The Rolling Stones - The Rolling Stones

イングランズ・ニューエスト・ヒット・メイカーズ(紙ジャケット仕様)  どのバンドもファーストアルバムというものはある種その後のバンドの方向を決定的にすることも多いと思っていて、中でも幾つかファーストアルバムが一番かっこいいと思えるバンドは少なくない。もちろん多様な音楽性や完成度の高いアルバムが後に制作されるというのは当然ある話なんだけど、その分ファーストアルバムがダイヤの原石のように輝いているバンドがいくつもある。

 その中の一つでしかも最高にかっこいいアルバムがローリング・ストーンズファーストアルバム。もしかしたらストーンズ全アルバムの中で一番数多く聴いているかもしれない(笑)。自分が聴くのはもちろんイギリス盤仕様のものだが、アマゾンでは見当たらなかったのでリンクはUS盤で勘弁。確かアブコからリマスター限定版でリリースされた際にはUK盤仕様だったと思うんだけど、まあ自分が実際聴くのはもちろんアナログ♪なのでどっちでもいいんだけどね。なわけでやっぱり「Route 66」から始まるファーストアルバムだが、初っ端からノリノリの軽快なロックンロールとしか言えないこの作品はいわゆるオーソドックスなロカビリーのカバーを中心に収録されているので彼ららしさというのはこの時点ではあまり前面には出ていないが、やっぱりミックのボーカルにはかなり個性がある。一方キースやブライアンの個性ってのはなかなか見出せない点はしょうがないかな、曲が曲だからね。

  それにしても「Carol」のカッコ良いことといったらありゃしない。オリジナルのチャック・ベリーと大して変わらないハズなんだけどイギリス流の味付けがされているのか、原曲よりもカッコイイって感じで聴いてしまうのだ。「Honest I Do」なんかもそのままなんだけど、この時点ではビートルズキンクスゼムムーディ・ブルースなんかとそんなに変わらないサウンドに聞こえるんだけど、まあやっぱりカバーする曲のセンスがそれぞれ異なっているってのはその後のバンドの方向性を物語っているってとこでしょうか。原曲を圧倒的に超えてしまった「I Just Wanna Make Love To You」や「I Need You Baby (Mona)」なんかのかっこよさってのは今でもストーンズが得意とするレパートリーに含まれているってことからも分かるように絶対の自信作なんだと思う。やっぱかっこいいもん。「Little By Little」はリフによるスタートからこじゃれたビートで進むナイスなロックンロールで以降のストーンズの得意とするロックンロールに一番近い方向性を暗示している作品なんだけどあまり取り上げられない。

 逆にすごく今のストーンズからするとストーンズらしくないんだけどだからこそ印象深い「Tell Me」なんてのはビートルズ顔負けのセンスだよね。そしてエアロスミスも真似た「Walking The Dog」で、こいつもストーンズらしいカバーで口笛の鳴らし方とかワイルドなノリでの収録とか時代を考えるとやっぱり一発レコーディングに近い形だろうから、すげぇビートを持ったバンドなんだなぁと改めて感じるよね。そんな珠玉の名作ばかりお収めたファーストアルバムってのはやっぱかっこいいよ。後の「12×5」なんてのも同じ路線でもうちょっとポップになってきているんだけどまだまだかっこいいダイヤの原石時代。やっぱこういうのがロックンロールだよね。もちろん新作「A Bigger's Bang」もリリースされたばかりだし、また日本公演も楽しみなところかな。

The Rolling Stones - Out Of Our Heads

アウト・オブ・アワ・ヘッズ  60年代のロックポップス関係のシングルやアルバムってのは実に混沌としていて情報をきちんと掌握するのが結構面倒。一旦把握してもここ最近のリマスター盤やボーナストラック盤、更にはデラックス盤なんかを考慮していくと一体何が何だかわからなくなってくる。特にThe Rolling Stonesなんかの場合は当時からアルバムジャケットですら英国とアメリカで同じもので違うタイトルだったりするのもあって、まるで理解不能な状態だった。昔に一度自分なりに整理したんだけど、やっぱりもう忘れてるしわからん。聴いたり集めたりする時はさ、必ず順番通りに手に入れられるワケじゃないから聴いた順番も後追いだと異なるからさ、やっぱり情報把握しかないんだよなぁ。CDでこないだみたいに一気にリリースされる時には整理して出されるからわかりやすいのかもしれない。もっとも全部手に入れることもないんでね…。

 そんな特性がもの凄く強い代表的な作品が英国オリジナルアルバムとしては3枚目、でもアメリカだと4枚目になる「Out of Our Heads」。もちろんアメリカ盤「Out of Our Heads」と英国盤「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」では収録曲も曲順も異なり、一体自分はどっちをよく聴いていたんだろう?と思ってしまったが、やっぱりジャケットで覚えているんで、アメリカ盤だったのだな。後から思うとやや悔しい(笑)。英国盤で覚えていればなぁ~ってね。しょうがない。なので自分的には「Out of Our Heads」はこのアルバムジャケットで、「December's Children」が路地のジャケット。

 1965年のリリースだからまだまだ小僧の頃だけど、これもまた過度期な作品だね。お得意のR&Bのカバーが大半を占めるものの、最初期ほど無頓着に勢いを持って吹き込んだだけというようなスタンスから演奏面に力を入れている感じ。そこにいくつかのオリジナル曲が入ってくるんだけど、アメリカ盤では3曲目に「The Last Time」が登場するのでガラリと曲の質が変わることを聴ける。そういう意味ではこんな編集ってよろしくないだろ、アメリカ盤って思うけど、そんなもんだ。同じように雰囲気の異質さを感じるのが「Satisfaction」。圧倒的にストーンズの個性が出てしまっていて、ある意味往年のR&Bの単調さとは打って変わってロックしたナンバーだから異質さ全開。このへんでミックもキースもブライアンも自身達の可能性に気づいていただろうね。それでも大好きなR&Bへの敬意を表してアルバムにした心意気ってところだ。もちろん面白い音です。

 そうか、アメリカ盤の編集って…オリジナルな作品である「The Spider And The Fly 」「One More Try」はイマイチパッとしないから最後にまとめてしまったって所なのか。「Heart of Stone」とか入れておけば良かったのに。なるほど、アメリカらしい編集だ、と気付く。だから故にアメリカ盤よりも遅れてリリースされた英国盤ではもちろんストーンズの意思が入っていることだろう。地味に聞こえてしまう作品にはなっているけど、それは個性をあまりにも出さなかったが故のアルバム編集のためだ。ふ~ん…。

The Rolling Stones - Aftermath

アフターマス(UKヴァージョン)(紙ジャケット仕様)  秋の空気も深まってきた今日この頃、英国ロックをじっくりと堪能するのに相応しい時期になり、9月の命日イベント企画シリーズの合間でもある本日、ふと思い出した美少年…とは云えない俗世から離れたイメージを持ち合わせた本当の不良少年で天才ミュージシャンでもあったブライアン・ジョーンズ。もちろんストーンズのブライアン・ジョーンズなのだが、何かマーク・ボランの浮游感を聴いてたらブライアンを思い出して、彼は自分の作品としてのソロアルバムって出してないからさ。「Brian Jones Presents: The Pipes of Pan at Jajouka」はモロッコの音を録音したものでブライアン・ジョーンズの作品じゃないし…。もっとも彼の場合はあまり自分で作曲をするというミュージシャンではなかったからそういう欲もなくって、だからこそストーンズの中でも浮いてしまったんだろう。ある意味悲劇のストーンズ創始者でもある。まぁ、有名な話だけどドラッグ決めてプールに突っ込んで絶命というウワサ…、実は…なんて話はいくつもあるけど、どうなんでしょ。ただ、生き方が完全にロックで、今イメージされているストーンズとは全然異なるイメージを一人で放っていた人。

 最初期はブライアン・ジョーンズがリーダーで、カバー曲も多かったのでミックやキースよりもブライアンだったんだろうけど、徐々にミックとキースが曲を作るようになるとブライアンが浮いてきた。ただしブライアンの場合はミュージシャンとしての才能に恵まれていたので様々な楽器をプレイしたりすることでストーンズの音色に幅を与えていくことでバンドに貢献していた。それがまだまだ輝いていた頃の作品が60年代の傑作アルバム「アフターマス」じゃないかと。改めて聴いてみると、何と今でもライブでやってる曲が多数入っているし、過去にもライブで取り上げられる曲が結構多い。アメリカ盤と英国盤では楽曲が異なるんだけど、もちろん英国盤で聴くべきでしょ。ブライアン活躍のシタールやらダルシマーやらと妙な音があちこちに散りばめられているのはともかく、楽曲も素晴らしい。そしてロックだなんだと叫ばれているけれど、この頃のストーンズのギターの音って歪んでないんだよね。ほとんどアコギだし、せいぜい軽くファズがかかっている程度。それでもロックしてたっていうアルバムで、今のストーンズがプレイしても全然ハマる曲ばかりっつうのも面白い。「Doncha Bother Me」の独特のブルースなんて誰もカバーしてないんだろうか?っつうくらいに白人ブルースとしては面白い。やっぱブライアンのエルモア・ジェイムズ完コピからの影響なんだろうけどよろしいねぇ。

 いい曲入ってるよな。最初から「Mother's Little Helper」でその後、「Stupid Girl」の軽快なロックでしょ、ほろりとする「Lady June」、そして今でも有名な「Under My Thumb」のかっちょよいリフ…がまだまだしょぼくてね。「Flight505」だって今やったら凄くかっちょよいロックに仕上がるんじゃないか?って思うけどねぇ。ストーンズももう新作出さなくて良いからもう一度最初期の録音をやり直したライブ盤でも出してほしいものだ。珠玉のR&Rの数々が堪らない。

 アメリカ盤では「Paint It Black」…これもまたブライアンのシタールがかっちょよくってさ、何かのテレビ番組でブライアンが弾いているのあるじゃない?あれがすげぇインパクト強いんだよね。クールってのはこういう時のためにあるんじゃないかってくらい。そのアメリカ盤の最初は「Paint It Black」が入っているっつうもの。ま、英米の差を楽しむというのもこの時期のストーンズならではか。ちなみに1966年にリリースされた作品なので既に42年前?うわぁ〜そりゃ凄いわ。

The Rolling Stones - Thier Satanic Majesties Request

サタニック・マジェスティーズ(紙ジャケット仕様)  ビートルズの「Sgt.Pepper's...」アルバムは各方面に影響をもたらし、その影響を受けたバンドの数々がこぞってサイケデリック色とコンセプト性を持たせたアルバムを制作することとなった。中でも当時双頭バンドとして祭り上げられていたストーンズの「Thier Satanic Majesties Request」は思わず「ストーンズよ、お前もか」と言いたくなる面もあるんだけど、さすがにストーンズの作品だけあって今でも異色の輝きを放っている。

 アルバム冒頭「魔王賛歌」から摩訶不思議なサウンドが鳴り響き、えらくキャッチーでポップな歌が始まるというもので、いわゆるストーンズらしさなんてのはほとんど見えてこない…もちろんそこかしこにあるんだけど、今じゃもう誰もわからないと思う。見事に逆回転やら効果音やらあまり使われることのない楽器を持ち込んでいたり、もちろんインド系旋律も…ま、これは今回初めてというワケじゃないけどさ。やっぱブライアン・ジョーンズがいた時のストーンズはカラフルで囚われることのないサウンドが魅力的だったんだよ。アーティストとしてのブライアンとロックンローラーのミックとキースの違いは大きい。で、このアルバムが初めてのセルフプロデュース作品と云うからこれもまた面白い。こんなのが最初からできたら凄く自信付くだろうし。

