Paul Rodgers - Cut Loose

Cut Loose  偉大なるボーカリスト、それも今でも現役で全盛期と変わらない声を聴かせてくれる人ってのはそうはいない。まぁ、トムー・ジョーンズとかくらいじゃないか?ってなワケだが、ロック系ではもちろんハイトーンボイスってのは当然陰りが出てくるのでなかなか…、ミック・ジャガーっつうのもある意味全く変わってない人に部類されるのかもしれないが…。

 ポール・ロジャース、1983年リリースの初のソロアルバム「Cut Loose」。この人の歌声は年と共に凄くなってきているっても過言じゃないくらいに素晴らしい。ここ最近は露出する機会も多くて特にクィーンとの合体はこないだも新曲リリースしたりとまだ断続的に活動している様子。一方ではソロ活動でライブやってたり、忙しく働いてます。そんなポール・ロジャースの25年も前になってしまったソロアルバム「Cut Loose」がこないだリマスタリングされてリリースされたようで、まぁ、買い直してはいないんだけどね。そこまでの作品だったかなぁ…と。

 やっぱねぇマルチプレイヤーっつう程のものでもないけど全部自分で演奏しました、っつう作品で真のソロアルバムなんだよね、これ。ドラム叩いてベース弾いて鍵盤も弾いてギターも数本重ねて、もちろん歌って。曲がきっちりと出来上がってないと出来ないワザなんだけど、プライベート録音でしっかり作ったんだろうなぁ。ギターなんてソロも含めてかなりしっかりしたエモーショナルなプレイしていて、悪くない。いや、結構良い。多分使ってるのはストラトなんだろうけど、その枯れ具合が良い味出しててね。さすがにドラムがちょっと弱いんで勿体ないんだけど、バックの演奏ってのはそれなり、かな。ただ、歌は別。やっぱりこの歌を聴かせるためのアルバムだよなと思えるくらいにレベルが異常に高くて素晴らしい。曲そのものもポール・ロジャースだなと思えるものが多くて軽快なハードロックから静かに歌い上げるモノ、ゆとりが見られるモノなどと多様なんだけどやっぱこの人ブルースロック好きなんだな、と(笑)。軽快なロックもお得意だけど音とかそのものずばりだからさ、バドカン路線はやはりこの人の趣味だったんだな。

 ジャケットも力はいってないし、セールスも大してプッシュされなかったし、内容もバドカンやフリーほどのものではないけれどソロアルバムとしてアピールした狭間的な作品。この辺の曲ってライブで聴けるんだろうか?ちなみにこの後ARMSコンサートに出てThe Firmへと、となるのがこの人のここからの通過点♪

Paul Rodgers - Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters

Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters   ポール・ロジャースの1993年、シーンに復帰の名盤「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」。書いてなかったのか、自分?って思ったくらいだけど、このタイトルでは書いてなかったみたい。まぁ、いいや…。当時このアルバムをリリースして久々にシーンに復帰してきたポール・ロジャース、みたいな感じでね、しかもマディ・ウォーターズのカバーアルバムってだけで魅力的だったのに更に豪華ギタリスト陣を迎えてと来たもんだ。好みから興味ないのまで、またブルースに縁遠い人じゃね?ってのから本格派まで、更にそれぞれのギタリストが個性をキチンと打ち出せる技量のある人ばかりで聴いててカラフルで面白かった。

 ポール・ロジャースの歌だって生き生きしてて相変わらずの声だな〜、やっぱスゲェって思ってるとギターも色々鳴るから楽しくて。久々にまた聴いてるけどオープニングのアコースティックブルースからして楽しい。ベックにデイブ・ギルモア、まぁ、ゲイリー・ムーアあたりまではまだ、まだ分かるが、ブライアン・セッツアーやブライアン・メイ、リッチー・サンボラとな…、更にトレバー・ラビンにニール・ショーン…当時はもっとブルースに傾倒したギタリストを揃えれば良かったのになと散々思ったものだし、来日公演はニール・ショーンがギター弾いてたんで殊更にギタリスト替えてくれって思ってたけど、それじゃホントにただのブルースカバーアルバムになっちゃうからこういうクセのあるギタリストばかりを集めてブルース臭くなり過ぎないってのは良かったのかも、って思えるようにはなった。まぁ、一方でコテコテのを聴いてみたい気もするが…。

 曲もすべて知っているメジャーなモノばかりなんだけどアレンジが現代的?ってのか全然違うからシンプルなロックアルバム的に聴こえるのも見事。後で聞けば皆データだかテープだかを送ってそれぞれが録音してきたって事で目の前で録音してた人はいないとか…、そういう時代かとも思ったけど聴く側としては一緒にジャムってる姿を想像するよね。ポール・ロジャースとジェフ・ベックが一緒に演奏してるなんてワクワクしたもんだ。確かスラッシュは普通に入ってたギターパートも全部自分で置き換えて録音して返してきたとか書いてあった。結構聴いたアルバムのひとつで良い作品だと思う。後で英国盤か何かでの2CD盤ってのが出てさ、そいつにはフリーのカバーとか入ってて失敗したな〜って思った記憶があるな。

Paul Rodgers - Now

Now 1993年の「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」で派手にシーンに返り咲き、以来それまでのフーテン状態から一気にビジネスマンと化してセッションやアルバム制作にライブ活動とここぞとばかりに働いてくれた人、Paul Rodgers。丁度時代はロック壊滅期とも言える90年代だったが、そんなことはなんのそのとばかりに独自の活動を繰り広げてくれました。「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」が好評だったし、往年の歌声復活ってのもあってファン側もきちんと認識して聞いていたし喜ばしかったもんね。

