Genesis + Peter Gabriel + Phil Collins

ナーサリー・クライム(怪奇骨董音楽箱)(DVD付)(紙ジャケット仕様) Nursery Cryme〜 怪奇骨董音楽箱(1971)

英国ロックの中でもっともフォロワーが多いと云われるジェネシス。クリムゾンやイエスに比べて稚拙とも云われる演奏力や楽曲の構成がそうさせるのか、はたまたそのドラマティック性の強い曲構成がフォロワーを増やしているのか、いずれにせよ英国ロック史においてこれほどまでに変化を遂げたバンドも珍しいだろう。そのフォロワー達にしてもまさか超ポップにまで変化したジェネシスのフォロワーになろうは思わないだろうし。

 ってなことで英国プログレバンド道まっしぐらの週末でしたが、本日はジェネシス、実は超久々に改めて聴いたバンドのひとつで、プログレにハマった時(十数年前)に結構色々聴いたんだけど、その時はピーガブの歌があまりにも演劇的過ぎて本来の音楽性を邪魔していると感じた面が強かったためにフェイバリットバンドとはならなかったんだな。ま、それでもちょこちょことターンテーブルに乗せて聴いていたバンドではあるんだけど、何回聴いても難解で未だによくわからないのが「魅惑のブロードウェイ」。このアルバムは未だに攻略できてないので、これを機にまた頑張ってみようかなと思ってる。…が、今回はその複雑なアルバムではなく、ストレートにやっぱプログレ的でかっちょいいな、って思う「ナーサリー・クライム(怪奇骨董音楽箱)」。ピーガブの過剰な表現も今はなるほど、と素直にこれがジェネシスというバンドの個性なわけだと認めて聴くとさすがに心地良い作品のひとつ。他のプログレバンドと違っているのは多分引っ掛かるところがあまりなくってサラリと聴けてしまうところだろう。だからこそフォロワー達が多数出てくるワケだな、納得。

 しかしこのアルバムでスティーブ・ハケットとあのフィル・コリンズが初めて参加したっていうことなんだけど、フィル・コリンズ、滅茶苦茶巧いドラミングなんだよな。明らかに主導を握ったドラミングがトニー・バンクスの鍵盤と共にハマっていて素晴らしい。もちろんハケットも効果的なギターが多くて、化学反応たっぷりのバンドというところが惜しげもなく実験的に披露されていてこのアルバムを盛り上げているが、それでいて重くなりすぎないのもジェネシスの特徴で、ピーガブの表現力ももちろん個性豊かなものとして聴くと納得。まぁ、ピーガブなしのジェネシス論は色々あるんだろうけど、それは後回しにするとして(笑)。オープニングの「The Musical Box」からバンドアンサンブルの優れた10分を超える作品で、それでいて結構ポップなメロディーやリフが散りばめられた白熱の一曲。素晴らしい曲構成は多くのファンを虜にしたことだろう。続く「For Absent Friends」はいわゆる小曲で、こういうのがとっても英国プログレバンドらしくて良いね。その後にはもちろんまた長くて迫力のある曲が続くだろうってのも読めてしまうんだけどさ。

 こうして聴くと本当に色々な曲が散りばめられていてアレンジなんかも決して偏らずにアイディアが盛り込まれている練られたアルバムで実は難解でも聴ける名盤なんだということに気付く…って遅い?ま、これから結構聴くんじゃないかな、ジェネシスも。やっぱホラ、フィル・コリンズのソロシンガーのイメージが強くてさ、真剣に聴けなかったってのもあったワケで、これは世代の問題だね。

フォックストロット(DVD付)(紙ジャケット仕様) Foxtrot〜 フォックストロット(1972)

その本家本元ジェネシスはご存じのように1980年代には完全に別バンドになっていて、フィル・コリンズを配するポップバンドへと成り代わり、今またその形態とサウンドで再結成やら何やらと活動しているようで、一般的にはその方がウケが良かったので求められるのはその時代になっているんだろう。ま、イエスのように金のためと割り切ったつもりがそっちの方が面白かったってことだろうか。よくわからんが…。そんなジェネシスが1972年に放った一般的には名盤と呼ばれる作品「フォックストロット」を引っ張って聴いてみた。いや、マリリオンってなんでダメなんだろう?ってのをもう一度ジェネシスで確認したかったから(笑)。

