Renaissance

Ashes Are Burning Ashes Are Burning 〜 燃ゆる灰 (1973)

どうにもやっぱり女性ボーカルものってのは英国好きには堪らないものがあるのかねぇ。もちろん男臭いハードロックやブルースなんてのも好きなんだけど、気軽にリラックスして聴くっつうか楽しむものには女性歌モノってのは割と良く出てくる。何となくBGM感覚に近いんだろうけど、それにしても我ながら女モン好きなんだなぁと思うことがある。しかし、色々聴き漁るもののやっぱりどんどん原点に戻っていくというのも人間の本能の成せるワザか。暑いからと言ってまたもやゴシックメタルやクロダー・シモンズ関係を漁っていたけど、とどのつまり、ってとこでAll About Eveに戻り、そしてその原点とも言えるアニー・ハスラムに戻ってくるのだな。そしてやっぱりアニー・ハスラムの歌声が最も心地良い事に改めて気が付くという輪廻転生…。

 1973年リリースの新生ルネッサンスによるセカンドアルバム「Ashes Are Burning」邦題「燃ゆる灰」。非常〜に有名な曲が三曲入っているのでどうしてもその三曲に耳が行ってしまいがちで、他の小曲…っつうか他の曲にはあまり触れられることがないんだけど…、と思って聴き直していたものの、やっぱりその三曲の偉大さは想像以上のもので、どうしてもアルバムを語る上では筆頭に挙がってしまうのだった。アルバム冒頭か10分の大作、イントロからして美しいピアノ曲で、アニー・ハスラムのクリスタルボイスが登場するまでが非常に待ち遠しいものだが、登場した瞬間からその声に惚れ惚れしてしまうという…、やはりここに原点があるのだなぁ〜と。そして最後の大作「Ashes Are Burning」はもう、アニー・ハスラムをして一番好きな曲というもので、そりゃ素晴らしい出来映えさ。ピアノとリズムセクションにアニー・ハスラムの歌声が絶妙に絡み合って常にクライマックス状態を醸し出しながら、哀愁のギターフレーズを弾かせたらこの頃のトップであったこと間違い無しのウィッシュボーン・アッシュのギターの名手、アンディ・パウエルがゲスト参加して花を添えている。そしてそのギターがあるがために正にルネッサンス+ウィッシュボーン・アッシュとも云える音楽美の世界が構築された瞬間で、名曲をより一層深みのあるものに仕上げている。う〜ん、素晴らしい。些か残念だなぁ〜と思うのはそこまで盛り上げておいてフェイドアウトかぁ〜ってとこ。ライブだと最後にアニー・ハスラムが超ハイトーンクリスタルボイスで「Ashes are burning the way〜」と叫ぶから良いんだけど、スタジオ盤はちと寂しいな(笑)。

 最初と最後に挟まれた楽曲群についてはある意味この壮大な組曲の中のひとつとして捉えていくのも聴き方としてはありだろう。意外なことに「On The Frontier」なんてのはアニー・ハスラムの歌声だけでなく男性陣のコーラス部隊から始められる代物で、ちょっとしたアクセントになっているし、「The Harbour」はモロにクラシックピアノでまとめられているもの…、何かをモチーフにしたものらしい。どうやら盤によってはこの曲がエディットされていたりするものもあるらしい。どこ盤のいつの再発とかまでは調べてないんだけどね。そういう意味ではヒプノシスの手によるアルバムジャケットも遠くを見ているアニー・ハスラムと微笑しているアニー・ハスラムの二種類が存在していて、最初はアメリカ盤と英国盤だと思っていたんだけどそう単純でもないみたいで、どのプレスで、とかがよくわからない。確か「Renaissance」のロゴの大きさが異なるのもあって実に複雑怪奇なアルバムジャケットになっているんだよね。意外と纏め上げたサイトとかが見つからなかったので、まだ勉強中。こういうのにハマると面白くていかん(笑)。

運命のカード Turn On The Card Renaissance - Turn of the Cards運命のカード (1974)

女性の美しい歌声に囲まれると言うのは季節を問わずに心地良いものだなぁとつくづく思う次第です。そんなことで一足も二足も先に立派なマダムになっている美しき歌声を持つ女性の走りとも云えるアニー・ハスラム妃の属するルネッサンス。来歴はそこかしこで見てもらうとして、クラシカルな作風とロックの融合に対してアニー・ハスラム妃のクリスタルボイスを前面に配することでポップさとキャッチーさを打ち出してロックファン以外にも大いにアピールしていたバンド。作風では70年代後半頃まではプログレッシブと呼ばれる部類に属するサウンドで大曲を中心に演奏していたけど、徐々にポップ的な傾向へと進んだ…結果70年代後期から80年代には生き残れずに崩壊。21世紀になって再結成して奇跡の来日公演を行った記録は「ライヴ・イン・ジャパン2001」というCDで楽しめる。