 そんなPaul Rodgersがカバーアルバムじゃなくてオリジナルアルバムとしては実は二枚目となる「Now」がリリースされたのが1997年。もっともソロアルバムって意味だけどさ。しかもタイトルが「Now」ってのは、この頃最も自分が充実しているってことを自覚していたらしく、今の自分を聞いてくれ、って意味で「Now」としたらしい。それに加えて、自信あふれる証明であるかのように「本作はライブ録音してます」と書かれているんだよ。つまりオーヴァーダビングを重ねたり音を修正したりしたスタジオアルバムではなくて、バンドのメンバーとせ~の、とライブで録音したってこと。もっともある程度被せた音はあるような感じだが、基本はライブ録音。だからものすごく一体感があって勢いも感じられる「Now」って意気込み。

 確かに凄い充実度だもん、聞いてみるとわかるけど、多分売れなかったのは、ってかイマイチ認知されないのは楽曲のインパクトのなさか。もうちょっとフックの効いた曲があるとよかったんだが、概ねPaul Rodgersの曲ってのは英国然とした説得力のある曲が多いので、キャッチーでフックの効いた曲と言うのは多くはないんだよ。それがモロにアルバムにも現れてしまっていて、もともとポップな曲を歌う人じゃないから本気でやると余計にこういうニッチな音になっちゃうのかもしれん。その代わり、歌がもの凄い本気度を聴ける熱唱ぶりなので聴けば驚くし、さすが、と唸る。初めて聴く人ならなんだこりゃ?ってなるのは間違いない。曲そのものは良作が揃ってて、かなりハイクォリティなんだけど、フックの問題だけ。レベルは凄く高いと思うもん。

 そしてバンドメンバーも今でも続けている面々もいるので、実はこっちの方が長いんだな。それくらい信頼できるメンバーになっている最初の頃の音なので興味深い。しかし歌上手いなぁ、ほんとに。BGMにしては聴いてしまうし、本気で聴くにはやや物足りないフック、困った作品だ(笑)。

Paul Rodgers - The Royal Sessions

ザ・ロイアル・セッションズ[CD+DVD]  まともな世界って何?って思うこと、増えてます(笑)。ロックを聴くってのはそういうの裏切らないから良いね。出てくる音とかが自分にとって心地良いかどうか、カッコ良いと思えるかどうかだけだからさ。そこには売るための手段だったりミュージシャンの思想だったりがあるのかもしれないけど、そういうの抜きにして出てくるものだけで感じられるから、それはウソじゃない。少なくとも自分にとって。世の中そんなに単純じゃないけどさ、ピュアに感じる感性ってのを失くしたくはないもんね。だから今でもロック聴いてるし、それで泣けることもあるワケだ。久々に泣けたアルバム…しかも新作です。

 ポール・ロジャースのソウルミュージシャン中心のカバー集「The Royal Sessions」、タイトル通り、確かロイヤルスタジオが倒産するとかしないとかの危機で、何か力を貸せないかっていう事で、実現したこの「The Royal Sessions」というアルバム、自分もソウル系は全然詳しくないのでわからないけど、オーティスとかそのヘンのバックで演奏していた布陣がそのまま、もっと言えばオリジナルを録音した時のミュージシャンがそのままポール・ロジャースのバックで同じ曲の演奏をしているのもあるようで、もちろんロイヤルスタジオでの録音。メンフィスでの録音とは思えない音の質感ではあるけど、それは多分ポール・ロジャースだからだろうか、垢抜けない湿っぽさがある。

 自分がオリジナルを知っている、少なくともパッと聴いて知ってるのは数曲しかなくてほとんどここで初めて聴くようなものばかりなので、自分にとってはほぼ新作。ただ、演奏はオリジナルに近いようで、ものすごくそっけなくシンプルで、あの時代のままの音なんじゃないかな…、しかも生々しくて凝ってないし、心地良い音ばかり。そこに「ザ・ボイス」の異名を取るポール・ロジャースが歌うワケだからどの曲も素晴らしい出来になっているのは至極当然。ブルースとソウルとビートルズがポール・ロジャースの基本なのだから収録されている曲は多分どれもお手の物だったハズで、大いに楽しんで歌っていたんだろうと想像できちゃう。それがジャケットの良い表情に表れているしね。そんなことを想像しながら聴いてるとさ、ホント、もう凄いんだよ。こんだけ歌えるとムダな装飾なんて全く要らないし、良い曲は良い曲としてすんなり伝わってくる。「I've Been Loving You」とか「Walk On Down」とか泣けちゃったもん。他の曲でもきちんとソウルのテイストまで当たり前だけど血肉にしているポール・ロジャースならではの歌唱力が見事。

 こんなのばっか出してくるとロッド・スチュワートみたいになっちゃうけどさ、それでも良いんだよなぁ、この人の場合はさ。ロックのカバーにしてもブルースにしてもソウルにしてもどんどん出してほしい。これまでブルースとジミヘンは出してるしクイーンもやってるし、後は何だろうなぁ〜、ビートルズなんかはやらないでほしいが…楽しみだな。まずはコイツ「The Royal Sessions」をBGM的に楽しみ、また時々音を上げて楽しむ、かな。ここのトコロの新作では圧倒的にダントツ。