 話戻すと、そんなことでアルバム全編に渡っていわゆるストーンズらしからぬ音作りばかりで面白くて、もちろんブルースの影響なんてのは皆無に等しくてカラフルサウンドに徹している。「魔王賛歌(二部)」なんて何だよこれ?って曲…っつうかコラージュサウンドだしさ。その後のB面最初に配された「She's A Rainbow」がとてつもなく素敵な音色と曲で一番好きかなぁ。当たり前って言えば当たり前だが。あ、これのストリングスってZepのジョンジーがアレンジしたんだよ…そういうのってやっぱ才能と運命なんだろうな、面白い。「2000光年の彼方に」もライブで聞いたことあるから好きな曲だな。もっともアレンジが全然違うのでこういう雰囲気じゃなかったけど。そういえば、アナログ時代のアルバムではジャケットが3D仕様でリリースされていたのも結構面白くてなかなか高かった記憶がある。CDではこないだの紙ジャケで初めて3D仕様がリリースされたみたいね。まぁ、それもこれも含めてストーンズの全アルバム中で最も異色なアルバムだろう。

 んなことで、この1967-68年頃ってみんながみんなサイケに染まってた時代で大物バンドと呼ばれている連中でも同じ波を受けているってのが面白くて、他にもクリームとかジミヘンなんかも結局そこら辺から変わってきたってのあるし。それだけ「Sgt.Pepper's...」の影響力が凄かったってことだ。

The Rolling Stones - Beggars Banquet

ベガーズ・バンケット  60年代を駆け抜けたロックの伝説の中には必ずと言って良いほどにブライアン・ジョーンズの名が出てくる。昔からそういう伝説を追求するのも興味深くてストーンズの初期の作品には割と早く手を付けた方だったもちろん世代的には後追いだったのでリアルタイムでどうだったのかは推測の域を出ないが…。しかしブライアン・ジョーンズの凄さをレコードで実感できるシーンは実は非常に少ないのではないかと。最初期のアルバムはカバーばかりが収録されていて、もちろんそこでのブライアン・ジョーンズのコピーのセンスとかは凄かったのだろうが、イマイチはっきりと個性が出ているワケでもないし…。なので自分的には「黒く塗れ」のシタールとかああいうのがブライアン・ジョーンズの凄さなのだろうと。後はやはらとドラッグに溺れた貴公子というイメージが強い。

 さて、そのブライアン・ジョーンズが参加した最後のストーンズ作品がこの名盤「ベガーズ・バンケット」だ。やっぱりジャケットは招待状のヤツの方が印象深い。トイレのって、格好悪いし品がないが、やはり招待状のジャケットの方が中味にあってる気がする。これはよく聴いたなぁ…。ストーンズを理解するにはコイツだ、って思ったし、果たしてどこがコレのロックなんだ?と思う部分も多くてさ。ブルース好きからロックに進んだけどかなり融合的に独自色を出してきた作品ではないかな。キースとミックの存在感が凄くて特にキースの自己主張がバンドをグイグイと引っ張ってるからドラッグ漬けのブライアン・ジョーンズは参加できるところ少なかっただろうと思う。ここまでオリジナリティを出してしまったら脱退も至極当然だろうね。そうやって情景を想像しながら聴いてみると面白い。

 最初の「悪魔を哀れむ歌」からしてぶっ飛んでる。ストーンズの中では一二を争うくらい好きな曲だ。このギターソロの音色って何を使っても出ないでしょ?んで次の「No Expectations」だっていきなりバラード…、スライドとピアノを駆使したバラードでストーンズらしい曲。こういう綺麗な曲がストーンズの初期にはよく聴かれたんだよなぁ。中期で磨きがかかったのもあるけど、やっぱこの辺の空気感が好き。「Dear Doctor」はカントリータッチな3拍子の曲で、かなり近づいてる。ミックの歌に余裕を感じられるもん。「Parachute Woman」は思い切りブルースな曲…、この辺ブライアン・ジョーンズは活躍しているのかな。しかしどれもこれもロックの名盤と言う割には全く歪んだギターの曲なんてなくてアコギが歪んでるっていうもので、やっぱ音じゃなくてスピリッツの問題なんだろう、これほどロックに聞こえるアルバムも多くはない。

 疾走感と緊張感に溢れる名曲「Street Fighting Man」ですらギターがメインに出てこないで民族的なリズムを前面に出しているし…。しかしコレ、かっこよいなぁ…。全部前に食う感じで入ってるんだもんな。なかなか思い付かないし…、それにしてもハウリングの音までもレコードに入れてしまうってのは珍しいよ。普通こんな音は入れないし、バンド側もイヤガルんだけどどうなんだろ?しょうがなかったんだろうか?んなことないだろうな…狙ったのかな。ま、自然発生による偶然を上手く使ったってことだろうけど…。あぁ、抑揚してくるアルバムだ…。そしてアメリカンな「放蕩息子」もテンション高くて素晴らしい…。

 全くブライアン・ジョーンズの居場所が見当たらないロックの名盤「ベガーズ・バンケット」、そうしてドラッグにまみれていくブライアン・ジョーンズ。カバーの才能はピカイチだったが才能を磨く努力に長けていたキースとミックの意欲に負けてしまった天才。

The Rolling Stones - Let It Bleed

レット・イット・ブリード(紙ジャケット仕様)  1969年、今や大御所となったストーンズも動乱の時期を迎えていた。バンドのリーダーでもあったブライアン・ジョーンズはヤク漬けになっていて全くその才能が使い物にならなくなっていた時期、そして次なるギタリストを求めていたのもあり、またそんな雰囲気の中バンドはどうやって前進していくかが課題だった。そのためか前の作品「Beggars Banquet」で見い出していた泥臭いブルース路線からもう少しカントリーナイズされたサウンドを狙ったと思われる超傑作となって出来上がった「Let It Bleed」をリリース。今でもストーンズの全カタログ中で最高のロックアルバムとして語られることが多い。

 もの凄いゲスト陣を迎えているから、ってのもあるけどそれよりも何よりも曲が良いんだよ。ちなみにゲスト陣ってのはご存じのようにライ・クーダーレオン・ラッセルといったカントリー畑のミュージシャンからこの時にはアル・クーパーまでが参加。この時期のアル・クーパーと言えば名盤スーパー・セッションでもわかるように滅茶苦茶脂の乗っていた時期で、それこそ引っ張りダコだったんだろうけど、ちゃっかりとストーンズの要請には応えているところが職人だね。でもって、肝心のブライアンはほとんど参加できていないっていう…、まぁ、あんまり追求したことがないけど。それよりもこのアルバムの持つストーンズ的サウンドの確立がとってもかっこよかったからよいのさ♪

 初っ端からやってくれるよね、ストーンズのアルバムは大体どれも一曲目ってのがそのアルバムで一番かっちょいいロックンロールを持ってくるってのが王道パターンなんだけど、このアルバムでの最初は「Gimmie Shelter」さ。イントロの不思議なギターサウンドから始まるこの曲、もの凄く悪魔に魅入られたような緊張感というのか雰囲気というのか空気が漂っていて、鬼気迫るものがある…、単に名曲って片付けられる代物じゃなくて、そういうマジックが見えるんだよ。もちろんミックの歌い方も凄いし、中盤のキースのソロだって妙なトーンでそれを手伝っているんだけど、やっぱ悪いがこの曲のハイライトはその後に出てくる叫ぶような女性コーラスのよるパートだね。これが更に曲を狂気じみたモノにしている。全然関係ないんだけど聴いてると映画「地獄の黙示録」を思い出すんだよな。あの雰囲気。ホントは「悪魔を哀れむ歌」でそう思うべきかもしれないんだけど、なぜか「Gimmie Shelter」で思い出す。今でもライブのハイライトでリサ・フィッシャーが歌いまくっているのかな、これがまた凄い歌声だったんだけどね。うん、だからこの曲はストーンズの中でも多分1、2を争うくらい好き。そんな緊張感のあるサウンドの後に出てくるのがさ、「Love In Vain」で…、でもすごく英国的サウンドになってるトコがストーンズらしい。元はロバジョンだけど、全然違うしね。もうこれはストーンズの曲。で、これはまたえらく懐古的と言うか、情緒のあるサウンドで、スライドギターのとろけ具合とバックのライ・クーダーのマンドリンが好きだね。アメリカ的サウンドを狙ってるんだけど、やっぱり湿っぽいっていう音になるのがいい。

 次の「Country Honk」は効果音のクラクションとか、これ何の音だろ?バイオリン?っつうかフィドルか、の音色と旋律がかっこいい。ホントにカントリーチックなアレンジの「Honky Tonk Women」になってて、驚いたし、ああ、こうしたかったのかなぁ、と。このアルバムの最後にでも「Honky Tonk Women」を収録すべきだったよな、それはいつも思う。うん、しかし、このサウンドはホントに新鮮でかっこいいし、よく出来てるよなぁ。結構どういう作られ方になってるかっての気になったモン。そして渋いベース音のリフからスタートする「Live With Me」。曲そのものは大したことないけどこのグルーブ感はこのバンドしか出せないし、ビル・ワイマンのベースが実はグルーブ感の源でもある、みたいな感じがするのも面白いよね。ボビー・キーズのサックスはいつものことながら気持ち良いしさ。で、アルバムタイトル曲「Let It Bleed」。これはねぇ、ミックの歌メロがミックらしい。もちろんグルーブもキースらしいんだけどさ、面白いよな、こういうカントリータッチのロックンロールになるとアコギで弾いてるんだけど、しっかりロック出来てるんもん。どこからどう聞いてもクラブバンドのサウンドで、ピアノとアコギと歌、みたいな感じなんだよね。これがストーンズの面白いところで実はあんまり歪んだ音で弾いてるってのが多くなくて、アコギの方が多かったりするんじゃないかな。でも世界最高のロックバンドなんだよ。そんな代表的なサウンドで、だからこそアルバムタイトルなのかな。聴いてると凄く盛り上がってくるのは後半のスライドとホンキートンクなピアノだね。いいよなぁ、このアルバム。  A面終わったトコロでいつものようにアルバムジャケット論だけど、このアルバムのジャケはそんなに面白くは見えないんだよね、一見。ま、アイディアはいいんだけど、ストーンズって結構無頓着なんだよな、ジャケットって。…とは云え一番過度期でもあった頃だからなぁ。まあ、よし。