 ってなことで、過度期でもありまた非常に充実していた時期のルネッサンスが1974年にリリースした傑作「運命のカード」です。ジャケットは見て分かるようにヒプノシスの妙〜なセンスで、アルバムタイトルともリンクしているナイスな代物、裏ジャケではカードにメンバーが写っているのも憎い演出ですな。

 さてさて、あまりにも好きな作品なので語るに語れないんだけど(笑)、いや、なんつうかルネッサンスのやりたかったことって多分このアルバムに全て詰め込まれているんじゃないか、と。冒頭の「Running Hard」からして10分弱の大作で実に叙情的でクラシカルで且つロック的な疾走感と美しさに満ち溢れた作品でして、そこに歌メロがキャッチーに入っていたり音色も豊富に要所要所にしっかりとさり気なく置かれていて非の打ち所がない傑作。とても10分弱の曲とはおおえないほどのドラマ性がここにはある。ピアノの音色がそのドラマに起伏を付けているんだけど、バックのハットやベース音などがロック的疾走感を煽る…、いや、素晴らしい。そして次には3分程度の小曲「I Think of You」でしっとりと英国的に牧歌的歌い上げるという華麗さ。そしてA面最後を飾る「Things I Don't Understand」も10分弱の大作でやはりベースとピアノが曲の骨子を創り上げながらルネッサンスの影の功労者でもあったマイケル・ダンフォードの正式加入も大いに影響があるのだが、アコギの使われ方が顕著とも云える、正に組曲的クラシカルロックの最高峰。アニー・ハスラム妃の天上から降りてくるような歌声も素晴らしい。

 B面は美しきアコースティックな調べから始まり圧倒的な歌声で攻めまくる「Black Flame」。あまりメジャーな曲でもないようだけどメロディの秀逸さとアニー・ハスラム妃の起伏に富んだ感情的な歌声は実に感動的で終盤ではどこかゆりかごに揺られているような至福感すら味わえる不思議な楽曲ですらあるが、その壮大感はこれもまた見事なもの。更に続いて「Cold Is Being」はアルビノーニのアダージョに歌詞を付けて歌い上げた代物で、実に荘厳な雰囲気を醸し出した名演。この旋律はねぇ、ジム・モリスンの「」にも使われているので、そっちのも印象的だったからハッとするメロディだった。そして最後も10分弱に及ぶ超大作、そして超名作でもあるルネッサンスというバンドの集大成とも云える代表曲「Mother Russia」。ドラマ性や叙情性、そして哀愁性と欧州的センス、更に美しさや感動を与えてくれる何も言うことのない程に圧倒してくれる素晴らしき楽曲。10分弱では短いと思わせてしまうくらいの繊細で美しい音色と構築美で練られた音世界に身を委ねて…。終盤の壮大なコーラスワークから天上の歌声が降りてきて、更に大合唱へと雪崩れ込む様は他を寄せ付けない美しさと威厳を保った正に大英帝国的重厚さ。

 う〜ん、久々にマジメにがっつりと聴いて書いた、って感じだ(笑)。何かね、やっぱ引き込まれるんですよこのバンドの音には。マニアさんからしたら全然大して聴いてないし、深堀もしてないんだけど聴く度にハマっていくし、それだけ答えてくれる音世界を持ったバンドなんだよね。アルバムジャケットから音から楽器から曲から全てがどこを取っても英国的でさ。

 それでこの時期のライブにはオーケストラを伴ってツアーを行って大成功を収めたということでライブアルバム「カーネギー・ホール・ライヴ」が1976年にリリースされている。これもまた素晴らしい名曲ばかりが収められた、しかもオーケストラ付きなのでたっぷりと堪能できるライブ盤…、またその辺は次回♪

シェエラザード夜話 Scheherazade & Other Stories〜 シェエラザード夜話 (1975)

同じピアノを中心とした楽曲でもこうまで異なったサウンドが出てくるかと思うのがいわゆるプログレのピアノ中心バンド。もっとも当然のことながらジャズとは正反対のクラシック音楽という正統派の流れから構成されているモノが多いので当然毛色は違うワケだが、それ故にひとつの楽器でもここまで異なる音楽を紡ぎ出すっつうのはなかなか楽しめるものだ。最もプログレバンドの中でもジャズよりのバンドのサウンドであればそんなに変わらないのかも知れないけど、ジャズよりのバンドでそこまでピアノをフューチャーしたバンドってのは多くないし、どっちかっつうと管楽器を混ぜるというような感じだね。もちろんソフト・マシーンが念頭にあるんだけどさ(笑)。

