Yes + Steve Howe + Chris Squire

Yes Album The Yes Album Yes - The Yes Album (Remastered)The Yes Album(1971)

ポップスとロックとプログレッシブの中間に位置するバンドではなくってアルバム、と言うのは実は結構あるんだろうな、と思い立ちあまり得意ではないイエスを手に取ってみた。先日久々にブログを更新していたaxis_009さんのOoh La Laサイトでイエスを取り上げていたのもあって、名盤「Close to the Edge」を再度…と一瞬思ったけど、流れ的によろしくないので、その手前の「The Yes Album」をチョイス。もちっと手前でも良かったんだけど、「The Yes Album」こそがイエスの中途半端な立ち位置じゃないかな、なんて(笑)。

 とは言えども、ライブでは演奏される楽曲ばかりを収録した、そしてスティーブ・ハウ参加の最初のアルバムってことでかなり気合も入っているし、楽曲レベルも高いイエス好きな人の間でも評判が良い作品なので、多くは語るまい(笑)。えっと…、イエスって非常にプログレッシブなバンドとしてのレッテルがべったりと貼られていて、しかもそれはどこか長大な楽曲によるもので、組曲形式を主としたもの、というイメージがある。ジョン・アンダーソンの歌声もひとつの要因だが、感情の起伏よりも楽器としての歌声という感じで、どこか機械的な印象。そこにクリス・スクワイアの凄いベースラインが入ってくるんだけど、何故かバンドアンサンブル的にはあまり目立たないという不思議…。「The Yes Album」はリック・ウェイクマンが登場する前の作品だからトニー・ケイの力量の弱さが顕著に出てしまっていて、その分どこか小ぢんまりと纏まっている辺りが「The Yes Album」の良いところ。

 この流れで出てきたのは、「The Yes Album」って作品は意外とプログレッシブロックではなくってポップとは言わないが軽い感じに流れる楽曲が多くて、もちろん大作もあるが、それはテーマによるもので壮大なスケールというものではない。だから結構聴きやすい普通のアルバムに近い感覚なんだよね。カラフルだしさ。重苦しくない…いや、重いのはクリス・スクワイアのベースくらいで、抵抗を持つ作品ではないのだ。だから自分でも取り出して聴き直してみているんだけど、以前聴いていた時よりも可愛く聴こえてしまったのは時間の流れか。

 と、まぁ作品的に見直しているのはあるんだけど、それよりも何よりも悲しいのはギター好きの性でして…、「Clap」の素晴らしさに耳を取られてしまってですね(笑)、ついそこで何回か聴き直してしまうんだよ、やっぱ凄いな、これ…って。最近のCDではボーナストラックでスタジオテイクも収録されているようだが…、自分的にはやっぱり普通の「The Yes Album」の2曲目に入ってるライブ感たっぷりのバージョンが好きだね。そういう意味では3曲目の「Starship Trooper」の最後のパートの「Wurm」も好きだが…、結局スティーブ・ハウのギタープレイが好きなんだってことになるのか(笑)。

 そういえばコレってドラムがビル・ブラッフォードなんだけど、まだまだ「The Yes Album」ではその後に聴ける超絶手数ドラムではないんだな…とふと思った。もちろんバンドと曲に合わせて、ってことだろうけど。そしてこのジャケットで思い出すのは「Beat Club」出演時の映像…、この人形の首がクルクルと廻っている中で演奏していたんだもん。

こわれもの Fragile 〜 こわれもの(1971)

最初期からプログレッシヴバンドという狙いの元で結成されたワケではなく、英国的サウンドを奏でるロックと呼ぶには少々弱い…、いやかなり弱いサウンドを奏でていたイエスと言うバンド。もちろんそういった初期のサウンドの方が可愛気があって好きだというファンがいるのも事実で、自分的にも大成したイエスよりは初期のイエスの方が可愛がってもいいだろうという感じすら漂っているので嫌いではない。しかし、音楽的に一気に大成した、というかする方向に進み始めたアルバムはと言うと不思議なことにこれもまた1971年リリースとなった「こわれもの」なワケだ。