 で、B面へ行こう(笑)。もう定番中の定番になってしまた感のあるストーンズアドリブブルースの決定版、「Midnight Rambler」がここで登場。これさ、ギターのリフで始まるんだけど、音使いはともかくこのノリって凄く独特でコピーするの難しいんだよなぁ。でも凄くカッコイイノリでさ、聴いてると徐々に気分が高揚してくるんだよ、まるでホンモノのブルースのように(笑)。いや、ホンモノなんだよな、実際。それがやっぱ凄くて、何度も聴き入っちゃうしハープが引っ張っていくってのも面白くてさ、で、音はどう聴いてもロックンロールなんだよ。やっぱすげぇよ、ストーンズ。まぁ、この辺のはライブ盤で聴くに限るんだけど、このスタジオテイクもまったくライブ感があって、素晴らしい。次に出たアルバム「Get Yer Ya-Ya's Out!」でミック・テイラー入れたあとの絶頂期のストーンズのライブ盤があるし、そこでもコレやってるんで聴いてみるべし。う〜む、ストーンズのライブ感の醍醐味がしっかり味わえる傑作♪続く「You Got The Silver」…、これだけはかなり無名の曲なんだが、一言で言えば滅茶苦茶渋い曲。カントリー的な雰囲気での静かな曲なんだけど、やっぱギターの絡みと歌が面白いよね。ここでももちろんスライドが大活躍だし、う〜ん、人に委ねてる面が大きいのかな(笑)。ま、いいや。次行こう。こんな歌誰が本気で歌うんだ?って思うくらい単刀直入な「Monkey Man」。「I'm A Monkey〜!」なんてミックが歌ったらシャレにならんだろ、と思うんだが、マジにやってたんだから凄い(笑)。キースもさぁ、こんなにかっこいい曲なのにこんな歌詞付けさせるなよ、と勝手に思うが、あんまり気にしてないのかな。歌詞はともかく、サウンドは滅茶苦茶かっこいい。ギターのリフで引っ張ってって、ピアノで色つけて、でもやっぱミックの歌が美味しいところを持っていく、みたいなさ、B面後半だからダレるハズなんだけど、全然そんなことなくってより一層気合い入っちゃうくらいの曲だよね。

 そして最後を飾るこれも超名曲「You Can't Always...」「無情の世界」だっけ?アル・クーパーさんのフレンチホルンが心地良いんだけど、やっぱこれもアコギロック…と言うか、ある意味プログレッシヴだよな。一介のロックバンドが奏でる単なるロックなんてのはもちろん超えていて、アルバムの最初にイメージを持った悪魔的緊張感とか空気ってのからすると全く全てから解き放たれたような広がりのある曲で、もちろんそれぞれの楽器が複雑に絡み合っているんだけど、単なるフラワームーブメントで時代が何となく閉塞的な面を見せていたのとは全く異なる、正反対の前を向いた、そして未来を見せてくれるようなアレンジは素晴らしい。ゴスペルのようなコーラスもどこかそういう開放感を手伝っている。凄いなぁ、これはホントに。

 うん、どの曲もきっちりと出来上がっていて楽曲レベルがとんでもなく高いので際立っている作品。この時期のストーンズってのは怖いモノなしで、例えクリムゾンが出てこようがビートルズが「Abbey Road」出そうがZepがハードロックやろうが全く関係ないところで勝負してる凄いサウンド。このアルバムはその代表格だよね。そしてブライアンがクビになり、直後に死んでしまうワケだが、色々な意味で素晴らしいライブとなったハイドパークコンサートはDVDでもリリースされているので必見。最近リマスターされて出たのか、曲が増えてるのでこの方がよりお得かもしれん。あそれとライブアルバム「Get Yer Ya-Ya's Out!」も絶対に聴くべしアルバムだね。熱いライブだぜ〜、ホント。

The Rolling Stones - In Concert 40th Anniversary Get Yer Ya-Ya's Out

Get Yer Ya-Ya's Out 書きたい書きたいと思いつつもなかなかタイミングが来なくて、来ていたのにすっかり失念していたりして流れに乗り損ねていたおかげでリリースから半年以上も遅れてしまったTHe Rolling Stonesの名盤ライブ「Get Yer Ya-Ya's Out」の40周年記念盤デラックス・エディション。その間に「メイン・ストリートのならず者(スーパー・デラックス・エディション)」もリリースされてしまって全く出る間がなかったのだが…(笑)。それで、今が良いタイミングってワケでもないけど聴いていたらやっぱ書いておきたいな~と思って脈絡なく取り上げました。  やっぱさ、一番過渡期を迎えた時期のライブ、しかも1969年の11月っていう時期でブライアン・ジョーンズを亡くし、ミック・テイラーを入れての全米ツアーを収録したものなので悪いはずがない…っつうか永らくアナログ時代からストーンズのライブ名盤として必ず挙げられてはいたハズだ。一方ダークサイドとして同じ時期のライブとして高名な「ギミー・シェルター」もあるが…、こちらは例の「オルタモントの悲劇」として知られているライブなので全くこの二枚は明暗くっきりした存在。もちろんライブの空気感も全く異なっているのは聴いていてもよくわかるくらいだ。演奏的にどっちがどうってのは好みになってしまうけど、自分は昔は「ギミー・シェルター」の方が好きだったな。今は「Get Yer Ya-Ya's Out」かもしれない…。

 そんな歴史の瞬間ではあるけど、「Get Yer Ya-Ya's Out」はその実結構なオーバーダビングが施されていたライブアルバムとしても知られていて、今回のリマスター時にはそれらのアフレコ音をカットして生のライブ音だけど収録することも検討されたのかどうかは知らないが、とても「Naked」としてはリリースできなかったようなので、そのヘンの経緯と生々しいライブ音が別の機会を待とう。そんな事情からか、折角の40周年記念盤なのに一枚目のディスクはオリジナルアルバムと同じ内容のリマスターとなっている。まぁ、これはこれで良いんだけどさ、ライブ盤のリマスターとかデラックス・エディション盤ってのはやっぱり拡張盤が望ましいし、好ましいのでねぇ…。そんなことでおまけには同じ1969年11月のMSG公演から5曲が収録されている。この理由は御存知の通り、当時のステージで演奏された曲ってことなので入れてあるのだな。だから曲順さえきちんとすれば一応1969年11月のMSGにタイムトリップできるよ、という配慮なのだろう。

 まぁ、現実的にはMSGの前のBaltimore公演も入ってるんだが、それは良しとしてこんな曲順でライブは行われたようだ。やっぱり当時リリースされる媒体がレコードというフォーマットしかなかったのでA面B面に合わせた曲のスタートなんてのを意識した結果オリジナルディスクの曲順になったのだろう。それはよくわかる話で、だからこそ名盤と名高かったワケだ。当時から何十年も実際のライブがどうだった、とか曲順がどうだった、なんて気にする人は本当に僅かしかいなかったのだろうから。ここ最近だよね、そういうライブに関しても厳密な情報がわかるようになってからそういうニーズが出てきたのはさ。まだ十数年だよ、そういうのを意識し始めたのって。ただ、今回の「Get Yer Ya-Ya's Out」でもそういう点を意識したからこそこんなボーナスディスクが付けられているワケだろう。

 中味についてはさ…、もう言う事ないんだよね。オリジナルナンバーもカバーナンバーも全部ストーンズの色になってるし、堪らないタメが心地良いし。なんせミック・テイラーって凄く好きなギタリストなので、正に最強ストーンズの時代なんだよ。理屈抜きにR&Rを楽しめるライブでこんなにグルーブしているバンドってあるか?ってくらいに素晴らしいライブ。

The Rolling Stones - In The Park 1969

ハイド・パーク・コンサート リマスター版  ボブ・ディランが「Like A Rolling Stone」と呼んだ対象がブライアン・ジョーンズだったと言うのは有名なことだが、もちろん事実かどうかは知らない。多分、それくらい派手な人生だったブライアンを見て書いたのかもしれないけど、60年代半ばのアメリカと英国でそんなにも情報交流があったのか、はたまた本人達の交流があったのか、とはあまり考えられないのだけれど、でも、そのロックアイコンの存在は英米問わずに知られていたということだ。奇しくもアメリカ独立記念日である前の日にブライアン・ジョーンズはプールで謎の死を遂げ、その二日後には新生ストーンズお披露目ライブであったハイドパークでのフリーコンサートが開かれるというタイミング。それが1969年7月5日の出来事だ。

 1969年7月3日ブライアン・ジョーンズ死去。7月5日ハイドパークでのフリーコンサート。その前にブライアン・ジョーンズのストーンズ脱退劇。コレを受けてストーンズにはミック・テイラーが既に加入済みだった状態で、ミック・テイラーのストーンズでの最初のコンサートがこのハイド・パークだったのだ。しかし、皆若い(笑)。そりゃそうか、40年も前の話なんだからなぁ…。

 久々にまともにこの伝説のハイドパークコンサートを見たんだけど、いやぁ〜、ヘタクソ、なのはともかく、すげぇ〜トンがっててかっちょよい。観客もキースもトンでるし、ステージ下のガードはヘルズエンジェルズだっけ?そして最後には呪術師を迎えたかのようなヴードゥーとの共演による「悪魔を哀れむ歌」という演出で、とにかく凄い。冒頭には聖書を読み上げるミックが真っ白な衣装を着ていたので正に聖人君子に見えたものだが、ライブが始まったらもう全然パンクなバンドになってしまって、これこそロックだよ。一人でステージと観客の橋渡しをするミックのパフォーマンスとカリスマ性はもの凄いものがある。

 一方他のメンバーだが、まずはキース。ここでしか見たことないんだけどナチュラルなフライングVを弾いているんだよな、これ。珍しい。しかも2mくらいのコードだから全然動けなくて…しかもチューニング無茶苦茶でソロ弾いてて完全にイってます。そしてエグイ大人ので目立つんだ、これ。いやぁ〜、かっちょいい。完全に時代をに乗り切っているロック。新加入のミック・テイラーは地味〜にSGを弾いていて、まだ巧さもあまりだしていない感じ。全く目立たないもん。ま、それは他のメンバーも同じなんだけどさ。

 しかし何でこんなにステージ周りに人がいっぱいいるんだ?観客は30万人とも言われているので多いのはわかるけど、ステージの中とかにスタッフかね、これは?いやぁ、多分お手伝いさん達もストーンズ見たかったんだろうな。そして演奏されている曲目がこれまた素晴らしい。というか当時の曲から選曲されているから良いのばかりになってしまうんだけど、どれもこれもストーンズらしい粘っこいブルース基調な曲ばっかりで、ここでのミックの歌はモロにオーティス的かも。いやぁ〜、かっこいい。

 有名なのはこの日の前座でキング・クリムゾンが出演していたということか。ストーンズのメンバーからそのことを聞くことはないので当然会場にはいなかったんだろう。その時のクリムゾンの映像が一部モノクロで残っているのが凄い。とんでもない演奏だったんじゃないかな〜と興味津々なんだけどね。

 そんなことで、この二年後の7月3日、奇しくもブライアン・ジョーンズと同じ日に今度はザ・ドアーズのカリスマ、ジム・モリソンが謎の死を遂げることとなるのであった。

The Rolling Stones - Exile On Main Street

Exile on Main Street  1972年、ローリング・ストーンズは新たなギタリスト、ミック・テイラーをしっかりとリードギタリストに据え、ロック史に語り継がれる最高のツアーを敢行している。そんな最絶頂期を迎えたストーンズがその時にリリースした新作アルバムはと言えば泣く子も黙る「メイン・ストリートのならず者」なのだ。

 今でもストーンズファンの間では人気の高いアルバム、だと思う。ジャケットからして退廃的というかストーンズのストーンズらしいアルバムジャケットというのは万人が認めるところだろう。そして何と言っても充実しまくったストーンズのバンドパワーでさ、グルーヴ感がとんでもなく漂っているアルバムで、ストーンズらしいノリが集約されていると思うんだな。初っ端の「Rocks Off」からキース独特のリフでスタートされて、そこにミックが絡むという、まぁ、当たり前と言えば当たり前なんだけど強烈なグルーヴがかっこよくってね。正にR&R。バンドにギターが二本いたらやってみたくなる曲だよな、これは。続く「Rip The Joint」はかなりアップテンポでホンキートンクなピアノとサックスが入ってくるので単調なビートの曲には聞こえなくて相当カッコよりR&Rになってて、これこそお手本、って感じ。で、スリム・ハーポのナンバーから「Shake Your Hips」だそうだ。このアルバムにかかるとカバーも何も関係なしに聞こえるからなぁ。