 そんなことでクラシカルサウンドをロックに持ち込んだピアノ主体のバンド…と言うワケでもないのかな、でも聴いている音色の限りでは絶対ピアノ中心のハズ(笑)。そしてドラマティックな曲構成と美しきクリスタルボイスによる壮大なアレンジでプログレのレベルを一気に引き上げているバンドでもあるルネッサンス。アニー・ハスラム率いる、というワケではないのだが、やはりアニー・ハスラムの圧倒的な存在感がバンドを支配してしまっている感が強く、その美しく荘厳な楽曲が次に引き合いに出されるものだが、楽曲の方も圧巻。アルバム的にはレーベルをBTMに変えた頃のリリース作品「Scheherazade & Other Stories」や「Turn of the Cards」当たりが最も内容的には濃くって英国風なのがよろしい。その前後はどちらかと言うと明るめの要素ももっていたけどこの二枚は何故かちょっと重い部分があるんだよね。それと、この二枚ってのは今でこそ容易に手に入るけどアナログの頃には全然見つけられないタイトルでさ、他のは結構アチコチにあるんだけど、この二枚はレーベルが違って再発とか少なかったのかなかなか見つからなくって結構必至に探してた。んで、探して見つけて聴いた時の感動もまた一際高くてやはり思い入れの強いバンドになってしまったのだな。

 邦題「シェエラザード夜話 」全4曲。うん、4曲しか入ってないのだ。A面3曲、B面1曲(笑)。それこそ美しいクラシカルなピアノのイントロから始まり、10分オーバーの曲にしてはシンプルな楽器構成で作られた「Trip To The Fair」は実によく練られたアレンジが施してあり、そしてまたアニーの歌が全体の楽曲を引っ張り込むようにベースも鍵盤もドラムも歌ありきの盛り上がりを見せる。しかし一方ではアニーの出番はそれほど多くもなく、きちんと楽器の構成で曲を組み立てているし、そこで何かの楽器が冗長なソロを奏でていることもなく美しい、という形容詞しか当てはまらないのかな〜、なんて。もちろんコーラスワークによる盛り上がりなんてのもしっかりしていて、大きい音で聴いていると正に感動。メインテーマに戻ってくるあたりはいつものことながらホッとして落ち着くが、それだけに留まらないなが異質の楽しみを味わえるね。そして小曲「Vultures Fly High」は一気にロック的な作品になっているが、リズムの面白さと鍵盤に支えられた変わりものの曲だけどしっかりとルネッサンスらしいポップさに彩られたメロディが印象的。そして後にリッチー・ブラックモアのブラックモアズ・ナイトでもカバーされた「Ocean Gypsy」だが、これぞ名曲。メロディの美しさは当然ながらアニーの持つ優しい歌声が心を包み込んでくれる壮大な海に抱かれる気分を味わえる傑作。確かアニーの好きな曲のトップか何かだったような機がする。それくらい素晴らしい作品。

 B面に至っては正に「シェラザード組曲」がしっかりと紡ぎ出されており、歌詞の内容にも注目されることが多い。自分的には歌詞の内容にあまり興味を持って接したことがないのでよくわからないが、多分曲通りの構想だろうなぁ、と推測。オープニングのテーマから、というかテーマらしいテーマから始まるのでそれだけで正に一大絵巻が始まるなという印象を持つオープニング。そして美しきピアノがロールして…、うん、まぁ、聴いてみてよ、24分の曲の長さなんて全く感じないドライブ感やドラマ感があるからさ。もっとクローズアップされて然るべき作品だよ。

お伽噺 Novella Renaissance - Novellaお伽話 (1977)

アナログではA面2曲、B面3曲という収録内容。それも1977年…パンク全盛期にリリースされた作品でこの曲数。当時としたら随分時代遅れのバンドと映ったことだろうが、その音楽性の永続性は明らかにパンクなどとは程遠い高尚な世界へと飛翔していて、今でもなお輝きを放っている。まぁ、パンクが悪いと言う意味ではなくってさ、音楽的な意味合いで残っているという意味なんだけどね。

 アニー・ハズラムという歌姫の存在は現世に到るまで脈々と受け継がれていて、ゴシックメタルの世界にも通じる世界観だから素晴らしい。ルネッサンスというバンド単位で見ていくとこの「お伽話」に到るまでもちろん多々作品をリリースしていて、それぞれが素晴らしい出来栄えを誇っているので、このブログでもアチコチと書いているんだけどね、好きですよ…。作風についての変化ってのはもちろんあるんだろうけど、心酔して聴いている分にはよく理解しないままアルバムを聴いています(笑)。「お伽話」までのどのアルバムでもメロディーはしっかりしているしクラシカルなアレンジと展開に美しい歌声が乗せられていることに変わりはなく、一方ではアコースティックに牧歌的に作られている曲があったりするので、そのあたりがルネッサンスというバンドの楽しみですね。

 さて、アメリカ盤と英国盤とでジャケットが異なる「お伽話」なのだが…、何で違うんだろうね?宗教観の問題だろうか?よく理解していないんだけど、まぁ、趣旨的には似たような傾向なので好みの方で良いのかもしれない…。やっぱ英国盤の方が好きだけどね。そして中身…、いや、もうね、「お伽話」というアルバムのタイトル通りに聴いてみれば良いのかな、と。冒頭の「Can You Hear Me?」からして13分以上の曲でクラシカルにドラマティックに聴かせてくれるし…かと言ってもちろん辛くなるような展開ではなくって優雅な香りが漂うごく自然の成り行きでこれだけの長さが必要だったと思わせる展開。そして続けられる「The Sisters」も美しい。すぐにA面が終わってしまうのだが、この余韻の美しさが堪らない 。