Paul Rodgers - Live In Glasgow

Live in Glasgow  しかしとにかく元気な人だ。60年代からロックシーンに登場してきて今でもバリバリに現役でしかもまだまだ全盛期と言わんばかりのその声量と歌の巧さと言ったら他のジジイロック連中とは比べモノにならないくらいの現役度なのだ。そして活動の幅も広がる一方でファンを魅了して止まない最高の歌い手の一人と言えるポール・ロジャース。ついこないだにはクィーンとの合体というセンセーショナルな話題と共に来日公演を果たし、しかもそれがフレディ・マーキュリーを完全に塗り替えてしまうくらいのパワーで迫ってくるという圧倒的存在感によってクィーンの曲をクィーンのメンバーをバックに従えたポール・ロジャースのソロライブという図式にしてしまったし、かと思えばその後すぐにサマーソニックに単独で来日し、今度は自身のキャリア総括的な、しかも今まであまりライブでは聴かれなかった曲を率先して選曲したかのようなチョイスでライブを果たし、その模様はスカパーで放送されたので見れた人も多いだろうし、何も期待せずに見ていた自分的にはかなり驚いた次第だ。なんせファームの曲まで持ってくるとは思わなかったもんなぁ。

 そんなポール・ロジャースがそのライブの延長か、最新作では2006年にグラスゴーで行われたライブアルバム「Live in Glasgow」をリリースした。もうじきDVDもリリースされるみたいなのでそれも気になるんだけど、まずは音を聴いてみたのだ。う〜む、やっぱり相変わらずっつうか、凄いよなぁ、この歌の巧さと声量と迫力は。しかもライブで歌われた曲目を見てもらうとわかるんだけど、正に往年の名曲のオンパレードでサマソニ公演での意外性ほどではないけど万遍なく網羅してる…っつうかもう一度フリーというバンドにスポットを当てているような感じだよね。バドカンからの曲は恒例とも言えるけど、フリーの曲をここまで歌うのってそうそうなかったような気がするもん。まぁ、名作「マディ・ウォーター・ブルーズ」アルバム以降の十数年間のライブはあまりよく知らないので実際はどうだったのかわかんないけど、ここで聴けるのは正に一人フリー状態。しかも全盛期よりも歌に磨きが掛かっているのでもの凄くこなれているんだよね。

 ただまぁ、音的な違和感としては最先端のギターの歪んだ音なのでやっぱり最近のハードロックみたいな音が鳴ってるのがニール・ショーンと一緒にやってる時なんかもそうだけどかなり耳についてしまうんだよね。しょうがないけどさ。もうちょっとフリーマニアなギタリストとかベーシストを集めてプレイすればいいのになぁと思ってしまう。まぁ、あの個性を再現できないことが分かっている時点でまったく新しいアプローチで曲を復活させるというのも分かるんだけどさ、ファンってのはわがままだよなぁ(笑)。しかしこのライブ盤、今のポール・ロジャースの歌が完全に詰め込まれたもので最後まで声を枯らすこともなく完璧に仕上がっている見事なアルバムで、素晴らしいな。今後も色々な試みに挑戦してもらいたいなぁ。

Paul Rodgers - The Hendrix Set

The Hendrix Set  アルバム「マディ・ウォーター・ブルーズ」ではありとあらゆるギタリスト陣をゲストに迎えて思い切りハジけたブルースアルバムを制作したおかげで、見事に大ヒット。第一線のパフォーマーとして再度浮上して見事に再起したポール・ロジャース。その勢いでライブビデオは出すわ、丁度ジミ・ヘンドリックスのカバーなんてのも企画であったもんだから、ライブでもジミヘンの曲をカバーしまくっていたってこともあってそれだけをまとめたライブアルバムをリリース。もちろんレコード会社の意向によるものだとは思うけどね。

 1993年の7月4日の米国度率記念日に行われたライブから集められた「The Hendrix Set」で、アルバムリリースも同年なので速攻リリースだったんだな。この年の秋頃には日本に来てライブを繰り広げてくれた…、のを中野サンプラザまで見に行ったなぁ…。ポール・ロジャースは渋くてかっこよかったんだが、ギターにニール・ショーンを連れてきたもんだからもうダメ(笑)。ああいう音ってのはちょっと受け付けないんだよな…とギターを耳から切り離して聞くようにしてたんだけど、やっぱ習性からかそういうワケにもいかず、いまいちノリ切れなかったライブだった。

 さて、この「The Hendrix Set」というライブアルバムも基本的に同じ面子のライブなので、ニール・ショーン…だ。ん〜、やっぱりダメだ…。しかし、しかしポール・ロジャースが思い切りハジけて歌っているので、現代に甦ったロックとして聞けばかなりノリの良い曲ばかり収録されているライブアルバム。「Purple Haze」は何となく…、でも次の「Stone Free」はポール・ロジャース節全開のかっこよさが出ているから良い。こういうシャープな曲でも彼のボーカルは生きるのだ…って今まであんまりこういう曲でポール・ロジャースの歌って聴いたことないからちょっとビックリ。イケるじゃないですか。んで次は名曲「Little Wing」。ジミの同曲ではボーカルが弱かったんで、ここでポール・ロジャースが天下一品の歌声で歌い直してくれたのは非常に嬉しい。ギターの音色はちょっと気になるんだが、まぁ、それはそれとしてフレーズはかなりなぞったコピーをしてくれているので許せる範囲内でしょう。歌を大事にしたカバーってのが分かるからさ。しかも最後の方には「Angel」の一説まで歌ってくれるし…、好きなんだねぇ、ってのが分かって嬉しくなる。そんでもって忙しい「Manic Depression」。これはもうジミに成り切ってるポール・ロジャースがここにいて、同じく成り切ってるニール・ショーンもいるってトコでしょう。唸ってる…、凄いわ、この演奏。同じように凄いのを聴かせてくれるのが「Foxy Lady」。ポール・ロジャースも楽しかっただろうなぁ…、この頃は。それでこんだけ歌えたらもっと楽しいだろう…。

