックっていうものなのだが、何かそういうのを聴くかなぁ…と。で、思い付くものってのはさ、アディエマス?いや〜、ちょっとなぁ〜、ソフトマシーンニュークリアスの流れならともかく、クリムゾン関連の流れではなぁ…と一応気を遣って(笑)、いや、全然考えなかったんだけどさ。

 そんなことで、これがヒーリングミュージックかどうかっつうのはよくわかんないけど、落ち着いたサウンドで、まぁ、聴いているとどんどん沈んで行くような音楽でもあるんだけど、いいかなぁ〜って取り出したのがトム・ニューマンの「妖精交響曲」。1977年リリースのセカンドアルバム。正直云って一般的なロックではありません(笑)。ヒーリングミュージックっつうか…、チェンバートラッドっつうか、正にファンタジー世界を打ち出したような音楽で、まぁ、プログレの部類に入るんだろうけど…、ミニマルミュージックっつうのもあるか。マイク・オールドフィールドの「Tubuler Bells」が近いかもしれない。ホントにね、妖精が語りかけてきてもおかしくないくらいにファンタジーの世界を作ってて、しばらくマジメに聴いてるとそっちの世界に浸れるという代物で、ま、音楽っつうのはそういうの多いんだけど、こんな気分の時でもなきゃ聴かないからさ、こういう静かな世界観を語ってくるものっつうのはね。だから音が繊細なの。iPodとかMP3とかで聴いていては全くわからない繊細な音の煌びやかな世界をホントはアナログの温かみのある音でゆっくりと聴ければ良いんだけど、まぁ、とりあえずオリジナル盤は見当たらないだろうからCDで入手したんだよな。こんな音だとは思わなかった。やっぱステレオできちんと細かい音まで聴きたいアルバムです。ジャケットはね、表面は夜の世界に妖精が腰掛けている美しい絵で、中ジャケには妖精のいない昼間の世界が同じ角度で描かれていて…、こういうのも幻想的で好き。

 ああ、この人、古くはジュライっつうバンドにいた関係でサイケ色もしっかり知ってるし、その後はヴァージンレコードのプロデューサーやったりした人で、こないだやったジェイド・ウォリアーにはそのジュライのメンバーが関わっている関係上、彼も当然関わっていて4枚目以降のジェイド・ウォリアーの繊細で透明感溢れる音は彼の仕事によるもの。その延長線上で発展したのがこの作品で、ドラムのリズムとかギターの旋律とかは一切ありません。どんなんだって?う〜ん、フワフワする音。夢の中に入れる音。そして幻想世界に浸れる音。すなわち現実逃避できる音。故に今の気分にぴったりだった音。

 音楽っていいな。