 そしてB面最初の「Midas Man」はライブでもよく取り上げられるほどの名曲で、ルネッサンスがもうひとつ得意技としているアコースティックな世界観から始まり、クラシカルな側面とオーケストラを用いてシンフォニックに盛り上げていく見事な作品。アニー・ハズラムのクリスタルボイスがその世界をより一層昇華させていることに疑いはなく、リスナーを釘付けにしてしまう魅力を放っている。ピアノの美しさも群を抜いている…、そんなドラマティックな作品がわずか5分強で語られているのだった。ピアノの美しさはそのまま「Captive Heart」に引き継がれ、弾き語りの上をアニー・ハズラムが歌い上げ、コーラスが入ってくる…、全く中世ヨーロッパに紛れ込んだかのような錯覚に陥る雰囲気と音世界。最後は「Touching Once」という壮大で豪華な楽曲に締め括られるのだが、何度も繰り返してしまうくらい美しい世界には全く脱帽。

 自分的には「お伽話」ってルネッサンスの中で2番目に聴いたアルバムで…、まだそんなにこのプログレの世界って知らない頃に出会ってて…、今聴いてみてもルネッサンスがプログレバンドってのはちょっと勿体無い感じだね。もっと幅広い音楽というかロックという括りですら狭い感じがするので、クラシックと同じような部類に等しいのではないかと。近年のゴシックメタルなどのルーツからすればおかしくないので、やっぱプログレじゃないよな…と。本格的な音楽、ってこういうのなんだろうと思うし、今でもかなり異質な部類のバンドじゃない?再結成したり来日公演したり、メンバーが替わっていても元気なのは良いね。美しい名曲の数々をもっともっと世に知らしめるべきだし。

A Song For All Seasons Renaissance - A Song for All Seasons四季 (1978)

新しい音世界に初めて出逢った時の気持ちって覚えてる?今でももちろんある話なので別に覚えてなくても良いのかもしれないけど、それでも今はロックの名盤と呼ばれている作品や自分で見つけてきた思い入れのあるアルバムに最初に出逢った時の興奮というか感動というか、そういうのをね、久しく忘れていたりしたんだけどこれだけ毎日に近いくらいブログ書いてると色々聴くし、それこそ埃被っていたようなアルバムも何となく探し出してきて久々に流してみるとかするんだよね。そうすると、いわゆる名盤ってのは自分のライフサイクルに組み込まれているから適当な段階で必ず聴き直したりしてるけど、そこまで行かないようなものってのもあって、そういうのを発掘してくる楽しみがある。気分によって聴く音楽の系統って変わるし、どこかでふと思い出して聴きたくなるものもある。まぁ、でも全部が全部覚えてるワケじゃないからジャケット見てからどんなんだっけなぁ?って悩むのもあるんだけど(笑)。

 休日の土曜日、久々に自分のコレクションをあれこれと眺めていたらそんなことを思い出しててね、そういえば何回も聴き直したくてメロディや印象まで覚えていたのについつい書きそびれていたし聞きそびれていたのがあった。流れではなかなか出てこないだろうなぁというアルバムなんだけど、最近は流れを無視してるので何が出てきても良いでしょ(笑)。

 ルネッサンスの「四季」。プログレってどんなんだろ?って気になった頃に手に入れた最初の頃の作品だったからその衝撃や思い入れってのが結構強くてさ、その時も凄いいいアルバムで綺麗な作品だな、って思ったけど今また聴き直してみてもその印象は変わらないし、逆にそれ以上に素晴らしさを実感してるかも。ルネッサンスの歴史の中ではやっぱり「Novella」とか「Ashes Are Burning」、そして「Turn of the Cards」「シェラザード夜話」という素晴らしいアルバムに彩られているのでどうしてもこの「四季」ってのは抜けてしまったんだよね。どっちかっつうとその辺の方がよく聴いてるし、二枚組のライブアルバムやちょっと前に出たBBCライブなんてのもよく聴くからさ、つい「四季」以降ってのは後回しになっちゃってた。それで久々にね、手を出したんだけど、やっぱり凄いアルバムだわ。通説ではこの「四季」になるとポップさが更に増して英国的なジメジメさが抜けてしまった往年のファンからは最後の砦となった作品、と言われてるんだけど、ルネッサンスを全部聴くとそういう面ってわかるのもあるが、それでもこれは凄く良いと思う。確かに明るくてオーケストレーションもしっかりできていてメリハリも聴いていてしかもリリースが1978年だから音も綺麗になっているし、何よりも今回新たな発見だったのは、クラシカルバンドと異名を取っている彼等の作品なのにこれほどアコギが中心になっている曲ばかりってのに気付いたことかな。もっと鍵盤主導だというイメージあったからさ。