 バンドメンバーにスティーヴ・ハウというとんでもなくテクニカルで多様の音楽バックグラウンドを持つギタリストとデヴィッド・ボウイの「Hunky Dory」でセッションキーボードとして活躍…いや、ストローブスで活躍していたっつう方が良いのだろうか…、ま、そのとんでもない鍵盤奏者リック・ウェイクマンを迎えた初めての作品で、改めて面子を見てみると、ドラムにはこの後クリムゾンに移るビル・ブラッドフォードがいるし、歌は当然ながらジョン・アンダーソン。この頃って確かクリムゾンの「リザード」に参加してたな。で、真のイエスマン(笑)、クリス・スクワイアのブリブリベースっつう凄い面子が揃ったアルバムなワケで、その意欲を見せるかのようにまったくまとまりのない傑作ばかりが集まったアルバムが「こわれもの」ではないのかな。あんまり分析したことないけど、結構聴いたんだけどなんかまとまりがなくて散漫な感じがするンだよね、このアルバム。しかも一曲目が「Round About」だったもんだからこればっかり聴いてたってのもあるが(笑)。

 出会いはねぇ、そうだな、「ロンリーハート」がリアルタイム初のイエスだからなぁ…。ま、それは置いといて…、何だろ?多分「Round About」か「Clap」だからこのアルバムか次の「危機」だろうね。うん、実はジョン・アンダーソンの声が好きじゃないのであんまりハマらなかった。プログレっつっても何処か弱い感じがしてさ、いや、何つうのかハマれなかったんだよ。全部買って聴いたんだけどね。ま、でも何度か聴いてみるワケでさ、今も聴いてるんだけど、やっぱリック・ウェイクマンのピアノが良いなぁ〜と。これがあるかないかで凄く違いが出るもん。もちろんそういう聴き方じゃダメなんだけど(笑)。でもさ、このバンド、どこかビートルズ的な展開っつうか曲のセンスがあると思わない?「South Side Of The Sky」とかモロそんな感じでさ、英国的なんだけどプログレっつうのもちと違うんでない?っていう印象のするアルバム。もちろんハウの「Mood For A Day」とかは好きだけどさ(笑)。

 こういうの弾けると気持ち良いんだろうなぁ…。何聴いてるんだっけ?って思ってしまうよね、こういうの出てくると。で、最後の「燃える朝焼け」かね、やっぱイエスらしいっつうかそれらしい曲っつうのは。この路線をどんどん拡大していったらああなりました、みたいな原型だし、でもこれしっかりできてる曲でこの頃の英国らし〜い音してるから良い。しかしこのヘンのキメとか聴いてるとクリムゾンの影響もかなり受けているんだろうなぁ、とか思ってしまうね。

危機 Close To The Edge Yes - Close to the Edge (Bonus Track Version) [Remastered]危機(1972)

デテクティヴって元イエスのトニー・ケイがいたんだ、ってことで久々にイエスを引っ張って聴いてみたが…、やはり自分的には面白みのないバンドなのであった。もちろん好みの問題なので良い悪いという話ではなくって個人的感性の部分なんだけどね。なんかこうロックっていう感じじゃなくて凄く「音楽」なんだよね。完成度が高すぎて好みでないのかもしれない(笑)。とは云いながらもしっかりとほとんどのアルバムを所有して聴いているのだが。一般的に名盤と云われるのは「危機」「こわれものあたりで、やっぱり凄いアルバムです。「危機」ってのは本当に完成度が高くて寸分の隙間もないくらいスリリングな楽曲で占められているし、「こわれもの」は「Round About」なんて傑作があってどっちかと云えば「こわれもの」の方が好み。

 しかし個人的に大変好きなのはどちらかと云うとスティーヴ・ハウのギタープレイで、これは自分がギター弾くのも好きだからという点が大きく影響しているのだが、彼のギタープレイは非常にユニーク且つオンリーワンで、だからこそクイーンの最終作品「Inuenndo」におけるタイトル曲でのスパニッシュギターをスティーヴ・ハウが弾いているワケだ。これはノックアウトされましたね。更にスティーヴ・ハウで印象的なのは1979年のモントリオールジャズフェスティバルにおけるソロプレイで、一人でアコースティックなスパニッシュギターを弾きまくっているだけなのだが、これが凄い。そんなとこから彼のソロアルバムも聴いたが、一番のお気に入りは「Not Necessarily Acoustic」というインストアルバム。イエス時代からライブでもソロパートの時間を取って演奏していたのもあるが、その拡張版とも云える作品で、恒例「Clap」も再収録されていてギタリスト的に楽しめるアルバム。