 結局ロックの好きな人なんだな、というのがとことん伝わってくるライブアルバムなので、文句は言えない。なんか違うんだけど、やっぱ凄いってことに変わりはないしさ。これでまた一目置かれる存在になったろうし。その後ソロでやってクイーンとの合体だもんな。全くロック界でここまで何でも歌いこなせる人もいないわけだから、やっぱ貴重な存在でしょ。

 同じようにライブばかりを集めた「クロニクル」ってのがあって、こっちはフリーやバドカンのセルフカバーも入ってるから別の意味で楽しめる日本編集盤です。

Paul Rodgers - Live/The Loreley Tapes

Live/the Loreley Tapes  Tin Machine以降しばらくBowieとの仕事でその才能を発揮しまくっていた先鋭ギタリストのReeves Gabrelsだったが、Bowieの活動もそれなりに間が空いていたこともあってか、驚くところで発見してしまったことがあったんだな。うん。Paul Rodgersのツアーでのギタリストとして参加してたんだよ、1994年頃。前年には「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」をリリースしてツアーも重ねていて、ツアーは1993年の日本公演まではニール・ショーンがギターを弾いていたハズなんだよな。んで、1995年頃になるとGeoff Whitehornという人がコレも結構長期に渡って…ってか今もか?弾いてるんで、ちょうどその隙間の瞬間にだけリーブス・ガブレルスがギターを弾いていたようだ。ブルースという面からは結構離れている気がするリーブス・ガブレルスのギターだけど、まぁ、それもありか。

 ってことで、と書きたいトコロだけど普通のライブアルバムとかじゃ出てなくてさ、自分が見たのも1994年のケルンかどこかのライブ映像で、YouTubeにもあると思うけど、ドラムがJason Bonhamでね。そのメンツでのレコーディング作品って多分「クロニクル」に入ってる「Bad Company」とかくらいしかなくて、結局普通にレコーディングはしてないんじゃないかな。普通にってのはオリジナルアルバムでは、って意味だけど。なので、しょうがないあまり耳にしないポール・ロジャースのライブ盤「Live/the Loreley Tapes」でも聴いておくか、と(笑)。これは翌年の1995年のローレライフェスティバルの模様をいち早く抑えたアルバムで、このコロまた仕事をドンドンと始めていったポール・ロジャースの怒涛の何でもリリース作品の一部でさ、ジャケットとかもうちょっと考えてくれよとか思うのだが、もしかしたら版権曖昧なままの本人が絡まないリリースだったのかもしれない。ま、それもないか。

 しかしまぁ「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」アルバムリリースから自身の最活動としてのライブに変化してっているので来これまでのキャリア総括します的ライブになっているのがこの頃からのパフォーマンス。今に到るまでもう15年くらいそんなライブをやってるけど、全然声も衰えないし、それどころか更に上手くなってるんだから凄い。天性の才能を持った人なんだな。バックの音が誰であろうともポール・ロジャースとしての歌声をしっかりと聴かせてくれるし、また歌ってくれる曲が古いファンには馴染み深いものばっかりだからねぇ…。やっぱ引きこまれますよ、この世界は。相変わらずの健在ぶりをライブ盤でも発揮してくれて、しかも来日公演もあったからさ、嬉しいよね。そんなことを思い出しながら聴いてました「Live/the Loreley Tapes」。

 ちょいと前からアマゾンで見かけていた「Extended Versions」っつうCDがあるんだけど、これがもう詐欺まがいの代物で、「Live/the Loreley Tapes」から抜粋して曲順を変えただけのものらしくて、タイトルがしっかりと「Extended Versions」になってるのに実際は3曲も減ってるっつうものなので真のコレクター以外には用無しCDだろう。そしてまた新しいライブ作品がリリースされるらしいのでそれもチェック♪

Paul Rodgers - Live In Japan 1993

 「ザ・ボイス」と異名を取る英国ロック界最高のボーカリスト、ポール・ロジャース。1975年のバドカンでの来日公演以来かなり縁遠になっていたのだが、ある時、それは1993年だったんだけど、唐突にシーンに殴り込みをかけてきたアルバム「マディ・ウォーター・ブルーズ」。歌はもちろんポール・ロジャースなんだけど、その脇を固めるギタリストに蒼々たるメンツを揃えて気合いの一発、そして尊敬の念を込めてリリースしたワケだが、それが認められないハズがない。案の定玄人ウケして、一気にツアーに出るぞ、ってことで18年ぶりに日本でのライブとなった。

 うん、もうね、見れるとは思わなかったから驚喜してチケット取って中野サンプラザまで行ったよ。1993年9月の話。連れてきたギタリストがニール・ショーンっつうのがちょっと頂けなかったんだが、ロジャースの歌声はやっぱり素晴らしくって。新作アルバムの曲ももちろんやるんだけど、それおりもバドカンやフリーの曲もビシバシやってくれて、まさかなぁ、本当に本人の歌声で生で聴けるとは夢想だにしなかったもんだから嬉しかった〜。ドラムのリズムもベースもギターも全然ダメだけど、フリーだよ〜ってね。いやぁ、ニール・ショーンのギターがとにかく全くマッチしてなくて自分的には全然ダメ。ブルースのかけらも感じられない流暢なプレイで、さすがスタジオミュージシャンだな、って感じ。しかしそれを補って余りあるロジャース。うん。

 確か、「夜明けの刑事」の主題歌を一瞬歌って盛り上がっていたシーンもあったな…、えらくマニアックな話題なんだけど、あれってロジャース作品なんだもん。それを知ってるファンが来ていたってのは凄いことだよ。そう言えば会場の年齢層はやたらと高かったっけ。しかしあの「マディ・ウォーター・ブルーズ」ってアルバムさ、英国だと限定版でフリーとかの曲をセルフカバーしたボーナスディスクが付いたモノがリリースされててさ、一回だけ見かけたんだけど買わなくて、それ以来一度も見てない。聴いてみたいような…。うん、ドラムはジェイソン・ボーナムだったので結構良さ気かなぁと。