 それからタイトルがやたらとかっこよくって気になって聴いていたのが「Casino Boogie」。見事にストーンズ風な、ちょっと乾いた感じのルーズなR&Rで、可愛らしい…っつうかコジャレてる。スライドにしてもサックスにしても目立つ感じで入ってるんじゃなくってさ、パーツ的に存在していてそれが凄く良い。そしてもうお馴染みの名曲「Tumbling Dice」は有名な一曲だね。微妙なポップさとストーンズらしいルーズなリズムがマッチした曲でねぇ、確か最初の日本公演でもやたからその時の印象が凄く残ってる。ここまでがアナログ時代のA面かな。んでこれも日本公演の印象が残っている「Sweet Virginia」。アメリカのカントリーチックな雰囲気を醸し出したアコギとピアノ中心のリラックスした曲でねぇ、ミックの歌がやたらとロックしているのがアンマッチで面白い。ここでもやっぱりサックスがモノ哀しげに奏でるソロが美しい。そして地味だけど結構アルバムを象徴するかのような曲調なのが「Torn And Frayed」だと思うんだけど…、ちょっと弱いのであまり目立たないが「Sweet Virginia」からの流れはかなり良いよね。次の「Sweet Black Angel」もそういう一貫性という意味では乾いたアコギ中心のイントロから始まるので結構繋がってて良い。損な雰囲気をピアノに変えたのが「Loving Cup」かな。この面はとにかくそんなカントリーチックな雰囲気をたっぷりと詰め込んだ面だよ。だからやっぱアナログでこういう切り分け方をしていたってことはこの辺でCDも一旦切らないといかんだろ(笑)。

 さてさてC面トップのキースの代表曲「Happy」。しっかしなぁ、こういうストーンズ的ギターフレーズというかリフっつうかオブリガードの面白さも合わせて単なるR&Rでは終わらないグルーヴだよな、やっぱ。面白いモン。キースの歌っていっても全然ストーンズしてるしさ、ミックが歌っても全然OKだろうし。かっちょいいわぁ…。続く「Turn On The Run」でもまた新しいリズムにトライしているし。全く飽きさせないアルバムとしてよく出来ているもんだ。かと思えば思い切りアフタービートな「Ventilator Blues」なんつうのもあって…、このリフにこのベースが絡んで、こういうリズムと歌が入ってくるか…というくらいに刺激的なダークブルース。いや、いいな、こういうの。ここに入ってくるのがいいんだよ。次はまぁ雰囲気を創るモノとして…、その次の「Let It Loose」でまた新たな雰囲気を持ち込む…、かったるいけど何か気怠くてストーンズらしくなくて、エフェクトかかりまくりなんだけどでもどこかドラマティックな空気感が良いのかな、ミックが頑張ってるなぁと。うん。ここでC面おしまい。

 最後のD面は一気に突っ走るぜ〜って感じで「All Down The Line」っつう堅実なR&Rナンバーからスタート。うん、またA面一曲目を聴いているような感覚になるくらいかっちょいい出来映えだよね、これも。次の「Stop Breaking Down」も二曲目に相応しい、スライドをクローズアップしたミドルテンポの曲でシンプルながらも不思議なことに飽きがこないっつう(笑)。さあ、エンディングも近づいてきたという雰囲気を出しまくっている「Shine A Light」ではまた女性コーラス隊を駆使してピアノと共にストーンズ風壮大なアレンジが再び。今回はそこにミック・テイラーのナイスなソロが被ってくるから興味深いけどね。そしてラストチューンは「Soul Suvivor」。ストーンズっぽいグルーヴ感に包まれたものではあるけどちょっと印象弱いかな。しかしミックのシャウトは見事なモノで、やっぱり締めてくれる(笑)。

 しかしまぁ、どういう録音手法を取ったのか知らないけど、凄くラフでライブ的雰囲気がたっぷり出ていて、それでこそストーンズ、って感じのアルバムの出来映えはかなりロック的でいいんだよね。作り込まれたアルバムではなくってバンドらしいアルバムっつうのが良い。で、やっぱグルーヴ。うん、一気に聴ける二枚組作品だったな。

The Rolling Stones - Ladies & Gentleman

レディース・アンド・ジェントルメン [DVD]  2010年に世間を騒がせた前代未聞のイベントとしてローリング・ストーンズの「レディース・アンド・ジェントルメン」の武道館での上映会と言うものがあった。これまでにも何かのバンドの映画やフィルムライブを武道館で上映するなんてことがあったのかどうかあまり記憶にないけれど、そうそう多くはなかったはず。そりゃまぁ、本人たちがいないのに一万人もの人を集めるなんてことできないもんな。普通の映画館ならともかく武道館というロックバンドを見る者にとってみればある意味の聖地でもあるわけで…、なるほどなかなか気の利いたイベントをするものだと。ちなみにそのイベントは結構な盛況だったようで、大いに成功と言って良い形になったと伝え聞いたので、さぞや盛り上がったことだろう。

 70年代のバンドの発掘ライブが評価されること自体は珍しくないが、どうしてもオリジナルリリース順からして記憶に刷り込まれているとこうした発掘ものについては別の視点で会話に出てくるのだが、ローリング・ストーンズの「レディース・アンド・ジェントルメン」についてはまるでそんなことなく、当時そこにあったオリジナルリリースのライブ作品であるかのようにタイムスリップして盛り上がるばかりだ。なぜだろう?余りにも生々しいローリング・ストーンズの絶頂期が見れるから、最近のライブの印象ばかりが強いストーンズからしてみたらやっぱりカッコ良く見えすぎるんだ。常々ストーンズ見るなら1972年でしょう、と事あるごとの会話では言われていたし自分でもそう思っていたけど、こうして「レディース・アンド・ジェントルメン」が日の目を見て多くのファンが見れるようになるとその凄さとかっこ良さが伝播していくのがわかる。何なんだこのカッコ良さは、と驚くほどのロックンロールさ加減。今時のバンドからロックに入った人間だってコイツを見れば、それはもうロックのかっこ良さってのがしっかりわかるだろうし、好みだとか違うとか言う次元じゃない。そんなかっこ良さが詰め込まれている。

 「レディース・アンド・ジェントルメン」は古くからフィルムの存在が知られていて、自分的には昔に「25×5」を見た時にチラリと出てきた1972年のライブシーンってのが最初に見た記憶。うわ、なんだこれ?ぶっ飛びモンじゃないか、って。その全長版が「レディース・アンド・ジェントルメン」だと思うんだけどさ、とにかくミックも時代を反映してグラマラスなメイクしているし、キースだってまだまだ色気づいているし、二人がひとつのマイクで歌うシーンが続出するんだけど、これがまた凄くかっこ良いんだよな。何でだろ?凄く激しいアクションってワケじゃないし、フィルムだって暗いからよくわからんトコ多いんだけど、生々しくてカッチョ良い。ミック・テイラーの職人的なギターのラインがストーンズのライブの音に彩りを与えているのは確かで、まぁ、そういう意味ではホーンセクションもいるから既に多彩な音が出ているんだけど、そんなことをすっかり気にしなくさせてしまうくらいの毒気がミックとキースに宿ってる。なんて野性的でロックンロールなバンド…、「Love In Vain」のミック・テイラーのギターソロも凄いけど(笑)。どの曲取っても名曲名演だし、まったく文句を付けるところがない。コイツを見てストーンズだめだ、って思う人はもう一生聞くことないだろうよ(笑)。

The Rolling Stones - Sticky Fingers

スティッキー・フィンガーズ(紙ジャケット仕様)  今年さ、午年か〜って真っ先に思いついた単語って「Wild Horses」とかだったんだよ。もちろんストーンズのアレ。今年の冒頭にそいつを持ってきたいな〜ってのあったけどアルバム「Sticky Fingers」に入ってるけど当然書いてるだろうから、どうすっかな、なんか違うエディションのでも取り上げておくかとか考えた挙句やめとこ、ってなったのね。んで、ブルース聴いてて何かもちょっと、って思ってストーンズ聴きたいなって…自分のブログライブラリ見ると何と「Sticky Fingers」ってまだ書いてなかったことに気づいた…orz 年初に取り上げておけばもうちょっと気合入ったかなぁ…などとちょっと詰めの甘さを実感したのだった。

 The Rolling Stonesの1971年の屈指の名作と誉高いらしい「Sticky Fingers」。ウォーホールによるホントのファスナーが付けられたアナログジャケットが有名で、そのためにこいつのオリジナルが入荷するといつもダンボールなどでジッパー部分を覆ってからじゃないと他のレコード傷付けるんで気にしてた。今思うとそれは中のレコードを傷付けることはなかったんだろうか?とも思う。CD時代になって何度か同じようにリアルジッパー付きでリリースされたことあると思うけど、意味ないねぇ。今はどうなってるか知らないけど紙ジャケ辺りならリアルジッパーだろうか。更にその頃不思議だな、ってのがタイトルロゴ…ロゴってかスタンプの位置が割と異なってて左側に斜めに押されてたり上の方に真っ直ぐ押されてたり各国盤の違いだったのか再発の違いだったのか何か色々あって良くわからんレコードだった。

 んでその中身はもちろん最絶頂期のストーンズですからねぇ、いつ聴いても名盤です。ひたすらブルース聴いてた後だからか、ストーンズってこんなにキャッチーでポップだったか、と思うくらいだが、やっぱ生々しいロックな音。面白いよなぁ、こんだけロックの王者として語られてるのにどう聴いても基本的にアコースティックなバンドなんだよ。決して必要以上に音を歪ませることはないし、「Sticky Fingers」でもオープニングから「Brown Sugar」だからあのリフなんだが、マイルドで耳障り良いし、しっかりとアコギが鳴ってるしね。んで、聴き進めていくとミック・テイラーのスムーズなギタープレイやホントに心地良い。冒頭に書いた「Wild Horses」なんか超傑作だよ。アコギとそこに絡むオブリなギターソロ、そしてミックの歌メロでしょ、凄い。確か初来日公演のライブで演ったんじゃなかったっけ?しかし、改めて聴いてて思ったのがスタンダードブルース的な曲が多く入ってるアルバムだったんだな、と。ミック・テイラー獲得したからだろうか。バラードってかブルースってか静かめなのが半分占めてるもんな。ロックな曲って数曲程度…、イメージとは違って結構作り込んで深みを出している作品だったんだ。どうしても「Brown Sugar」や「Bitch」なんかの印象強かったからさ。うん、良かった。  そういえばまた来日するんだっけ?もう最後かなぁ〜、だからと行って見るか?ってんでもないし。見るなら全盛期が見たかったワケで…、それにしてもロック50年、70歳過ぎてもロックかよ、世の中老けてくハズだ(笑)。

The Rolling Stones - Sticky Fingers Super Deluxe Edition

スティッキー・フィンガーズ(スーパー・デラックス・エディション)(初回限定盤)(DVD付)  ライブラリからビートルズを選ぶ時にはどのバージョンから聴くかってのを悩んだりするくせに、ストーンズのアルバムがまたデラックス盤でリリースされる、なんてのはワクワクしながら聴くんだからファンってのはいい加減だ(笑)。最近はさすがに全部が全部聞く必要もないかと思ってるんで血眼になって聴くってほどでもないけど、やっぱり出てたら聴いてみたいし、その違いを実感したいし、そもそもしょっちゅうは聴かないアルバムなんかだと聞き直す良い機会にもなるし様々な要素が絡んで結局聴くことになるのだ。そういう人も多いだろうなぁ…と思いつつ皆好んでダマされる…騙されてみたくなるのだな(笑)。