 ちょっと否定的な部分があるのも確かなイエスだが、作品ごとの完璧さは本当に見事なもの。逆にそこまで完成されていない初期作品「Yes」「Time And Word」などはまだまだ未熟なバンドというのもあり、興味深いところ。ひねくれ者の見方かもしれないけど、イエスってそんな感じなんだなぁ。でもやっぱロジャー・ディーンのジャケットが美しいので完全否定はできないバンドだね。あ、「ロンリーハート」のイエスもあるから何とも云えないか。ちなみに「ロンリーハート」はよく聴きましたが、アルバムではまともに聴いてません(笑)。

リレイヤー Relayer 〜 リレイヤー(1974)

70年代に一世を風靡したプログレバンドの代名詞でもあるイエス。一般的に名作と云われるアルバムには「こわれもの」や「危機」ってのがあって、もちろん確かに名作でイエスの代名詞的アルバムに間違いないんだけど、自分的に一番かっこいいなぁと思えるアルバムってもしかしたら「リレイヤー」かもしれない。

 このアルバムってブラッフォードもいないし、何といってもリック・ウェイクマンがいないのだからそれはどうかと言うのもあるんだけど、「リレイヤー」期のイエスが一番しっくり来るのだ。個人的には何度も書いてるけどダメなバンドのひとつで…何がって言うとまずジョン・アンダーソンの声がダメ。おかげで全ての楽曲を聴く気にならなくて(笑)、曲構成はさすがに超メジャーなバンドなだけあって、凄く面白くて展開も素晴らしいんで嫌いではない。シンフォニック系は基本的に好きなので大丈夫なんだけどあの声で全てが崩壊してしまう、みたいな(笑)。まぁ、好みだからしょうがない。あとはライブに於けるあまりにも完璧な姿。よく知らないけどライブでもスタジオでも全く同じ演奏ができてしまうし、もっとも複雑な曲ばかりなのでそこに遊び心が出てこなくってね、どれ聴いても一緒なんだよ。もちろんプロとしては当たり前で良いことなんだけど…、あとはリック・ウェイクマンの鍵盤ってのもあまり得意ではないかな。クリス・スクワイアのベースやスティーブ・ハウのギターは好き。ま、いっか(笑)。

 で、その「リレイヤー」、なんつっても三曲しか入ってない。A面一曲B面二曲。大体長い曲ってのは色々なことをめまぐるしく展開しているので聴いていて面白いハズでこの場合もご多分に漏れず面白いのだ。過去のイエスってわりと綺麗にまとまっていてクラシカルな特徴があったんだけど、このアルバムの場合はもちろんパトリック・モラツ加入ってこともあってプログレの根幹を成す鍵盤の音が変わっていることで曲の持つ雰囲気がガラリと変わったみたい。鍵盤奏者の威力がこんなに顕著に出るのも珍しい…っつうかいかに鍵盤に頼っていたバンドかってことだけどね。んで、結局どうなったのかっつうと濃密になった。そんな気がする。なんかねぇ、音が詰まって聞く側に迫ってくるっていうの結構好きなんだよ(笑)。で、多分諸説を見るとジャズ的フレーズとクラシカルなフレーズが織り交ぜられて出てくるのでモラツの鍵盤は面白いって言われててね、ああ、多分そういうことなんだ、って思った。モラツが昔やってたバンドのレフュジーってトリオ…元ナイスのバックの面々と組んだバンドがあったんだけど、これはまたこれで面白いバンドでね、アルバム一枚出てるんだけど、なかなかB級(笑)。いや、結構かっこいいし、パワーはあるので試しにっていうのは良いんだよ。

 結局このアルバムだけで脱退してしまってまたウェイクマン復活ってなるんだけど勿体ないなぁ。結構秀作だと思うよ、「リレイヤー」はさ。ジャケもシックな見開きで、もちろんロジャー・ディーンで良いし♪パトリック・モラツは自信のソロアルバム「i~ザ・ストーリー・オブ・アイ」っていうこれまたプロフェッショナルなアルバムをリリースして、ソロミュージシャンとして活動を始めている。ま、これがあったから簡単にイエスを脱退できちゃったんだろうな。

ロンリー・ハート(紙ジャケ SHM-CD) 90125 〜 ロンリー・ハート(1983)