Paul Rodgers - The Strat Pack

Strat Pack: Live in Concert (Dol Dts) [Blu-ray] [Import]  未だ冷めやらぬ昨日のクイーン+ポールのライブですが、おかげでその原点のDVDをまた見てしまいました。「ストラト・パック」というDVDなんですが、残念ながら日本盤は今のところ発売予定なし、多分難しいだろうなと思いますが。ブライアンとポールは91年頃からイベントで一緒になる機会があって、その最初は多分スベリアエキスポ1992の一大音楽祭典時ですね。ブライアンが音楽監修をしていて、ポールも参加したのがきっかけ。んで、ポールが例の「マディ・ウォーター・ブルーズ」アルバムでブライアンを呼んで共演、以後ポールのライブで飛び入り的に何度もブライアンが参加してたんですねぇ。で、このストラトキャスター生誕50周年記念のイベントで再度ブライアンと共演したのが火付け役で、その後の「British Rock'n Roll Hall of Fame」一周年記念の時に初めてポールがクイーンの曲を歌ったワケだ。

 で、この「ストラト・パック」っつうDVDで更に微笑ましいのは、ポールと例の日本人の奥様マチさんとの間にできた子供さん、娘さんと息子がいるんだけど、彼らは一緒に「BOA」っつうバンドを組んでいて、本国イギリスではアルバム一枚をリリースしているらしいけど、この辺はiTunes Music StoreのUKサイトで聴けますが、日本ではなぜかアニメのタイトルソングだけでデビューしてます。娘のジャスミンさんが歌で、息子さんが作曲等ですか。で、この「ストラト・パック」っつうDVDではポールが娘と息子と一緒に歌って演奏している微笑ましいシーンが見れるんですねぇ。後のポールの感想では、「子供達と一緒に演るなんて、子供達より自分が緊張しちゃって大変だったよ」とのこと。ミュージシャンもファンも一緒に育って一緒に分かち合う、そんな想いがロックで伝わってくるっていいですよね。やっぱりロックンロールさっ!

The Law - The Law

The Law  英国ロックの歴史の流れは面白い人脈を拾うことがあるし、年を重ねるに連れてそのハプニング的人脈も広がるというのもこれまた楽しい。スモール・フェイセスからフェイセス、更にザ・フーのドラマーとまでなったケニー・ジョーンズがザ・フー解散後しばらく放浪した後に組んだバンドのパートナーはなんとポール・ロジャース。ポール・ロジャースの方はバドカンからソロ、そしてジミー・ペイジとのスーパーバンド、ザ・ファームを解散した後の合流ということで、何とも様々な人脈交流が行われたものだ。

 1991年リリースの唯一の作品「The Law」。思いのほか売れることがなく、また積極的な宣伝活動もなかったが故の商業的失敗が大きく足を引っ張ったのか、アルバム一枚で解体。ちなみにこのバンド、っつうかCDでは詳細クレジットが全然書かれていなくて、ギターとかベースとかは一体誰が弾いてるんだ?っつうのが気になってしょうがなかったんだよ、当時。なんとなく伝え漏れてきたのは、ブライアン・アダムスが参加してる、とかクリス・レアもギター弾いてる、ってことくらい。だからってもまぁブライアン・アダムスが「Nature Of The Beast」に参加してるってのはまだわかるとして、他はどうなんだよ?って。んで他は?ってのを気にしてたんだが、そこまで追求することもなく時は流れ…。

 しかしあれやこれやとポール・ロジャース好きだし、何かとこのThe Lawというバンドの存在が引っ掛かってきたこともあって、ネットが出てきた頃に調べたんだよね。そしたらやっとわかった…っつうか驚いたんだが、「Stone」っつう曲でデヴィッド・ギルモアとクリス・レアの二人とも参加してうってことらしい。ん〜?って感じだけどさ、まぁ、この辺の人達ならこういうAOR的な大人のサウンドもこなしちゃうか…と妙に納得したんだが、そうなんです、全くブルースとは離れた、えらく心地良いとも云える爽やかなAORでして…、ホントかよ〜ってな音です。が、ポール・ロジャースの歌声は曲がどうであろうと健在。それだけが救い。

 ちなみにケニー・ジョーンズがザ・フー上がりだとしたらここでベースを弾いているピノ・パラディーノは現在のザ・フーのベーシスト…。妙な因縁ではあるが、そんなこと誰も予想してなかった事態です。それからピアノとギターは基本的にポール・ロジャースが自分で演奏しているとのことで、イマイチ地味に終わったプロジェクトでした。しっかりとこないだリマスター作品リリースされてたけど。

The Firm - The Firm

The Firm  ツェッペリン解散後、最初に動いたのはやはりボーカリストでもあったロバート・プラントで、第一作目のソロアルバムはかなりの好評を博して日本公演も実現したというツェッペリン解散は哀しいけれど、プラントが見れたということで嬉し泣きしたファンは多かったはず。もっともその前にハニードリッパーズという覆面バンドでシングルが大ヒットするという出来事もあって、まだまだツェッペリンメンバーのソロ活動は安泰という趣も見られたが御大ジミー・ペイジに至ってはなかなかパッとした動きが見られず、先のハニードリッパーズにゲスト参加したり、ロニー・レインの救済のためのARMSコンサートに出演したり、映画「Death Wish」のサントラに曲を提供したりと何となくの活動程度で、ファンはまったくやきもきしていたトコロへ舞い込んだのが「ポール・ロジャースとバンドを組んだ」と言うものだ。