 The Rolling Stonesの1971年の名作「Sticky Fingers Super Deluxe Edition」。そいつが3CD+DVDになって登場したってことで気になるアイテムに。気になるっても気になった瞬間に聴いてるってのが今の時代だったりするから横目に見て待ってたって方が強いんだけどね、まぁ、それにしてもよく出してくるね、こういうの。アーティスト側がどこまで容認するかってのがキモだろうけど、歳取ると皆寛容になるのだろうか。カネについては全く問題ないだろうからカネのためってのはないから、ストーンズ好きな連中へのプレゼントっていう意味合いが強いか。そりゃそうだね。

 中味についてはアチコチ書いてあるけど、普通のスタジオ盤のリマスターが1枚、そしてデモやらアウトテイクスやらなんとかバージョンみたいなのがいくつも入ってて、1971年のラウンドハウスのライブが半分くらい。3枚目のディスクは1971年のリーズ大学でのライブの模様が入ってて、映像はマーキーのから2曲、おまけでシングル盤「Brown Sugar / Bitch」。自分的にはデモ/アウトテイクスが面白かったね。クラプトン参加の「Brown Sugar」とか興味そそるもんなぁ。聴いてみると割としっかりハマってて良いね、って感触なんだがさすがに仕事になるとリリースは出来なかったかというような所、「WIld Horses」のアコースティック版なんてのはそのままこっちでも良いよ、ってくらい。何ら不思議はない作風で、最後までどっちにするか悩んだんじゃないかな。てな感じのアウトテイクバージョンが5曲、その筋では知られていてものだけどこうして聴けるとやっぱり違うね。

 ライブはもうこの時期だから言うことなしの出来栄えなことは言うまでもなく、ひたすらに楽しめればOK。見事に1971年頃にタイムスリップしてしまうセットになってるし、そうだよな、これミック・テイラーだもんな…なんてしみじみ思ってしまうお得意なブルージーなフレーズの嵐、自分が一番良く聴いた頃のストーンズってミック・テイラー期かもしれんし、ライブだったら絶対にこの頃のが良いからね。

The Rolling Stones - Goat Head Soup

山羊の頭のスープ  レッド・ツェッペリン再結成の引き金となったのはアトランティックレコードの創始者でもあるアーメット・アーティガン氏の逝去によるものだが、そのアーティガン氏はストーンズのライブに顔を出しに行った際に転倒して頭を打ったことから意識が戻らずにそのまま逝去したとのことで、ストーンズとしても複雑な想いだろうか。そこで何故にアーティガン氏はストーンズのライブへ?とか思ったんだけど、そっか、ストーンズレーベルの北米での販売はアトランティックが全てやっていたってことで、納得。今までストーンズのレコード買ってた時にアトランティックのあのロゴがレコードに付いていたって記憶がないから不思議だったんだけどね。日本盤だと関係ないしさ。そういうところを気にしていくとマニアの道に入ってしまうのであまり気にしないようにしよう(笑)。

 さて、そんなことでストーンズは現役で活動しているもののその頃の作品で何かあるかなぁと思って漁ってきました。はい、「山羊の頭のスープ」です。

 1973年発表作品。ミック・テイラー加入後3枚目くらいかな。派手な曲はあんまりないから今となってはあまり目立つアルバムじゃないんだろうけど、そうだな、「Angie」が入ってるからまだ知名度はあるかもしれん(笑)。いや、個人的にはこのヘンの作品って凄く好きなので、「スティッキー・フィンガーズ」「メイン・ストリートのならず者」「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」とこの「山羊の頭のスープ」はどれも甲乙付けがたいくらいです。この「山羊の頭のスープ」は、最初から地味〜な感じで始まるので勢いのある時期に作られたロックンロールアルバムってのとは違って、もっと深い音が詰め込まれている。初っ端の「DancinG With Mr.D」からしてなんかこう沸々と沸き上がってくるかのようなビートと浮游感に包まれたリズムでギターのノリが異様にグルーブしていてかっこよい。ミックの歌も余裕綽々で、ロックだあ〜って感じだしね。次の「100 Years」は更にロックな意向が強くて、うん、普通にビートが効いているとかじゃなくてロック。正にストーンズ流のロックで、このヘンのビートはストーンズしかできないものだね。

 キースの歌う「Coming Down Age」はちと切なくいけどコーラスも含めて綺麗。しかし三曲目ってのは早くないか?で、更にグルーブした曲「Doo Doo Doo (Heartbreaker)」もかっちょいいロック。これは普通にロックって云える(笑)。いやぁ、どこかドロッとした感触のあるアルバムで確かに呪術的な雰囲気なのかもしれないけど、A面のこの妙な高揚感はホントに素晴らしい。音全体が輝いているんだもん。 B面最初から名曲「Silver Train」。これももうスライドが凄く良い味出しててさ、ギターの絡みがかっこいいのもあるし実はベースフレーズもかなり歌っていてかっこよい。ミックも出しゃばりすぎないでしっかりと曲に馴染んでいる…、実はかなりの名曲でバランスが取れているんだよね。もっとライブとかでもやれば良いのにと思う曲。「Hide Your Love」はピアノのグルーブが曲を引っ張っていて軽快な感じ。多分ミック・テイラーの趣味が大きく反映されている気がする。ブルージーで粘り気のあるギターソロもグイグイと引き込まれるし。

 そしてその延長線とも云える名曲、名ソロを弾いている「Winter」。曲全体はミックお得意のパターンだけど、終盤のギターソロの入り方から欲歌ってるんだよ、ギターが。ストリングスのアレンジはちょっと露骨だけど(笑)。いやぁ、素晴らしい。「Can You HearThe Music」はどこか呪術的な雰囲気を思い切り出している曲でオルガンの響きが特徴的なのかな。アルバム終盤に来てこういうのは必要だろうなぁ、という感じ。うん、だから最後の最後は「Star Star」なワケだな。シンプルなロックンロールで、このアルバムの中では凄く音数が少なくってストレート。当たり前だけど。アルバム全部聴いてここに辿り着くと締め括りとして滅茶苦茶かっこよくってさ、何かを突き抜けた後にロックンロールパーティが待っているっていう感じですっきりする。曲はチャック・ベリーだけどそれも良し。歌詞が「Starfucker」でもいいんだよ(笑)。

 このアルバムのどれもがクォリティの高い作品のため突出した曲がなくって目立ちにくいアルバムなのかもしれないけど、ホントは凄く濃い〜作品で、二期ストーンズのキースとミック・テイラーの融合作品としては非常にバランスの取れているアルバムだと思う。誰かの趣味だけが反映されるんじゃなくって、しっかりと良いバランスで出来ている。構成もね。

The Rolling Stones - Brussels Affair (Live 1973)

ストーンズ - ザ・マーキー・クラブ ライヴ・イン 1971+ブラッセルズ・アフェア 1973【完全生産限定盤3500セットBlu-ray+CD(マーキー)+2CD(ブラッセルズ・アフェア)】  何となく60年代のロックが続いたのでその辺を~なんて思ってて、新しくリリースされたストーンズの「Some Girls: Live in Texas 78」でも見るかな~なんて気がしてたんだが、突然にリリースされたという驚きの情報を入手してすっかり気分はそちらへ(笑)。いや~、丁度その前にGoogle Musicってのが一般公開されて、iTunesをも視野に入れたフルサービスの展開ってことでちょいと驚いてたんだよね。それこそ自分のライブラリもiTunesのライブラリも何でも共有できてCloud出来るっつうもんらしいからさ、自分チのコレクション全部Cloudに持っていけるってことか?そしてしかもマニアの友人同士が集まれば皆でバックアップな世界、それこそ世界に広がるマニアワールド…もっともニッチな世界のはずだが。そこに起爆剤として出てきたのが何の情報もなかったストーンズの「Brussels Affair 1973」なワケだ。

 昔々にKing Biscuit Flower Hourっつうアメリカのラジオ番組で放送するために録音されて、実際に放送されたんだが、そのライブソースなワケで、しかも1973年のストーンズったらもう歴史に残るくらいの成熟期で他を寄せ付けることのない圧倒的なパフォーマンスとR&Rバンドでさ、随分前に「25 X 5」のビデオを見た時にこの1972~73年ころのライブの映像があって、滅茶苦茶かっこ良くって痺れたんだよ。でも、その頃はそんなライブ聴けることもなかったしもちろん映像を見れることもなかったのでその一瞬だけが脳裏に焼き付いていて、ストーンズなら1972~73年が最高、と刷り込まれているもん。今でもそのまま残っててさ、もちろんロック歴長くなってくると色々なライブの音源やラジオ音源なんてのは聴けたりするんだけど、やっぱりオフィシャルでのリリースによるクリアな音の感動は堪らない。そんな思いがそのまま出てきたのが「Brussels Affair」だ。

 っても簡単には入手できないのでコレがまた厄介でさ、結局その筋の音源を聴いているワケなのだが、驚くことにYouTubeで全編聴けたりする…、なるほど、時代は変わったものだ。しかしGoogle MusicでオフィシャルリリースしていてYouTubeでコレか?いいのか?その内淘汰されるか?そうしてネットも綺麗な世界を装うことになるのか?それとも無法の世界でいてくれるか?いや~、どっちでもいいけどこの雰囲気、このラフ感、ライブ感覚、雰囲気、ムード、どこをとっても最高の1973年の「Brussels Affair」、たっぷりとストーンズの雰囲気を堪能しちゃいました。ミック・テイラーのギターが的確でブルースな味を出しまくってる…この人のこのギターがこの時代を支えていたのがキーポイントかも。だからブルースバンドなんだよな、この頃。そこに「Gimmie Shelter」とか「Heartbreaker」とか違うのが入ってくるからロック。う~ん、かっちょ良い♪やっぱりそのままの勢いで「Some Girls: Live in Texas 78」にも手を出すんだろうな、自分(笑)。  ストーンズアーカイブってトコで入手可能らしいので興味ある人は良いかもね。

The Rolling Stones - It's Only Rock'n Roll

It's Only Rock 'N Roll  もちろんブライアン時代の名盤は数あるんだけど、今回は流れからしてやっぱりミック・テイラー参加の第二期ストーンズです。ロンドン時代の末期アルバムとなった「Let It Bleed」はお気に入りの名盤の一枚なんだけど、それよりもStonesレーベルからの黄金のストーンズ時代を作り上げた70年代の傑作・・・まあどれもこれも捨てがたい名盤ばかりなのでどれが一番ってワケでもないんだけど、今回は「It's Only Rock'n Roll」を取り上げようっ。

 理由は簡単で、「Time Waits For No One」が好きだから。ミック・テイラーというギタリストの音をマジマジと聴いたのがこの曲で、これこそ素晴らしきギターメロディーだって思うし、それがストーンズのこのアルバムの中に収められているってのもなかなか意外性があって良いし、まあ、単純に好きなだけです(笑)。ギターのメロディもそうなんだけど、音色がさぁ、線の細い音で途切れそうな感じで鳴っていて、なかなか出せないし、単なるブルースギターからは完全に逸脱しているし、哀愁って言葉だけでも片付かないし、良いんだよ、これ。ミック・ジャガーの歌やキースのギターってのが聞こえてこなくなるくらいテイラーのギターを聴いちゃうもん。あ、チャーリーのドラムも凄く貢献していて、さすがだなぁっていう雰囲気。で、この曲を聴きたいがためにA面の頭からもちろん聴くんだけど、そうするとさすがに全盛期のストーンズの作品なだけあって、冒頭から滅茶苦茶グルーブの効いたロックンロールが流れてくるんだよ。あぁ、正にストーンズでしかあり得ないなぁって思うキースのグルーブとチャーリーのリズム、テイラーのギターもこういう曲では見事にストーンズのサウンドに溶け込んでいてギタリスト二人によるリフの組み合わせは天下一品。聴いていると自然に体が動く、こういうのがロックンロールなんだなぁとつくづく感じるよな。アルバム全体感としては後半になると結構ダレてしまうところが決定的な名盤になり得ないトコロなんだろうけど、それもストーンズなんだよな(笑)。