 「フォックストロット」。もちろん、何度も聴いているしやっぱり何回聴いても凄いアルバム。繊細さもあるし音の作り込みも美しさも正にジェネシスの世界。ピーガブだけじゃなくてスティーヴ・ハケットのギターの音色やここではトニー・バンクスの鍵盤にしてもそれをよく彩っている。逆にフィル・コリンズのドラムがどうってのはあまり感じないけど、多分裏方では相当役立っているんだろう。

 冒頭の「Watchers of the Sky」のイントロからしてユニーク。このリズム面白いなぁ〜と思うし、そこに乗っかる歌メロと何とも言えない躍動感、ただし一辺倒では行かないプログレらしさ、っつうか英国らしさ、かな。次の「Time Table」だってやっぱり繊細な音色が全編を支配していてソフトに軽やかに優しくリスナーを和ませてくれる。こういうのってやっぱりジェネシスらしいよなぁ。メロトロンの支配力が強い「Get'em...」ではその手のファンを釘付けにする魅力を放ちまくってる。あぁ、ピーガブの歌詞の世界はよくわからないので割愛してるけど、それでもサウンドだけで十分に楽しませてくれるアルバムなので問題ないんだろうな。日本にもファンは多いし。そんなピーガブの多様な歌声が披露されていたのがこの「Get'em...」みたいで、へぇ〜ってな感じに聞こえるので演劇性を楽しむには良い作品。当時のライブでは正に狐のメイクとドレスでキメていたらしい。やっぱり変人(笑)。

 ハケットの美しきアコギによる「Horizens」は些か硬質ながらもメロトロン一辺倒な作風のアルバムにアクセントを与えてくれる。いやぁ、これがまたメランコリックでギター一本だけで心地良い世界を奏でてくれているんだよね。それに続いて対極「Supper's Ready」へと。正にプログレらしい曲で23分もの長さ♪ もちろん叙情的に始まり鍵盤の繊細な繋ぎで曲調を変えていき、お得意の世界をガシガシと広げていく、これぞジェネシス、なワケだ。彼等の変拍子ってどういうわけかあまり変拍子に聞こえないので覚えやすい。それがジェネシスを聴きやすくしていると思うんだけど、メロディがあっての変拍子だからだろうね。それでいて軽いっつうのも強みか。そしてこの曲も同じリフレインをひたすら繰り返して盛り上がって最後はピーガブの陶酔の世界を気持ち良く歌い上げて終演を迎えるというモノだ。

 久しぶりに聴いたなぁ…。ホント良くできたアルバムで構築美と言い、陶酔度と言い、名盤とされるワケだ。またファンも多いし、聴いて当たり前だもん。他のジェネシスの作品と比べてもやっぱり良い出来だと思う。うん。で、好みは別ね(笑)。個人的にはやっぱりダメなんだ、これ(笑)。

ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ(眩惑のブロードウェイ)(DVD付)(紙ジャケット仕様) The Lamb Lies Down on Broadwayジェネシス - The Lamb Lies Down On Broadway眩惑のブロードウェイ(1974)

ロック二枚組名作選というワケでもないけど、せっかくなのでちょっと続けてみよう〜って思って見つけてきたのがジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」。う〜ん、実は前にも書いたけど自分的にはジェネシスって全然聴かない部類のバンドだったりする。多分音的にプログレなんだけど音が軽いのと歌が好きじゃないんだと思う。あとはまぁギターが歪んだ曲ってのが多くないからかな(笑)。よくわからんのだけど、昔から何度も何度も挑戦しながらもハマることが一度もなかったんだよね。不思議だが。聴いてみると確かにプログレらしい音出してて、それこそ正に英国のミュージシャンの多くが好んだバンドっていうのもわかるんだが…、不思議だ。

 それでもまぁもちろんピーガブ時代は何度も聴いているんだが、どれが良かったか?と問われると難しい。だが、なんか難解そうで面白そうだったのが「眩惑のブロードウェイ」っていう二枚組だね。あちこちでレエルという少年が云々っつうストーリー性が重要で、その世界は独特の解釈と実に英国的で高尚なものなのだというのを読むんだけれど、もちろん歌詞カードをきっちりと読んで解析したことなんかないからよく知らない。ただ、ピーガブのやりたいことはこれで全部やり尽くしたんだろう、というくらいの悲愴感っつうか勢いっつうのはよくわかる作品。特にアナログで言うところの1枚目に凝縮されているし、二枚目も後半からまた素晴らしくなっていくんだよね。凄いな。ただなぁ、どこか喜劇的っつうか演劇的っつうか、やっぱ声、なのかな、ダメなのは。メロトロンとかはすごく良いんだけどねぇ…。フィル・コリンズのドラムも凄く上手いしさ、この後の彼の奇行…ではなくポップスへの進出度を考えると実に不思議なんだけど、きっと芯からミュージシャンの人なんだろうね。