 ポール・ロジャースもソロ活動で多少やきもきしていた人の一人で、丁度ARMSコンサートでジミー・ペイジと共演したことからやるか、ってことになったらしい。元々バドカンの時はツェッペリンのスワンソングレーベルからレコードを出していたりペイジもバドカンのライブにゲスト出演したりしていたので古い付き合いだったのもあったみたいだが。

 さて、そんな事で出来上がったバンドがThe Firm。別に悪くはないんだけど、基本的にポール・ロジャースが作り溜めていた曲をバンドでやったと言うような出来映えでジミー・ペイジのあの強烈な作曲センスは目立っていない。この頃ジミー・ペイジはツェッペリン時代と同じような作曲方法でバンドに望むのを止めていたので、どうしてもこういう出来になってしまったとか…。またはかなりドラッグに溺れていたジミー・ペイジを救うためにポール・ロジャースが手を差し伸べていたのでポールの曲ばかりになったとか。

 ま、それでも、だ。シングル「Satisfaction Guaranteee」や「Radio Active」なんてのはそれなりにヒットしたし、プロモビデオではテレキャスを低く構えてバイオリン奏法をしゃれで弾いている姿を見れてね、これがまたかっこよかったんだな。アルバムはかなりポール色が強くてジミー・ペイジ節は炸裂してこないけどさ。ところが一枚で終わらずにツアーをして二枚目「Mean Business」まで制作したんだよな、このバンド。何となく新たなことにトライしようとしていたジミー・ペイジだけど、ポール・ロジャースという強烈なマルチプレイヤー/ライターと組むのはしんどかったみたいだな。多分人が良いので自分のエゴだけで進めることはなかったんじゃないかなぁなどと勝手な推測。

The Firm - Mean Business

Mean Business  有名バンドのフロントマン同士がバンドを組むとスーパーバンドと呼ばれて異常なまでの期待が掛けられることもしばしば。先日のベックとクラプトンみたいなセッションならまだしも、それがバンドとなると出来映えも当然ながらフレーズや曲の良し悪しやなんやかんやと全てに至るところでマニアから一般ファンまでチェックされてしまい、なかなか新しい方向で指向性をきちんと打ち出せるということは難しいようだ。ということがその時にはなかなかわからずに受け入れられないケースが多く「失敗」と言われるんだろう。

The Firm - The FirmThe Firm

 ポール・ロジャースとジミー・ペイジの合体バンド、ザ・ファームもそうしたバンドのひとつ…、というかさ、ジミー・ペイジの場合は誰と組んでもスーパーユニットとかスーパーバンドとか言われるんだからもうしょうがないだろうと思うのだが…、それ毎に作品の傾向を替えたり作曲の仕方を変えたり音色を変えたりして新しい試みに常にチャレンジする人なのだが、聴いている側がどうしてもZeppelinをイメージしてしまうので、上手くいかない。このザ・ファームもそういうイメージで見られていたにもかかわらず、ファーストアルバム「The Firm」リリース後にツアーに出て、更にセカンドアルバム「Mean Business」まで制作してツアーに出ているのだ。それなりに力の入ったバンド活動だったし、今改めて音を聴いてみるとやっぱりジミー・ペイジらしいギターのセンスと作曲のセンスがそこかしこに散りばめられているではないか。もちろん融合作なのでポール・ロジャースの作曲分も入っているんだけど、それもジミー・ペイジの味付けがしてあって、悪くはないと思う。ただ、キャッチーな曲というかインパクトの強い楽曲なりリフなりっつうのがないから全体の印象が薄くなっている。その辺がちょっと打ち出しきれなかったところかと。

 最初の「Fortune Hunter」のギターからしてもやっぱりジミー・ペイジらしいヘンさを持ったリフなんだよね。ポール・ロジャース作の「Live in Peace」なんかのギターソロもかなり弾き倒しているし、きちんとギタリストしたジミー・ペイジってのを聴ける。そこにベースのトニー・フランクリンの意地と個性、更にクリス・スレイドのドラムが重なってきて、バンドらしいサウンドになってるしさ。ホント、曲も悪くないけどウケる曲がなかったってのが問題。聴き込むくらいの魅力を放っていないのもあるけどさ。ギターの音色がね、全編コーラスみたいなのがかかった音になってて、好みではないから、ってのはあるけど、それもまぁ、ザ・ファームというバンドの音の色だってことで聴けばいいのか、と。ポール・ロジャースの歌声だって、それまでのフリーやバドカンや以降のソロでの歌とは大きく異なっていて、もっとハードロック的に歌っているから本来のソウルフルなボイスを生かし切れていないってのはある。お互い新しいことをやる領域に入っていて、それはそれでよかったんだろうけどね。

 「Dreaming」のギターソロのフレーズとか思い切りジミー・ペイジだしさ、もうひとつふたつヒネってサビをキャッチーに持ってくるとかすれば良かったのになぁ。80年代半ばのロックの音にしてはかなり異質なのは当然として、前作「The Firm」よりも充実したアルバムには仕上がっているように思うけど。やっぱ新人バンドのセカンドとして聴けばかなり良いんじゃない?