 超かっちょいい「Rocks Off」で始まる「メインストリートのならず者」にしても「Sticky Fingers」にしてもこのグルーブ感は堪らんなぁ。この三枚はミック・テイラー在籍時、っつうかストーンズ史の中でももっとも好きなあたり。ああ、初期もあるか・・・。キリがないのでその辺はまた今度にするとして、70年代初頭のストーンズは最高のロックンロールバンドだったことに依存はないよね。で、そんな中でも「Time Waits For No One」っていう異色な曲がアルバムに入っているってのが良くってね、もちろん他にも異色な曲はあるんだけど、こんなにギターメロディーで押してくる曲ってストーンズにはあんまりないんじゃない?そういうとこが良いんだよな。

The Rolling Stones - Black and Blue

ブラック・アンド・ブルー  レッド・ツェッペリンが「プレゼンス」の録音を三週間で仕上げてしまったことは有名だが、もともとはメモ程度の録音予定が本格的な録音になってしまったということで、ミックスの作業などを考慮していなかったと言う。そこでジミー・ペイジはモントルーの同じスタジオを後から予約してあったストーンズのミック・ジャガーに二日間だけ融通してもらって急ピッチであの作品を仕上げたというのも有名な話。そのストーンズが同じスタジオで録音していたアルバムが「ブラック・アンド・ブルー」。

 同じスタジオながらもバンドが違うとこうまで音が違うのかというのは当たり前っちゃぁ当たり前だが、そんな身近な逸話があるので何となくの共通項を探してしまうじゃないか(笑)。まぁ、間違いなくツェッペリンの方がラフで音がでかくてロックだわ、ってのを感じたくらいか。それはともかく、この「ブラック・アンド・ブルー」期は有名な話でして、前任のミック・テイラーが突然脱退表明したおかげでレコーディングが滞っていたというものだ。次期ギタリスト候補にはジェフ・ベックやロリーギャラガーなどの名前が挙がり、実際にセッションしていたらしい。他数名のギタリストは実際に「ブラック・アンド・ブルー」のレコーディングにも記されているのもある。うん、まぁ、入社試験だからなぁ…。結局どこの世界も同じで顔見知りだったり知ってるヤツってのが…いわゆるコネってのが一番重要でして、ロン・ウッドになるワケだな。今となっては正解だったことは一目瞭然だが、そんな最初の作品です。っつうか、コレ、聴いてるとわかるけど、何かのセッションアルバムみたいな雰囲気を醸し出してしまっているのは事情が事情だからしょうがないんだろうか?それでもミックとキース主導ならば問題ないはずなんだけどな…

 何故に、って…、いや、最初の「Hot Stuff」からして誰これ?ってな感じでして、レゲエナンバーの「Cherry Oh Baby」なんてどこにストーンズ色があるんだ?ってなモンだ。アルバム一貫して声がミックじゃなかったらワケのわからないアルバムだったろうと思う。ところが、ミックの声なのは事実でして、特色のある曲を除けばもちろんストーンズらしいアレンジも聴けるのは当たり前か。顕著なのは、っつうか聴いててほっとするのは「Memory Motel」とかだね。まぁ、ストーンズらしいっつうトコロだし。何かね、ストーンズらしい曲とレゲエとかに影響されまくったのが交互に同居している感じで、当時の周辺の音楽の影響力ってのがよくわかる。レコーディングが1975年頃からだろうから、その前後くらいにこういうのが出てきたんだろう。クラッシュの連中がレゲエを血肉にしたのも多分似たような頃だろう。クラプトンがボブ・マーレーをカバーしたのもこの頃だろう。だから結構流行に敏感なストーンズのアルバムがこうなってもおかしくはない。ただ、今となってそういうアプローチは何だったんだろ?と思うとちと疑問だが(笑)。それでもそうやってバンドは生き残ってきたんだから良いと言えば良いのだろうが…。

 そんなワケで最近何度も何度も再発が試みられるレーベルの意図は別として、ストーンズのアルバムの順位の中では相当下の方に位置するとは思う「ブラック・アンド・ブルー」だが、アプローチの手法は消化の仕方なんてのを聴いている分には面白いでしょう。

The Rolling Stones - L.A. Friday (Live 1975)

ストーンズ〜L.A. フォーラム〜ライヴ・イン 1975【初回限定盤DVD+2CD/日本語字幕付】  最近のストーンズは人生総決算を行なっているかのように怒涛のアーカイブリリースを市場に投下しまくっているようで、DVDやBDなどの映像アイテムから始まってオフィシャルブートレッグライブのリリースも恐ろしく速いペースで進められていて、こんな勢いで出てきたら一体どんだけ出すつもりなんだ?とやや怖くなる気もするのだが、CDというメディアでのリリースを放棄しているからこそ出来るリリースでもあり、これこそ本来やりたかったリリース形態なのかもしれないなぁとか思ったり。CDというメディアでのリリースだと様々なルートを経由するから当然流通側の事情も鑑みてリリースしなけりゃいけないワケで、それがもう50年くらい続いていたんだからアーティストってのは数年に一度くらいアルバムを制作してリリースすれば良いという固定概念になってしまっていたんだな。

 

 コレは売り側の話。トコロがプリンスやマイルスみたいに無尽蔵に音楽が溢れ出てくる才能を持ったアーティストはそんなうる側の概念なんてさっさと崩壊させていて自身で続々と作品をリリースしまくっていたワケだ。マイルスなんかは複数レーベルからのリリース、プリンスは自主制作という道を取ってはいたが。ストーンズの今回のアーカイブものにしても同じように手元にかなり累積されているアーカイブをカネにするというよりは、ニッチなファンたちに届けてあげたいという思いの方が強いんだと思うんだけど、ネットでの自主制作リリースに近い流通でガンガンと出してくれている。これまでもThe Whoが最新ライブを全部ネットで売り捌いたりしてたけど、モノが違う。やはりロック全盛期の70年代のライブをアーカイブ化してリリースしてくれる方がどんだけありがたいか。The WhoやもしかしたらZeppelinでもそんなことをやってもらいたいものだ。話戻すとさ、数ヶ月に一度くらいのリリースなんだよね、今のストーンズのアーカイブものって。そんだけのリリースで一年で4枚くらいとしたら10年で40枚か…、そんくらいなら全然平気だな。King Crimsonがそれに近いことをここ10年くらいでやってたし、ま、おかしくないか。しかしCDメディアを使わない販売ってのはもっともっと加速させることが可能だからなぁ。どこまでやるか楽しみではある。しかも組んでる相手がGoogleだから無限の可能性あり、ってか。

 そんなことで今回で第3弾となった「L.A. Friday」というライブ、ご存知1975年7月13日(日)のライブでして、金曜ならば11日ってことになるのだが残念ながらそれは映像の方。音の方は日曜日の方なんだが、嬉しくも悲しくもブートレッグ好きな人には有名なLAでの最高録音者として知られているマイク・ミラード音源で既に広く出回っている日のサウンドボード音源ソースってことになるのだな。まぁ、良かったのは両ソースで同じライブがきちんと聴けるので編集の跡とかがあればきっちりと聞き比べられるってこと、残念なのはもちろん既に高音質な音で聴けるライブだからなぁ…ってトコ。ただ、まぁ、そこまでディープなファンも多過ぎないってことで、今回のリリースはもちろんほぼ全てのリスナーから好評を博しているハズで、しかもこのお値段がまた手頃。Flacで9ドル、MP3で7ドルって…パッケージ作らなかったらそんなに安く出来るんじゃないかっつう証明にもなってしまって、今後のDL販売の目安にもなっちゃうかも。Apple iTunes Storeでもアルバム一枚1500円くらいでしょ?アメリカで10ドル、う〜ん、どんどん産業が変わっていくな。極論すると作る側と広告あれば成り立っちゃうもんね、恐ろしい。

 さて、そのミラード音源…じゃなくてオフィシャルブートレッグ「L.A. Friday」、ロン・ウッド加入後初のツアー音源ってことで注目度が高かったライブで、しかも時代が経てば経つほどその貴重さが増してきたという感もあるかな、こんだけバンドにしっくりと入り込んでいるってのも凄いけど、自分的にはそんなに好きなギタリストじゃないな。キースのスタイルは好きだけど。まぁ、好き嫌いと言うよりもどうやってこの人達ってギター弾いてるのか…ってかフレーズとかコードとかオブリとか弾いてるのかよくわかんないんだよね。それとギターの音色もちと好みじゃない…ってか、ツインギターの音だからどうしてもこういう線の音になるのはしょうがないと思うんだが、ギターそのものの音としては何となく、ね。ただストーンズというバンドは好きだしやっぱ聴くし、意外なことにギター側からの側面ではあまり聴いていなくてバンドとして聴いている感じか。ま、それは本作に限らず、だけど。んで、オープニングの「Honky Tonk Women」から気怠く聴くんだが、これがまたカッコ良いなぁ〜、ほんとに。

 なんだよ、この異様なグルーブ感。世界中のどんなバンドもこんなグルーブ感は出せないし、唯一無二のドライブ感、それがまた心地良いグルーブでさ、似たような曲ばかりのくせに飽きさせないっつうか(笑)、ピアノだなんだと色々あるけど、骨格のリズム隊と二人のギターにミックの歌がしっかりとグルーブしてて、2時間半のライブを一気に聴いてしまうクオリティの高さ。無茶苦茶なシーンもいくつか聴けるけど、それもまた良しってこととして、自分的には丁度ストーンズってこの頃までのアルバムばかりを聞くのでベスト選曲みたいになってるのも嬉しい。ロン・ウッド加入後の作品って凄く聴いたっていう印象ないからさ。しかしこれまでのライブアルバム、例えば「Love You Live」なんかとはライブの出来が全然違う風に聞こえるのはなんでだろ?作品を良くしようとして編集していたのに生々しいライブの方が良いって本末転倒(笑)。時代のせいかな。これ、多分ライブDVDとか映像もちゃんとリリースするんだろうなぁ、それもまた楽しみ。良いなぁストーンズマニアは今♪

The Rolling Stones - Some Girls

Some Girls [Limited Edition]  時代の流れを上手く汲み取るセンスの良さは長寿バンドともなったストーンズが代表的で、ディスコブームの時代にもストーンズ流ディスコサウンド「Miss You」をヒットさせている。今でもライブでは定番曲として演奏されるこの曲も当時はキワモノ扱いされていたんだと思うけど、実に上手くストーンズらしさを組み込んだナイスな曲だと思う。