エイジアの成功と共に80年代にヒットチャートを賑わしたプログレバンドと言えばもちろんイエスでしょう。ジェネシスから出てきたフィル・コリンズの勢いはこの後に続くこととなるんだが、イエスの驚異的なヒットには驚かされた人も多いはず。今となっては事情が色々あって、メンバーが云々、シネマというバンドからの発展で云々とか色々とネットで調べると出てくるからなるほど〜、そういう舞台裏だったのかとわかることも多いが、その頃はそんな細かい情報なんぞ知る由もなく、あのイエスがこれか?なんてな感じで動揺を隠せなかった人も多かったようだし、実際にこの辺のイエスはイエスとして認めていないファンももちろん多い。まぁ、前作「ドラマ」からおかしかったが。

 1983年リリースの起死回生ともなったイエスの「ロンリー・ハート」、全米一位獲得のエイジア以上の大ヒットを放ったアルバムだとか…。もちろんアルバムオープニングを飾る「Yes - 90125 - Owner of a Lonely Heart Owner of a Lonely Heart」の大ヒットによるトコロが大きいんだけど、アルバム全体としても同じような路線が貫かれているので、決してシングルヒット曲「Owner of a Lonely Heart」が浮いているワケでもない。そもそもこの頃のイエスというのはこういう音だったのだ、ってことです。

 メンバーがさ、よくわかんなくてどうなってるのかと思ったら、トレヴァー・ラビンのギターとトニー・ケイの鍵盤だったんだね。ここでトニー・ケイ復活ってのは結構驚きでもあるが、アルバム全体感としてはやっぱりトレヴァー・ラヴィンのギターセンスに満ち溢れているのでヘンなハードロック的サウンドに繊細な要素がいくつか織り込まれたモノになってる。クリス・スクワイヤーによるリードベースももちろん全体をグイグイ引っ張ってるので、全くイエスらしい部分は残っていたり、やっぱり歌がジョン・アンダーソンなのでコーラスも含めてやっぱイエスだわ、ってくらいにイエス。この辺の音の方が聴きやすくて良い気もするけどな(笑)。

 改めてイエス的に聴くとかなり細部で凝っているので、決して単なるポップアルバムではないことはよくわかるハズなんだけど、やっぱりシングルヒット「Owner of a Lonely Heart」による嫌悪感なのかなぁ…。まだまだこの「ロンリー・ハート」イエスは何度も聴くって人少ない気がするし。ただ、ここからイエスを知った人は昔に遡れないってのもよくわかる(笑)。自分的には昔のイエスの印象とさほど変わらないかな…。いや、音と言うよりもやっぱりジョン・アンダーソンの声だからさ…。あとはどこか良質のフュージョン的なのもあったからやっぱりねぇ…、厳しいっす。

Not Necessarily Acoustic Steve Howe 〜 Not Necessarily Acoustic(1994)

ギタリストってのは元来目立ちたがり屋なもので、それは多分どんなバンドのギター弾きにでも云えることだと思う。その表現は色々あるので一概に云えないんだけど、多分そうだと思う。殊にロック系は絶対そうだと思うね。本当にギターの巧い人っていうのももちろんたくさんいて、個性豊かで音色も豊かなので面白いんだけどさ、プログレ界を代表して皆に巧いと言われたのはこの人、スティーヴ・ハウくらいなんじゃないだろうか?もちろん他にもいるんだけど、キース・エマーソンですら彼とはバンドを組みたかったと言わせるくらいなのだから。

 そんなスティーヴ・ハウが無謀にもたった一人でツアーに出たときのライブ音源を収録したライブ盤、だけど全然完璧なソロ作品として成り立っている、そして自分が普段余り聞かないイエスとは全く切り離された世界で一ギタリストとして非常に好きな作品がこの「Not Necessarily Acoustic」だ。ジャケットはもちろんロジャー・ディーンで幻想的な世界が描かれていて1994年のリリースなのでCD時代になっているんだけど、惜しげもなく見事なアートワークを見せてくれているのは嬉しいね。