 しかしオープニングから名曲、佳作揃いでアレンジも完璧だしバイオリンの使い方やオーケストラの使い方なんてのはお手の物、そしてさっきのアコギ、ドラムのセンスも完璧だし、ベースのオブリも上手いしさ、もちろん何と言ってもアニーの艶のある気持ちの良い歌声ったらたまらん。タイトル曲となった「四季」では11分にも渡りタイトル通りの四季の移り変わりをしっかりと音で表現している素晴らしいオーケストラ。多分ルネッサンス史の中で一番ポップさとクラシカルロックさの融合が頂点を極めた作品で、一般受けする可能性も一番高いだろうし、クラッシックあたりを好きな人でも大丈夫みたいな感じで、間口の広い作品だよ、これ。マニアックなところはないもん。完全にプロの作品で、何と言ってもジャケットから中味まで美しいもんね。

In the Land of the Rising Sun: Live in Japan 2001 In the Land of the Rising Sun: Live in Japan 2001 (2001)

美しき歌姫の異名を取る女性は数多くいるものの過去30年間クリスタルボイスを聴かせ続けてくれるのはルネッサンスのアニー・ハズラムでしょう。2001年それなりのルネッサンスという再結成メンバーで初めての来日公演を行い、多くのファンを満足させたことは記憶に新しいハズなんだが…。もちろん自分もライブに駆けつけてね、見に行きました。新宿からは結構遠い新宿厚生年金会館まで3月の寒い中を歩いてった記憶がナマナマしいな。

 そこで見た初めてのルネッサンス、そして90年頃に一度アニーさんはソロで来日しているんだけど、その時は見ていないのでこのルネッサンスが初めてのナマ体験でさ、いや、声ってのは衰えないものなんだな、と改めて実感したくらい往年のクリスタルボイスを聴かせてくれて、しかも選曲が良くってさぁ。往年の名曲のオンパレードで、涙出てきたもん。もちろん新作も結構やったんだけど違和感ないんだよね。凄いなぁ〜って感じで。でも後半、「Mother Russia」とか「Trip To The Fair」なんてのがズラズラっと歌われて、最後は「Ashes Are Burning」でのアレ、やっちゃうんだもん。20分以上の演奏で圧巻。まざまざと思い出してきた。しかもしばらくしたら自分の見に行った公演がオフィシャルCD化されるって聴いて驚き、速攻で入手したけどね。アニー自らが書いた絵をジャケットにした「In The Land Of The Rising Sun」としてリリース♪

 …ってなことでホントは日本公演のCDを取り上げるつもりじゃなかったんだけど、せっかくだから取り上げておこう(笑)。最初はそんなことからあまりルネッサンスのアルバムが語られた中では取り上げられることのないキング・ビスケット・アワー音源を収録したCDが二種類も出ているので、そしてライブアルバム「Live At Carnegie Hall」よりも良い演奏なのでなかなかのお気に入りってことで取り上げるつもりでした♪ 名作…って言っても正直セカンドアルバム「Ashes Are Burning」から「A Song For All Seasons」までのルネッサンスのアルバムに外れは全くないので、どれもこれも名作なんだけど、中でも大作志向に走った感のある「Scheherazade & Other Stories」「Turn On The Cards」ってのが中心になったこのKBFHライブ盤は美しさと円熟さ、更に熱いサウンドを140分に渡って満喫させてくれるのでもうお腹いっぱいになるくらいに楽しめる。やっぱり躍動感が違うよね。クラシカルなサウンドに美しい歌声、でも絶対にロックっていうところが面白いね。

The Other WomanThe Other Woman〜 The Other Woman (1995)

バンドの名義ってのは一体誰のモノになるんだろう?そう思わせることの多いルネッサンスというバンド。そもそもキース・レルフがヤードバーズを抜けて作ったバンドがオリジナル・ルネッサンスという呼ばれ型をしているけれど、ご存じのようにいつの間にか全く違うバンドメンバーによって構成されて、その筋では大成功したものだ。一般的にはこれこそがルネッサンスというバンドで、アニー・ハスラムの歌声こそがルネッサンスの素晴らしさという認識。しかし、それも80年代終盤には終焉を迎えていたのだが、1995年頃になって突如ルネッサンスというバンドが復活。

 オリジナルメンバーはマイケル・ダンフォードしか在籍していない、というかマイケル・ダンフォードのソロアルバムと呼んでも差し支えないこのアルバム「The Other Woman」はどういうわけだかルネッサンス名義でリリースされ、元メンバーからも怒りを買った作品らしい。ま、そりゃそうだろうな。普通はバンド名ってのはいわゆる会社名みたいなもんになってしまっているワケで、勝手に会社を名乗ってアルバム出したら怒るだろ。しかしそれでも2001年にはそのオリジナルバンドメンバーと再編してルネッサンスの活動をしてしまうのだから面白い。それもそのはず、というか知る人ぞ知るマイケル・ダンフォードのキャリア。そもそもオリジナル・ルネッサンスでキース・レルフと一緒に裏方で仕事をしていた人で、確かセカンドアルバム「Illusion」あたりでクレジットされていたと思うんだけど、そこから彼がルネッサンスを乗っ取る形になってしまってあの快進撃。凄く才能あるみたいで、アコギでクレジットされていることが多いんだけど、実は作曲者っつうかコンポーザーで、あのサウンドを作り上げていたのもこの人、らしい。なので別にルネッサンスと名乗っても不思議はないワケなのだな。真、この辺は一般的なイメージとは違う作ったモノの考え方だけど。