 話がどんどん逸れていったけど「眩惑のブロードウェイ」というアルバム、きっちりと攻略できた人って凄いと思う。自分的にはまだまだ攻略できていない、というかそこまで聴けない…ってのが大きいけど、それでもなぁ、やっぱ名盤だろうしなぁ、と(笑)。いや、まぁ、いいんだが。1974年、ピーガブ最後の参加アルバム。コレを機にソロへの転向、そしてジェネシスはフィル・コリンズのあまりにもピーガブに似た歌声でファンをまやかしながら継続させている。いつ聴いても不思議なバンドだ。最後の「It」なんてもう素晴らしく明るくて大円団〜って感じに仕上がっていて、ここまで一気に聴ければまだまだ攻略できる余地はあるかな…。

インヴィジブル・タッチ(DVD付)(紙ジャケット仕様) Invisible Touch ジェネシス - Invisible Touchインヴィジブル・タッチ(1986)

 70年代にプログレで世界を制していたバンド群かこぞって活動停止となっていく中、幾多のトラブルをくぐり抜けて音楽性を変えていきつつ80年代に突入したバンドの中にジェネシスがある。フィル・コリンズのポップ指向という路線が功を奏した結果、とも云えるが。その張本人はソロ作で絶大な成功を収めてバンド名よりも有名になってしまったが、ソロ作で極めた超ポップ路線をジェネシスに持ち帰ったことでジェネシスもポップバンドとして大成功したのが1986年の話。

 「インヴィジブル・タッチ」。もっともこのアルバム以前の70年代末から既にポップ路線は敷かれていたものの強烈なポップチャートに食い込む程ではなく、やはりそこは往年のファンも考えて、というよりもそこまで洗練されなかったという感じのポップ路線だったんだけどね、この「インヴィジブル・タッチ」ではもう全てが出し尽くされたハジケたジェネシスです。プログレバンドなんてのは意識することなく聴けて、ところどころに妙な演奏が入り込んでくる程度。基本的には聴きやすい超ポップ路線でデジタルチックなサウンドが時代にマッチした感じ。ただ、フィル・コリンズのソロアルバムでのポップさと比べると圧倒的にジェネシスの「インヴィジブル・タッチ」の方がロックしてる。そう、これでもロックしていると感じるくらいにはロックだと思う。まぁ、以前のプログレからしたら大きく異なるけどさ、でも、もともとのジェネシスのアルバムにはいくらでもポップ路線を感じさせるメロディや展開の曲ってのはあったワケで、しかもピーガブいなくなった後はそんなのはそこかしこで聴けたんだから、そういうバンドなんでしょ、っていう感覚論でいけば推し進めただけっていう部分もあるはず。ただ、まぁ、ここまでやるか?ってのが強いが。

 さて、「インヴィジブル・タッチ」だが…、やっぱフィル・コリンズのアルバム…という印象にもなってしまうが、ま、トニー・バンクス、マイク・ラザフォードというこれまた人の良さそうなメンツなので一応個性は発揮しつつもポップスター主導ですかね、と。でも効果音やギター音などで聴くとやっぱりロック的。そうやって聴けるのも時代が一巡りしたからか。いやいや、「Tonight Tonight, Tonight」なんてやっぱりちょっと実験的にインプロ部分が入っていたりするし、そもそも9分もの大作が二曲目に配置されるってのもしっかりしてるじゃないですか。挙げ句当時レコードではB面に実験曲を持ってくるということで「Domino」なんてのも旧ジェネシスを感じさせる曲調だし…、ってかこういうのをこんな後ろに持ってくるのもちょっと時代のせいだろうが。それと「The Brazilian」というインストでの実験性が面白い。まぁ、売れたけどきちんと主張はしているよ、っていうのがあるのが救いでしょう。なので偏見で聴かない人も一応聴いたら納得してもらえる作品にはなっている部分もあるが…。

 どっちにしてもそれほど聴く回数が多いアルバムではないし、ジェネシスというバンド単位で考えたらかなりランクが低い作品だろう。ただポップ好きな80sからのリスナーにとってみれば非常に印象深いアルバムだろうし、それは単に普通のポップスとは異なるポップさだったんだろう。良くも悪くもインパクトを放った作品、とでも書いておくか。自分?いや〜、聴かないです(笑)。