 1978年リリースの傑作「Some Girls」。ディスコ調を採り入れたのは冒頭のシングルヒット曲「Miss You」くらいで結局は非常にシンプル且つ勢いのあるロックアルバムとして原点回帰の意味も含めて制作されているみたい。「Miss You」にしてもベースのラインはディスコ調にしているけど、ギターのカッティングとかはモロにストーンズの黒いフレージングで、そもそもディスコサウンドの源はと言えば黒いリズムの強調なワケだからストーンズ的には全然ありのおかしくないアプローチではあったのかもしれない。スカスカのサウンドがこれまたストーンズらしいし、ミックの歌詞も実生活と相まって非常に面白く聞こえるしね。2曲目の「When The Whip Comes Down」なんてもうディスコ気分そっちのけでストーンズ流のかっちょよいソリッドなロックンロールナンバーだしね。こういう曲ばかりでストーンズもライブをやってくれると面白いと思うんだが、まぁ、今更無理か(笑)。次の「Just My Imagination...」はちと大人しめの雰囲気がしっかりと出た作風で、しっとりとさせてくれる作品。そしてアルバムタイトル曲「Some Girls」。ミックってロックンローラーの夢をしっかりと実現してくれている数少ない人で、それを作品に仕上げてくるのもセンスの良さかもしれんなぁ。オンナはべらかしてロックスター、っていうくだらない幻想をこの作品で描いているもん。音的にはちょっと不思議なサウンドで、ロックとかっていうよりもエフェクトを聴かせた歌モノって感じかな。アルバム的には必要な曲だね。んでもってギターソロが凄くもどかしくて良い味出してる。そんなロックスターの空虚な姿を映し出す「Lies」も良いね。これこそロック。思わずノリ始めてしまう快感の曲で、疾走感溢れるナイスなストーンズらしい作品。いやぁ、このアルバム面白いなぁ。

 B面最初はいきなりのどかな望郷的なサウンドで始まる「Far Away Eyes」…。もう最初のディスコサウンドなんて単なる客寄せ曲でしかなくって全てがストーンズのやりたいブルースロックに根ざしたサウンドで、いつの間にかそのマジックにしっかりとハマっている自分(笑)。そしてパンク時代でもあった70年代後半、今度はパンクに影響を受けたアンサーソングとも言われている「Retrospectable」だけど、言われているほどパンクのアンサーソングとも思えないし、普通にロックンロールだよ。まぁ、初期パンクそのものがロックンロールだからこうなってもおかしくないけど、そうだね、さっきから書いているロックンロールソングはどれもパンク的なスピード感を持った曲で、シンプルにかっこよい。時代を考えるとやはりそう言われてもおかしくないか。自分、こういうの好きなんだなぁ〜とつくづく思った(笑)。そしてキースの歌う曲としてはかなり有名な部類に入る「Before They Make Me Run」になるといきなり初期のチープなストーンズサウンドっていう感じで、ガレージ的な音が良いね。パンクバンドと大して変わんねぇじゃん、こういう音はさ(笑)。そしてアルバム中のしっとりとした名曲「Beast of Burden」がこれまた良い味出してて…、なんか凄く良いアルバムだよな、これ。やっぱストーンズって凄いわ。ロックだし、聴く度にかっちょいい、って思えるもんなぁ…。そんなアルバムの最後を飾るのは妙にイコライジングされた変わった音の「Shattered」。多分実験的なお遊びソングだと思うけど、それにしてはドスが効いた面白い音。

 ジャケットがふざけているのであまり好まれない作品みたいだけど中身の音はとんでもなくソリッドでかっこよくって、冒頭の「Miss You」なんて単なる客寄せだよ、ほんと。そうとしか思えないくらいにストーンズらしい良さがたっぷりと詰まっている秀作。ロニー時代の初期は名作多いんだよねぇ。

Muddy Waters And The Rolling Stones - The Checkerboard Lounge 1981

ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ 1981【初回限定盤DVD+2CD/日本語字幕付】  古くから知られていた1981年のMuddy WatersとThe Rolling Stonesの共演ライブ「ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ 1981」がいよいよオフィシャル映像とCDでリリースされたようだ。なんでまた今更?みたいな感もあるんだけど、こんな歴史的なイベントが陽の目を見たのはありがたいことだ。随分前に知り合いにビデオを借りて見せてもらったことがあったんだけど、話題とメンツの割にはさほど面白味のないライブだったな、という印象が強くてさほど興味をソソらなかったんだが、折角だからこの機会にもう一度ということで見て見ることにした。

 1981年11月22日にタイムスリップしてみよう。The Rolling Stonesは今じゃ歴史的とも言われるアメリカツアーの真っ最中、先日もStonesArchivesから1981年のライブがリリースされてその白熱ぶりを聞かせてくれたのだが、同じ年の秋、ちっぽけなシカゴのチェッカーボード・ラウンジというライブバー?でMuddy Watersがライブを行うことになっていた。その面々ですら、バディ・ガイやジュニア・ウェルズが参加したちょい豪華なライブだったのに、そこにミック、キース、ロニーの3人が加わり、更にイアン・スチュワートも参加したメンツだけ見れば相当歴史的なイベントになったのだった。

 「Baby Please Don't Go」の曲途中でMuddy Watersがミック・ジャガーとキース・リチャーズを呼び入れてセッションが始まる。ロニーはそのちょっと後にまだ地味に参加。スチュはいつの間にかって所か。しかし、このなんとなくそれなりの雰囲気を醸し出しているバーに真っ赤なフットボールシャツのミック・ジャガーってのは全く場違いな格好だし、ブルースという面からしてもまるでお門違いで、もうちょっとTPO考えればよかったのになとも思う。ブルースメンにとってライブってのは正式なお披露目の場だから皆きちんとした格好でやるんだよな。せっかくだからスーツくらいで歌ってほしかった(笑)。一方のキースはもうあのまんまだからかっこ良いな~。ステージに上がってタバコを吹かしてテレキャス担いで音鳴らした瞬間からブルースな音色とフレーズで、そういえばキースが本物のブルースをきちんと弾く姿ってほとんど聞いた記憶も見た記憶もなかったからかなり新鮮に響いたんだった。さすがにクラプトンとまでは言わないけど、Muddy Watersと一緒にやっても遜色ないギターを聞かせてくれます。キースって繊細だよな…、と。ボリュームやトーンに凄く気を使いながらフレーズを紡いでいって、場の雰囲気とか他のプレイヤーにも気を回して、それでいて自分が一番なんだ、みたいな雰囲気を出しているというプロフェッショナルさ。ロニーも地味だけどそういうのを凄く意識してるし、フロントのミックは結構大変だったと思う。アバウトな雰囲気で入ってくるMuddy Watersに合わせていくわけだし、性格も知らないだろうからどうすんだろ?みたいなシーンはいくつも見られるし、そういう意味ではハラハラするライブだ。

 ただねぇ、やっぱりリハ不足かな。もちろんこのライブが突発的な飛び入りのはずもなく、きちんとキースもロニーもスチュも自分の器材がセッティングされているワケだし、ミックにしても歌詞とかやり取りとか色々決め事はあったと思うんだが、リハ不足感が出てしまったかな。ストーンズの面々もMuddy Watersの方も馴れない感じで、やっぱりぎごちなくプレイしている。ギタリスト同士だったしボーカル同士だったり、またその組み合わせだったりすればなんかときめく瞬間もあるんだろうけど、椅子に座ったMuddy Watersと元気いっぱいのストーンズの面々では絡みようもなかった、という所か。そしてMuddy Atersもいつものあの表情だからギター連中がギター弾いても楽しんでるのか何なのかさっぱりわからないし、そういうのが聴き手にも伝わってしまって、キースやロニーも自分のギターってどうなんだ?みたいなのあるし、それが一方Muddy Bandの方だとしっくりと隙間が埋まっているのでやはり専属は違う。ストーンズがこの「ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ 1981」を30年以上リリースしなかったのはやっぱり理由があって、リリースに足る程のレベルにないライブだったから、自分たちの記念品でしかなかったということだったからに違いない。まぁ、今なら出しても良いか、くらいなのはあるんだろうけど、なるほどね。そう思うと、これからときめくようなライブってのはなかなか出てこないのかもしれない…。

 そんな邪推はさておき、まぁ、あまりこんなセッション活動をしないストーンズの面々によるセッションってこんな風なんだな、というのが見えて面白いし、もちろん皆好きでやってるから商売抜きに楽しんでる姿ってのは良いね。

The Rolling Stones - Hampton Coliseum Live In 1981

ストーンズ~ハンプトン・コロシアム~ライヴ・イン 1981【初回限定盤BLU-RAY+2CD/日本語字幕付】  ストーンズの「Hampton Coliseum Live In 1981」。こいつを買うべきかどうか、なんて相談…と言うか話になってさ、アングラでは古くから有名なライブだったし、そりゃいいんじゃね?って話だけど81年って「Let’s Spend The Night Together」もあるからどうなんだろ?ってな事でさ。そこから話続いちゃってあのアメフトのミックが許せなかったとか、あれじゃなきゃもっとストーンズは好きだったかもとか色々(笑)。で、この「Hampton Coliseum Live In 1981」はミックがスーツだからイケるんじゃねぇの?みたいなのあって、どんなんだっけ…ってかどんなんだろ?って事で見てみる事に。

 オープニングがバックステージの模様からで面白い作りだなと。キースの素のギターがかっこいいな~、さすがに良い音出してるし…って見てたら誰だこれ?ジョージ・サラグッドが登場か…前座だったんだろうな。しかしストーンズのバックステージってこんなに明るい雰囲気だったのかとちょっと意外。もちょっとギスギスしてるもんだと思ってた。それにしても今見れば皆若い(笑)。んでそのままダラダラとステージに登場して始まると言う…、こんなステージ展開だったんだなぁ、こりゃ「Let’s Spend The Night Together」より絶対カッコ良い、けど、やっぱり映画とビデオ撮影との差があるのかワイルド感とか作品感とかそういうのは全然違うね。どっちが良いって言うか、プライベートっぽいのがこの「Hampton Coliseum Live In 1981」でストーンズの醍醐味を感じるのが「Let’s Spend The Night Together」か。自分がガキの時にこれがあって見てたらどう思ったかなぁ…、やっぱりストーンズの良さには気付かなかったかも。

 81年って人気あるんだよねぇ…。自分なんかはもっとヤバい時期の方が好きだけどな。それにしても2時間以上この生々しいライブを見れるって凄いな。そういう意味ではホントに脂の乗ってる時期のライブなんだろうな。久々にビル・ワイマン見たし(笑)。


From The Vault: Hampton Coliseum (Live In 1981)

 突如としてリリースの報が入ってきたかと思えば、即座にDLして聴くことのできる状況となる今の時代、何とまぁ、便利な時代…と言うか、情報の速さ=陳腐化の速さでもあるのだが、怖いのは例えばちょっと前の情報ってのは一瞬にして見つけられなくなるってことだ。CDリリースだったらCD屋とかアマゾンとかを見てれば「こんなの出てたんだ?」と気づくこともあるが、デジタル時代に特定サイトからのDLのみ、となるとホントにファンじゃなきゃわからないワケで、過去にもKing Crimsonとか そんな売り方してたけど結局プレスCD盤をリリースしたもんな。今回のThe Rolling Stonesのアーカイブシリーズは果たしてどうなるか。Flac版も出ているし、今回のHampton公演なんかは2時間オーバーの途切れ無し音源だからCDにはならないかもな。