 で、その「The Other Woman」っつう作品なんだけど、アメリカ人のボーカリスト、ステファニー・アディントンという女性をクローズアップしての歌モノアルバム。この人も確かに歌巧いし、別に聴いていて害はないけど、聴いているとだんだんと何聴いてるんだっけ?みたいな感覚になってきて、ルネッサンス?ん?いや、別モノだろ、と思ってくる作品。プログレとか壮大な曲とかはもちろん一切なし。単に美しい女性歌モノアルバムとして作られていて、そういう作品として聴けば割とよろしい。ただまぁ、無理して聴かなくても、とは思うけど(笑)。

 多分再発とかもされないだろうからなくなる前に集めておくっていうのは必要かもしれないが(笑)。あ、悪くはないっす。曲調もルネッサンス知ってる人ならわかるようにそれらしい進行の曲は多いので。ただ、後期、末期のルネッサンスの傾向です、はい。

イリュージョン(紙ジャケット仕様) Illusion 〜 イリュージョン (1970)

ヤードバーズで荒々しいビートロックを歌っていたキース・レルフがヤードバーズ解体後に選んだ道はトゥゲザーというフォークデュオバンドで、シングル一枚しかリリースされなかったようなので永らく聴けない状態の続いた幻のバンドだったが、ヤードバーズの「Little Games」の二枚組拡張版「Little Games Sessions & More」がリリースされた際に残された3曲の作品が収録されていたのでようやくその幻の作品を耳にすることができたのだ。もちろん聴いてしまったらこんなもんか…って思うのはいつものことで(笑)、いや、しっかりとその後の彼の音楽人生を予期させる代物に仕上がっていたことは云うまでもない…。逆に言えば、当時は全く別の路線に進んでいったってことですな。

 で、その先鋭バンドとなったのが1969年11月結成のルネッサンス。ボーカルには妹のジェーン・レルフを従え、盟友ジム・マッカーティと共に結成したバンドだったが、その音楽性はそうだなぁ、トラッドフォークとも云えるアコースティック調の正に英国的な調べを中心とした美しく繊細なサウンドと云えばいいのかな。もちろんピアノによる叙情性が凄く綺麗だったりするので、プログレとも言われるし、それは以降の別バンドともなっているルネッサンスに依るところが一番大きいんだろうけど、キース・レルフ時代のルネッサンスだけを切り取って聴くと、決してプログレッシブバンドってワケではなくて、美しくて叙情的な英国然としたバンド…だな。アルバム的にそれが顕著になってきたのがセカンドアルバム「イリュージョン」で、これがまた綺麗なんだな。ファーストアルバムではまだまだ未開だった方向性が明確に打ち出されている。

 …と言っても既にこのオリジナルルネッサンスを解散するという前提の元にこのアルバムが出来上がっているワケだから、その音楽的才能には感嘆するものがある。ややこしいんだよ、このバンドはホントに。このセカンドアルバムの4曲目に入ってる「Mr.Pine」って曲だけが以降に引き継がれていくルネッサンスのメンバーの中心人物ともなるマイケル・ダンフォードによるもので、聴いていればわかるんだけど新ルネッサンスで有名になる「Runnning Hard」で聴けるあの印象的なフレーズが既に使用されているってのがその布石。だからこの曲だけは新ルネッサンスに通じる曲なワケだ。

 しかしそれ以外の曲の美しさは正にこのオリジナルルネッサンスならではの独特の英国的サウンドで、やっぱねぇ5曲目の「Face of Yesterday」が何と言っても一番綺麗なんじゃない?凄いんだよなぁ…。ジェーンの声はクリスタルボイスっつうのとはちょっと違って、もうちっと繊細ってとこかな。弱々しさが男心をくすぐるんだよ、多分。あ、最後の曲はちょっとオチャメな冗談みたいで、実験的要素が強いのかな、プログレじゃないけど多様な展開に挑戦って感じだね。

 ってなことで、あまり語られないオリジナル・ルネッサンスのそれ自体を切り出した音楽性ってのはやっぱピアノとフォークによる叙情性なんじゃないかな、と。決してプログレの範疇に括ってはいけないバンドで、どっちかっつうとトラッド…?う〜ん、わからんが、とにかく綺麗なサウンドなのでヤードバーズの頃からほんの1〜2年でこうまで進化するキース・レルフの才能ってのは結構凄いんじゃない?ってのを聴けてよかったな。

Enchanted Caress Illusion 〜 Enchanted Caress (1979)