SO(紙ジャケット仕様) Peter Gabriel Peter Gabriel - SoSO(1986)

バンドから離脱したボーカリストとバンドの関係という意味で最も上手く立ち回っているのは実はピーター・ガブリエルだったのではないだろうか?ジェネシスを脱退してからもそばしばジェネシスのライブにゲスト参加で遊び出演していたり、自分の作品のゲストにもジェネシスメンバーを呼び入れたりとかなり自由に関係を楽しんでいる風潮がある。これも多分ピーター・ガブリエルという人柄の成せる業なのだろう。ロジャー・ウォーターズとは大きな違いです(笑)。

 そうだねぇ…、一番売れたアルバム「SO」でも取り上げておきましょう。これもまた面白くて「Sledgehammer」という曲が当時売れまくり、そのおかげでこのアルバム「SO」もバカ売れしたらしいんだけど、その時にチャート上位にいたのがジェネシスの「Invisible Touch」。そいつを早々に引きずり落としてのチャートアクションだったらしく、まぁ、確執はないまでもロジャー・ウォーターズとは逆にソロイストが勝利してしまったってアルバムだ。もっともこちらは非常に派手なゲスト陣を迎えた意欲作…と言うよりも売れ筋作ってトコなので気合いが違ったのかもしれない。

 ケイト・ブッシュやPPアーノルドをコーラスに迎えたり、相変わらずベースにはトニー・レヴィンを迎えたり、今回はビル・ラズウェルというジャズ畑の人も迎えてる。ギターには今回はロバート・フリップは呼ばずにナイル・ロジャースなんていうのがいたりする。ドラムにはスチュワート・コープランドがいたりと、まぁ、音楽的に必要だったからこういうメンツを呼び入れているんだろうけど、豪華なものです。

 …しかし全く面白くない音だ(笑)。売れたのは何故に?ってくらいに面白くない。多分ロックではなくってオシャレな音だからだろう。そういう意味では非常に良くできている音世界で、ゲスト陣もそういう効果をしっかりと出しているんだけど、全然ダメだ、これ。よくピーター・ガブリエルの作品って名盤に挙げられるので昔から何度も挑戦するけどやっぱり毎回ダメなんだよな。ワールドミュージックへの傾倒からポップミュージックへの接近なんていう大掛かりな言い方をすれば第一人者ではあるようだけど、面白くはないな。もしかしてこの「SO」というアルバムが一般受け狙いだったからつまらないだけか?かと言って初期のフリップ、トニー・レヴィンと組んでるのなら面白いのかな…。そういう印象もないが(笑)。

フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド) Phil Collins 〜 フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド)(1985)

 ついでと云っては何だが、クラプトンをAORでポップな売れ線世界に誘ったプログレッシヴロックバンドのドラマー兼ボーカリストとなっていたフィル・コリンズがポップスシーンで最も忙しいオトコとして君臨した時代の傑作、と呼ばれる作品も紹介しておこう。フィル・コリンズとしてソロデビューは1981年なのだが、もちろんそれまでにピーター・ガブリエルが抜けてからのジェネシスでフロントを担ってきた自信もあり、ジェネシス自体が滅茶苦茶ポップな方向に進んだのもこの人の根本的な趣味なのか売れ線を作れる才能によるものなのか、ポップスこそが最も難しくやりがいのある音だったのかはわからんが、とにかくそういう方向性に目覚めて売れまくった、それがこのアルバム。

 「フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド)」1985年リリースのソロ作品3枚目にしてグラミー賞最優秀レコード賞まで受賞した大ヒット大傑作アルバム。いやぁ、この頃確かにフィル・コリンズの曲や名前を聞かない日はなかったんじゃないかというくらいに売れまくっていて、このアルバムジャケットも全然センスないし、ジャケ見たら買いたくなくなるだろ、ってなモンだが、売れた。当時フィル・コリンズ35才。アメリカや英国のヒットチャートではこんなダサいオトコが売れるのかと日本のアイドルシーンを鑑みると不思議に感じたものだ。