 これ以降ポール・ロジャースとジミー・ペイジが一緒にプレイしたのが一度もなくって勿体ない。ポール・ロジャースの「マディ・ウォーター・ブルーズ」でもジミー・ペイジには参加してもらいたかったらしいけど、実現しなかったしね。

Queen + Paul Rodgers - Return of The Champions

Return of the Champions [DVD] [Import]  行ってきましたっ!クイーン+ポール・ロジャース来日公演初日のライブっ!CD「リターン・トゥ・ザ・チャンピオン」とほぼ同様の曲順で進められたライブでしたが、日本公演独自のセットリストも組み込まれてました。そう、もちろん恒例「手を取り合って」です(アルバム「華麗なるレース」収録曲でクイーンが日本語で「手を取り合って、愛する人よ、静かな宵に光を灯し、愛しき教えを抱き」と歌っている)。ポールは最後の最後しか歌いませんでしたが、、、とは言え、ポールの日本語MCは正に日本人の日本語としか聞こえないくらい流暢なものでした。大ウケ。「こんばんわっ」「みんな元気ですかっ」(フレデイだと「コンバンワーッ、イカガデスカーッ」なんだけどね)。さすがにポールは奥様が日本人だっただけあります。

 で、日本に縁の深いポールのおかげで昔のフリーやバッド・カンパニーも人気があったのですが、そのせいかヨーロッパ公演ではどんどん曲が削られていったポールの曲が全て復活してました。「バッド・カンパニー」の「バッド・カンパニー」をピアノで弾き始めた時驚きましたもん。他にも「Can't Get Enough」「Feel Like Makin' Love」「Wishing Well」(フリーの「ハートブレイカー」収録)や、もちろん「All Right Now」などなど、冒頭の「Reachin' Out」も入れると結構ポールの曲をやってくれました。クイーンの曲に比べると客のテンションが落ちてるのもわかるのですが、逆にリアルタイマーなファン達は涙流してましたね。

 それとは別にブライアン&ロジャーでのクイーンを懐かしむコーナーみたいなのがあって、通常のセットリストにも組み込まれているのですが、恒例の「Love Of My Life」(「オペラ座の夜」収録、11/23にデラックス・エディションが発売されるので期待期待♪)ではファン大合唱で涙チョチョ切れます。会場で歌うと初めて分かるあの感動、是非是非って感じ。それと驚きの一幕はブライアン&ロジャーでなんと初めて演奏したらしいのだが、「メイド・イン・ヘブン」にも収録された元々はフレディのソロアルバム「Mr.Bad Guy」に収録されてノエビア化粧品のCMで使われた「I Was Born To Love You」(今では「フレディ・ベスト」で聴ける)をやってしまった。ブライアンって12弦のアコギプレイが結構巧くて曲の雰囲気もしっかり出ているから凄いよね、さすがプロ。

 しっかし、ポールは歌が上手い。フレディの歌こそクイーンなんだけど、ポールが歌っても上手いから不思議に思わないんだからさ。しかし、ポールの曲はやはり純なブリティッシュロックだなぁと痛感するが、クイーンのはもっと垢抜けていて品がある感じ。ブライアンのギターにしてもどこかピンク・フロイド的な音空間を作り出す雰囲気はイギリスなんだけど、それを昇華させて泥臭さをなくしているんだろうなぁ。やっぱりポールは自分の曲の方が圧倒的に歌うスペースがあって声も出しやすそう。クイーンの曲ではちょっと音が詰まっているのでポールのモタつかせ気味な歌は忙しくなりすぎるのかな。フレディはその細かさを無視した上の音で歌っているからよかったんだろうね。だから、「We Are The Champion」のサビ前までの歌を聴かせるパートなんぞは素晴らしいもんな。ま、どれも凄いから後でチマチマと言ったところで関係ないんだけどね(笑)。

 で、この感動を忘れないウチに今日発売されたDVDを早速ゲットしなければってことでさっきアマゾンで買ってしまいました。右枠からどーぞ。絶対見るべしって感じでしょう。あ〜、クイーンって良い曲いっぱいあるなぁ。フリーもバドカンも、、、またハマりそう。 ポールもいいよ〜。もちろんフレディが最高だけどさぁ、「ボヘミアン・ラプソディ」はフレデイが歌ってくれるので涙涙涙でした。それと、「The Show Must Go On」ではバックのスクリーンにあの、最後の聞こえない声でフレディがつぶやく映像が流されて、、、、涙しました。「Still love you」ですね。


Return of the Champions Queenのアルバムが様々なボーナストラックを付けてまたしてもリリースされたようだ。デラックス・エディションってことでかなりのボリュームになっているし美味しい楽曲がいっぱい入っているので買い直しのお薦めもしたいんだけどね、どれもこれも集めているというQueenコレクターにはあまり用がないコンテンツらしい。まぁ、コレクターってのはそんなもんだ。自分的にはどうか?う~ん、まぁ聴いてみたいけど結局昔から聴き慣れたものを一番聴くってことに変わりはないので、やっぱりおまけでしかないんだよな。もちろん聴ければ嬉しいし感動するのもあるだろうけどね。はい、素直にどこかで聴いてみますよ。それで面白けりゃまたここに登場するって感じですかね。

 さてさて、そんなことが気になったんだけど、そこからどういうワケかQueen+Paul Rodgersの最初のアルバム「Return of the Champions」を取り上げてみました。思えばこのブログを始めてすぐくらいにQueen+Paul Rodgersの日本公演に行ってて、ライブの感想ってのは取り上げていたんだけどアルバムとしては取り上げていなかったという自分の隙間を見つけてしまったんで(笑)。2005年だから、もう6年近く前になってしまうんだな。丁度本田美奈子さんが亡くなった頃だったような…。時の流れは早いです。

 2005年に話題になりまくりのとってもホットなジョイントで世間を賑わせたし、思いの外このジョイントの完成度の高さに驚いて感動したものだ。最初は一体どんな風になるんだ?と思ったし、Paul Rodgersが歌うQueenなんて想像できなかったしさ。ところが冷静にこの配役を見れば、Paul RodgersとFreddie Mercuryの共通点:ピアノもギターも弾くボーカリストというありそうでない項目があったのだ。なるほど適任かも。そして歌の上手さはもう定評があるし今でも更に上手くなっているんじゃないかっつうくらいのボーカリストだし。