最近ウチのネット環境が非常に悪くなっていて接続できないなんてこともあってイライラしていることが多く、いかんいかんと冷静になろうとするのだがこれだけネットワークありきの生活に慣れ親しんでしまうと遅いだけでストレス溜まるし、接続できないなんてのがしょっちゅう発生したらそれはもう世間との断絶じゃないかと思うくらいに情報不足に見舞われるので、ま、ここで言う情報ってのは一般的なものではなくってマニア的なもの、という意味なのだが…。そんなイライラを解消すべく、しっとりとしたものでも聴かねば、ってことで…。

 1979年録音の幻のバンド、イリュージョンの三枚目「Enchanted Caress」、しかも発掘音源として1990年にリリースされて初めて陽の目を見たCD。ま、バンド自体は幻でもないけどこのアルバムはかなり幻だったらしい。当時どれだけ騒がれたかってのはよくわかんないけど、そもそもイリュージョンの三枚目があるとか、以降発掘されるようになったB級プログレバンドのスタジオ作品なんて別に存在が仄めかされたりしていたこともないので、単に驚きを持って迎え入れられたというだけだとは思うが。まぁ、ファンタジーの二枚目とか、クリアー・ブルー・スカイの二枚目とかさ、あってもねぇ…。ま、嬉しいけど。

 ってなことで発掘されたイリュージョンの三枚目の作品「Enchanted Caress」なんだけど、初っ端から美しい「Nights In Paris」で多分ほとんどの英国ロック好きはノックアウトされると思う。マギー・ライリーやサリー・オールドフィールドの世界とはまた異なる独特のジェーン・レルフの歌声と楽曲のポップさ、というか英国らしい雰囲気の中に響き渡る声が素晴らしいのだ。この雰囲気の良さはアルバム全編に渡って一貫していて、とても1979年の作品とは思えないくらい70年代初期の英国ロックの香りがプンプンする名作。うん、そもそもイリュージョンのアルバム全部がそんな感じなのでどれもこれも凄く好きなんだけど、ファースト「Out of the Mist」の美しさは有名なのでもちろん聴いてもらいたいけど、実はこの「Enchanted Caress」もかな〜り美しい。英国フォークプログレっつうかプログレって言葉はいらないんじゃないかなぁ。

 イリュージョンっていうとジェーン・レルフのイメージなんだけど、結構ジム・マッカーティも歌っているんだよね。どちらもソフトな歌なので作品の質に影響はしないんだけど、いいなぁ、こういうの。さっきのイライラなんてすっかり忘れてしまって、作品にハマってる(笑)。全編一気に聴き通せる素晴らしさ。ちょっとユニークなのは「Slaughter on 10th Avenue」というインスト曲ではギターソロをフューチャーしていてかな〜り浮いている(笑)。でも悪くないね。

 そして最後にはボーナストラックとしてキース・レルフが感電死する12日前にレコーディングしたという最後の楽曲「All The Fallin' Angels」が収録されていて、涙をそそる。自分の死とを知っていたワケじゃないだろうに、何故にこんなに悲しい歌を最後に録音していたのか…。素晴らしい。そういえば、この人の音楽的趣味ってのはホントに幅広かったというのか、運の良さでシーンに残っていたのか…、奇特な人です。

不思議の国のアニーAnnie Haslam Annie Haslam - Annie In Wonderland不思議の国のアニー (1975)

ホントに当時からこんな邦題だったんだろうか?今になってこんな邦題を付けたといわれてもわからないのだが、どっちかっつうと直訳…、カタカナ表記だけだから当時の邦題ではなかったんだろうな、と。ま、それはともかくとして、ルネッサンスの大作志向からは大きく離れて当時恋人だったロイ・ウッドとの共作品として名高いアニー・ハズラム最初のソロアルバム「不思議の国のアニー」です。一体どこでどうやってアニー・ハズラムとロイ・ウッドが知り合ったのか、と言うようなことは調べていないのでよくわからないんだけど、まぁ、狭い世界なのかもしれないね。

 ロイ・ウッドがアニー・ハズラムの歌声を使って色々な実験をしたかったのか、アニー・ハズラムが大作志向とは異なるものに挑戦してみたかったからなのか、意外なほど二人のコラボレーションは上手く進んでいて結実しているように聞こえる。元々アニー・ハズラムの歌声は伸び伸びと歌える環境さえあれば生きるものなので、チョコマカしてなければ楽曲そのものが長かろうがポップだろうが問題はないんだろうな。だからロイ・ウッドも色々と試していて、伸び伸びと大らかに、聖歌隊を独りでまとめ上げるかのように歌わせていたり、最後の「家路」みたいにバックはシンプルに歌だけが響き渡るようなのもアニー・ハズラムらしい。これは3曲目の「If I Loved You」でも同じことが言える。そしてロイ・ウッドの実験は更に進み、バックの妙にポップに凝っているアレンジの上をアニー・ハズラムが大らかに歌い上げるというアンバランスさが「Hunioco」あたりで顕著になってくる。単なる歌い手の独りとして埋もれるのかアニー・ハズラムという個性が出てくるのか…結構微妙になってしまうくらいロイ・ウッドの作風が強烈。以降は相当ロイ・ウッドが遊んでいる様子がありありとわかる曲が多くてユニークな試みと言えばユニーク。