 それで久々にコイツを耳にしてみるのだが…、いやぁ〜、よく出来てる(笑)。一曲目の「ススーディオ」からもうダンサンブルなビートでキャッチーなサビで、しかも歌は巧くて軽くて聴きやすいという、見事だ〜、と。当時もキライだったけど曲は全部覚えてしまえたくらいだからやはりそのキャッチーさは凄いんだろうな。そんなこと云うともっと好きじゃなかったクサい「One More Night」とかさ…、これももう甘ったるくて聴いてらんねぇな〜っていうんだったけど、良い曲です(笑)。この曲はリズムマシンの音がある意味特徴的に鳴っていて、当時まだシモンズとか出てきたばっかりの頃だからこういう音使いかできたんだろうけど、やっぱり巧く使ってるよね。

 アルバムの他の曲はあまりピンと来てないんだけど、まぁ、そりゃぁそうか、当時全然聴かなかった作品だから今更聴いてもね(笑)。良くできてるなぁ〜と感心した程度です。それでアルバムには入ってないけどこの頃フィル・コリンズって他にも色々あったような…。「カリブの熱い夜」っつう映画のサントラに入ってた「見つめてほしい」を歌ってたり、フィリップ・ベイリーとの競演による「Easy Lover」っつうこれまた大変よく出来た曲を歌っていて、これは聴いたなぁ…。一体何でこんなに売れたんだろう?あまりにも時代にマッチし過ぎた才能だったんだろう。ここからジェネシスには戻れないよな、普通(笑)。

ベスト・オブ・フィル・コリンズ Phil Collins Phil Collins - Phil Collins: Hitsベスト・オブ・フィル・コリンズ(1985)

自分の才能を知っていたから売れたかった、認められたかったんだな、っていうのがよく分かる人もいる。フィル・コリンズってのは正にそういう人だ。多分性格的にはマジメで割と大人しい感じで本来は出しゃばらない人なんだと思う。顔にも出ているけど、人がよさそうだしね。そんな才能あるミュージシャンが最初にそのテクニックを披露したのがたまたまジェネシスというバンドのドラマーとしてだったワケだ。これもまた絶品モノのドラミング、と評されることが多いので多分そうなんだろう。その後同じバンドでボーカルとしてフロントに立つと言うのも快挙。まず、他のバンドではあり得ないし、なんでまた?ってなモンだ。裏方から思い切りフロントへ…、それもその歌声と歌唱力とリズム感の成せるワザか。そうした一時代が終演を迎えた頃、バンドとしての方向性も模索しながら、また新たなる自分の才能に気付いたのか、世の中に挑戦してみたかったのか一瞬にしてセレブなポップスターとなったフィル・コリンズ。

 もうね、ベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」があれば良いんじゃないか?聴いたことのある曲は大体入っているし、アルバムとしてこのベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」を聴いても楽曲レベルがどれも高くて質が良いものになっているから文句はないでしょう。そして普通にポップスからフィル・コリンズという人を知った方には間違いなくベストです。いやらしさのない歌声に爽やかな曲調、キャッチーで泣きのある旋律にはっきりとした英語での歌唱力。正直言って誰がどこで聴いても邪魔にならないハイクオリティな作品を詰め込んでます。

 だが、自分的には全くダメですね、こういうの(笑)。いや、もちろん80s時代に売れてたから知ってるし聴いてたけど、顔がダメだし声もダメだし曲もダメでして(笑)、今回ベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」を再度聴いてるけどやっぱりかったるい。好きな人がいるのは凄くよくわかるけどね。多分Zep再結成のライブ・エイドでの失態もこの人に一因あると思ってるからだし、そもそもジェネシスのドラマーでそこからフロントに立った人で、あのジェネシスの人だろ?なんでこれ?ってのが大きかった。まぁ、経済的なものとか音楽的才能とか考えたらこういう展開は正解だろうし、結局ジェネシスに戻ってポップ路線をやることで仲間も救ったという面もあるからさ。そういえばジェネシスって再結成話出ないな。ピーガブがまたあの格好で再結成すれば面白いのに。彼まだ生きてるよな?あ、そういえばこの人引退宣言したんだっけ?

 というようなことでして、はい、聴けば必ず素晴らしい、と思うフィル・コリンズのベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」です。クラプトン参加の「Phil Collins - Phil Collins: Hits - I Wish It Would Rain Down 雨にお願い」も入ってるしデビッド・クロスビー参加の1曲目「Phil Collins - Phil Collins: Hits - Another Day In Paradise」もあるし、フィリップ・ベイリーとのスマッシュヒット「Phil Collins - Phil Collins: Hits - Easy Lover イージー・ラバー」もあるし、とにかく知った曲ばかりです。あ、「Phil Collins - Phil Collins: Hits - You Can't Hurry Love 恋はあせらず」もあるね♪