 そんな期待を旨に抱いて聴いたんだな、ってかDVDの「Return of the Champion」を見たんだな。驚いた。最初は静かに始まって、Queenでも往年のスタート曲だった「Tie Your Mother Down」で幕を開ける。思い切りR&Rチューンだから問題なくPaul Rodgersもハマる。この辺からマジックが始まってしまって違和感なくこのジョイントを通して楽しめてしまうんだな。声が出ないとかかすれるとかそういうのはなくって見事に歌い上げているからさ、凄いなあ~ってしか思わなかったもん。どっちかっつうとQueenのカバーを中心にQueenのメンバーを入れたソロプロジェクトじゃないかっつうくらいの均衡を保った作品。

 いいね。賛否両論あるだろうけど、自分は「Return of the Champions」好きだね。Free+Bad Company+Queenなんて嬉しい合体じゃないですか。ブライアン・メイもハードロック大好きだしね。存分に楽しめる奇跡の合体。

Qeen + Paul Rodgers - The Cosmos Rocks

The Cosmos Rocks  クイーンというバンド名のもたらす効果は非常に大きなモノだ。それを本人達もしっかりと知っているところが憎い。ポール・ロジャースを迎えてQueen + Paul Rodgers としてニューアルバムをレコーディングしているというニュースは知っていたものの実際に録音されたアルバムがこうして形に出てくるとどこか複雑な気持ちが生じるのはなぜだろう? このレベルのアルバムならポール・ロジャースのソロ作としても出来上がるだろうし、別にクイーンとのコラボが必要なワケでもない。しかもクイーンというよりもスマイル…、もしくはブライアン・メイ名義でも同じだと思うのだが、そこがクイーン名義の強さか。ポール・ロジャース的にはどちらでも良い話で歌が歌えて稼げればよろしいってことだと思うので、何となく距離感があるのはわかる。ロジャー・テイラーとブライアン・メイ側はやはりこのチャンスを何かモノにしておきたいと思うところだろうか。

 そんな勝手な解釈や思惑というものはともかく、出来上がってきたアルバム「The Cosmos Rocks」を聴いてみよう。まず、全曲三人で演奏してプロデュースしました、と書かれているように本当に三人で創り上げたのだろう。その意気込みは凄い。そして全曲Queen + Paul Rodgers の作詞作曲クレジットとなっているのもこれまた大したモノだ。もう誰がどうとかカネの話はどっちでも良い、っていうことか。5曲目に収録の「Warboys」ってポール・ロジャースの「Live in Glasgow (Dol Dts)」に自らの曲として歌われているんだが、それすらもQueen + Paul Rodgers名義になっているのだ。ま、意気込みの問題だろうな。

 最初から聴くとどことなくスペイシーな効果音からブライアンらしいギターにポール・ロジャースが絡む。ポール・ロジャースはもういつも通りマイペースな歌い方とブルースに根ざしたソウルフルな歌で全く遜色なくいつも通りの歌。やはり彼は何も変わらない。これがクイーン作品と云われても全然ピンと来ないのはこの存在感の大きさだ。しかもブライアンが気を遣っているのかそもそもの趣味なのか、ロックンロールやブルースに根ざしたリズムやコード進行を用いた楽曲が多くを占めていて、かつてのクイーンらしい音ではない。もっともその辺はポール・ロジャース作曲の楽曲かもしれないが。ブライアンの好みで行けば確かにハードなロック、メタルっぽいのも多くなるだろうし、それは顕著に出てきている。クイーンらしいサウンドと言えば、重厚なコーラスワークがそこかしこで聴かれる点で、それはさすがにポール・ロジャースのソロ作品としては出てこないので、クイーンらしい。そして無意識か意識的か不明だけど、往年の楽曲を彷彿させるドラム音やリズム、コーラスなんてのも聴かれる…、例えば3曲目の「Still Burnin'」なんてのはリズムからして「We Will Rock You」だけど途中のドラムパターンなどはそのまま使われているし、コーラスワークもそれを彷彿させるものなので面白い。

 そうだなぁ…、クイーンとしての音をイメージして聴くからおかしくなるワケで、ポール・ロジャースの作品として聴けばかなり幅広いサウンドを用いた作品として聴けるし、ハードな曲からオーソドックスなアコースティック中心の曲、見事に歌唱力を聴かせる曲など面白かったんじゃないか、と。そこに今まで経験することのなかった大掛かりなコーラスワークが入ってくるんだから新鮮な刺激だったろう。楽曲レベル的には突出した曲があるワケじゃないけど、どれもクォリティは当然高いものばかり。ただ、インパクトのあるロックナンバーがちと足りない気がする。ま、それはポール・ロジャースという歌を聴かせるシンガーがいるからかもしれんが。違った意味では「Call Me」っつう曲のコメディさは面白い。冒頭からクイーン節出しまくり、曲は軽快なノリのオールドタイムな歌だしね。  そういえばブライアン・メイが珍しくワウワウを使ったソロを聴かせるっつうのもあったり、スライドを聴かせるっつうのがあったりと割と色々なことにもチャレンジしているのも新鮮な一面。そして最後の「Small Reprise」はアルバム一枚を終えたことによるエンディングテーマでもあるが、この手法は昔のクイーンでよく使っていたパターンの踏襲か?う〜ん、ファンにはその意気込みが評価されるアルバムだが、果たしていかなる評価に落ち着くか見物だね。

 10月にリリースされる限定版「ザ・コスモス・ロックス スペシャル・エディション【初回生産限定盤】」では2005年のさいたまスーパーアリーナ公演から抜粋されたライブディスクが付くらしいが、早く聴きたい人はもう既にCDが出てます♪