 アニー・ハズラムが自身のソロアルバム「不思議の国のアニー」でロイ・ウッドと組んでやってしまったことはモロにルネッサンスにも影響してしまって、ルネッサンスの次のアルバムとなった「四季」では見違えるくらいにポップで綺羅びやかなテイストを眩したアルバムになっている。それはそれで好評を博している面もあったのだが、明らかにロイ・ウッドからの影響力によるものだろう。さすがにいくつものバンドを解体しただけのことはあるロイ・ウッド(笑)。

 え〜っと、話はアニー・ハズラムのハズなのでどうにも的外れになりがちな記事になってしまったのだが(笑)、この「不思議の国のアニー」ってアナログで探している時、結構見つからなかった。珍しい〜っていう部類ではなかったハズなんだけど、タイミング的になかなか巡り会えなくて結局CDになってから聴いているもん。セカンド「アニー・ハズラム」とかはさっさと聴けたんだけど、やっぱり全盛期の「不思議の国のアニー」が気になったもんな。

Blessing in DisguiseAnnie Haslam 〜 Blessing in Disguise (1992)

最高の美声を持ち合わせること且つヤードバーズ絡みと言えばもう他にはないこの人、アニー・ハスラムさんです。ルネッサンスはこないだやったのでちょっと置いといて、ソロ作品ね。ヤードバーズとルネッサンスの絡みを知らない人はいないと思うのだが、まぁ一応書いておくと、ヤードバーズ解体後にそのボーカリストだったキース・レルフが新たに着手したバンドがオリジナル・ルネッサンスで、その時のボーカルはアニーさんではなくってレルフ氏の妹ジェーン・レルフ。で、この頃にアレンジやら作曲やらで手伝っていたマイケル・ダンフォード氏がレルフ兄妹が脱退した後に表舞台に登場してアニー嬢を発掘してきて新たにクラシカルサウンドをロックに持ち込んだかなり高尚なサウンドを世間に示したのがいわゆるルネッサンスなわけだ。クリスタルボイスの持ち主と異名を取る彼女の歌声はプログレファンだけでなく、世界中の音楽ファンに愛される美声となっている…はずだ(笑)。

Supper's Ready  その彼女はルネッサンス時代からソロアルバムを制作しているが、最初は1975年の「不思議の国のアニー」ってヤツで、ロイ・ウッドとの共作だな、これは。非常にカラフルでポップな作品なので割ととっつきやすい。アナログ時代には全然見つからなくて結構探して入手した覚えがあるが、CD時代に早々にリリースされたハズ。今はまた廃盤状態のようでアマゾンプレミアついてるな(笑)。まぁ、それはともかく続くセカンドアルバムは総てが終わった1989年、「アニー・ハズラム」っつうセルフタイトルで個性豊かなクリスタルボイスを全面に打ち出した快作を創り上げることとなるのだ。このセカンドアルバムにはあのマイク・オールドフィールドの傑作「Mike Oldfield - Crises - Moonlight Shadow Moonlight Shadow」をカバーしているというファン冥利に尽きる嬉しい楽曲を収録しているのもよろしい。そして今回取り上げる1994年にリリースされた三枚目のソロアルバムとなった「Blessing in Disguise」という作品。時代的には丁度元レベッカの土橋安騎夫と一緒にアニーが歌うってのが話題になったのとロイヤルフィルハーモニックオーケストラと共演するとか、スーパーニッカ魚図鑑ののCM曲として取り上げられたこともあるとかで総て重なった頃=冬なのでここぞとばかりにプロモーション攻勢がかけられていた。この頃なのかなルネッサンスのCDなんかも再発されたりしたのは。

 それで、そのアルバムの方だが、う〜ん、これまた良質なポップスっつうかポップス、だな(笑)。歌声に関しては今更書くこともなく相変わらずの美声なのだが、この人本当はどんな音楽が歌いたいのだろう?多分どんなのでも歌が歌えれば良いんじゃないかなとも思うんだけどね、こういう作品聴いてるとさ。クラシカルなものが好きっつうのはわかるけど、ここまでポップだとなぁ…と苦笑いしちゃうくらい。作品的に悪いわけじゃなくてむしろ全然良いアルバムなのでホントに歌姫に見えるくらいのものだから機会があればオススメしておきたいアルバムではある。ただ何度も聴かないだろうなぁ、と久々に聴いて思った。R&Bなんかでもそうだけど歌が上手くてソウルフルなものとかいっぱいあるけど、どこか魂入れて聴けないんだよなぁ、不思議なことに。上手いのは上手いんだが、多分作品を生み出しているってのがないからなんだろうな、と。だから全然ルネッサンスの方に行ってしまうんだよな。ま、そりゃそうか。

 いや、せっかくだからこのアルバム紹介しておこう(笑)。以降もいくつか実験的なソロ作品をリリースしているアニー姫、やっぱり再結成ルネッサンスが一番しっくりしているよ。そこでもソロ曲歌ってたけどね。