 そして中身は1993年12月のライブを収録したものでホントに一人だけでやっているので基本アコースティック。曲によってはバックに自分で録音したオケを流して、これもギター一本なんだけど、それをバックに多重演奏を聴かせてくれます。アコギメインで、エレキも使ってるけどフルアコなので歪んでいるワケじゃないから当然静かなる演奏。そして驚くことにイエスの「海洋地形学の物語 」なんてのを9分間も独演しているのだ。故にボーカルもやってます。可もなく不可もなく、楽曲のラインは当然なぞっているのでハウ中心の曲だったんだなぁとつくづく思い知らされて、観客の盛り上がり方と言ったら凄いモノがある。それはもちろん「Roundabout」なんかもそうなんだけどさ。

 でもこのアルバムの真髄はやはりハウのフラメンコ、スパニッシュ、クラシック、フォーク、ジャズなど多様な弾き方で楽しませてくれる飽きの来ないギター演奏であって、もちろんイエス好きの人は聴くのかもしれないけど、個人的にはイエスよりこのアルバムの方が全然良い(笑)。凄いんだもん、やっぱり。ギター一本に近くてしかもアコースティック中心で一時間飽きないって凄いよ。そして聴いていれば聴いているほど音色とか指使いとかフレーズとかが気になる。

 モントルーのライブビデオってのがあって、それを見たことがあるんだけどさ、もうとんでもないワケよ。うわぁ〜、こんな風に弾いてるんだ…、でも指は5本だよな?みたいな(笑)。いや、楽しめる作品で、ギタリスト向けのマニアックな作品で、何でイエスなんてやってるんだろうと不思議に思う作品でした。ん?廃盤?勿体ないねぇ…。

Chris Squire 〜 Fish out of Water(1975)

 アトランティックが産んだ世界的なロックバンドってのはいくつもあるが、その中には多分イエスってのも入ってくるだろう。個人的にはあまり好きではないバンドではあるけど、楽曲のレベルの高さとか個人の技術なんてのはかなり凄くてやっぱり聴かざるを得ないバンドでもあるね。いや、もちろんプログレ好きだから大体のアルバムは聴いたし、今でも持ってるんだけど好き嫌いでいくとあまり得意ではない…。多分ジョン・アンダーソンの声質が苦手ってのが大きい。なので、かなりウケの良い、それ自体で名作と言われているクリス・スクワイアのソロアルバムなんてのはどうだろう?ってことで入手した経緯がある「Fish out of Water」というアルバム。

 1975年リリース、メンツは見事にプログレッシブスペシャルプレイヤーの集合体で、ドラムにはブラッフォード、これで既に鉄壁のリズム隊完成。鍵盤にパトリック・モラーツがいるのでここまでは「Relayer」時のイエスだな。で、どこにでも顔を出すロック界では数少ない、そして素晴らしいサックスプレイヤーにメル・コリンズ、フルート系にはジミー・ヘイスティングという豪勢なメンバーでレコーディングされたアルバム。ギターはクリス・スクワイアが適度に弾いているってトコだけど、正直言ってほとんど不要とも言えるな。歌もクリス・スクワイアが自分で歌っているんだけどさ、これがまた不思議なことに、どう聴いてもジョン・アンダーソンに酷似した歌い方、声質で、好きでああいうイコライジングして似せているんだろうかと思うくらい。

 そして楽曲群は素晴らしく英国的サウンドで、プログレッシブというか田園牧歌的なのどかさをしっかりと出しているけどベースが前に出まくっていて、それだけはソロアルバムだなぁ〜って感じ(笑)。全体感で言えば、もうハウのいないイエスと言っても成り立つぜ、これ。なんなんだろうな、この聴きやすさっつうかポップ感覚ってのは。どう聴いてもイエス的プログレなんだけど辛さとか暗さとか重さとかがないから取っ付きやすいんだろうか?イエスもそうだけど軽いんだよね。でもクリス・スクワイアのベースなんてベキベキ鳴ってるからそれで軽いってのもヘンだが…。

 いやぁ、ソロアルバムでも5曲しか入っていなくて、10分超えの強烈なインタープレイを展開しているのが2曲もあって素晴らしいんだけど別にソロアルバムでこれやんなくてもいいんじゃねえか?とも思ってしまうが、こうして聴くとやっぱりこの人がイエスの心臓なんだなと思うワケだ。しかしこれだけ構築されてる世界にすんなりとギターを入れられるスティーブ・ハウって人の才能は素晴らしいな、と全く別の側面が見えたけど(笑)。