 そんな状況で突如として2月上旬にリリースされた「Hampton Coliseum (Live, 1981)」、ご入用の方はこちらから。…っても、ま、2時間オーバーのこのライブをフルでちゃんと聴くって結構大変でさ、集中し切れないってのかな、全部馴染みのある曲なら聴けるけど、結構馴染んでない曲も多くてね、ダレた。ただ、改めて思ったのはキースとロニーのギタープレイって普通のロックのプレイとは全然違ってて、こういうギター弾くロックバンドって多分他にない。そういう意味でも当たり前だけどストーンズって唯一無二のバンドだ。グルーブとか人間的な部分はともかくながら、ああいうギターを絡めて曲を成り立たせるバンドがないんじゃないかと。もちっとコードに忠実だったりパターンに忠実だったりするのに、ストーンズはそういうんじゃなくてオブリとか気分で進めている部分が多いから曲をホントに理解してないと何聴いてるのかわかんなくなりそうだ…あ、これギターだけの話。それをきちんと曲に仕立てているのがチャーリーだったりビルだったりミックだったり…そんな聴き方してます。

 さて、この「Hampton Coliseum (Live, 1981)」のライブは12月18日のライブってことで、あの有名な映画「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」って同じなのか?違うのか?とよくわからずに聴いてたんだけど、「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」の方は10月のライブなので別物ってことらしいが、あれ?キースがギターでステージに登ってきた客を殴るのってハンプトンじゃなかったっけ?それの映像って見たことあるけど、「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」じゃなかったのか。何で見たんだろ?ま、色々見てるからごっちゃになってるな(笑)。しかし今回の音源でその部分のキースのギターは果たしてどうなっているのか?ちょいと気になった箇所だが、しっかり収録されている(笑)。こりゃ面白いのでぜひYou Tubeと共に聴いてほしいものだ。そしてライブアルバム「スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)」も同じツアーからの模様を収録したライブアルバムだが、「スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)」にはこのハンプトンは4曲程入っているようだ。う~ん、ってことは1981年のライブなら他も多数出てくる可能性あるってことだな。

 それはともかく、ストーンズの1981年って全然カッコよいイメージなくてさ、それも「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」という映画のせいで、このミック・ジャガーを見た時、ストーンズなんて聴かねぇ…って思ったもんな。なんだよ、あの格好、って(笑)。ロックじゃねぇよ、って思ったからだな。それ以降ストーンズの面白さがわかってきてからも何度か見たけどやっぱりかっこ良く見えなくてね、自分的には1981年のストーンズって全然カッコよいとこないバンドだったんだな。「スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)」もそんなにかっこ良いライブ盤には思えなくてさ、それなら「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!」や「ギミー・シェルター」の方が断然良いし、とか。ところが今回の「Hampton Coliseum (Live, 1981)」を聴いていたら恐ろしくグルーブしててカッコよいんだよ。こんなんだったのか?と驚いたもんね。やはり自分のトラウマと思い込みってのはよくない。リマスタリングがしっかりしてるのはあるけど、それよりもライブそのもののカッコ良さがダントツで、1981年のライブって凄かったんだ~と。なかなか新たな再発見をさせてくれるアーカイブシリーズ、前回のブリュッセル1973も何度も楽しんだが、今回のハンプトンもかなり楽しめそうだ…。

The Rolling Stones - Live At The Tokyo Dome 1990

From The Vault: Live At The Tokyo Dome 1990 (Blu-Ray+2CD)  1990年1月5日、忘れもしないローリング・ストーンズ初来日公演のチケット発売日。後にも先にもあんだけ興奮してチケットを取ることに燃えたのは他にはなかったと思う。以降の大物関係なんかも結構興奮はしたけど割とすんなりとチケットが取れる方法というか人脈と言うか、やり方ってのを知っていったし、以降はネットで先行予約とかだから割とラクな世界だったんだよ。昔は公衆電話まで行って、ひたすら電話かけまくって繋がるまで鳴らし続けてチケットを取るってのとかさ、そのためにどこそこの公衆電話は繋がるのが早いらしい、とかどこのNTTの近くだと早い、とか凄い口コミが流れてたんだよ。信じられないだろうけど(笑)。

 んで、ストーンズの時はそれがもっと面白くて、1月5日の新聞紙上にどういうチケットの取り方かが出るからそれを見て体、って感じで、電話とかプレイガイドに並ぶとか以外に何かあるのかと思って朝刊が刷り上がるのを待ってたんだよ。そしたらなんてことはない、その日から発売します、って告知でさ、そりゃねぇだろ、オイ!って感じだけどもうお祭りだから寝ないでそのまま並びに行くのさ。もちろん死ぬほど寒い中を。全く人騒がせなチケット争奪戦だったもんだ。そんだけして取ったチケットは二日間だけ。だって二人で取りに行って、一人1公演4枚までしか買えません!って言われたからしょうがない。結局二日目の2/15と最終日2/27だったような。

 それが今回ストーンズアーカイブからリリースされちゃったから驚きだよ。まぁ、2/26公演中心ってことらしいので行った日ではないんだけど、もう一緒だしさ、そんなの。テレビ放送してたからもちろんビデオ撮って何度も見たけど、それも来日公演終わってしばらくの間だから以降はあんまり見てないんだよな。それでも鮮明に覚えている。ライブの始まりから出てきた時の興奮とかミックやキースの動き、バービー人形の膨らみとか二人の絡みとか曲とかビル・ワイマンの不動ぶりとチャーリーの笑顔、ロニーのギターの弾かなさとか全部。ミックの下手な日本語からの曲の流れとか最高にゾクゾクしたしね、もう全てを頭の中に焼き付けたくて見てたもん。テレビで見て全然迫力ねぇな、って感じで大してまともに相手しなかった。それよりに二日間見た生のビジュアルが鮮明。それももう2年前の話だからどんだけ自分は覚えてる?とも思うが、凄く久しぶりにこのライブを聴いたんだな、今回。

 すげぇカッコ良い。1990年のストーンズってこんなにカッコ良かったんか?あの頃はもうジジイだし、死ぬ前に見ておきたいな、くらいだったのが今でも現役なストーンズ、するとそんだけ前のライブだからまだ若いってことか。いや、そういう次元の話でもなくてさ、1990年のストーンズっていう姿があって、それがかなり熱くてびっくりした。今回のボブ・クリアマウンテンのミックスが上手いのかもしれないけど迫力も勢いもライブ感もロックさもよく出されているし、ホント、驚くほどにかっこ良い。キースってこんなにギター弾いてたの?とかさ、ストーンズのグルーブを上手く出してて、こんなロックバンド世界にストーンズだけだろ、ってくらいのグルーブ。やっぱ脱帽だわ、これ。

 友人に超が付くストーンズマニアがいるのだが、おかげで自分は全然ストーンズを知らない人間に思えててね(笑)、こんなところで書いてていいんか?とも思うが、まぁ、それくらいは好きなのだよ、ストーンズってのは。こういうギターって弾けないもんなぁ。いや、脱帽。日本公演の思い入れとライブそのものの白熱ぶりだけで聴くべし、だな(笑)。「アンジー」がないのがちと残念だが、このジャケットになったパンフレット、まだ家にあるしなぁ…。

The Rolling Stones - Live In Japan 1990

スティール・ホイールズ(初回受注完全生産限定)  番外編ってことで、たまにはちょっとアルバムレビューから脱線してみようかな♪ 巷ではストーンズが話題になっていて、しかも既にストーンズの面々は日本に入国済みってこともあっていつどこで遭遇してもおかしくない状況(んなワケないが)ということもあってかやっぱり音楽関係のトコでは盛り上がってるよね。ブログの世界でもさすがにファンは多いのでアチコチで見かけるし、それこそリアルタイムで発信できるブログの強みだしね。んでもって、ウチでは何故に番外編か…、いや、単にここのところストーンズ聴いてて、それもテイラー期のアルバムばっかりで、凄くかっこよくってさ、たまに聴くとハマるんだよね、ストーンズって。やっぱり唯一無二のグルーブ感とギターだなぁとつくづく感じるもん。んで、ふと初来日した時の状況を思い起こしてみようかな、と。ただそれだけ。

 アルバムで言うと1989年発表の「Steel Wheels」でその前の作品が「Dirty Work」だったからその間ミックがソロアルバムを出したりキースもソロを出したりしてお互いの関係が凄くギクシャクしていた時期を乗り越えて、ふたりでチョロッと曲作りを始めたらもう一気に出来上がってしまったっていうくらいにヒートアップした作品が「Steel Wheels」で、キース曰く今やっとかないとまたすぐコジれるからな、って思ってやったらしい。結果、それ以降定期的にストーンズは活動しているのでまあ、いうならば復活作になるのかな。で、そんな状況の中、日本はバブル真っ盛りなので当然初来日を誰もが望んだワケで、それこそ当時は今呼ばなかったら二度と見れない、っていう雰囲気もあったよなって思う。当然インターネットなんてないから情報収集ってもなかなかできないしさ。まぁ、それでもウワサ話はなんとなく伝わってくるもので、89年暮れになるとストーンズ来るらしいぞ…、正月の新聞に気を付けろ、みたいなことがまことしやかに囁かれてさ、面白かったんだけど、そしたら1月5日(6日?)の朝刊にデカデカとストーンズ初来日公演について告知されて、チケット発売方法とかも出ててさ。2月に東京ドーム全10公演ってことで当日から発売!みたいな。でもってそんな朝刊見る時間なんていつも寝る時間だったから結局寝ないでチケット取りに並びに行ってさ…。そしたらもう5人くらい並んでて、早いヤツはいるもんだ。真冬の朝っぱらから外で並ぶって寒いよなぁ。ロックだからジーパン革ジャンだけだからホント寒くて(笑)。そしたらストーンズファンって面白い。誰かがどこかで大関ワンカップを何本か買ってきて配っててさ、温まりましょう、みたいな感じで。妙に一体感あったな。ちなみに朝6時頃の話(笑)。

 んなことでチケットを2公演分取って…そんなに苦労したにもかかわらず2階席だったんだけど、まあ、良し。記憶によると多分二日目と最終日だったかな。ライブの模様はテレビでも放送したのでそういうもんだったんだけど、まあ感動したよね。それはライブそのものと言うよりもストーンズを見れたっていう意味でだけど。ライブ内容も良かったのかもしれないけど。でもね、時を経た今となっては自分が見たかったのは多分ああいうエンターティンメント的なストーンズじゃないんだろうなぁと思うけどね。まぁ、見れないからしょうがないんだけど(笑)。

 でも、ふと思うのは既に1990年って16年前なワケで、じゃあ90年の16年前だった74年頃のことを語る人と、自分が90年のことを語るのとエラく違うよね?やっぱ70年代は黄金のロック時代だったんだよ。少なくともそう思ってる自分がいるんだなぁと思うワケさ。ま、どーしよーもないことだからグダグダ言ってもしょうがないけどさ。だからその分ハングリーにロックを漁るし、72年のストーンズを夢見ていたりするのかもしれないな。でもね、何だかんだ言いながら初来日公演を見れた、見た時のアルバム「Steel Wheels」はよく聴いた。好き嫌いは別にしてよく聴いたし、「Sad Sad Sad」の冒頭のギターがミックだって言われたときは驚いたけどね。で、その後のライブ盤「Flashpoint」も仮想日本公演的なものとしてよく聴いた。テレビで放送した日本公演はなんか面白くなくてあまり見てないね。

 そんなストーンズももう何度も来日していて、何回か見に行って、こないだは武道館でもやって…、今回は東京ドームは2公演。う〜ん…ま、いつまでもそう上手くは行かないんだろうけど、だったら一気にもっと狭いところでもシークレットギグを増やしてコアなファンを満足させるとかも良いんじゃないかな。…って既に催されているのかもしれないが。うん、…ってなことでストーンズ、やっぱ見れるウチに見ておきたいね。